「俺はレベル6を目指す」

他には誰もいない黄泉川家リビングで学園都市最強の能力者一方通行は元研究者である芳川に向かってそう告げる。

「なぜかしら？あなたはもうそういったことには興味がないと思っていたのだけど」

それはそうだろう。絶対能力者進化計画に関わってきた者としてあのようなプランはもはや今の彼には必要ないといえるはずだ。

「俺はあくまでも手段を否定しただけでレベル6になることを否定した訳じゃねェ。犠牲を伴ってまでする価値は全くないと気付いただけだ」

「その言葉を聞けて安心したわ。ではなぜいきなりそのような思いを持ったのかしら？」

「一つはクローン達の寿命のことだ。いくら調整によって延ばしているとはいえ、完全に負荷がなくなる訳じゃねェからな」

「それと、守りたいものを守るためだ。今まではなンとか運も重なって誰も失わずに済んでいるが、これからそううまくはいかないハズだ」

実際一方通行の言うことは的を得ている。
第三次世界大戦では魔術と言う未知の力に触れることになった。
確かに一方通行には黒翼などの未知の力を持ってはいるが、
学園都市に潜む陰謀や新しい力を考えるとこの先このままで守りたい者を零さず守っていくことはとてつもなく困難だろう。

今まで存在しなかったレベル６になればそれを克服することが一気に容易になることは疑いようがない。

「分かったわ。それじゃあ、なぜ私にだけ報告しにきたのかしら？」

「他の奴に知らせると危険なことに突っ込ンでると勘違いされてしまうからな。あの性悪なんかはちょっかいを出してくるかも知れねぇし。まァいずれ知らせるか」

「オマエに知らせたのはレベル６になるためのマトモな方法を考えてもらおうと思ってな」

「なるほどね。あなたのいうまともというのが罪のない人を巻き込まないということならば心当たりがあるわよ」

「本当か！？」

「これは元々私が絶対能力者進化計画の時に提唱していたのだけど。あなたに様々な法則を身につけさせて最終的にレベル6に至らせるという方法よ。クローンを使った計画はあなたが戦っている中で法則を獲得するのを期待したものだったけれど。」

一方通行は確かにその経験を幾度もしている。
一つは10032回目の実験の時。あの少年を倒すために空気を操ってプラズマを生み出そうとした。
そしてもう一つは第三次世界大戦において大切な少女を救うために体にダメージを与えつつも魔術を
行った。

<今回はここまでです。明日22時前後に始めます。>

「あなたが他の能力者を含め特殊な力を持つ者に弟子入りするなどして特殊な法則を身につける。これを繰り返せばあなたは誰も傷つけることなくレベル6に至ることが出来るはずよ。」

「なるほどな。オマエに聞いて正解だったぜ。手始めに誰か心当たりのある奴はいるか？」

芳川が紹介する人物　安価下２

木原

トール

幻のシックスマン(6位)黒子(ホクロ) テツヤ
とかやってみたかった

<やっぱりもう少し進めます。>
「丁度よかったわね。あなたに紹介したい変わった人がいたのよ」

研究者として多くの能力者や最新の技術に関わってきた芳川が"変わった"と言う以上普通ではないのだろう。
そう思い一方通行は芳川に紹介を求める。

連れて行かれたのは今は使われていないが研究者向けの宿泊設備もついている研究所であった。

「ココでの被験者にでも俺を会わせるのか？」

「いいえ、彼はそこに住んでいるだけよ」

『彼』という言葉からまず相手が男だということを察する。

「なんでも普段から機械などを調整出来るような場所に住みたくてここに行き着いたとか。私が管理している研究所だったから侵入者の連絡が来て行ってみたら住まわせてくれるように頼まれて応じたと言う形になるわね」

「ンで、その変わった技術者はどんな事が出来るンだ？」

「技術者ではないわ。機械を使っているようにも見えるけど、学園都市の能力者とは違う超能力を使っているようなの」

そこまで聞いて一方通行はまず魔術を思い出す。
確かに魔術を使う事が出来れば学園都市の意表をつく事ができ、統括理事達を欺く事も可能だろう。
だが同時にあの身を切るような拒絶反応を思い出すとあまり現実的では無いように思われる。

芳川を伴い廃研究所へ入ると女性のような美しいブロンドの青年が現れた。
確かに少し変わった服装からして今まで見て来た魔術師の特徴と一致する。
予め男性と知らなければ女性と間違えてもおかしくはなかった。

「紹介するわ。こちらはトール君、武者修行のために学園都市に来たそうよ。」

「お前が桔梗さんの話していた一方通行か！俺はトール、よろしくな！」

いきなり握手を求めてくる相手に対して一方通行は少し警戒する。
名前を聞いている以上能力についても知っているはずだし、学園都市には侵入して来たのだろう。
それでもなおこの笑顔を崩さないのは自信の現れといえる。

だがそんなことを気にしていても始まらない。仕方なく一方通行は握手に応じる。

「そういえばハワイでは色々と迷惑をかけたみたいだな。すまなかった。」

いきなりトールはそう言い放つ。
その瞬間、一方通行はこの男がグレムリンであることを理解する。

「芳川、少し席を外してもらってイイか？」

緊張が走る。

オマエ、グレムリンの魔術師だな？何が目的だ？」

「いやいやいや、トールさんは純粋に強い奴と戦いたくてここに来ただけだぜ？別に人を殺しに来た訳じゃなければ混乱を巻き起こそうとしているわけでもない。」

そう言うトールの目は確かに嘘をつき慣れた暗部の者の目とは違っていた。闇を知りつつもなおも光を追い求める。
自分に少し似た物を感じ取った。

<これで本当に終了です。IDがなぜか変わってしまう…　明日(今日)の２２時くらいに更新します。>
「そうか…。よろしくな。」

とりあえず一方通行はこの男を信じる事にした。
仮に危険な事を企んでいたとして、彼と共にいれば監視の意味を持つと判断した事も理由にある。

「それで、オマエは芳川から何をするか聞いているのか？」

「聞いたぜ！強くなりたいんだってな！だが超能力者に魔術はお勧めできないな。」

この点では予想通りの答えが返ってくる。
そんな一方通行の心情を察したのかトールが言葉を続ける

「おいおい、まさか全能のトールさんが教える事が出来るのが魔術だけだと思ってないよな？」

トールは一方通行に何を伝授するのか　安価下２

体術

柔術と口三味線

<遅くなりました。少ないですが本日の投下を開始します。>

「お前に柔術を教えてやるよ。」

「柔術だァ？」

一方通行は少し拍子抜けする。仮にも魔術師という別の世界に行きている人間から何か教わるのに、学園都市の暗部擬いのものを教わる事になろうとは。

「悪ィがそういう護身術みたいな物はコイツがありゃア十分だ。悪かったな。」

そういって一方通行は携行している拳銃を取り出す。彼の腕前ならばこの一丁で十分戦えるだろう。

「じゃあいっちょ戦ってみるか？お互いに力を使っていいってことで。」

そうトールは気持ちを昂らせながら提案する。

「実際お前とは桔梗さんから話を聞いたときから戦ってみたかったんだよな。」

つまり彼は”学園都市第一位の能力者”である一方通行と戦ってみたいと言っているのだ。
今までも彼は無謀な野心から度々戦いを挑まれて来たが、殆どが一対多で一か八かの不意打ちと言えるものだった。
彼のように純粋な好奇心から平等な条件で戦いを求めてくるのは初めてと言えよう。

「イイんだな？後悔しても知らねェぞ？」

<見て来たc級映画が異様に長くて疲れてしまったので今日はここまでです。明日はもう少し早い時間に投下します。皆さんおつかれさまです。>

最後の確認をとる。

「もちろん！ていうかお前は上条ちゃんに連敗してるんだから一勝一敗の俺がその台詞を言うべきだったんだがな。」

その驚愕の情報を聞きつつも一方通行は冷静さを失わない。

そして戦いの火蓋が切って落とされる。

結果　安価下２

ドロー

トールの勝利

一

<また今日も遅くなりました。それでは初めます>

決着にはそれほどの時間を要さなかった。

あらゆるベクトルを操作する能力者である一方通行は電撃で体の自由を奪われ地面に組み伏せられていた。

「クソが…」

一方通行を押さえつけながらトールは語る。

「お前は基本的に防御の事を意識していないからそういうことになるんだよ。自分の周りのエネルギーを扱うのには慣れているが自分が受けるエネルギーには無頓着。つまり自分が見えてねーんだな。」

それもそうだろう。彼は元々如何なる刺激からも"守られて"いた。更に、能力が制限された後も"守る"事で精一杯で自分自身を顧みる余裕などなかったのだ。

「俺も肉体はお前と同じで特別に強いわけではないぜ？実際、さっきの様な出力を出した後じゃあそれなりのダメージが来てる。」

「だが、お前が同じ事をすれば腕が吹き飛んでるだろうけどな。」

トールは語り続ける

「別に柔術と言っても組み手をしたりする訳じゃあない。自分にかかっている力を巧くコントロールして少ない負担で高い出力を維持するための技術と考えてもらっていい。」

いくら絶大な力を持っていてもその本人が壊れてしまっては意味がない。一方通行はトールの指導を受ける事を決意した。

「この際意地を張っても仕方ねェ。その力の使い方ってヤツを教えてくれ。それに見合った代償は払う。」

トールの要求　　安価下2

強い奴紹介

特訓終わった後に真剣勝負

「そうか。ならばお前が力の使い方を身に付けたらもう一度俺と勝負してくれねーか？」

「そんなモンでイイのか？それにオマエの立場からして俺が強くなるのはマズいんじゃねェのか？」

「俺は強い奴と戦えればそれでいいんだよ。そのことに立場なんて関係ないだろ」

一方通行は驚いた。彼が強い相手と戦いたいと言った事を忘れた訳ではないが、それはあくまでも別の目的の為であり、戦う事自体が目的だとは思っていなかった。

「沈黙って事は了承と見做していいんだな？てなわけでこれから特訓を行うから暫くの間は俺と一緒に過ごしてもらう。住居はこの研究所でもいいんだが、さっきの戦いでかなり酷いことになってしまったからな。どうしたものか」

トールは辺りを見回す。外に被害が出ないようにお互いが気を配ったとは言え、能力実験の為に作られた強化素材の建物も半壊状態であり、あまり生活にふさわしい場所とは言えない。

「俺は荒れた場所には住み慣れていたからここでも構わねェが、流石にこんな状態にしてしまったからには芳川に相談しねェとな」

二人は外で待機していた芳川に事情を説明する。

「そうね。住居の事なんだけどこの研究所を使う必要はもうないわよ。」

「他にアテがあるのか？」

「実を言うと学園都市にあなたの絶対能力者への進化計画を提出して私が総括者という事で一任してもらおうと思っているの。そうすれば統括理事会からの介入も未然に防ぐことが出来てあなたも活動がしやすくなるし、私も形だけでも仕事を得る事が出来るし一石二鳥というわけよ。」

何かおかしい気もするが細かい事は気にしてはいられない。

「確かに形だけでも学園都市に従っているという事にしないと何時邪魔が入るか分からねェからな。住居についてはどォするんだ？」

「私が支給される研究者向けのマンションをあなた達に譲る事にするわ。私は今の家が気に入っているのよ。私たちと同じ学区だし。あの子達も受け入れてくれるでしょう。」

「俺は荒れた場所には住み慣れていたからここでも構わねェが、流石にこんな状態にしてしまったからには芳川に相談しねェとな」

二人は外で待機していた芳川に事情を説明する。

「そうね。住居の事なんだけどこの研究所を使う必要はもうないわよ。」

「他にアテがあるのか？」

「実を言うと学園都市にあなたの絶対能力者への進化計画を提出して私が総括者という事で一任してもらおうと思っているの。そうすれば統括理事会からの介入も未然に防ぐことが出来てあなたも活動がしやすくなるし、私も形だけでも仕事を得る事が出来るし一石二鳥というわけよ。」

何かおかしい気もするが細かい事は気にしてはいられない。

「確かに形だけでも学園都市に従っているという事にしないと何時邪魔が入るか分からねェからな。住居についてはどォするんだ？」

「私が支給される研究者向けのマンションをあなた達に譲る事にするわ。私は今の家が気に入っているのよ。私たちと同じ学区だし。あの子達も受け入れてくれるでしょう。」

早速トールを引き連れ黄泉川家に戻った一方通行は引っ越す準備に取りかかる。

それに気付いた打ち止めは寂しそうに一方通行に話しかける。

「あなたはまた何か危ない事をするためにどこかに行っちゃうの？ってミサカはミサカは心配のあまりあなたを引き止めようとしてみたり」

「心配する必要はねェよ。別にコイツと一緒に暮らすだけだ。」

一方通行は自然と部屋に紛れていたトールを指差す。

「えぇっ！？ついにあなたが女の人と同棲しちゃうの！？ってミサカはミサカは絶望した！と名セリフを口にしてみたり…」ｵﾛｵﾛ

「おいおい、俺は女じゃねーよ。そういえば自己紹介がまだだったな。俺はトール。しばらくこいつを預かる事になったからよろしくな！」

「ええーそうだったの！？それじゃああの人をよろしくお願いしますってミサカはミサカは挨拶をしつつ男の人とは思えないトールの髪を羨ましがってみたりー」ｻﾜｻﾜ

<今日はここまでです。お疲れ様でした。>

「あれー？第一位はロリコンじゃなくて男の人が好みだったんだぁ？まあどちらにせよ変態なのには変わりないね～。ぎゃはっ☆」

打ち止めがトールの髪と戯れているところで番外個体が突然会話に入ってくる。普段なら軽く流しているところだがこうやって悪態をつかれる事もしばらくはないのだと思い一方通行は応戦する。

「オマエこそそういうことが気になるのなら一緒に来るか？まあ番外個体ちゃんは純情な女のコだから男二人と一緒の生活は無理だろォなァ？」ｹﾗｹﾗ

番外個体の返答　安価下２

加速下

…何それ、ミサカのことばかにしてるだろ！いいさなら一緒に付き合ってあげるよ。もやしがくたばって音を上げる姿が見てみたいしね！

乙です

しかし主人公セロリなのにセロリ自体の安価が少ないなw

<すいません。別に予定がある訳ではないんですが、なんとなく家に早く帰るのは負けかなという雰囲気でこの二日は帰宅が遅くなり更新が出来そうにないです…。明日は必ず更新しますのでご寛恕ください。>

<お待たせしました。それでは本日の投稿を開始します>

「…何よそれ、ミサカのことバカにしてるだろ！」

番外個体は語気を荒げる。誘った事を軽くからかわれるだけだと踏んでいた一方通行にとってこれは予想外だった。

「いいさ、なら一緒に付き合ってあげるよ。モヤシがくたばって音を上げる姿が見てみたいしね！」

やはり悪態をつくのは変わらないがまさかの番外個体参戦ということになってしまった。

「おー！見た目だけじゃなくて中身までミコっちゃんに似てんだなー。まあこれからよろしくな！」

トールが少し意味深な台詞を吐くが、一方通行は気付かない。

「えー！番外個体だけずるい！ミサカも行くー！」

「悪ィな。来ても特訓ばかりでオマエの世話をする奴がいねェからそうもいかねェんだ。オマエは芳川達と一緒にいてくれ。」

「わかった…ってミサカはミサカは多少の不満を抑えつつ同意してみる。」

「それじゃあ、挨拶もおわったし早速特訓しようぜ！番外個体ちゃんは先に新居に行ってくれていいぜ！」

「えー、ミサカはこのモヤシがスパルタを受ける所を見たいから特訓にもついていくよ。」

「全くイイ性格してやがるぜ。ンじゃあ行きますかァ。」

そうして黄泉川宅を後にした一方通行一行は以前とは別の研究所に到着する。

「ココが芳川が新しく学園都市から与えられた研究所か。アイツの言う所によればココは前の所よりも衝撃に耐える実験場があるそォだ。力を活かすための柔術を身につける特訓ってことだが、何をするんだ？」

実際の特訓内容　　安価下２

俺を投げまくれ

能力を使わずにトールをひたすら投げ飛ばせ

「じゃあ、俺は抵抗しないからひたすら俺を投げ飛ばしてくれ。」

(なんだ。簡単じゃ…)「勿論能力は使わずにな！」

(ねェな…)

「あはっ☆何その顔wまさか能力がなければ無抵抗でも投げられないんじゃないの？ww」

番外個体が煽ってくる。実際投げる自信はないがそれでも、学園都市最強である一方通行も意地を張る。

一方通行の発言　　安価下２

やってやるよォ！

俺を誰だと思ってるンだァ！
楽勝だぜ

「俺を誰だと思ってるンだァ！？」

能力を使わないという条件の下ではただのモヤシではないかと思わせつつも一方通行は余裕を崩さない。

「楽勝だぜ」

「その意気だ。早速始めようぜ！」

そうトールは活を入れ、一方通行と向かい合う。

(問題ない。能力がなくとも相手の重心を見極めれば少ない力で投げる事が出来るハズだ。)

<今日はここまでです。明日は20時ころから更新します>

しかし、その期待は外れ、トールは一寸たりとも動かない。

「どうした、俺は抵抗していないぞ？」

「なンでだ…？確かに俺はオマエの重心目がけて力をかけている。これが最も効率がイイ力の使い方のハズだ。」

「だからお前はダメなんだよ。」

トールは一方通行に語りかける。

「俺が言っているのはそういうことじゃあない。お前がいかにして自分の力を引き出すかだ。自分が出せる力を上げようとせずに少ない力でどうにかしようと思うのがそもそも間違ってるんだよ。」

「本当に効率がいい力の出し方はこうだ」

そうトールは呟くと一方通行を背中から背負うようにして10m程投げ飛ばした。

「うわー、ミサカこれはさすがに驚きだよ。」

「ありゃ…これはやり過ぎちまったかな。もう帰りますか。」

能力を使わない状態で激しい衝撃を受けた一方通行は気絶していた。

「とりあえず俺がこいつを運んで帰るから、そのあとのことは任せたぜ。俺は少し用事があるからな」

「ええー！ミサカこのモヤシの世話をしないといけないの…？」

「なに、すぐに戻ってくるさ、それにせっかくついてきたんだからたまには二人きりになりたいだろ。」

「はあ？な、何言ってんの？ミサカは別に…」ｱｾｱｾ

「まあいいや。もう着いたから後はよろしくなー！」

一方通行が目を覚ましたときの状態　安価下２

変わらず

打ちどころを間違えて年上好きで何かすごくきれいな一方通行に

<すいません。レポートの締め切りに追われているので二日程更新ができません。30には投下します。>