京太郎「小説家を目指してみようと思う」(165)


京太郎「俺小説家を目指してみようと思う」

咲「何でまたそんなことを」

京太郎「いやぁ、今までも趣味で書いてたんだけど」

京太郎「試しにネット上にアップしてみたら大反響でな」

京太郎「それで小説家にって思ってな」

咲「そうなんだ」


咲「それで私に頼みたいことってなに?」

京太郎「俺の書いた小説を読んで感想を聞かせてほしい」

京太郎「ラノベの公募用に一本書いてみたんだけど自信が無くてさ」

咲「なるほどね」

京太郎「他のみんなに見せるのはまだ恥ずかしいし」

咲「(なんだろう。まるでお姉ちゃんと打ってる時みたいな不安が……)」

ほうほう


京太郎「ほい。これだ」ドサッ

咲「え?なにこれ」

京太郎「何ってさっき言った俺の書いた小説だよ」

咲「(この月刊少年ガンガンみたいな紙の束が!?)」

京太郎「もしかしてフロッピーとかUSBで渡した方が良かったか?」

京太郎「手書きじゃなくてパソコンのwordで印刷したやつだから汚くて読めないとかはないと思う」


京太郎「あとこれも」ドサドサッ

咲「へ?」

京太郎「小説を読むにあたって必要な設定集だ」

咲「(本編の二倍の厚さがある)」

咲「こ、これを読めと」

京太郎「ああ」

咲「(しばらく徹夜かな)」

もはや拷問ww


~~一週間後~~

咲「……京ちゃん。一応全部読んだよ」

京太郎「おおそうか!!」

京太郎「で、どうだった?」

咲「えっとそうだね。何から言おっかな」

咲「とりあえず言えるのは」

咲「何から何まで『全部駄目』ってことかな」

京太郎「え?」

京太郎哲也になる

西村京太郎かと思った


咲「まず最初に指摘するのは文字数」

京太郎「え、少なかった?」

咲「逆だよ!!多すぎるよ!!この厚さはもはや凶器だよ!!」

咲「どこの出版に送るのかは知らないけどレギュレーションを守らないと、読まれずに落選だよ」

京太郎「何文字くらいなら良かったんだ?」

咲「う~ん。例えばMF文庫Jだと『1ページ40文字×34行の書式で80~150枚』って決まってるよ」

咲「ライトノベルはどこの出版社でも基本的にこのくらいの分量かな」

へえ


咲「そして設定集なんか問題外」

咲「長期連載作品ならともかく、続編が出るかも判らない公募作品にそんなもの作る暇があればもう一本書きなよ」

咲「そもそも設定集が必要になるってことは、本編内で設定を自然に出す力量がないか」

咲「その設定が物語の展開に不必要な死に設定かのどちらかだよ」

咲「京ちゃんのは典型的な後者タイプ」

咲「名前すらも出てこないモブキャラの家族構成とかどーーっっっでもいい!!」


咲「他にも言いたいことは山ほどあるよ」

咲「大して力量も無いのに一人称で書くなとか」

咲「何度も何度も視点変更するなとか」

咲「主人公の名前が『キョウ』って……とか」

咲「でも一番言いたいのはね」

咲「何で台詞の前に名前が入ってるの?」

トーリ「いやぁ~、照れるわ~」

その発言はブーメラン

ペンネームは京極夏彦

みてるよ

SSかよ!!あとドラマの脚本かよ!!


京太郎「俺がネット投稿してる小説サイトではみんなそれだぜ?」

京太郎「それに掲示板とかでもみんな台詞の前に名前付けてるし」

咲「ひょっとしてそれはギャグで言ってるのかな?」

京太郎「?」

咲「いい、京ちゃん。台詞の前に名前を付けるのは俗に『台本形式』って呼ばれてるの」

咲「はっきり言って台本形式は小説ではありません」

京太郎「な、なんだってーー!!!!」

咲「……続けても?」

京太郎「あ、どうぞ」

ホライゾンの事を言ってるのかと思ったがそうでもなかった

台本形式とはいうけれど、それはそれで台本に対して失礼だよね


咲「台本形式っていうのはね、文字通り『台本』で使われる手法なの」

咲「舞台とかドラマとかアニメとかetcとにかくそういうので使われるやつ」



(キャラ名)「(台詞)」

俳優・キャラクターの動作

(キャラ名)「(台詞)」



咲「みたいにね」

京太郎「ふんふむ」

まあSSとかは台本形式じゃないと逆によみづれえわな

クソなのに徹夜までして全部読む咲ちゃん偉い


京太郎「じゃあ今まで書いてきた台本形式のやつは小説扱いされないのか」

咲「うん。そうだよ」

咲「でもね、より詳しく言うと掲示板での台本形式は正確には台本形式じゃないんだよ」

咲「>>21の言うようにこれを台本形式って表現するのは失礼にあたるね」

京太郎「台本形式だけど台本形式じゃない???」


京太郎「どういうことだ?」

咲「ネット掲示板で使われる台本形式は正確には『小窓形式』って言った方が正しいの」

京太郎「小窓形式?」

咲「京ちゃんはシミュレーションゲームとかする?」

京太郎「ん、まぁそれなりには」

京太郎「(女性の裸が出てくる奴だけど)」

西村じゃないのかよ

しえしえ


咲「なら分かりやすいと思う。シミュレーションゲームなんかだと」

咲「画面の上部分にキャラクターの立ち絵。下部分に枠線で囲まれたウィンドウが表示されてて」

咲「キャラクターが台詞を喋るとウィンドウ内に台詞とキャラ名が出るでしょ」

京太郎「ああ。ほとんどそういうタイプだな」

咲「こういう手法がさっき言った『小窓形式』なの」

咲「画面下部分の小さな窓(ウィンドウ)に台詞とキャラ名がでるから小窓形式」

咲「だから掲示板で使われてる手法は正確には小窓形式って呼ぶのが正しいの」

メッセージウィンドウ形式というわけか。
しばらく戦術級SLGしか思い浮かばなかった。

ボクシングスレかと思った

文学少女咲さんすげえ
そして京ちゃん黒猫よりひでえ

しかしラノベの巨大フォントとか見てると小窓形式くらいありなんじゃって思えて来る


咲「ともかく、小説を書く時は台本形式はNG」

京太郎「分かった」

咲「それじゃあ次の指摘をするね」

京太郎「よろしくお願いします。先生」

咲「うむ」

この咲さんはかわいい咲さんや

福路美穂子ちゃんの美乳揉みたい

マジキチ先輩ちーっす


咲「京ちゃんの小説を読んだところ、やけに『メタ発言』が多いなって感じたの」

京太郎「メタ発言?」

咲「メタっていうのは『高次の~』って意味のギリシャ語か何かだったかな?」

咲「メタ発言っていうのは本来なら作中のキャラクターが知覚することの出来ない事象を話すことをいうの」

京太郎「……さっぱり意味が分からない」

勝った!第三部カン!

無限バンダナだ!

禁書でメタっぽい発言あったな


咲「例えば京ちゃんは相手に背中を向けてる時、その人がどんな表情をしてるか分かる?」

京太郎「普通は無理だろ」

咲「メタ発言っていうのは相手に背中を向けてるのに一人称で相手の表情について主人公が語ったりすることだよ」

京太郎「分かったような分からないような」

咲「よくある例だと」


この時の私はまだ知らなかった。この別れが彼女との最後の別れになるということを……。


咲「ってな風に未来予知しちゃう」

京太郎「こういうのはよく見掛けるな」

咲「ちなみにメタ発言には大きく分けて二種類があって、今私が言ったのは作風や表現によるけど使ってもOKなメタ発言ね」

しえしえ

しえん

メガテンでもよくあるよね

>>38 >>43
そうだったのか

ちょっと小説書いてくる

咲さんマジクレバー

文学少女してる咲さんはかわいい

最終的に京ちゃんがネタ出して咲が書く
そんな二人三脚の夫婦小説家に


咲「京ちゃんのメタ発言は使っちゃ駄目なやつね」

京太郎「使ってもいいメタ発言と駄目なメタ発言か」

咲「使って駄目なのは例えば」


「お前は確かに殺したはず!!何故生きている!!」

「読者投票で一位を取ったからだ!!」


咲「とか」


「うぅ……最近こんな展開ばっかだ。作者の俺の扱いが酷い」


咲「とか。あとは>>25での私の発言とか」

句読点がやたら多い鉄道ミステリーとか書くといいよ

京太郎「うぅ……最近百合展開ばっかだ。作者の俺の扱いが酷い」

京ちゃんとハギヨシさんのホモ展開楽しみだね!

ユーザーからの要望かホ?


京太郎「でも俺が読んだラノベや漫画ではそんな展開もたまにあったぞ」

咲「こういうメタ発言もコメディではある程度許容されてるんだよ」

京太郎「『アニメ化前に連載を終了させる』とかは?」

咲「ああいうのは作風だから例外ね」

咲「そういう作風が受け付けないって読者も実際いるわけだし」

咲「後書きとかで作者とキャラクターが座談会したりするのも受け付けないって人もいるけど」

咲「ともかく京ちゃんはまだワナビ未満だから作中でのメタ発言は控えようって段階ね」

今のラノベって別になんでもありじゃないの?
1ページ「うわああああああああああああ」
とかで終わるんだろ?

実際に読んだことあるので1つ、1ページ「死ね」で埋めたのがあったな

そのうち今挙がったダメなのも許容されそう


咲「あと気になったのは擬音」

京太郎「擬音って『ドカーン』とか『ザシュッ』とかだろ」

咲「うん。それのこと」

咲「京ちゃんはさっきいった小窓形式を使ってるから、それも合わさって酷いことになってるよ」

咲「戦闘シーンなんか」



照「死にたい奴からかかってこい!!」ギュルギュル



咲「みたいのばっかりだよ」

>照「死にたい奴からかかってこい!!」ギュルギュル

やべぇちょっと読みたい

なにも間違ってないな


咲「擬音の扱いは色々だから、今回は大雑把に四つのタイプに分類して説明するね」

京太郎「頼む」

咲「まずはAタイプ」


照「死にたい奴からかかってこい!!」ギュルギュル


咲「みたいな小窓形式を使ってかっこの最後に擬音を持ってくるタイプ」

咲「掲示板では小窓形式と合わさってこれが主流だね」


咲「次はBタイプ」



「死にたい奴からかかってこい!!」

ギュルギュル



咲「みたいに、擬音を台詞や地の文と別枠で持ってくるタイプ」

咲「これは絵本からケータイ小説・ラノベ等広く使われている手法」

咲「でもちょっと幼稚に見られがちな表現かな。こういう表現を嫌う人もいるよ」

>>53
典型的な西尾作品じゃないですか・・・


咲「次はCタイプ」



「死にたい奴からかかってこい!!」

そう言うと照はギュルギュルと音を立てて回転させ始めた。



咲「地の文に擬音を組み込むタイプ」

咲「これは現在は勿論、昔から使われてきた手法だよ」

咲「あらゆるジャンルで使われているから、初心者のうちはまずこれを使ってみるのが一番いいかな」

今書いてんのかな?

ISはBタイプだった


咲「最後はDタイプ」



「死にたい奴からかかってこい!!」

そう言うなり照は右腕を回転させ始める。錆びた掘削機を強引に起動させたような、耳をつんざく厭らしい音が辺りに響き渡る。



咲「みたいに擬音そのものを使用しないタイプ」

咲「これはかなり作者のセンスが問われるから、上級者向け」

後の阿佐田哲也である

これの表現は難しいな

むしろ純文畑の俺はこれが好きだよ

スレタイからこの流れは予想できなかった

てるてるの普通にバトル小説読みたいわ

まともに解説してる・・・だと?


咲「さらに言うと最近ではDタイプはあまり使われなくなってきてるの」

咲「京ちゃんに聞くけど錆びた掘削機を動かしたらどんな音がする?」

京太郎「え、う~ん……ガリガリかな」

咲「他にも人によっては『ギャリギャリ』かもしれないし『ガラガラ』かもしれないし『グワラォングワラォン』かもしれないし」

咲「こんな風に受け取り手によって想像するものが変わるの」

咲「最近ではそれがあまり好まれない風潮にあるの。本来なら、その受け取り方の違いこそが文学の面白さの一つではあるんだけどね」

咲「あくまでも一過性の流行とかそういうレベルのもので出版社や編集者や作者によって考え方は違うし、何年かしたらBタイプが流行したりするかもしれないね」

あげ

咲ちゃんが可愛すぎて俺の股間は樹齢千年の大木の成長を早回しで再生しているかのように肥大化したのだった

Dタイプが好きだな

>>83
「ように」と「肥大化」の間にもう一回比喩表現いれるとそれっぽくなるはず

>>83
小枝のくせに

ギュルギュルだって頭の中で鳴る音は人それぞれだと思うが

>>83
腐りかけのバナナみたいだなwwww


京太郎「そうか。小説ってのは奥が深いな」

咲「言っておくけど、今までの話を全て呑み込んでやっと京ちゃんは小説家志望のラインにたった段階だからね」

京太郎「え」

咲「とりあえずネットで『ラノベ』『書き方』とか検索すればたくさん出るから細かい書式については私からは何も言わないよ」

咲「その辺りは数学の公式みたいなものでただ覚えるしかないから」

咲「出版社によっては三点リーダとか『!』『?』等の後の空白とか、そういうのが出来てないと無条件で落選なんてとこもあるからね」

漫画では原作/作画で分かれてるのはあるけど
小説で原作/文章で分かれてる作家っているのかな?

なんかの企画ならあるけど、そうじゃないなら分ける必要なくね


咲「さあお待ちかね!!ストーリーについてだよ!!」

京太郎「急にテンション上がったな」

咲「テンション上げないと無理なくらい酷い内容だからね!!」

京太郎「」

咲「まず物語は異世界ファンタジーもの」

咲「麻雀要素はからっきしだね」

>>91
推理小説家だと居るね。トリック担当とか文章担当とか
エラリークイーンとか

しえん

>>92
おもしろい話を考える能力とおもしろい文章を書く能力って
全然別な気がしたから、もしかしたらと思って

まあ漫画と比べると二度手間感があるが

ああ、ミステリだとあるのか
すまん

そういやクイーンはそうだったな


咲「主人公は普通の高校生」

咲「ある時、剣と魔法のファンタジーな異世界に行く」

咲「何故か身体能力や魔力とかが物凄く高い主人公は代々家系に伝わる古武術を使って、盗賊に襲われているお姫様を助ける」

咲「なんやかんやあって国を狙う悪者をやっつける」

咲「元の世界には戻れないけど、この世界で生きていくぜ!!END」

京太郎「いいストーリーだろ」

咲「……もうね、なんかあれだよ」

咲「学校に乗り込んできたテロリストを格好良く撃退する妄想をひたすら聞かされた気分だよ」

>>70
何を回転させているのか

>>101
目だろ

>>101
『右腕を』が抜けてた

小説家になろうの奴らに咲さんの至言を聞かせてやりたい

寝た?

寝たのか

咲「死にたいやつからかかっとこい」ペッコリン

ヒノ・キミイテ
『ロボクラッシュ』主人公。グランド・チャンピオン。
存在さえも否定された船の乗組員の子孫。
存在を許されない世界唯一の人工知性バークスと共に、見失った故郷を求めて、宇宙をさまよう。
草薙Ⅳ号に搭乗して「熱波の王者」の座に挑む。

ぺっこりん

続きはどうした

>>104
たまに良作があるから侮れない、大半は神様の力に頼ったりネトウヨ好みの話ばっかだが

そうですか

咲キャラである必要はあるの?

そういえば特にないな

咲キャラでやっちゃダメな理由もない

咲ちゃんは貴重な文学少女主人公だし

咲ちゃんの文学少女設定って原作で生かされることあるのかな


このSSでは全力で生かされてるけど

>>141
照との共通点ってことで生かされてる

ほしゅ

咲さんはその内自伝でも書けばいいと思う

意気込んで東京の出版社に持ち込むも一蹴、茫然自失の体でさまよっていたところ偶然、照と面識を持ち、一緒に添削しているうちに心を通い合わせて……な京太郎のSSをくれ。

>>148
自伝より麻雀指南書のほうが……。

>>150
カンしろしか書いてないのなんて……

>>132
良作なんかあんのか?
大体2次創作じゃんあそこ

これで咲が麻雀猛将伝みたいなの書いてたら……?

咲さん点数計算に関してなら一冊書ける

>>152
なろうはほとんどの二次禁止したから今はほぼ一次創作しかないよ
ていうかなろうの二次創作にだって良作はあるから

>>51
麻雀してる咲ちゃんも可愛いだろ!

咲さんかわいい!

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