琴浦「…私、死ぬの?」 (122)
・立てたら書きます。
・初SSです。
・アニメ最終話しか見てないです。そのため、
一部公式のキャラ設定に矛盾が生じる場合があります。
・また、非常にベタな展開です。
・琴浦の母はアニメよりも柔らかな性格にしております。
それでもよろしければご覧ください<m(__)m>
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1366306186
放課後
琴浦「は〜、授業終わったー」
真鍋「お疲れ琴浦」ガラッ
琴浦「うん。お疲れ真鍋君」
真鍋「ところで、今日は部活ないからどこか寄ってくか?」ガラッ
琴浦「うん。いいよ」
席を立つ2人
琴浦「…(ガラッ)…あれ?」
真鍋「どうした?」
琴浦「・・・・・・あ、うぅん。何でもない」首を振る琴浦
真鍋「(変な琴浦)早く行こうぜ」
琴浦「うん。(何でだろう、真鍋君の心の中が読めない……)」
————————
無言で歩く2人
真鍋「…」トコトコ
琴浦「…」トコトコ
真鍋「それでさ、お前が行きたい所があればどこでもいいけど、どうする?」
琴浦「私はいいよ。真鍋くんが決めて」
真鍋「そうか。だったら、コンビニで飲み物でも買うか?」
琴浦「うん。(あれ?)」
歩いている真鍋とは対照的に、琴浦が突然立ち止まる。
そのことに彼は気づいていない。
琴浦「……(両目がぼやける…何で……?)」
手を目の方にかざして確認する琴浦。その行動に真鍋が気づいたのは数秒後だ
うわぁこれは恥ずかしいな
真鍋「お〜い、どうした琴浦〜」
離れたところから手を振って呼びかけている
琴浦「…えっ!?あっ、ご、ごめんなさい!」ダッ
真鍋「お前どうしたんだ?放課後から。様子がおかしいぞ」
琴浦「ごめん。ちょっと目にゴミが入っただけだから」
真鍋「そうなのか?」
琴浦「本当だよ。気にしないで」
真鍋「そうか……」トコトコ
——————————
コンビニでペットボトルのジュースを買って、公園のベンチに座り、それを飲む2人
真鍋「そういえば、琴浦、2か月後誕生日だよな」
琴浦「うん。でも、そんな早くから準備しなくてもいいよ」
真鍋「安心しろって。もしお前がほしいものがあったら、高いものでも買ってやるからさ」
琴浦「そんな、悪いよー。でも、エロなものはやめてほしいかな」
真鍋「はっはっ、そんなことはしねぇよ」
真鍋「それじゃ、公園から一度出て、次にどこに行くかを考えるか」
立ち上がる真鍋
一部、文字の修正をさせていただきます。
しばらくお待ちください。
琴浦「うん、そうだn……!?」
彼に続いて立ち上がろうとしたとき、突然吐き気を感じる琴浦。
持っていたペットボトルを落とす。
口に手を当て、押さえると指の隙間から赤い滴が垂れている
真鍋「おい、琴浦!!!」
押さえていた手を自らにかざすと、大量の血が。
琴浦「何で? 何で私が血を…?」
突然の出来事に動揺する真鍋。
すると、琴浦の体に変化が起こり始める
琴浦「(そんな…、目がぼやけて、……いや、…嫌、嫌)」
膝を付け、仰向けでドサッと倒れる彼女。その光景が真鍋にはスローモーションで映し出される
琴浦「どうしよう……目がぼやけて…真鍋……君、
怖い、……怖い…よ」
真鍋「琴浦、しっかりしろっ!今救急車呼ぶからな!!!」
真鍋は琴浦の体を正面にし、手をつかみ、もう一方の手に携帯を持ち、救急に電話をする
真鍋「もしもし、救急ですか!?すぐ来てください!!住所は…」
電話をかけながら琴浦の方に視線を向けると、いつの間にか、彼女の両瞼は閉じ、呼吸が止まっていた
真鍋「おい、琴浦!大丈夫かっ!!返事しろ!!琴浦!琴浦!!」
真鍋「琴浦ああああああああぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
病院
御舟・室戸「真鍋君!」
森谷「真鍋!」
部活のいつものメンバーと、琴浦の母親である久美子も病院に駆けつけている
久美子「どういうことなの!?春香が倒れたって!!」
御舟「琴浦ちゃんはどこなの!?」
真鍋「それが今、検査室に…」
ウィーン(検査室の扉が開く)
真鍋「先生! 琴浦は、琴浦の意識は!!」
先生「安心してください。琴浦さんは意識を取り戻しました。しかし、…」
医師は険しい表情を取る
真鍋・御舟・久美子「しかし?」
———————
すいません。
PCの調子があまりよくないので
復旧した時点で再開させていただきます。<m(__)m>
ここまで見ていただいた皆様、ありがとうございます。
ほんとに初SSか?下手なラノベより文章力あるんじゃないか?
>>14
はい。初SSです。ちなみにこのSSのジャンルは
シリアスというジャンルです。
琴浦の母親を除き、真鍋達は、病院を離れ、街灯のついた夜道を無言で歩いている
室戸は険しい表情で、残る3人の目には涙を浮かべている。
真鍋「……」
森谷「……」
室戸「……」
御舟「……」
その中で、森谷が声を震わせつぶやく
森谷「…何で? 何で琴浦さんが……う、…ぅうっ…」
啜り泣く彼女。手で涙を拭っても、また一粒一粒目から落ちてくる
室戸「まさか、琴浦君が脳腫瘍で、進行性が早くてそれが他のところに転移してたとはね……」
真鍋「そんな、……琴浦が、『余命3か月』って……」
御舟「—————っ!!」
室戸と真鍋の言葉で、涙を流していた御舟の目からさらに大粒の涙が落ち、口元を片手で押さえると、言葉にならない声が出る。
真鍋「…きっと、俺のせいかもしれない」
森谷・室戸・御舟(ピタッ)
真鍋「あの時、琴浦の異変に気づいていたら、俺が誘っていなかったら、こんな事に…」
森谷「私も、琴浦さんにひどい言葉を浴びせたりいじめたりしたこともあった…きっとそれが原因で病気に……」
御舟「2人共、やめなさい!」
真鍋・森谷「!!」
御舟「自らの行いを思い出して反省する気持ちはわかる! 私だって同じよ!!
琴浦ちゃんを私のお母さんの能力を証明するために利用してきたこともあったから!!
でも、そういうことじゃないと思うの!!私たちが琴浦ちゃんに対して、何ができるのか、
それを考えることじゃないのかな!?」
真鍋「部長…」
室戸「……百合子の言う通りだ。誰が悪いとかそんな問題じゃないよ。
そんなことより、まずは、明日以降、琴浦君のお見舞いに行った時も、いつもの態度で接していこう。」
森谷「室戸さんはどうしてこんな時にも冷静でいられるんですか!?
悲しくないんですか!?琴浦さんが余命3か月だって…」
室戸「もちろん悲しいよ!! 僕たちの大事な仲間なんだから!!
でも、僕らが涙を見せたら、琴浦君…は……どう…思うかな?
……きっと、…琴浦君、は、…琴浦…君は……」
普段、冷静沈着な室戸が声を荒げることは珍しい。
そんな彼が言葉に詰まる。目頭が熱くなり、今にも崩壊しようとしている。
そんな彼に御舟は彼の前にしゃがみ込んでそっと抱いて、耳元で囁いた。
御舟「泣いても……いいんだよ?」
室戸「……ごめん、…百合子」眼鏡をはずし、彼女を抱き返す。
その瞬間
———室戸は夜の道で、大声で泣いた。
—————後を追うように、御舟、森谷、真鍋も大声で声が嗄れるまで泣いた。
ごめんなさい
朝ご飯のため一旦ストップします
———————————————————
琴浦の病室
個室のベッドで眠っている琴浦。その姿を見て母親である久美子は、
丸椅子に座りながら、後悔の念にかられている。
久美子(……ごめんなさい、春香…きっと私が悪いんだ。
今まで春香のことを何も分かってあげられなかった私が……。)
久美子(……そうだよね、春香は私が棄てたことをきっと
心のどこかで、許してなかったのかもしれないわよね。)
久美子(…もし、償えるのなら、私が春香の病気を替わってあげることができたら……!!
でも、……それもできない……)
久美子(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい………)
何度も心の中で謝っている久美子。その目には、大粒の涙が溢れ、
手を口に当て、声を殺して泣いている。
——————————————————
翌日 学校にて 放課後
森谷「ねぇ、真鍋、琴浦さんのお見舞いに行こう」
真鍋「ああ。」
———
校門前
御舟「みんな、揃ってるわね!?それじゃ、琴浦さんのいる病院に出発よ!」
森谷・真鍋「はい、部長!」
室戸「うん。」
—————————————————————
コツコツコツ
病院の通路を歩く4人
御舟「ここね」
名前プレートに『琴浦春香』と書かれている部屋を見つける。
コンコン
「はい」
御舟「私よ。部長よ。」
琴浦「どうぞ」
御舟「お邪魔します」ガラガラ
真鍋「よっ、琴浦」
琴浦「真鍋君、部長さん、室戸さん、森谷さん。来てくれてありがとう」ニコッ
森谷「こんにちわ」
久美子「こんにちわ」
すでに久美子が病室にいた。
琴浦「お母様が『先生から目のぼやけと吐血は、一時的なストレスによるものだ』って言ってたから、
2,3日で退院できるって」
真鍋「そ、そうか、よかったな」
久美子「…春香、ちょっとこの人たちに話があるから、一人で待ってもらっていいかしら?」
琴浦「え? は、はい」
久美子「付いてきてもらえる?」ガラララ
4人「…はい」
ガラララ バタン
病室から出る久美子と4人
4人は歩く久美子についていく
来た場所は休憩室
そこに入ると、久美子は4人に話した。
久美子「実は、あなたたちにお願いしたいことがあるの。」
4人「お願いしたいことですか?」
久美子「ええ。」
真鍋「そのお願いというのは?」
久美子「春香に病気のことは黙っていてほしいの。」
御舟「それは琴浦ちゃんを不安にさせないためですか?」
久美子「そう。」
真鍋「ちょっと待ってください。琴浦は人の心が読めて、医者の思っていることとか分かるはずでは?」
久美子「それが、あの子、他人の心を読むことができなくなったみたいなの。」
4人「えっ!?」
真鍋「それはいつからなんですか?」
久美子「それが、昨日からだったみたいなの。春香が言ってたわ」
真鍋「…あっ、あの時!」
久美子「思い出したの!?」
真鍋「はい!」
——————
<回想>
放課後
琴浦『は〜、授業終わったー』
真鍋『お疲れ琴浦』ガラッ
琴浦『うん。お疲れ真鍋君』
真鍋『ところで、今日は部活ないからどこか寄ってくか?』ガラッ
琴浦『うん。いいよ』
席を立つ2人
琴浦『…(ガラッ)…あれ?』
真鍋『どうした?』
琴浦『・・・・・・あ、うぅん。何でもない』首を振る琴浦
真鍋『早く行こうぜ』
琴浦『うん。』
——————
真鍋「多分この時だったと思います。」
久美子「そうなの。わかったわ。」
御舟「じゃあ、今の琴浦ちゃんは自分の病気もわからないんですか!?」
久美子「ええ。」
久美子「本当に自分勝手なのは分かってるわ。でも私、決めたの。
もう二度と春香を捨てたりはしない。これまでのあの子に対する償いをしていきたいって。」
森谷「でも、いずれはバレる時が来るんですよね?自分の病気が」
久美子「それも分かってるわ。」
今日のところはここまでになります。
お忙しい中、ここまでご覧いただきましてありがとうございました。
>>1です
再開させていただきます。
久美子「少しでも、いや、短い間でもあの子の人生にいい思い出を作ってあげたいの。だから、協力してもらえないかしら。
いや、協力してください。お願いします。」
頭を下げる久美子
御舟「……わかりました。協力します。」
室戸「百合子」
真鍋・森谷「部長」
御舟「私は琴浦ちゃんのお母さんの意見に賛成したいわ。
自分の行った過ちを認めて、償う気持ちで家族と接する。
これは私たちも同じでしょう?」
室戸・真鍋・森谷「あっ!」
3人は昨日のことを思い出した。
———————————————————————
真鍋『あの時、琴浦の異変に気づいていたら、俺が誘っていなかったら、こんな事に…』
森谷『私も、琴浦さんにひどい言葉を浴びせたりいじめたりしたこともあった…きっとそれが原因で病気に……』
御舟『自らの行いを思い出して反省する気持ちはわかる! 私だって同じよ!!
琴浦ちゃんを私のお母さんの能力を証明するために利用してきたこともあったから!!』
———————————————————————
真鍋「…部長、俺も協力します」
森谷「私、琴浦さんのために何ができるかわからないけど
……もし琴浦さんに本当の償いができるのなら、私、何でも協力します!!」
室戸「僕も協力する。」
頭を上げる久美子
その目には、涙が。
久美子「……ありがとう…」
声を震わせながらお礼の言葉を述べる。
真鍋「泣かないでください。泣いてしまうと、琴浦も不安に感じると思います。
俺たちは決めたんです。琴浦の前で涙を見せないって」
久美子「・・・・・・ごめんなさい。それで、あと一つお願いがあるの。」
御舟「はい。」
久美子「春香とずっと友達でいてほしい。それがお願いなの。」
御舟「そんなの、もちろんじゃないですか!」
森谷「私たちは絶対に琴浦さんを見捨てたりしません」
室戸「僕も同じです。」
真鍋「俺も琴浦が友達以上に好きだっていう気持ちに変わりはありません」
久美子「……よかったわ。あの子に本当の友達ができて」
4人「え?」
久美子「あっ、……いやっ、な、何でもないわ! 春香の病室に戻りましょう。付いてきて」
——————————
病室の前
コンコン
久美子「春香、入るわよ」
琴浦「はい。」
ガラララ
部屋に入る5人
室戸「…」ガラララ バタン
久美子「ごめんね、春香。遅くなっちゃって」
琴浦「いえ、そんな…あれ? お母様?」
久美子「どうしたの? 春香」
琴浦「どうしてお母様の目の下に涙の跡があるのですか?」
久美子「……あ、いや!!何でもないの!! 両方の目にゴミが入って痛かっただけだから!!」
この場をうまく取り繕うとする久美子
琴浦「本当ですか?」
久美子「え、え、えぇ!!本当よ!!だから気にしないで!!ね?」
琴浦「…そうですか……」
久美子「そうだ! 春香、何か食べたいものとか飲みたいものとかある!?
買ってきてあげるわよ。真鍋君が」
真鍋「俺が!?」ガビーン
琴浦「それなら、私、……シュークリームが食べたいです。」
真鍋「ああ。わかった。」
森谷「真鍋、あたしはクリームパン」
室戸「僕はコーラ」
御舟「私には牛乳を買ってきてもらえるかしら?」
真鍋「ちょっと!? 俺に対する嫌がらせですか!?何で俺が琴浦以外の分まで買わねばならないのですか!?」
ポンッ
彼の肩に軽く手が乗せられた。首を捻って振り向くと、
背後に、御舟がいた。
御舟「…買ってきてくれるわよね?」ニコッ
殺気を感じる真鍋
真鍋「は、…はい」
————————————————
病院の中にある売店に入る真鍋
森谷、御舟、室戸に頼まれていたものをそれぞれ見つけ、琴浦に頼まれていたシュークリームを探していた時
偶然にも雑誌欄で売られていた成人向け雑誌が目に入る。
真鍋「(うひょーーーーーーーーーっ!!!!)」ニヤニヤ
それを手に取り、にやけながら立ち読みをし始める
(※地域によって条例で18歳未満の成人向け雑誌の立ち読みは規制されています。)
———————————————
室戸「……真鍋君遅いね」
琴浦「真鍋君のことだから、きっと店にあるエロ本でも読んでるんだよ…」はぁ…
ためいきを付く琴浦
森谷「全くあのバカはもう……あたし見てくる」
そんな時 ガラララ
真鍋「おーっすお待たせ琴浦—」
琴浦「遅いよ真鍋君!!」
室戸「きっと君はエロ本を読んでたから時間食っていたんだろ」
真鍋「(ギクッ!)…そ、そんなことは……」
室戸「図星のようだね」
森谷「図星なのね」
久美子「図星みたいね。全く。」
真鍋「そ、そんなことはない!!」
御舟「だったら、何で牛乳がこんなに温くなってるのかしら」
室戸「それにコーラも」
真鍋「そ、…それは……その〜…」滝汗
琴浦「ここまで来てそんなエロスなことしてたの? はぁ、…」
あきれた様子で深い溜息を付く琴浦。
でも、彼女はなぜか笑いがこみ上げて来る。
琴浦「…ふふ、ふふふふっ」
彼女が声をあげて笑うと、自然に全員が笑う。悲しい気持ちを吹き飛ばすかのように。
そんな笑いの絶えないこの日常が永遠に続けばと、真鍋をはじめ、室戸、森谷、御舟は密かに願っていた。
しかし、3か月後、そのような日常が崩れ去ることは、4人はどこかで解っていた。
再びPCの不具合のため、一旦ここで終了します。
ご覧いただき、ありがとうございます。
>>1です。
投稿を再開させていただきます。
———————————————————
3日後
病院を退院し、いつもの日常を取り戻す琴浦。
他人の心の中が見えなくなったこと以外、
この日は、体に目立った様子もなく、普通に授業を受けることもできた。
しかし、病魔は、少しずつ彼女の体を蝕んでいく。
放課後、彼女はいつもの部室の扉を開ける。
扉の向こうには、いつものメンバーが丸いテーブルを囲んで座っている。
彼女が入ると座りながら暖かく迎えている彼ら。
しかし、病気のことはまだ彼女には秘密にしている。
御舟「お帰りなさい。琴浦ちゃん」
森谷「お帰り。琴浦さん」
真鍋「お帰り。琴浦」
琴浦「…ただいま。」
室戸「こっちの席空いてるから座ってよ。」
琴浦「はい。」
御舟「さて、今日は、琴浦ちゃんのために、退院記念パーティーを企画したの。」
御舟「テーブルの上には、お菓子やケーキもお茶もあるからたくさん食べて飲んでね」
琴浦「そんな、あたしのために…しかも、体も大したこともなかったっていうのにここまでしなくても…」
森谷「何言ってるの?琴浦さん。私たち仲間でしょう? 仲間である私たちが
何かしなくてどうするの?
たとえ、琴浦さんの体に何もなかったとしても、無事でいたことが何よりよ。」
室戸「琴浦君、君は『ALL FOR ONE, ONE FOR ALL』って言う言葉を知ってるかい?」
琴浦「ALL FOR ONE, ONE FOR ALL?」
御舟「『一人はみんなのために、みんなは一人のために』って言う意味よ」
室戸「僕らがやってることはその後者だけどね。」
森谷「一人が困っていることがあったら、みんなでそれを解決するのよ。」
真鍋「たとえ琴浦がどんな壁にぶち当たったとしても、お前は一人じゃない。
俺たちがついている。だから、俺たちを信じろ。」
御舟「そうよ。琴浦ちゃんは一人じゃないのよ。だって、私たち仲間でしょう?」
琴浦「…部長さん、室戸さん、真鍋くん、森谷さん、……ありがとう。
……あれ? 何でだろう、私、何で泣いてるんだろう」
琴浦の両目から大粒の涙が落ちる
御舟「一つ琴浦ちゃんに教えてあげるね。涙はね、悲しい時だけに流すものじゃないのよ。
嬉しいときにも涙は出るものなのよ。」
御舟「…はい。ケーキ。退院おめでとう。」
琴浦「ありがとうございます。」
御舟「みんなもどんどん食べて。まだたくさんあるから。」
———————————————————
数時間後、琴浦が帰った後の部室。
御舟「どうだった? 琴浦ちゃんに心を読まれた様子はなかった?」
室戸「いや、特にそういうことはなかったね。」
森谷「まだ病気のことはバレていないみたい」
真鍋「本当に琴浦は、心の中が読めないんですね。」
森谷「琴浦さんのお母さんの言った通りだわ。」
室戸「百合子、いつまで琴浦君の病気を秘密にするつもりだい?」
御舟「…わからない」
真鍋「わからないって、いずれは琴浦に伝えないといけないんですよ!?」
御舟「もちろんそれはわかってるわ。でも、伝えたら彼女、どんな反応するんだろう。」
真鍋「それは…」
御舟「琴浦さんを傷つけることになる。また罪を繰り返すことになると思うの。」
森谷「部長…」
———————————————
琴浦の家
琴浦「ただいまー、お母様」
久美子「おかえり、春香」
琴浦「聞いてください! お母様。部長や真鍋君たちが私の退院を祝ってパーティーを開いてくれたんです。
でも、病気じゃなくてストレスによる一時的なことだったのに、あんなことまでしなくてもよかったのに」
久美子「あら、そうなの。よかったじゃない。それほど春香のことを大切に思っている証なのよきっと。
(…ごめんね、春香。嘘を付いて。あなたの病気、真鍋君たちもわかっているの。)」
久美子「ところで春香」
琴浦「はい。」
久美子「来週の午後、時間空いてる?」
琴浦「はい。空いていますが」
久美子「実は病院の先生から電話があって、いくつか確認したいことがあるそうだから、行ってもらっていいかしら?
もちろん私も付いていくわ」
琴浦「はい、構わないのですが、私の体に何かあったのですか?」
久美子「(まずい! 春香の病気がバレる! 怪しまれないように何とかしないと!!)」
久美子「ち、違うのよ!!体に何かあったとかじゃなくて、渡された薬あったでしょう?」
琴浦「はい。目薬と胃薬ですか?」
久美子「そう。その渡した薬のことで、確認したいってことだから」
琴浦「そうなんですか?」
久美子「ええ。だから、体に何かあったとかそんなことじゃないわ」
琴浦「…わかりました。」
久美子「(何とかうまく誤魔化せたわね)」
琴浦「???」
久美子「とりあえずご飯にしましょう?」
琴浦「はい。」
————————————————————
夕食
琴浦「このハンバーグおいしいです。」
久美子「そう? 良かったわ」
久美子「……春香」
琴浦「はい。」
久美子「これからは、朝ご飯もお弁当も夕食も全部私が作るわ。
もちろん、洗濯、掃除もよ」
琴浦「どうしたのですか?突然」
久美子「少しでも春香の負担を減らすためよ」
琴浦「え? だって私の体は何もないってことでは…」
久美子「何もないってことじゃないの。次にストレスを溜めるとまたあのようなことが起こるかもしれないでしょう?
それで真鍋君や他の人に迷惑をかけることにつながるわ。
だから、春香は自分の体に気を付けながら自分の生き方を大切にしてほしいの」
琴浦「お母様……」
久美子「もっと自分を大切にしなさい。」
琴浦「私、本当にお母様を頼っていいのですか?」
久美子「もちろんよ。」
琴浦「…ありがとうございます。お母様。」
久美子「ところで、人の心が読めなくなったって言ってたけど、それは今も変わらないのかしら?」
琴浦「はい。でも、その能力がなくなったおかげで、私非常に助かっています。」
久美子「それはなぜ?」
琴浦「この能力のせいで、ずっと私はいじめられて、孤独だった。悲しい思いをしてきた。それがなくなったと思うと、抱えていた不安や悲しみが一気に取れて…」
久美子「春香…」
久美子「安心して。これからはずっとあなたのことを守るからね。」
琴浦「お母様…」
琴浦「……ありがとう。今こうしてお母様と一緒にいられることがとても幸せです。」
笑顔を見せてそう話す琴浦に、久美子は無言のままやさしく抱き寄せた。
琴浦「お母様!!」
久美子「ごめんなさい、このままでいさせて」
琴浦「……」
———————————
部室にて 数日後
真鍋「琴浦が倒れてから一週間以上経った。」
森谷「この日まで、琴浦さんの体ちょくちょく見てたけど、特に元気そうね。」
室戸「でも、病気の進行性から考えるとそろそろ大変かもしれない。」
御舟「どんどん琴浦ちゃんの体が蝕まれると、命があぶないわよね」
真鍋「琴浦、最近また病院へ行ったみたいですよ」
森谷「そうだったわね。でも、その後の琴浦さんの様子は変わらないわね。」
室戸「でもバレるのも時間の問題だね。」
御舟「いつ琴浦さんの能力が復活するかもわからないし」
コンコン
御舟「(きっと琴浦ちゃんね)いい? 絶対に病気のことはまだ琴浦ちゃんに言っちゃダメだからね?」ヒソヒソ
3人「はい!」ヒソヒソ
コンコン
御舟「あっ、ちょっと待ってね」席を立つ御舟
ドアを開くと、琴浦がいた。
御舟「いらっしゃい琴浦ちゃん」
琴浦「こんにちわ、部長さん」
御舟「ささっ、こっちに座って」
席に誘導する御舟
——————————————————————
それからしばらくして、
一学期の終業式を間近に控えていたある日
学校の教室にて
休み時間、教室には琴浦の姿はない。
森谷「ねぇ真鍋」
真鍋「何だ森谷」
森谷「琴浦さん、9月で誕生日じゃない?」
真鍋「そうだな。」
森谷「琴浦さんにいい思い出を作ってあげたいと思うの」
森谷「だから、私考えたの。誕生日プレゼントとして5人で一緒に温泉旅行でもどうかなって」
真鍋「温泉か…森谷にしてはいいアイデアだな」
森谷「でしょう? 後で、部長に提案してみようかな。」
真鍋「ああ。きっと部長も乗ってくれると思う。」
「きゃああああああああああああああああっっ!!!」
突然、女子生徒の大きな悲鳴が聞こえ、クラスや学校にいる生徒が騒然としている。
「何だ!?」
「どうしたんだ!!?」
「女子生徒が突然血を吐いて倒れたみたい!!」
真鍋「まさか……琴浦が!?」
御舟「真鍋君!!森谷さんいる!?」
森谷「部長!!」
真鍋「まさか、また琴浦が倒れたんですか!?」
御舟「ええ!!早く来て!!」
真鍋・森谷「はい!!」
—————
———
ざわざわ…
多くの男女の生徒が廊下に群がっている。
それを真鍋たちは、手で掻き分けている。
真鍋「すまねぇ!!どいてくれ!!」
御舟「ごめんなさい!!どいてもらえる!?」
森谷「ちょっと退きなさいよ!!」
室戸「あっ、ちょっと通りま…(ドンッ)痛っ!」
人ごみを掻き分け、着いた先には…
真鍋「…!? 琴浦!?」
森谷・室戸「……そんな…!!」
4人は絶句した。
——琴浦が倒れていた。
———その身体の周りには、
————大量の血が水たまりのようになり、
—————彼女の制服、身体を濡らしている。
御舟「真鍋君、森谷さん、ここは私に任せて、この野次馬たちを何とかして!
室戸くんはすぐに救急車を呼んで!!」
真鍋「お前ら!!これは見せ物じゃねぇ!!さっさと散れ!!この野郎!!」
森谷「さっさとどかないと容赦しないわよ!!」
「お、おい、戻ろうぜ…」
「あ、あぁ…」
徐々に野次馬が減っていく。
最終的に廊下には人がいなくなっている。
それを確認した真鍋はすぐに倒れている琴浦の体に寄る
一方の森谷は彼女の今の姿を見て放心した状態で立ち尽くしている。
御舟「琴浦ちゃん!!しっかりして!!」
真鍋「琴浦、大丈夫か!?」彼女の体を抱き起して何度も呼びかけている。
森谷「こんなに血を吐いたら、助からないんじゃ……」
今のこの殺人事件のような現場を見て、恐怖におののく森谷
真鍋「何バカなこと言ってるんだよ!!約束しただろ!?俺たちが琴浦を守るって!!
おい、琴浦、しっかりしろ!!」
琴浦「……うぅ…」
真鍋「琴浦ぁっ!!!」
森谷「琴浦さん!!」
琴浦「……ま、…真鍋……君」
琴浦「わからない……——わからないの。私、…突然……胸が…苦しく…なって……
…その後、体が……言うこと…きかなく……なって…血を……吐いて…視界が…一気に……見えなく……なっ……て…」
今日はここまでです。
お忙しいところ、ご覧いただきましてありがとうございました。
>>1です。
続き投稿します。
見ている方がいらっしゃいましたら、暖かいご支援お願いします。
なお、一部グロ(?)注意です。
御舟「分かったわ!!分かったからこれ以上喋らないで!!」
琴浦「ねぇ、…真鍋…君」
真鍋「何だ? 琴浦…」
琴浦「人の………心が、…読めない…ことと、…今の……この状態……って、
関係…あるの…かな……?」
真鍋「そ、それは…」
真鍋は御舟に目を向けると、彼女は首を横に振る。
真鍋「……きっと違うと思う。(まずい!琴浦に病気のことがバレる!!)」
琴浦「……そうなの。……真鍋君」
真鍋「何だ?」
琴浦「……私に何か…隠し事…してない?」
真鍋「な、何言ってんだよこんな時に。そんなことあるわけないだろ!?」
御舟「そうよ!琴浦ちゃん!!そんなことあるわけないじゃない!!」
焦る真鍋と御舟
その後、琴浦が呟く。
琴浦「……体が…痛い」
森谷「ど、どこが痛いの?」
琴浦「目が、…胸が……痛い」
そう呟くと彼女の両目から……
真鍋「おい、琴浦!!…」
森谷・御舟「!!」
血の涙を流している。それを指で拭う琴浦。
琴浦「血?いや、いや、…いやいやいやいやいや…」
御舟「落ち着いて琴浦さん!!救急車もうすぐ来るから!!」
琴浦「ねぇ、…誰か……教えてよ…。私の体……どうなってるの?…」
琴浦「!?」吐血する。口を押える手から血が漏れる。
真鍋「!!」
森谷「琴浦さん!!」
琴浦「……真鍋くん、……森谷…さん、……部長…どこなの?どこにいるの?」
真鍋「ここだ、琴浦!!」
御舟「私はここよ!!琴浦ちゃん」
森谷「琴浦さん!!私はここにいるわ!!」
真鍋と森谷は彼女の右手を、御舟は左手を掴む。
琴浦「……よかった。」
少しずつ意識を失っていく琴浦。安心した様子で目を閉じる。
真鍋「おい、琴浦、起きろ!!おい!!」
森谷「琴浦さん!!目を覚まして!!」
御舟「落ち付きなさい二人とも!!まだ息はあるわ!!」
今にも泣きそうになる真鍋と森谷だが、必死になってそれを堪え彼女を呼びかけている
室戸「救急車が来たよ!!」
2人の救急隊員が担架を担いでやってくる。琴浦を注意深く担架に乗せている。
その後、救急車に乗せられ、病院に運ばれる。
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病院。
集中治療室の中に琴浦がいる。
扉の前の長椅子に真鍋たちが座っている。
そこに、久美子が慌ててやってくる。
森谷「琴浦さんのお母さん!!」バッ
久美子「春香は!?どこにいるの!?」
真鍋「……琴浦は、集中治療室にいます。」
久美子「そ、そんな!!…」ガクッ
久美子「春香…春香……」ポタポタ
膝を落として涙を流す。
手術中のランプが消え、医師が出て来る。
医師は険しく苦い表情をしている。
慌てて立ち上がる久美子。
久美子「先生!! 春香は!!」
医師「輸血なども行い、今は、容体は安定しています。」
医師「しかし、病魔の進行が速く、手術をしてもガン細胞を全て除去することはできません。」
全員「そ、そんな!!」
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病室の中で、ベッドで寝ている琴浦。
口には呼吸器が、腕には点滴が付けられている。
それを心配そうに見ている久美子。
琴浦「……」
久美子「春香…」
室戸「どうするんだよ百合子。このままだったら、琴浦君に病気がばれるのも時間の問題だよ?」
御舟「ええ。もうそろそろ限界だわ。琴浦ちゃんに伝えた方がいいわね。」
久美子「それはやめて」
真鍋「いつまで隠すつもりですか! もうここまで来たら隠し通せないですよ!!」
森谷「そうですよ!!どうしてそこまでして隠し通す必要があるんですか!!」
久美子「春香を悲しませたくないから!!せっかく修復できた春香との関係を壊したくないの!!」
涙を流して叫ぶ久美子の目から大粒の涙が。
だが、真鍋は久美子に噛み付く。
真鍋「琴浦を悲しませたくない!?家族の関係を壊したくない!?それは単なる臆病者の言い訳だ!!あなたが今していることは琴浦を殺していることと同じだ!!」
久美子「……何ですって? もう一度言いなさい!!」
御舟「真鍋くん、それは言い過ぎよ!!琴浦ちゃんのお母さんも落ち着いてください!!」
真鍋「何度でも言いますよ。あなたがしていることは、琴浦を殺していることと同じだ!!」
久美子「——————っ!!」
無言で右の拳を真鍋に振る久美子
ドンッ!!
殴る音が病室の中で響く。しかし、殴られたのは、
御舟だった。
真鍋の前に立ち、久美子の拳を直に受け、
彼女の左頬が赤くなっている。
室戸「百合子!!」
森谷「部長!!」
御舟「……もう終わりにしましょう。秘密にすることは。」
久美子「あ…、あぁ…ご、ごめんなさい…う、うぅっ……」
声が震え、右の拳とそれを押さえた左手も震え、力なくして、膝をつける。
啜り泣く久美子の声が部屋の中で響いている。
———————————————————————
琴浦「……ん、…あれ?」
目を覚ます琴浦。
一度視界がぼやけ、もう一度目を開け、
ベッドから起き、起き上がり確認すると
その場所は、自分の家だ。
何故か身に着けている服は制服である。
琴浦「自分の家?」
『春香』
琴浦「…お母様!」
笑顔で琴浦の前に現れている久美子が立っていた。
琴浦「おはようございます。お母様。」
久美子「おはよう。春香」
久美子「…ベッドから立ってもらえる?」
琴浦「はい。」
言われるがまま立ち上がる琴浦。
久美子「実はね、春香にお願いしたいことがあって。」
琴浦「……お願いしたいことですか?」
久美子「ええ。」
久美子「………死になさい。」
突然久美子の表情が笑顔から怒りの表情に変わる。
グサッ(ナイフを体に突き刺す音)
琴浦「……あ、あぁ!!」
久美子が琴浦の腹にナイフを刺している。
琴浦「お母様、何で!?…」
訳がわからなかった。なぜ和解したはずの母からナイフで刺されないといけないのか。
久美子「何でって、アンタに死んでほしいからよ。」グググ
琴浦「痛い!!痛いよぉ!!お母様ぁっ!!」
刺す刃に徐々に力を込めて押し込まれる。
その刃を伝って赤い滴がどくどくと床に流れ落ち、身に着けている
琴浦の制服が鮮やかな赤色ににじんで、それが彼女の身体を濡らし、体温を下げている。
久美子「…」
琴浦の右肩を強く押さえ、刺さっているナイフを引き抜き、後ずさりをする久美子。
返り血だろうか、大量の血液が久美子の身に着けていた衣服に飛び散っている。
その表情は、彼女を棄てたあの日の顔と似ている。
久美子の手によって押された琴浦の体は、背中からベッドの方に倒れる。
琴浦「……酷い…よ、…お母様……」
久美子「酷い? …呆れた。あんたのくだらない能力でどれだけの人の迷惑がかかってきたのかわからないの?」
久美子「……まあ、いいわ。ナイフでも死なないんだったら、……」
久美子は倒れている琴浦の方にやってくる
琴浦「…いや、来ないで!!お母様!!!!」
琴浦は、ナイフで刺された痛みのショックで体を動かすことができず、精一杯の力で自分の首をあげることしかできない。
涙を流して必死に懇願している彼女の前に来て、膝を落とし、すっと腰を曲げた。
琴浦「!?」ビクッ
久美子「こうするしかないわね。」
そう呟くと、久美子は琴浦の首に手をかける。
グググ
琴浦「……お母様!!何やってるんですか!?」
久美子「あなたの首を絞めてるのよ。」
琴浦「お母様!!く、苦しい!!!苦しいよぉ!! やめて!!やめてっ、やめてえええええええええぇぇえぇえぇぇぇぇっ!!!」
だが、琴浦の叫びを無視し、久美子はさらに手に力を込める。
久美子「うるさいわね。死になさい。」グググ
琴浦「あぁ…ああああああ、あああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!…」
琴浦「(…助けて、真鍋君。真鍋君)」
しかし、その願いは叶うことはない。
少しずつ瞼が落ち、琴浦はそのまま意識が途絶える。
…………………………
………………
琴浦「はっ!!」
目を開けると、場所が変わった。いや、正確には、現実に引き戻された。
自分の手が、自らの首の方に強い力でかかっていた。
今の自分は、白い天井の個室の中で、ベッドに寝て自分の口に呼吸器が当てられ、右腕には点滴を受けている。
ピッ、ピッ、ピッ、と心拍数を測る音も聞こえる。
琴浦「(……夢……だったの?)」
起き上がり視線を変えると、母の久美子がベッドに凭れて腕を乗せて寝ている姿が映る。
デジタル時計を見ると、午後3時30分と表示されている。
久美子「…ん、春香!!やっと起きたのね!!」だきっ
琴浦「お母様!!」
久美子「良かったわ〜。あなた、倒れてから3日3晩寝てたのよ!!目が覚めて本t」
琴浦「…ねぇ、お母様、教えて。……私の身体…どうなってるの?」
久美子「春香…」
琴浦「お母様、私に言いましたよね?ストレスによるものだから、大丈夫だって。でも、私廊下で水たまりになるほど血を吐いて、
目からも血が出て、苦しかったんだよ?痛かったんだよ?」
久美子「……違うわよ…春香」
琴浦「…何が違うの?……じゃぁ、私、何で、口に呼吸器が当てられてるの?……何で点滴を受けているの?」
久美子「……」
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何も知らず琴浦の病室に向かっている真鍋たち
森谷「琴浦さん、まだ目を覚ましてないのよね。」
真鍋「ああ。病気のことを知ると琴浦、何を思うんだろうな…」
室戸「……。」
御舟「……着いたわ」
コンコン
御舟「こんにちわ。……」
4人「???」
御舟「失礼します」ガラララ
4人「!!」
4人の目に映っていたのは、ベッドの上で上半身を起こした琴浦だ
真鍋「琴浦!!起きたんだな!!おはよう!!」
琴浦「……私を騙してたの?」
4人「!?」
森谷「…琴浦さん?」
室戸「琴浦君?」
琴浦「私の身体、たいしたことないって、お母様と一緒に嘘をついてたの?」
真鍋「いや、嘘って俺たちは」
琴浦「うるさい!!」
真鍋「!!?」ビクッ
琴浦「お母様から聞いたんだよ? 私、本当は余命3か月って…」
琴浦「脳に腫瘍があって…それが他のところに転移して、……手術ができないって…」
真鍋「すまねぇ琴浦!!俺たちはお前をだますつもりなんてなかったんだ!!」
御舟「そ、そうよ!!琴浦ちゃん!!私たち琴浦ちゃんを不安にさせないようにするために仕方なかったの!!」
琴浦「……私、信じてた…。真鍋くんや森谷さん、部長さん、室戸さんのことを」
琴浦「私のことを仲間だって……言ってくれた時、…とても……うれしかったんだよ?」
琴浦「でも、私、…裏切られたんだね。お母様からも、真鍋くんたちからも……。」
森谷「違う! 違うのよ琴浦さん!!」
琴浦「何が違うの!?わかったようなこと言わないで!!」
森谷「!?」ビクッ
琴浦「…私、死ぬの?」
琴浦「もう私、一人は嫌だよ…何で、私だけこんな目に遭わなきゃいけないの!!」
真鍋「琴浦…」
琴浦「……真鍋君、私ね、…夢を見たんだよ?」
真鍋「夢?」
琴浦「……うん。私が、………お母様に、殺される夢」
真鍋「!?」
琴浦「……目を開けると自分の部屋の中のベッドの上に自分がいて、私とお母様が一緒にいて、
お母様からベッドから立つように言われた後、
突然、お母様から、ナイフで……お腹を刺されて」
涙を流してそう話す琴浦。
4人「!?」
琴浦「…夢の中で、悲しかった。……辛かった。仲良くしてくれたお母様から裏切られて…」
琴浦「……その後、私の身体に刺さっていたナイフを抜いて、
ベッドに倒れた私を、お母様は……そのまま私に首に手をかけて、
……強い、…力で絞めて、……」
真鍋「もういい!琴浦!!何もしゃべるな!!」
琴浦「まだ、続きがあるんだよ?」
真鍋「!?」
琴浦「首絞められながら、…私、……ずっと…、……真鍋君に、助けを呼んでたんだよ?」
真鍋「え?」
琴浦「待ってたんだよ?私。必ず、……真鍋君が助けてくれるって…」
真鍋「…琴浦、ごめん!!俺…」
琴浦「でも、…それは……叶わなかった。」
琴浦「…その夢の中で、私、死んだ。」
真鍋「……(琴浦…)」
森谷「…も、もうやめよう!!琴浦さん!!そんな話は!!」
森谷「いま、こうして私たちと話が出来ているじゃない!!」
御舟「そ、そうよ!!これはただの夢なのよ!! 夢なんて所詮ただの夢よ!!だから気にしなくていいじゃない!!」
御舟「夢の中と現実は全く違うわ!!怯える必要ないじゃない!!」
真鍋「信じてくれ琴浦!! 俺たちは決してお前を裏切ったりしない!!」
琴浦「……嘘だよ、それは。だって『どんなことがあっても俺たちがついて』いるんじゃなかったの?」
真鍋「そ、それは…」
琴浦「帰って…」
室戸「琴浦君…」
御舟「琴浦ちゃん…」
琴浦「もう、来ないで……」
真鍋「…ごめん。琴浦」
御舟「……行きましょう。みんな」
森谷「今日は、帰るね…琴浦さん。」
室戸「また、明日来るよ。」
ガラララ バタン
一人になった病室
みんなが去った後、琴浦はベッドの枕に顔を押しつけ、
声を殺して泣いている。
琴浦「(ひどい!!ひどいよみんな!!私を騙して!!)」ポロポロ
琴浦「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!」ポロポロ
今日はここまでです。
見てくださった皆様、ありがとうございました。
結局>>14で打った自演以外のレスがないってのが笑える
ほんとに初SSか?下手なラノベより文章力あるんじゃないか?
やった!レスがついた!やた!
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/ '/ ∧. 、\__/^'/トミ,
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| 、 '/ ∧ 〃 │| �、'/∧| ',
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ageてりゃレスつくだろ
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