モバP「モバセルク 黄金時代編~覇王の卵~」 (149)
ベルセルクの内容をモバマスキャラでやっていく感じです
展開やセリフは大体そのまんまですがベルセルクの単語はほとんど出てきません
変な展開もいくつもあると思いますがご容赦ください
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ワアアアア
「対決キタ―(゚∀゚)―!」「ライブで対決!」「ガンバレ!」
笑美「ひゃっふー!!ほないっくでー!!!」
「難波笑美だ!」
「『浪速の派手娘』の難波笑美…!」
笑美「あんたら遠慮はいらんで! ウチはひな人形みたく、おとなしくしてへん。かかってきいや!」
ザワザワ
「今回は誰が行くんでしょうかね?」
幸子「…」ザッ
「お…!?」
幸子「…」
「誰だ?」「ソロ活動の子みたいだな」
笑美「お、あんたもアイドルなん? ウチとLIVE対決してくれへん?かっこええとこ、見せてーや!」
幸子「こんなにカワイイアイドルのボクに挑もうなんて…ヒドいことを考えますね! ま、ボクが一番ですけど♪」
笑美 「挑んできたのはあんたやろ!
まあ売られたケンカは買わな失礼やもんなー!よっしゃよっしゃLIVEで対決しよか!」
幸子「ボクとLIVEで対決ですね!ま、カワイイ方が勝つと思いますよ!」
笑美「ほな、いくでー!」
幸子「負けるわけありませんよ!」
幸子の勝利!
笑美「ええやんええやん! あんがとなっ、楽しかったで!」
幸子「ボクのカワイさにやられましたね。そのままボクに見とれてて下さい!フフーン♪」
「へえ、ソロなのに凄い子もいるもんですね」
「あなたとどっちが凄いでしょうか?」
「きっと次元が違いますよぉ…ねぇプロデューサーさん♪」
「このイベントももう終わりだね…そろそろ移動しようか」
幸子「…」
「じゃあ今回の給料と勝利報酬ね」
「しかし大したものだね…君みたいな若い子があの笑美ちゃんを…正直驚いたよ」
「どうだい?君、うちに正式に勤めてみないか?
悪いようにはしない、給料も今までの何倍にもなるしなんならすぐユニット組んであげても…」
「君みたいなソロ活動の子にはまたとない話だろう?どうだい?」
幸子「…」スッ
幸子「イベントは今日までですよね?この辺にはイベントはもうなさそうですし」
「あ…いや、ちょっと…」アセアセ
「なにもソロを続けなくても…!仕事も給料も保証するよ!?なんならうちのメインアイドルとして…」
幸子「ほっといてください!!」
「うおっ…」
幸子「ボクに…なれなれしくしないでください」
「…」
幸子「…」
幸子「フンッ!」
「な…なんだ全く!仕事がなくなっても知らないからな!」
幸子「…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「あっ!」
「ねぇ誰か来るよ」
幸子「…」スタスタ
「あ!あれは昨日笑美ちゃんに勝った子だね」
「きっとお金も衣装もいっぱい持ってるにゃ…どうするPチャン?」
P「…好きにしな」
みく「よし行ってくるにゃ!」
クス…
みく「なーにまゆチャン?」
まゆ「みくちゃんじゃあの子に勝てませんよぉ…?」
みく「まあ、まっかせっにゃさぁい!!」
智絵里「みくちゃんったら…いいんですか…?ほっといて…」
P「…」
幸子「…」
ダダダダ
幸子「!」
みく「にゃははは!みくとLIVEで対決するにゃ!」
幸子「な、なんですか急に…」
幸子「うーん、ボクみたいなカワイイアイドルに挑んでくる人がいたんですね…
まったく、ひどい人ですね!」
みく「負けないにゃ!『おねだり Shall We~?』ッ!」
いたずら目してThank you
鈴が響いてBye-bye
街灯に照らされ また明日
…な~んて甘い
子猫じゃないのよ にゃお!
触れてよ ね~え
やさしく ね~え
指絡めて 背伸びをして
瞳閉じて Silence
幸子「勝つに決まってますよ!『To my daring…』!」
月曜日 おんなじ通りの朝7時
「おはよう」って鏡に向かって ごあいさつ
少しハネてる寝癖のあともチャームポイントなの
カワイイですよね?
通学路 定刻通りの朝8時
「おはよう」ってあなたに向かって 言えなくて
遠目で見てるあなたの背中 いつもの笑顔見せて
今はただそれが ほしいから
幸子の勝利!
みく「う…みくの実力はこんなじゃない!きっと証明して見せるにゃあ!」
まゆ「もう…やっぱり…」
P「まゆ」
P「お前行ってやれ」
まゆ「え…どうしてですかぁ?みくちゃんが勝手に…」
P「…」ジー
まゆ「…解りましたよぉ…」スタスタ
みく「まゆチャン!」
まゆ「Pさんが行けっていうもんですから…」
幸子「ボクのファンなんですか?ボクはカワイイからしょうがないですね。少しだけ遊んであげます!」
まゆ「うふふ!行きますよ!『エヴリデイドリーム』!」
大好きだよ ささやいてよ ほっぺたが真っ赤
きっと何回言われても足りないよ
大好きだよ あなただけよ この恋は真っ赤
赤い薬指の糸は永遠 エヴリデイドリーム
幸子「こっちも行きます!」
私だけの あなたへ step up!いつも 見ているわ
言葉だけじゃ たぶん 伝えきれないから
あなただけの 私をpop up!トクベツにあげる
だから oh my…Darling☆Darling☆I love you…
幸子の勝利!
まゆ「…」
まゆ「負けちゃった…」
まゆ「負けたら…褒めてもらえない…負けたら…」ブツブツ
幸子「…」
幸子(ちょっと怖い…)
ワージ!
ザッ
幸子「!」
P「…」
幸子「何度も何度もなんなんですか!いくら優しいボクでもいい加減あきれちゃいますね!」
まゆ「プロデューサーさん!」
幸子(プロデューサー…?)
みく「にゃはは!これで終わりにゃ!」
幸子「ん?…まったく。いいですか、覚えておいてください…」
幸子「ボクの前に立つのはダメなんですよ!」ドヤァ
幸子「あしらってあげますよ!」
P「…」
P「抱きしめたい貴女を 心も身体も…」
幸子「!?」
ズンズンチャチャチャ…
P「冷たい夜空 無数に輝く星♪
今夜幾つ星座に変わる…
震える心 北風が吹き抜けていく♪
ひとり歩く銀世界 眩しすぎる光♪」
幸子「ちょ、えっ!?」
P「今貴女は誰と~
暖め合うんだろう…
悴んだ 指先に
雪が優しく堕ちる~♪」
P「抱きしめたい貴女を 心も身体も~」
P「溶け合って結ばれてCrystal Dust♪
暖め合おう このまま真冬の所為にして♪」
P「さあ傍においで 近く深く♪
こよなく貴女とCrystal Dust~♪」
幸子「」
Pの勝利!
幸子「……」
幸子「……」
幸子「…あなたに花を持たせてやるボクって本当に優しいですね!」
「やった!」「さすがプロデューサー!」
「歌もダンスもすごいキレです!」
幸子「…」
幸子「」ドサッ
まゆ「あら…体力が切れちゃったみたいですねぇ…」
――――――――――――――――――――――――――――
バシャ
幸子(…)
幸子(…女の子?)
まゆ「なんでまゆがこんなこと…」ブツブツ
幸子(あ…濡れタオル…)ヒンヤリ
幸子(…)スゥ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
幸子「…」
幸子「うーん…」ムクリ
幸子「…ここは?」
ザワザワ
ワイワイ
幸子(女の子たち…?)
幸子「!」
幸子「あれは…」
まゆ「」プンプン
P「」マアマア
まゆ「…」
スタスタ
ザ…
まゆ「…」
幸子(確か昨日の…)
デコピンッ
幸子「フギャッ!?」
まゆ「ふんっ!」スタスタ
幸子「こ、このかわいいボクに何するんですか!」
智絵里「あはは…ご、ごめんね…昨日負けたのが結構ショックみたいで…」
智絵里「でも、普段はいい子なんだよ…?」
智絵里「昨日…あなたのこと看病してあげたのもまゆちゃんだから…あとでお礼言っておいてね」
幸子「…」ムー
P「あはは、今ので目が覚めたかな?」
ザ…
P「…オレはプロデューサー」
P「君、名前は?」
幸子「……輿水幸子、です」
P「一緒に来てくれないか?」
智絵里(へえ…)
まゆ「!」
まゆ(Pさん…?)
みく「Pチャンはあの子をどうするつもりなのかにゃあ?」
杏「仲間にするつもりじゃないの?」
杏「結構あの子強かったじゃん?仲間にすればきっと戦力になるよ」
みく「確かにそうにゃ」
杏「……あの子が入ればもう杏は働かなくて大丈夫だね!今まで応援ありがとう!」
みく「ふざけたこと言わないでお仕事してよ杏チャン!」
かな子「…」
幸子「なんなんですか?この人たちは…」
P「…」
P「アイドル事務所…『鷹の団』」
幸子(鷹の団!)
P「知ってるのか?」
幸子「噂だけなら…」
幸子(鷹の団…いろんなイベントで結構いい成績をとるとか聞いたことがあります)
P「フー…いい眺めだな」
幸子「…なぜです?」
幸子「なぜ昨日ボクを助けたんですか?」
幸子「ほっとけばいいじゃないですか、ライブバトルした相手のことなんて」
まゆ「…」ジー
P「…」
P「君が欲しいと思ったからさ…幸子」
P「こないだ、俺たちもあのイベントに居たんだ」
P「君と笑美ちゃんのライブバトル拝見させてもらったよ…見事だった」
P「…だが 危なかったな」
幸子「!」
P「笑美ちゃんの守備コストが無くなってなかったら負けたのは君のほうだったはずだ」
幸子「…でしょうね」
P「正直だなァ」
P「君の戦い方はまるで…自分の命を試しているかに見える」
P「どんな相手にも一歩も引かない…逆に自分からがむしゃらに突っ込んでいく
確かに勇ましいが…」
P「オレには…わざわざ自分の身を敗北の危機にさらして」
P「逆にそこから勝利を拾おうとあがいている…そんな風に感じたよ」
P「…君は面白い」
P「オレは君が気に入った」
P「一目見てティンと来た」
幸子「…」
P「君がほしいんだ…」
P「幸子」
幸子(…なんですかこの人!?人のことをずけずけと…)ムカッ
幸子「いやだ…と言ったら?」
P「いやかい?」
幸子「ええ!おっことわりですね!!」
幸子「…知った風なことを言って…」
幸子「あなたに何がわかるんですか!口をきいたこともないあなたにボクの何が!」
P「解りはしない…ただそう感じただけさ」
幸子「…気に入りませんね!」
幸子「勝手に攻撃してきたくせに馴れ馴れしいんですよ!」
幸子「…ボクとあなたは…敵同士なんです」
P「どうするつもりだい?」
幸子「簡単です…ライブでケリをつけます!」
幸子「ボクが勝ったらあなたたちのお金も衣装も全部奪ってやりますよ!」
P「……オレが勝ったら?」
幸子「仲間にするなり何か奪うなり好きにしてください!」
幸子「昨日はまさかアイドルでもない男性があんなにうまく歌えると
思ってなかったので驚いてしまいましたけど…今回はそうはいきませんよ」
幸子「まあ本気でやったらこのカワイイボクが負けるはずありませんからね!」
P「解った」
P「力ずくっていうのも…」
P「嫌いじゃない」
ス…
まゆ「プロデューサーさん!」
P「手を出すなまゆ」
まゆ「でもぉ…」
P「オレは欲しいものは絶対手に入れる」
幸子(その人を小馬鹿にした態度が…気に入らないんです!)
P「日を改めてもいいんだぞ?まだスタミナも攻コスも全快してないだろ」
幸子「ほっといてください!」
幸子「覚悟してくださいね…ボクの本気を見せてあげます!」
授業中 手紙を書いてる 午後1時
少しだけ隣のあなたが 気になるの
横目で見てるあなたの顔は だれより 魅力的で
渡せない 手紙 抱きしめる
どんなときも あなたをcheck up!あきらめないのよ
私だけを むいてくれるその日までは
背の高い あなたへjump up!届け この想い
だから oh i…miss you★miss you★Everyday…
幸子「」ハアハア
幸子「ど…どうでした…?」
「すごーい!」「歌も上手だね!」
幸子「ふふーん♪ボクはカワイイし歌も上手だし完璧なんです!」ドヤア
P「それじゃあ…オレの番だな」
P「こっちも少し…本気を出してやろう」
BANG×BANG BIG BANG!!心は BIG BANG!!
夢と現実をぶつけて BOMBER!!
さあ叶えてみようぜ ROCKET DASH 極上のPEACE
BANG×BANG BIG BANG!!BARI×BARI BIG BANG!!
やるなら思いっきり ENJOY FEVER
願ってるだけじゃ進まないぞ
EVERYBODY ACTION START
FIRE!! FIRE GO!!
BIG BANG!!
幸子(う…やっぱり…すごい!)
Pさんの大勝利~!
「やった!」「さすがプロデューサーさん!」
まゆ「…」
P「…」
幸子「う…」
ス…
P「これで君はオレのものだ」
幸子「…」
「ということは?」ワイワイ
P「今からこの子は鷹の団の一員だ」
ワアアアアア
まゆ「…」
まゆ(言ったことないです…)
まゆ(Pさんは誰にもあんなこと…)
≪君が欲しいんだ≫
まゆ(言ったことありません!)
とりあえずここまでです
グリフィスがモバPか
口説いてるようにしか見えない。
ガッツの過去って悲惨だが幸子も……
グリフィスはホモ
よってPはCuP
もうそろそろ平沢進がアイマス曲手掛けていいと思うんだ。本家千早でモバマスは晶葉
自分、さっちゃんに大人攻撃いいすか?
>>27
ヒラサワとアイマスって相容れない気がするな
特にアイマスに課金ゲーの要素が強まる程に
Pはゴッドハンドになるのか
ゴッドハンド……鷹……アイドル……
ふぅ
ガンビーノ=ちひろ
買春傭兵=愛海
お察しの通りPはCuPです
なので仲間メインキャラは全員Cuです
続き書きます
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
P「次のイベントはあのステージだ」
P「オレたちは相手ユニットにダメージを与え…」
P「それが終わったら一目散だ」
P「今回の殿は…幸子」
P「お前にやってもらう」
幸子「!」
まゆ「…!」
ザワザワ
P「骨の折れる仕事だ…敵を牽制して味方の逃走を助けるんだ」
P「ステージは一本道とはいえ相手は気力数百万以上…負ける可能性も高い」
幸子「…」
P「やれるか?」
幸子「命令ですよね?」
P「…そうだ」
ザワザワ
「いきなりすごい役だね」「あの子がどのくらいか試すつもりなのかな」
まゆ(違いますね…)
まゆ(大変とはいえこんな重要な役目…あの子を試すためだけにやらせたりはしません)
まゆ(Pさんは…幸子ちゃんを信頼しているんですねぇ…)
愛梨「ドイツでは、ウサギは幸運の卵を運んでくるんですって。
少し派手ですけど、私たちもその役目!」
引き分け!
愛梨「私も思いっきり飛んでみます!ぴょーん♪ …あ」
P「よしみんな、逃げるぞ!」
幸子(ここからがボクの役目ですね!)
美嘉「マジメなのは、おもしろくないなー★アタシたちといっしょに楽しくなろーよ!」
幸子「ボクが負けるワケないです!」
幸子の勝利!
美嘉「やばっ、本気にさせると、こんなにスゴいの!? もってかれた~!」
ヘレン「日本中に私の名前が轟くのは時間の問題よ。その世紀の瞬間を見せ付けてあげるわ!」
幸子「ボクが一番カワイイに決まってますよ!」
幸子の勝利!
ヘレン「く…覚えておきなさい、世界には越えられない壁があるって事を、ね」
幸子(さあ…もっとかかってきてください!)
「おお!大戦果だ!みごとだプロデューサーくん!」
「これで敵グループに勝つのが楽に…あら?」
P「…」ス…
まゆ「!
Pさん?」
P「こっちのダメージは?」
「大したことないよ!あの新入りの子結構強いね!」
「あの子が頑張ってるおかげで相手はなかなかこっちに噛みつけないみたい」
「一度に何人も相手に…大したもんだね!」
P「幸子は?」
「さあ…負けてなければいいんだけど」
P「…」
まゆ「…」
みちる「パン職人はみんな、明日の朝も早いんでしょうねー。
この歌を聴いて、がんばってもらいましょ!」
引き分け!
幸子「くっ…」
みちる「閉店前のパン屋さん、まわります?残ったの安く売ってるかも」
幸子(そろそろ潮時ですね!)ダッ
麻理菜「はぁい♪ちょっとクラシックな雰囲気だけど、
ここでお姉さんたちが空気をやわらげてあげようかな」
麻理菜「薄着でアクティブにね!」
ドゴォ
幸子「うわっ!」
幸子(まずい!このままじゃ…)
幸子(!)
幸子(Pさんたち!?)
P「行くぞ!」バッ
幸子「…!」ガシッ
幸子「どうして戻ってきたんですか!?」
P「話は後だ!」
麻理菜「ここで決めなきゃ女が廃る!」
麻理菜「!」
かな子「グリム童話のお菓子の家みたいに、カラフルなLIVEをしたいですね。
私たちなら届けられますよね♪」
かな子「『ショコラ・ティアラ』ッ!」
お手本よりたくさん イチゴのせたショートケーキ
こんな風にきっと なりたかった
だから 今 この気持ち
そっと 奏でてみよう
胸の鍵を 開けて
夢のティアラ 変われるかな
いくつもの花が咲くような
虹のショコラ しあわせから
ドキドキに変わってく
かな子の勝利!
麻理菜「やられちゃったわね。この衣装はさすがに攻めすぎだったかな」
ワアアアア…
P「」ニコッ
幸子「…」
まゆ「…」ジー
「まったく…たかだか攻撃が一度成功したくらいで浮かれやがって」
「まあしかたないさ…今回の成果は確かに大きい…そうそう邪険にはできないさ」
「しかし…恐ろしい男だなあれは」
「今回の作戦もすべてあいつが取り仕切った物」
「あの若さで無課金だというのにアイドルの親愛度の高さといい…末恐ろしい」
「それにしてもあの子結構やるね!」
「さすがプロデューサーが見込んだだけはあるよ!」
P「…」
幸子「…」チラ
幸子「…」
智絵里「あ!いたいた」
智絵里「何やってるの…?こんなところで…夕涼み?」
智絵里「こっちへおいでよ、一緒に楽しもうっ」
幸子「…ボクはいいです」
杏「幸子、結構スゴイじゃん!」
杏「君がいれば杏は安心して引退できるよ…あとはまk
かな子「だめですよ杏ちゃん!もう…」
智絵里「わたしは…智絵里、よろしくね!」
智絵里「一緒に来てよ、主役がいないと…盛り上がらないから…」
幸子「何ですかそれ…」
智絵里「今夜のパーティーは…幸子ちゃんのお祝いも兼ねてるんだ…」
智絵里「だから…一緒に…ね?」
幸子「別に頼んではいないですが…そうですね!」
幸子「やっぱり一番カワイイボクがいないと始まりませんよね!」
かな子「それじゃ行こう!」グイッ
幸子「あっ、ちょっと引っ張らないで…」
かな子「私はかな子だよ、よろしくね!」
かな子「それじゃジュース飲んで!」ズイッ
幸子「…」グイッ
ワイワイ
みく「みくはみくにゃ!これからよろしくにゃ!」
幸子「…」チラ
P「…」ニッ
まゆ「…」ジー
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―翌日早朝
幸子「…」
智絵里「あ…おはよう!早起きだね…」
智絵里「どうかな…ここ?」
幸子「どうって?」
智絵里「やって…いけそう?」
幸子「…」
幸子「わかりませんよ、そんなこと」
幸子「…ここは変わってますね」
幸子「アイドルと言ったらどこも大差ない…
ちょっとかわいいだけでみんな同じような、大した特徴のない集団というイメージですが…」
幸子「…ここは…なにか…と言うか、もの凄く違います」
智絵里「へえ…そんなものかな…」
智絵里「確かにアイドルとしては少しバラエティに豊んでるね…」
智絵里「食べるのが好きな子でしょ
幼稚園の先生でしょ
ギャンブラーでしょ
巫女さんでしょ
ボーイッシュな子でしょ
宇宙人でしょ
ギャルの子や…
探偵の子までいろんな子がいるね…えへへ!」
智絵里「でも…しいて言えばプロデューサーかな?やっぱり…」
智絵里「Pさんが大好きな子…Pさんと一緒なら有名になれそうだと思った子…」
智絵里「とにかく…ここのみんなはPさんに惹かれて集まったんだ…」
智絵里「わたし達だって…一人一人なら大したことないよ…逆に個性ありすぎだもん…」
智絵里「ただ…他の事務所とは違うんだ…」
智絵里「ここでは…衣装取ったり取られたり…毎日いろいろやりながら…」
智絵里「泣いたり、笑ったり、怒ったりできるんだっ」
幸子「…」
幸子「プロデューサーって…どんな人なんですか?」
智絵里「えっと………よくわかんないかな…」
幸子「…彼に惹かれて集まったって…」
智絵里「あはは…えっとね」
智絵里「なんていうかね…何か悟ってるみたいだと思ったらまるで子供みたいだったり…」
智絵里「背筋も凍るような冷たい目をしたと思ったら赤ちゃんみたいに無邪気に笑ったり…」
智絵里「子供なのか大人なのか…『よくわからない』人だよ」
智絵里「ただ…Pさんはわたし達とは違う…」
智絵里「わたし達が憧れるだけの夢物語みたいなことを…
Pさんは当たり前のように実行しちゃうんだっ」
幸子「…」
智絵里「うまく言えないけど…歌や踊りだけじゃなくて」
智絵里「Pさんには私たちにはわからない…もしかしたら一生かかっても手に入らない…」
智絵里「確信みたいなものを持ってるんじゃないかな…きっと」
幸子「(確信…)何の…?」
智絵里「いろんなことの…かな」
智絵里「いい人だとか…悪い人だとか…」
智絵里「その人のことを…よく知ってる知らないじゃなくてさ…」
智絵里「人が集まるってことは…そういうものなんじゃないかな…」
「幸子ちゃーん!Pさんが呼んでるよ!」
幸子「それじゃあ…」
智絵里「幸子ちゃん!」
智絵里「ここならきっと見つかるよ…あなたにも、居場所が」
ザバァ
幸子「!」
バシャア
P「フウ…」
幸子「…//」(なんとなく)
P「よお!」
P「どうだお前も?目覚ましにはこれが一番だぞ」
幸子「ボクはいいです!」
P「まーそう言わずに…」スタスタ
幸子「わー!やめてください!子供じゃあるまいし…フギャー!」
バシャアァ
幸子「ガボゴボガボゴボボ!」
幸子「ハ…クシュン!な、なんですか!」
P「ハハハ!変な顔!」
幸子「…」ガシッ
バシャア
P「わち!甘い!」ヒュッ
ザバッ
P「ブハッ」
幸子「ふふーん!」
P「…」ポリポリ
幸子「こ、こんなびしょ濡れになってもカワイイボクってやっぱりスゴイですね!
でもさすがにもっとボクを大事に…ってまた水!?フギャー!」ザバア
幸子「…」
ガシッ
ガシッ
バシャア
ザバッ
智絵里「…」
智絵里(元気だなあ…朝早くから)
ザ…ガラガラ…
幸子「」ゼーゼー
P「」ハーハー
P「朝からいい運動になった…」フー
ザバッ
P「わっぷ」
P「幸子…おまえ!」ケホ
幸子「これでおあいこです」
P「…あ」
P「プ…」
P「ハハハハ!」
P「わかった参ったよ!つくづく強情なんだなおまえ…」
幸子(ん?)
幸子「…」
P「? なんだ?」
幸子「変わった首飾りですね…」
P「これか…」
P「昔、とある事務所の事務員さんからもらったんだ」
P「ベヘリット…別名『覇王の卵』とかいって…」
P「なんでもこれを持つ者は、自分の血と肉と引き換えに世界を手に入れる運命なんだってさ」
幸子「世界を…?」
P「いーだろ?」ニヤニヤ
幸子「」
幸子(ほんとによくわからない人です…ただの子供みたい)
幸子「まだ答えを聞いてませんでしたね」
P「ん?」
幸子「さっきのライブ…どうしてボクを助けに戻ったんです?」
P「…」
P「せっかく手に入れた優秀な子をあんなケチなイベントでなくしたくないからな」
幸子「…」
P「幸子…お前はオレについて来い…」
P「今はほんの一歩に過ぎない 鷹の団も、イベントでのいくつかの勝利も」
P「ほんの手始め ほんの始まりさ」
P「面白いのはこれからだ…命を懸けるほどにな」
P「オレはオレの国を手に入れる」
P「お前はオレのために働け」
P「お前はオレのものなんだからな」
P「お前の行先はオレが決めてやる」
幸子「国…」
P「そう…国だ」
P「世界中に名を轟かせるような…神プロダクション」
P「必ず手に入れてみせる… 幸子…お前や他のみんなと一緒にな」
幸子(国を手に入れるですって?)
幸子「アハハ!本気ですかね?」
幸子(廃課金や重課金でもない、ましてや微課金ですらない)
幸子(たかだかファン数も50万そこらの事務所が…神プロダクションですって?)
幸子(あの人…当たり前のような顔して言ってのけましたね)
幸子(…ボクより年上と言ってもまだまだ若い…ただの…一人の男性が…)
幸子「そう…言い切るんですか?」
幸子(ボクはこの数か月間何をやってたんでしょうね)
幸子(あっちこっちのイベントをただ駆けずり回って…)
幸子(ただ…歌を歌って…)
幸子(ただ…生き延びて…)
幸子(何処へ…?)
幸子「あの時の答え…まだ見つかりませんよ…昔のプロデューサーさん…」
カンカンカン
杏「おーい幸子ー」ガチャ
ドン
幸子「」
杏「あ」
幸子「フギャー!」ドボン
幸子「ハ…クシュン!な、なにするんですか!」
杏「ご、ごめんごめん」
幸子(今日は水難の日ですね…)
杏「聞いたよ、さっそくチームのリーダーになるんだってね、すごいじゃん」
杏「これからいろいろあるだろうけど、よろしく」スッ
幸子「…」
とりあえず…
幸子「よろしくお願いします…杏さん!」ガシッ
杏「うーん…」ザバ…
かな子「幸子ちゃん!聞いたよ、チームのリーダになるって…」ガチャ
ドンッ
杏「」
幸子「」
ドボーン
とりあえずね
杏「ちょっとかな子!前みてよ!」ゲホッ
幸子「水も滴るボク!セ、セクシーですね!」クシュン
まゆ「…」
今回はここまで
幸子とまゆが恋人になってPとの三角関係になるのか…(困惑)
さちまゆというカップリングもあるし(錯乱)
―――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
この世界には人の運命を司る何らかの超越的な"律"…
"神の手"が存在するのだろうか?
少なくとも 人は自分の嫁さえ自由にはできない
人は記憶の彼方 遥か遠い日
心に負った小さな傷を庇うためにガチャをする
人は思いの彼方 遥か遠い日
微笑みながら逝くためにガチャを引く
≪そのイベントは数週間の永きにわたった≫
「ぬう…なんたる様だ!たかだか数人相手にいい様にかき回されるとは…」
「誰でもいい…きゃつらを止められるものは…このプロダクションにはおらんのか!?」
ザッ
[自称・カワイイ]輿水幸子「…」
「バカな!このユニットに対して単騎凸だと!?」
「いいだろう!返り討ちにしてやれ!」
幸子「カワイイ方が勝つんです!!」
ワアアア
「くっ… すごい歌だ!」
幸子「ふふーん!こんなに大勢の人たちをトリコにしてしまうなんて…
ボクのカワイさって、罪ですね…。みんながボクを求めてやまないなんて、ゾクゾクします!」
幸子(でも、ボクを一番求めてるのはプロデューサーさんですよね?)
「くそ!相手はデバフ持ちとはいえ一人!一気にやっちまえ!」
ダダダダ
「社長!あれを!」
「た…鷹の団!」
ドガガガガ
ワアアアア…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「幸子ちゃん!」「凄かったよさっきの歌!」
「かわいかったー!私もー体が震えちゃって…!」
「今回の勝利の立役者だね!」
幸子「ボクの方こそごめんなさい…一人で勝手に突っ走っちゃって…」
「何言ってるの!もー」「それじゃお祝いしよう!」
「幸子ちゃん」
「!」
まゆ「…」
「まゆさん…!」
幸子「…」
まゆ「話があります」
まゆ「ちょっと来てくれますか?幸子ちゃん」
幸子「それじゃ皆さんは先に行っててください」
「はーい…」
「何だろね?」「さあ」「ケンカじゃないの?また」
「幸子ちゃんが3か月前入って以来あの二人の犬猿の仲は有名だもんね」
「たぶん今回の単凸の事じゃないかな」
まゆ「あなたどういうつもりですかぁ?」
幸子「何がです?」
まゆ「とぼけないでください!あなたの役目は私たちが突っ込むのを
側面から援護することだったじゃないですか!」
まゆ「それを…味方を無視して一騎打ちだなんて…!」
まゆ「たまたまうまくいったからいいものの…あなたの勝手な行動が
チーム全体を危険にさらすことだってあるんです!」
幸子「ふふん、大丈夫ですよ…ボクが負けるはずありませんから!」
幸子「でもまあ…今後は気を付けますよ」
まゆ「…いつもそうですねぇ」
まゆ「そうやって口先だけ…そしてまた同じことを繰り返す…」
まゆ「あなたは実際3か月前と何も変わっていません…
Pさんに噛みついていったあのころと…」
まゆ「あなたはただステージで派手に目立てればそれで満足なんです!
仲間の事なんて何も考えていない…ただの自己中です!!」
幸子「…」バンッ
幸子「もう一度…」
幸子「もう一度言ってみてください!!」ギリッ
まゆ「…!」
「二人ともその辺にしとけ」
幸子・まゆ「!」
まゆ「プロデューサーさん」
P「幸子にはオレからよく言っとく」
まゆ「…」
まゆ「…」スタスタ
まゆ「Pさんは幸子ちゃんに甘すぎます」
幸子「…」
P「…フウ」
P「お前らほんっとに仲悪いな」
P「顔突き合わせてもう3か月になるってのに…」
幸子「考えてますよ…」
幸子「ボクだって仲間のことは考えてます」
幸子「もう…昔のボクじゃない」
P「…」
P「思い出すな…3か月前の…イベントを渡り歩いていたお前を
仲間に入れるためのライブバトル…」
P「…あのケンカは楽しかった」
P「ケンカってのはああいうのがいい…」
幸子「…」
幸子「…プロデューサーさん」
幸子「今日のイベント…すいませんでした…」
P「…お前の『そういうところ』も…オレの策のうちさ」
幸子(…)
――――――――――――――――――――――――――
「まったく前代未聞だな無課金ごときを役員だなんて…」
「一体社長は何を考えているんだ…」
「しかし今回のイベントも…確かに奴らの功績は大きい」
みく「他の人たちもこう勝利を重ねられちゃ…」
みく「さすがにみく達の実力を認めざるを得ないにゃあ」
みく「これでみく達は晴れて有名プロの仲間入りってことにゃ」
まゆ「それがわかっているなら静かにしていてください、みくちゃん 任命式の最中ですよぉ」
まゆ「これからは私たちのスキャンダルがPさんの足を引っ張ることになりかねません…」
まゆ「今までのように自由にやっていればいいと言うわけにはいきませんよぉ…」
みく「はいはい、分かってるにゃ」
みく「……まったく…お母さんみたいだにゃ」ボソ
まゆ「何か言いましたかぁ…?」ギロ
みく「にゃあ!式、式」
まゆ「ぅ…」
まゆ(! そういえばあの子は…?また…?)
幸子(ここでステップ…)
タン タン タン
幸子(次にターン!)
P「…」ス
ワーワーワー
パチパチパチ
幸子「…」フゥ
―――――――――――――――――――――――――
それは深い海のような紺碧だった
P『昔、とある事務所の事務員さんからもらったんだ』
P『ベヘリット…別名『覇王の卵』とかいって…』
P『なんでもこれを持つ者は、自分の血と肉と引き換えに世界を手に入れる運命なんだってさ』
幸子『世界を…?』
P『オレは…オレの国を手に入れる』
3か月前 彼はそう言った―――
P「…」
「Pさん!敵の要塞はほとんど制圧完了したみたいだよ!」
P「敵のリーダーは?」
「それがまだ…今幸子ちゃんたち切り込み隊が包囲してはいるんだけど…」
「相手にすごいアイドルが一人いて…その子のために突破口が開けないみたい」
まゆ「…一人」
みく「たった一人に?情けないにゃあ…」
智絵里「きらり…」ボソ
まゆ「え?」
P「!」
杏「きらりって…まさか?智絵里…」
智絵里「今回のイベントでうわさを聞いたんです…」
智絵里「相手にあの"諸星きらり"ちゃんが…加わってるって…」
「「諸星きらり!!」」
かな子「だ、誰ですか?」
杏「知らないの?かな子」
杏「…諸星きらり 仲間の間だと伝説的存在のアイドルだよ」
杏「きらりがイベントでハピハピさせたファンは何千何万ともいわれてる」
杏「でも…きらりが恐れられてる理由はそれだけじゃないんだ」
杏「きらりはイベントの度に必ず…かわいい子を『きらりん☆ルーム』とやらにお持ち帰りするらしい」
P「…」
智絵里「幸子ちゃん…誰でも構わず…挑戦していくところあるから…」
シーン…
智絵里「嫌な雲行きです…」
幸子「千佳さん!離してください!」
千佳「だめだよ!もうちょっと待とう!」
幸子「バカ言わないでください!もう一時間も経つんですよ!!」
幸子「何人も送り込んで一人も出てこない…!ほっとけません!」
千佳「じゃあまゆちゃんたちに援護を…」
幸子「冗談じゃありませんそんなこと!」
幸子「…一人です!たった一人の相手に…」
幸子「全員が釘づけにされて一歩も動けない…!」
幸子「こんな情けない話がありますか!!」
ニョワアアァ!
「「!」」
「さ…幸子ちゃ…」ヨロヨロ
「…きらりちゃんが…ハピ…ハピ…」ドサ
「やっぱりあのウワサ本当だったんだね…」
「どうしようか…」
幸子「…」
ザッ!
千佳「ちょ…ちょっと幸子ちゃん…!」
幸子「来ないでください!」
幸子「誰もついてこないでください…」
幸子「ボクが一人でやります」
ゴオオオオオ
「」ハピハピ
「」ハピハピ
幸子(何ですこの人たちは…)
幸子(アイドルたちが完全にハピハピに…!)
ニョワアアア
幸子「くっ!」ダッ
ゴゴゴゴ
きらり「にょわー☆」
幸子「うああああ!」ダダッ
きらり「おにゃーしゃー☆」ゴッ
幸子「うわっ!」
幸子(何ですか…これは!?)
きらり「あなたもきらりとハピハピしよ☆」
ましゅまろほっぺ 指先でぷにぷに♪
たのしそうに あなたがはじいて笑う(ぷにぷに)
ましゅまろほっぺ 私あなたの楽器♪
秘密の五線紙の暗号
「大好き。chu!」わかるかな?
幸子「ハア…ハア…」
きらり「すごーい!きらりんとハピハピしてルンルンね☆」
きらり「でも他の子はすぐ疲れておねむみたいなんだにぃ…」
きらり「でもきらりんは今日はとってもハピハピだにぃ☆それじゃいっくよー☆れっつらごー!」
あなたの「大好き」の中に 私も入れて♪
もういちど「かわいい」って言ってみて♪
あなたが なでてくれた 髪の毛も眉も くちびるも
その瞬間から たからもの♪ハピハピ♪
甘いお菓子が 欲しいな どこどこ?
ぱふぱふぱふ ころんころん
ましゅまろ ころがる はぷにんぐ(タイヘン!)
ましゅまろほっぺ 指先でぷにぷに♪
たのしそうに あなたがはじいて笑う(ぷにぷに)
ましゅまろほっぺ 私あなたの楽器♪
秘密の五線紙の暗号
「大好き。chu!」わかるかな?
幸子(くう…凄すぎる!もの凄いパワーの歌です!)
きらり「きらりん嬉しいにぃ…こんなに一緒にハピハピできる子って初めてだにぃ☆」
きらり「それじゃ…いっくよー!きらりん・おん・ざ・すてーじ☆…」
きらり「『きらりんぱわー』☆」┣¨┣¨┣¨┣¨
ゴゴゴゴゴ
それは巨大な…女の子だった
きらり「きらりんびーむ☆」ビュゴオォォォオォ
幸子「フギャー!」
きらり「きらりんあたーっく☆」ドゴオォン
幸子「ひいいい!」
幸子(なんですかこれ!まるで歯が立ちませんよ!)
幸子「あぅ…」ドサッ
きらり「あ…お疲れみたいだにぃ☆きらりんルームにいらしゃーい☆」ガシ
ドドドド
きらり「にょわ?」
P「…」アセダク
幸子(Pさん…)
みく「す…すごい大きい子にゃあ…」
杏(ヤバい)
まゆ(何ですかあの子!?)
P「気を抜くな!第二陣行け!」
ドドドド
「やったか!?」
きらり「…かわいい」
きらり「うきゃー!かわいい子いっぱいだにぃ☆」
きらり「みんなきらりんホームにご招待すぅ☆」
P(全然効いてねえ!)
幸子「だめです…逃げてください!」
「きゃー!」ハピハピ
「うわっ!」ハピハピ
「まずい!とても手におえない!」
P「まゆ!全員退避させろ!」ダッ
まゆ「! Pさんどこへ…!」
幸子「」
P「…」ダダッ
まゆ(…!)
P「おい立てるか?」
幸子「バカなんですか!なんで来たんですか!?」
P「文句ならここから脱出した後にしろ」
幸子「なぜです…」
幸子「なぜこうなってしまうんです…もう!」
P「…」
ズシッ
きらり「どこへいくんだにぃ?きらりんルームはこっちだゆ☆」
P「動けるか!?」
幸子「やらなきゃやられます!」
P「お前は左!行くぞ!」
バッ
きらり「!」
ドシャアッ
「やった…すごいです!」
P「一気に走り抜けるぞ!」
まゆ「Pさん危ないです!後ろ!」
P「」ハッ
きらり「にょわー☆(物理)」ドゴォ
P「グハッ」
幸子「プロデューサーさん!」
ガシ
幸子「えっ」
きらり「今日は素敵な日だにぃ…」ゴゴゴ
きらり「これだけいっぱい歌って踊れて…とっても楽しいにぃ☆ヤバーイ!」
きらり「いっしょに、ぎゅーーーっ☆」
幸子「あっ」ギューーーッ
きらり「ありゃっ、だ、だいじょぶ?」
幸子「」
きらり「やっぱりお疲れみたにだにぃ…それじゃあきらりんルームにつれてってあげるゆ☆
まずはこっちのカッコいい人から…」
まゆ「プロデューサーさん!」ジタバタ
智絵里「だめですまゆちゃん!」
きらり「!」
きらり「…これは…!?」
きらり「覇王の卵!?」
幸子「!」
きらり「にょわ…覇王の卵…!?こんな若い男の人が…紺碧の"ベヘリット"を…!?」
きらり「うぇへへ!おもしろいにぃ☆そういうことだったのかにぃ…」
きらり「きらりんルームへのご招待はまたあとでにすゆ☆」
きらり「でも…また会えるかにぃ…?」
きらり「ひとつだけ教えてあげゆ…もしあなたがこの人にとって本当のアイドルと言える人なら…」
きらり「覚悟しておくにぃ…この人の夢が終わる時…」
きらり「あなたに死がおとずれるにぃ…ぜったい逃げられない死にょわ…ヤバーイ!」
きらり「でも…夢はいつでもおっきいのがステキだにぃ☆」
ドゴゴゴゴゴゴ…
幸子(…死?)
幸子(死ぬですって…?このボクが…?)
まゆ「Pさん!」ダッ
まゆ「プロデューサーさん!しっかり…!」
「大丈夫幸子ちゃん?」
幸子「ええ…なんとか」
千佳「もう…強がっちゃって」
幸子「それよりプロデューサーさんは?」
バシィ!
幸子「!」
まゆ「プロデューサーさんに触らないでください…」グスッ
まゆ「あなたのせいです…Pさんがこんな目にあったのは…」
まゆ「あなたのせいです!!」
今回はここまで
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
幸子「…」スタスタ
智絵里「! 幸子ちゃん」
幸子「何やってるんです?みんな揃って」
杏「もう歩き回っていいの?」
幸子「…」チラ
まゆ「…」ジロ
まゆ『あなたのせいです!!』
まゆ「…」プイ
智絵里「気にしないで…あれは幸子ちゃんのせいじゃないよ…みんなもわかってるから…」
智絵里「まゆちゃんもあの時は動揺してあんなこと言っちゃったんだよ…気にしないでね」
幸子「…」
幸子「それで、皆さん何をやってるんですか?」
智絵里「みんな同じ…プロデューサーのお見舞いなんだけど…」
智絵里「先に人がいてね」
智絵里「プロダクションの偉い人たちだよ」
智絵里「捨てる神あれば拾う神ありって言うし…プロデューサーを無課金だからって煙たがる人もいるけど…」
智絵里「ああやって今のうちに仲良くしておけば…あとでいい思いができると考える人たちもいるんだね」
智絵里「まあ当然といえば当然だけどね…」
智絵里「今の所プロデューサーは負けなし…最強の事務所のプロデューサーなんだから…」
幸子「…ふーん じゃ…」
智絵里「じゃ…って…え?」
まゆ「ちょっと!今の話聞いてなかったんですか!?」
幸子「聞いてましたよ?だから?」
まゆ「…だから?」
智絵里(あっ…)
まゆ「だからじゃありませんよぉ!重役の人たちが終わるまでここで待ちなさいって言ってるんです!」
幸子「別にどうってことないでしょう?お見舞いに身分もなにもありませんよ」
幸子「だいたい身分がどうとか言う前に、このカワイイボクが行かない方が間違ってますね!」
幸子「プロデュー…」ガシ
幸子「なんですか?いい加減に…」
まゆ「…」スッ
バチィンッ
幸子「」
「「「あ」」」
幸子「イタタ…何するんですか!」
幸子「!」
まゆ「…」ジワァ
幸子「…」
まゆ「…なぜですか?」
まゆ「なぜあなたという人はいつもそう…」
まゆ「なぜPさんは…あなたみたいな子を…あんなに…」グス
幸子(なんなんですかもう…泣きたいのはこっちの方ですよ)
幸子「フン!」スタスタ
智絵里「幸子ちゃん?」
幸子「あとで出直してきます」
幸子「…」チラ
まゆ「…」
杏「でも…幸子の気持ち…少しはわかるかな」
杏「最近のプロデューサー…気軽に声をかけづらいっていうか…」
杏「なんだか少し…遠くなった気がするよ…」
まゆ「…」
杏「この頃全然甘やかしてくれないし…毎日仕事いれてくるし…」
かな子「それは我慢してください!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
タン タン タン
まゆ『あなたはただステージで派手に目立てればそれで満足なんです!
仲間の事なんて何も考えていない…ただの自己中です!!』
まゆ『なぜあなたという人はいつもそう…』
幸子(…)
まゆ『あなたのせいです!!』
幸子(もう…なんだっていうんですかあの人は…!)
P「荒れてるな」
幸子「! プロデューサーさん」
P「もう踊ってて平気なのか?」
P「オレよりよっぽどひどくやられてたのに…まったくタフな奴だな」
P「昨日はすまなかったな…みんなで見舞いに来てくれてたようだったけど…」
P「…ったくあの重役たち人がスタミナ全然ないからって恩着せがましく毎日毎日…
うっとうしいったりゃありゃしない」
P「…でもまぁ仕方のないことだけどな」
P「このプロダクションでのし上がっていくためには絶対必要なことだ」
幸子「…」
P「…諸星きらりか…」
P「あんな凄い子もいるとは…世界は広いもんだ」
P「しかし裏を返せばこの世界には人知の及ばない巨大な何かが存在するという証拠かもしれないな」
P「たとえば…『女神、天使』と呼ばれるなにか…」
幸子「『鬼、悪魔』…じゃないですかね」
P「さあな…同じことだろ?」
P「ところでオレどうして助かったんだ?途中で気ィ失っちまったからなァ…」
幸子「あなたが首につけてるそれ…」
幸子「どういうわけかそれを見たらどこかへ行ってしまいましたよ」
P「ベヘリットをね…ふむ…」
幸子(きらりさんは知っていた…これのことを…)
きらり『ひとつだけ教えてあげゆ…もしあなたがこの人にとって本当のアイドルと言える人なら…』
きらり『覚悟しておくにぃ…この人の夢が終わる時…』
きらり『あなたに死がおとずれるにぃ…ぜったい逃げられない死にょわ…ヤバーイ!』
P「これには防御アップの力でもあるのかな?事務員の人にお礼を言わなくちゃ」
幸子「…」
幸子「…また…借りができちゃいましたね」
幸子「…なぜです?」
幸子「3か月あなたは"優秀な子を失えない"と言いました」
幸子「でも たかだか一人のためにいろいろ失いかけるなんて…」
幸子「冷静沈着なあなたとしてはおかしい話ですよ」
幸子「…なぜです?」
P「…」
P「…やれやれ3か月も前の話を…こだわるなァお前も」
P「理由なんかないさ…何も…」
P「必要か…?理由が…」
P「…オレが…お前のために体をはることに…」
P「いちいち理由が必要なのか…?」
幸子「…」
P「…」
幸子「…いや…ボクは…」
「これはこれは スタミナの方はもうよいのかな」
幸子・P「!」
P「これは…社長」ペコリ
P「! おい幸子…」
幸子「…」ペコリ
社長「まあ頭をあげたまえ」
社長「ここの所の立て続けのイベントやガチャでプロ内は殺気立っている」
社長「気を休める暇もないわ全く…」
社長「時にプロデューサー君 君の事務所鷹の団の働き、いつもながら見事だったぞ」
P「恐れ入ります」
社長「君たちの楽しそうなライブを見ているとこの老骨の身ですら血がたぎってくるようだ…」
社長「昔の友とイベントを駆け回った…若かりし日を思い出す…」
社長「重役たちの中には君たちを快く思わないものがいるのは事実…」
社長「無課金のものがこうも幅を利かせていてはわが社の威信にかかわると言ってな…」
社長「しかし威信や格式などではイベントでは勝てぬ」
社長「社員の腹は膨れない、今は乱世なのだ…」
社長「わたしはむしろ金さえ使えば何でも手に入れられる課金兵よりも」
社長「君たちのように型にはまらぬ者にこそ、このプロダクションを支える礎として期待しておるよ」
P「ありがたいお言葉…感服いたします」
P「!」
ヒョコッ
桃華「…」
P「あちらの子は?」
社長「ん?おお…」
社長「うちのメインアイドルの櫻井桃華だ」
社長「あれで結構激しい性格なのだよ」
社長「桃華」
桃華「あなたがウワサのPちゃまですわね?ごきげんようですわ!」
桃華「もし望むならわたくしのお仕事のパートナーにしてあげてもよろしくてよ♪」
社長「メインだからといって甘やかし過ぎたのか…許してくれPくん」
社長「じゃあ桃華、いくよ」
桃華「はいですわ!」タタッ
ガクン
桃華「きゃ…!」
P「!」
ガシッ
P「失礼…お気をつけて」
桃華「…//」カァ
桃華「か、感謝いたしますわ」
桃華「Pちゃま、意外と紳士の心得があるみたいですわね。素敵ですわ…」
桃華「うふ、それではまた」
スタスタ
P「…」
幸子「…」クス
幸子「…」
P『オレがお前のために体をはることに…いちいち理由が必要なのか…?』
幸子(お前のために…ですか)
幸子(…これがボクの探していた答えかどうかはわかりません…)
幸子(…でも今は)
幸子(今は彼のために…歌を歌う)
――――――――――――――――――――――――――
みく「あーあ、今頃Pチャンはお食事会でおいしいもの食べてるんだろうにゃあ…」
みく「役得だよにゃ、プロデューサーって」
智絵里「でも…わたしはみんなと楽しくたべられる方がいいな…」
かな子「ここの御飯だっておいしいですよ!」モグモグ
まゆ「…」
杏「杏は飴があれば別にいいし。そうだ、じゃあこれみくにあげるよ」
みく「にゃああああ!お魚は嫌にゃー!みくはハンバーグが食べたいの!」
幸子「多分今回のお食事会は和食ですからお肉よりお魚が多いと思いますよ?宴会みたいなものですから」
みく「にゃあ…しかたないにゃ…」
幸子「でもそろそろ終わる時間じゃないですか?迎えに行ってきますね」
まゆ「あ…じゃあまゆも…」
スタスタ…
幸子「あ、プロデュー…」
幸子「!」
P「…」
桃華「…」
まゆ「…二人の話が終わるまで待ちましょうか」
桃華「少し疲れましたわ…」フウ
P「どうぞおかけください」ファサ
桃華「…ありがとう…」
P「よろしいんですか?主催者が勝手に抜けだしたりして…」
桃華「構いませんわ!皆さんわたくしがいなくてもお楽しみですわ」
桃華「…わたくし…食事会はあまり好きではないんですの…ただ騒々しいだけで…」
桃華「それに本当は…今夜の会はイベント続きで疲れ気味の社員の皆さんに
少しでも気を紛らわせようという社長のお取り計らいなんですの」
桃華「…こんな夜会を開くくらいならイベントそのものをやめてしまわればよろしいのに…」
P「…」
P「どうして争いばかりをするのか…そうお考えですか?」
桃華「? ええ…」
P「確かに私たちにはそんな野蛮な一面があるのかもしれません …でも」
P「それは貴いものを勝ち取り守るための道具…諸刃の剣なのでしょうね」
桃華「貴いもの…?家族とか…恋人とかですの?」
P「そういう人もいますね」
P「…でもわれわれはその二つを手にする前に…もう一つの貴いものに恐らく出会っているはずです」
桃華「もう一つの…貴いもの…?」
P「誰のためでもない」
P「自分が…自分自身のために成す」
P「夢です」
桃華「…夢」
幸子「…」
P「世界の覇権を夢見る者」
P「ただ一つのステータスを鍛え上げることに一生を捧げる者」
P「一人で一生をかけて探求していく夢もあれば…」
P「嵐のように他の何千何万の夢を喰らい潰す夢もあります」
P「身分や階級…生い立ちに係わりなく」
P「それが叶おうと叶うまいと人は夢に恋い焦がれます」
P「夢に支えられ、夢に苦しみ、夢に生かされ、夢に殺される」
P「そして夢に見捨てられた後でもそれは心の中でくすぶり続ける…多分死の間際まで…」
P「そんな一生を一度は思い描くはずです」
P「"夢"という名の神の…殉教者としての一生を…」
幸子「…」ギュ
まゆ「…」
P「生まれてしまったからしかたなくただ生きる…」
P「そんな生き方オレには耐えられない」
幸子「…!!」
桃華「…」ポー
P「!」
P「すみません、つい喋りすぎました」
P「女性には退屈な話でしたね」
桃華「い…いえ!」
桃華「…わたくし、男の方とこんな風にお話しするのは初めてですのよ?」
桃華「Pちゃまって…不思議な方ですわね」
桃華「初めてあなたを見かけした時はどこかのお金持ちの方かと思いましたわ」
桃華「まだお若いのにあまりに堂々としていて…」
桃華「無課金なのだとお聞きした時はとても信じられませんでした」
桃華「何だか…このプロダクションでも…並の方よりずっと資産をお持ちですし…」
桃華「…」
桃華「不思議な方ですわ…」
桃華「…あなたのお仲間の方々も」
桃華「そんな魅力に引かれてあなたについてこられたのですわね」
P「…」
P「彼女らは…優秀な仲間です」
P「何度も一緒に死線を越えてきた…」
P「わたしの思い描く夢のためにその身をゆだねてくれる大切な仲間…」
P「人気も実力もあり、とてもいいアイドルでもあります」
P「…でも 私にとっての『アイドル』とは…違います」
P「決して人の夢にすがったりはしない…」
P「誰にも強いられることなく自分の生きる理由は自ら定め進んでいく者…」
幸子「…」
P「そして その夢を踏みにじるものがあれば全身全霊をかけて立ち向かう…」
P「たとえそれがこの私自身であったとしても…」
P「私にとってのアイドルとは…そんな…"対等の者"だと思っています」
幸子「…」ガーン
まゆ「…」
まゆ「!」
幸子「…」ギュ…
桃華「…すごい自信ですわね」
P「ええ…」
P「そうやって私は今あるすべてを手にしてきたんです」
P「数日たってもドリンク一本増えないこともありました」
P「…でも今は…」
P「有名なプロダクションのメインアイドルであるあなたに…」
P「こうして口をきいていただくこともできます」
桃華「…」
まゆ「…!」フイッ
まゆ「…」
桃華「…Pちゃまの夢って…?」
「お嬢様~!!」
桃華「あら」
「そろそろお食事会も終わりですから、こっちへいらしてください」
桃華「仕方ないですわね…それではPちゃま、ごきげんようですわ」
幸子「…」
スタスタ…
まゆ「! ちょっと…」
まゆ「…」
――――――――――――――――――――――――――――――
P『俺にとってアイドルとはそんな…』
P『"対等の者"だと思っています』
幸子「…」
ワアアアア
智絵里(ふぅ…これは乱戦だね…)
智絵里「!」
まゆ「はあ…はあ…」ヨロ
ドドドド
麗奈「アンタがウワサの鷹の団のリーダーね!」
麗奈「レイナサマがナンバー1アイドルになる手伝いをできるなんて、アンタ運が良いわ。
後世まで語り継ぎなさい。愚民共がアタシの前にひれ伏す日が楽しみね!
アーッハッハッ…ゲホゲホ」
麗奈「アンタもこのアタシにひれ伏しなさい!ザコはザコらしくしていればいいわ!」
まゆ「………面白いことを言うじゃないですかぁ」イラ
まゆ「それだけ言うんですから…覚悟してもらいますよぉ」
麗奈「望むところよッ!アーハッハ、行くわよ!」
まゆ「血って、どんな味でしょうか?」
麗奈「ひれ伏しなさい!」
麗奈の勝利!
麗奈「アハハッ!やっぱり大したことないわねッ!」
麗奈「フッ、アタシの実力に手も足も出なかったようね!!ハッハッハッ…ゲホゲホ」
まゆ(…だ、ダメです)
まゆ(力が…力が入りません…!)
麗奈「止めよッ!くらいなさいッ!」ゴッ
まゆ(…!)ギュッ
ガギィンッ
麗奈「!」
幸子「らしくないじゃあないですか」
まゆ(幸子ちゃん…)
幸子「えい!」ゴギャ
麗奈「うわッ!どっから出てきたのよアンタ!」
麗奈「このレイナサマに挑戦するなんて、身の程知らずも良いところね!真のアイドルの力見せてあげる!!」
麗奈「今の一撃!よく受けたわね!でもまぐれは二度続かないわッ!」
麗奈「受けきれるかしら…!?この世界の覇者、極悪大魔王スクールデビルレイナサマの一撃をッ!」
麗奈「くらいなさいッ!恐怖のレイナ
幸子「なにニヤついてるんですか?」
ボゴォ
麗奈「ぐはっ!きょ、恐怖の…」
幸子「フフフ…ボクが踏み潰しちゃいます」
ドゴォ
麗奈「きゃああッ!」
幸子「恐怖の…なんですって?」
オオオオ
「すごい!あの子を一瞬で!」
幸子「どうしました?いつものあなたらしくないですね」
幸子「気を抜いてるとやられちゃいますよ?」
まゆ「…」ハアハア
幸子「…?」
まゆ「」フラ…
幸子「ちょ…ちょっと!」
麗奈「…」チラ
麗奈「今よッ!『レイナサマ・バズーカ』ッ!」ドオーン
幸子「…!」ガシ
ドゴォン
幸子(しまった!)ズル
千佳「さ…幸子ちゃん!」
智絵里「幸子ちゃん…!」
麗奈「ヒャーハッハッハ…ゲホゴホ」
ヒュウゥ…
ドボン
智絵里(幸子ちゃん…まゆちゃん…!)
幸子「ガボゴボガボゴボボ!」
幸子「ハ…クシュン!なんなんですかもう!」ゲホ
幸子(無事だったのはいいんですけど…どうやって戻りましょう?)
まゆ「」ガタガタ
幸子(…ひどい熱です!だからあんなフラフラと…)
幸子(どこか休憩できる場所は…)
幸子(!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
P「幸子とまゆが!?」
千佳「うん…川に落っこちちゃって…」
智絵里「幸子ちゃんのことですから…多分大丈夫だと思いますけど…」
智絵里「攻撃されてダメージもあるし…まゆちゃんの様子も変でした」
智絵里「探しに行くなら早い方がいいですっ」
P「…」
「プロデューサー殿お分かりでしょうな?」
「イベントではまず敵に打ち勝つことこそが大事!」
「だからその最中たかが二人ごときに…」
P「…」
幸子(さて…どうしましょう)
まゆ「」ガタガタ
幸子(そういえば初めて出会った時看病してもらったんでしたね…今度はボクの番ですね)
幸子(とりあえず着替えさせますか…)
幸子(ボクの衣装しかないですが…まあ大して体型変わりませんしいいでしょう)
≪ついてくるも来ないも君の自由だ≫
≪もう戦い方は知っているだろう?≫
≪でも…≫
≪…でも…≫
まゆ「」パチ
まゆ「…」
幸子「あ、起きた」
まゆ「…」
まゆ「…ここは?」
幸子「川の近くの小屋ですよ」
まゆ「…川?」
幸子「何ですか…何も覚えていないんですか?」
幸子「あのへんな子とやりあった後あなたが足滑らせて落っこちたんですよ」
幸子「溺れるかもって所だったのにのんきですね…」
まゆ「ぅぅ…」ムク
幸子「ちょっと!まだ熱は下がってないんですよ、横になっててください」
まゆ「…あ」シタギスガタ
まゆ「」
幸子「しょうがないでしょう、ずぶ濡れだったんですから」
まゆ「」ジー
幸子「な、なんですかその目は」
まゆ「きゃあああ!」ポイポイ
幸子「フギャー!」コツン
まゆ「…」ハアハア
幸子「何するんですか!まったくもう!」
幸子「恩を着せるつもりはありませんけど!」
幸子「こっちはあなたの看病をしてあげたんです!」
幸子「それでお礼の一つどころか空き瓶を投げつけるなんて!」
まゆ「ご…ごめんなさい…つい取り乱して」グス
幸子「まったく…」
幸子「まだふらふらしてるんですから横になっててくださいよ」
まゆ「…」グス…
幸子「なんです?また泣いてるんですか?」
まゆ「うるさいですよぉ!むこう向いててください!」
まゆ「情けないです…あなたにだけは…助けられたくありませんでしたぁ…」ポロポロ
幸子(ずいぶんと嫌われたもんですね…)
幸子「…ねえ」
幸子「あなたは…どうしてアイドルになったんですか?」
まゆ「…」
幸子「喋りたくなきゃ…いいですが…」
まゆ「…プロデューサー………」
まゆ「プロデューサーさんです…」
まゆ「私は元々…モデルの仕事をやっていました」
まゆ「少しは知名度はありましたが…そんなに有名ではありませんでしたし」
まゆ「その時の会社もあまり大きいとは言えず…営業成績も芳しくありませんでした」
…ある日…大手の会社の社長が私に目をつけました
その社長は私をぜひ移籍してほしいとうちの社長に申し出ました
社長は渋りながらもその申し出を受けました…
実際しかたなかったんです あの時の私はその会社でも成績は大したことありませんでしたし…
何よりその時の会社の赤字を補えるくらいの移籍金…会社としては当然の選択だと思います
でも…その人が…
おやじ『ニヤニヤ』
まゆ『…』
おやじ『やっぱりかわいいなあまゆちゃんは…』サワ
まゆ『きゃああ!』ダッ
考えてみれば当たり前です…
大した人気もないただのモデルをわざわざ大金出して移籍する人なんていません
その人ははじめから私が目的だったんです
でも…その時
ボゴォ
おやじ『ぐわっ!』
P『…』
まゆ『!』
P『金をもっているというだけで…神にでも選ばれたつもりか?』
…不思議な…まるで教会の聖人の絵がそのまま動き出したような…
神々しく…現実味の薄い光景でした
無力な少女を憐れんで神様が天使を遣わされた…その時の私には一瞬そんなふうに思えました
しかし…その天使が差しのべたのはそんなおとぎ話のような…都合のいい救い手ではありませんでした
P『…』ドスッ
まゆ『!』
P『君に守りたいものがあるならそのマイクをとれ』
まゆ『…!?』
おやじ『!』ダッ
まゆ『…!』ガシ
ボゴオ
おやじ『』ドサ
…怖かったです
初めて本気で人を殴りました…相手は気絶してるだけとはいえ…
恐ろしくて…声も出ず その場を動くこともできず…
ギュ…
まゆ『…!』
P『…』
P『…』コクリ
その人は大きく…ゆっくりとうなずいただけ…
でもそれが…彼の差し伸べてくれた本当の救いの手だったんです
恐怖は消えはしませんでしたが罪悪感と後悔の念は薄れ…
誇らしさと…彼のくれた衣装のぬくもりが心を満たしていきました
P『…』
おやじ『』
ボゴォ
バキッ
ドカッ
グシャア
ガンッ
ゴスッ
ブシャアァ
Pの勝利!15000マニーゲット!
Pの勝利!15000マニーゲット!
Pの勝利!15000マニーゲット!
Pの勝利!15000マニーゲット!
Pの勝利!15000マニーゲット!
Pの勝利!15000マニーゲット!
Pの勝利!15000マニーゲット!
………
……
まゆ『この人お金を取ってるんですねぇ…』
まゆ『…あ…待ってください…』
まゆ『私…どうすれば…?』
P『好きにすればいい』
まゆ『………私も』
まゆ『わたしも一緒に連れて行ってください!』
衝動的に…その一言が私の口をついて出ました
みく『本気なの?』
みく『みく達は軍資金を集めてそのうち立派な事務所を作るのにゃ!』
みく『アイドル事務所だからモデルとは仕事も違うよ?』
まゆ『もう前の会社には戻れません…正式に移籍してしまったんです…』
まゆ『それにこのままじゃ…前の会社の方たちにも迷惑がかかるかも…』
まゆ『お願いします…歌や踊りを覚えろというなら覚えます…ですから…』
P『レッスンは大変だよ?』
まゆ『…』
まゆ『…』コクリ
P『…』ニコ
P『言ったろ?好きにすればいい』
P『ついてくるも来ないも君の自由だ』
P『もう戦い方は知っているだろう?』
まゆ『…』
でも…
……でも
マイクも衣装も…
あなたがくれたんです
ゾッドはキラリだったか……
違和感無いな。猿はきっとあいつかもしれない
まゆ「あの日からすべてが変わりました」
まゆ「私の考え方も生活も…すべてが」
まゆ「ただ受身なだけの生き方が」
まゆ「戦い勝ち取る生き方へ…」
まゆ「あの日から…」
まゆ「Pさんと出会ったあの日から」
まゆ「私は…今でも長い夢を見続けている気がします」
まゆ「あのころの私は…Pさんを崇拝していました」
まゆ「まるで…預言者か何かのように…」
幸子「…」
実際その通りだったんです
なんの後ろ盾もない無課金と強Rの寄せ集めの集団が
イベントでは常勝無敗 奇跡のような戦いぶりを見せたんですから…
そして何よりもそれを率いるのがまだあどけなさの残る少年ともいえるほどの若者で…
しかも彼は社長の息子でもましてやコネの一つすらない、私たちと同じ一般人であるという事実…
奇跡…そう…私にとってPさんは奇跡そのものでした…
それからしばらくして私もどうにか一アイドルとしてやっていけるようになった頃…
わたし達はある地方の大きめのイベントに参加したんです
そこに一緒にいたPaのハゲた人が有名な男性で…国内でも5本の指に入るほどの資産家という話でした
しかし そいつの本当の風評は財力ではなくその悪趣味だったの…
それは知り合う人の中からその目に適った人…若い男性ばかりを表向き秘書として仕えさせ
その実 夜の相手として雇っていたんです
芸能界ですし…それは取り立てて珍しい光景ではないんでしょう…
でも…私は正直 背筋が寒くなりました
恐怖と嫌悪感で胸のつぶれる思いでした…
私も一度はそうなりかけたんですから…
ポン
まゆ『!』
P『…』ニコ
…あの時と同じ
彼は肩に手を置いただけ…
それだけで不思議と私の震えは止まりました
…それから何度目かのイベントの後…
P『…アイドルをやめるって?』
それは半年ぐらい前に入ったアイドル見習いの子でした
年は十代前半…名前は美由紀ちゃんといいました
数えきれないほどのアイドル志願者の中で
まだ日も浅い見習いの子に目をかける人などだれもいませんでした
ただ…プロデューサーさんを除いて…
かな子『プロデューサーさん!』
まゆ『なんですか?』
かな子『あの子が置いていった荷物ですよ』
それは手垢で少し汚れたお姫様のぬいぐるみでした
まゆ『Pさん…?』
P『お姫様のぬいぐるみか…憧れていたんだろうな』
P『あの子のことはよく覚えている』
P『まるで物語の主人公でも見るような目でオレを見つめていた』
まゆ『…』
P『…あの子は幸せだったろうか…?』
P『夢の途中で…夢を魅ながらゆけたのだろうか?』
P『それとも…引退は夢の終わり…"絶望"だったのか…?』
P『あの子の夢を殺したのは…オレの夢なのかもしれない』
かける言葉が…見つかりませんでした…
まゆ「あんなPさんを私は見たことがありませんでした」
まゆ「あのPさんが…あんなに肩を落として…」
まゆ「でも…その時からです」
まゆ「Pさんが…少しずつ違って見え始めたのは…」
そしてプロダクションに戻って何日目かの夜…
まゆ『Pさ…』
P『…』チラ
まゆ『!』
ハゲ『フヒヒ…』
サワサワ
P『…』
スッ…
まゆ『……!』
幸子「じょ…冗談でしょう!?あのプライドの塊みたいな人が…!?」
まゆ「…」
幸子「…」
まゆ「夜も白みがかったころ…」
私は眠れずに近くの川あたりをうろついていました
まゆ『!』ピクン
P『…』バシャ
まゆ『…』
クル
P『!』
P『一緒にどうだ?気持ちいいぞ』
まゆ『』ビク
まゆ『あ…あのぉ…まゆは…』
P『…汚らわしい…か?』
まゆ『そ…!』
まゆ『……』
まゆ『…どうして』
まゆ『どうして…さっきはあんなやつと2人で…?』
P『…』バシャバシャ
まゆ『……』
まゆ『…そ…そうですよねぇ…まゆの勘違いですよね』
まゆ『昨夜のあれは…会議か何かで…それで…!』
P『いいや』
P『勘違いじゃない』
まゆ『………どうして?』
まゆ『どうして…Pさんが…あんな人と…!?』
P『金だよ』
まゆ『…え?』
P『事務所というものはただそれだけでも金を食う』
P『衣装・メイク・移動・設備 どれもただじゃない』
P『ましてや鷹の団はこれからまだまだ大きくなる…大きくしなければならない』
P『そのためにも必要なのさ…莫大な軍資金が…』
P『あのハゲはどうやらこの俺がお気に召したようだし…俺は彼の財産に興味があった』
P『利害が一致したってことさ』
まゆ『だからって…そんな…!!』
まゆ『…い、今のままではダメなんですか?』
まゆ『このまま…勝ち続けることができれば…いつか軍資金だって…』
P『…時間がかかりすぎる…それに』
P『イベントを走るということはそれだけ多くのアイドルを犠牲にするという事だ』
まゆ『!』
まゆ『Pさん…もしかして…あの子のことで…』
P『違うよ』ガリ
P『俺は合理的に考えたまでさ…何度もイベントに出るのと』
P『おっさん一人たらし込むのと…どちらの方がリスクが少ないか』
まゆ『…』
P『オレはね、まゆ』
P『オレの采配で影響を与えた仲間たちに何ら責任を感じてはいないよ…』
P『なぜなら…それは彼女らが自分自身で選んだ道なのだろうから』ガリ
まゆ『Pさん…?』
P『このオレがそうであるようにね』ガリ
P『…でももし彼女たちのために…オレに何かしてやれることがあるとしたら』ガリガリ
まゆ『Pさん血が…』
P『それは勝つこと』ザク
P『あいつらが…将来をかけてまでしがみついたオレの夢を為し遂げるために』ガリ
P『勝ち続けることだ』
まゆ『Pさんやめて…!』
P『オレの夢は仲間の犠牲の上に立つことでしか実現できない所詮血塗られた夢だ』グシュ…
まゆ『やめ…』
P『その事で後悔や後ろめたさはない…だが』
P『だが…何百何千の命を懸けながら自分だけは汚れずにいられるほど…』
P『それほど…オレの欲しいものはたやすく手に入るものではないんだ』
ダッ
まゆ『…!』ギュ
まゆ『…やめて…』
まゆ『もうやめてください…』ギュ
P『…』
P『大丈夫…』クル
P『なんでもないさ』
振り返り私の肩に手を置いたPさんは…もういつものPさんでした
その時はそれが…無性に悲しかったです
まゆ「人が子供の他愛もない憧れとしてとうの昔に捨ててしまったことを」
まゆ「Pさんは実現すべき夢として持ち続けています…『夢は夢で終われない』と」
まゆ「そして私たちも…その夢につられて…同じように夢を見ている」
まゆ「でも…選んだ夢が純粋で途方もなく大きいだけ…」
まゆ「あの人の背負ったものも計り知れません…」
まゆ「強い人…その一言で片づけてしまうのは簡単ですが…」
まゆ「大きなものを手にしようとする人はそれだけ人より多く何かに堪えているのだと思います」
まゆ「あの人は一人で…私たち全員の夢を背負っている…」
まゆ「だから強かったんじゃなく…Pさんは…強くなければならないんです」
まゆ「…」
まゆ「私はあの人の…隣にいたい…」
まゆ「あの人が自分の夢に全てを捧げるなら…」
まゆ「あの人の夢が戦い切り開いていくものなら」
まゆ「私はあの人の…剣になりたい…」
まゆ「イベント、イベント、イベント…何人も仲間がいなくなりました」
まゆ「古い顔も少なくなり…またそれを上回る仲間が加わりました」
まゆ「わたしもいつしか古参の一人として」
まゆ「Pさんから厚い信頼を受けていると自覚するようになっていました」
まゆ「あの人の隣にいたい…」
まゆ「あの人の夢を為し遂げるために欠かせないものになりたい」
まゆ「その願いがかなえられると信じていました…信じることが出来ました」
まゆ「あの日…あなたが現れるまでは」
幸子「…」
まゆ「覚えていますか?あの日…Pさんがあなたにかけた言葉」
≪お前が欲しいんだ≫
幸子「…ええ」
まゆ「…あの一言…あんなことを…決して口にする人じゃありません」
まゆ「Pさんは…誰にもあんなことを言いはしませんでした」
まゆ「今まで…誰にも…」
まゆ「…私は気に入らなかったです…」
まゆ「Pさんにいともたやすくそう言わせたあなたが…妬ましかった」
幸子「…」
まゆ「でも…それでも…Pさんは鷹の団に必要な人材としてあなたを欲しがっていると…」
まゆ「…そう私は思いこもうとしました…」
まゆ「…でもあの沈着冷静なPさんがあなたのこととなるといつも衝動的になる…!」
まゆ「まるで…!」
まゆ「…まるで……」
幸子「…?」
まゆ「Pさんはあなたを信用してます」
まゆ「なのにあなたは好き勝手に…後先を考えず突っ走ってばかり…」
まゆ「私が許せないのは…あなたのその身勝手さが…Pさんを危険にさらしたということです!」
まゆ「あなたがどこでどうなろうと知ったことじゃありません!」
まゆ「でもそのために鷹の団を…Pさんの夢を道連れにすることは許せない!」
幸子(…)
まゆ「…Pさんを…」
まゆ「そんな風に変えてしまったあなたが許せません…」
まゆ「なぜですか…どうして…あなたでなければならないんですか…」グスッ
まゆ「どうして…」
幸子「…」ムゥ
ザッ
幸子「!」バッ
まゆ「何を…!」
幸子「シッ!」
「ねえほんとにこのあたりなの?」
「間違いないよ」
「あの二人を倒せば報酬をいっぱいくれるらしいからね」
「他の人に先を越される前に見つけよう」
まゆ「…」
幸子「ハーフドリンクです…飲んどいてください」ス
幸子「のんびりしてるヒマはないですね…ここはさっさと逃げましょう」
まゆ「ハアハア…」スタスタ
幸子「…」スタスタ
まゆ「あのぉ…まゆを置いてかないで下さいね」ハアハア
幸子「…」クス
まゆ「ちょっと!笑わないでくださいよぉ…!」
ザッ
幸子「!」
ズラアアアッ
幸子「こんなにたくさん…どこから出てきたんですか?」
麗奈「フフフ…」
麗奈「アーハッハ!見つけたわよアンタ達!」
幸子「あなたも元気そうですね!」
麗奈「あったりまえよッ!たとえまぐれとはいえ…
あんたみたいなザコに負けたなんてあたしのプライドが許さないわ!」
麗奈「ここであったが百年目!あの時の雪辱晴らしてやるッ!」
幸子「だったら一人で来ればいいのに」ボソ…
麗奈「う、うるさいわね!行くわよ!」
ワアアアッ
幸子「人気者はつらいですね!」
まゆ「邪魔はさせないんだから!」
幸子の勝利!
まゆの勝利!
麗奈「あーもう!みんな使えないわね!」
麗奈「みりあ!来なさい!」
みりあ「はーい!わるい子みりあだぞーっ!」
麗奈「あたしの弟子の赤城みりあよッ!ちびっこアクマの力見せてやりなさい!」
みりあ「きょーきのさたほど面白い…!」
麗奈「それ違う!悪魔っちゃ悪魔だけど!」
麗奈「いいからいくのよ!やっちゃいなさい!」
みりあ「それじゃあみんなー、いっくよー!」
みりあ「『Romantic Now』!」
幸子「かかってきてください!」
幸子「『To my daring…』!」
麗奈「す…すごい!みりあと互角に戦うなんて…!」
麗奈「いや…どうにか耐えることが精いっぱいなのね!」
まゆ(…違います…)
まゆ(幸子ちゃんの能力ならこのくらいなら勝てるはず)
まゆ(わざわざ正面きってダメージを受ける必要はありません…)
まゆ(…)
まゆ(私の…せいですか…?)
麗奈「アーハハハ!どうやらそっちのザコをかばって受けたダメージ!」
麗奈「まだ癒えてはいないみたいねッ!」
まゆ(え…!?)
幸子「まゆさん」
まゆ「えっ?」ビク
幸子「ボクがチャンスを作ります」
幸子「そしたら一気に逃げてください」
まゆ「でも…それじゃあ…」
幸子「(自称)『セクシーアピール』!!」ドドドド
みりあ「きゃあ!」
幸子の勝利!
幸子「今です!」
まゆ「!」
幸子「ボサっとしてないでとっとと行ってください!」
まゆ「…だ…だめです…一人で行くなんて…」
まゆ「私には…私にはできません!」
麗奈「あ…あっちの女を攻撃するのよッ!」
ヒュウウゥ
まゆ「…!」
バキイッ
幸子「くっ…」
まゆ「幸子ちゃん…!?」
まゆ「…どうして」
まゆ「どうして…」
幸子「…」
幸子「勘違いしないでください」
幸子「半病人は邪魔だからとっとといなくなってください」
幸子「逃げ回るのはボクには合いません!あの子には借りもありますし」
幸子「…あなたが前に行ってた通り…派手に目立てりゃそれで満足なのかもしれませんね…ボクは…」
まゆ「…」
幸子「…いいんですか?あなたはこんなところでやられても」
幸子「ここが…こんなつまらないのがあなたの最後ですか?」
幸子「あなたの望みっていうのはそんなに安っぽいものなんですか?」
幸子「…あなたは剣だとか言ってましたよね」
幸子「剣っていうのは鞘に収まるもんでしょう」
幸子「…帰るんです…剣の主のもとへ…」
幸子「プロデューサーさんの所にね」
幸子「さあ…早く行ってください!」
幸子「はやく!!」
まゆ「…」ギュ
ザ…
まゆ「みんなを連れて必ず戻ります…!」タッ
麗奈「あーっ!あっちの女を逃がすんじゃないわよ!」
幸子「おっと!追いかけるのはお仕事の後にするんですね…」
麗奈「う…みんな!アイツを倒したらあたしが持ってるドリンク全部やるわ!」
「ドリンク全部だってさ」
「けっこういっぱい持ってたよね…」
「相手は一人だし一斉に行けば…」
幸子「…」
幸子(めんどくさいなあ…)
「いっせーの!」
幸子「そうそう…アイドルってのはそうでなくちゃ…ね!」
まゆ「ハア…ハア…」
まゆ「!」
まゆ(追いかけられてる…!)
まゆ(この状態で…勝てるでしょうか…?)
「あ!みつけた!」「やっちゃおう!」
まゆ(でも…やるしか!)
ザッ
まゆ「!」
智絵里「まゆちゃんは私たちの大切な仲間なんだから…あなた達にはやらせないよっ」
ドガァッ
幸子「フウ…」ゼェゼェ
麗奈「う…うそでしょ!?一人で…こんな何人も…!これはまぐれじゃない!?」
幸子「後何人いるのか知りませんが…あなたを倒すのは時間かかりますね…」ハアハア…
麗奈「怯むんじゃないわ!あいつはもう立ってるのがやっと!一気にやるのよ!」
ウオオオオ
幸子(…何やってんですかボクは…)
幸子(こんなくだらない所で…安っぽく体張って)
幸子(まゆさんのためかな?…いやたぶん違う?)
幸子(…今は考えてるヒマはありません)
幸子(今あるのは どう踊るか)
幸子(どう戦うか それだけ)
幸子(それすらいずれ頭の中から消え去る そして…)
幸子(そして 心臓の鼓動だけに)
智絵里「ごめんね遅くなっちゃって…」
まゆ「」ヨロ…
智絵里「ちょ…ちょっと」
まゆ「…急いで…」
智絵里「え?」
まゆ「…あの子が」
まゆ「幸子ちゃんが…はやく!」
智絵里「幸子ちゃんが…どうしたの…?」
まゆ「こっちですはやく…」
智絵里「あ…誰か支えてあげて!」
まゆ「そんなのはいいです!」
まゆ「私を逃がすためにあの子は…一人で敵の中に残ったんです!はやくしないと…!」
智絵里「…」
智絵里「わかりました…!」
まゆ(…間に合って…)
まゆ(間に合ってください…!)
まゆ「ここです!」ザッ
智絵里「す…すごい…これ全部幸子ちゃんが…?」
まゆ「…!」キョロキョロ
まゆ「あ!」
幸子「」グッタリ
まゆ「幸子ちゃん…!」
智絵里「!」
幸子「」
まゆ「…!」
まゆ「幸子ちゃん!」ユサユサ
まゆ「ねえ!」
幸子「…うるさいですねえ…」グイ
幸子「ゆすらないでくださいよ…疲れてるんですから」
まゆ「幸子ちゃん!!」
智絵里「よかった…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まゆ「みんなどいてください!急いでるんです!」
杏「戻ってきたね」
みく「やっぱり大丈夫だったね、しぶといにゃあ」
幸子「大げさなんですよ!一人で歩けます!」
まゆ「動かないでください!」
幸子「みっともないですよこんなの…」
まゆ「…」
幸子「イタタタタ!痛いです!」
マストレ「あれだけ無茶をしたんだから当然だ」グイグイ
マストレ「さすがに丈夫だな、今後の活動に問題はないだろう」
智絵里「大丈夫ですか?よかった…」
マストレ「だが今回のイベントはもう無理だな、しばらく休まないとダメだ」
まゆ「!」
幸子「何言ってるんですか!このカワイイボクが参加しないなんてファンが泣いちゃいますよ!」
幸子「何が何でもこのイベントの最後までやりますからね!」
マストレ「…ほう?私のいう事がきけないと…?」ポキ
幸子「あー凄く休みたくなってきました!わかってますよ当然じゃないですか!」
杏「杏も体中ボロボロだから休もうっと!」
マストレ「君はこっちでレッスンだ」ガシ
杏「あー!誰か!誰か助けて!」ズルズル
智絵里「まあとにかくよかったね…二人とも無事で」
幸子(どのあたりが無事なんでしょう?)
智絵里「ところでプロデューサーさんは…?」
かな子「プロデューサーさんは会議だってさ」
かな子「今朝出かけて、明日までは戻らないそうだよ」
まゆ「…」シュン
みく「せっかく二人が戻ってきたっていうのに…タイミング悪いにゃ」
まゆ「…」スタスタ
智絵里「! まゆちゃんは大丈夫なの?」
まゆ「私はいいです…」
まゆ「私のは…ケガとかではないですから…」
かな子「…」
智絵里「…」
みく「?」
幸子「…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「いや~一時はどうなることかと思ったよ」
「今回ばかりは幸子ちゃんに感謝しないといけないね」
まゆ「皆さんには心配かけましたね…ごめんなさい」
「それにしてもPさんもこんな時にいくら会議だからって冷たいよねー」
「ちょ…ちょっと!」
まゆ「…」
幸子『…帰るんですね…剣の主のもとへ…』
幸子『プロデューサーさんの所にね』
まゆ「…」クスン
智絵里「まゆちゃん」
智絵里「ちょっと来てくれる?」
まゆ「何ですか?」
智絵里「まゆちゃんには話しておこうと思って…」
智絵里「二人を探しに行くようPさんに言いに行ったとき…」
智絵里「周りの人たちがなんか反対してたんだけどね…」
智絵里「でもPさんは言ってたよ…きっぱりと」
「プロデューサー殿お分かりでしょうな?」
「イベントではまず敵に打ち勝つことこそが大事!」
「だからその最中たかが二人ごときに…」
ボゴッ
「ゲフッ」
P『うるせえんだよ!』
P『お前バカか?川に落っこちた女の子ほっとくなんて頭おかしいんじゃないか?あ?』
P『………コホン』
P『あの二人は鷹の団の要です…失うわけにはいかない』
まゆ「…Pさんが」
智絵里「うん、Pさんにそこまで言わせるんだから凄いね…」
智絵里「正直少し妬けちゃった…」
智絵里「!」
まゆ「…うふ」ポロリ
智絵里「…」ニコ
智絵里「それからこれ…幸子ちゃんと二人で分けてね」
まゆ「金平糖と…八つ橋ですか」
智絵里「私のお気に入りですよっ」
まゆ「…ありがとう智絵里ちゃん」タ…
智絵里(…なんか急にしおらしくなっちゃって…何があったのかな?)
タタ…
まゆ「…」キョロキョロ
まゆ「!」
幸子「…」
幸子「…ん」チラ
まゆ「…」
幸子「…」
まゆ「…いいんですか?寝てなくて」
幸子「体がほてって眠れませんよ、外にいた方が涼しくていい按配です」
まゆ「…」
まゆ「お夜食です…一緒に食べましょう」
幸子「…」モグモグ
幸子「! 体が軽く…」
まゆ「少しですけど回復効果もあるみたいなんです」モグモグ
幸子「…」
幸子「ちょっと聞きたかったんですが…なんで具合が悪かったんですか?」
まゆ「…」
まゆ「…」
まゆ「……えっとぉ…そのぉ…恥ずかしいんですけど…」モジモジ
まゆ「Pさんが…そのぉ…喜ぶと思って…内風呂で待ってたんです…」
まゆ「でも…全然来なかったのでのぼせちゃいまして…体中があつくて…」
まゆ「そのあと薄着で涼んでたんですけど…そのまま寝ちゃって…風邪を…」
幸子「…」
まゆ「………ごめんなさい」
幸子「大胆なことしますね…まあ過ぎたことですしいいですよ」
幸子「それに…気にすることはないんですよ?」
まゆ「え…?」
幸子「あれはボクが勝手にやったことです」
幸子「別にあなたのためってわけじゃありません…」
幸子「逃げ回るより戦ってた方が性に合うんですよ ボクは…」
まゆ「性に合ってるというだけで…あんな人数と闘ったっていうんですか…?」
幸子「…」
幸子「ええ」
幸子「それにあの子には借りがありましたから」
幸子「夢中で戦ってたからどうなったかわかりませんが…」
幸子「…ですが」
幸子「正直言いますとあの時はこうも思いました…」
幸子「あなたがやってることに比べれば…」
幸子「ボクが何人と戦ったとしても…どうでもいいことなんだって…」
まゆ「…」
幸子「あなただけじゃない…Pさんもそうです」
幸子「生きてることをまるまる賭けられる程のものを持ってる…」
幸子「凄いと思いますよそういうのって…」
幸子「…それに比べれば…ボクが行き当たりばったりで何しようが」
幸子「そんなことは大したことないって…そう思ったんです」
まゆ「…幸子ちゃん」
幸子「いい眺めですね」
まゆ「…え」
幸子「千佳さんは…いつも魔女っ娘になりたいって楽しそうに言ってます…」
幸子「魔法でみんなを幸せにするんだって…ボクほどじゃないですけどカワイイですよね」
幸子「小春さんはヒョウくんってイグアナをペットにしてて…
お姫様になりたいって頑張ってます…なれるといいですね」
幸子「…こうして女子寮の外から眺めていると」
幸子「何だかあの部屋の明かり一つ一つに…」
幸子「皆さんのちっぽけな夢や思いが宿ってる…」
幸子「そんな風に見えてきます」
まゆ「夢のかがり火…………ですか」
幸子「うまいこといいますね」
まゆ「うふ、まゆも夢見る女の子ですから♪」
幸子「そうやって一人一人が小さな火を持ち寄ってここに集まってるのかもしれませんね」
幸子「…そしてその吹けば飛ぶような小さな火を絶やさないように」
幸子「一番大きな炎に自分の火を投げ込むんです…」
幸子「プロデューサーという…大きな炎にね」
まゆ「…」
幸子「…でもね」
幸子「ここにボクの火はありません」
まゆ「…」
幸子「…ボクは」
幸子「ボクはその篝火で…ちょっと温まっていこうと…
フラッと立ち寄っただけなのかもしれませんね」
まゆ「…幸子ちゃん」
幸子「ボクは…どんなイベントでも生き残る自信があります…実際今までだってそうでした」
幸子「鷹の団に入る前だって…どんなきつい戦いでもボクは生き延びてきました…今回だって」
幸子「…でも…そんなことに大した意味はないんです」
幸子「ボクは確かに一番カワイイです…」
幸子「でもアイドルになったきっかけはスカウトされたからでした」
幸子「ボクの可愛さを広めたいという目標は確かにあります…ですが」
幸子「今までやってきたのはお仕事だからで自分の意志じゃありません…」
幸子「アイドルとして一番大切な…トップアイドルを目指す理由を」
幸子「ボクはいつも他人に預けようとしてたのかもしれない…」
まゆ「幸子ちゃん…あなた…」
幸子「ふふん…しまらないですね…グチャグチャとグチばっかりで…」
幸子「なーんでこんな事あなたなんかに話しちゃったんでしょうか…」
幸子「ボクとしたことがなさけないですね」
まゆ「お互い様です…」クス
まゆ「!」ハッ
まゆ「幸子ちゃん…あなたまさか!」
まゆ「まさか…鷹の団を…」
まゆ「やめるつもりじゃ…?」
ザワザワ…
幸子「言ったでしょう?何が何でもこのイベントの最後までやるって」
まゆ「…」
まゆ「…それじゃ…そのあとは…」
杏「幸子ー!まゆー!」
杏「プロデューサーが帰ってきたよー」
杏「二人が無事だって聞いて予定を一日繰り上げたんだってさ」
まゆ「!」
幸子「…」ニッ
P「…」
幸子「Pさん」
P「…」ニコ
まゆ「…」
まゆ「ごめんなさいPさん…私のせいでみんなの足を引っ張ってしまいまして…」
まゆ「体調が悪いのに出場したのは私のミスです…どんな処分でも…!」
幸子「…」
オシリスパンッ
まゆ「きゃあああ!」
まゆ「…な、何するんですかバカあ!」ギュ
P「おっと」ギュ
まゆ「あ…」
P「おかえり」ニコ
まゆ「…」ジワ…
ヒューヒュー
イイゾイイゾー
まゆ「…///」カア
幸子「それじゃ向こうでジュースでも飲みましょう!」
千佳「えーいいの?もう夜だよ」
幸子「いいんですよ!あれだけ頑張ったんですから少しくらい平気です」
千佳「太っても知らないからねー!」
まゆ「…」
P「どうした?」
まゆ「え?なんでも…」
まゆ(……)
まゆ(あの子…本気で…?)
――――――――――――――――――――――――――――
幸子「次のフェスの相手が決まったって?」
幸子「いーんじゃないですか?どこだって…」
幸子「イベントなんて勝つときは勝つし負ける時は負けますよ…まあボク自身は負けませんけどね!」
まゆ「…」
幸子「? 何か気になることでもあるんですか?」
まゆ「え?いえ…」
幸子「だーいじょうぶですよ、今までだって似たようなことは何度もあったじゃないですか」
幸子「冷静沈着な彼が自分から買って出たんです、勝算あってのことでしょう?」
まゆ「冷静で…いられればいいんですけど…」
幸子「…え?」
まゆ「あの時あなたに話しましたよね?昔、まゆたちが地方のイベントに参加した時の事…」
幸子「……ええ」
まゆ「その時のハゲた人というのがその財力にものを言わせて今じゃ出世してまして…」
まゆ「ある大きなプロダクションの副社長をやっています」
幸子「…」
幸子「それってまさか…」
まゆ「次の相手のプロダクションの総合プロデューサー…それが…今のその人の肩書です」
幸子「!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「でもよく無事だったねー」
麗奈「あったりまえよっ!」
麗奈「時には戦略的撤退をする!これも大事な事なのよ」
「ただ逃げただけじゃ…」
麗奈「それにしてのあの女!今度あいまみえたときこそは…決して逃しはしないわッ!」ガァ!
「おい!レイナ!」
麗奈「ゲッ!光!」
光「聞いたぞ!なんでも弱ってる二人を相手に何人もで襲い掛かったらしいな!」
光「そんなひどいことをするなんて!正々堂々とやれよ!」
麗奈「うるさいわね!このヒーロー気取り!」
麗奈「ツアーとかだって十人が一人相手に戦ってたりするでしょっ!勝てば官軍よ!」
光「それとこれとは話が別だろ!大体負けてるじゃないか!」
麗奈「ぐぬぬ…」
光「いいか!次はアタシが一人でやる!レイナはさがってろ!」
光「ヒーローは…かっこよく勝たないとダメなんだ!」
麗奈「アタシよりチビのくせにこのレイナサマに命令してんじゃないわよ!」
光「小っちゃくない!!140cmはある!」
光「それにレイナの方が年は下だろ!年上のいう事を聞け!」
麗奈「うっさいチビ!」
光「なんだと!」
ギャーギャーワーワー
ハゲ「うるさい!何ケンカしてるんだ!」
麗奈「チッ!戦略的撤退よっ!」ダダダ
光「あー!逃げるなこのー!」
ハゲ「まったくお前らケンカしてばかりだな…」
光「ご、ごめんなさい」
ハゲ「まあいい…それより次の対戦相手が決まったぞ」
ハゲ「お前も知ってるだろう?鷹の団…」
光「おお!それは!」
ハゲ「嬉しそうだな?」
光「聞いた話じゃ常勝無敗!最強の事務所だって話じゃないか!」
光「強い相手ほど燃えてくるだろ!楽しみだな!」
ハゲ「そうか…まあ期待してるぞ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
智絵里「どう?体の調子は…」
幸子「ええ、貰ったお菓子のおかげかずいぶんいい感じですよ、ありがとうございます」
幸子「トレーナーさんもなんだかんだでドリンクくれましたし…」
智絵里「それにしても…大丈夫かな…」
智絵里「今回の相手は守備全振りの守極の要塞で…アイドルも守備型ばかりだって話だよ」
幸子「なーに、ちょっとばかり強いだけですよ」
幸子「いつも通りPさんの段取りなら大丈夫ですって」
智絵里「だといいけど…」
光「くう~燃えてくる!ヒーローとして!この戦い!!ぜったい負けられないね!!!」
光「それに相手の強い子…アタシと同い年で身長も2cmしか変わらないらしいな!よかった!」
ハゲ「…フフ…プロデューサーか…」
ハゲ「再びこうして奴と巡り合えるとはな…何たる幸運よ」
ハゲ「あの一夜の事…今でも忘れられぬわ」
ハゲ「やつは美酒…」
ハゲ「同じ量の黄金と同等の価値を持つ…幻の火酒よ」
ハゲ「あの夜のやけどはまだ癒えぬ…必ず再びこの手にしてみせるぞ恋人よ」
P「幸子…大丈夫か?」
幸子「フフーン!ボクを誰だと思ってるんですか!」
P「…」ニコ
P「よし…そろそろ始めるぞ」
幸子「…」
まゆ『冷静で…いられればいいんですけど…』
幸子「フン!」
幸子(そんなことないですよ…彼に限って、そんなことありえません)
幸子「…」
幸子(…これが…最後ですね)
幸子(この事務所の下で歌を歌うのは…多分これが最後…)
P「第一陣前へ!」
幸子(…でも)
幸子(ケジメだけはきっちりつけます!)
幸子(事務所のいちチームリーダーとしてのケジメだけは…きっちりと!!)
P「第一陣!行けェ!」
「相手が動いたよ!」
光「きたか!よし…受けて立つぜ!」
光「こっちも行くぞっ!出撃だ!」
「あれがウワサに聞く鷹の団のチームだね!」
「こっちもいまだ負けたことはないんだから!望むところ…」
ドゴォ
幸子「行きますよ!!」
ガガガガガ
「うわあ突っこんでくる!止まらないよ!」
光「なに!?」
光「中央突破で一気にリーダーを倒す…それが向こうの狙いか!」
幸子 「敗北なんて知りません!」
光「正義の味方は負けない!」
ドガアァッ
正義の味方が脂ぎった男色家の下で働いてるとか……
DLOW!
光「むっ!」
幸子「くっ!」
千佳「幸子ちゃんに続くよ!」
ゴゴゴゴゴ
「そんな…止まらない!」
「今までどんな相手でも負けたことがないのに…進むどころか押されてる!」
光「あの子だな…レイナ達を倒したっていうのは…」
光「本当に強いな!だけどこっちだって!」
光「みんな怯むな!こっちの方が人数も多い!押し返すぞ!」
ハゲ「ほう…奴らもなかなかやるな…」
ハゲ「だがしょせん多勢に無勢、ここら辺が限界だな」
ハゲ「さっさと勝利し…そしてPを再び私のものに…」
ハゲ「よし、私が直接指揮してやる」
幸子「うぐ…」
幸子「そろそろ潮時ですよ!プロデューサーさん!」
P「全員撤退だ!」
幸子「ふふ…」
幸子「みなさん!逃げますよ!」
「はーい!」
「逃げるんだよォーッ!」
「光ちゃん!相手は逃げて行ったよ!」
光「変だな…」
「え?」
光「こんな攻め方じゃ最初から結果は目に見えてたはず…」
光「これが本当に常勝無敗の事務所のやり方なのか?」
「光ちゃんは相手を買いかぶりすぎなんじゃない?苦し紛れに一点突破でどうにかしようとしてたんでしょ」
「相手はしょせん無課金軍団、私たち相手に残された策はそれくらいしかなかったんだよ」
「それより早く追いかけようよ!みんなアイドルランクを上げるチャンスだって沸き立ってるよ!」
光「う~ん…だけどなあ…」
ハゲ「光、何をしているんだ」
光「P!」
ハゲ「敵は逃げていくぞ?みすみす勝機を逃す気か?」
光「いや…でも」
ハゲ「全員に告げる!」
ハゲ「あいつらにとどめを刺した者にはアイドルランクを二階級特進を約束する!報酬も思いのままだ!」
光「プロデューサー!そんなこと言ったら…」
ハゲ「いいんだ」
光「それに…相手はあれだけ自信満々に突っ込んできてすぐに逃げて行ったんだ」
光「これを追いかけるなんてどんな特撮でも罠だって相場が決まってる!危険だ!」
ハゲ「光!!」
ハゲ「この私の指示だ!全員敵の追撃に移れ!!全員に伝えるんだ!」
「光ちゃん…」
光「くっ…仕方ない!」
光「たとえ罠だとわかっていても臆さないのがヒーローだ!全員敵の追撃に移るぞ!」
ドドドドド
幸子「うわあ!これはいつかみたいに一人でどうにかできる量じゃないですね!」
幸子(でも予定通りみなさんPさんに食いついてきましたね…)
幸子(…そう 何もかもあなたの手の平のなかってわけですか…)
幸子(いつもそうでしたね…)
みく「にゃはは…あれ全部相手にしようっていうのかにゃ…?みく達」
智絵里「すごいね…」
P「陣形を整えろ!」
P「ここが正念場だ!逃げ場もない!!」
P「命を捨てろ!それ以外生き残る道はない!!」
P「生き残れば!オレたちの勝ちだ!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヒュオオオオオ…
「あーあいったいどうなってるんだろうね」
「まあ万に一つもこっちが負けるなんてことはないよ」
「相手にとどめを刺したらランクが上がって報酬もいっぱいだってよ?」
「無理無理、倍率高すぎだよ…ん?」
「………………!!!」ガタッ
「ど、どうしたの?」
「あ…あれ!みんな!空から女の子達が!」
「嘘っ!?」
ヒュウウウ…
まゆ(こんなマーケットガーデン作戦みたいなことをアイドルがやるなんてビックリです)
まゆ(まあ幸子ちゃんは経験者らしいですし…サプライズ効果も大きかったみたいですし仕方ないですね…)
ドサッ
まゆ(ふう…ちょっと怖かった…)ドキドキ
まゆ「うふふ…やっぱり本陣は手薄ですねぇ…」
「空からとかアイドルがやることじゃないでしょ!お笑い芸人の領分じゃん!」
まゆ「勝てればいいんですよぉ…みなさん!行きますよ!」
「よーし!いくよ!」「おー!」
まゆ(みなさんスカイダイビングしても全然ひるんでないなんて、タフすぎですよぉ…すごいです)
まゆ「第一隊はほかの人たちに情報を伝えないようにしてください!ほかは全員予定の行動に!」
麗奈「む…あれは…」
まゆ「急ぎますよ!門を抑えるんです!」
ドゴォン…
「きゃあ!」
まゆ「!」
麗奈「フフフ…」
麗奈「アーハハハハ!ゲホゲホッ…」
まゆ「…またあなたですか…ほんとにしぶといですねぇ」
麗奈「アハハハ!この世から悪は滅びたりはしないのよッ!」
麗奈「フッ…アンタ達みたいなザコ共の考えなんてこのレイナサマ!とうの昔にお見通しよッ!」
麗奈「だからこのレイナサマ自らここの防衛を買って出て、こうしてアンタ達がノコノコ現れるのを待ち構えていたってわけ!」
まゆ「うそですね、置いてけぼりにされたんでしょう?」
麗奈「………嘘じゃなーい!出てきなさい!」
ザシャアア…
まゆ「むっ…」
麗奈「見たか!この時のためにアタシが残しておいたレイナサマの手下たち!」
麗奈「アンタ達みたいなザコ軍団に引けを取ったりはしないわッ!」
麗奈「いい!?一人たりとも生かしてここから出さないわよッ!」
麗奈「かかれっ!!」
ワアアアッ
麗奈「さあ来いザコ共!みりあたちの敵…今こそ討ってくれる!」
麗奈「もう容赦はしないわ!今度という今度こそ…全員泣かせてあげるわッ!」
まゆ「…!」ザッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ドガガガガガ…
ハゲ「え~~~い何をしてる!まだ勝てないのか!?」
「意外と相手の抵抗が激しくて…」
「どうやらすごく強い子がいてなかなか大変みたいです」
ハゲ「何ィ~!」
ドガガガッ
幸子「フフーン!」
「強い!だれか止めないと!」
ドン!
光「長い眠りから覚めたひとりのアイドルが、今歩き出す!その名は…南条光!!」
光「…というのはどうだろう!今新たな伝説を作ってみせる!」
幸子「ボクに挑もうだなんて、やる気がありますね!すごくうれしいですよ…」
幸子「とってもとってもカワイイボクが!ついに!」
幸子「皆の前で証明できるときが来たんですから!ボクが一番ってことをね!!」
光「世界の平和はアタシが守る!」
幸子「ボクに跪きなさい!」
ドカアッ!
ドゴンッ!
バキィンッ!
ガガガガガガ!
「す…すごい戦い!」
「これじゃ近づいたら巻き込まれるよ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ドガッ
麗奈「きゃあああ!」
まゆ「…」
麗奈「な…なんで!?あの時アタシに手も足も出なかったアンタが…!?」
まゆ「あの時は体調が万全じゃありませんでした…私には私の都合がありますから」
麗奈「体調…都合って…えっと…///」カア
まゆ「風邪をひいていただけです!!!!」
まゆ「敵は少数です!ひるまず押し切りますよ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
みく「にゃ~!これじゃ全滅は時間の問題にゃ!」
杏「あー疲れた…もうやめていいかな」
かな子「だめです!それに今ここでやめたら飴はもうもらえませんよ」
杏「えっ」
かな子「それどころか印税生活の道も途切れちゃいますよ?いいんですか?」
杏「うぐぐ…飴…印税生活…でも仕事は…」
かな子「はい、飴ですよ♪」スッ
杏「飴うまー♪」コロコロ
杏「くっ!この飴が!印税生活が!途切れてしまうくらいなら少しくらいなら働いたほうがマシだーっ!!」
みく「にゃあ!杏チャンがキレたにゃ!」
ハゲ「ハハハ…!圧倒的ではないか我が軍は!」
ハゲ「それに引き替え光は…たかが一人相手に何を手間取っているんだ」
P(…幸子)
P「…」
幸子「ハアハア…」
幸子(…強い!)
幸子(今まで幾人と闘ってきましたが誰よりも強い!)
幸子(これは死ぬ気でやらないと…負ける!)
幸子(……)
幸子(…いえ)
幸子(あの時ほどじゃないですね…)
きらり『にょわー☆』
幸子(あの時ほど…絶望的ってわけじゃ…)ニヤリ
光「いいぞ!その不敵な笑み!アタシも燃えてくるよ!うおおおお!」ダッ
幸子「ボクも!本気でいきますからね!!」ダッ
バキィンッ
幸子「あっ!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
麗奈「うぐぐっ!」ドサ
まゆ「うふふ…」
「麗奈ちゃん!」
麗奈「…っく…かくなる上はああ…」
まゆ「!」
麗奈「ごめんなさ―――っい!!」ドゲザ
まゆ「………は?」
麗奈「なにとぞ見逃してくださーい!これまでの嫌がらせの数々!チッ、反省してまーす!」
まゆ「………」
「ちょっと麗奈ちゃん!いくらなんでもそれは…!」
「そりゃないよォ!麗奈ちゃんのせいで全員居残りになっちゃったのに!」
「麗奈ちゃんすごくカッコわるーい!」
麗奈「うるさいわねッ!引き際を見極めるのも強者の器量なのよッ!」
麗奈「全部うちのプロデューサーやれっていわれてやっただけ!
アンタ達に個人的な恨みなんて一切ないわ!
たまたま敵同士になったばかりに戦わないといけないなんて
運命とは悲しいものね、いやほんと
それにアタシは強い者の味方だから、アンタ達は強い!
だからアタシはあんたたちの味方ってわけ!
事務所をブッ潰したいならハイどうぞ!
アタシは邪魔しないわ!だから見逃してね!」
まゆ「……」
まゆ(こんな子相手に本気になってたんですか…まゆは)
麗奈「…」コソコソ
麗奈「と見せかけてアッハハハ!」ジャキ!
まゆ「!」
麗奈「アーハッハ!バカね!とっとと止めを刺しときゃいいものを!」
麗奈「レイナサマ特製バズーカ!破壊力はすごいわよ!」
麗奈「それともアタシが引き金を引く前に倒せるか試すのもいいかもねぇ?」クックック
まゆ「くっ…」
バズーカ
麗奈「というわけで喰らいなさい!レイナサマ特製!『ウルトラレイナ様砲』!」カチッ
まゆ「…!」ギュ
ドゴォオォン…
まゆ「…」
まゆ「…」
まゆ「…?」チラ
麗奈「ゴホッ!ゲホゲホッ!なんなのよこれ!暴発するなんてゲホッ」
まゆ「…」
麗奈「ガハゴホ!クッ…レイナサマお手製のスペシャルバズーカで驚かせるはずだったのに…」
まゆ「…」ゴゴゴゴ
麗奈「あっ」
まゆ「うふふ…あなたけっこう面白かったですよぉ♪どうしようもないおバカさんですけど♪」ニコニコ
麗奈「…」
麗奈「えっと…ごめんなさいって言っても無理…よね」
まゆ「うふ♪」
麗奈「戦略的撤た
まゆ「逃がしませんよぉ」ガシ
まゆ「悪い子には…お仕置きです♪」ス…
麗奈「あ…」ガタガタ
まゆの勝利!
幸子「…」
幸子(まいりましたね…マイクが壊れるなんて…)
光「残念だな…こういう幕なのは」
幸子(どう…しましょう!?)
ヒュウウゥ
???「…」
光「ヒーローとしてはフェアに行きたいけど、こっちも余裕はないからな」
光「まあ勝負は時の運だし…ちゃんと整備しておかなかった責任もある」
光「だから容赦はしない!行くぞっ!」
???「にょわー☆」ブンッ
幸子(…まずい!このままだと負けてしまいます!)
ヒュウウウゥ
ドガアァッ!
幸子「!?」
幸子(マイク!?)
光「何っ!?」
P「!」
P「幸子!そのマイクをとれ!」
幸子「!」
ガシッ
幸子「いきます!」
幸子「 !!」
光「!?」
P「え!?」
幸子「あれ!?こ…これ…」
幸子(飛んできた時の衝撃で壊れてるじゃないですか!!!)
光「なんだ…!?驚いたけど…それも壊れてるのか!残念だったな!」
光「ならば止めだッ!必殺技は最後まで取っておくものだ!行くぞ…」
光「大地で、大海原で、大宇宙で!時空も超えるスーパーヒーロー南条光!」
光「『SAMURAI STRONG STYLE』!!」
悲しみと苦しみが 吹き抜ける世界さ
傷付いた人々は 夢さえも忘れた
誰かが泣いている声が 聞こえないか
男は愛する者 守るため 生まれて来たんだ
強く 逞しく SAMURAI STRONG STYLE
信じた道だけをこの胸に抱いて
ガチで生き抜け FIGHTING FOR TOMORROW!!
男達は 時代を超えて 守り抜く
SAMURAI STRONG STYLE
沈み切ったこの世界 誇りさえ見失い
闇の中 佇んで 孤独に這う
誰かが君を呼んでいる声が 聴こえないか
俺達 愛する者 守るため 生まれて来たんだ
熱く 勇ましく SAMURAI STRONG STYLE
正義とこの歌を君に届けよう
タフに風切れ FIGHTING FOR TOMORROW!!
男達は 闇夜を超えて 駆け抜ける
SAMURAI STRONG STYLE
光「どうだ!」
幸子「く…」
光「この戦い…楽しかったぞ!」
スタッフ「ちょっと!南条ちゃん!」
光「だけど最後はアタシの勝ち…え、あ、なんだ?」
スタッフ「その曲はマズイって!なんで急にその歌なの!?」
光「カッコいい曲だからな!マズイって何が?」
スタッフ「その曲は版権の問題があるんだよ!この部分放送できないよコレ!」
光「えっっ!!!」
幸子「えっ」
スタッフ「せめて事前に確認してくれればよかったのに…」
光「え…っと…」
幸子「どうするんですか…」
光「く…くそぉっ…!」
光(どうする南条光!?)
光(こんな…こんな終わり方でいいと言うのか!?)
光(それでもヒーローなら…)
光(それでもヒーローならきっとこう言うはずさっ!!)
光「戦略的撤退をするぜっ!」
しばらく時間ないので落とします
需要は無いようだが懲りずにあとでまた立ててやる
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