姉妹「私たちの秘密」(2)

 それは、まだ私が幼かった頃。普通の家庭に普通の姉妹として生まれ、平凡ながらもそれなりに育っていた私に突然の不幸が襲う。
  交通事故
 たった一回の事故で、私は大切な両親を奪われることとなってしまう。
 祖父祖母ともに早くに亡くなっていた私は、一度は児童施設にひきとられることとなるが、都合により姉妹それぞれ別々の家庭にひきとられることとなる。
  けれどわっらちゃうのは、これは全部2歳の時までに起きた話だって言うこと。
 だから実のところ父さんも母さんも妹も、ほとんど何もわたしは思い出せないでいる。
  悲しいってのは、きっとどっか私の心の中にあるんだろう。さみしいってのも、きっとこれからさきあるだろう。
 けれど私は今の家族がとても大好きで。私の人生にも満足している。
 
 こんなことを今更日記に書いているのは、ふと私の妹の事を考えたから。
 あの子は今どんな風に育ってどんな風に過ごしているのか。
  顔は覚えてなくてもやっぱりそんなことは気になる。
 一回だけでいいから。一回だけでいい。妹と会ってみたい。
  神様お願い。私を妹と会わせて。

 5月1日。晴れ。日曜日

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