モバP「ウサミンロボの子守歌」 (33)

【モバマスSS】です

 お月見ウサちゃんロボ + ウサミン星人の科学力 = ウサミンロボ

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 目を覚ますと仮眠室。

「……まだこんな時間か」

 場合によっては仕事していてもおかしくない時間。
 アイドルたちだってスケジュールによっては仕事をしていてもおかしくない。そんな時間。

「どーせしばらく、寝つけそうにないな」

 何か飲もうか、そう思い立って仮眠室から出ると、向かいの簡易キッチンにウサミンロボがいる。

「何やってんだ、お前」

 うさうさ


 うむ。わからん。
 ウサミンロボの言葉がわかるのは、菜々と晶葉、そして何故かきらりだけだ。
 ロボの手に握られているのは小さな鍋。そして火のついたコンロ。
 コンロの横にはインスタントラーメンの袋。
 封の開いた、サッポロ一番味噌ラーメン。
 封がされたままのエースコックのワンタンメン。
 そして、これだけはラーメンじゃない、焼きそばUFO

「インスタントの三巨頭じゃないか」
 
 うさ?

 キッチンの隅、廊下からは見えない死角から出てくる二機目のウサミンロボ。
 手にしたボウルの中には刻まれた野菜が。
 そして別の手には卵。


「ラーメン作ってたのか」

 うさ

「誰のだよ……菜々か?」

 口に出してからよく考えると、準備されているのは三人分だ。
 さすがに菜々一人で三人分は食べない。
 
「あ、気にせず続けてくれ」

 うさ

 二機はラーメン作りに戻る。
 

 
 お湯の入った鍋に投入される、たまねぎともやし。
 再沸騰しはじめると、麺が入れられる。
 時間を計って、最後にネギ。
 そして卵を投入して蓋をする。

 味噌ラーメンの完成だ。

 どこからかやってきた三機目のロボがラーメンを盆に載せて運んでいく。
 
 次いで作られるのはワンタンメン。こちらに入れるのはネギだけのようだ。
 ワンタンメンを作り始めるとUFOにお湯が投入される。
 UFOとワンタンメンは同時に完成させる予定なのだろう。

 ワンタンメン完成。UFOもお湯捨て完了。


 二つを運ぶロボについていくと、休憩室で味噌ラーメンを啜っている杏がいた。

「あ、Pじゃん、いたの?」

「いたのじゃない。こんなことにロボを使うなよ」

「杏がお腹空いたって言ったら、作ってくれたんだ。杏はロボにも愛されてるね」

「ワンタンメンとUFOも食うのか?」

「それはあっち」

 杏の指さした方向には菜々とみちるがいる。
 ワンタンメンをロボから受け取っている菜々。


「ありがとうね」

「何やってんだ、菜々」

「あ、Pさん。……なんでジャージ姿なんですか?」

「仮眠してたんだよ、それより、こんな時間にもの食うと太るぞ」

「若いから大丈夫です」

「え」

「今それマジ驚きですよね、怒りますよ。マジおこウサミン怒りの地球侵略ですよ? 人類に滅亡か服従かを迫りますよ?」

「すまんかった」


 ワンタンメンをきっかけに侵略される地球って……

 そしてUFOを受け取ったみちるは、コッペパンに麺を投入している。というか、挟んでいる。
 焼きそばパンか?
 うまいのか? それ。

「美味しいですよ」

「マジか」

「パンに挟むと何でも美味しいです」

 辺りに漂うワンタンメン、そしてソースと味噌ラーメンの匂い。
 これは、腹を刺激する匂い。

「……俺もなんか食いたくなってきたな」


 うさうさ

「作ってくれるのか?」

 うさぁ

「何がある?」

 ウサミンロボが差し出したのは、チキンラーメン。

「チキンラーメンか……よし、頼む。卵入りで」

 うさうさうさ

 三機揃って簡易キッチンへと向かうジェットストリームウサミンロボ。


 十分も経たない内にラーメンと共に戻ってくる。

「いただきます」

 食べ終わった杏と菜々はお茶を飲んでいる。
 みちるはホットミルクだ。

「三人とも、飲んだら仮眠か? それとも帰るか? タクシー呼ぶか?」

「んー、きらりが迎えに来るって、さっきメールあったよ」

 きらりはまだ起きているのか。
 というか、杏の面倒見は日本一だな、あいつ。

「菜々は寮に泊まりますよ」


「あたしも女子寮泊まりですかね」

「戸締まりして行けよ。俺は仮眠室で一眠りするから」

「寮の方がお布団温かいですよ?」

「みちる、あそこは女子寮だからな?」

「……そういえば女の人しかいませんね」

「お前本当にパン以外には無頓着だな」

「それは褒め言葉ですかね?」

「ちげえよ」


 食べ終えると丼はウサミンロボが回収していく。
 多分、この事務所で今一番の働き者は、アイドルを除けばウサミンロボ。
 これでスタドリとエナドリを買ってくれたら最高なのに、と緑の悪魔がこの前悔しがっていた。

「じゃ、俺は仮眠室行くから、戸締まり忘れるなよ」

 妙に目が冴えてしまって、眠れるかどうかは心配なのだが。

「Pさん?」

「ん?」

「ウサミン星の子守歌でも歌ってあげましょうか?」

「ほぉ?」

 それは珍しいのだろうか、それとも適当な子守歌をウサミン星のものと言い張っているのか。


「じゃ頼むわ」

「はい」

 仮眠室について来る菜々。何故かみちるも付いてくる。

「みちるは何だ?」

「菜々さんのボディガードです」

「おい」

「一応、念のために」

「……此処で万が一俺が菜々を襲ったらどうなると思う?」


「ウサミン星人が増えちゃいますかね?」

「おおおおいっ! アイドルが言うネタじゃねえ!」

「はっ!? 菜々さんが地球人に帰化して、ウサミン星人が減る!?」

「ちげえ! どう考えても俺がウサミンロボにボコられるだろ!」

「あー、ロボちゃん、悪党と認めたら容赦ないですね」

「この前、巴にちょっかいだそうとした巴の親父さんの同業他社が壊滅したからな」

「……事務所をロボ八機で取り囲んで包囲殲滅したんですよね」

「それ、あくまで地上戦力な。あと、ウサミンジェットスクランダー背負ったロボが四機、航空支援してたから」


「あの後どうなったんですか?」

「この前通りがかったんだが、事務所の看板が『萩原』になってたよ」

「抜け目ないですね」

「さすがだよな」

 話しているといつの間にか菜々がいない。
 辺りを見ると仮眠室の前で待っている。

「何やってんですか、みちるちゃん」

「あははは、あたし、先に寮に行ってますね、それじゃあ、ごゆっくり」

「おい待て、みちる。何がごゆっくりだよ」


「あはははは」

 笑いながら小走りで去っていくみちるを見送った後、ジャージ姿のままなのでそのままベッドに座る。
 菜々は椅子に座っている。

「そう言えば久しぶりですね」

「何が?」

「二人きりが、ですよ」

 そう言って、慌てて手を振る菜々。

「変な意味じゃないですよ。昔は、二人になることが結構あったじゃないですか」


「あー、そういえばな……」

 まだ、駆け出しだった頃。
 事務所の専属も凛、未央、卯月、そして菜々だけだった頃。

「あれから何年だっけ……」

「アイドルもいっぱい増えたし、ちひろさんとPさんはそれぞれ事務長、チーフプロデューサーになりましたもんね」

「それでもあの人、スタドリエナドリの独占販売止めてないんだよな」

「Pさんだって、前線に出張ってるじゃないですか」

「だっておまえ、つまんねえぞ? チーフなんて」


「Pさんらしいですね」

「ところで菜々」

「はい?」

「お前、幾つになった?」

「17才ですよ」

「ブレねえな、ウサミン星人」

「ウサミン星人を舐めちゃだめですよ。地球人」

 菜々は笑う。
 二人が笑う。


「寝るか」

「じゃあ、子守歌、行きます?」

「……贅沢だよな。人気アイドル安部菜々の子守歌、独り占めだぜ?」

「ゆっくり、休んでください」

「菜々?」

「Pさんはずっと頑張ってたんですから。私たちをアイドルにしてくれたんですから。休んだっていいんですよ」

「アイドルになったのは皆の実力だろ。俺はちょっとサポートしただけ」

「何年経っても、その言い方は変わりませんね」


「いつまでも変わんねえよ。俺も、17才のウサミン星人も」

「はい。変わりません」

「菜々、俺が寝ちまったら、悪いけど戸締まりしてから寮に行ってくれな」

「はーい」

 目を閉じると、

「ウサミンの子守歌……」

 菜々がゆっくりと歌い始める。

 

ウサウサウーサの子守歌~

聴けば~いつでも眠くなる~

ふわぁ~と眠りが忍び寄る~

ねんねんウーサよ ウサねむり~


【参考ttp://www.youtube.com/watch?v=AUnJzQcPvKo




「ヤゴゲルゲの子守歌じゃねえかっ!!!」

「え!?」

「え、じゃねえっ!!!」

「こ、これは由緒正しいウサミン星の……」

「嘘付け」

「う、ウサミン星人を侮辱しましたね」

「それ以前にどう聞いてもヤゴゲルゲだから! 低音のトラウマソングだから!」

「きっと、ウサミン星の子守歌をヤゴゲルゲさんが参考にしたんです!」


「ねえよっ!」

「またそうやってウサミンを馬鹿にして、怒りますよ?」

「お前ウサミン星人じゃないだろう、怪人ウサゲルゲだろ」

「誰がドルゲ魔人ですか!」

「もう子守歌いいから、寮に帰って寝ろ」

「ぐぬぬぬぬ」

「帰れ帰れ」

「ぐぬぬぬ」


「早く帰ってちゃんと睡眠とれ、ウサミン星人め」

「仮眠室は結構すきま風あるからちゃんと温かくしてくださいね、地球人め」

 ぐぬぬぐぬぬと言いながら寮へと向かう菜々。

「さて、俺も寝るか……子守歌無いけど、ま、いいか」

 きゅらきゅらきゅら
 ロボのキャタピラの音だ。

「ん?」

 きゅらきゅきゅきゅ
 ロボがピタリと止まる。

「どうした、ロボ」


 ロボの手にはポータブルデッキ。 
 そしてCD。
 CDには「子守歌」と書かれている。

「なんだ、子守歌準備してくれたのか」

 うさ

「そっか、ありがとうな。折角だから使わせて貰おうか」

 うさ

「じゃあ、おやすみ」

 うさうさ

 ロボを見送ってベッドに戻り、電気を消して、スイッチオン。



ウサウサウーサの子守歌~





「CDもあんのかよっ!!」

 
 以上お粗末様でした

 ラーメン食べたい




  最近の過去作

 モバP「杏が太った?」
 モバP「いい湯だ……」
 愛海「あのね、大きさじゃないんだよ」
 こずえ「ふわぁ……っく、ゆー」
 きらり「きらりは大きいよ」

おっつおっつ

あんたのSSの独特の雰囲気好き
と思ったら温泉のお前かよぉ!(驚愕)

乙ー

あなたの作風は万能すぎて心底羨ましいわwwwwww


ただ技術的にも感性的にも変態なあいつのようなSS書きが増えるのは勘弁

ウサミンロボかわいー!

バロム1を知ってる17才…(白眼)

過去作全部読んだけど方向性バラバラすぎてワロタwwww

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