アリアドス「腹減らねぇか?」
バンギラス「そういやそうっすね」
アリアドス「飯にすっか」
バンギラス「そうしましょっか」
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レディアン「あら、バンギくん」パタパタ
バンギラス「あっ! どうもお邪魔してます!」ペコ
レディアン「いや、私ここの家住んでないから...」
バンギラス「えっ! レディさんってアドスさんの妻じゃないんすかww」
アリアドス「お前いい加減やめろやそのイジり...」
レディアン「昨日も同じようなこと言ってなかったっけ...」
バンギラス「昨日は確か\お母さんじゃないんすかww/って言いましたねw」
レディアン「やめてよもー、恥ずかしい...。ただの幼馴染みだからね?」
バンギラス「すみませんwwママww」
アリアドス「バンギ」
バンギラス「ごめんなさい」
アリアドス「んじゃ、何か食いに行くかーバンギー」
バンギラス「そうしましょっか。今日はどこ行きます?」
アリアドス「あー...昨日作った巣に何かひっかかってりゃ話は早いんだけどな」
バンギラス「いっつも思うんですけど、何で巣の場所覚えてられるんですか?」
バンギラス「前見せて貰った感じだとそんなに大きいわけでもないし、色も白っぽくて目立たないし...」
アリアドス「まあ、そりゃ獲物仕留める為の一種の罠なのにキラキラピカピカ目立ってたら本末転倒だからな」
バンギラス「それもそうですけど、あんな小さくて目立たない巣...俺だったらだいたいの場所は覚えてても探したところでまず見つけられないです」
バンギラス「アドスさん...ほんとどんな記憶力してるんですか」
アリアドス「あー、言ってなかったっけ」
アリアドス「俺実は尻からも糸出てんだよね」
バンギラス「ファッ!?」
レディアン「えっ!? ちょっと...えっ!? 今の初耳なんだけど...えっ!?」ガバッ
バンギラス「いやいや! どう見ても糸なんて出てないですよアドスさん! 変な冗談止めてくださいよ!」ガバッ
アリアドス「いや、見えないと思うけど本当なんだって。透明な糸だからな。それが巣に繋がってるから辿っていけば戻れるってわけ」
バンギラス「信じられませんよ...」
アリアドス「バンギお前、俺とつるむようになってからしょっちゅう何もないところで転ぶようになっただろ?」
バンギラス「ああ、確かにそうですね。ちょっと筋肉つけすぎたもんで体がまだそれを制御しきれてないみたいで...」
アリアドス「あれ、俺の糸だ」
バンギラス「」
バンギラス「そうか...そうだったのか...」
レディアン「いつも空飛んでるからそんなの気づかなかったよ...。幼馴染みなんだからもっと早く言ってくれても良かったじゃない! そんな重要な話!」プンスカ
アリアドス「いやもうとっくに知ってるもんだと...それにそんなに重要な話かこれ?」
アリアドス「それに俺がそんなに記憶力いいわけねぇだろ」
バンギラス「いや、すごいです。記憶力なんかよりこっちのほうがよっぽどすごいですよ...」
バンギラス「でも今度から俺が転びそうな位置に糸があるときは教えてください。俺200kgあるもんで転ぶとけっこう体に負担かかるんです」
アリアドス「そういや200kgあるんだもんなお前」
バンギラス「正確には202.0kgですね」
アリアドス「転んだらセルフ地震起きるな」
バンギラス「実際起きてますから」
アリアドス「分かった、気をつけるわ」
バンギラス「お願いします」
バンギラス「それにしてもすごいなぁ...それ糸が無限に伸びるってことですよね」
アリアドス「分かんねぇな。少なくとも今のところ糸が出てこなくなったことはないな」
バンギラス「いや、すごいっすよそれ。ほんと冗談抜きで」
アリアドス「褒めても糸しか出ねーぞ」
バンギラス「あと何か他にもありましたよねすごいやつ」
アリアドス「あったっけ」
バンギラス「ああ、あれですあれです。一度巣を見せてもらったときに言ってたやつです」
アリアドス「ああ、あれか」
バンギラス「確かアドスさんって、巣に引っかかった獲物をすぐに食べずに糸をつけて一度逃がすんですよね」
レディアン「あ、それは私も知ってる」
アリアドス「そうだな。そいつがどこに住んでるのか分かれば、そいつの家族ごとまとめて頂くことができるからな」
レディアン「やることが汚いね」
バンギラス「そしてえげつない」
アリアドス「それほどでもねぇよ」
バンギラス「褒めてません」
アリアドス「俺そんなに俊敏じゃないし空も飛べないから素手で捕まえるのは厳しいわけよ。だからああやってせっせと罠張ってるわけ」
アリアドス「でも毎日毎日獲物がかかるわけじゃねぇし、かかっても一匹か二匹ってとこさ。だからその貴重な獲物をできるだけ有効活用しようってことよ」
アリアドス「まあ、見に行ったときには既に死んでることが多いから、めったに上手くはいかないけどな」
バンギラス「いやー...やっぱアドスさんすげぇっす。頭いいっす。俺には絶対思いつきませんよそんなの」
アリアドス「いや、俺が頭いいんじゃなくてこれ本能みたいなもんだから。全世界のアリアドスが同じことしてるぜ」
バンギラス「へぇー、やっぱり優秀な一族なんですね」
アリアドス「お前だって十分すげぇと思うけどなぁ...強そうだしすごそうな技たくさん覚えてるし」
バンギラス「強さってのは見た目じゃ判断できないもんですよ。アドスさんには全然及ばないです」
アリアドス「んー、そんなことねぇと思うんだけど...まあいっか」
バンギラス「それはそうと、どこ行きます?」
アリアドス「お前が好きなものって何だっけ?」
バンギラス「俺は基本的に雑食なので何でもいけますが、好物は魚貝類ですね」
アリアドス「へぇ、何かイメージにそぐわないな」
バンギラス「俺の一族はそりゃもうみんなして肉ばっか食ってたので、アドスさんの抱いてるイメージは決して間違ってないと思います。俺が変なだけです」
アリアドス「具体的にはどんなのが好きなんだ?」
バンギラス「特に17番水道でとれるサバは別格ですね。ポギーでもいいっちゃいいんですが、サバが釣れたらもう何も言うことありません」
アリアドス「17番か...けっこう遠いな。まあ別に特別忙しいわけでもないしちょっくら足伸ばすか」
バンギラス「いいんですか!? よっしゃ、絶対サバ釣ったるぜ!」
アリアドス「確かいい釣り竿がいくつかあったはず...ちょっと待ってろ」ゴソゴソ
ヨーギラスは土や岩を一山分平らげてるようなんだがそれはどうなんですかね?
バンギラス「そうだ、レディさんも一緒にいかがですか?」
レディアン「え、遠慮しとこうかな...」
バンギラス「あっ、もしかして魚介類嫌いですか? 美味しいし体にいいんですよー、好き嫌いはいけませんよ」
レディアン「いや、魚自体は美味しいし好きなんだけど...」
レディアン「17番道路に住んでるプルリル達が...たまにブルンゲルさんも住んでるし...」ガクブル
>>15
さすがに再現できるものとできないものがありますね...。
山がいくらあっても足りない(確信)
バンギラス「さてはレディさん...怖いんですねww」
レディアン「うん、とっても」
バンギラス「素直でよろしい。イジろうとしたこっちが恥ずかしくなった」
レディアン「だだだだって捕まったら8000mの深海に引きずりこまれて殺されちゃうかもしれないんですよ!?」
バンギラス「確かに俺も水タイプのポケモンが決して得意なわけじゃないんですが、彼らに限ってはさほど攻撃力は無いと聞いていますよ」
バンギラス「それに俺はパワーには自信があります。こちらの攻撃で彼らの弱点を突くこともできるので仮に戦闘になったとしてもみすみす負けることはないかと」
レディアン「ああ...確かにそうね」
レディアン(バンギくん...あなたにとってはそうでしょうね)
バンギラス「それに、いざとなったらアドスさんがついてますから!」
レディアン「ああ...そうね」
レディアン(本当に私達が彼が思っているくらい強いポケモンであれたなら、どんなに良かったでしょう)
アリアドス「あったぞーバンギー」ゴソゴソ
バンギラス「おっ! じゃあ行きますか! レディさんの分まで上手い魚たくさんとってきますからねー! 夕食のお腹はあけといてくださいよー!」フルフル
アリアドス「おーう、行ってくんぞー」
レディアン「あ、ああ! いってらっしゃい! 気をつけてね!」フルフル
レディアン(私達は弱いポケモン。それも、救いようがないくらい)
レディアン(戦闘は私達にとって勝ち負け以前にできる限り避けるべきもの。だからこうしてヤグルマの森の一角で、ひっそりと隠れて生活を送ってた)
レディアン(バンギくんはそれを知らない...。彼はどうしてか、私達のことを本気で強いと思い込んでる)
バンギラス「いやー楽しみっす! やっべもうお腹鳴ってますよ俺」ギュルル
↑2.0m/202.0kg/Lv.63
しっぺがえし/かみくだく/じしん/ストーンエッジ
アリアドス「お前足音でかすぎて全然聞こえねーよそんなの」
↑1.1m/35.5kg/Lv.50
こうそくいどう/ミサイルばり/サイコキネシス/どくづき
レディアン(うん、やっぱりおかしい)
↑1.4m/35.6kg/Lv.50
ぎんいろのかぜ/こうそくいどう/スピードスター/すてみタックル
バンギラス「だてに200kgやってませんからねー俺」ドシドシ
アリアドス「俺なんて身長お前の半分なのに体重1/5無いんだぜ。グラドル目指せるだろこれもう」テクテク
レディアン(ストーンエッジ...バンギくんってその気になれば私殺せるんだな...)ガクブル
レディアン(バンギラス一族...)
レディアン(バンギくんがここに来るまで噂にしか聞いたことがなかった)
レディアン(バンギラス一族といえばずば抜けた戦闘能力を持つ超エリート家系として有名。あまり事情に精通しているとは言えない私でも知っているほど。そこで生まれたバンギラスはまだ幼いうちから英才教育を施されるとか...)
レディアン(彼が戦っている姿はまだ見たことがないけれど、きっとバンギくんも相当な実力を持っているはず...)
レディアン(それに比べて...)
ここで...\説明しよう!/
バンギラス一族とは...
数あるポケモンの一族の中でもトップクラスの実力を持つと言われる家系。
この世界において「成人する」とはLv.50になることを指すのだが、彼らの中には成人してもなお独立せず強さを求め修行を続ける者もいるという話。
様々な強豪家系との繋がりが強く(ガブリアス一族、ドリュウズ一族...etc)ポケモン界の事情に非常に精通する。
彼らの行う英才教育とは、それぞれの個体の能力を生かした育成を行い、他の強豪ポケモンに関する知識を叩き込むこと。
ポテンシャルがあっても的確に実戦に応用できなければ意味がない。彼らはそれを理解しているのだ。
...と、長々と説明したが
分かりやすく言えば彼らがやっていることは人間世界でいう「ポケモン廃人」を生み出すことである。
眼鏡ラティオスの流星群を耐えるよう努力値を振り分け、最速準速ガブリアスのステータスを全暗記することである。
一つ理解しておいて欲しいのは、人間世界とは違ってそれは単なる娯楽ではない、ということだ。
権力争い、就職...等、彼らにとって強さは生きていくうえで重要な要素なのだ。
ただしそれは、中堅以上の実力を持つポケモンにとっての話である。
スター俳優がもてはやされる影で、浮浪者が公園に寝泊まりしている。同じようにポケモンの世界にも、中堅下位にすら所属できない最下層が存在するのだ...。
バンギラス一族の英才教育において、彼らの名前が出ることはない。わざわざ対策するまでもないからである。
モジャンボを倒せるポケモンは大抵マスキッパを倒せるし、ペンドラーを倒せるポケモンは多くの場合アリアドスを苦にしない。タイプ相性や技の範囲の関係上不利な相手だとしても、スペックの差でゴリ押しすれば何とかなってしまう。
彼らの多くは権力争いに加わらず、戦闘を避けてひっそりと生活している。
彼らとて全く長所が無いわけではない。
彼らにしかできないこともあるし、仮に勝てなくとも上位ポケをあっと言わせるような戦術をとることも可能だ。
しかし、彼らの多くはその可能性を模索することをしなかった。その諦観した思考はその子供へと受け継がれた。いつしか彼らは逃げることが当たり前になり、必要以上に卑下するようになった。それが彼らにおける一番の弱さとも言えるだろう。
<説明 fin>
レディアン(幼いうちから戦闘は避けるように言われ続けてきた。アドスもそうなんじゃないかな)
レディアン(それなのによりによって権力争いの代名詞みたいなバンギラスと仲良くすることになるなんて...)
レディアン(アドスはのんきであんまり物事を深く考えないからあっという間にこの状況を受け入れちゃったけど...私は正直まだ馴染めてないよ)
レディアン(私もアドスも自分の能力すら知らない。何が得意で何が苦手なのかも分からない。私達は戦ったことがないから)
レディアン(技を覚えたって使わない。それがどんな技なのかも分からない。ただ一つ分かるのは、私がとにかくひたすらに弱いポケモンだってことだけ。これはお母さんに嫌と言うほど教えこまれた)
レディアン(それに比べてバンギくんは英才教育を終えた身...知識も実力も私達とはきっと比べものにならない)
レディアン(とても釣り合わないよ...)
期待
アリアドス「しっかしあちぃなー...」テクテク
バンギラス「しゃーないっすよ、今夏ですから」ドシドシ
アリアドス「どっか遠くのシンオウ地方ってとこには年中雪積もってる地域があるって聞いたことあるな」テクテク
バンギラス「ああ、俺もそれ知ってます。キッサキシティって言ったっけな...いいですよねー涼しそうで」ドシドシ
アリアドス「さすがに年中冬ってのは寒過ぎる気がするけどな」テクテク
バンギラス「ここイッシュはかなり明確に四季がありますからね」ドシドシ
アリアドス「これはこれでいいとこもあるんだけどな」テクテク
バンギラス「ですね」ドシドシ
アリアドス「でもやっぱあちーわ」テクテク
バンギラス「ですね...」ドシドシ
期待
アリアドス「...てか、ふと思ったけどお前雪好きなの?」テクテク
バンギラス「日常生活の範囲なら好きですよ。戦闘でのあられは困りますが」
アリアドス「そうなのかー、戦ってるときいっつも砂嵐起こしてるから砂漠気候が好きなのかと思ってたわ」
バンギラス「特性が適用されるのは基本的には戦闘中だけですからね」
アリアドス「特性...?」
バンギラス「そう言えばアドスさんの特性ってなんなんですか?」
アリアドス「...特性って何だ?」
バンギラス「...」
アリアドス「...さっきから足止まってんな俺ら」
バンギラス「あ、ほんとだ。特性の話になったものでつい...。バンギラスは特性あってのポケモンですから」
アリアドス「...歩くか」スタスタ
バンギラス「...」ドシドシ
バンギラス(アドスさん...強いのは間違いないはずなんだけど、時々信じられないくらい抜けてる時あるんだよなぁ。今だって、特性忘れちゃうなんて...)ドシドシ
- 道端の草むら
ハーデリア「とっしん!!」ドドッ
ベロリンガ「うう...」バタッ
ハーデリア「これでLv.29! もう少しで進化できる!」
ベロリンガ「くっそ...お前は目標とできるレベルがあっていいよな。俺なんていつころがる覚えるのか分かんねーんだぜ...」ハァハァ
ハーデリア「もしかしたら次のレベルかもしれないよ?」
ベロリンガ「だーーーっ!!余計な期待持たすの止めてくれや...いっつもワクワクしながらレベルアップするんだけど全然覚えねーんだよこれがさぁ...」ハァハァ
ハーデリア「どうせLv.50になるまで自由は許されないんだから、そんなに焦ることないって。地道にいくしかないよ」
ベロリンガ「ま、そうだな...あれ?」
ドシドシ...ドシドシ...
ベロリンガ「な、なあ。あれって...」ガクブル
ちんこ
ちんこ
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