カズキ「たまに股間の蝶柄の奥から物を取り出す人なんだけど」千秋・内田「「ん?」」 (74)

―【ある冬の日】―

内田「それでねー、チアキー」

千秋「そうだなー」

内田「もー、聞いてるのー?」

千秋「聞いているぞ。ただ反応するのが億劫なだけだ」

内田「おっくうってどーゆー意味?」

千秋「そんな事より、私は今日は早く帰らなければならない」

千秋「ハルカ姉さまが鍋の準備をして待っているのだ」

内田「えー、いいなー」

内田「…あれ?ねーチアキー、公園に変なお兄さんがいるよ」

カズキ「ハァ…ハァ…」キョロキョロ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385726551

"この物語は南家3姉妹と錬金戦団の平凡な交流を淡々と描くものです。過度な期待はしないでください。"

千秋「あれは…確かに変だな」

内田「見たことない制服だね」

千秋「コートも着ないで・・・変な髪型をしているな」

内田「誰か探してるみたいだね」

千秋「内田よ、あれはきっと変質者だ」

内田「変質者って?」

千秋「普通じゃない人のことだ」

内田「どんな風に普通じゃないの?」

千秋「私もカナから聞いただけだから詳しくは知らないが」

千秋「とにかく普通じゃないらしい」

千秋「そして変質者には関わらないのが子どもの世界の決まりらしい」

千秋「知らない人には注意しなさいとハルカ姉さまも言っていた」

千秋「ああ言うのは無視してさっさと帰るのが正しい下校だ」トコトコ

内田「あれ?なんかこっち見てるよ?」

内田「手を振ってるー。わーい」フリフリ

内田「おい、人の話を聞いてたのかこのバカ野郎!」

カズキ「こんにちは」ニコニコ

内田「こんにちはー」

千秋「こんにちは」

千秋(おい内田、お前のせいで変質者がきてしまった)ヒソヒソ

千秋(どうするんだ)ヒソヒソ

内田(でもこの人いい人みたいだよ?)ヒソヒソ

内田(ニコニコしてるし)ヒソヒソ

カズキ「君たちこの街の子?」ニコニコ

カズキ「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

内田「聞きたい事ってなんですかー?」

千秋(ここは下手に逃げると逆に危なそうだ。大人しく冷静に対処しよう)

千秋「私たちにわかる事だったら答えます」

千秋「ただ、急いでいるので手短にお願いします」

カズキ「あ、ごめん。じゃあ手短に」

カズキ「変な人を探してるんだけど、このへんで見なかった?」

千秋「見ました」

カズキ「本当!?」

内田(え、下校途中にそんな人いたっけ?)

カズキ「いつ?どの辺で?」

千秋「いま、目の前にいます」ピシッ

カズキ「エエッ!?」

内田「ええ~!」

千秋「さ、内田。話は終わった。帰るぞ」グイッ

内田「え、う、うん」

トコトコトコ

内田「…ねぇ、チアキ・・・」

千秋「どうした内田」

内田「あの人まだこっち見てるよ」

千秋「放っておけ。ああいうのに関わるとろくな事がない」

内田「でも、なんかすごい落ち込んでて…」

内田「泣いてるみたい」

千秋「…」クルッ

カズキ「…ううぅ」ショボボーン

千秋「…」ジーッ

カズキ「…」ウルウル

内田「ねぇ、チアキが変な人って言ったから泣いたんじゃないの?」

内田「かわいそうだよ」

千秋「だ、だが私は真実をありのままに言っただけだ」アタフタ

内田「でも…」ジーッ

カズキ「…」ウルウル

千秋「はぁ…」

千秋「泣くな、男子の癖に」

カズキ「だって…変な人はキツいなぁ」オロローン

千秋「済まなかった。私が言いすぎた」

千秋「さっきのはなかった事にしよう」

千秋「だから泣きやめ」

カズキ「…うん」グスッ

千秋「で、変な人とは具体的にどんな人だ?」

内田「チアキさっきから敬語使ってないね」

千秋「どうもこの男は夏奈と同じ匂いがしてな」

千秋「気遣いというものをする気がなくなった」

千秋「で、それは具体的にはどんな変質者なんだ?」

カズキ「うん。具体的に言うとね」

内田「お兄さんも気にしてないね」

カズキ「色白で、細くて、背丈はこれくらい」グッ

千秋「ほう」

カズキ「黒髪を真ん中から分けてて」

内田「うんうん」

カズキ「蝶の形をしたメガネをかけてて、体にぴっちりフィットした胸元が網になってる黒いレオタードを着てて、たまに股間の蝶柄の奥から物を取り出す人なんだけど」

千秋・内田「「ん?」」

カズキ「あ、あとたまに口から血を吐く」

千秋・内田「「え?」」

カズキ「あと口癖は『蝶・サイコー!』」

カズキ「昨日からこの街にいる筈なんだ。見てないかな?」

千秋「ちょっと待て」

千秋「なんだそれは?」

カズキ「なんだって…探し人?」キョトン

千秋「なんで疑問形なんだ」

千秋「それは本当に実在する人間なのか?いや、人なのか?」

千秋「変な人のレベルとしてはノーベル賞を狙えるんじゃないか?」

カズキ「うん。でも本人は自分のことを『蝶・サイコー』って言ってる」

千秋「それはさっき聞いた」

千秋「…残念だが、心当たりはない」

千秋「他を当たってくれ」

カズキ「そうか…ごめんね」ショボボーン

内田「あ、でももしかしたらカナちゃんとか知ってるんじゃない?」

カズキ「カナちゃん?」

内田「チアキのお姉ちゃんだよ」

内田「そういう変な噂大好きなの」

カズキ「本当!?」キラキラ

千秋「…おいバカ野郎」

内田「!」ビクッ

内田「・・・ご、ごめんなさい」

千秋「・・・」チラッ

カズキ「・・・」キラキラキラ

千秋「はぁ・・・」

千秋「しょうがない。少しだけだぞ」

千秋「カナに話を聞いたら帰るんだぞ」

カズキ「わかった!」ビシッ!

千秋「名前は?」

カズキ「武藤カズキ」

【南家前】

千秋「ここだ」

カズキ「へぇー、結構静かなところだ」

千秋「いいか、入る前に言っておく」

千秋「ハルカ姉さまは女神の様なお方だから、例えお前のような者でも優しく受け入れてくれるであろう」

千秋「だが、それに勘違いしてハルカ姉さまを好きになったりなどするなよ」

カズキ「大丈夫!俺には斗貴子さんがいるからッ!」クワッ!

千秋「・・・そうか」

千秋「あと、ハルカ姉さまは礼儀に厳しい方だ。ちゃんと礼儀正しくするように」

カズキ「それも大丈夫!俺は友だちの家庭訪問の達人だッ!」クワッ!

千秋「・・・なんだそれは?」

カズキ「え?チアキちゃんと俺ってもう友だちじゃないの?」

千秋「!」

千秋「ま、まぁ友だちだったら礼儀は大丈夫だな!」

千秋「開けるぞ」

カズキ「うん!」

カチャ

千秋「ハルカ姉さま、ただいま帰りました」

ヤイノヤイノ

千秋(ん?居間がやけに賑やかだ。他にも誰かきてるのか?)

春香「お帰りなさいチアキー!」

千秋(ハルカ姉さまはキッチンか)

千秋「ハルカ姉さま、ちょっとお話したいことが!」

春香「いま料理してるの、ちょっと手が離せないから後でねー!」

千秋「いえ、そういうわけには!」

千秋「お客様なのです!」

春香「お友だちなら、あがってもらってー!」

千秋「いえ、お友だちでは・・・!」

春香「え?違うのー?」

千秋「えーと・・・」チラッ

カズキ「・・・」ニコニコ

千秋「いえ、その通りです。友だちです!」

春香「じゃあ上がってもらってー!」

千秋「はい!」

千秋「ハルカ姉さまのお許しが出たぞ。良かったな」ボソボソ

カズキ「うん!」

千秋(しかし、居間とキッチンから聞こえる知らない声は誰だ?)

夏奈「ほうほう、で結局そのあと彼氏さんはなんて?」

?「そ、そこまで言わなくてはいけないのか?///」

夏奈「勿論ですともお姉さま!」

夏奈「私達未熟な中学生には そーこーこーそーが! 一番重要なのです!」

夏奈「私達が揉まれるこれからの人生の荒波で、それだけは避けては通れないのですから」

夏奈「経験豊富なお姉さまにそれを前もって教えていただければ」

夏奈「まさに鬼に金棒!弘法に筆!豚に真珠なのです!」

?「さ、最後のは間違ってるんじゃないか?」

?「君達も気になるのか?」

マコ・ヒトミ・冬馬「「「はい!!」」

春香「すみません、お忙しいところを手伝って下さってありがとうございます」

春香「ナツキ君に藤岡君も、ごめんなさい」

春香「こんなにいっぱい作ることになるとは思わなかったから」

春香「人手が足りなくて・・・」

?「大丈夫!ノープロブレムだ!俺にはこのブラボーな包丁さばきがある!」

ナツキ「うっす。トウマの様子を見に来たついでっす。大丈夫っす」

藤岡「あ、はい。僕も大丈夫です」

藤岡(・・・カナは楽しそうだな。あの話、俺も聞きたい・・・)

千秋「なにやら賑やかだな」

千秋「まぁ、これならカズキがいても大丈夫だろう」

千秋「良かったな」

カズキ「そうだね」アノコエッテ・・・?

千秋「では居間に行くか」

カズキ「うん」

?「そ、そうか・・・弱ったな・・・それならば、恥ずかしいが・・・話そう」

?「あの時、彼は言ってくれたんだ・・・」

?「ここにある核金は、ずっと・・・私と一緒だと・・・///」

夏奈・マコ・ヒトミ・冬馬「「「「おおー!」」」」

夏奈「聞いたか皆の衆!これがいわゆるプロポーズであらせられるぞ!」」

もっと愛を込めて!!!

ヒトミ「聞きました隊長!感動の一言っす!」

?「そ、そんな・・・別にソコまでの事は考えていなかったと思うが」

冬馬「いやー、それはもう完全に結婚意識してるだろー?」

マコ「オ、オレもそう思うよ!」

?「い、いや、そんな事ない!あいつは、カズキはそんな―――」

カズキ「呼んだ?斗貴子さん?」

斗貴子「!」

斗貴子「カ、カズキ!どうして君がここに!?」

カズキ「え?チアキちゃんにここに来たら蝶野が見つかるかも知れないっていわれたから」

夏奈「おう、チアキ!帰ったか!」

千秋「声が大きいぞバカ野郎」

千秋「カズキ、これがバカな方の私の姉だ」

夏奈「なっ!おい、ちあ―――」

カズキ「はじめまして、カナちゃん」ニコニコ

夏奈「あ・・・」

夏奈「は、はじめまして・・・」

カズキ「ここに斗貴子さんがいるってことは」

カズキ「もしかしてブラボーも?」ヨイショ・・・

斗貴子「あ、ああ・・・」

斗貴子「キャプテンブラボーなら台所で鍋の準備だ」

カズキ「へー、じゃあ俺も手伝おうかな」

斗貴子「い、いや、もう台所はいっぱいみたいだから大丈夫だ・・・と思う」

カズキ「そうなんだ」

斗貴子「ああ・・・そ、それよりも、カズキ・・・」

カズキ「ん?なにトキコさん?」ニコ

斗貴子「!」

斗貴子「・・・」

夏奈(ほほーう・・・)

斗貴子「そ・・・その、君はどこから聞いていたんだ?」

カズキ「え?」

カズキ「斗貴子さんの『そんなことはない』から?」

斗貴子「そ、そうか・・・」ホッ・・・

斗貴子「で、君もパピヨンの手がかりを辿っていたらこの南家にたどり着いたと」

カズキ「うん。斗貴子さんも?」

夏奈「・・・」ソワソワ

斗貴子「私はカナちゃんと出会ってな」

斗貴子「パピヨンの特徴を話したらハルカさんなら話を知っているかも知れないといわれて・・・」

斗貴子「でも実際に来てみたらキャプテンブラボーが既に話を聞いていて」

斗貴子「結局手がかりは何もなし」

カズキ「そう・・・」

斗貴子「で、時間も遅いのでお暇しようと思ったのだが」

斗貴子「カナちゃんとその友だちに妙に懐かれてな」

斗貴子「キャプテンブラボーも一緒になって、なし崩し的に食事を頂くことになったわけだ」

夏奈「お姉さま!お姉さま!?」

斗貴子「ん?どうしたカナちゃん?」

夏奈「お伺いしたい事があるのですが宜しいでしょうか?」

夏奈「そちらの方はお姉さまの、フィ・・・フィアンセと言う奴なのでしょうか?」

斗貴子「なッ!」

カズキ「その通り!」ビシィッ!

斗貴子「な、なッ!///」

マコ・ヒトミ・冬馬「「「おおーっ!」」」

カズキ「大丈夫!斗貴子さん!」

カズキ「『ここにある核金は、これからも斗貴子さんとずっと一緒だよ』!」

マコ「わ、わ、わ///」

夏奈「なんと!」

ヒトミ「・・・」ゴクリッ

冬馬「・・・最初から聞いてたんだな」

千秋(・・・私が空気だ)グスン

斗貴子「カ、カズキ!///」

>>25

カズキ「こう(>>33 )ですか!?わかりません> <」

千秋「・・・」ガシッ

千秋「カズキ・・・」

カズキ「ん?なんだいチアキちゃん?」

千秋「これでも・・・くらえ!」

ヒュン!

夏奈「おお!あれはチアキの必殺技【フジオカを全力で投げるだけ】!」

斗貴子「カズキッ!!!」

カズキ「!」

カズキ(これは!この至近距離でぬいぐるみを避けるにはどうするか!?)

カズキ(答え①反復横とびの達人カズキンはその鍛えられた脚力を使って一瞬で斗貴子さんの隣まで移動する)

カズキ(答え②斗貴子さんが来て助けてくれる)

カズキ(答え③かわせない。現実は非常である)

カズキ(俺がマルをつけたいのは答え①だが精度に自信が無い)

カズキ(かと言って、斗貴子さんに守って貰うのも何か違う!)

カズキ(やっぱり答え①をやるしか・・・)

カズキ「いくぞッ!」クワァッ

カズキ「って、考えてる間に近ッ・・・間に合わ・・・」

ドーンッ!

カズキ(・・・答え③かわせない。現実は非常である)キュゥ・・・

斗貴子「カ、カズキ!大丈夫か?」

夏奈「おいおいチアキ、いくらなんでも突然すぎじゃないか?」

千秋「ふん、私が招いたのに私を置いてきぼりにするのが悪いんだ」グスン

ヒトミ「よしよーし、チアキちゃんは頑張ったっすよー」

ヒトミ「泣かない泣かない」ヨシヨシ

千秋「・・・」グスン

ブラボー「さー、ストベリコメの時間は終わりだ」

ブラボー「ハルカさん作のブラボーなぼたん鍋ができたぞ」

春香「人数が多いから、何回分かに分けたの」

春香「一つ食べ終わったら次のがくるからね」

春香「コタツはちょっと狭いけど我慢してちょうだい」

冬馬「ぼ!ぼたん鍋?」

冬馬「おい、ナツキ、ぼたん鍋ってなんだ?始めて聞くぞ」

ナツキ「ぼたん鍋ってのは、猪の肉を使った鍋のことだ」

冬馬「い、猪!?」

ナツキ「ああ」

冬馬「そ、そんな肉、どうやって手に入れたんだよ?」

マコ「普通の店じゃ売ってな・・・ませんよね!?」

夏奈「ハルカ、もしかしてお前、どっかのおじさんとおかしな所に出かけて・・・」

春香「な、何いってるのカナ!」

藤岡「カナ、これはブラボーさんの差し入れだよ」

夏奈「なんだ、いたのか藤岡」

藤岡「・・・」グスン

TV「―――明日の天気は西高東低、冬型の気圧配置で―――」

夏奈「うん、これはご機嫌な美味しさなのだな」パクパク

ヒトミ「か、カナちゃん、あんまり動くと食べ辛いっす」ワタワタ

千秋「そんなにがっつくなカナ。見苦しい」モグモグ

千秋「すまんな藤岡、我が家のコタツが狭い為に、またお前の膝の上に座ることになってしまった」

藤岡「ううん、大丈夫だよ」

藤岡(勇気を出してカナって呼んだのに気付いてもらえなかった・・・)グスン

千秋「しかしなんだトウマ、お前がハルカ姉さまの膝の上とは」

千秋「図々しいにも程がある」

千秋「お前にはナツキがいるだろう」

冬馬「ナツキの膝の上なんて、死んでもごめんだね」バクバク

ナツキ「俺もだ」モグモグ

ナツキ「この子はお前より大人しいから安心して食べれる」モグモグ

マコ「・・・」

千秋「うむ。マコちゃんは大人だからな」

ヒトミ(マコちゃんいいな・・・)

カズキ「はい、斗貴子さん」アーン

斗貴子「カ、カズキ、私は一人でも食べれるぞ///」

カズキ「いいからいいから」アーン

斗貴子「そ、そう言われても・・・周りの目と言うものがあってだな・・・」

全員「・・・」ジ・・・

春香(・・・斗貴子さんと、カズキ君って、私と同じ高校生よね?)ドキドキ

ヒトミ「斗貴子姉さん、早くするっすよ」

ヒトミ「せっかくのストロベリーなんですから、最大限に活用すべきっすよ!」

斗貴子「そ、そうは言われても・・・」チラッ

カズキ「?」ニコッ

夏奈「お姉さま!さぁ!」

夏奈「私たち未熟者に恋人生活の見本を!」

カズキ「ほら斗貴子さん、みんなもそう言ってるし」

カズキ「早くしないと、このお肉冷めちゃうよ?」ニコッ

斗貴子「うう・・・///」

ヒトミ「姉さん!」

夏奈「お姉さま!」

春香「斗貴子さん!」

藤岡(・・・)ゴクリ

斗貴子「わ・・・わかった///」

斗貴子「カズキ・・・任せたぞ///」アーン

カズキ「うん♪」ハイドーゾ

斗貴子「ん・・・///」アムッ・・・

斗貴子「はふ・・・はふ・・・///」アムッ・・・アムッ・・・

斗貴子「ん・・・ん・・・ん・・・///」アムッ・・・アムッ・・・アムッ・・・

斗貴子「・・・///」・・・ゴックン

斗貴子(・・・おいしい///)トローン

全員「おー!」パチパチパチ

春香(・・・)ドキドキ

カズキ「おいしかった?斗貴子さん」ニコッ

斗貴子「あ、ああ。美味しかった///」

斗貴子「ありがとう、カズキ///」トローン

カズキ「どういたしまして、斗貴子さん」ニコッ

ヒトミ「カズキ先輩・・・格好いいっす・・・」

夏奈「うん。まさにこれぞ理想の彼氏だな」

藤岡(カナはこう言う男性に憧れるのか・・・)

千秋(またあいつは適当なことを・・・)

ブラボー「ブラボー!おお、ブラボー!」

TV「二宮『先生!』、先生『二宮君!』、三宮『先生!』、先生『三宮君ッ!?』」

千秋「ところでカズキ」

カズキ「ん?なんだい」

千秋「結局、お前達が追っているその変態がどこに居るのか知らないが」

千秋「いったいなぜお前達はそれを探しているのだ?」

斗貴子「ああ、それはな」

カズキ「ちょっと待った斗貴子さん!それは言っちゃダメだ!」

ブラボー「そうだぞ、戦士斗貴子。それは言ってはいけない」

斗貴子「え・・・別にそのような指令は受けていないはずですが・・・」

斗貴子「せ、戦士長、それはまさか・・・」

ブラボー「ああ、そのまさかだ!」ニコリ

藤岡「そ、そんなに凄い事情があるんですか?」

カズキ「ああ、その通りだ」

ナツキ「俺、気になるっす。教えていただけませんか?」

ブラボー「ナツキ君、それはダメだ」

千秋「な、なぜだ?秘密にする指令は受けてないのだったらいいじゃないか」

ブラボー「うむ。チアキ君、それはつまり」

カズキ「そう、秘密にする理由それは・・・」

ブラボー・カズキ「「なぜならその方が格好いいから!!!」」ビシッ!

斗貴子「・・・はぁ」

夏奈「か、かっこいい・・・」ボソリ

藤岡「え!?」

ブラボー「そうか、そうかカナ君!君は見所があるな!」

ブラボー「錬金戦団に入らないか!?」

夏奈「はいッ!」

藤岡「え?え?」

春香「ちょ、ちょっとカナ、義務教育も終わらないうちに就職するのは・・・」

斗貴子「戦士長、少しは自重してください」

斗貴子「ハルカさん、大丈夫。開店休業中の錬金戦団に仕事なんてありません」

冬馬「それは・・・就職したら人生終わりなんじゃ?」

Prrrrrrrrr

春香「あ、すみませんちょっと失礼します」

春香「もしもし・・・あ、アツコ?」

アツコ『もしもし、ハルカ、今日帰りに会ったブラボーさん、そこにいる?』

TV「二宮『先生ー!』」

春香「うん、いるけど、どうしたの?」

アツコ『あ、あのね、いまブラボーさんの知り合いって人と家の近くまで来てるんだけど・・・』

TV「先生『二宮くーん!』」

春香「え?ブラボーさんの知り合い?」

アツコ『う、うん。ちょっと変わった人なんだけど・・・』

TV「?『せ~ん~せ~い~♪』」

アツコ『多分、ブラボーさんが探してた人・・・』

アツコ『パピヨンさんって言うんだけど・・・』

TV「先生『九十九宮先生???』」

春香「パピヨン・・・うん、確かにその人だと思う」

春香「黒いレオタードに、蝶の形のマスクをしてる人よね?」

TV「九十九宮『せ・ん・せ・い♪』ギランッ」

アツコ『う・・・うん・・・・・・』

春香「アツコ、いま家の近くって言ってたわよね。どのくらい近くなの?」

TV「先生『つ・・・九十九・・・宮・・・先生・・・!?』」

アツコ『ねぇ、ハルカの家って何階だっけ?』

アツコ『部屋番号はいらないから、階数だけ教えて欲しいみたいなの』

TV「九十九宮『せ~ん・・・・・・せッッッ!!!!』」

春香「え?ここは○階だけど?」

春香「でも部屋番号ないとわかんないんじゃ?」

TV「先生『つ・・・九十九宮センセィィィ!?』」

アツコ『・・・嘘』

春香「どうしたのアツコ?」

TV「二宮『せんせいッ!』バッ! 先生『二宮君ッ!?』九十九宮『二宮さん・・・・・・ッ!』」

アツコ『・・・空、飛んでった・・・』

春香「え?TVがうるさくてうまく聞こえなかったんだけど・・・?」

TV「先生『!』先生『に・・・・・・に・・・二宮ッ・・・く・・・ん・・・?』」

アツコ『パピヨンさん、空飛んでる・・・いま一つ一つ○階の部屋を見て回ってる』

春香「ええッ!?」

TV「先生『に・・・にのみや・・・・・・二宮ッ・・・くん・・・・・・・・・』」

春香「空飛ぶって、嘘でしょ?そんな事できる人なんて!?」

アツコ『でも、実際に飛んでるの・・・』

TV「二宮『せ・・・ん・・・せ・・・い・・・』先生『二宮くーんッ!!!!』」

千秋「お、おい、何だお前は!?」

夏奈「うわッ!変な服着た人が窓の外に!ここ、○階なのに!」

TV「二宮『せ・・・ん・・・せ・・・・・・』先生『二宮君!二宮君!二宮君!二宮君ッ!』」

カズキ「蝶野攻爵!」

斗貴子「しかしなぜだ?奴の方から私達を探す理由はない筈」

TV「二宮『せ・・・ん・・・―――九十九宮『せ・ん・せ・♪』」

ブラボー「わからん、だが何か言っているな」

ブラボー「ならば俺の13のブラボー技の一つ【ブラボー読唇術】で!」

TV「先生『つ・・・九十九宮先生・・・』九十九宮『せ~ん~せ―――プツン

ブラボー「すまないが集中できないのでテレビは切らせてもらうぞ!」

ブラボー「戦士斗貴子!戦士カズキ!皆さんを守るんだ」

カズ・トキ「「はいっ!」」

ブラボー「【ブラボー読唇術】!!!」

ブラボー「なになに?」

パピヨン『ま』

パピヨン『ち』

パピヨン『く』

パピヨン『た』

パピヨン『び』

パピヨン『れ』

パピヨン『た』

パピヨン『ぞ』

パピヨン『(笑)』

カズキ「待ちくたびれた?」

カズキ「そうか蝶野攻爵」

カズキ「俺たちがいつまでもお前を見つけないから痺れを切らしたのか」

カズキ「すまなかったな」

斗貴子(もう少し放っておいてくれればいいものを・・・)クッ

春香「皆、大丈夫!?」

春香「!」

春香「あ、あれが・・・パピヨン・・・さん」

ブラボー「はい」

パピヨン「・・・」トントン

ブラボー「窓の鍵はかかっていない。開けたらどうだ?パピヨン」

パピヨン「・・・」ガラッ

パピヨン「やぁ、三人とも元気なようで」ニイッ

三人「・・・」

他全員「ひッ!」

パピヨン「酷いじゃないか」

パピヨン「俺を放置してみんなで和気藹々(わきあいあい)なんて」

斗貴子「蝶野攻爵!私達は決してお前を放置していたわけでは―――」

パピヨン「その名前で俺を呼んでいいのは武藤カズキだけだ」ギロッ

カズキ「ああ、すまない蝶野攻爵」

カズキ「もう休憩はやめにするよ」

カズキ「斗貴子さん、キャプテンブラボー」

斗貴子「ああ」

ブラボー「そうだな」

パピヨン「・・・」ニイッ

他全員「???」

パピヨン「それでは、再開の合図といこうじゃないか」

三人「ああ!」

パピヨン「片手に」

カズキ「ピストル」

パピヨン「心に」

斗貴子「花束」

パピヨン「唇に」

ブラボー「火の酒」

パピヨン「背中に」

三人「人生を!」シュピーン!

千秋(おおぅ・・・)

夏奈(こ・・・これは・・・)

春香(ちょっとかっこいいかも・・・)

パピヨン「いいだろう!」

パピヨン「それでは、只今から【ロッテリや主催、蝶人パピヨンVS偽善君と愉快な仲間達、日本全国ゲリラ鬼ごっこ】再開だ!」

パピヨン「心して追ってくるんだぞ?」

ブラボー「勿論だパピヨン!」

パピヨン「NON!」チッチッチ

パピヨン「パピ・・・・・・ヨン!」

パピヨン「もっと愛を込めて!」ドヒュゥーン

カズキ「待て!蝶野!」ダッ!

斗貴子「カズキ!」ダッ!

ブラボー「おい、二人とも!」

ブラボー「・・・やれやれ」

全員「???」

ブラボー「すみませんハルカさん」

春香「は、はい!」

ブラボー「どうやらこれにてお暇しなければならないようです」

春香「はい」

ブラボー「お騒がせいたしました」

ブラボー「これはささやかですが、ほんのお詫びの気持ちです」ギュッ

春香「・・・これは?」

ブラボー「【ロッテリや、ウマカバーガー割引券100枚セット!】」

ブラボー「一回で4つ食べれば」

ブラボー「【蝶人パピヨン】、【ライバル-偽善くん】、【ブチマケちゃん】、【ブラ坊】、【饅頭御前】」

ブラボー「以上のフィギュア全てが手に入る特典付きです!」

春香「は・・・はぁ」

ブラボー「家族でのお食事は是非とも【ロッテリや】で!」

ブラボー「今なら隠れキャラの【ブラック・ストマックさん】が当たるかも!」

春香「はぁ・・・」

ブラボー「それでは、こんな美しい女性にお別れを告げるのは心苦しいのですが」

ブラボー「仕事がありますので失礼します」

ブラボー「最後に【悩殺!ブラボーキッス!】」

春香「・・・!」ドキィン!

ブラボー「では、これにて失礼!」サッ

カズキ「待てー蝶野ー!」ハハハハハ

斗貴子「なんで私がこんな事を」ブツブツ

ブラボー「まぁ野暮な事を言うな、戦士斗貴子」

ブラボー「これも錬金戦団とロッテリやがタイアップしたがゆえの事態だ」

ブラボー「再び錬金戦団単体で採算が取れるようになれば」

ブラボー「このような広告宣伝の必要もなくなるだろう」

ブラボー「ま、これはこれで俺は気に入ってるけどな」

斗貴子「・・・はぁ」

パピヨン「ふふふ・・・」

パピヨン「ゴパァッ」

パピヨン「もっとだ!」

パピヨン「ロッテリや公認ゆるキャラとして」

パピヨン「俺たちはもっとこの仕事に没頭しなければならない」

パピヨン「そう」

パピヨン「もっと愛を込めて!」

―【完】―

休憩。少ししたら後日談とオマケを投下して終わりです。

【後日談1】

TV「次のニュースです。銀成市発のゆるキャラ【蝶人パピヨン】シリーズの人気が現在爆発中で―――」

TV「銀成市役所からは今回キャンペーン第5弾として【アンダードッ君】【三十路セーラーガール】などが発表されております―――」

ハルオ「ん?なんだこの人形は?不細工な」

冬馬「あー。友だちから貰ったんだ」

冬馬「なんかダブったからいらないって」

アキラ「あー、この人形ロッテリやの奴だ。クラスの女子が話してた」

ナツキ「くれた友だちって誰だ?南さん家のあの子か?」

ハルオ「なに!あちらの家ではそんな不健康な食生活をしているのか!?」

冬馬「ちげーよ、マコトって言うアホな男子だよ」

ハルオ「なんだ、ならいい」ホッ

ナツキ「で、その人形の名前なんつーんだハルオ?」

ハルオ「知らん、トウマが不健康な食生活に毒されなければ俺はそれでいい」

冬馬「うるせーなー」

アキラ「えっと、なんて名前だったかな?確かブタがどうとか・・・」

TV「―――なお、第4弾の隠しキャラ【和ブタツムリ】は未だに名前のみ公開されています」

【後日談2】

春香(・・・誰もいないわよね)ドキドキ

春香(家じゃ二人がいてできないもんね)ドキドキ

春香(ええっと・・・確か、こうだったかな?)ドキドキ

春香(背中に・・・)

春香(人生を!)シュピーン

ガチャッ

速水「・・・」

速水「ねぇハルカちゃーん」

速水「女子トイレの鏡の前で何やってるのー?」

春香「・・・」ハッ

春香「あ・・・速水先輩、あの・・そのこれは・・・///」アタフタ

ヒトミ(ハルカ先輩・・・私は何も見なかったっすよ・・・)

【後日談3】

夏奈「おい、藤岡ー」

夏奈「お前どうしてこの前の放課後、私の誘い断ったんだ?」

夏奈「私の誘い断って、どこ行ってたんだよ?」

藤岡「カ、カナ・・・」

藤岡「そ、それは秘密だ・・・」

藤岡(本当は家の手伝いしてただけだけど・・・)

夏奈「はぁ?何でだよ」

藤岡「な、なんでって・・・」

藤岡「『なぜならその方が格好いいから!!!』」ビシッ!

夏奈「・・・はぁ?」

夏奈「ケイコー、お昼ご飯一緒に食べよー」

ケイコ「いいけど、藤岡君は?」

夏奈「いいのいいの、なんかよくわかんない事言ってるし」

藤岡「・・・」ウルウル

【後日談4】

内田「じゃあね、チアキ」

千秋「じゃあな、内田」バイバイ

千秋(・・・カズキと出会った時はどうなるかと思ったが)

千秋(思ったよりも楽しかったな)

千秋(ああ言うのもたまには悪くない)ウム

千秋(と、思ったらまた近所に怪しい人影が)

千秋(あ・・・こっち来た)

戦部「うむ、ちょっと宜しいか、そこの幼子よ」

戦部「先日ここにパピヨンが出たという話を聞いたのだが」

戦部「お前、何か知らないか?」

千秋(・・・)

千秋「・・・さぁ?」

戦部「そうか・・・邪魔したな」ザッザッザッ

千秋(・・・)

千秋(・・・流石の私もこの寒空に褌一丁の男と長話をする気にはならない)

千秋(今日も帰ってハルカ姉さまのお手伝いをしよう)トコトコ



―【後日談―完】―

【おまけ―キャンペーンキャラリスト】

第一弾⇒【蝶人パピヨン】

第二弾⇒【偽善君】【ブチマケちゃん】

第三弾⇒【ブラ坊】【饅頭御前】【ブラック・ストマックさん(隠し)】

第四弾⇒【エンピツ】【分度器(半月型)】【和ブタツムリ(隠し)】

第五弾⇒【アンダードッ君】【三十路セーラーガール】【チンピラ君】【ガスマスクちゃん(隠し)】

第六弾⇒鋭意企画中

くぅ疲(略)
以下、出演できなかった脇役達のみんなへのメッセジをどぞ


腹黒白熊「みんな、見てくれてありがとう。ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

マキ「いやーありがと!私のおにぎりさは二十分に伝わったかな?」

円山「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」アフン

秋水「見てくれてありがとな!血を分けた身だけど、姉さんへの気持ちは本当だよ!(号泣)」

保坂「・・・みなみはるか」バッ!

では、

黒白、マキ、丸山、秋水、保坂、月「皆さんありがとうございました!」



黒白、マキ、丸山、秋水、保坂「って、なんでニコ君が!?」

月「む~ん?」

本当の本当に終わり


武装錬金とはまた懐かしい

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