結衣「天使にラブソングを」(171)
はっじまるよ~
結衣「ふあぁ」
京子「アクビなんて珍しいね」
結衣「やることなくてさ」
京子「GWも半ばになるとだらけて来るな」
結衣「最初はテンション上がったけど休んだ罪悪感もあって逆に学校行きたくなってきた」
京子「中学生のうちから自主休講とかしちゃいけなかったねやっぱ」
結衣「ていうかただのズル休みだしな」
京子「二人でダラダラするのもいいけどさぁ……」
クイッ
結衣「あー何か人の役に立つことがしたいっ!!」
京子「私の役になってみたら」
チラッ
結衣「エッチなのはダメ!!」
京子「ああん」
京子「何のために皆が学校行ってる日に休んだんだか」
結衣「何するつもりだったんだ?」
京子「誰にも邪魔されずに結衣と体を求め合う」
結衣「やめてくれよ・・(絶望)」
京子「同棲カップル特有のダラダラしたセックス」
結衣「おい」
バシッ
京子「いてて」
なんだ、結あかじゃないのか
結衣「何知った風な口聞いてるんだ」
京子「だってレディコミに……」
結衣「なんでレディコミなんて読んでるんだよ」
京子「昨日漫喫で読む漫画なくてさ」
結衣「というかだいたいさ」
京子「なに」
結衣「私たち同棲してないし」
京子「うぐ」
結衣「カップルでもないし」
京子「うぐ」
結衣「その、セ、セックスとかしたことないじゃん」
京子「結衣さんってば私の気持ちを知っててそんな事言うのね!!酷いわ!!」
結衣「はいはい」
京子「結衣さ、これ私が本気だったら相当冷たい女だよアンタ」
結衣「茶化した風に告白しても目が必死だったり、顔が紅かったりして分かるさ」
京子「何か恥ずかしいからやめて!!」
結衣「それに京子は意外と好きな人には奥手で中々友だち以上の関係に踏み込めないとか」
京子「もう顔真っ赤なんで勘弁してください」
結衣「恋してる京子を見たことないけど、そんな感じの態度取りそうだよね」
京子「ぐうの音も出ない」
結衣「だから私に相談しろよ」
京子「へ?」
結衣「どうせバレバレなんだからさ、好きな人できたらちゃんと言って欲しいな」
京子「はいはい。その時はね」
結衣「そのときは結衣によろしく」
結衣「何か音楽かける?」
京子「うーん、結衣のおまかせで」
結衣「ういー」
♪~
京子「なにこれ?」
結衣「ビートルズ」
京子「なんて曲?」
結衣「Cry Baby Cry」
京子「今度さ」
結衣「CD貸すよ」
京子「分かるんだね」
結衣「リアクションでだいたい分かるさ」
京子「私達って熟年夫婦みたいだね」
結衣「なんだかんだ言っていつも一緒にいるしな」
京子「結衣って私のこと好きだし」
結衣「な・・」
京子「私は結衣のこと好きだよ」
結衣「やれやれ、じゃあコーヒー入れてくるから」
京子「あー恥ずかしくて逃げたー」
結衣「ふう」
京子「朝はコーヒーだねぇ」
結衣「朝っつっても10時過ぎだけど」
京子「朝は朝だよ」
ピロリーン
結衣「あ、メールだ」
京子「誰から?」
結衣「ちなつちゃん」
京子「ちなちゅだと。早く見せろおおおお」
グググッ
結衣「おいそんなに寄りかかるなって」
【お休みだって聞いたんですけど大丈夫ですか?
私に言ってくれたら地の果てまでも看病しに行ったのにぃぃぃ。
今からでも行きますよ!!!】
京子「……」
結衣「……」
京子「気まずい」
結衣「あああ罪悪感がああああああああ」
京子「ちなつちゃんには本当のこと言おうか」
結衣「【京子と二人で学校サボってるよー】っと」
京子「軽いな」
結衣「チャラい感じ出しとけば許される気がする」
ピロリーン
京子「あ、また来てるよ」
結衣「返信早いな」
【京子先輩と二人ですって?どこなんですか?
チーナも今すぐ行きます!!行って京子先輩を学校に送り出してから
結衣先輩とまったり過ごしたいですぅ?】
結衣「なんて返そう」
京子「ちなつちゃん地味に酷い」
結衣「【うちでコーヒー飲んでるよー】っと」
京子「来るかな?」
結衣「流石に来ないでしょー。ちなつちゃん真面目だし」
京子「恋する乙女は最強だからねぇ、妬けますなぁ」
結衣「ニヤニヤすんなよ」
京子「私だったらもう毎日チュウしてんのになぁ」
結衣「うるさい」
ピロリーン
【京子先輩の煎れたコーヒーなんかより私のお茶のが美味しいですよ。
午後から私も先輩のお家に行ってもいいですか?邪魔じゃないですか?】
京子「アハハハ」
結衣「ブッ」
京子「コーヒー入れたの結衣なのに、間違えてんのー」
結衣「やめろよ京子ぉ、ブフッ、可哀想だろ」
京子「アハハハハハ。ちなつちゃんおもしれー」
京子「私のお茶のが美味しいですよ(キリッ」
結衣「ブフー、やめて、息苦しひっ」
京子「【コーヒー入れたのは結衣だよん】っと」
結衣「おい」
京子「もう送っちゃったもんねー」
京子「中々返信来ないなー」
結衣「授業中だしな」
京子「今ごろ顔真っ赤にしてプルプル震えてるんじゃないの?」
結衣「ケロっとしてそうだけど」
京子「私のお茶のが美味しいですよ(キリッ」
結衣「ブフッ」
京子「今月の私的流行語はこれだな」
結衣「先月はなんだったんだよ」
京子「ワイルドだろー」
結衣「けっこう普通なんだな」
結衣「メール来ないと何かソワソワする」
京子「あー分かる。話が途中だと他の事に取り掛かれないよな」
結衣「まぁ私はソワソワしても気持ちを切り替えて洗濯を始めるわけだが」
京子「男らしい」
結衣「でもこういうのって男の人のがウジウジしてそうだけど」
京子「レディコミの知識?」
結衣「ただのイメージだよ」
まったり系好き
結衣「それより京子、何か洗うものない?」
京子「んーパンツはちゃんと昨日替えたしなぁ……。あっ、靴下がある」
結衣「出してよ」
京子「たしか布団の中にあったはず」
もぞもぞ
京子「あったあった」
結衣「じゃ京子は洗い物してね」
京子「はい結衣さん」
結衣「さん付けするのか」
京子「新妻ごっこ」
結衣「新妻エイジ?」
京子「ちげーよ」
京子「春のうーたー♪」
カチャカチャ
京子「あーいーと希望よりー♪」
カチャカチャ
京子「ニャーニャニャーニャニャニャー♪」
カチャカチャ
結衣「ロッキーラコウッゥーン♪」
ゴウンゴウン
結衣「インディアンバイボー♪」
ゴウンゴウン
結衣「ニャーニャニャーニャニャニャー♪」
ゴウンゴウン
京子「結衣さん、お皿洗いました」
結衣「ダララダッダーン♪ドュルルッルルーン♪」
ゴウンゴウンゴウンゴウン
京子「ゆーいーさーん(ニヤニヤ」
結衣「お、終わったのか」
京子「鼻歌かわいいーなー」
結衣「うるさい」
京子「ドュドュドュ♪ドュドュドュドュ♪」
結衣「///」
この間の途中で落ちたやつか
ガチャ
ちなつ「結衣先輩!!お茶淹れに来ました!!!」
結衣・京子「えええええっ!!」
結衣「まだ授業中じゃない?」
京子「3時間目か4時間目くらいじゃ……」
ちなつ「居ても立ってもいられなくなって来ちゃいました。てへぺろ(・ω<)」
京子「ちなつ、恐ろしい子」
ちなつ「というわけでお茶どうぞ」
結衣「ありがとう」
京子「わざわざ私のためにありがとう」
ちなつ「京子先輩はついでです(ニッコリ」
結衣「で、ちゃんと先生には言ってきたの?」
ちなつ「はい、ちゃんと賄賂渡しておきました」
結衣「そ、そう」
ちなつ「やだなぁ結衣先輩。冗談ですよ冗談」
結衣「あはは、ちなつちゃんは冗談がウマイナー」
ちなつ「上手いこと誤魔化しておきました」
京子「そんなにしてまで私に会いたかったんだね、チュッチュー」
ちなつ「先輩!!何してんすか!やめてくださいよ本当に!」
京子「ちなちゅー」
結衣「二人ってけっこう仲いいよな
ちなつ「そんなこと言ってないで助けてくださいよーひえー」
京子「待て待てー」
結衣「ちょっと羨ましいな……」
ちなつ「ああーん、傍観する先輩もステキー」
京子「ハァハァハァハァ……ちーなーちゅー」
ちなつ「ハァハァンッ、ハァハァもう勘弁してー」
結衣「平和だなぁ」
ズズー
ちなちゅwwww
京子「ああもう我慢できないっ!!」
ちなつ「きゃーいやー」
結衣「やっぱちなつちゃんのお茶は美味しいねぇ」
ズズー
京子「いやぁそんなに怒るなよ」
ちなつ「キィー!!許さないですー」
ガスガスガス
京子「ちょ、座布団で叩くのやめて、痛い痛い」
ちなつ「京子先輩のバカバカー」
ガスガスガス
結衣「まぁまぁちなつちゃん。それくらいにしとかないと」
ちなつ「だってだってー。京子先輩ってばひどいんですよ」
ガスガスガス
結衣「京子の顔がクラバーにボコボコにされたロッキーみたいになっちゃうよ」
ちなつ「へ?」
結衣「だからもうやめてあげてね」
ちなつ「あらやだ。京子せんぱーい、生きてますか?」
京子「ちなちゅの愛が重い……」
結衣「前向きだな」
ちなつ「私が愛してるのは結衣先輩だけです!!キャー言っちゃった///」
結衣「あ、ありがとうちなつちゃん」
結衣「バタバタしたからか部屋が埃っぽいな」
ちなつ「すみません」
結衣「いや、こいつが原因だし」
京子「へっへーん」
結衣「なんで威張ってるんだよ」
ちなつ「あの、せっかく来たんでお掃除させてください」
結衣「ホント?お客さんにそんなことさせちゃ悪いような」
ちなつ「きょ、京子先輩にはそんなこと言わないじゃないですか!!」
結衣「こいつは半分居候みたいなもんだしなぁ」
京子「へっへー」
ちなつ「悔しいです!!私も居候です!!だから掃除するです!!」
結衣「じゃあお願いしていいかな?いい加減こたつしまおうと思ってたし」
ちなつ「もちろんです」
京子「結衣ー腹減ったー」
結衣「お前も掃除しろよ」
京子「じゃあ私とちなつちゃんで掃除するから昼ごはん用意してよ」
ちなつ「え~私結衣先輩と一緒がいいです~」
結衣「買い物行かないといけないし」
京子「ちなつちゃん、結衣がいない間にアレやコレを見つけようよ」
ちなつ「結衣先輩のアレやコレ……ジュルり。ま、まぁ今回は京子先輩と掃除します」
結衣「何も見つからないと思うけどなぁ」
京子「ちなつちゃんそっち側持って」
ちなつ「はい」
京子「じゃあ動かすよ。せーの」
ちなつ「よいしょ」
ゴトゴト
ちなつ「けっこうちゃんと掃除するんですね」
京子「ん?」
ちなつ「先輩のことだからふざけて遊ぶのかと」
京子「まー何日もここにいると愛着が湧いてくるし」
ちなつ「そんなにずっといるんですか(ガーン」
京子「愛の巣、だからね」
ちなつ「どうせ三日とかでしょ」
京子「ざんねーん、もう五日も一緒にいます」
ちなつ「え?じゃあこの前みんなで集まった時も」
京子「私達は帰路を共にしたのでした」
ちなつ「ううー」
京子「まぁあの日は私の家に泊まったんだけどね」
ちなつ「それも悔しいです」
京子「ちなつちゃんも家に来ていいんだからね?」
ちなつ「考えときます」
京子「断られるかと思った・・」
ちなつ「いや、別にそれも楽しそうですしね」
京子「ちなちゅー」
ガバッ
ちなつ「ま、別に京子先輩のこと嫌いじゃないですし」
ヒョイ
京子「避けるの上手いなー」
ちなつ「慣れました。それじゃさっさと掃除機かけちゃいましょうね」
ちなつ基本イイコだよね
京子「なんか乙女モードじゃないちなつちゃんって調子狂うなー」
ちなつ「乙女モード?」
京子「結衣といる時のハートマーク飛ばしまくりのちなつちゃん」
ちなつ「京子先輩相手にハート飛ばしても」
京子「むむ」
ちなつ「それに飛ばしてる、じゃなくて自然と飛んじゃうんですよ」
京子「私も今飛ばしてるよん」
キャルルン♪
ちなつ「嘘つき(ボソ・・」
京子「え?」
ちなつ「まぁいいです。それより昼ごはん何でしょうね」
京子「パパっと作れるものじゃないの?」
ちなつ「結衣先輩のこと分かってる感じが癪ですね」
京子「なんなら賭ける?結衣の作る昼ごはんを当てられたら相手の言うことを聞くの」
ちなつ「分かりました。無茶なことは言わないでくださいよ」
京子「私が勝ったら一日デートしてもらおう」
ちなつ「まぁその程度なら……」
結衣「ただいまー」
京子「おかえり」
ちなつ「おかえりなさい、結衣先輩」
京子「早くご飯作ってよー」
結衣「分かってるって、そう急かすな」
京子「ワンワン!」
結衣「なんだそりゃ」
京子「お前は犬かって突っ込まれる前にやってみた」
結衣「そんな突っ込みしねーよ」
ちなつ(毎回思うけど、この二人の会話って入る余地がない……)
ちなつ「じゃ、じゃあ結衣先輩!!」
結衣「なに?」
ちなつ「ちなつお手伝いしますからお昼ごはん作りましょーよ」
結衣「そうだね」
京子「あーズルイぞちなちゅー」
ちなつ「ちなちゅ言うな」
京子「ワンワン!」
結衣「だから犬はいいってば」
結衣「人参取ってくれる?」
ちなつ「はい」
サーッ
結衣「ピーマン取ってくれる?」
ちなつ「はい」
サーッ
結衣「嬉しそうだね」
ちなつ「台所に立つ結衣先輩もステキです」
結衣「そうかな」
ちなつ「エプロン姿がとっても凛々しくて、手際いいし、理想のお嫁さんって感じで」
結衣「褒め過ぎだってば///」
ちなつ「所で今日の献立なんですけど、ちょっと相談が」
結衣「ん?」
ちなつ「京子先輩は今……テレビ見てますね」
結衣「京子と何か関係あることなの?」
ちなつ「実は私たち賭けしてるんです、結衣先輩がお昼に何を作るか」
結衣「ふむ」
ちなつ「私は献立に口出ししないって条件で手伝ってますけど」
ちなつ「結衣先輩、イカサマの手伝いしてくれませんか?」
結衣「イカサマ?」
ちなつ「負けたら相手のお願いをひとつ聞くって賭けなんですけど」
ちなつ「私が負けた場合は、まぁわかりますよね」
結衣「ミラクるん関連の罰ゲームみたいな?」
ちなつ「まぁそんなトコです」
ちなつ「私が勝った場合何をしてもらうかまだ言ってはないんですが」
結衣「京子に何かさせるんでしょ?」
すみません、自分のPCが固まってしまったので少しだけ投下まで時間空きます
待つよ~
罰ゲームでもさせんのかな
ちなつ「この話が出てすぐ頭に浮かんだことがあって」
ちなつ「で、そのことで結衣先輩にお話を聞きたくて」
結衣「真面目な話っぽいね」
ちなつ「やっぱ結衣先輩に聞くのが一番かなって」
結衣「なに?京子にボランティア活動でもさせるの?」
ちなつ「まぁそういった方面でもいいんですが、今回は別で」
結衣「なになに」
ちなつ「私の勘違いかもしれないし、京子先輩のこと一番間近で見てる結衣先輩なら」
ちなつ「すみません、ちょっと回りくどかったですね。実は(ゴニョゴニョ」
結衣「!!!」
京子・ちなつ「いただきまーす」
結衣「めしあがれ」
京子・ちなつ「これはっ」
結衣「どうかな?」
京子「うまいゾ~これ」
ちなつ「すっごくおいしいです」
京子「隠し味にスパイス使ってる、はっきりわかんだね」
結衣「それだけ褒めてくれると嬉しいよ」
ちなつ「先輩の愛がこもっててチーナ幸せです」
京子「まぁ私への愛だけどねー。悪いことは言わないから私の所に来なさい」
ちなつ「結衣先輩ー怖いです」
ダキー
結衣「ちょ、抱きつくとソースが」
ちなつ「えへへー」
京子「むうう」
結衣・京子・ちなつ「ごちそーさまでした」
京子「では食後のラムレーズンを」
ちなつ「ちょいと京子先輩!!」
京子「ビクッ」
ちなつ「なーにか忘れてはいませんかね」
京子「忘れる?一体何を忘れるって言うんだい?ニャハハ」
ちなつ「賭・けですよ。なんでも言うこと聞くって言いましたよね?」
京子「流石に何でもとは」
ちなつ「まずはお皿洗ってきてください」
京子「まずは?え、何個もあるの?」
ちなつ「さぁ(ニッコリ」
結衣「で、さっきの話の続きなんだけど」
ちなつ「はい」
結衣「本当にその、京子って」
ちなつ「うーん……それがイマイチはっきりしなかったんで結衣先輩に聞いてみたんですが」
ちなつ「結衣先輩もお手上げですか」
結衣「ごめん。なんて言うかそういう話って現実味なくて苦手で」
ちなつ「いいんです、先輩には私が手取り足取り教えてあげますから」
結衣「……」
結衣「ちなつちゃんから話聞いてから考えてみたんだけど」
結衣「確かにそんな気がしなくもないかなって程度で」
ちなつ「確かめる必要ありですね」
結衣「このモヤモヤした感じが取りたい」
ちなつ「同じくです」
結衣「そのためにもちなつちゃんが言ってた通りに」
ちなつ「はい」
結衣「京子とあかりを」
ちなつ「キスさせちゃいましょう!!」
結衣「えっ」
ちなつ「えっ」
結衣「いやいやキスって」
ちなつ「ダメですか?」
結衣「デートとかで様子見ようよ」
結衣「京子ってキスのことスキンシップだって捉えてるフシがあるし」
ちなつ「あーやたらと『チュッチュー』って言ってますもんね」
結衣「というわけで明日は」
ちなつ「あかりちゃんと京子先輩のデート大作戦!!」
結衣「だね」
スズメ「チュンチュン」
結衣「おい京子起きろ、朝だぞ」
京子「ゆーいー……まだ眠いよう」
結衣「ったくしょうがないな」
カンカンカンカン
京子「うおっ」
結衣「目さめた?」
京子「フライパン打つのやめてぇ」
カンカンカンカン
京子「起きる~起きますから~」
結衣「よろしい」
京子「にゃむたい」
結衣「なんだ?よく眠れなかったのか」
京子「実は」
結衣「またなんでだよ」
京子「昨日寝過ぎたせいで」
結衣「十時間くらい寝たもんなぁ」
京子「そのあとゴロゴロしてたしね」
結衣「ちなつちゃん来なかったらもっとだらけてたな」
京子「しかしちなつちゃんがあんな事言い出すとは」
結衣「楽しそうじゃん」
京子「デートなんて」
結衣「いいじゃん、二人きりなんて久しぶりだろ」
京子「うーん、そうなんだよね」
結衣「少し嫌そうに見えるけど」
京子「ただ何したらいいのか分かんなくて」
京子「あかりと二人きりでしょ?普通に遊ぶだけになっちゃうんじゃないかな」
結衣「デートっぽくならないって?」
京子「うん。あかりも実感沸かないんじゃないかなー」
結衣「それでいいんじゃないの」
京子「へ?」
結衣「肩肘張らないでさ、いつも通りの京子でいて」
結衣「二人が楽しければそれで充分だと思う」
京子「そうかな?」
結衣「そうだよ」
京子「へへ」
京子「なんか結衣お姉さんみたいだ」
結衣「手のかかる妹で困るよ」
京子「ちぇー。恥ずかしがると思ったのに」
結衣「まぁ自覚してるし。おいしいご飯作って待ってるよ」
京子「おお楽しみー」
京子「それじゃ行くね」
結衣「京子」
京子「なにぃ?」
結衣「いや、何でもない。デート楽しんできなよ」
京子「おおー。帰り夕方になると思うけどあかりの分も作っといてね」
結衣「ああ」
京子「ほいじゃいってきまーす」
ガチャ
結衣「京子……」
ちなつ「フフフ」
京子「あかりまだかな……」
京子「と言っても約束までまだ三十分はあるし」
イチャイチャ
京子「ていうかこの待ち合わせ場所」
イチャイチャ
京子「カップルしかいないじゃん!!」
京子「私浮いてないかなぁ、アニメイトのが百倍落ち着くよ(ソワソワ」
あかり「きょーこちゃん」
ピョコ
京子「あ、あかりぃ~」
あかり「いきなり座り込んでどうしたの?」
京子「周りの空気に気圧されて死ぬかと思った」
あかり「だいじょうぶ?」
京子「幸せって人を殺せるんだね」
あかり「なんか悟ってる……」
あかり「それにしても京子ちゃん来るの早いねー。待ち合わせまで20分もあるのに」
京子「あかりだって」
あかり「京子ちゃんと遊べると思ったら嬉しくて早起きしちゃったんだもん」
京子「ちなみに昨日は何時に寝たの?」
あかり「九時半くらいかな」
京子「さすがだな」
あかり「ん?」
京子(私なんて興奮して眠れなかったのに)
あかり「今日の服可愛いね」
京子「え?ホント?(ドキドキ」
あかり「いつもより女の子っぽくて可愛い」
京子「そんなこと言ったって何も出ないぞー、このー」
うりうり
あかり「頭ぐりぐりしないでー」
京子「じゃあ行くよ」
あかり「うん」
あかり(本当に可愛いって思ったから言っただけなのになー。変な京子ちゃん)
京子「というわけで」
あかり「わー!わー!」
京子「プラネタリウムに来てみました」
あかり「すごーい。人いっぱいだね」
京子「流行ってるらしいよ」
あかり「星見るの好きー」
京子「好き?(ドキドキ」
あかり「きれいだよね、お星さま」
京子「あっ、ふーん。星のことか(察し)」
④
あかり「プラネタリウムっていつ以来かな」
京子「小学生の頃みんなで来たよね」
あかり「そうだっけ?忘れちゃったよ」
京子「学校の授業で来てさ、その話してたらあかりが『私も行くー』って拗ねた」
あかり「えー」
京子「あかりも来年行けるからって結衣が言ったのに」
京子「結衣ちゃんと京子ちゃんと行くーって泣きだしたんだぞ」
あかり「うう……。全然記憶にないよ」
京子「私たち困っちゃってさ、結局はその日に親に連れてってもらったんだけど」
京子「いざ見始めたらあかり寝ちゃって」
あかり「恥ずかしいよ」
京子「たぶん泣き疲れたんだね」
京子「あの日はあかりに振り回されっぱなしだったなー」
あかり「その節はご迷惑かけました」
京子「楽しかったーって言いながらあくびするあかりの満足気な顔が忘れられない」
あかり「子供のころってなんでよく分からないことにこだわるんだろうね?」
京子「そうだなー。今思うと何がそんなに欲しくて何がそんなに悔しいか」
京子「どうでもいいようなことに必死になってたね」
あかり「言葉では説明できないのに一生懸命欲しがってたよね、小さなものを」
京子「今の私たちからしたら小さいって思えるけどあの頃は絶対譲れなかったんだよ、きっと」
あかり「京子ちゃん大人ー」
京子「いやん」
あかり「あはははは、じゃ行こうよ」
京子「うん」
京子(あの頃結衣に手を引かれてたあかりが「行こうよ」か。知らない間に同じ目線になったのかな)
あかり「満員だね」
京子「ったくすぐ流行りものに群がるんだから」
あかり「ここにいる私たちが言えることじゃないけどね」
京子「うむ」
あかり「偉そうだ!!」
アナウンス「本日はお越し頂きありがとうございます。早速ですが注意事項の……」
あかり「全然席がないよ~」
京子「もう始まっちゃいそうだ」
あかり「どうしよう、私たち立ち見なのかな」
オロオロ
京子「あかり、こっちだ」
あかり「ふえ?京子ちゃん?」
グイッ
アナウンス「それでは只今より本日一回目の……」
京子「ハァ」
あかり「何とか間に合ったね(コソコソ」
京子「私に感謝したまへー(コソコソ」
あかり「京子ちゃんありがとう(コソコソ」
京子「ちょ、あかり顔が近いって」
あかり「ここって二人一組の席だよね(コソコソ」
京子「ほら、始まるぞ(コソコソ」
京子(勢いとは言えカップルシートに座ってしまった)
あかり「きれい……」
京子(肩くっついてるよ、あかり気づいてないけど)
アナウンス「あれがデネブアルタイルヴェガ」
京あか支援
あかり「うんうん」
京子(吐息が頬に)
アナウンス「とここで一句……」
あかり「スゴイスゴイ」
京子(あかりの身体あったかいなー)
アナウンス「まー頑張っていきたいんですけどもねー……」
あかり「ふふふ」
京子(あかりぃ)
アナウンス「以上をもちまして終了とさせていただきます」
あかり「うー、すっごく楽しかったね!!」
京子「zzz」
あかり「京子ちゃん」
京子「zzz」
あかり「きょーこちゃーーん」
京子「ファッ!?」
あかり「ったく、せっかくのプラネタリウムだったのに寝ちゃうなんて」
京子「いやぁ寝不足だったしさ」
あかり「お星様すっごい綺麗だったよ」
京子「私もすごい心地よかったー」
あかり「むう、二人で話せると思ったのにぃ」
京子「そんなむくれるなって」
あかり「京子ちゃんと一緒にお話して盛が上がりたかったの」
京子(やべ、可愛い)
京子「まー次はあかりの行きたい所どこでも連れてくからさ、勘弁してよ」
あかり「ん?今どこでも連れてくって言ったよね?」
京子「言ったけど十八禁の場所はダメだぞ」
あかり「それってどんな場所なの?」
京子「あかりにはまだ早い所」
あかり「ふーん。とにかくどこでもいいんでしょ?」
京子「夢の国とか無理だよ」
あかり「フフフ」
京子「あかりが悪い顔してる」
京子「まさかここに来るとは」
あかり「えへへ」
京子「ファミレスなんかで良かったの?」
あかり「なんで?」
京子「もうちょっといいお店にすれば」
あかり「ここがいいのー」
京子「あかりがいいならいいけどさ」
あかり「私ドリンクバー行ってくるね。京子ちゃんは何飲む?」
京子「コーラ」
京子「飲み物取りに行っちゃった」
京子(自然にああいうことする子なんだよな、あかりは)
京子(気付いたら一番初めに腰を上げてるんだ)
京子(人にやらされるわけでもなく、「誰かのために」って強い意志があるわけでもないんだろうな)
京子(本当に自然と体が動くんだろうね)
京子(いい環境で育ったんだなー。特に私が良い影響を与えたんだな、やっぱ私って凄いわ。うんうん)
あかり「京子ちゃんコーラだよ」
京子「ありがとう」
なんだ、素晴らしいじゃないか
京子「注文決まった?」
あかり「うーん、ハンバーグ定食がいいな」
京子「私は日替わりランチにしよ」
あかり「じゃあウェイトレスさん呼ぶね。すいませーん」
ウェイトレス「はいご注文ですか?」
あかり「えっと日替わりランチとハンバーグ定食をお願いします」
ウェイトレス「かしこまりました。春限定のデザートもありますので良かったらどうぞ」
あかり「はーい」
京子「このアイスおいしそう」
あかり「桃のアイスだって」
京子「季節限定カップルセットってのがあるね」
あかり「頼む?」
京子「でもこれカップルって書いてあるし」
あかり「すいませーん、お姉さーん」
ウェイトレス「はい」
あかり「私たち友達なんですけど、このカップルセットって頼めますか?」
ウェイトレス「はい、二名様なら大丈夫ですよ」
あかり「京子ちゃん大丈夫だって」
京子「じゃ頼めば」
ウェイトレス「仲良しなんですね」
あかり「はい」
京子「……」
もぐもぐ
京子「ハンバーグおいしい?」
あかり「チーズがかかってておいしいよ」
京子「そう」
もぐもぐ
あかり「京子ちゃんの魚フライもおいしそうだね」
京子「うん、衣がサクサクでおいしいよ」
あかり「一口ちょーだい」
京子「じゃあかりのハンバーグも」
あかり「はい、あーん」
京子「あーん」
パクっ
京子「あかりもあーん」
あかり「あーん」
パクっ
あかり「何かカップルみたいだね」
京子「な///」
あかり「あれ?私変なこと言った?」
京子「変なっていうか、私たちカップルじゃなくて友達じゃん。あかりさっきそう言ってたし」
あかり「友達カップルってことで」
京子「なにそれ」
あかり「仲良しだからいいのー」
京子「ズルイなーもう」
あかり「なにが?」
京子「べっつにー」
ウェイトレス「デザートお持ちしました」
京子「わぁ」
あかり「これは凄い」
京子「これカップル用だね」
あかり「うん、なんかストローがハートになってて吸うとジュースの色がキラーンてなるやつだね」
京子「おおすごい説明口調」
あかり「しかも二つのストローが一つになってて飲もうとしたら顔が超近くて恥ずかしいようってやつだね」
京子「さらに説明口調」
あかり「頭がフットーしちゃうやつだねこれ」
ハリウッドに合唱コンクールへ行く展開マダー
京子「これオッサン二人が頼んでも出てくるのかな」
あかり「オッサンのカップルなら出てくるかも」
京子「ひええ」
京子「絵的にどうなんだろそれ」
あかり「飲もっか」
京子「うん」
④
ズズズ
あかり(甘くておいしい)
京子(目の前にあかりの唇が……)
あかり「ぷはっ」
京子「あかり飲むの早すぎ」
あかり「だってー」
京子「私が近すぎてドキドキしちゃった?(ニヤ」
あかり「このジュースおいしくって」
京子「なんだよぅ」
あかり「アイスもまだあるよー」
京子「まいっか」
京子「けっ、アイス~?女子供じゃあるまいしラムレーズン食べ慣れてる私に桃のアイスなんて」
あかり「女で子供のくせにめちゃくちゃだよこの人」
ヒョイパク
京子「ンまぁ~い!!!」
あかり「あ、ホントにおいしい時の顔だ。私も一口」
ヒョイパク
あかり「ンまぁ~い!!!」
京子「ちょっとあかり食べ過ぎだろ」
あかり「京子ちゃんこそ年下のあかりに譲るべきだと思う!!」
ガツガツガツガツ
京子・あかり「ンまぁ~い」
あかりにしてはツッコミにキレがあるな
京子「ううー頭キーンてする」
あかり「私もだよ」
京子「急いで食べたもんね」
あかり「だって京子ちゃんがあかりの分まで食べようとするから」
京子「あれは元々あたしのだし」
あかり「出たよジャイアン理論」
京子「あかりは私のもの、私のものは私のもの」
あかり「恐ろしいセリフが聞こえたけど空耳だよね?私屋上経由で地下室に閉じ込められたりしないよね?」
京子「私いまジャイアニズムを越える!!」
あかり「聞こえない聞こえない」
なにこの恋する乙女
京子「それにしてもなんでこのお店にしたのさ」
あかり「クリスマスにカップルごっこやったでしょ?」
京子「あれは楽しかった」
あかり「あの時に向日葵ちゃんと櫻子ちゃんがここでご飯食べたんだって」
京子「あーそんなこと言ってたような」
あかり「だから私もここに来たらあの二人みたいに京子ちゃんと仲良くなれるかなぁって」
京子「毎日いがみ合いの喧嘩するのか」
あかり「そういう事じゃないよー(プンプン」
京子「おっぱい禁止ー」
あかり「アハハ」
京子「はぁ」
……
京子「この話題は寂しくなるからやめようか」
YJSNPIやめろ
④
あかり「私たち禁止されるほどないもんね」
京子「あかり、みなまで言うな」
あかり「まだ大きくなる!!」
京子「そうだ!育ち盛りだ!」
あかり「そうだそうだ!!」
京子「牛乳飲むぞー!!」
あかり「給食でおかわりするぞー!!!」
京子・あかり「おー!!」
京子「昼下がりだね」
あかり「天気よくて気持ちいいね」
京子「お腹いっぱいだし」
あかり「次はどうする?」
京子「海行こうか」
あかり「おおー」
京子「電車でちゃちゃっと」
あかり「海なんて考えてもいなかったよ」
京子「私も今思いついた」
あかり「計画性無しだね」
京子「私の計画は私のもの」
あかり「またジャイアニズムなのね」
ガタンゴトンガタンゴトン
京子「海に行くとはなぁ」
あかり「完全に予想外の出来事だね」
京子「ラブソングとか一切出てこないね」
あかり「何の話?」
京子「さぁ?ヒュー・グラントにセクハラされても男前だから許しちゃう、って話かな(すっとぼけ)」
あかり「ブリジット・ジョーンズの日記?」
京子「よく知ってるね」
あかり「私あのシリーズ好きなんだ」
京子「面白いよね」
あかり「特に殴り合いの喧嘩のシーンとかね」
京子「あれ笑えるよね」
あかり「必死で可愛いもん」
京子「全然喧嘩慣れしてないのに本気でやってる感じするもんね」
あかり「あれ好きな子のためだから一生懸命なのかな」
京子「うーん男のプライドみたいなのがあるじゃない、知らないけど」
あかり「私たちには分からないよね」
京子「既に略奪愛に巻き込まれているアッカリンはその事を知る由もなかったのだ」
あかり「変なナレーション入れないでよ」
日常会話がいいね
ガタンゴトンオジンオカン
京子「次の駅だよ」
あかり「意外と早く着くね」
京子「具体的にどれくらいかは言えないけど意外と早かったね」
あかり「マクドナルドのドライブスルーでさ、車が入ってく道まで並んでる時あるでしょ?」
京子「あーなんか二車線あって片方がやたら混んでるなーって思ったら
京子「ドライブスルー待ちの列だった、ってやつね。休日の夕方によくある」
あかり「そうそう。あれ最後尾ってどれくらい待つのかなーって」
京子「店入るまでに二十分とか待ちそうだもん。私あんなの絶対嫌だよ」
あかり「でもあれも実際に並んでみたらそんなに待たずに済むのかなーって今思った」
京子「そんなもんかな」
あかり「誰かと一緒の時間なら過ぎるも早く感じるんだよ」
京子「人によるでしょー」
ガタンゴトンガタンゴトンオジンオカンガタンゴトン
あかり「京子ちゃんとなら楽しいからすぐだね」
京子「とか言ってるうちにもう降りる駅だぞ。ほら行くよ」
あかり「あー待ってー」
ザザーン
ザザーン
京子「海だねー」
あかり「青いねー」
ザザーン
ザザーン
あかり「人少ないね」
京子「だからここを選んだのさ」
あかり「どうして?」
京子「二人きりになれるじゃん」
あかり「それで何するの?」
京子「なーんにも」
ザザーン
ザザーン
あかり(え?何にもしないの?貝殻集めたりとか、砂でお城作ったりとかしないんだ)
あかり(私たち遊びに来たんだよね。何にもしないってことは違うのかな)
ザザーン
ザザーン
あかり(さっきから沈黙が……)
あかり「あのさ、京子ちゃん」
京子「んー、どしたの?」
あかり「もしかしてあかりと一緒にいるのつまんない?」
京子「は?」
あかり「だってさっきね、京子ちゃんと一緒なら楽しいねって言った時何も返事してくれなかったし」
あかり「それに海に来ても砂遊びもしないし波打ち際でパシャパシャ水かけたりしないし」
あかり「プラネタリウムでも寝ちゃうし、あかりのアイス食べようとするし」
あかり「ヒック、ぼしがして、あがりといでもだのじくないのがなっで思っだら」
あかり「それにさっきからずーっどだまっでるし、うっく、あかりといるのそんなに嫌?」
ザザーン
ザザーン
あかり「ねぇなにか言ってよおお」
京子「うーん、分かった」
あかり「分かった?分かったって何が?」
ギュー
あかり「へ?京子ちゃんなんであかりのこと抱きしめるの」
キマシタワー
ザザーン
ザザーン
あかり「……」
京子「……」
ギュー
あかり「……」
京子「ね?」
あかり「分からないよ」
ギュー
あかり「なんで抱きしめるの」
京子「海に来たいと思った理由、今わかった」
京子「あかりと二人きりで、あかりをそばに感じて、こうやって抱きしめたかったんだ」
ザザーン
ザザーン
京子「私あかりのことが好きなんだ」
あかり「??」
京子「こんな可愛くて、ほっとけなくていい子で、健気で」
京子「二人で出かけるって思ったら夜も眠れないくらい興奮して」
京子「実際会うとホッとするし」
あかり「京子ちゃん……」
京子「それにイタズラしたくなるくらい素直で、話してるだけで時間忘れるくらい楽しいし」
京子「こうやって抱きしめるとドキドキするんだもん」
京子「ううん、昨日からずっとあかりのこと思う度に、目が合う度にドキドキしてるの」
京子「こんな気持初めてだよ」
ギュー
あかり「……」
ザザーン
ザザーン
あかり「あ、冷たいよー」
京子「おりゃおりゃー」
パシャパシャ
あかり「こっちも行くよー」
京子「うおっ、めっちゃかかる」
パシャパシャ
あかり「あー目に水が」
京子「大丈夫かあかり!!」
あかり「なーんてね」
バシャバシャ
京子「うう……。やったなー」
あかり「アハハハハハ」
ザザーン
ザザーン
京子「よし、じゃあそっちの砂をこっちに持ってきて」
あかり「ここの溝は?」
京子「もっと深く掘ろう」
ズブズブ
あかり「あとは固めるだけだね」
京子「うん、しっかり固めたら残ってるかもなー」
あかり「完成したら写メール取ろうね」
京子「そうだな、みんなに見せてやらないと」
あかり「んしょっと」
京子「よし、これで」
京子・あかり「かんせーい!!!」
ザザーン
ザザーン
京子「これは結衣のやつでーこれがちなつちゃん」
あかり「これはお母さんに、これはお姉ちゃんかな」
京子「お、すっごい綺麗なの見つかった!!」
あかり「見せて見せてー」
京子「縞々が虹色みたいになってない?」
あかり「うん!!すごいすごい!!」
京子「じゃあこれはあかりに」
あかり「え?いいの?」
京子「ちょうどあかりにあげるやつ探してたんだ」
あかり「ありがとう。これは京子ちゃんに」
京子「私にもあるの?」
あかり「もちろんだよ」
京子「えへへ」
あかり「えへへ」
ザザーン
ザザーン
あかり「うー遊んだねー」
京子「つっかれたー」
あかり「もう陽が落ちてきそう」
京子「あ、もうこんな時間か」
あかり「これじゃ帰る頃にはだいぶ遅くなってるね」
京子「連絡しとこうか」
あかり「うん」
京子「もしもし結衣?うん。今あかりといるんだけど」
京子「そうそう。二人とも元気だけど」
京子「あのさ、今日は私家帰るね。うん。ご飯用意してもらって悪いけど……。へ?そうなんだ」
④
あかり「結衣ちゃんなんだって?」
京子「別に普通だったよ。ご飯作る前だったらしいし良かったかな」
あかり「あかりもお母さんに電話したら駅まで迎えに来てくれるって」
あかり「京子ちゃんもお家まで送ってくれると思うよ」
京子「じゃあお言葉に甘えようかな」
あかり「甘えろ甘えろ」
京子「はは」
青春やねー
ええでー
あかり「ね?」
京子「どうした?」
あかり「夕日が綺麗だよ」
京子「オレンジ色になる前だね」
あかり「黄色とオレンジの中間みたいな。あかりオレンジの太陽が沈んでいくの見たいな」
京子「また今度みんなで来ようよ」
あかり「その時までのあのお城残ってるかなあ」
京子「影が薄いから残ってるかもねー」
あかり「ひどーい」
京子「潮風で風化しちゃうんだろうけど、残ってたらいいなぁ」
あかり「そうだね」
あかり「残ってたらいいね」
ザザーン
ザザーン
京子「もう電車の時間だ」
あかり「行きくないな」
京子「私も」
あかり「でも行かなくちゃ」
京子「君に~会いに行かなくちゃ。雨に~濡れて行かなくちゃ」
あかり「なにそれ」
京子「井上陽水」
あかり「おじさんっぽいよ」
京子「つーめたーい雨がー」
あかり「もう行くよ」
キュ
京子「あ」
あかり「ほら、京子ちゃん」
京子「うん」
ザザーン
ザザーン
④
次の日
結衣のいえ
京子「というわけであかりに骨抜きにされた」
結衣「お前ちなつちゃんラブだったんじゃないのかよ」
京子「それはそれ」
結衣「はぁ?じゃあ何、ミラクル京子ちゃんは二股かけてるってことなの?」
京子「ちなつちゃんはラブ」
京子「あかりは好き」
結衣「なにそれ」
京子「いいのー。あたしだって頭こんがらがってるんだからさー」
結衣「ま、ちゃんと相談してくれて何よりだよ」
京子「ていうか全部ちなつちゃんの差金だったんだろ?」
結衣「差金っていうかただ気になっただけだろ」
京子「何が?」
結衣「あの子けっこう他人の視線に敏感だし、お前がちなつちゃんに向ける視線と」
結衣「あかりに向ける視線が違うってこと分かってたんだろうなぁ」
京子「ニヤニヤ」
結衣「なんだよう」
京子「お前もけっこうちなつちゃんのこと見てんのな」
結衣「そりゃあね」
京子「あ、結衣さんが今大人の余裕見せましたよー」
結衣「そんなんじゃないってば」
京子「あかりはまだ恋のこと分かってなくて」
京子「私だって知らない感情だし、これが本当に恋って呼べるのかはっきりしないけど」
京子「二人でその答えを見つけたいなって思った」
結衣「うわっ、いつもお茶目な京子ちゃんが真剣に語ってますよー」
京子「馬鹿っ。余裕ないんだから茶化すなって」
結衣「へへへーん。いつものお返しだよ」
ウーピー「京子気合いだ」
結衣「私からしたらお前がそんなに悩んでる時点でもう答え出てると思うけどな」
京子「あかりと同じ答えになるか分からないし、答えが出ちゃうの怖いような気もする」
京子「答えなんて本当はなくて、自分に都合のいい言葉をただ探してるだけなのかーとか」
結衣「うわぁ完全に少女漫画モードじゃん。画材屋でハート型のトーン買ってこようか?」
京子「もう、こんなに迷走してんのになんでちゃんと受け答えしてくんないの」
結衣「じゃあこんなんどうですか」
ギュー
京子「ちょっ、結衣さん……」
結衣「どう?落ち着く?」
京子「うん。心がスーッとする」
結衣「そうか」
④
京子「結衣はお母さんみたいだね」
結衣「せめてお姉ちゃんにしてくれ」
京子「ねぇお母さん」
結衣「はいはい」
京子「あかりちゃん、ちゃんと私の気持ち受け止めてくれたかな?」
結衣「それはお前が一番分かってるだろ?」
京子「うん。私が好きって言った時あかりの目すごく真剣だった」
結衣「じゃあ何をそんなに怖がるの?」
京子「私ばっかり好きだって気持ちが強すぎて、あかりに負担にならないかなって」
京子「今までの『あかりの京子ちゃん』はもういなくなったから」
京子「それが悪い影響与えたりしないかなって」
結衣「そうだな、私から見ると京子とあかりは歩く速度は違うと思う」
京子「速度?」
結衣「そう、速さはね。京子はちょっと早足であかりの先を進んでる」
結衣「あかりはひとつ年下ってのもあるし遅れ気味だね」
結衣「でもちゃんと京子の後ろ姿を見つめて同じ道を歩いてるよ」
京子「そうかな」
結衣「そうだよ。向かっている先は、辿り着く場所は同じだから」
結衣「今はちゃんと自分自身と向き合って、焦らずに一歩ずつ進むこと」
結衣「あかりと一緒にね」
京子「ゆいいい」
結衣「泣くことないだろ」
京子「安心したら涙が出てきたんだよぉ」
結衣「柄にもなく考えすぎて周りも見えずに大泣きね……。ちなつちゃん、こいつのことどう思う?」
ちなつ「いつもの京子先輩よりはだーいぶマシですかね」
京あか!?
京あかなんですか?
やったー
ちなつおったんかい!
結衣「ヒュー。辛口だこと」
ちなつ「ま、これを機会に素直になるべきですよ」
結衣「そうだね。ちなつちゃん心配してたもんね」
ちなつ「ちょ、私はただウジウジしてた京子先輩が嫌だっただけです」
結衣「しかし京子をこれほど女の子にしてしまうとは」
ちなつ「あかりちゃんは中々の悪女ですね」
結衣「京子限定の小悪魔。いや悪魔みたいな天使かな」
ちなつ「詩的な先輩もクールで好きです」
ちなつ「あ、そうだ。私お姉ちゃんからCD借りてきたんです」
結衣「じゃあ聞こうか」
ちなつ「はいっ」
♪~
ちなつ「ニャーニャニャーニャニャニャー♪」
京子「ニャーニャニャーニャニー♪」
ちなつ「ラブイズオールゆーい」
結衣「///」
ちなつ「作戦通り(ニヤ」
おわり
っしゃあー全部投下できた!!
支援の方、読んでくれた方ありがとうございました
乙ー
質問いい?
ウーピー「どうぞ」
乙
ちなちゅ小悪魔
>>142
どうぞ
乙乙
さるさんくらわないかと、心配だったが無事終わってよかった
電車降りる時に京子があかりに返事しなかったのはなんで?
あと最後の曲知りたい
ちなつはどこまで計画してたのかとか
京あかいいねいいね
乙
手うが!!
ナイス京あか~
>>148
返事→降りる寸前だったから
最後にちなつがかけた曲はビートルズのAll You Need Is Love
ちなつはサビの「Love is all you need」の部分を替え歌しました(いつもの結衣先輩大好きアピールです)
計画性はどうだろう……
なんせちなつですしね
おつー
映画とは無関係だったんだね結局
ウーピー・ゴールドバーグは出てこなかったな
乙!
おーつ
今から読む
乙
乙だよぉ
京あかいいよね
来た
チーナかわいい
乙
ゆれた
あかり健気だなぁ
読むか
海で遊ぶ所いいねー
2時間以上前に終わったスレにいつまでレスつけてんだ
さっさと落とせ
しっとりしっとり
おつ
!ninja
このあと結衣とちなつがウフフするんですか?
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