モバP「幸子と振り返る1年」 (55)

モバP「幸子と振り返る1年」

「ボクが一番カワイイに決まってますよ」

「すぐに売れっ子になりますよ!」

「もっとボクをプッシュして下さい!」

自信家、あるいは世間知らずの我侭。これが第一印象だった。



幸子「ボクは天使だから空から舞い降りなければいけませんね!」

幸子の印象が変わるきっかけはこの一言だった。

幸子「ま、まっままさか本当に空から降りることになるとは、おっ、おお思いませんでしたよ!」

アレハナンダー?
ソレヲトンデルゾー
トリ?イヤ、ヒコウキダ!
イヤ、アレハ…

幸子「みんなボクの登場で歓声が割れんばかりですね!
こんなサプライズ演出が決まるなんて、さすがボクです!」

サチコダーーーーー!!!
ウォーーーーー!サチコーーーーーーー!!
ウォオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!

幸子「プロデューサーさんには感謝してもらうべきですね…
えっ、これで歌うんですか!?」

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──幸子 in the skyのライブ終了後

P「お疲れ、ライブ良かったぞ!観客もこれ以上ないくらい盛り上がってたしな!!」

幸子「ボクが登場したんだから当然ですね!ところでプロデューサーさん」

P「ん?ああ喉乾いたか?水でいいならあるぞ」

幸子「いえ、飲み物は後でいいです」

P「ああ、打ち上げか?幸子は酒はいけるクチか?」

幸子「いける訳ないでしょ!?ボクは未成年ですよ!それよりも…」

P「冗談だよ、覚えてるって。
ライブが成功した時にお願いがあるって約束してたよな」

幸子「いや、それもですけど」

P「何でもお願い聞くって言っても、あまり高価なものが欲しいとか勘弁してくれよ」

幸子「……分かってて言ってますよね?」

P「うん」

幸子「怒りますよ?」

P「そんな操り人形みたいな姿勢で怒られてもなぁ」

幸子「早くパラシュートほどいて下さいよ!」

P「ここからの眺めは絶景だから、もうちょっと見ていたい」

幸子「プロデューサーさんが下から見上げるその角度、犯罪的ですね!
いいから早く下ろしてください!!」ジタバタ

P「今スタッフが外すから暴れるなって」

ビキビキ…

幸子「え?」

バキン!!

P「幸子!?危ない!!!」ダッ!!

ドスン!!!

幸子「ぁ……ぅぅっ……」

P「幸子しっかりしろ、おい!誰か!!救急車呼んでくれ!!!」


ピーポーピーポーピーポー……

──病院にて

P「先生、幸子の容態は…!」

医者「落ちた時に手からついたのは不幸中の幸いでしたね。
右腕は骨折してますが、左手と足は捻挫くらいで後遺症はまずないでしょう」

P「はぁあああ……それは良かった」

医者「ただしばらくは生活が不自由でしょうから、家族の方が支えてあげてください」

P「分かりました、ありがとうございます。
とりあえず一安心だな。事務所にも連絡いれて来るか……」

ちひろ「それじゃ両腕の怪我だけで済んだんですね」

P「後遺症も心配ないんですが、ただ……」

ちひろ「ただ?」

P「幸子が実家に戻るのを拒んでるんですよね」

ちひろ「なんでまた?」

幸子『ラジオの仕事が入っているじゃないですか!
それにライブ中に怪我したなんて言ったら、親が今後のアイドル活動に反対しそうですし……」

P「そうは言ってもなあ、流石に怪我の報告はするぞ?」

幸子「骨折したくらいなら何でもないです!
プロデューサーさんが来てくれるなら考えなくもないですけど』

P「仕事あるのに無茶言うなよ……」

幸子「とにかく絶対イヤですから!」

P「っていうのが本人の言い分なんですけど。
仕事休めって言っても聞く様子がなくて…」

ちひろ(ああ、実家に戻るとプロデューサーさんと会えないのが嫌なのね)

P「とは言え、あいつ都内にいる時は一人暮らしのはずなので、どうしようかと」

ちひろ「え?寮じゃないんですか?」

P「親が都内のマンションを一部屋借りてるらしいです。
うちに来る前は埼玉で活動してましたし」

ちひろ「14歳で一人暮らしっていうのも、不用心ですね…
あ、そうだ。プロデューサーは幸子ちゃんの担当ですよね」

P「今更なんです?」

ちひろ「だったら簡単じゃないですか。
プロデューサーさんがお世話してあげればいいんですよ」

P「What?何言っちゃってるの、この守銭奴」

ちひろ「思った事そのまま口にして出しましたね、今?
報復は後でするとして、その方が色々都合がいいと思ったんですけど」

P「いやいや、良いわけないでしょう!」

ちひろ「幸子ちゃん両腕骨折ですよね?
だとすると、普段の生活すら満足に送れませんよ?」

P「それはそうでしょうけど、ちゃんと介護関係の業者に頼めば…」

ちひろ「ヘルパー頼むのも結構金かかりますよ?
親御さんに頼んだら怪我の程度が知られますし、プロデューサーさん負担します?」

P「経費で…」

ちひろ「出すと思います?」

P「この鬼!悪魔!ちひろ!」

ちひろ「報復はするって言いましたよね?(ニッコリ)
幸子ちゃんのお世話してあげるなら、その間有給出しますよ?」

P「幸子本人が嫌がるでしょうに」

ちひろ「もう本人の許可は取ってます」

P「手配済みかよ!」

P「そんな訳で幸子の身の回りのお世話をすることになってしまった……」

幸子「ボクのお世話ができるなんて光栄ですね!プロデューサーさん」

P「身の回りの世話と言っても何をしていいのか…」

幸子「そうですね…なら、始めに食事作ってもらえます?」

P「まあライブ終わりからドタバタしてたもんな、どれにする?」ガサゴソ

幸子「何言ってるんです?」

P「いや、スーパーで色々買ってきたんだけど」

幸子「ボクは作ってくださいって言ってるんですよ?」

P「え?いやいやいや、俺まともに料理なんてした事ないぞ」

幸子「大体プロデューサーさん。ボクが両腕怪我してるって分かってます?
なんで箸使わないといけないような弁当買ってくるんですか」

P「あ」

幸子「ハァ…本当にダメなプロデューサーさんですね」

P「すまん…スプーンでなら食べられそうか?」

幸子「左手はギブスじゃないので。持ちにくいですけど、動かせないほどじゃないですね」

P「じゃ、簡単なものでよければ作ってくるよ」

幸子「これがプロデューサーさんの手料理ですか。
チャーハンと切った野菜を入れただけのコンソメスープ…料理下手な人の見本みたいですね」

P「自慢じゃないが、炒飯とカレーと丼ものくらいしか作れないぞ」

幸子「……いくらなんでもレパートリー少なすぎませんか?」

P「自分でもそう思うが、男の料理なんてこれだけでも十分だからなぁ。あとは酒のツマミ」

幸子「プロデューサーさんがどうしてもっていうなら、優しくてカワイイボクがお弁当作ってきてあげてもいいですよ?」

P「いや、いいよ。そこまで気を使わせても悪いしな」

幸子「そうですか……ならいいです!さっさとご飯にしましょう!」

P「どうした?急に不機嫌になって」

幸子「なんでもありません!冷めないうちにいただきます!」

P「おう、召し上がれ」

──食後

幸子「ご馳走さま」

P「お粗末様でした」

幸子「本当にお粗末でしたけどね、ちゃんと味付けしてます?」

P「めんつゆは使ったぞ」

幸子「…本当に料理しないんですね」

P「自分で作る分には腹さえ満たせればなんでもいいからなぁ。
食生活は外食かレトルトだし」

幸子「本当にいつか体壊しますよ」

P「かもなー」

幸子「やっぱり今度弁当作ってきてあげます。
プロデューサーさんに倒れられても困りますしね」

P「いや、大丈夫だって。
幸子も忙しいのにそんな事で手間かけるのは申し訳ないし」

幸子「…そうですか、ボクはお風呂沸かしてくるので食器洗っておいてください!」

P「? ああ、分かった」

──幸子 IN 風呂場

幸子「せっかく手料理作ってあげるって言ってるのに鈍感ですね、まったく」

P「ん?何か言ったかー?」

幸子「別に何も!
……カワイイボクの誘いを断わるなんて、
プロデューサーさんを懲らしめてやらないといけませんね」

幸子「といっても家事は…夕飯は今終えたばかり。
洗い物は今やってますし、掃除…も部屋は整理整頓してる」

幸子「買い物…はしてきたって言ってましたね。
服とか買おうにも、ギブス取れないと……」

       |
   \  __  /
   _ (m) _ピコーン
      |ミ|
   /  .`´  \

幸子「コレだ!」

P「幸子ー、洗い物終わったぞー」

幸子「それじゃ、こっちに来てください」

P「どうした?」

幸子「ボクはお風呂沸いたから今から入りますので」

P「その手で大丈夫か?」

幸子「何言ってるんですか?」

P「え?」

幸子「ボクは手を怪我してるんですよ?服を脱がせてくださいよ」フフーンッ

P「イヤイヤイヤ!それはマズイだろ!?」

幸子「どうしてです?」

P「どうしてってお前もアイドルなんだから、男の前で服を脱ぐのは…」

幸子「ボクがいくらカワイイといってもまだ14歳ですよ?
プロデューサーさんは、まさかロリコン趣味の変態なんですか?」チラッ

P「スカートチラチラすんな、そんな訳ないだろ!」

幸子「だったら問題ないじゃないですか。
まさか女の子の体見るの始めてなんですか?」ニヤニヤ

P「どどどどど童貞ちゃうわ!」

幸子「…ボクそこまで言ってませんけど」

P「Oh…」

幸子「(童貞なんだ)ホラ、脱がせてくださいよ。
ずっとお風呂場にいたら風邪引いちゃいます」

P「……分かったよ、せめて後ろ向け」

幸子「はいはい、これでいいですか?」

P「くっ…(見ないように見ないように…)」

幸子(顔を背けてて気づいてないけど、ボクからは風呂場に置いてる鏡からプロデューサーさんの様子丸見えです)

P(あれ?ボタンがなかなか外れない)

幸子(女性用のブラウスだから男物とボタン逆なのに気づいてませんね…ププッ)

幸子「早くしてくださいよ?」

P「分かってるって!…ボタンが外れにくいんだよ」

幸子「これ女性服ですけど」

P「…あ」

幸子「本当にプロデューサーさんはダメダメですね」

P(利き腕と変わるだけでボタンがはずしにくいな)

幸子(ボタンを外そうと覗き込んでますね…更にからかってみましょうか)

シュルッ

P「ちょっ!脱ぐな!?」

幸子「イヤらしい人ですね、どこ見てるんですか?(クスクス」

P「お前が見せてるんだろ…」

幸子(といいつつ、顔が赤いプロデューサーさん。
いくらボクがカワイイとはいえ、分かりやすい人です)

幸子「スカートもお願いしますよ、フック外すだけですから」

P「わかってる(ヤバイ、女の子の服脱がす背徳感ハンパない)」

パサッ

マジか
同ナンバー消しが全くなくて蟹とか入れてたのがいかんのか

P(これで完全に下着姿に、後ろ向きだと却って想像力が働いてエロい
……って、いやいやいや。何考えてるの俺!幸子はアイドルだぞ!?)

幸子(慌てて後ろに向き直しましたね…ここらでダメ押しといきましょう)

幸子「プロデューサーさん」

P「なんだよ?服は脱がせただろ」

幸子「靴下も脱がせてくださいよ」

P(忘れてた…下着姿の幸子を見上げない様に…)

幸子(靴下を脱がそうとプロデューサーさんが跪く姿、実に征服感がありますね!)

スルスルッ

P(ふぅ、やっと終わった)

幸子(見上げたら色々からかうつもりだったのに……あれ、ブラが外しにくい……)

P「じゃ、俺は向こうの部屋にいるから……」ソソクサ

幸子「ま、待ってください!」

P「なんだよ!?まだ何か……!」

幸子「し、下着も脱がせてください!」

P(うっひょー!モジモジしてる下着姿の幸子……え?)

P「いやいやいやいやいや、幸子ちゃん!?何言っちゃてるの!?」

幸子「口調がおかしいですよ」

P「いや、そんな事どうでも良くて、さすがに下着はまずいだろ!?
捕まっちゃうよ!?オレ!いや、捕まっちゃうの!?」

幸子「なんで疑問系に直したんですか。
流石に下は自分で脱ぎますけど、ブラのホックが外せないんです」

P「あー……それはそうか」カチカチッ

P(ヤバイ、俺と幸子の身長差だと後ろからでも余裕でおっぱい見える。
っていうかこのままブラ外すと間違いなく、B地区見える)

幸子「……目がイヤラシイですよ、プロデューサーさん。
本当に通報しましょうか」

P「それだけは勘弁してください」

幸子「いいから、早く外してくださいよ」

P「そんな事言われたって目のやり場に困るんだが……」

幸子「しゃがめばいいでしょう」

P「その発想はなかった……ところで幸子」

幸子「なんです?」

P「もしかして、ブラつける時も俺がやる必要あるのか?」

幸子「フロントホックじゃないだけ、マシだと思ってください」

P「フロントホック?」

幸子「前で止めるブラジャーです」

P(アカン、そんなの確実に息子が反応する。
いや、今もスーパーキノコを取ったマリオくらい反応してるけど)

輝子「キノコ!?」

P「今何か声聞こえなかったか?」

幸子「気のせいじゃないですか?」

カチッ

P「やっと外れた……じゃ、今度こそ俺は向こうの部屋にいるからな」

幸子「ええ、勝手に部屋のものに触らないでくださいよ」

P「OK、フリだな?」

幸子「ボクの携帯、早苗さんのアドレスも入ってます」

P「マジですみませんでした」

幸子「はぁ…蛇口ひねるのも一苦労ですね」

キュッ

ザーッ

幸子「とりあえず髪から……あっ」

幸子(この手じゃ洗えない!)

幸子(濯ぐだけなら……でも、ライブ後だから髪もベタついてるし)

幸子「仕方ない……プロデューサーさん!来てください!!」

P「どうした?」

幸子「バスタオル取ってください」

P「うん、もう風呂上がるのか?」

幸子「手がこれじゃ洗えないんですよ」

P「ああ、確かに」

幸子「……」

P「……ん?どうした?」

幸子「気が利かないですね、プロデューサーさんは」

P「どういう事?」

幸子「プロデューサーさんに体洗ってくださいって言ってるんです!」

P「」

P「おおおおお、落ち着け!うろたえるんじゃない!惑わされるなー!!!」

幸子「プロデューサーさんが落ち着いてください」

P「流石にそれはまずいだろ!?」

幸子「仕方ないじゃないですか!この手でどうやって洗えって言うんです!?」

P「ね、念力とか」

幸子「真面目にボクは話してるんです!
念力使えるアイドルなんている訳ないじゃないですか!」

P「いや、ほらスプーン曲げやってる裕子とか」

幸子「あんなの単なる指の力じゃないですか!寒いんだから早くしてください!!」

P「お、おう」

P(押し切られて風呂場に入ってしまったがマジでどうしよう……)

幸子「ボーッとしてないで早く洗ってくださいよ」

P(やるしかないのか。
バスタオル巻いてるとはいえ、この下は幸子何も着てないんだよなぁ)

P「(ええい!覚悟を決めよう)幸子スポンジは?」

幸子「ありませんよ?」

P「え?」

幸子「スポンジはボクの柔肌に合わないので使ってません」

P「いやいやいやいやいやいや!?
それはまずいだろ!どうやって普段洗ってるんだよ!?」

幸子「それはいつも手で……あ」カァァァァッ

P(やっと気づいたらしい)

幸子「ほ、本当にデリカシーのない人ですね!プロデューサーさんは」

P「俺のせい!?ともかく今日は体洗うの諦めて……」

幸子「嫌ですよ!
ライブ終わりで身体中ベタついてるのに、シャワーだけで済ませって言うんですか!?」

P「仕方ないだろ」

幸子「プロデューサーさんはボクのお世話をするって言ったんだから、ボクの要望を聞くべきです!」

P「他に何かいい方法あるのか?」

幸子「ぷ、プロデューサーさんが手で洗ってくれればいいんですよ!」

( Д ) ゚ ゚

P「いやいや、大問題だろ!?今日はおとなしくシャワーだけにしておけって!!」

幸子「ちゃんと目隠ししてくださいね!」

P「やるのは決定なのかよ!?」

* * *

P(悪魔…訂正してお詫びします、ちひろの誘惑にも流されない決断力が欲しいと思う今日この頃です)

幸子「本当に見えてませんよね、プロデューサーさん?」

P「明かりがあるのはわかるが、それ以外は全く」

P(結局幸子の言う通り、目隠しして洗う羽目に)

幸子「ボディソープはこれです」

P「目隠ししてるからどこ洗えばいいのかわからないんだけど」

幸子「背中から洗ってください。もっと右です」

P「ここか」

幸子「きゃっ!?」

P「変な声出すなよ!?」

幸子「プロデューサーさんがいきなり肩を掴むからじゃないですか!」

P「見えないんだから仕方ないだろ」ゴシゴシ

幸子「ぅ……ん……」

P「変な声出すなって(下半身のpが立ち上がっちゃうから!)」

幸子「だ、出してませんよ……ん……背中はもういいので、腕お願いします」

P「肩がこの辺だから……ここか」ゴシゴシ

幸子「ちゃんと洗ってくださいね?汗疹になっても困るので」

P「幸子は肌も綺麗だもんな」

幸子「ボクはカワイイので当然です」ドヤァッ!

P(脇はこの辺か?)

幸子「ふぁっ……ど、どこ触ってるんですか!?」

P「どこって言われても良くわからん……多分脇の辺りだと思うが」サスサス

幸子「ちょっ、ちょっと待ってください!」

P「俺だって早く終わらせたいんだよ!(精神的に耐えられそうにない意味で)」

幸子「だからって触り方がやらしいですよ!」

P「いや、どこ触っているのかサッパリなんだが……」ムニュムニュ

幸子「ぁっ…ダメ……」

P(変な声出すなあああああああ!!いや、モチツケ!KOOLになりゅんだ!!
無心で洗うんだ!とにかく洗って早く出るんだ!!)ゴシゴシ

幸子「ひぅん!?ちょっとプロデューサーさん!乱暴にしないで……」

P(無心で洗うんだ……無心で……)ゴシゴシ

幸子「はぁ……ん……!」ビクンッ

P「……そろそろいいだろう、洗い終わったから俺出るぞ?」

幸子「……」

P「幸子?」

幸子「……」

P「おいどうした!?目隠し取るぞ!?」

P(こ、これは……)

幸子「ハァ…ハァ…ハァ……」

P(はだけたバスタオル……赤らんだ表情、呼吸を荒げる幸子……
この状況から導き出される答えは一つ!!)

P「……幸子、のぼせたか?」

幸子「誰のせいだと思ってるんです!?」


P(幸子に土下座させられた……何がいけなかったのか)

幸子「さっさと着替えさせてください、プロデューサーさん」

P「はいはい……」

幸子「『はい』は1回でいいです」

P(パジャマが普通だったのは幸いだった。
ネグリジェとかだったらどうしようかと)

幸子「ところで今何時です?」

P「えーっと…9時過ぎだな」

幸子「そうですか……そろそろ寝ましょうか」

P「もう寝るのか?」

幸子「この手じゃノートの清書も厳しいのでやることないじゃないですか」

P「それもそうだが。じゃ、俺は帰るよ」

幸子「何を言ってるんです?」

P「え?」

幸子「プロデューサーさんは今日泊まっていくってちひろさんに聞いてますけど」

P「( Д )        ゚ ゚」

P「いやいやいやいやいあいあ、落ち着いて!?ドイツ軍人はうろたえ無い!!」

幸子「ボク日本人ですけど」

P「それはダメだろ!アイドルの家に立ち入ってるだけでもまずいのに泊まりとか!」

幸子「両手が不自由なボクを置いて帰るなんて薄情な人ですね!」

P「いや、でも」

幸子「『でも』も何もありません!
プロデューサーさんは何でもするって言ったんだから、ちゃんとお世話してください」

P(いや、何でもするとは言ってないんだが……あの邪悪の根源がそう伝えたんだろなぁ)



──その頃の諸悪の根源

ちひろ「くしゅんっ!」


P(結局3時間の交渉の末、終電がなくなり泊まる羽目になった……)

幸子「全くプロデューサーさんは強情ですね!」

P(ベットは一つしかないから、同じ毛布で寝る羽目に。
せめて別の部屋で寝ようとしたら……)

幸子『童貞のプロデューサーさんに襲い掛かる度胸あると思えないから別にいいですよ』

P(などと言われる始末、事実だから反論できなかったけどな!)

幸子「プロデューサーさん、電気消すから早くベットに来て下さい」

P(聞こえようによっては凄いエロいセリフだよな……
まあそんなシチュエーションに出会ったことないけど)

P「それじゃ、お休み」

幸子「ええ、お休みなさい。プロデューサーさん」パチッ

……

P(ダメだ、目を閉じても隣に幸子がいる緊張で全然眠れん……
女の子ってこんなイイ匂いするんだなー)

ゴソゴソッ

幸子「プロデューサーさん起きてますか?」

P(ん?)

幸子「ちゃんと寝てるようですね」

P(いや、起きてるんだが……何と無くバツが悪くて狸寝入りしてしまった)

幸子「ごめんなさい」ボソッ

P(え?)

幸子「ボクがちゃんと着地していれば良かったのに、失敗して」

P(……)

幸子「せっかくの大舞台用意してくれたのに、怪我して返って迷惑かけるなんて……」ギュッ

P「そんなことないぞ、幸子ぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!!!!」

幸子「ふぎゃあ!?……え!?プロデューサーさん起きて……!??」

P「お前は良くやってくれた!
一人のスカイダイビングでステージまで無事辿り着いてくれたんだから!!」

幸子「く、苦しいですよ!?プロデューサーさん」

P「怪我までさせてごめんなあああああ!!!
何て謝ればいいのか、弁解の余地もねえよおおおおおおお!!!!
命に別状なくて本当に良かった!!お前にもしものことがあったら俺は……!!!」

幸子「ぷ、ぷぷプロデューサーさん!ボクは大丈夫ですから落ち着いてください!!」

幸子「……落ち着きましたか?」

P「はい……」

幸子「本当、プロデューサーさんはダメダメですね。
怪我人より慌ててどうするんですか、それも怪我してから半日もすぎてるのに」

P「人前じゃ冷静にならないとと思って。
さっき幸子の謝罪聞いたら、堪えてたものが一気にこうブワッと」

幸子「あ、あれは……忘れてください!」

P「それは無理、一生覚えていられるレベルで可愛かった」

幸子「」

P「ん?幸子どうした?」

幸子「も、もう一回言ってください!」

P「ああ、幸子はカワイイ」

幸子「……もっと」

P「幸子は本当カワイイ」

幸子「フ、フフーン!今頃気づくなんてプロデューサーさんは鈍感ですね!」

P「本当にな、最初はただの世間知らずの自惚れ屋だと思ってた」

幸子「……ひどくありませんか?」

P「お前より上のアイドルなんていくらでもいるんだと思っててな。
取り敢えず負けさせて自分の実力を分からせようと格上ばかりとライブを組んでたな」

幸子「埼玉とか雛祭りとかの頃ですね」

P「無論、知名度をあげるPRでもあったんだが。
それでも幸子が勝てるようになるのは大分先だろうと思ってた」

幸子「フフーン♪プロデューサーさんは見る目がないですね」

P「全く……幸子は何度負けても相手やスタッフのせいにしなかったよな」

幸子「当たり前じゃないですか」

P「腐ることもなく、練習をひたすら続けてたな」

幸子「当然です!カワイイボクはレッスンも怠らないので」

P「スカイダイビングもがんばってくれたよな」

幸子「ボクにかかれば余裕でしたけどね!」

P「ああ、幸子はいつも頑張ってるもんな」ナデナデ

幸子「……」

P「ん?撫でられるのは嫌だったか?」

幸子「いえ、もっとカワイイボクにご褒美とかくれてもいいんですよ?プロデューサーさん」

P「そうだな……怪我させたお詫びも兼ねて、またどこか食事や買い物にでかけるか?」

幸子「ショッピングもいいですけど、腕が治ったら行きたいところがあります」

P「どこだ?」

幸子「……遊園地がいいです」

P「よし、それじゃ治ったら必ず行こうな」

幸子「ちゃんとボクをエスコートしてくださいよ?」

P「おう……そろそろ寝るか」

幸子「そうですね、寝不足になりそうですし」

P「おやすみ、幸子」

幸子「おやすみなさい、プロデューサーさん」

1日目……終わり

続きは後日投下します
誤爆して申し訳ありませんでしたorz

乙乙!さっちゃん誕生日おめでとう!

おつー

SS書いてる間に新SRがくるなんて・・・ストーリーに追加しなきゃ(使命感

はよ

無理しなくていいんだからな
予定が崩壊しないようにだけは気を付けて期待してる

土日で仕上げるつもりも遅くなりましたが、続き投下します

P(あれから二ヶ月…幸子の怪我は手以外はおおむね完治した。
以前のようにヘルパーする必要もなく、もう大丈夫ということで自宅に戻っていたんだが……)

P「なんで幸子、お前俺のアパートにいるの?というか何でうちの住所知ってるの?」

幸子「ちひろさんに聞きました。オフなのにどこにも行かずに済ませるつもりですか?」

P「偶の休みなんだし、杏よろしく家でゴロゴロしようかと」

幸子「せっかくボクがオシャレしてきたんだから遊園地くらい連れてってください!」

P「いいよ」

幸子「物分りが良くてよろしいです♪流石ボクのプロデューサーさんなだけはありますね」

P「怪我してたとき、約束してたものな。それでどこだ?」

幸子「え?」

P「いや、遊園地の場所。どこの遊園地に行きたいんだ?」

幸子「えーっと……」

P「何も考えてなかったのか……」

幸子「ふ、普通デートのプランとか男の人が考えるものですよ!」

P「え?デート?」

幸子「ち、違います!あーもう!何でもいいからどこかボクを連れて行く場所を決めてください」

P「そうはいってもな、アイドルと出かけてもスキャンダルされない遊園地なんて……あるわ」

幸子「どこです?」

P「今度のイベントに使う撮影スタジオがある遊園地」

幸子「カワイイだけじゃなく、ボクにふさわしいセクシーなドレスを用意してもらう予定のイベントですね」

P「まだ衣装は出来てないけど……最悪写真取られても下見ってことで誤魔化せるだろ」

幸子「ボクのことをスキャンダルから守るのも仕事のうちですよ」

P「はいはい」

幸子「『はい』は一回でいいです」

P「はいはい、車出すから早く乗ってくれ」

幸子「あ、待ってくださいよ!」

<テテテテッテテテテッテレテッテテー♪

ワイワイガヤガヤ

幸子「こんなカワイイボクと二人きりで遊園地に来られるなんて幸せものですね!」

P「ちょっと待ってくれ、流石に疲れた……」

幸子「ボクは優しいので、はぐれないように手をつないであげますよ!」

P「いや、手を引くより休ませて……」

幸子「だらしないですよ!プロデューサーさん。次はあれがいいですね!ほら早く!」

P「アレって……絶叫マシーンだぞ?大丈夫なのか」

幸子「ボ、ボクはスカイダイビングしたくらいなのでぜ、全然余裕ですよ!」

P(ん……レインコート?)

幸子「さあ早く行きますよ」

P(一応スーツできたし、濡らしたくないから貰っていくか)

<ピピーッ!ガシャーン!!

幸子「ぜ、絶叫マシーンに乗ってもボクはこんなに余裕ですよ!聞いてますか?プロデューサーさん」

P「ああ、聞いてる聞いてる」

幸子「プロデューサーさん、さっきからチラチラボクを見て何を気にしてるんです?
あ、わかりましたよ!ボクがカワイイから見たいんですね?遠慮なんか……あれ?」

P「ん?どうした」

幸子「なんでレインコート着てるんですか?」

P「それはな、このジェットコースターの売りが」

<ザバーン!!

幸子「ガボゴボガボゴボボ!」

P「とまあ、こういう訳だ」

幸子「な、なんなんですか!?この水は!」

P「こういう売りのコースターなんだよ」

幸子「き、聞いてませんよ!?それになんですか!
プロデューサーさん、自分だけレインコート被って!」

P「水も滴るいい女ってやつだな」

幸子「こんなびしょ濡れになってもボクはカワイイですからね!
でも流石にもっとボクを大事にしてくれても……」

P「あ、またくるぞ」

<ザッパーン!!

幸子「ふぇ?また!?フギャー!!」

<ゴトウジョウ アリガトウ ゴザイマシタ オオリノサイ アシモト ニ オキヲツケ…

幸子「サプライズの演出が得意ですね……驚きましたよプロデューサーさん!」

P「そうか。楽しんでもらえたようで何よりだ」

幸子「ええ!ですからもう一度乗りましょう!」

P「え?」

<ゴトウジョウ アリガトウ ゴザイマシタ

P「何で俺までびしょ濡れに……」

幸子「フフーン♪ボクを濡らした罰です!」ドヤァ!

P「幸子は水に濡れた姿もセクシーだと思ってな」

幸子「当然ですよ!ボクを誰だと思ってるんですか!」

P「しかし、流石に寒くなってきた……」

幸子「プロデューサーさん…その上着を…貸してくれてもいいですよ?」

P「ずぶ濡れで防寒としては使い物にならんぞ」

幸子「ハ…クシュン!」

P「幸子大丈夫か?……悪乗りしすぎたな。一回スタジオ行くか」

幸子「スタジオ?」

P「シャワールームがある。ちょっと借りてこう」

──撮影スタジオ

幸子「流石にこの辺は静かですね」

P「スタッフくらいしか来ないからな」ガチャガチャ

P(今の鍵開ける音がガチャ回す音に聞こえてきた……末期だ)

幸子「プロデューサーさん?早く電気つけてくださいよ」

P「あぁ、悪い悪い。先浴びてきていいぞ」

幸子「……」

P「どうした?」

幸子「また一緒に入りません?」

P「( Д )      ゚ ゚」

幸子「ち、違いますよ!シャワー室は個別に区切られてますから!
バスタオル巻けば見えません」

P「ああ、そういうことか。でもなぁ……」

幸子「ボクはカワイイだけじゃなくて優しいので。
このままプロデューサーさんが風邪引いたら可哀想ですから」

P(この間のお風呂と違ってバスタオルあるだけいいか)

P(シャワールームは区切られていた。確かに区切られていたんだが……)

幸子「~♪」

P(何で磨りガラスなんだ!肌色が見える分、余計想像力が掻き立てられる!)

幸子「あれ?」

P「どうした?」

幸子「そっちにリンスあります?こっちの中身が空っぽなので」

P「ああ、こっちの使っていいぞ。俺使わないし」

幸子「それじゃ、借りますね」

P(幸子が磨りガラスに近づいたことで体の輪郭がくっきり浮かぶ!
っていうかピンクの突起が見える!バスタオル巻いとけよ!?無防備すぎるだろ!)

………

幸子「ふぅ、サッパリしましたね」

P「……ふぅ」

幸子「プロデューサーさん?」

P「ん?ああなんでもないぞ」

P(賢者モードになってから気づいた。俺が幸子の隣のシャワーを使わなければ良かったんだ)

幸子「ついでですし、撮影スタジオ見に行っていいですか?」

P「鍵はあるからいいけど、準備できてるかわからんぞ」

幸子「場所覚えておきたいので、カワイイボクは予習復習も欠かさないんです」

<ガチャガチャ バタン

P「お邪魔しまーす……スタッフは誰もいないか」

幸子「あ、スタジオの準備終わってるじゃないですか」

P「だな……この椅子も幸子のネームプレート入ってるし」

幸子「この紫のドレスがボクの衣装ですか?」

P「ああ」

幸子「ちょっと着てみましょうか」

P「え?」

幸子「今日ボクに付き合ってくれた御礼にボクのドレス姿を一番始めに見せてあげます。嬉しいでしょ?」

P「着るのはいいけど……汚さないようにしろよ?」

幸子「大丈夫ですよ。ボクが着替える間、プロデューサーさんは飲み物でも買ってきてください」

P「飲み物?」

幸子「喉が乾きました」

P「じゃ買ってくるよ。お汁粉とコーンポタージュどっちがいい?」

幸子「なんで喉が乾いてるのにその二つなんですか!?
ボクが欲しいのは普通の飲み物です!」

P「はいはい」


P「おーい、飲み物買ってきたぞー」

幸子「遅いですよ、プロデューサーさん」

P「おぉ」

幸子「どうですか?溢れるセクシーな魅力がどんな人も虜にしますよ!」

P「で、緑茶と紅茶どっちにする?」

幸子「飲み物のことなんか後回しでいいです!いいからこのボクを褒めてください!」

P「うん、似合ってる」

幸子「フフーン♪当然ですね!」

P(大きめの髪飾りや金の装飾、紫のドレスっていうのは派手になりがちだが、
幸子の場合、自身の髪の色も合間って非常に映える。
小柄な幸子がいつもよりグッと大人っぽく見えるな)

幸子「今のボクは気分がいいので、プロデューサーさんにご褒美をあげます」

P「褒美?」

幸子「ボクにずっと仕える権利です!嬉しいですよね?ふふーん♪」

P(よっぽど嬉しかったのか、はしゃいでるな。乗ってやるか。
膝をついて幸子の手を取って……)

P「光栄です、お姫様」チュッ

幸子「なっ……!?ボ…ボクにお姫様扱いじゃ足りません!」

P「それじゃどうすればいい?」ニヤニヤ

幸子「ボクのようなカワイくて選ばれし者の前ではみんな跪かなきゃいけないんですが、
特別に横に立つことを許してあげます♪カメラありますか?」

P「ああ、あるぞ」

幸子「一緒に撮ってあげます」

P「そうか、それじゃタイマーにして撮るぞ」

カシャ


今でもこの撮影スタジオで幸子と一緒に撮った写真は財布の中に仕舞っている。
それから一ヶ月後……

P「CDデビューの発表をする。
日野茜、安部菜々、赤城みりあ、新田美波、そして輿水幸子。
以上、ここにいる5名で第4弾のCDを発売する」

菜々「ほ、本当ですか!?本当にナナがCDデビューですか……!?
ドッキリとかじゃないですよね!?」

P「そんな悪質なドッキリ、仕事でもやらせないので安心してください。
本当にデビューです」

菜々「ふぇぇ……良かったよう……」

みりあ「菜々おねーちゃん、どうして泣いてるの?辛いことあったの?」

新田「みりあちゃん、辛いんじゃなくて嬉しくて泣いてるのよ」

菜々「うん……長年の夢だったからぁ……」

茜「まだまだ!これから歌のレッスンがありますよ!
私たちのCDデビュー成功させるため、頑張りましょう!!」

菜々「茜ちゃん……うんそうだね、ナナも頑張りますよ!」

P「うん、このメンバーなら大丈夫だろう……ってあれ?幸子は?」

みりあ「幸子ちゃんならさっき携帯持って廊下に行ったよ?」

P「そうか、ちょっと探してくる」

P(普段のあいつなら)

幸子『フフーン♪カワイイボクなんだから当然ですよ!
むしろ遅すぎたくらいですね!プロデューサーさん』

P(くらい言いそうなものなんだが無言で姿を消すなんて珍しい……)


幸子「……」

P「あの後ろ姿、おーい幸子……」

幸子「うん、CDデビュー決まりました……もうちょっと帰れないですけど」

P(電話中?相手は両親か……?)

幸子「フフーン♪カワイイボクなんだから当然ですよ!」

P(ああ、100%予想通りの台詞だわ)

幸子「うん……うん……ありがとう」グスッ

P(泣いてるな……なんだかんだ言っても普通の女の子だもんなぁ)

幸子「うん……プロデューサーさんにも感謝してます……」

P(……)

幸子「うん……なかなか伝えられないですけど……うん」

P(……こっちこそ)

幸子「うん……発売したら送りますね、ちゃんとカワイイボクの歌声聞いてくださいよ?
また電話……うん……大丈夫。そっちも気をつけてくださいね」プツッ

P「おーい、幸子」

幸子「ひゃっ!?急に背後から声かけないでくださいよ!」

P「悪い悪い。みんなレッスン行くけど、一緒にいくか?」

幸子「当然です、カワイイボクはレッスンだって欠かしませんよ!」

P「その意気で収録も頼むよ」

幸子「フフーン♪ボクの収録から耳を離さないでくださいね!」


──幸子たちのCDデビューから約半年後

ちひろ「プロデューサーさん!2周年ライブの凛ちゃん達のレッスンのスケジュール抑えられました!?」

P「抑えました!蘭子とみくはPV撮影で合流1週間遅れます!
杏ときらりは今日、ラジオ撮影なので、幸子と輝子連れてから合流します。
ちひろさんは記念グッズの発注お願いします!」

ちひろ「はい!PV撮影後、智絵里ちゃんの送り届けもお願いしますね!」

P「大丈夫です、行ってきます!」

幸子「流石に慌ただしいですね」

輝子「に、二周年ライブの準備でみんな忙しそう……幸子ちゃんも当日別のお仕事あったよね?」

幸子「ええ、クリスマスイベントですね。川島さんと城ヶ崎姉妹さん達と一緒です」

輝子「パーティーとか参加するの始めて…」

幸子「ボクも始めてですね」

P「ほら、お前らも準備終わってるならいくぞ!」

輝子「フヒ、はーい…」

幸子(クリスマスパーティー……フフーン♪いいこと思いつきましたよ!)


──クリスマスイベント当日

<お疲れ様でしたー

川島「みんなお疲れ様」

莉嘉「おつかれちゃーん☆」

美嘉「こーら、莉嘉!挨拶はちゃんとしなさい」

川島「うふっ、いいわよ。それよりみんなこの後パーティには勿論参加するんでしょ?」

幸子「あ、ボクは先に事務所に戻ってますね。
ちょっとレッスン場に忘れ物取りにいかないといけないので」

川島「あらそう?ならプロデューサーくんにはそう伝えておくわね」

莉嘉「ばいばーい!サッチー♪」

美嘉「だから挨拶はきちんと……」

幸子「それじゃお先に失礼します」

<オツカレサマー

──事務所

幸子(さて誰もいないうちに準備しないと!
ばれないように箱に隠れないといけないですからね!)

幸子式サプライズ

1・人が隠れられるくらい大きめの箱を用意します
2・その中に隠れて、自分をプレゼント

幸子(プロデューサーさんが驚く顔が楽しみですね!)



その頃のパーティ会場──

ちひろ「お疲れ様です。プレゼント出してきましたよ」

P「お疲れ様です、すみませんこっちの手続きミスで。」

ちひろ「いえいえ、ちょうど出た直後に気づいて良かったですよ。
でもあんなに大きなプレゼント箱だと思わなくって」

P「え?そんなに大きかったですっけ?」

小梅「ぷ、プロデューサー……」

P「小梅か、どうした?」

小梅「さ、幸子ちゃん見なかった……?」

P「幸子か、そういえば見てないな。どうした?」

小梅「あの子がどこにも見当たらないっていうから……ちょっと心配」

P「さっき忘れ物取りに行くって川島さんが言ってたぞ。
……ひょっとして、道に迷ったか?もし迷ってるようなら迎えに行ってくる」

小梅「……どこにいるかわかるの?」

ちひろ「未成年の子にはお仕事用の携帯支給してるでしょう?
それでチェックできるんですよ」

小梅「へえ~…」

ちひろ(プロデューサーさんの携帯GPSを逆に利用してる子もいるみたいですけど)


P「幸子の現在位置は……事務所?30分前から止まったままだ」

ちひろ「あれ?30分前なら私が荷物出した時間のはずですけどね」

P「疲れて仮眠室で寝落ちでもしたか……」

ちひろ「事務所に誰もいないと思って、暖房切ってきちゃいましたよ」

小梅「か、風邪引いちゃうかも……」

P「やっぱり迎えにいったほうが良さそうですね……ちょっと行ってきます。
二人はパーティ楽しんでおいてください」

ちひろ「わかりました。それじゃお言葉に甘えて先パーティ参加させてもらいますね」

小梅「い、いってらっしゃい~……」


<ガチャ

P「おーい幸子!」

幸子(はっ!?危うく寝るところでした!いや、寝てたかも。
酸素用の穴くらいちゃんと開けておくべきでしたね……)

P「あれ?ちひろさんプレゼント出し忘れてる……ん?こ…の……箱は……」

幸子(さあ!開けてくれていいんですよ?プロデューサーさん)

P(GPSの位置的に考えて、幸子はこの箱に隠れてたのか……
ちひろさん間違えてこっちに宅配用のシール貼ってるし、このまま放置したら大変なことになってた気がする)

P「とりあえず開けてみるか……」

幸子「ようやく世界一カワイイボクの顔を見たくなったんですね!」

P「……」パタン

幸子「ちょ、ちょっと待ってください!蓋を閉めないで!」


P「……何をやってるんだお前は」パカッ

幸子「はぁ……酸素って美味しいですね」

P「酸素用の穴くらい開けておけよ……」

幸子「蓋を閉めてから気づいたんです!そんなことよりプロデューサーさん!
メリークリスマスです!お祝いに世界一カワイイプレゼントです!」

P「……」

幸子「あんまりカワイイプレゼントで声も出ないようですね!
嬉しいでしょう?褒めてもいいんですよ?」

P「……幸子」

幸子「なんですか

P「パーティー会場は別だって知ってるか?」

幸子「え!?そういうことはもっと早く伝えてくださいよ!」

P「ちゃんと伝えたぞ。お前が遅いから迎えにきたんだよ」

幸子「いい心がけですね、流石ボクのプロデューサーさんです。
ちゃんとボクをパーティに連れて行ってくださいよ。ほら!」

P「そうだな。幸子、プレゼントって事は箱ごともらっていいんだよな?」

幸子「クリスマスだから特別ですよ?感謝してくださいね」

P「他に箱には何を入れたんだ?」

幸子「リボン解いたら畳んでください。
あと、クリスマスの飾りも入ってますよ」

P「特に壊れものはないな、台車もあるし連れていくか」

幸子「え!?このままプレゼントボックスごと!?あ、待って!蓋は閉めないで!!」


幸子「……プロデューサーさん」

P「車の荷物席からどうした?」

幸子「本当に箱に入れたまま連れていかれるとは思いませんでしたよ」パカッ

P「出てきてもいいんだぞ、今なら赤信号だし」

幸子「じゃ、助手席に行きますね」モゾモゾ

P「こういう時、体が小さいと便利だな」

幸子「すぐに大きくなりますよ」

P「大きくならない人もいるぞ」

幸子「まあそうですけど」

P「……どうした?」

幸子「何がです?」

P「ん?何か聞きたいことがありそうだったから」

幸子「……別にないですよ」

P「そうか」

幸子「……今日のイベントで配ったプレゼントって中身なんだったんです?」

P「新商品のお菓子だったかな?」

幸子「ボクは貰えたりしなかったんですかね……別にいらないですけど!」

P「プレゼントが欲しいのか?」

幸子「キラキラしたものが欲しいですね」

P「キラキラ……じゃあ、はい」

幸子「さっきの箱に入ってたクリスマスツリーの飾りじゃないですか!いらないですよ!」

P「キラキラねえ……宝石か?流石に高過ぎるものは無理だぞ」

幸子「違います、プロデューサーさんは女の子の扱いがわからないなんて可哀想ですね」

P「あー、懐かしいな」

幸子「何がです?」

P「前にもその言葉聞いたと思って」

幸子「何回も同じ忠告を言われることを恥じてください」

P「……はい」

幸子「ボクが欲しいものがわからないんですか?」

P「生憎想像がつかないな……」

幸子「仕方ないプロデューサーさんですね、全く」

P「面目ない」

幸子「そんなプロデューサーさんに宿題です」

P「宿題?」

幸子「トップアイドルになるまでにボクに一番ふさわしいプレゼントを用意しておいてくださいね。
なんせ世界一カワイイボクはすぐに売れっ子になりますから!」ニコッ

終わり

投下は以上です

本当は幸子の誕生日に間に合わせるつもりが間に合わず→SS書いてる最中に幸子がガチャに登場

という、予想外の事態で時間がかかってしまいましたが
自分ではもっと長いつもりが投下してみると意外と少なかった

幸子を運ぶとともに、html化依頼しておきます

最後に幸子誕生日とクリスマスガチャ登場おめでとう!!


よかった



(幸子との共同生活をもっとじっくりねっとり書いても)ええんやで



やっぱり幸子はカワイイ

乙良いメインヒロインしてた

おっつおっつばっちし☆

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