男「幼なじみが冷たい」(259)
いつからか、幼なじみが俺に対して冷たくなっていた。
幼なじみ「あらおはよう、偶然とはいえ朝からあなたの顔を見なくちゃならないなんて、今日は不幸だわ」
男「……おめー俺がいつもこのくらいの時間に登校すること知ってんだろ」
ホモスレ
救急車
はよ
そしてそして?
幼なじみ「なんで私があなたの登校時間なんて知らなくちゃいけないのよ、気持ち悪い。明日も、朝からあなたの顔見て一日の気分をどん底にしたくないから、あなた明日からもっと早くか遅く登校しなさい」
男「これ以上遅くしたら遅刻するぜ」
幼なじみ「すれば?それが嫌ならもっと早く登校すればいいじゃない」
言いながら、幼なじみは手元の小さな腕時計を見た。
冷たいて死んでるんじゃね?
ゾンビっ娘か
幼なじみ「もうこんな時間、あなたに会ったせいで私の登校時間にゆとりがなくなったわ。私は行くけど、あなたは私から直径二メートル以内には入らないでね、ウザイから」
男「なら早くいけよ」
幼なじみ「ああ行くわよ。これ以上あなたと顔会わせていると体調が悪くなりそうだわ」
最後まで悪態をつくと、俺が直径二メートル以内に入る隙もなく走って行ってしまった。
昔はもっと俺になついていたはずなのに……。
とぼとぼと一人で登校した。
幼馴染(64)
昼休み
学食に行くとまた幼なじみに会った。
幼なじみ「二人なんですが相席いいですか?」
男「どうぞ」
幼なじみ「そうですか、友ちゃん、ここ相席いいって」
あいつは友達と来ていた。かくいう俺もクラスの男友達と来ていたので、四人用のテーブルは空きが二席分あったのだ。
幼なじみ「ありがとうござ……って、あんただったの、うわ最悪」
男「この混み合ってる学食の中、二席分提供してやったのに、最悪はねーだろ」
こんな糞な幼馴染みは話しかけられてもシカトすればいいと思います。
幼なじみ「はいはいありがとう。あっ、友ちゃんはこっち座って、こんな奴と向かい合わせになると食欲失せちゃうわよ」
俺はどんだけなんだ。
男友達も苦笑いしてるし。
幼なじみ「学食にはいないと思ったのに、本当に不幸だわ。楽しいランチタイムがあなたのせいで最後の晩餐のような気分よ」
男「こっちだって飯食ってるときに悪態つけられたらたまんねえよ」
幼なじみ「そもそもあなた、いつもはおばさんがお弁当でしょ?どうして学食なんか利用してるのよ」
男「別にどうでもいいだろ」
幼なじみ「へぇ、そういうこと言うの。まあ別に私はあなたのことなんて知りたくもないからいいんだけど」
男「ていうかよお前、なんで学食に行くだけなのに俺が居るか居ないかを一々考えるんだよ」
幼なじみ「なに?私があなたを意識してるとかくだらないこと考えてるの?本当にバカ、あなただって不審者にはできるだけ会いたくないと警戒するでしょ、それと同じ」
パキッと小気味いい音を立てて割り箸を割る幼なじみ。彼女の前には俺と同じ定食が置いてある。
幼なじみ「あなたと同じなんて本当に最悪」
……こいつは黙って飯も食えないのか。
幼なじみ「いただきます」
悪態は堂々としてるのに、なんでそういう挨拶は小さい声なんだ。
幼なじみ「……何?」
男「別に」
幼なじみ「もしかして、あれ?女の人の食事する姿に欲情する人なの、あんた。気持ち悪」
男「黙って飯も食えないのかよ」
ただのツンデレか
それとも真性か
幼馴染が後悔する展開はありますか?
幼なじみ「ふん、ごめんなさいね。黙って飯も食えない女で……ちょっと友ちゃん、なに笑ってるのよ。え?『仲いいね』?何言ってるのよ、私がこんな奴とどこが仲良くしてるっていうの」
男「そうだぞ友ちゃん、コイツはいつの間にか顔を合わせれば暴言を吐くような生意気になっちゃって」
幼なじみ「あなたに生意気とか言われたくないわ、あと気安く友ちゃんとか言わないでくれる、気色悪い。あのね友ちゃん、コイツはただの幼馴染みであって……え?『先輩なんだから礼儀正しくしないとだめだよ』って……」
男「おーおー言ってやれ言ってやれ、ほら、お前も友ちゃん見習え、俺の方が先輩なんだから敬え」
幼なじみ「うるさい、一年早く生まれたくらいでいい気になるんじゃないわよ。友ちゃんも、コイツは先輩である前にコイツなの、コイツは気持ちの悪い変態、変態に礼儀なんていらないのよ」
男「……なあ、俺って変態か? おい、優しい目で肩に手を置くんじゃねぇ、何が『お前も大変だな』だよ、わかったような顔もするなムカつく」
幼なじみ「もういいわよ、あなたと食べてると食が進まなくていつまでも学食に居ることになっちゃいそう。早く食べて教室帰りましょう友ちゃん」
そう言うと、定食のご飯をかき込み始める幼なじみ。
男「そんなに急いで食わなくてもいいぞ」
幼なじみ「黙りなさい元凶」
男「俺たち食い終わったから、教室戻るわ。急いで食ったら本当に気分悪くなるぞ」
立ち上がりイスを直すと、俺と男友達は自分たちの食べた食器を乗せた盆を持ち、そのテーブルを離れた。
幼なじみ「……ふん」
と気に入らない風に鼻を鳴らす幼なじみの声が聞こえた。
昔はもっと素直だったのに。
どーなるか気になる
支援
放課後
幼なじみ「全日程通してあなたに会うことになるとは、今日は本当に運のない日だわ。なんで帰る時間まで同じなのかしら」
男「俺が帰ろうとしたらお前が昇降口から出てきたんだろ」
幼なじみ「あなたの姿が見えた瞬間、ギョッとするという言葉の意味を再認識させられたわ」
男「お前、俺見た瞬間『うひゃあ』っつったもんな。まさかあんな驚き方されるとは思わなかった」
期待
幼なじみ「あなただって、さあ帰ろうと外に出た瞬間に殺人鬼と目があったらあれぐらい驚くでしょう。まさか、私もいるはずのないものが居るとは思わなかったのよ」
男「俺は殺人鬼か……」
幼なじみ「例えよ例え。いくら殺人鬼でもあなたと同等に扱うのはかわいそうよ」
殺人鬼以下か。
④
>>20
実体験をもとに書いているなら是非ともはぜて頂きたい
男「そもそも、なんでお前がこんな時間に帰るんだよ」
幼なじみ「なによ。私が悪いって言うの?私がいつ帰ってもあなたに迷惑はかけないでしょ。むしろ、あなたが私と同じ時間に帰るということが私に迷惑をかけているわ」
男「別に何もしてねーだろーが」
幼なじみ「してるわよ。今もなお私と会話していることで私のテンションは著しく下がる一方なのよ。私が帰るまであなたは学校にいればいいじゃない」
男「無茶言うな、今日俺の家誰もいねぇんだから早く帰らなくちゃいけねーんだよ」
歩き出しながら、俺は幼なじみにそう言う。すると、少しだが、幼なじみが大人しくなった気がした。
幼なじみ「……ふん、私も迷惑だけど、おばさんには迷惑はかけたくないわ。しょうがないから、私と一緒に帰ってもいいわよ」
男「朝、直径二メートルは離れろとか言ってたじゃねぇか」
幼なじみ「あなたのおばさんに免じて、おおまけにまけて半径一メートルでいいわよ。ただ、もし私の体触れたりしたら悲鳴上げるからね」
男「俺は嫌いだけど俺の母さんは好きなのか」
幼なじみ「……」
俺の言葉には答えず、無言で、あいつは俺の後ろを歩いていた。俺からきちんと一メートルほど離れて。
夕方
コンビニ
幼なじみ「いらっしゃいませー……って、うわ最低」
男「あれ、お前ここでバイトしてるのか」
行きつけの近所のコンビニに幼なじみがバイトしていた。
直接の問いには答えないか
幼なじみ「お客様、店員のプライベートに関わる質問はしないでいただきますか。正直、ウザったいです。訴えますよ」
男「店員の態度最悪だな」
幼なじみ「最悪の客に最悪の接客をすることはおかしいことでしょうか。私なりにあなたにふさわしい接客態度で挑ませてもらったのですが。あと仕事中に話しかけないでくれませんか」
男「へいへい」
雑誌コーナーに足を向けながら生返事を返す。
別に知らない仲じゃないんだから話しかけてもいいんじゃないか?
幼なじみ「お客様、雑誌の立ち読みはご遠慮していただけませんか」
男「しねーよ。雑誌くらい買って読むわ」
幼なじみ「あなたのようなお客様の手垢の付いた雑誌なんて他のお客様にお売りすることなんてできませんから、陳列した雑誌類には触れないでいただけませんか。ていうか、早く帰ってくれませんか、私の気分が悪いです」
男「接客以前の問題だな」
幼なじみ「別にほしい物があるならレジにお持ち下さればお会計いたしますが、今店員が私一人なのであまり進んでお客様の接客はしたくないと思っています」
男「お前の思ってること言うなよ」
コイツから話しかけてきてるじゃねぇか。
知り合いと話してるとは言えこんな店員がいる店ごめんだなwww
まあ、いま俺以外に他の客も居ないみたいだし、コイツも暇なんだろう。
幼なじみ「成人雑誌コーナーには目も向けないで下さい。お客様に売り物を視姦されたら売れるものも売れなくなってしまいます」
男「俺は何者なんだ」
幼なじみ「?……失礼ですが、変態以外の何とお思いでしょう?」
まあ雑誌を視姦するのは変態だろうな。
俺は複雑な思いでカップめん売場へと移動する。
男「なんかパッとしたのが無いんだよな」
幼なじみ「パッとしていないあなたのようなお客様がカップ麺に『パッとしていない』というような発言をするのは、あなたよりパッとしているカップ麺に失礼かと」
男「てめーが一番失礼だわ」
幼なじみ「あなたがその棚全部のカップ麺を買ってくれたらちゃんと接客してあげるわ。ま、そんな財力はあなたには無いとわかってるんだけどね」
男「せめて店員の言葉づかいをしろよ」
この手のヒロインにはとりあえず頬を一発張るのが礼儀
幼なじみ「失礼しました。なんだかあなたのような最低なお客様には敬語を使うことすらバカバカしくなってきたもので」
コイツ……。
男「まあいい、気を取り直してカップ麺を選ぶか」
幼なじみ「お客様に上から目線で『選ぶ』という行為をされるカップ麺たちが哀れでなりません。本当はお客様の存在価値よりカップ麺の存在価値の方が上だというのに」
男「いやいや、俺とカップ麺だったら存在価値は俺の方が上だろ。相手は無機物だぞ」
罵倒されても構ってやってる男の懐の深さに濡れた
罵倒と言うより構ってちゃんの感じしかしないな
男はあんまり嫌悪感なさそうだし
よくキレないな
ていうか俺こんな幼馴染居たら泣いて喜ぶわ
罵倒とか四六時中言われても快感にしかならん
幼なじみ「じゃあ、カップ麺が消えるのとお客様が消えるの、どちらがショックが大きいのでしょうか。お客様が消えても悲しむのは数人の人間、しかしカップ麺が消えると日本全体、いえ世界全体の人間が悲しむのですよ。どちらが存在価値が上か、明確でしょう」
男「……」
「はい論破」みたいな顔しやがって。
カップ麺を買う気が失せ、俺は他の棚へと移動することにした。
………
「お客様が消えるのと清涼ドリンクが消えるのどちらが(ry」
………
「お客様が消えるのとお菓子が(ry」
………
「お客様が消えるのと(ry」
………
幼なじみ「結局、レジに持ってきたのはお弁当とお茶だけですか。あれだけ悩んで店内をうろうろしたくせにこれだけしか買わないなんて、ほぼ冷やかしに近い行為だということを自覚していますか?」
あーだこーだ言いながら寄ってくるとか可愛いだろ
男「うるせえ、お前がいちいち水を差してきたからだろ」
幼なじみ「いえ、お客様が自分の存在価値を見誤っていたものですから、私は忠告して差し上げたのですが、まさか厚意でした行いがお節介だと真正面から言われるとは、驚きです」
男「お前驚いてねぇだろ」
話しながらピッ、ピッ、と手際よくバーコードを読みとっていく。と、幼なじみがこちらを向いた。
幼なじみ「……ねぇ、なんでお弁当なんて買うのかしら。そろそろお夕飯の時間でしょ?」
ただ罵倒されるだけってマゾ以外には胸糞悪いだけだろ
>>4
11382
4007
21079
違うだろうけど
レジから大声で言ってるつもりで見たらワロタ
でも2メートルルールが適用されてればあるか?
男「だから、今日うちに誰もいないんだって」
幼なじみ「?……あなたのような穀潰しのためにおじさんもおばさんも両働きなんでしょ。おばさんのパート帰るの遅いの?」
男「いや。つーか、お前そのひねくれた言い方どうにかならないのか」
幼なじみ「あなたにしかこんな直接的に言わないわよ。しかも全て真実だしね。それで、パートじゃないとしたらどうして?」
男「いや、な。たまには休みも必要だろ。だから二人で明後日まで旅行に行ってもらってるんだ」
音声の無い店内カメラには店員が男性と雑談しながら商品見て回ってる様に見えるんだろうか
「アタックチャンスです」
幼なじみ「へぇ、あなたみたいな低脳でもいいこと考えるじゃない。でも、それでコンビニ弁当で夕食を済まそうとしているところは流石はダメ人間ね」
男「しょうがねぇだろ、料理なんかしたことないし。料理して失敗するより、確実なコンビニ弁当を選ぶだろ」
幼なじみ「……」
俺の言葉を聞くと、幼なじみは呆れるような溜息をついて、弁当とペットボトルを差し出した。
幼なじみ「これ、棚に戻してきて」
④
キタアアアアアア!
デレきたか…!!
( ゚д゚ )
.r ヾ
|_| |_|
| | |
しノ
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\/ /
店員が販売を拒否しただと!?
男「はぁ!?」
幼なじみ「お客様のような気持ちの悪い方には当店は利用いただけませんので、レジも受け付けることができません。陳列していた商品は元にあった場所に戻して、早く店を出て家に帰って下さい」
男「なんでだよ!さっきは使えるって言っただろ!?」
幼なじみ「今は話は別なの、あなたは何も買わずに家にいればいいの」
男「だからなんで!」
幼なじみ「だから……」
そこで幼なじみは口ごもり、やがて、大きな声でこう言った。
>>53
気にすんなwww
幼なじみ「私があなたの夕食を作ってあげるって言ってるの!!」
男「は!?」
というわけで
幼なじみが家に来るようです。
ヒィーはぁぁぁ!!!
俺はもうちょいツンツンしてた方が良いな性癖的な意味で
夜
家
幼なじみ「あなた、何か食べたい物とかあるかしら。といっても、材料とか買ってきちゃったから、別にあなたの返答が私の作る料理に与える影響はゼロに等しいのだけど、一応聞くだけ聞いてあげる。
私に泣いて感謝してから答えて。あ、やっぱり泣かないで、気持ちが悪くなるから」
男「ありがとう。別になんだっていい、お前が作ってくれるってだけで俺にとっては予想外の出来事なんだから」
幼なじみ「こういう質問に対して『なんだっていい』と言われることに主婦ってイラッとするらしいわよ。あなたの場合、もうそれだけで離婚沙汰ね」
男「まじか。じゃあシチューとか」
幼なじみ「……私が作ろうとしていたメニューを言うのはやめてくれないかしら。あなたがそんなことを言うと腹がたってシチュー作るのをためらっちゃうわ」
男「じゃあカレー」
幼なじみ「誰もが予想できる代替案ね。いいわ、あなたのリクエストに答えるのは胸くそ悪いけどシチュー作るわよ」
男「わーい」
幼なじみ「気持ちが悪いからそういう反応やめてほしいんだけど。料理前から吐き気に苛まれたくないわ」
ぬーん……。
なぜかこの状況に少し浮かれている自分がいる。
幼なじみ「あなたの家のキッチン使うのは随分久し振りな気がするけど、前から変わらないわね、どこに何があるかとか」
男「母さんよく整理してるからね」
幼なじみ「『台所は女の城』とはまさにこのことね。なんかおばさんの絶対的不可侵な場所って感じがする、私が使ってもいいのかしら」
男「まあお前だったら母さんも許してくれるんじゃないか?」
幼なじみ「あなたにご飯を作るというあまり重要でもないことのためにこの整った台所を使うのは少し気が引けるわね。餓死すればいいんじゃないの、あなた」
男「俺の買い物を拒んだお前がそれを言うか」
男きもー
幼なじみ「はあ、そうね。一時の気の迷いだとしても、この状況にしたのは私のせいなのよね。あーあ、嫌々でもコンビニで会計すればよかったわ」
男「……嫌なら無理に作ってくれなくてもいいんだぞ」
幼なじみ「は?わさわざ私が作りに来てあげて、材料も買ってきて、さあ今から作るぞってときにそういう私のやる気を割くようなこと言うわけ。あなた、どれだけ厚かましいのよ」
……なんか理不尽じゃね。
もうニヤニヤするしか無い
実際こんな事言われたら正直イラっとする
男「なんか手伝うことでもあるか?」
幼なじみ「無いわよ。むしろヘタに手を出された方がこちらにとっては迷惑だから。無能は無能らしく指くわえて待っていなさい。邪魔」
男「あ、そうっすか」
幼なじみ「馴れないことをしようとするものじゃないわ。ほら、向こう行って。ここは『女の城』なのよ、男が足を踏み入れないで」
ぐいぐいと俺は幼なじみに押されて台所から出された。
でもアイツは俺よりうちの台所に詳しいから大丈夫か。
その後
幼なじみ「出来たけど……なに、何でそんなに驚いた顔しているのよ。理由は分からないけど、なんだか不愉快な気分になるからやめてくれない」
男「いや、あれから一時間も二時間も経ってるから、正直な所不安だったわけだが……」
幼なじみ「煮込むんだがらそれぐらいかかるのも当たり前のことでしょう。もしかして、そんなことも知らなかったの?呆れた。心からあなたに手を出されずによかったと思うわ」
男「まさか、こんな本格的なビーフシチューが出てくるとはな」
幼なじみ「本格的とか、普通に市販のルーを使ってるから。あなたがいつも食べている物とあまり変わらないわ」
しねよぼけ
言わないときがすまない
男「そうなんだけどなぁ。昔は黒コゲのクッキーやらケーキやらを作っていたお前がなぁ」
幼なじみ「なにそれ、そんなの小学生くらいの時の話じゃない。こんなに大きくなっても私が黒コゲしか作れないとか、普通に考えればあり得ないでしょ。本当にあなたって最低なバカ」
男「……その時はもっと優しかったのにな」
幼なじみ「なによ。こうやってあなたが困っているのを見かねてご飯作りに来てあげた私が、あなたは優しくないって言うの?そこまで恩知らずな最低人間だと思わなかった」
男「そんなことねーよ。最近は顔を合わせる度に悪態ばっかりつくけど、こうやって飯とか作りに来てくれたりして優しいなと思うし。感謝もしてる」
幼なじみ「ふーん……、まあいいわ。なんかさっきの口振りだと昔の私の方が今の私より優しいみたいな言い方で、ちょっと納得はいかないけれど」
男「そんなことより、せっかく作ってくれたのに早く食わなきゃ冷めちまうぜ」
幼なじみ「……そうね。我慢のきかないお子ちゃまなあなたに、おあずけは少し酷よね。ちゃんと、礼儀正しく食べなさい」
そうどこか棘のある言い方で締めくくると、昼と同じように「いただきます」と小さな声で呟いていた。
男「……いただきます」
幼なじみ「……召し上がれ」
なぜ小声でしかそういうことを言えないのか。
幼なじみ「……一応ね、おばさんの味を意識してみたんだけどどうかしら。あなたに判断してもらうのは癪だけど、私の料理の腕がおばさんにどれくらい近づいたか、あなたほど絶好の相手はいないわ。……ほんと、癪なんだけどね」
男「二回言わなくてもわかってるよ」
幼なじみ「おばさんは私の料理の師匠なんだから。本当はおばさんに食べて判断してもらいたいのだけど、あなたが居るからあまりこの家には来たくはないのよ」
男「……俺、何かしたっけ?」
幼なじみ「あなたは変態なの、だから。今日はしょうがないからあなたに私の料理を食べさせて、判断してもらうの。本当だったらあなたには石炭でも食わせてやりたいくらいだけどね」
……それは昔に十分お前に食わされたから勘弁していただきたい。
言葉の端々に含まれるツンデレ成分
………
それからも、俺が料理に口を付ける度に悪態をつけられる。という感じで夕食は進んでいった。
なんだか昔に戻ったようで、少しこそばゆい気分になったけど、また口に出すと悪態をつけられそうだったので口には出さなかった。
食べることに集中出来んな
深夜
幼なじみは夕食が終わった後帰ってしまった。
久々にアイツが家に来たせいか、その日、昔の夢を見た。
小学生期
小幼なじみ「今日はね、おにいちゃんにクッキー作ったんだよ。おばさんに習ったんだけど」
小男「うわっ、黒コゲじゃねーか。これ本当に食えるのかよ」
小幼なじみ「食べれるよー」
小男「お前……味見したのか?」
小幼なじみ「するわけないでしょ。だって、おにいちゃんのために作ったのに私が食べちゃ意味ないもん」
小男「……さんきゅ」
小幼なじみ「私が食べさせたげる。はい、あーん」
小男「……あーん……もぐ」
小幼なじみ「どおどお?」
小男「ゴフ……うん、うまいうまい」
小幼なじみ「ほんと!? まだいっぱいあるからね。もっと食べて!」
小男「……ぐふっ……」
なぜ、あのとき意地張って無理をしたんだ、俺……。
絶対所々で幼なじみの表情もにやけてるだろ
………
小幼なじみ「え……お兄ちゃん、来年から中学校なの」
小男「うん、だから今度からお前と学校変わっちゃうな」
小幼なじみ「……やだ」
小男「やだって、お前無茶な」
小幼なじみ「留年してよ。留年して、私と同じ学年になって。それで同じ年に卒業して同じ中学校行くの」
小男「無理だよ。俺の友達もみんな中学行っちゃうし」
小幼なじみ「私は! 私はお兄ちゃんの幼馴染みだもん。留年してくれないなら私がお兄ちゃんと中学校行く」
小男「それも無理だろ」
あの頃はもっと俺の後をくっついてくるような、かわいい妹みたいだったのに。
中学校期
中幼なじみ「ねえ、似合う? あなたと同じ学校の制服だよ」
中男「おお、お前も大きくなったものだな」
中幼なじみ「一年しか変わらないでしょ」
中男「そのたった一年が、重い一年だと、大きくなれば分かるんだぜ」
中幼なじみ「へぇ、なんか中学校に上がってからあなた、なんか落ち着いたよね」
中男「中学に上がると小学生のときのように頭空っぽにして遊んではいられないからな」
中幼なじみ「へぇ、やっぱり中学って大変なんだね」
中男「ふっ……憂鬱だぜ」
……なぜか思い出すと悲しくなるな。
フゥーーーー俺の生きる意味はここにあるぜ!!!
やっぱりおにゃの子は最高だぜ!!
今日このスレ終わるまで寝ないわwwwwwwwwwww
………
中幼なじみ「あの……今日さ、あなたの家に遊びに行ってもいい?」
中男「ん、別に今更断りが必要な関係じゃないだろ。昔からよく来てたし」
中幼なじみ「えっと、そうなんだけどさ。……久しぶりにあなたの部屋に行きたいなって思ってね」
中男「俺の部屋? でも、俺勉強しないといけないからお前に構ってやれないぞ。だったら母さんとお喋りする方が楽しいと思うんだが」
中幼なじみ「い、いえ、いいの。私はあなたと同じ部屋にいたいわ」
中男「ふーむ。まあお前がいいならいいけどさ」
中幼なじみ「う、うん。えへへ、よかった」
中男「んな喜ぶようなことでもないだろうよ」
中幼なじみ「そうよね、へへっ」
………
中男「……」
中幼なじみ「……ねえ、受験勉強って大変?」
中男「まあ、それなり」
中幼なじみ「たまには息抜きとかも必要なんじゃないかしら」
中男「うーん、そうだな」
中幼なじみ「……ねえ、お兄ちゃん」
中男「お前が『お兄ちゃん』っていうのは久しぶりだな。どうした?」
中幼なじみ「お兄ちゃんさ、女の子と付き合ったりしたことってある?」
中男「んー、ねえな」
中幼なじみ「願望は?」
中男「無いわけではない。でも、今はいらねぇかな、受験と両立できる自信ないし」
中幼なじみ「じゃあさ、勉強に邪魔にならなくて……そう、昔から一緒にいるのが当たり前で仲いいのが普通みたいな女の子だったら……お兄ちゃんも、付き合いたいとか思わない?」
中男「なんか条件が相当絞られるな」
中幼なじみ「え、えっと、そんな事はないわよ。もし、もしの話だから。もしも、そんな子がお兄ちゃんを好きって言ってきたら……どうする」
中男「普通に考えてありえねぇ話だけどなぁ。もしもか……」
中幼なじみ「うぅっ、ありえない……。うん……もしもの話だから」
中男「んー、今はやっぱりいらねぇな」
中幼なじみ「え……、そう……」
そういえばあの時の質問はなんだったんだろうな。
あ。
あれか? アイツ、あの時好きな先輩でも居たのか。なるほど。
卒業期
中幼なじみ「よかったわね。あなた、第一志望に受かって。まさか、あなたの頭であの学校に受かるとは思わなかったわ。ずっと勉強していた甲斐があったってわけね」
男「おう、お前にも応援してもらったしな。次はお前の番だぞ」
中幼なじみ「そうね。あなたが頑張ったせいで私も少し頑張らなくちゃいけないわ」
男「え? どういう意味だよ」
中幼なじみ「別に、あなたには恥ずかしいところ見せたくないからね。あなたが受かって私が落ちたんじゃ恥ずかしいもの」
男「ま、お前は俺より優秀なんだから俺より上を狙うんだろ」
中幼なじみ「えっと、どうかしら。私は偏差値とか気にしてないから、行きたいところに行くつもりよ。頭の良い学校が私の行きたい学校とは限らないし」
男「すげえな。やっぱお前、俺よりいろいろ考えてるわ」
中幼なじみ「そんなこと、ないわよ。私は行きたいところにいく。これほど単純な考え方って無いわ。これがあなたの志望動機より勝っている考え方なら、あなた何も考えず進む道を選んだに等しいわよ」
男「お前、俺より口が達者になっちまったな」
中幼なじみ「そう?」
男「少なくとも俺よりは語彙力が豊かだ」
中幼なじみ「これから高校生になるのに現役中学生に負けるなんて情けないわね。高校に入ってあなたのような人はやっていけるのかしら」
男「うるせぇ、まずは受験を終わらせてからその減らず口を聞け」
あのあたりからか、アイツが少し俺に対してよく悪態を付け始めたのは。
まず小学校から中学校までの一年に何があったってレベルの変わりようだな
………
中幼なじみ「お邪魔します」
男「あ、よう」
中幼なじみ「?……こんな時間に高校って終わるの?中学校とそんなに変わらないじゃない」
男「まあ直帰すればこんなもんだ」
中幼なじみ「へえ、意外と下校時間て早いのね。一瞬、あなたが高校でグレて早退しているのかと疑ってしまったわ」
男「失礼な。俺はちゃんとした高校生活を送っています」
どんどんやれ
書きだめどの位あるの?
中幼なじみ「……そうね、あなたはそんな事する性格でもないしね。それにグレる度胸もないでしょ」
男「何気にひどいな」
中幼なじみ「幼馴染みとして見てきた真実を述べただけよ。それよりおばさんいる? お料理教えてもらいたいんだけど」
男「受験勉強しろよ。もうすぐ冬休みに入るんだぞ」
中幼なじみ「どこかの誰かさんのように受験のときだけ焦って勉強するような真似はしていないので。私は今頃必死にならなくてもゆとりがあるくらい日常的に勉強してるから大丈夫なの」
男「……母さんなら少し出かけてるぞ」
中幼なじみ「明らかに分が悪くなると話を逸らすのはやめた方がいいわよ。正直見苦しいから」
見てるからだらだら続けて
男「そんなことよりお前どこ受験すんだよ」
中幼なじみ「呆れて物も言えないわ」
男「……」
中幼なじみ「……あ、あなたと、同じ、高校よ」
男「マジかよ」
その後、アイツは本当にゆとりがある様子で春に第一志望、つまりは俺の通う高校に受かり、再び俺の後輩になった。
もはやデレッデレやないすか
安易なレイプ展開はやめてね
なんちゅーかお腹がキュンキュンする
………
朝
朝起きるとなぜか家に幼なじみがいた。
幼なじみ「おはよう。こんな時間に起きるということは、あなた昨日私が言ったことを全く覚えていないということよね。なに、喧嘩売ってるのあなた」
男「……なんで居るの」
幼なじみ「そんな汚い寝ぼけ面こちらに向けないでくれない。朝からあなたに会うことすら気が進まないというのに、さらにはそんな顔見せられるのは拷問に近いわ」
男「ああ、すまん。顔洗ってくるわ……」
顔洗えばこれが夢かどうかも分かるだろうしな。
幼なじみ「ほら、早く私も学校行きたいんだから、タラタラしてないで早く朝御飯食べてくれない。昨日の残りで良いわよね、もちろん拒否権は無いわ」
男「……夢じゃなかった」
幼なじみ「もしかして、ついに頭おかしくなっちゃった?病院に行くんなら学校休んだ方がいいわよ。早めに治療してしてくれないとおばさんも可哀想よ」
男「別におかしくねぇ」
幼なじみ「あらそう、だったら少しシチュー温めたから早く食べちゃって。あなたのせいで私まで遅刻したらただじゃおかないんだからね」
俺と一緒に登校する気なのか。
最後まであるとか流石ですね^o^
男「なんでお前が朝から家にいるわけだ」
幼なじみ「いいでしょ別に、たまには幼馴染みと登校しようかなっていう気分だっただけよ。あなたと登校したってデメリットはあれどメリットなんて無いのにね」
男「矛盾してないか、それ」
幼なじみ「うるさいわね。黙って朝食くらい取れないのかしら。これだから下等生物は嫌だわ」
男「当然に起こる疑問だろ」
幼なじみ「だからうるさい。あなたに私から接触することなんかめったに無いんだから、あなたは普通にしていればいいの。むしろ感謝の言葉すらいただきたいところよ」
なんか知らないが朝からコイツも調子がおかしいみたいだ。
俺は黙ってシチューを食べ、学校へ行く身支度を整えると、不機嫌そうな顔をしながら待ってた幼なじみと家を出た。
通学路
男「そういえば今日、昔の夢見た。お前がまだ素直で可愛かった時から、どんどん現在に戻る感じで」
幼なじみ「へぇ、気持ちの悪い夢を見るのね。お願いだからあなたの夢に私を出すのやめてくれない。あと、可愛いとか間接的にも私に言うのはやめて、寒気がするわ」
男「お前が夢に出るか出ないか、俺はコントロールできねぇよ」
幼なじみ「今からでも走って学校行こうかしら。あなたの近くにいると何か未知のアレルギー反応を起こしそうだわ」
男「近くっつっても一メートルは離れてるんだがな」
よく分からんところで律儀な奴だ。
やっぱ幼馴染って最高だわ
逆NTR希望
男「でよ、それで夢で思い出した昔の話なんだが、なんでお前がこの学校を志望したのか、俺覚えてなくてさ。なんでだっけ」
幼なじみ「なんであなたにそんなことを教えなくちゃいけないの。私がどういう理由でこの学校に来たかなんてどうだっていいでしょ。それにあなた、なんでそんなことが知りたいのよ、気持ち悪い」
男「いや、俺が受験に受かった時にお前が『私は行きたいところに行くつもり』って言ってただろ?」
幼なじみ「言ったかしら。あなたはそんな細かいことまで覚えてるの。これはもう本格的に変質者になってきていて、気持ち悪いどころか恐ろしいわ。とことん最低ね」
男「印象的だったから覚えてるだけなのに、なんでボロクソ言われてるんだ俺……」
実際は夢に出てきたから思い出しただけなんだがな。
まとめにも載った笑あり涙ありの大作
式場で働いてたら片思いしてる女がきた話
男「あの時に『やっぱコイツ将来まで考えてんだな』って、俺、お前に感心したんだ」
幼なじみ「あなたに感心されても、悲しむ以外の返答をどう返せばいいのかしらね」
男「水を差すなって。……それで、将来の指針まで考えてたお前が、どんな理由でうちの学校を選んだのかなって思ってさ」
幼なじみ「……」
男「なんだ、答えにくいのか」
幼なじみ「あなたに教える義理なんて無いし。知られたくもないわ、あなたみたいな最悪の変態には」
相変わらずの減らず口だ。
……そういえば、夢でコイツが好きな人とかの話した記憶もあったな。
男「あ、もしかして、好きな先輩がいるからとかいう、乙女チックな理由だったりするのか」
幼なじみ「えっ」
男「……ま、それはねーか、お前のことだからもっとちゃんとした理由があるんだろ」
幼なじみ「っ!」
男「お前は俺より頭のデキが違うからな、もっと建設的なこととか考えてんだろ」
幼なじみ「……」
男「俺とはかけ離れた大層な理由が……」
「……さい…」
男「えっ」
幼なじみ「うるさい!!なにも分かってないくせにっ!!」
男「あ、え?」
「あなた、本当に最低。バカだバカだとは思ってはいたけど、ここまで救いようのないバカだとは思わなかった! ウザったいのよ。いつもいつも! 幼馴染みだからって何もかも知ってる風にして、一番分かってほしいこと、分かってくれないくせに!!」
支援
かわいい支援
男「お、おい……」
幼なじみ「『なんでこの学校に来たか?』あなたに一番気づいてほしかったのに、どうして気づいてくれないのよ!」
男「俺には何が……」
幼なじみ「あなたなんてだいっきらい!!しんじゃえ!ばか!!」
一通り叫ぶと、俺が呆然としている内に学校の方へと走り去ってしまう。
そのとき幼なじみが放った悪態はいつもと違って稚拙で、毅然としていない
涙声だった。
くっ!俺の電池が持たない!
昼休み
学食
昨日と同じ、友ちゃんと昼食をとるアイツを発見した。
遠目からだったのでアイツが泣いているかどうかは分からないが、元気がないのは明らかだった。
今のアイツにこそ最後の晩餐という言葉がピッタリだ。
ふと、目が合う。
アイツは遠目からでもまっすぐこちらを見ていた。
席を立ち学食から去っていく。
あたふたする友ちゃんにも目もくれずに。
混み合った学食でわずかに見えたアイツの顔は、泣き出すのを必死で我慢している顔だった。
放課後
昨日アイツが出てきた昇降口の前で、アイツが出てくるのを待つ。
しかし、どこか予想はしていたがアイツは出てこなかった。
昇降口を出てきた友ちゃんに話を聞いたところ、アイツは昼休みの後早退をしたらしい。
なるほど、待てども待てども出てこないわけだ。
友ちゃんにアイツがどうして泣いたのか、理由を聞いた。
おもいっきし叩かれた。
今日は退散することにする。
コンビニ
一応行ってはみたが、店長さんしかいなかった。
友達なのでと店長さんに頼むと、アイツのシフトを教えてくれた。
プライベートうんぬんの話は一切出てくることはなかった。少し気合いを入れて損した。
アイツのシフトはほとんど俺が買う週刊誌の発売日に入っていた。
なんとなく、おぼろげには事の全容が分かってきた気がする。
>>118
充電しろ
帰宅
夕食はアイツの作ってくれたシチューの残りを食べた。
そういえば、なんでアイツはこれを作りに来てくれたんだ。
シチューの残りが大体あと三食分残っていたことにアイツの気遣いの良さを感じた。
夜
ベッドに潜るとアイツの泣き顔が頭に浮かんだ。
胸が苦しい。
アイツを泣かせた原因、それは確実に俺だろう。きっとアイツの踏み込まれたくない部分に、俺は土足で入り込んでしまった。
自分に対しての怒りが沸く。
同時に、悲しい。
あの悪態が懐かしい。
いや、悪態というよりも、俺はアイツの……。
胸が痛い。
痛い。
ああ、これは。
沈んだ気分の中、いつの間にか俺は眠りに落ちていた。
朝
再び昔の夢を見た。
内容は、ほとんど昨日と同じ。
少しいい気分で起きることが出来た。
夢の中でアイツと普通に話すことが出来たからだろうか。
リビングに行ってもアイツはいなかった。あたりまえか。
自分でシチューを温めて食べた。
味はいいのだが、何か物足りない気がした。これは昨日の夜も感じたことだ。
昨日の朝も、アイツが作ってくれた日にも、物足りなさなんて感じない最高のシチューだったはずなのに……。
なぜだろう。
アイツのことのせいで忘れていたが、今日は父さんと母さんが帰る日だ。
なんでこういう時に男が責められるのかねぇ
通学路
一昨日、アイツと会った場所でしばらく待っていた。
来ないと予想はついていたのだが、見事に予想通りすぎてへこむ。
一人悲しく登校する。
学校
休み時間にアイツのクラスを見に行ってみた。偶然通りががった友ちゃんに見つかった。
アイツが今日休んだということを教えてくれたが、ずっと不機嫌そうな顔をしていた。
また叩かれるのか。
身構えたらやっぱり叩かれた。
地味に痛い。
家
家に帰ると母さんがシチューを食べていた。
母「おかえり。これあんたが作ったの?少ししか残ってなかったから全部食べちゃったわよ」
男「現在進行形で食べてるだろ……」
母「それよりも、どういうことよ、このシチュー。あんたもついに幼馴染みと付き合うことになったってことか~?」
男「誰が作ったのか予想ついてんじゃねぇか」
母「あたしが弟子の味に気付かないわけ無いじゃない。それにしても腕上げたわねあの子も。これは先に彼氏の食指を掴んでおこうってことね」
よう叩くな…
男「何言ってんだよ。そもそも、どうして俺とアイツが付き合ってることで話が進んでんだ」
母「だってぇ、最近うちに来ないあの子が久し振りに、しかも両親のいない日を狙って来るなんて。もうこれは男と女の関係に進んでるとしかお母さん思えない訳よ」
男「ねーよ……」
母「ま、さっきからあんたの態度見てれば嫌でも二人がまだそんな関係じゃないことは分かるわよ。悲しいけどね。それにしてもあの子も可哀想ね、我が子ながらこんな大バカになんて」
男「母親にまでけなされるとは」
母「……ま、あの子の今の態度も問題があるんだけどね」
男「……」
母「まだあの子続けてるの?あんたと話す時にわざわざ言葉端に悪口を付けるやつ」
男「まぁ……いつも顔会わせる度に悪態つかれるな」
母「だめだこりゃ。これじゃあだめに決まってるのぅ。やめりゃあいいのに、素直じゃないんだあの子」
はむっ、と話ながらもシチューを口に運ぶ。
母「食指を掴むのはバッチリなんだけどねぇ……」
そう言えば、母さんは俺よりアイツと仲いいよな。
母さんに相談すれば……。
男「母さん。相談があるんだけど」
母「お?あんたが母さんに相談なんて珍しいじゃない。ほれほれ、話してみんしゃい」
支援
……
母「バカだバカだと思ってはいたけど、ここまでバカだとは思わなかったわ。もう呆れた」
男「アイツにも似たようなこと言われたよ」
母「そりゃあ言いたくもなるわよ。ああぁ、歯がゆい、もういっそのことあんたに本当のこと言いたくなるような気分だわ」
男「本当のことって?」
母「それを私が言っちゃあ意味がないって訳よ。ばーかばーか。そもそも、それは人に頼ってるんじゃいけないことよ、この腐れ鈍感」
「なにそれ」
支援
母「え?あの子の口調真似してみたんだけど似てる?」
男「微妙。アイツのはもっと平然と棘のある言葉を会話中に絡めてくる」
母「そっか。あんた、あの子に相当調教されてるみたいね」
男「調教……、実際は慣れただけなんだがな」
母「まあ調教も慣れもあんまり変わらないことでしょ」
男「誤解を招くようなことを言うのはやめなさい」
母「慣れれば気持ちいいんでしょ」
男「やめなさい」
母「別に私はあんたと調教について話そうとは思ってないわよ」
男「振ってきたのはあんただろうよ」
母「まあいいわ、とりあえずあんたはあの子に信じられない最低最悪のことを昨日言った。それであの子はショックを受けた。オッケー?」
男「……オッケー」
母「九割、鈍感なあんたが悪いわね」
男「残り一割は?」
母「一割は最後まで素直になれなかったあの子ね」
男「わかんねぇな」
母「……十割あんたが悪いかもね」
男「だよなぁ」
しえ
母「もうお節介を言うかもしれないけど、おばさんっていうのはお節介な生き物なわけよ。だから言うわ」
男「何を言い始める気だ?」
母「あんたさ、実際あの子のことどう思ってるわけよ」
男「アイツのこと……」
母「男と女として、好きなの? 何とも思ってないの?」
母「もうお節介を言うかもしれないけど、おばさんっていうのはお節介な生き物なわけよ。だから言うわ」
男「何を言い始める気だ?」
母「あんたさ、実際あの子のことどう思ってるわけよ」
男「アイツのこと……」
母「男と女として、好きなの? 何とも思ってないの?」
こういう展開を見る度鈍感ってわかってるのにちゃんと伝えない方が悪いだろって思う
主人公が人並に空気読めてかつ十分話を引き伸ばせる筆力のない奴ばっかりってだけかと
男「好きだけど?」
母「えっ」
男「だいぶ前から」
母「えっ」
男「でも、アイツは俺のこと嫌いなんだろうな」
母「……あっちも鈍感だったか」
何をうなだれているんだろうか。母さんの考えていることは分からない。
察しろよってのは想ってる側の願望だし、想われてる側は自惚れや勘違いかもって予防線もあるから、一概に言えない
母「まさか双方が鈍感だとは私も思わなかったわ。そんなことより、あんたそんな素振り全く見せなかったじゃないの」
男「だって、恥ずかしいし」
母「なに男がそんな女々しいこと言ってるの」
男「いや、なんかさ、見え見えな片思いとかキモいだろ。それも昔からだぜ」
母「……もうワザと言ってるみたい」
男「アイツは俺のこと嫌いって言ってるのに、俺が好きとか言いだしたら絶対に絶交されるよ」
母「いまも絶交してるみたいなものなのに何言ってるの」
男「……そうだった」
× 主人公が人並に空気読めてかつ十分話を引き伸ばせる筆力
○ 主人公が人並に空気読めてかつ十分話を引き伸ばせるだけの筆力
オタク達よ、この作品を読んで勇気を持て
式場で働いてたら片思いしてる女がきた話
母「それにしても、片思い、ねぇ。あんたはそう言ってるけどさ、あの子にも嫌いって言われたことあるの?」
男「言われるもなにも……」
母「明確に『嫌い』って言われたことよ。最低とか、最悪とか、そういう悪口じゃなくて」
男「それは……」
言われたことあるか?
『あらおはよう、偶然とはいえ朝からあなたの顔を見なくちゃならないなんて、今日は不幸だわ』
『出来たけど……なに、何でそんなに驚いた顔しているのよ。理由は分からないけど、なんだか不愉快な気分になるからやめてくれない』
『これから高校生になるのに現役中学生に負けるなんて情けないわね。高校に入ってあなたのような人はやっていけるのかしら』
『あなたなんてだいっきらい!!しんじゃえ!ばか!!』
あれは……。
男「アイツが……怒鳴ってたときに」
母「怒って感情的になった時ね。あの子が」
男「そう。たしかにあの時『だいっきらい』って……」
母「でも話を聞く限り、その時のあの子の言動はあんたの言う『平然と棘のある言葉を会話中に絡めてくる』と違うようなんだけど」
男「……」
母「あの子が、本当の本心であんたに『だいっきらい』って言ったと思う?」
男「だけど」
母「いくら近年稀にみるほどの鈍感であるあんたでも、ここまで言えば分かるでしょ? あの子の隠れた気持ち」
先ほどからの会話の流れ方。
つまりアイツは悪態はつけども俺のことを嫌ってなくて、むしろ母さんが言いたいのは――。
あんなもの言いされたら嫌われてると同義と思ってもおかしくないわw
男のイメージがリトで考えてるけど
お前らは?
>>151
臭い
母「今なら分かるんじゃないの、あんたの疑問。あの子がなんであんたと同じ高校に来たのか」
男「……そっか」
本当にアイツは、好きな先輩……つまり。
男「俺が、いたから。来てくれた……」
母「やっとわかったのね。ほんとにここまで言われないと気づけないなんて、どれだけヒント出さなきゃいけないのよ」
男「俺って、鈍感だったんだな」
母「何その言い方」
そう言いながら、やれやれという感じで、呆れたような笑みを母さんは浮かべた。
>>151
死ねばいいと思うよ
男「……俺、行ってくる」
母「行ってくる、ってどこに!?」
男「アイツのとこっ!」
一刻も早く。
会いたい。会って話がしたい。
謝りたい。
それで、俺は――。
俺はそんな事を考えながら、無我夢中で走り出した。
走りながら、登録された番号でアイツの携帯を呼び出す。
アイツに電話を掛けること自体が久し振りなことだった。
Prrrrr
出てくれ。出てくれ。
Prrr……ガシャ
『……なに』
男「出た!!」
支援
『私、今日体調悪いのだけど。それに、出来ればあなたとは話したくない』
男「そんなこと言わないでくれよ」
『いや……』
男「会って話がしたい」
『無視? 私はあなたと話したくはないの、会いたくもないし。あなたの都合を私に押しつけないでくれないかしら』
男「お願いだ」
『やめて』
男「お願いだから。話したいことがあるんだ」
『お願いだから、やめて』
男「……」
『あなたに、会いたくないの』
急に電話で「出た!」とかいわれたらびっくりするよなww
>>159
静かに
男「俺は、会いたいんだ」
『知らない……』
男「今さ、もう家の前にいるんだけど」
『え……』
男「明かりも点けないで、何やってんだよ」
そのとき、目の前の家の、アイツの部屋のカーテンが僅かに開いたのを見逃さなかった。
男「よかった。ここまで来て、お前が家にいなかったらどうしようかと思った」
支援
>>160
なんだこいつ…
視界に入れたくないならNGしろよ
____
/ \ /\ 「静かに」 キリッ
. / (ー) (ー)\
/ ⌒(__人__)⌒ \
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
『何で……、何でいるのよ』
男「そりゃあお前に一刻も早く会いたいからさ」
『知らないわよ。あなたの都合なんて』
男「お前が聞いてきたんだろ」
『じゃあ、なんで私に会いに来たの』
男「話がさ、したくて」
『それだけ? それだけのためだけに来たの? バカじゃないの、話なんて今だってしてるでしょ』
____
/ \ /\ なんだこいつ…
. / (ー) (ー)\ 視界に入れたくないならNGしろよ(キリッ
/ ⌒(__人__)⌒ \
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
男「直接話したい」
『だからイヤ、家まで来ても無駄なんだから。しかも、あなた、今日私が体調不良で学校休んだの知ってた? 知らなかったでしょ。知ってたら気を使って、家に来て、ましてや話したいから直接会ってくれだなんて言わないもんね』
男「じゃあ、見舞いだ。見舞いに来た。だから少しだけでも会ってくれ」
『……本当にバカ、取って付けた理由じゃない』
男「とにかく、会ってくれるまで俺は頼み続ける。会ってくれる理由考える」
『だから、私は体調が悪いの、病人なの。なに、あなたは病人に無理してでも、俺が会いたいから会ってくれって言うほど自分勝手な人間なの』
キャラが気持ち悪い
台詞回しが気持ち悪い
地の文入ってるのが最高に気持ち悪い
男「……」
『……体調がよくなったら、会ってあげなくもないから、それまでは待って。それで今日は帰って』
体調がよくなったら?
男「……ああ、帰るよ」
それは、どんなときなんだ。
お前の体調がよくなったとき、お前はこれまでと変わらない気持ちで、俺と会ってくれるのか。
本当になんて鈍感だったんだろうな、俺って。
男「お前が、本当に病人だったらな」
『え……』
男「本当に体調を崩して、寝込むほどの病人なら、俺は帰る。お前に無理なんてさせたくない」
『だから、私は……』
男「嘘だろ。お前は体調崩してなんていない。学校を休んだのは違う理由だ」
『……』
男「……ごめんな」
『……なにが』
男「俺のせいだろ。昨日、俺が無神経なこと言ったから……」
『……』
男「……」
『……ふっ』
突然の笑い声。
『はは……ははは、あはははは』
男「どうした?」
『はっはっは、ふふっ……』
男「おい」
『ばっかじゃないの』
男「え?」
『あなた、自分を買い被りすぎでしょう。自意識過剰っていうのよそういうの。昨日のこと気にしてたの? それで私があなたに会いたくないっていじけてるって思った? とんだお笑い草ね』
あぁん?
男「……」
『ごめんなさいね。妄想だらけの気持ち悪い心配させたみたいで。でも全然違うから。あ、調子が悪いっていうのは本当にウソだけど』
男「……」
『あなたはただの幼馴染みだし、これ以上、気持ちの悪いこと考えられたくないから教えてあげる』
男「……」
『昨日ね、大好きだった先輩に振られちゃったのよ、私。あなたの言ったとおり、その先輩のためにいまの学校を受験して。
先輩の好みの女性になれるように努力もして。何度も何度も、理由を付けてはその人に会おうとしたり。恥ずかしくても、その人にアプローチを仕掛けてみたり……』
ああ……。
『本当に、大好きだったよ。でも大好きだったせいで、目が眩んでたんだろうね』
これは……。
『いつの間にか、気付いてるって思っちゃったのよね、私の精一杯の好意に。気付いていて、わざと鈍感なふりをして、気付いていないふりをして、私をやきもきさせてからかってるんだって、勝手に思ってた』
全部……。
『……結局、気持ち悪い妄想にどっぷりと浸ってたのは、全部、全部、私でした、と。まあ、ね、前々から少しモヤモヤしてたんだよね、なんで先輩が私をこんなにやきもきさせ続けてるのかって、勝手にね』
俺が……。
『当然なのよね。相手は最初から私の好意になんて気付いてなかったのだから』
俺が……。
『もしかしたらって思って、改めてその人を見てたら、気付いちゃった。ああ、この人は私がこの人のためにやってきたことに、何一つ気付いていない、って』
コイツの好意に気付いてさえいればこんな、見え見えの嘘を吐かせないで済んだのに。
誰よりも見ていたと思っていたのに。誰よりも近いと思っていたのに。なぜ……。
なにこれ気持ち悪い
これ支援とか言ってる人はラブコメってればなんでもいいのか
『笑えるでしょ。私、そんな事に絶望しちゃったんだ。あなたのこと笑えないくらい、自意識過剰だったわね』
男「……」
大好きだったせいで、目が眩む。
『わかった? わかったなら、傷心の女の子は放っておいてくれないかしら。それとも、ここまで教えてあげてもまだわからない? ありえるわね、あなたは信じられないほどの鈍感だから』
男「……」
『……ごめんね。根性無しの女の子で』
男「いや……」
『その先輩に……告白する根性も無かったのよ』
男「いや、お前は根性無しなんかじゃない」
『なに? 慰めるの? やめてよ、よりによってあなたに慰められるなんて、どれだけ滑稽なの、わたしは……』
男「会ってくれ」
『……は?』
男「今から」
『なに、言ってるの?』
突拍子のないことを言っているとは重々承知している。
だが、わかったのだ。
男「なんで、先輩がお前に気付いてやれなかったのか」
私はパンを焼いてあげました。
だからあなたも私にパンを焼いてください。
私は誕生日プレゼントをあげました。
だからあなたも私の誕生日にはプレゼントをください。
私はこれだけの事をしてあげました。
だからあなたも私に同じだけの事をしてください。
私はあなたを愛しています。だからあなたも私を愛してください。
『え……』
男「確かに鈍感だった、でもそれだけじゃないんだ」
ゴクリと、思わず唾を飲み込む。
男「俺だって、お前のことが好きなんだよ」
『……え?』
そこで俺は通話を切り、そして電源を切った。
後は、彼女が現れるまで……。
男「卑怯だったかな、押し付けがましく自分だけ好きとか言っちゃって」
支援
読んでないけど乳首出てきた?
………。
数秒後
幼なじみ「はぁ、はぁ」
ガタンと勢いよく玄関が開くと、息を切らした彼女が姿を現した。きっと、自室から走ってきたのだろう。
その格好はなぜか制服だった。
幼なじみ「それ、で、どういう、はぁ、ことなのよ」
男「とりあえず落ち着いてくれ」
幼なじみ「落ち着けるわけないでしょ!! いきなり、す、好きとかいう捨て台詞残して電話切られたら」
男「……すまんな」
幼なじみ「ホントにそうよ。家の中で息を切らすなんて思わなかったんだから」
男「そうじゃなくてさ、ずっとアプローチしてくれてたお前に、あんな事言った俺が好きなんて言っちゃって」
幼なじみ「……いいわ。でも、言い訳だけは聞かせなさいよ。その鈍感男が、鈍感ということ以外で私の気持ちに気付いてくれなかった理由」
男「鈍感女にもわかるように説明してやるよ」
幼なじみ「なに? 突然意味分からないこと言い始めてどうしたの。十中八九鈍感なのは私ではなくて……」
男「俺はな、ずっと前からお前のことが好きだったんだ。たぶん、お前と同じくらい」
幼なじみ「ふぇ……う、嘘を吐かないでくれないかしら、この期に及んで……」
なんだヘタレ男とキチガイ幼馴染の話か
読む気がしない
男「いや、本当だ。ずっと恥ずかしかったし、片思いだと思ってたんだ。お前はいつも俺に悪口ばっかり言ってたから」
幼なじみ「そ、そんな、悪口は、だって、あなたが……」
男「でもな、だから気付いてやれなかったんだ」
そう、好き合っていたからこそ、見えなかったんだ。
幼なじみ「私は、あなたが、あなた、が……す、す……」
男「お前は俺が好きだったから、俺にアプローチしてくれた、でも俺はお前が俺を好きだなんて思ってなくて、さっき言ったとおり片思いだとずっと思ってた。だから、どうしても……」
幼なじみ「……私が、すき、って言いたかったのに……」
支援
男「お前だって、俺がお前のことが好きだなんて考えてもいなかったから、妄想をしたり、アプローチをしたりしていた。でも、俺の心は動かなかった」
幼なじみ「すでに、あなたは、私のことがす、好き、だったからか……」
男「……これ以上、お前が好きなれないほど、好きだったのか」
幼なじみ「……嘘ぉ」
いや、実際鈍感だったからという線もあり得る。
男「ごめん」
幼なじみ「……ホント、幼馴染みでお互いがお互いをよく分かっていると思ってたのに、なんで肝心の部分だけ分からないのよ。あなただけじゃなくて、私も近年稀に見るほどの鈍感だったわ」
男「いや、元を辿れば、やっぱり鈍感だった俺の方が非はあるだろ」
幼なじみ「そうかもね。いっつも悪口言ってたのに、あなたは全く私の気持ちに気付かないんだもの」
男「そうだよな……ん?」
なんだろう。今まさに丸く収まろうという時に違和感のある言葉が聞こえたような。
エンダーー!
いやー
男「……『悪口言ってたのに』?」
幼なじみ「え?」
男「俺が片思いだと思ってたのは、お前がいつもつく悪態のせいでもあったんだが」
幼なじみ「え、え? だって、だって……嘘ぉ」
男「絶対俺のこと嫌ってるんだと」
幼なじみ「だって、あなたが言ったのよ。前に、こういうのが好きなタイプだって。だから私、わざとあなたに冷たくしたのに……」
支援
もげろ
男「はぁ!? 嘘だろ!?」
幼なじみ「そりゃあ、最近はあなたが私の気持ちに気付いてないのか疑い始めてたから、少しイライラして強く当たってたところもあるけど、もともとはあなたが……」
男「いつだ、いつ俺はそんなことを」
幼なじみ「えっと、たしか、中学二年生くらいだったかしら?」
支援
ツンデレ云々
………
中二期
中幼なじみ「ねえねえ、あなたはさ、中学で好きな人とか居るの?」
邪気男「ふん、想い人なんて作る気はない、それに恋人なんて以ての外、今くらい俺は孤独でいたいんだ。社会の歯車の一つになってしまえば、ただがむしゃらに、他の歯車とぶつからないといけなくなるからな」
中幼なじみ「えっと、いないの?」
邪気男「ああ」
中幼なじみ「じ、じゃあさ、好きな女の子のタイプとかってある?」
邪気男「そうだな。俺は強い奴が好きだ」
中幼なじみ「強い?」
支援
邪気男「ああ、ただ腕力とかの力ではない、頭脳や、心が強い女が、俺には相応しい」
中幼なじみ「頭がいい人が好きなんだ」
邪気男「強いて言えば、主人にも噛みつくような猫のように、素直じゃない所もあり、それに冷静な所もある女なら、退屈しないだろうな」
中幼なじみ「悪口言われたいの?」
邪気男「ああ、お前には少し難しかったかな。だが、それくらい認識していれば大丈夫だろう」
中幼なじみ「そっか、ふふ、わかった。私頑張るからね」
………
これだから中二病は……
………
男「……俺が変な漫画やら小説やらに洗脳されてた時代の話か」
幼なじみ「えっと、もしかして、いけなかったのかしら。私、あなたがそう言ったから、勉強して、本も読んで、あなたに接するときは言われた通りに……」
男「あー、あのな」
どうしよう。今更撤回するのもあの頃の俺を今まで信じ続けた彼女に悪い気が。
幼なじみ「なに? ハッキリしなさいよ。馬鹿みたいな顔して固まって。馬鹿な顔が余計に馬鹿みたいになってるわよ。私をす、好きって言うときくらいシャキッとしてほしいわね。馬鹿な顔でも、あなたはか、かっこいいんだから……」
男「なんか反応しにくいな」
なんだか照れくさい。序盤は悪口なのに。
いやここまで一字一句覚えてるなら
男が好みだって言ってるのがあんなツンドラじゃないことも分かるだろうに
男「いや、あ、あのな、確かにお前のつく悪態は様になってる」
幼なじみ「本当?」
男「でもな、無理しなくていいんだよ。もうお互い好き合ってることは知ってるわけだし、普通に話してもいいんだ」
幼なじみ「そう? でも、私はあなたの好きな女の子でいたいのよ。だから、これまでと同じでいい、好き合っていても、もっと私を好きになってもらいたいの」
男「た、大変じゃないか? わざわざそんな」
幼なじみ「大丈夫。練習したものあなたのために。それに、慣れちゃって癖みたいになってる、あなた話すときは冷たくすること」
予想と違った…
頑張って勉強はできるようになったのに中身はアホの子とか
なにこの可愛い生き物
男「あー、えっと、それじゃあ程良く、程良く混ぜてくれ普通に話すのと冷たくするの」
幼なじみ「そうね……うん、わかった。あなたがそうしたいって言うならそうする」
男「少しだけ不本意だが、そうしてくれ」
根本的な解決ではないんだがな。
「ねえ」
「ん?」
「私ね、あなたのこと、好きよ」
冷たい幼なじみ 終
乙
乙した!
終わった……終わったよ……
いやそこはちょっとした後日談を書いたあとでの〆だろう……
>>1乙
後日談欲しかったな
乙
乙
冷たいような彼女
幼なじみ「あなたは私よりも鈍感だったから分からなかったと想うけど、きっとあなたが意識するずっとずっと前から、私はあなただけを見てきたんだから」
男「うそつけ、俺の方が前だ」
幼なじみ「なにを言ってるの。今だってあなたが私のこと好きなのより私があなたを好きな方が勝ってるわ。これは年季の差で私が勝っている証拠に他ならないわ」
男「はっ、いつから俺より勝っていると錯覚していた」
寝なきゃいけなかったのに朝になっちまったじゃねぇかwwwww
面白かった!乙!
いいぞ
幼なじみ「ふぅん、あなた、私がいつからあなたのことが好きだったのか知らないからそういうことが言えるのよ。馬鹿ね。でも好きよ、馬鹿なところも」
男「俺小学校三年生から好きだったし」
幼なじみ「……幼稚園年小のときからよ」
男「まじかよ」
幼なじみ「正確には、幼稚園の段階で気になる男の子。小学校低学年で好きなお兄ちゃん。高学年で大好きなお兄ちゃん。中学校で運命の人。高校生で心の恋人。そして現在が本当の恋人よ、お兄ちゃん」
男「ちょっと待て、中高の所がよく分からないのだが」
幼なじみ「中学校の時の私は、『ここまで好きなのは普通じゃない、これは運命の人に違いないわ』と思ったことから」
男「俺の知らぬ間に好きな女の子から運命の人認定されてた」
幼なじみ「高校生に入ると、もうあなたが恋人である体で頭で考えていたからよ。高校では私以外の女の子とも関わることが多かったから、そんなときはいつも内心嫉妬しまくりだったわ。『私の恋人に手を出さないで』って」
男「恐いな。でも嬉しいと感じる自分も怖い」
幼なじみ「今思えば、半ストーカーだったと反省してるわ。でもそれほど好きだと言うことを知っておいてほしいの」
男「まあ、俺もあまりお前のこと言えねーよ。中学のときはわざとお前のクラスの後輩男子と仲良くしておいて、お前に会うためのカモフラージュにしてたからな」
幼なじみ「あれ意図的だったの。私、運命だと思ってたわ」
なに?真性の自演魔?w
男「お前のことが好きだって言ってたチャラ男を体育館裏に呼び出して真人間にしてやったことも」
幼なじみ「どうりで、ラブレターを貰っても相手が指定場所に来ないわけだわ。ま、断るつもりだったからいいんだけど」
男「……いま思えば、二人して何してんだって感じだな」
幼なじみ「別に、どんな過程があったとしても、今、あなたと好き合っているという結果があるんだから」
男「それもそうだ」
支援
幼なじみ「ねぇ、お兄ちゃん」
男「おい、いまそういうのやめろ。襲っちゃいそうになるだろ」
幼なじみ「ふふっ、ケダモノ。いいのよ、襲っても。それとも妹プレイでもする? おにいちゃん」
男「おい」
幼なじみ「冗談よ、そういうのは後でね」
男「……あとでならいいんだな」
幼なじみ「……うん」
「おう」
「お兄ちゃん……
これからも、よろしくね」
完
乙
長い夜の間をありがとうございました。
私、ネット上に自分の文章を載せたことがなく、もちろん今回が初SSです。
生まれて初めての書き込みによろこび、支援によろこび、批判にもよろこびながら書き込んでました。
拙い文章で至らない点も多々ありましたかと思いますが、読んでくださった方、ありがとうございます。
今度こそ乙
改めて乙
乙
だけど最後のは臭い
乙
長い夜の間をありがとうございました。
私、ネット上に自分の文章を載せたことがなく、もちろん今回が初SSです。
生まれて初めての書き込みによろこび、支援によろこび、批判にもよろこびながら書き込んでました。
拙い文章で至らない点も多々ありましたかと思いますが、読んでくださった方、ありがとうございます。
これはコピペになる
乙!!
おつ
乙!
コピペになって有名になっちゃうね!
おもしろかったよ!少し海水がでた
乙!戻ったら終わってた!
でも最後の挨拶はコピペにされちゃうだろwwww
コピペこわい
ここにまた一つの迷コピペが誕生日したのであった…
いや、かなりいい出来だと思うよ。最後のあいさつ
>>81
詳細
頭いたい
イブ飲んで寝る
読んでないけど>>227見るとかなり香ばしそうだなwwwwww
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>>242
ありが
幼馴染に暴言に飽き飽きして幼馴染友に行く√はありませんか
なんでもいいから幼友がみたいお
おつ
乙
乙
これは香ばしい
最後まで書き溜めしてあったのは評価する
乙
男DQNやないか
最後がコピペになりそうだが面白かったよ
乙
意外とあっさりだったな
おつ
こういうのもありだな
乙
やっぱり幼馴染は良いな
乙
乙~
幼馴染を変えてしまった男の中二病
その中二病の男の言う事を真に受けたアホの子、幼馴染
なにこれかわいい
乙
どんなに香ばしくても書き溜めしてたら何でもいいんだよ
乙
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