ベルトルト

「エレンパパァー、ペトラママァ怖いよおー！」
アニの泣き声に聞きつけて来たエレンとペトラに抱き付くアニ
「まあまあアニどうしたの？」
「オルオおじちゃんとミカサおばちゃんが怖い目をしてアニを睨むのー！」
ピイピイ泣くアニを見ながら互いの顔を見るエレンとペトラ
そして何度目になるであろうため息を付く２人
そしてペトラがオルオとミカサを睨み付けて
「オルオ、ミカサ、あれほど言ったでしょうアニを怖い目で睨み付けないでと」
自分が無理難題を２人に言っているのは承知している
だが、今のアニの扱いは慎重でなければならない

「だけどよおー」
苦虫を噛み締め顔のオルオの顔がさらに苦虫を噛み締めた表情に
「ペトラ、あなたは優しすぎる、その優しさがいつかリヴァイ班全員の死を招く」
ペトラは反論の言葉を失う
ミカサの言は正論だからだ
「ミカサいい加減にしろ！」
言葉を失ったペトラの代わりにミカサを叱責したのはエレン
「アニに関しては俺とペトラさんに一任すると決まったことだろう」
「エレン私は」
「ともかくだ！アニに乱暴は認めないぞ！解ったな！」
「・・・わ・かっ・た」
納得しない顔で立ち去るミカサ
「ちっ」
立ち去るオルオ

「さあアニ、何時までも泣いていないでお部屋に戻りましょう」
「うんママ」
ペトラは泣きじゃくるアニの手を取り隠れ家の疑似親子三人部屋に連れて行く
エレンはそれを複雑な表情で見る

《部屋》
「さあアニ、寝台に座って」
「うん」
素直に寝台に座るアニ
「どうして表に１人で出てしまったの？あれほど１人で表に出てはいけないと言ってあったでしょう」
「だって詰まんないんだもん」
「アニ・・・」
「パパとママは畑仕事でいないし、アニ１人で部屋にいたくなかったんだもん」

「だから１人で外に出たのね」
「うん‥」
ペトラの問い掛けに肯くアニ
「ごめんなさいねアニ。でもね。畑仕事もアニの為なの」
「アニの為？」
「そ！一杯麦や野菜を作ってアニに食べて貰うの」
「・・よくわからない・・」
（無理もないか・・・・）
今のアニは推定４歳
ようやく周りの識別が付き始める年代だ！
そのアニに分別した行動を取れと言うのも無理難題と言えた
「とにかく、パパとママが畑仕事をしているのはアニの為なの、それだけはわかってアニ？」
「うん」
また肯くアニ
「・・・ママも畑仕事に戻らないと・・パパ１人に畑仕事を任せる訳にはいかないから」
「・・・・」
「どうしたのアニ？」
「皆アニの事嫌いなのママ・・・」
「！？」

期待

ペトラは背中に冷や汗が流れるのを感じた
「なぜそう思うのアニ？」
「だって、アルミンお兄ちゃんやヒストリアお姉ちゃんも、アニを見ると笑うのやめるもん。パパも・・」
ペトラはこめかみが痛くなった
あの朴念仁（エレン）！もう少し上手く演技が出来ないのか！と
「そんなことないわよアニ。パパもアニのこと好きよ」
「本当に？」
「ええ本当に」
「だから部屋で大人しくしていなさいアニ」
「」ｺｸﾝ
いかにも納得していない表情で布団の中に潜り込む
ペトラは記憶を無くし幼児後退をしたアニにため息を尽くしかなかった

期待！

話はおもしろいので、できれば行と行のあいだは空けて欲しい
その方が読みやすいと思うので

「ふう後もう少しだな」
エレンは汗を拭いながら周囲を見渡し耕した畑を見回す
「冬が来る前に粗方終えておきたいものだな」
冬が来る前に畑を耕し来年の春に麦や野菜の種を蒔く
「が、その前にカブとサツマイモを必要な量を収穫できるかな？」
もし出来なければ飢えが待つ
「アルミンが立てた計画通りなら必要な量は確保できるはずなんだが」
エレンはチラッと同じく別の場所で畑仕事をしているアルミン達を見る
「！！」
だがエレンの目に見えたのは何かを言いたがっているミカサだった

「何のようだミカサ？」
「わかっているはず・・・」
「ヒストリアの護衛役はどうしたんだ、最近サボリがちだな」
エレンは不毛だなと思った
ミカサが自分のことを心配しているのはわかっている
だがアニの目覚め以降建設的な話しは全くできない
「いつまで嘘の家族を演じているのエレン」
「アニが本来の記憶と自分を戻すまでだ」
「それはいつ？」
何度この対話を繰り返しただろう？
（数えるのもバカらしい）
「わかんねーよ！」
「エレン「ミカサ！お前はヒストリアの護衛役に戻れよ！おまえにも畑仕事があるだろうが！」
エレンはミカサとの対話を強引に打ち切り畑をまた耕し始めた
ミカサがエレンの方向に歩を歩み出そうとした
が、そこにアルミンが駆け寄って来る
「ミカサ！」

「アルミン！」
「まだやらないといけないことがあるのに、ここでサボっていたら駄目だよ」
「だけどアルミン」
「いいからミカサ！」
アルミンは強引にミカサの手を取ると別の方向に連れて行く
（ありがとうなアルミン、助かったよ）
エレンは何かと機転が利く幼なじみの親友に感謝した


「おいペトラ」
「なあにオルオ？」
「いつまでこんなことを続けているつもりなんだ。ああ」
ペトラとエレンが偽両親役をやることに最初から反対していたオルオ
ペトラが畑仕事に戻ろうとしていたのを裏口で詰問調で止める

原作のストーリー展開は完全無視のSS？
アニの正体バレたのも結晶化したのも、リヴァイ班を皆殺しにした後だし

「アニから有益な情報を引き出せる日までよ」
何度このやりとりを繰り返しただろう
（数えるのもバカらしいわね）
ほぼ時同じくエレンと同じ言葉を胸中に吐いた
「さっさと拷問にかければいいじゃねえか」
「幼児後退したアニを拷問にかけたら、有益な情報を引き出す前に死なれてしまうでしょう」
果たしてそうなんだろうか？
ペトラの中で迷いが生じる
「だからと言ってよう、ここまでしてやる必要がどこにあるって言うんだ」
「この件はエルヴィン団長や、兵団上層部も承認しているのよオルオ」
兵団上層部も承認しているが故にリヴァイは沈黙している
「そもそもお前があの小娘を庇ったばかりにだなあ。エレンの糞ガキも、お前に肩入れする形で自分から巻き込まれやがったんだぞ」
ペトラはアニの目覚め時の騒動と顛末を思い浮かべ俯く
「ただでさえエレンの立場は危険と隣り合わせだって言うのによ」

「オルオ、あなたは黙って監視役を続けていれば・・・それがあなたの仕事でしょう」
どちらかと言えば気が長い方でないオルオは苛立ちを隠さない
「あの小娘達のために何人死んだのか解っているんだろうなあ」
「じゅうぶんにわかっているわオルオ」
「ほんとかよ？」
「・・・・とにかく畑仕事に戻るからアニの監視を頼むわね」
小走りに立ち去るペトラ
それを怒りを込めた苛立ち顔で見るオルオ


「だいぶ進んだわねエレン」
「ペトラさん」
「冬を過ごす為の食糧の確保も出来たし、何とかなりそうね」
「オルオさんと何かありましたペトラさん」
内心ぎぐりとしながらエレンをチラッと見るペトラ

最初読んでて、転生パロなのかとも思ったけど、違うみたいだな

「あはははは、エレンあなたは気にしなくていいの、さあ畑仕事を続けましょう」
手を振って懸命に否定するペトラ
ペトラの否定の嘘を見抜くエレン
「ペトラさんも嘘が下手ですね」
（グッ！）
下手な嘘を見抜かれ苦虫を噛み締めた表情になるペトラ
「とにかく畑仕事を続けようエレン」
籠や小道具類を持ち草むしりやカブや芋類のを丹念に調べる
「これなら無事に収穫できそうね」
エレンにはああは言ったものの内心では冬を越せるかどうか内心不安だったペトラ
「ミカサがあそこまで東洋の農業に精通していたおかげね」

ローゼの壁崩壊騒動事件以降物価上昇が著しくハイパーインフレの兆候さえ見えていた
食糧や日用品の物価上昇は市街地の市民生活の打撃に直結
比較的安全なはずの西東でも商品の出し惜しみと値上げが絶えない
南のトロスト区やその近辺では商人とその家族が殺される事件さえおきていた
「そのおかげで私たちも何とか飢え死にせずに済みそうですよね」
ペトラは声がする方向に振り向くと農道に立つ２人を確認できた
「サシャ、ヒストリア！」
「ペトラさん、木炭をお持ちしました」
「ありがとう２人共、そこに置いといて」
「「はい」」
２人は木炭を置くと木炭を作る釜へと戻る
「あら？」
ペトラはここであることに気付く
自分とサシャの距離である
とても自分の独り言が聞こえる距離ではない
サシャの耳の良さは知っていたペトラではあったが・・・・
「痩せの大食い」
試しに呟くペトラ

ピクと立ち止まるサシャ
（え？まさか？）
サシャの耳の良さは知ってはいたのだが・・・・
（まさかここまで？）
悪戯心が頭をもたげてくる
「サシャどうしたの？」
急に立ち止まったサシャをいぶしかむヒストリア
「なんでもありまん」
てくてくと歩きはじ

>>19の続き
てくてくと歩き始めるサシャ
「あの子は30歳過ぎたら激太りするのは確実ね」
また立ち止まるサシャ
（あっやっぱり聞こえているのね）
「どうしたのサシャ？」
サシャの顔を覗き込むヒストリア
顔面蒼白で立ち尽くすサシャ
「顔色悪いよ」
「なんでもありません」
「そんなことはない！サシャは今日はもう寝る！」
ヒストリアは強引にサシャの手を取ると家屋内に連れて行く
サシャは抗議する
それを無視するヒストリア
「耳が良すぎるのも良し悪しね」

「ママ、この泡泡嫌い」
髪の毛をペトラに洗って貰っているアニは拒絶反応
「ダメよアニ、あなたは髪の毛が長いんだからちゃんとしないと」
「でも、目に入ると痛い」
「だからママが洗ってあげているでしょうアニ」
「う、うん」
（こうしていると普通の女の子）
ペトラの目には幼児後退していると言え第57回壁外調査の時とは別人に見えた
（いったいどうやれば人殺しに躊躇いを持たなく・・・）
ペトラが知りたい真相の一端
（やはり成長過程の教育に問題があるとしか・・・）
『悪魔の末裔がああ』
エレンが捕縛された時ベルトルトが言い放った一言
（きっとあの言葉に集約されているのね・・・）
「ママァどうしたの頭を泡泡落としてｸﾞｽﾝ」
「ごめんなさいねアニ、直ぐに落としてあげるね」
「はい、目を瞑ってアニ」
「うん」
背中をプルプル震わせるアニを見ながらペトラは確信した
（彼らはもう一度やってくる）
と

「ねえママ」
頭を洗い終え湯に浸かりながら半泣きのアニ
「なあにアニ」
自分の身体を洗いながらアニに微笑むペトラ
「泡無しじゃダメ？」　
「アニ泡で頭を洗うの嫌い」
「そんな我が儘言わないのアニ」
「だってｸﾞｽﾝ」
「パパに嫌われるわよアニ」
とたんに顔面蒼白になるアニ
不思議とアニはエレンに懐く
エレンに距離を置かれているにも関わらず
「パパに嫌われるの嫌でしょう」
ｺｸﾝ
「なら綺麗綺麗にしないとね」
「うん」


明日の夕方まで中断します。

　幼児退行　ね

後退じゃなくて

やめちゃったのかね

ガチャ
「パパァー！」
扉を開けると勢い良くエレンに抱き付くアニ
「うわ！ちょっと待て！」
ズドーン！
椅子ごとひっくり返りしたたかに頭を打つエレン
「いたたたたたたた」
「エレン大丈夫？」
慌てて飛び込むペトラ
「パパ大丈夫？」
心配そうにエレンの顔を覗き込むアニ
「ああなんとか」
「アニ駄目でしょう。いきなり抱きついたりしたら」
「だって・・」
「だってではありませんパパに誤りなさい！」
ペトラに叱られてしょぼくれるアニ
「俺なら大丈夫だよ」
「アニ！」
「パパごめんなさい」
俯き加減に誤るアニ
「大丈夫だよアニ、パパは怒っていないから」

パパか・・・・
後頭部を抑えながらエレンは自己矛盾を感じていた。
アニが記憶を取り戻した時、アニはなんて思うのだろうか・・・（感謝の言葉は無いだろうな）アニの本来の性格からして、疑似家族なんて受け入れられるとは思えないのだ。
（逆に恨まれるかな）ペトラがアニをお説教している姿を見て、この部屋に息苦しさを感じて部屋の外へと向かうエレン。

「エレン？」
「少し散歩に行ってくる」
「そう、気を付けて」
「ああ」
ペトラは敢えて引き止めなかった
「アニもお散歩に行きたい」
「駄目よお風呂上がりなんだから」
「はあ～い」
むくれた顔をしたアニを見てエレンは苦笑した
（あれが本来の素のアニなんだな）
訓練兵時代のアニと今のアニ
そして女型巨人のアニ
そのギャップにエレンは苦しみ今のアニを受け入れられないでいた！

サク
満点の星空を見てエレンはアニのこれから先を考える
「アニにこれから先は無い」
エレンは何度も達した結論を口にする
アニが記憶を取り戻したら待っているのは生き地獄の拷問の日々だ！
エルヴィン団長が責任を負う形でアニはエレンとペトラが引き受けた
アニを山里とは言え地上で生活させるのにどれほどの反対があったのか・・・・
問答無用で処刑してしまえの意見が過半数を締めていた
それを押し切ってでの生活
エレンはそれが正しかったのか悩む
「エレン？」

「？」
「クリスタ！？」
エレンは振り向くとクリスタがそこにいた
「エレンもお散歩なの？」
「ああ、クリスタは？」
「私もよ」
エレン達の隠れ家は二軒
エレン達の方がやや小じんまりとしている　
「あそこの見張り台にいきましょう」
「あそこなら見晴らしもいいから」
「ああそうだな」
エレンはクリスタに救われた思いだった
コツン、カツン
「やっぱりここなら見晴らしがいい」
「そうだな・・・」
「ユミルどうしているかな」

「ユミルのこと心配か？」
「親友だもん」
「そうだな・・・・」
ユミルに関しては別な意味で複雑な思いがあるエレン
以前の自分ならただた

ただ単純に裏切り者としてばっさりと割り切っていたであろう
だが隠れ家生活を始めた事と諸他の事実で割り切りが出来なくなっていた
（俺は弱くなったのだろうか・・）
「エレン」
ハッ
「エレンはユミルを恨んでいるの？」
ザアアアアアアア
一陣の風が吹き抜ける
「さあな」
「俺にも良くわからないんだ」
「わからない？」
「ああ」
「なんで」
「以前の俺だったら単純にユミルを裏切り者として見做していただろうけどな」
「」
「でも今は違う。単純に見る事が出来ずにいる・・」
「そうならまだ望みはあるんだ」
「？」
「エレン、私を壁の向こう側に連れて行って！」

「クリスタ？」
エレンは唐突なクリスタの申し入れに戸惑う
「ユミルを探しに行きたいの」
「駄目かなエレン」
クリスタのお願いが籠もったま

「クリスタ？」
エレンは唐突なクリスタの申し入れに戸惑う
「ユミルを探しに行きたいの」
「駄目かなエレン」
クリスタのお願いが籠もった眼差しから視線を逸らすエレン
「今は無理だクリスタ」
「なぜ駄目なのエレン？」
「アニの事がある」
クリスタの表情に怒りが浮かぶ
「あんな奴殺せばいいじゃない！」
「！？」
「アニなんてさっさと殺して壁の向こうに行こうエレン！」
「クリスタ・・・」
クリスタがエレンの胸倉を掴む
「そして私の望みを叶えてエレン！」
「落ち着けよクリスタ！」
「私の望みを叶えてくれるのならなん

「私の望みを叶えてくれるのなら何でもするからエレン！望みを叶えて！」
「今は無理なのを解っているだろうクリスタ」
「ツ・・・・」
チラッ
クリスタは隠れ家の方を見るとエレンの手を取る
「こっちに来てエレン」
「たたクリスタおいちょっと待て！」
「待てない！」
キッパリ言い切るクリスタはその細身とは思えない力でエレンを引っ張る
「おいどこに？」
クリスタは少し下った茂みの中で歩を止める
そしてエレンに背中を向けたままで服を脱ぎ出した
「おい！クリスタ！」

更新きた。乙。

「私が無理を言っているのは解っているよエレン」
過酷な訓練で端正整った裸体を見せるクリスタ
「だから私の身体をエレンに挙げる。エレンの好きにしていい」
下着も脱いでしまったクリスタ
「おい！だから」　
「だから私の望みを叶え」
「そこまでよクリスタ」
２人は背後に振り向くとそこには激怒り顔のミカサがいた
「ミカサ！」
「！」
「遅いから様子を見に来ていたの」
「そしたら・・・・」
全身から怒りの怒気を充満させて立つミカサ
「クリスタどういうつもり」
歩を進めるミカサ
下がるクリスタ
「止めろミカサ！」
エレンがミカサの前に立ち両肩に手をかけて押し留める
「答えてクリスタ」
「クリスタ早く服を着ろ！早く！」　
「ツ」
クリスタは急いで着服を始める
「エレンその手を離して！」
「だからミカサ！お前も落ち着け！」

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