あずさ「一人酒、時々人との出会い」 (43)
一応時系列的にはこの前投下した、
あずさ「一人酒、はしご酒」あずさ「一人酒、はしご酒」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382012560/)
の前の話となってますが読まなくても楽しめる形ではあります。
ただ、読んでおくと、よりこの話も読みやすいかと思います。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383395412
あずさ「~♪」
律子「何だか楽しそうですね?あずささん」
律子「何か良いことでもあったんですか?」
あずさ「実は、今日は早くお仕事が終わりそうですので、一人でお酒を飲みに行こうかと♪」
律子「ああ、なるほど」
あずさ「そうだ!律子さんも一緒に行きませんか?」
あずさ「せっかく律子さんもお酒が飲める年なんですから・・・」
律子「是非とも行きたいんですけど、今日は仕事が早く終わるか遅く終わるかが分からないので・・・」
あずさ「あら、そうですか・・・いつもお仕事、ありがとうございます」ペコリ
律子「大丈夫ですよ。もし仕事が早く終われば、その時は連絡しますね!」
律子「でもあずささん、飲み過ぎには注意してくださいよ?」
律子「明日もお仕事ありますからね?」
あずさ「うふふ、そうですね。ほどほどに飲みます」
あずさ「それじゃあ律子さん、皆さん、お先に失礼します」
律子「はい!あずささん、明日も頑張りましょうね!」
あずさ「はい~!」
ガチャ パタン
テクテク
あずさ「今日はどこに行こうかしら~」
あずさ「あっ、そうだ!今日は行きつけの駅前の居酒屋さんに・・・」
あずさ「でも、ずいぶんと涼しくなったわね」
あずさ「この道を右に曲がったら、居酒屋さんが・・・それっ!」
あずさ「あれっ?・・・あっ、あったあった!」
あずさ「今回は迷わずに行くことができたわね♪」
ガララッ
あずさ「こんばんは~」
大将「いらっしゃい!おお、今日もよく来てくれたね!」
あずさ「うふふ、ありがとうございます」
大将「じゃあ、そこの席にどうぞ!」
あずさ「はい!」
あずさ「お隣、失礼しますね?」
??「あ、はい・・・どうぞ」
あずさ(隣の女の人、すっごく綺麗・・・)
大将「お姉さん!まずは何にします?」
あずさ「じゃあ・・・きゅうりのお漬物と、玉子焼きと、飲み物は・・・『黒霧島』の水割りで!」
大将「かしこまりました!」
あずさ(・・・早く来ないかな~♪)
あずさ(そういえば、確か明日のお仕事は・・・)
??「あの、すみません・・・」
あずさ「はい、どうしました?」
??「もしかして・・・三浦あずささんですか?」
あずさ「はい、そうですけど・・・」
あずさ「あっ・・・どこかでお会いしたことありせんか?」
??「はい。実はブライダルフェアの撮影でお仕事を一緒に・・・」
あずさ「ああ、そうでした、思い出しました~!確かドレスを着て鳥と一緒に写真を撮られてた方・・・」
??「はい、あの鳥の写真のおかげで、その時の特集記事のトリを・・・ふふっ」
あずさ「?」
??「あ、申し遅れました。私、高垣楓といいます」
あずさ「改めましてよろしくお願いします、高垣さん」
楓「あっ、名前で構いませんよ」
あずさ「そうですか、じゃあ・・・楓さん」
あずさ「私も名前で構いませんから」
楓「分かりました。よろしくお願いします、あずささん」
あずさ「楓さんは、よくここに来てたのですか?」
楓「ええ、月に2、3度ほど・・・」
あずさ「あら~、そうだったのですね~」
楓「あずささんも、よくここに?」
あずさ「はい、私も同じくらいの頻度で来てました」
楓「じゃあ、運よく時間がかみ合って今日こうして出会えたのですね」
あずさ「そうみたいですね~、うふふっ」
大将「はい、お二人とも!お待ちどうさん!」
楓「あら♪」
あずさ「ありがとうございます!」
あずさ「楓さんもまだ食べてなかったのですね?」
楓「はい。注文してすぐにあずささんが入ってきたので・・・」
あずさ「それじゃあ・・・乾杯しましょっか!」
楓「はい♪」
楓「では・・・」
あずさ「「乾杯っ!」」チンッ
あずさ「・・・プハァ、ああ、美味しいっ!」
楓「ふふっ、そうですね。お仕事後の一杯の一口目って特に美味しく感じます」
あずさ「楓さんは、日本酒から入るんですね?」
楓「はい、日本酒が好きですから・・・あと、ビールもよく飲みます」
楓「あずささんは、よく焼酎から飲むんですか?」
あずさ「そうですね、しょっちゅう飲みます。もちろん、ビールもですけど・・・」
楓「ふふっ、焼酎をしょっちゅう・・・ふふっ・・・」
あずさ「あ、あらあら・・・駄洒落になってしまいましたね」///
楓「・・・んっ、この南蛮漬け、お酢がいい感じ」キラン
あずさ「アムッ・・・うん、美味しい!このキュウリ、よく漬かってる!」
楓「本当によく漬かってそうなキュウリですね」
あずさ「良かったら食べます?楓さん」
楓「良いんですか?」
あずさ「ええ!」
楓「ありがとうございます・・・」キラキラ
楓「アムッ・・・ん!美味しい!」キラン
あずさ(この人かわいい)
楓「あ、そうだ、あずささんも私の南蛮漬けどうぞ」
あずさ「わあ、ありがとうございます♪」
あずさ「そうだ、楓さんは今どんなお仕事を?」
あずさ「この前私とお仕事が同じでしたけど・・・」
楓「今はモデルをしています」
あずさ「あら、そうだったのですね~!」
あずさ「ちなみに、どのくらいモデルのお仕事を?」
楓「21歳から始めて、えっと、どれくらい経ったかしら・・・」
あずさ「えっ、ちょっと待ってください!今おいくつなんですか?」
楓「私ですか?今、25歳です」
あずさ「若い・・・」
楓「?」
あずさ(てっきり、同い年ぐらいかと・・・)
あずさ「楓さん、私の頼んだ玉子焼きも食べてください♪」
楓「ありがとうございます・・・じゃあ、私の牛すじの煮込みも・・・」
あずさ「はい!」
楓「では・・・アムッ・・・んっ!よく出汁がきいてて美味しい!」
あずさ「・・・牛すじも柔らかくて、味がよく染みてて美味しいです!」
あずさ「お酒にも・・・プハッ、合いますね~!」
楓「ふふっ、そうですね、お酒が進んじゃいます」
楓「あっ、お酒無くなった・・・」ピチョン
あずさ「料理も無くなっちゃいましたね・・・」
楓「じゃあ・・・どうします?料理、二人で一緒に頼みますか?」
あずさ「あ、そうですね・・・料理のお代は割り勘にしましょうか」
楓「そうですね、そうしましょう」クスッ
楓「じゃあ、料理はどうしますか?」
あずさ「えっと・・・じゃあ・・・」
あずさ「これ!揚げだし茄子が食べたいです!」
楓「あ、いいですね♪」
あずさ「楓さんも選んでください」
楓「それじゃあ・・・イカの一夜干しとか、どうですか?」
あずさ「あら、美味しそうですね~!」
楓「それじゃあ、この2つにしましょうか」
あずさ「お酒はどうしようかしら・・・」
楓「日本酒飲めるのでしたら、日本酒いかがです?」
あずさ「そうですね♪日本酒も好きですから・・・ちなみに楓さん、その日本酒はどこのですか?」
楓「これは、『船中八策』ですね。高知のお酒です。辛口のキリッとしたお酒ですけど、美味しいですよ?」
あずさ「美味しそうですね~、それにしようかしら・・・」
楓「ピコン!・・・あずささん、これなんていかがですか?」
あずさ「えっと・・・『喜多屋』、ですか?」
楓「はい、福岡のお酒ですけど、おススメです」
あずさ「それじゃあ、そのおススメにします!」
楓「私も喜多屋にしよっと・・・すみません、注文いいですか・・・」
楓「そういえば、あずささんは765プロさんの所属ですよね?」
あずさ「はい、そうです」
楓「みなさんどんな感じですか?」
あずさ「みんなとっても仲が良いですよ~!いつも事務所が賑やかで、とっても楽しいです!」
楓「ふむふむ」
あずさ「社長さんも事務員さんも2人のプロデューサーさんも、みんなに慕われてますし、ホント、家族みたいな事務所です」ウフフッ
楓「なるほど、楽しそうですね・・・ふふっ♪」
あずさ「楓さんの所属してる事務所は・・・」
大将「はい!お料理、お待ちどう!お酒もすぐにお持ちします!」ゴトッ
あずさ「あら、美味しそう!」
楓「ほんと、美味しそうです・・・あずささん、さっき何か言いませんでした?」
あずさ「大丈夫です、気にしないでください」
大将「お待たせしました!『喜多屋』です!」コトッ
楓「ふふっ、『喜多屋』が来たやん・・・ふふっ・・・」
あずさ「あの・・・楓さんは駄洒落がお好きなんですか?」
楓「好きというか、駄洒落を作るのが癖になってるというか・・・すみません、もしかして不快でした?」シュン
あずさ「いえ、そういうわけじゃないです!」アタフタ
あずさ「千早ちゃんが喜ぶかもなぁって思って・・・」
楓「千早ちゃん・・・あの『歌姫』の如月千早さんですか?」
あずさ「ええ、千早ちゃん、ちょっとしたギャグですぐ笑っちゃうんです」
楓「そうなんですか・・・」キラキラ
あずさ(目、すごく輝いてる・・・会わせてあげたい)
あずさ「冷めちゃいますから、早く食べましょうか」
楓「そうですね・・・では改めて、あずささん」スッ
あずさ「はい、楓さん」スッ
あずさ楓「「乾杯!」」チンッ
あずさ「・・・んっ!美味しい!」
楓「そうなんです。このお酒、何にでも合うタイプのお酒で・・・」
あずさ「そうですね、楓さんがおススメするだけあります!」
楓「ふふっ、そうでしょう」ドヤッ
あずさ(ドヤ顔かわいい)
楓「このイカの一夜干しを・・・アムッ」
楓「・・・んまい」キラン
あずさ「一夜干ししてるおかげか、イカの旨みがギュっ!ってしてます!」
あずさ「次にこの揚げだし茄子を・・・ん!」
楓「揚げた茄子が良い感じに出汁を吸ってて、美味しいです」
あずさ「やっぱり、お酒も・・・」
楓「合いますね」
あずさ「うふふっ♪」
楓「ふふっ♪」
_________
______
___
楓「あの、あずささん」
あずさ「どうしました?」
楓「あずささんは・・・今、アイドルやってて楽しいですか?」
あずさ「はい!もちろん!」
あずさ「今、私がアイドルであるということは誇りに思ってます」ニコッ
楓「!・・・そうですか・・・」
あずさ「・・・?」
あずさ「!・・・楓さん、今のお仕事に悩みがあるんですか?」
楓「実は・・・もう、辞めてもいいかなって思ってて・・・」
あずさ「!」
楓「あずささん、モデルの仕事で大切なことって何だと思います?」
あずさ「モデルで大切なことですか?・・・すみません、分かりません・・・」
楓「自分の存在を消すことです」
あずさ「自分の存在を消す?」
楓「はい。主役は自分ではなく、着ている服なんです」
あずさ「なるほど・・・」
楓「だからこそ、カメラの前では自分を極力殺すようします」
楓「ただ・・・そうしてモデルを続けていると、自分が分からなくなるんです」
楓「自分はマネキンなんじゃないかって錯覚する時もあって・・・」
あずさ「楓さん・・・」
楓「そういう世界なので、事務所内はちょっと殺伐としてて・・・」
あずさ「だから、さっき私たちの事務所のことを・・・」
楓「はい・・・でも、あの時の写真がブライダル特集で載ったのはとても嬉しかったんです」
楓「あの写真は、服よりも私を撮ってくれた写真ですから」
楓「もう、今の仕事を辞めても悔いはないです」ニコッ
あずさ「そんな・・・すごくスラってしてて、綺麗で、いかにもモデルさん!って感じなのに・・・」
楓「ありがとうございます。でも・・・これ以上は無理なんじゃないかなって」
あずさ「そうですか・・・」
あずさ(モデルって厳しい世界・・・)
楓『ただ・・・そうしてモデルを続けていると、自分が分からなくなるんです』
楓『自分はマネキンなんじゃないかって錯覚する時もあって・・・』
あずさ(あんなに綺麗なのに・・・アイドルでも、十分やっていけるぐらい)
あずさ(!)ティン
お、面白そう!
期待
あずさ「楓さん!アイドルやってみませんか?」
楓「アイドル・・・えっ、私がですか!?」
あずさ「はい!」
楓「でも、私もう25ですよ?アイドルなんてやっていく年じゃないと・・・」
あずさ「大丈夫です、意外と多いですよ?」
あずさ「この前も、元警察官のアイドルと共演しましたけど、その方も28でしたから」
楓「28・・・私より年上・・・」
あずさ「それに、アイドルは自分から輝いていくものなんですよ?」
楓「!・・・自分から、輝く・・・」
あずさ「はい!」
あずさ「楓さんなら、絶対アイドルとしてもやっていけると思います!」
あずさ「そうだ!うちの事務所!・・・は今、アイドル募集してなかったんだ・・・」シュン
あずさ「えっと、確か・・・あっ!楓さん、GCプロさんってご存知です?」
楓「CGプロですか?」
あずさ「はい!シンデレラ・ガールズ・プロダクション、通称CGプロです!」
あずさ「新しい事務所ですけど、とても評判の良い事務所です!」
あずさ「この前もCGプロさんのアイドルと共演したんですけど、とてもいい子たちばかりで・・・」
楓「・・・」
楓「ところで、あずささんはどうしてアイドルになろうと思ったんですか?」
あずさ「私ですか?ちょっと恥ずかしい話ですけど・・・運命の人を探したいと思って・・・」
楓「運命の人ですか?」
あずさ「はい・・・」カァァ
楓「ちなみに、見つけましたか?」
あずさ「実は、いいなぁって思う人は・・・」///
楓「その方が本当に運命の人だと良いですね?」フフッ
あずさ「はい・・・」///
キラメキラリ~♪
あずさ「あっ、ごめんなさい、電話が・・・」ピッ
あずさ「はい、もしもし」
小鳥『あっ、あずささんですか?』
あずさ「音無さん、どうしました?」
小鳥『今、律子さんと、プロデューサーさんと一緒に飲んでるんですけど・・・どうです?』
あずさ「あら、律子さんと、プロデューサーさんの3人ですか?とても楽しそうですね~!」
あずさ「あっ、でも今・・・ん?」チョイチョイ
あずさ「音無さん、ちょっと待ってくださいね・・・どうしました?楓さん」
楓「私のことは大丈夫ですから、みなさんの所へ行かれてください」
あずさ「・・・いいんですか?」
楓「はい」ニコッ
あずさ「音無さん、では私も参加します!」
小鳥『分かりました!』
小鳥『プロデューサーさんも楽しみにしてるみたいですから、早く来てくださいね?』
あずさ「はい、わかりました」///
ピッ
あずさ「楓さん、すみません・・・」
楓「大丈夫です、気にしないでください」ニコッ
楓「それに、私の愚痴に付き合ってくれて・・・本当にありがとうございます」ペコリ
あずさ「いえ、私は何も・・・」
楓「あずささん、私・・・アイドル考えてみたいと思います」
あずさ「!・・・本当ですか!」パアァ
楓「あと」ズイッ
あずさ「ど、どうしました?」
楓「運命の人・・・プロデューサーさんですね?」
あずさ「あ、あらあら・・・」カアァ
楓「ふふっ、さっきの会話で分かっちゃいました♪」
あずさ「・・・」///
楓「頑張ってくださいね♪」
あずさ「はい・・・」///
楓「そろそろ、行った方が良いんじゃないですか?」
あずさ「そうですね。楓さん、今日は楽しかったです」ニコッ
楓「ええ、こちらこそ。また、こうして飲むことができたらいいですね」ニコッ
あずさ「うふふっ、そうですね♪でも、今度はアイドルとしてお会いしたいです♪」
楓「あら・・・」///
あずさ「それじゃあ、楓さん」フリフリ
楓「ええ。あずささん、またいつか」フリフリ
ハイ!オカイケイデスネ! ハイ!タシカニ! マタドウゾー! ガララッ
楓「ふう・・・」
楓(あずささん、とってもいい人だったな・・・)
楓(綺麗で、おしとやかで・・・)
楓(また会いたい・・・いつか会えると良いな・・・)
楓(でも・・・)
楓「アイドル・・・か」ポツリ
楓(私がアイドルになったら、どんなアイドルになるんだろう・・・?)
ガララッ
大将「いらっしゃいませー!」
??「一人なんですけど・・・席、空いてますか?」
大将「はい!ちょうどお一つ空いてます!そちらの席にどうぞ!」
??「ああ、良かった、ありがとうございます!」
??「すみません、お隣失礼しますね」
楓「はい、どうぞ」
??「ありがとうござ・・・!」ティン
??「すみません、少しお時間よろしいですか?」
楓「あ、はい。構いませんが・・・」
??「ありがとうございます!あの、あなたをパッと一目見てですね・・・」
??「あなたに何か来るものがあったというか・・・その・・・ティンと来たというか!」
楓「あの、ち、ちょっと・・・」
??「あっ!すみません、いきなりこんなこと言ってくる男がいたら変ですよね・・・」アハハ
??「遅れました、私、こういうものでして・・・これ、名刺です」
楓「はい、えっと・・・」
楓「CGプロ プロデューサー モバP?」
モバP「はい!あなたのお名前お聞きしてもよろしいですか?」
楓「私は・・・高垣楓です」
モバP「高垣楓さんですね?・・・早速ですが、楓さん・・・」
モバP「アイドルになりませんか?」
おわり
以前書いたSSで「楓さんとあずささんの会話が気になった」というコメントがあったので、書いてみました。
楓さんの言ってた写真というのは、胸元がキャベツに似ている(笑)あのドレスを着ていると思っていただけると・・・
あの衣装を、もっとウェディングドレスっぽくなったんだと脳内保管して下さい。
(結婚しよ)ドレスでわくわくさんかと思ったよ
おつおつ!
乙
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