妹「だから………お兄ちゃんになって……」

兄「え、俺はお前のお兄ちゃんだけど…？」

妹「……うん」

兄「じゃあこんなの意味ないんじゃないの？」

妹「私のお兄ちゃん……じゃなくて」

兄「？」

妹「………私の友達の『お兄ちゃん』になって」

兄「…………は？」

妹「………」

兄「え……いや、意味がわからないんだけど？」

妹「私だって意味がわからないよ……なんでこんな事に……っ……あ～もう～～」ﾎﾟｶﾎﾟｶ

兄「お、おいっ！落ち着け」

妹「私のバカバカバカ…」ﾎﾟｶﾎﾟｶﾎﾟｶ

兄「わかった、わかったからとりあえず落ち着くんだ！自分の頭をポカポカするのはやめておくんだ」

妹「うぅ……」

兄「………落ち着いたか？」

妹「……ふぅ………うん」

兄「それで、どういう事なのか説明してくれるか？」

妹「う、うん……えっとね、今日学校でこんな事があったの」

-----------------------
～妹･学校にて～


生徒１「ね、聞いて聞いて！私ね『Ｍｙ☆妹シスターズ』のライブチケット手に入れちゃったんだ～♪」

生徒２「わ、すごーい！今、超人気のグループでしょ？」

生徒１「ふふーん、いいでしょ～」

生徒２「いいな～私も行きたいなぁ～」

生徒１「ふふっ、あのヲタ兄が私の兄貴で初めてよかったって思ったよ♪」

生徒２「あ～ん、私にもヲタのお兄ちゃんがいたらなぁ…」

妹･妹友（………）

キャッキャッ♪


妹「はぁ～いいなぁ、あの子『Ｍｙシス』のライブ見に行くんだって。私もライブ見に行きたいなぁ～」

妹友（お兄ちゃんかぁ…）

妹「羨ましいよね～『Ｍｙシス』」

妹友「私は興味ありませんけど」

妹「…まぁ、妹友ちゃんはそうだろうね」ﾊﾊ

妹友「私はむしろ妹さんが羨ましいですわ」

妹「え、なんで？」

妹友「妹さん、兄さんの妹……なんですもの」

妹「ふぇ…？」

妹友「あんな素敵なお兄様がいらしたら、毎日楽しくてしょうがないのではないですか？」

妹「……まあね///」

妹友「………」

妹「あれ？」

妹友「？」

妹「でも妹友ちゃんも兄弟いたよね？確か……お姉ちゃんだっけ？」

妹友「ええ。ちょうど妹さん達と同じく離れた姉が一人」

妹「だよね！お姉ちゃんいいなぁ～」

妹友「兄さんでは不満があるのですか？」

妹「ううん、お兄ちゃんに不満があるとかそんなんじゃなくて…お姉ちゃんがいるって、なんか憧れるなぁって」

妹友「そうですか？」

妹「うん。一緒にお買い物とか行ったりするんでしょ？」

妹友「そうですね。たまにお互い時間が空いた時に…とか滅多に無いですけれど」

妹「いいなぁ…お姉ちゃんと一緒にお買い物だなんて、妹友ちゃんの方こそ羨ましいよ～」

妹友「兄さんとは買い物など一緒には行かれないのですか？」

妹「……うん。お兄ちゃん、休みの日は部活とかバイトで忙しいって」

妹友「あら、それは仕方ありませんね……」

妹「まぁその分、家にいるときは優しくしてくれるからいいんだけどね～♪」

妹友「……具体的にどんな事をしていただいてるのでしょう？」

妹「うーん、例えば……昨日は私にプリン買ってきてくれたり、勉強教えてくれたり……」

妹友「………」

妹「洗濯物を畳むの手伝ってくれたり、私が録画し忘れてたドラマを録画しててくれたり」

妹友「………」

妹「他にも一緒にゲームしてくれたり…あ、暗くて危ないから～ってチャッピーの散歩について来てくれたりも…」

妹友「………」

妹「私が嬉しいなーって思う事を不思議と自分からやってくれるんだよね…お兄ちゃんって」

妹友「妹さんのお話を聞いているだけでも、兄さんの優しさが伝わってきますわ」

妹「あはは、そう？でも、やっぱり一緒にいて一番嬉しいのは……お兄ちゃんの笑顔が見れる事かなー？なーんて///」

妹友「笑顔……ですか？」

妹「お兄ちゃんの笑顔を見るとね、なんだか心が暖かくなるっていうか…今日も一日頑張ろーまた明日も頑張ろーって気にさせられるんだぁ///」

妹「…ということなの」

兄「まて、全然わかんない」

妹「ともかく、一日でいいからちゃんとお兄ちゃんしてきてね」

兄「はぁ……妹友ちゃんてあれだろ、言葉遣いの丁寧な」

妹「そそ」

兄「緊張するなぁ……」

妹「ほら、はやく荷物まとめて」

兄「え？」

妹「え？じゃないでしょ一日お兄ちゃんするんだから」

兄「泊り込みかよ」

妹「そうだよ、明日の朝からね」

兄「むこうの親御さんはいいのかよ」

妹「お兄ちゃん券があるから平気だよ」

兄「そんなにいいやつなの？このチケット」

妹「お兄ちゃん券の偽造は国家反逆罪だからね」

兄「はぁ……」

～翌朝～

兄「じゃ、行ってきます」

妹「気をつけてね」

兄「帰りは明日の朝だな」

妹「忘れ物はない？買い食いとかしちゃだめだよ。あと向こうの家に失礼のないようにね」

兄「わかってるって」

妹「あと……」

兄「ん？」

妹「ちゃんと帰ってきてね」

兄「よくわかんないけど……明日になったら帰ってくるにきまってるだろ？」

妹「……ならいいけど。えへへ」

兄「寂しいんだろ？」

妹「ち、違うもんっ！」

兄「じゃあ、行ってくるわ」

兄「地図によるとこの辺のはずなんだけど」

兄「この辺って高級住宅街なんだよなぁ」

兄「どの家も俺の家の３倍くらいあるし」

兄「どんな悪いことしたらこんなとこに住めるのやら……」

兄「お、ひときわ大きなこの家は……」

兄「ここか、妹友ちゃんの家は」

ピンポーン

兄「すいませーん」

召使「……どちらさまですか？」

兄「あ、なんて説明すればいいんだろ、えーと、君は妹友ちゃん？」

召使「私はこの家の召使ですが」

兄「め、召使！？」

召使「ありていにいってしまえばメイドです」

兄「むぅ、想像以上のお嬢様だったようだぞ」

妹友「………それって、なんか素敵な事ですね。やっぱり羨ましいです妹さんが」

妹「えへへ～♪」

妹友「………っ」ﾎﾞｿｯ

妹「ん？なぁに？」

妹友「私も……私も兄さんのようなお兄様が欲しかったですわ」

妹「あ、あはは……でも、妹友ちゃんにはお姉ちゃんがいるでしょ？」

妹友「それは……そう…ですけれど……」ｼｮﾎﾞﾝ

キーンコーンカーンコーン

妹「あ、予鈴鳴っちゃったね！妹友ちゃん急ご？」

妹友「……はい」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

召使「貴方はもしかして……妹様のお兄様でいらっしゃいますか？」

兄「そうです」

召使「……今、門を開けます」

ガガガ

兄「すげぇ、自動だ」

召使「お帰りなさいませ、お坊ちゃま」

兄「お、おぼっちゃまって……」

召使「お話はお嬢様から伺っております」

兄「そうそう、お兄ちゃん券で来たんですよ」

召使「お部屋のほうへご案内いたします」

兄「この額縁の絵、ゴッホのやつにそっくりだね」

召使「それは本物です」

兄「またまたご冗談を」

召使「本物です」

兄「……マジデ？」

召使「マジです」

兄「はは……」

妹友「お兄様っ！！」

兄「あ、妹友ちゃん」

妹友「お兄様……来てくれたんですね」ギュム

兄「わ、ちょちょっとま」

妹友「昨日は楽しみで眠れませんでした」ギュムム

兄「お、落ち着いて妹友ちゃん」

妹友「友はいらないです」

兄「え？」

妹友「ここにいる間だけは、妹と呼んでいただけませんか？」

兄「あ、あぁ……わかったよ」

妹「うふふ、嬉しいです……」

妹「色々中略してお昼ごはんです」

兄「楽しみだなあ、一体何が出てくるんだろう」

妹「エビフライだそうです」

兄「意外と普通だった」

召使「……お待たせしました、伊勢海老のフライです」

兄「んなっ……」

妹「ありがとう。さ、食べましょう」

兄「で、でけぇぞこれ」

～１時限目･英語～

妹友「………」ｼｮﾎﾞﾝ

妹（妹友ちゃん…まだ元気ないままだ……）

妹友「………」ﾎﾞｰ

教師「ん？妹友、何をボーっとしとる？珍しい事もあるもんだな」ﾊﾊ

妹友「………ハァ」

教師（ム、溜息だと…っ？！）

妹（妹友ちゃん…？）

教師「よし……妹友、こここの問題を前に出て解いてみろ」

妹「ちょっと、妹友ちゃん！妹友ちゃん、先生が呼んでるよ！」ﾎﾞｿｯ

妹友「………え…あ、はい何でしょう？」

教師「聞いてなかったのか！？…ったく、この問題を前へ出て解いてみろ」

妹友「は…はい……」

妹「……ということがあったの」

兄「そりゃ授業聞いてないのが悪いな」

妹「そんなこと言わないで励ましてあげてよ」

兄「なんで俺が」

妹「１日お兄ちゃん券持ってるもん」

兄「なにそれ」

妹「とにかく今呼んでくるから待ってて」

妹友「お兄様……」

兄「うぉ」

妹「なぐさめてあげてね、それじゃ私は行くから」

兄「おい、ちょっと待てって……」

妹友「お兄様……私、先生に怒られちゃいました……」

兄「あー……それくらい普通だよ、気にすんなって……」

妹友「私、あんまり先生に怒られたことなくて」

兄「優等生ぽいもんな」

妹友「ぐすん……だからショックです」

兄「俺なんかほぼ毎日怒られてると言うのに」

妹友「お兄様……」ｷﾞｭ

兄「うわ」

妹友「頭……なでなでして下さいませんか？」

兄「これでいい？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

妹友「あ……」

兄「なんだか照れ臭いなぁ」

妹友「お兄様の手……温かくて大きいです」

兄「一応男だから」

妹友「もっとなでなでしてください」

兄「はいよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

妹友「ん……もっと…背中もなでなでして下さい……」

兄「こ、こう……？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ガタッ

妹友「………」ｽﾀｽﾀｽﾀ

妹（妹友ちゃんボーっとしてたけど、大丈夫なのかな？）

妹友「………」ｼﾞｰ

教師「そこの問題を和訳してみろ」

妹「………」ｽｯ

スラスラスラ

教師（ほう…）

妹（流石は妹友ちゃんだなぁ～授業聞いてないみたいだったのにスラスラと……あ、あれ？）

カッカッカカッ……

妹友「できました」ｽｯ

スタスタスタ…ガタッ

教師「お…おい、妹友……なんだこれは」

妹友「………」ﾎﾞｰ

教師「最初の方はあっとるんだが…ココ！『私が今一番欲しい物はお兄様です』って……」

妹友「………ハァ」ﾎﾞｰ

教師「心ここにあらずか………まぁいつも勉強ばかりで疲れているんだろう。しょうがない…次、妹！前へ出ろ」

妹「は、はいっ…！」

妹友「………」

妹（妹友ちゃん……）

妹「そんなにお兄ちゃん欲しいの？」

妹友「はい……」

妹「じゃあさ、一日だけお兄ちゃん貸してあげるよ」

妹友「え？」

妹「持ってるんでしょ？一日お兄ちゃん券」

妹友「そ、それは…でも」

妹「私のお兄ちゃんなんかいらないか、あはは冗談だからね」

妹友「……ください」ビリッ

妹「え」

わかると思うけど訂正

×→教師「そこの問題を和訳してみろ」

妹「………」ｽｯ


○→教師「そこの問題を和訳してみろ」

妹友「………」ｽｯ

妹「というわけで、今日、うちに泊まることになったから」

妹友「よろしくお願いします」

兄「状況が飲み込めない」

妹「頭悪いなぁ、だから一日お兄ちゃん券だってば」

妹友「です」

兄「なんだよそれ……」

妹「要するに今日だけ、この子のお兄ちゃんになってね」

妹友「お兄様、ふつつかな妹ですがよろしくお願いします」

兄「う、うん」

妹「ちゃんと可愛がってあげてね」

兄「まぁ、そういうことなら頑張る。もとから可愛いし」

妹友「えっ……」

妹「こら、妹友ちゃんは純情なんだからそんなこと軽々しく言っちゃだめなんだよっ」

俺に挑戦しようって奴が多いな


いいね、どんな奴でもいい…かかってこいよ！

挑戦する奴は妹の学校での回想部分からにしてくれたら嬉しい（オリジナリティーが無くなってつまらなくなるから）

>>121
お前が言うなよw

妹友「じゃあ……」

兄「な、なに？」

妹友「……お風呂、一緒に入りたいです」

妹「えーーーーーっ！」

妹友「いけませんか？」

兄「俺はいっこうに構わん」キリ

妹「キリじゃないってば！うちのお風呂狭いよ、妹友ちゃんのとこと違うんだから」

>>124
むしろ>>1である俺しか言っちゃいけないと思うのだが…

妹友「大きさ、広さは問題じゃないです」

兄「そうだそうだ」

妹「あんたはちょっと黙ってな」

兄「ひぃ」

妹友「……妹ちゃん、これ」ヒラヒラ

妹「う、一日お兄ちゃん券……」

妹友「私は妹としての正当な権利を主張します」

妹「……っ」ギリィ

兄「お湯ためてくるね」