光彦「ボクゥ迷子ですか?」しんのすけ「あんた誰?」 (19)

光彦「僕ですか?僕は光彦って言います」

しんのすけ「ほうほう」

光彦「これでも探偵をやってるんですよー凄いでしょう?」

しんのすけ「ほうほう」

光彦「それで、君の名前はなんて言うんですか?」

しんのすけ「ほうほう」

光彦「あのー…僕の話聞いてます?」

しんのすけ「え?さぁ」

光彦「さぁ?じゃなくて名前を教えてくださいよー」

しんのすけ「その前に」

光彦「何ですか?」

しんのすけ「あんた誰」

光彦「……僕は光彦っていいますちゃんと覚えてくださいね」

しんのすけ「ほうほう」

光彦「それで、君の名前を教えてもらえませんか?」

しんのすけ「しんのすけ」

光彦「しんのすけ君ですかー。それで、しんのすけ君はこの公園で迷子ですか?」

しんのすけ「え?さぁ」

光彦「さぁ…じゃなくてですね…お母さんはいないんですか?」

しんのすけ「あんたは?」

光彦「え?」

しんのすけ「あんたは?」

光彦「あ、僕のお母さんですか?もちろんいますよ。」

しんのすけ「美人?」

光彦「まー年の割には綺麗な方だと思いますよー」

しんのすけ「ほうほう」

光彦「それで、しんのすけ君のお母さんは今どこに?」

しんのすけ「家」

光彦「じゃあ、お父さんは?」

しんのすけ「家」

光彦「えー、じゃあ家からこの公園まで来たんですか?小さいのに凄いですねー」

しんのすけ「まあ」

光彦「しんのすけ君は何処に住んでるんですか?」

しんのすけ「春日部」

光彦「春日部?春日部ってもしかして埼玉ですか!?ここからかなり離れてるじゃないですか?」

しんのすけ「まあ」

光彦「急いで帰らないと親御さんが心配しますよ!なんなら僕が一緒について行ってあげましょうか?」

しんのすけ「は?」

光彦「え?」

しんのすけ「は?」

光彦「あ…もしかして嫌でした…?」

しんのすけ「別に」

光彦「じゃあ一緒に春日部に行きましょうよ!ほら早く」

しんのすけ「……」

光彦「ほら、どうしたんですか?早く電車に乗って行きましょうよ」

しんのすけ「オラ…」

光彦「あ、もしかしてお金の心配ですか?なら問題ありませんよ。実は結構貯金してるんですよ」

しんのすけ「オラ…」

光彦「…?どうしたんですか?」

しんのすけ「家に帰りたくない」

光彦「えぇ、どうして?」

しんのすけ「…」

光彦「黙ってちゃ何にも分かりませんよ!ほら、僕に話してみてください」

しんのすけ「家にいると…叩かれる…蹴られる…」

光彦「叩かれる…って、誰に…?」

しんのすけ「父ちゃん、母ちゃん」

光彦「もしかして、しんのすけ君虐待されてるんですか!?」

しんのすけ「え、さぁ」

光彦「いいえ!それはもう間違いなく虐待ですよ!僕がしんのすけ君の親に直談判してあげます!」

しんのすけ「ほうほう」

光彦「なので、しんのすけ君!心配しなくていいですよ!僕が必ず君を守ってあげます」

しんのすけ「ほうほう」

光彦「さぁ早く春日部に行きましょう!」

しんのすけ「仕方ない」

光彦(とは言ったもののやっぱりひとりじゃ心細いな…元太君も連れていこう)

光彦「しんのすけ君、ちょっと電話していいですか?友達を連れていきたいんですが」

しんのすけ「へー」

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