京子「結衣も運動会好きじゃないの？」

結衣「なんで？」

京子「だって結衣足速いじゃん」

結衣「…まあな」

京子「いっぱい応援するからね！」

結衣「今年は私とお前違うチームだろ」

京子「あ、そっか」

結衣「忘れるなよ」

京子「同じクラスなのに私と結衣のチームが違うって変だよね」

結衣「運動能力の偏りが起きないように、先生が赤と白に
振り分けたんだからしかたないだろ」

京子「まぁねー」

京子「そういえば結衣の家族って見に来るの？」

結衣「今年は来ないなぁ、京子のとこは？」

京子「今年もうちも来ないんだよねー」

結衣「そっか」

京子「それにしてもさー」

京子「私と結衣がこういうので別のチームになったのって初めてだよね」

結衣「そういえばそうだな」

京子「京子たん居なくて寂しくない？」

結衣「何言ってんだ…」

京子「えー私は結衣が居なくて寂しいぞー」

結衣「はいはい」

あかり「京子ちゃーん、結衣ちゃーん」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ちなつ「結衣せんぱーい」

京子「お、あかりにちなつちゃん」

あかり「晴れてよかったねぇ」

結衣「そうだね」

ちなつ「結衣先輩、一緒にがんばりましょうね！」

結衣「うん」

京子「そっか、ちなつちゃんは結衣と同じ白組なんだったね」

あかり「あかりは京子ちゃんと一緒の赤組だよぉ」

京子「そうだっけ？」

あかり「そうだよぉ、もう京子ちゃんたらぁ」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

京子「わるいわるい」

校庭


綾乃「歳納京子ーっ！」

京子「おー綾乃、どうしたの？」

綾乃「べ、別に！気合が入ってるか見に来ただけよ！」

京子「へへー、大丈夫大丈夫」

京子「結衣達に負けないように頑張ろうなー！」ｶﾞｼｯ

綾乃「な、ななななななな何で肩組んでくるのよっ///！？」

京子「いいじゃんかー同じチームなんだしさー」

結衣（…）ｽﾞｷﾝ

開会式後

綾乃「歳納京子、そろそろ徒競走の準備しときなさい」

京子「お、もう出番かー」

綾乃「そうよ、負けたら罰金バッキンガムなんだからね！」

京子「任せとけって綾乃～」

結衣「…」ｼﾞｯ

結衣（寂しいとか言っといて…）

千歳「そろそろ船見さんの番やでー」

結衣「…」

千歳「船見さん？」

結衣「あ！ご、ごめん千歳、何？」

千歳「そろそろ船見さんの番やから呼んでたんやけど…」

結衣「あはは、ちょっとボーッとしちゃって…」

千歳「どっか調子悪いん？」

結衣「ううん大丈夫だよ、行ってくるね」

結衣（なんか…落ち着かないな）

『位置について、ヨーイ』ﾊﾟｰﾝ

ダッ！

ﾜｰﾜｰｷｬｰ

結衣（なんで…だろ…！）

結衣（身体が…重く感じる…！）

結衣（いつもなら…もっと早く走れるのに…！）

結衣「くっ…」

『ゴール！』

結衣「はぁ…はぁ…」

結衣（４着…）

結衣（うまく走れなかった…）

結衣（なんで…こんなに…胸がモヤモヤするんだろう…）

お昼

結衣（午前中…調子よくなかったな）

京子「結衣ーっ！」ﾀﾞｷｯ

結衣「うわっ！って、京子か…」

京子「お昼一緒に食べようぜー」

結衣「うん…そうだな」

結衣「京子、手ぶらに見えるけどお弁当は？」

京子「ん、無いよ」

結衣「無いって…」

京子「結衣が私の分も作ってきてくれると思って持ってきませんでした！」

結衣「なんでだよ」

京子「えー、じゃあ私の分ないの？」

結衣「…あるよ」

京子「さっすが私の結衣！大好きっ！」

結衣「はいはい」

京子「お腹空いたから早く早く！」ｸﾞｲｸﾞｲ

結衣「わかったから引っ張るなって」

結衣「どこで食べる？」

京子「んー、気分的に静かな所かなぁ」

結衣「静かな所なぁ」

京子「できれば２人っきりで食べれる場所！」

結衣「うーん、校舎裏とかにする？」

京子「そうだね」

校舎裏

京子「結衣のおっ弁当♪」

結衣「大したものじゃないぞ」

京子「そんなことないよ！私、結衣の料理好きだもん！」

結衣「あんま期待するなよ…」ﾊﾟﾗｯ

京子「おー！うまそー！」

京子「おにぎりに唐揚げに玉子焼きにタコさんウインナーに…」

京子「早く食べよう！」

結衣「うん、あ…」

京子「どうしたの？」

結衣「お箸、１膳しか持ってきてなかった」

京子「じゃあ食べさせっこしようぜー」

結衣「た、食べさせっこって…」

京子「じゃあ私からね、あーん」

結衣「しょうがないな…どれがいいんだ？」

京子「唐揚げ！」

結衣「じゃあ…あーん…」

京子「あーん」ﾊﾟｸｯ ﾓｸﾞﾓｸﾞ

京子「うめぇ！」ﾆｺｯ

結衣「そうか」

京子「次は結衣の番ね、何がいい？」

結衣「じゃあ玉子焼きで…」

京子「はい、あーん」

結衣「あーん…」ﾊﾟｸｯ ﾓｸﾞﾓｸﾞ

京子「どう？」

結衣「うん、おいしい…」

京子「えへへ」

ﾓｸﾞﾓｸﾞ

京子「ご馳走様！」

結衣「お粗末様」

京子「ふー、お腹一杯だー」ｺﾞﾛﾝ

結衣「すぐ横になると太るぞ」

京子「大丈夫だってー」

ｿﾖｿﾖ

京子「風が気持ちいいなぁ」

結衣「そうだな」

京子「なんか眠くなってきた…」

京子「結衣ー、ひざまくらして？」

結衣「…ほら」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

京子「うん…！」ﾎﾟｽｯ

京子「生ふとももー」ｽﾘｽﾘ

結衣「おい…」

京子「結衣のふともも柔らかいなー」

結衣「…」ﾑﾆｯ

京子「ゆい、いひゃいよー」

結衣「恥ずかしいこと言うおしおきだ」ﾊﾟｯ

京子「えへへ…」

結衣「…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

京子「結衣？」

結衣「眠いんだろ？」

結衣「寝付くまで撫でててやるから」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

京子「うん…」

運動会の最中なのになんで寝ようとしてんの？

結衣「…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

京子「…」ｽｰｽｰ

結衣「寝ちゃったか」

結衣「…」

結衣（京子といると…違うな…）

結衣（さっきまであんなにモヤモヤしてたのに…）

結衣「…」ｼﾞｯ

京子「…」ｽｰｽｰ

結衣（なんでだろう…ドキドキする…）

結衣（京子が側にいるだけで…）

京子「…」ｽｰｽｰ

結衣（そっか…）

結衣（私は京子の事が…）

結衣「…」

結衣（午前中の徒競走も…）

結衣「京子が応援してくれたらな…」ﾎﾞｿｯ

午後

千歳「船見さん、なんや元気になったみたいやなぁ」

結衣「ん、そうかな？」

千歳「午前中とはえらい雰囲気違うみたいやけど」

千歳「お昼になんかいい事でもあったん？」

結衣「うん…そうかも」

千歳「そらよかったわぁ」

千歳「船見さん、借り物競争に出るんよね？」

結衣「そうだよ、あ、そろそろ出番かな」

千歳「もし眼鏡やったらうちにまかしとき！」

結衣「うん、その時は千歳の所に行くよ」

千歳「ほながんばってなぁ」

結衣「ありがと、行ってくるね」

結衣（モヤモヤも吹き飛んだし…午前の借りを返そう）

『借り物競争、ヨーイ』ﾊﾟｰﾝ

ﾀｯﾀｯﾀｯ

結衣（よし、これにしよう）ﾋﾟﾗｯ

結衣（！）

結衣（…これなら…決まってる！）ﾀﾞｯ

あかり「あれ？結衣ちゃんこっちに来るね」

京子「そうだなー」

あかり「なんだろう？あかりだったら嬉しいなぁ」ﾜｸﾜｸ

向日葵「こういうのって自分の所に来て欲しいものですわよね」

結衣「京子っ！来てくれ！」

京子「え、私？」

結衣「うん！行くぞ！」ｶﾞｼｯ

京子「わっ、ちょ、結衣！？」

ﾀｯﾀｯﾀｯ

京子「うわっ！」ｽﾞﾙｯ

結衣「大丈夫！？京子！」

京子「う、うん…靴脱げただけだから」

京子「靴靴っと…うわ、ちょっと遠くに飛んでるなぁ」

結衣「…」

結衣（取りに戻ってる時間はないし…）

結衣「京子、しっかり掴まれよ」ﾋｮｲ

京子「ゆ、結衣っ！？」

結衣「午前中失敗した分ここで取り返さないとさ！」ﾀﾞｯ

京子「だ、だからって！？」

京子（お姫様抱っこは恥ずかしいよ…！///）

向日葵「まぁ…///」

あかり「結衣ちゃんすごーい」

綾乃「な、ななななななななっ/////」

千歳「船見さん大胆やなぁ…」

ちなつ「」

櫻子「ちなつちゃんが息してないっ！？」

『ゴール！』

結衣「ふう…京子？大丈夫だった？」

京子「う、うん…」

結衣「ん？なんか顔赤いけど…」

京子「だって…ほら…みんなの前で…その…」

結衣「みんなの前で…って、あ…」

結衣（ずっと抱っこしたままだった…）

結衣「お、降ろすぞ…」

京子「ちょっと待って…靴が…」

結衣「あ、そうだった…」

結衣「…」

京子「…」

結衣（意識しだしたら…凄く恥ずかしくなってきた…）

結衣（全校生徒の前で…京子をお姫様抱っこって…）

結衣（そういえば…京子がおとなしいような…）ﾁﾗｯ

京子「…////」ｶｧｯ

結衣（う…か、可愛い…///）

千鶴「おい」

結衣・京子「！」ﾋﾞｸｯ

千鶴「？ 借り物の確認をする」

結衣「な、なんで千鶴さんが？」

千鶴「姉さんに頼まれて体育委員を手伝ってる」

結衣「そっか…あ、先に京子の靴持ってきて貰っていい？」

千鶴「…わかった、ちょっと待ってろ」ﾀｯﾀｯﾀｯ

千鶴「ほら、持って来たぞ」

京子「ありがと千鶴…」

結衣「京子、降ろすぞ…？」

京子「う、うん…」ﾋｮｲ

千鶴「じゃあ改めて借り物の確認をする」

結衣「…はい」ﾋﾟﾗｯ

千鶴「ん…」ｼﾞｯ

結衣「…」

京子「ん？なんて書いてあるの？」ﾋｮｺ

結衣「！？」ﾄﾞｷｯ

千鶴「うるせぇ！お前は見るな！」

京子「えー、いいじゃんかー」

千鶴「いいから黙ってろ！」

京子「ちぇー」

結衣「…」ﾎｯ

千鶴「確認した、借り物に問題ない」

結衣「う、うん」

京子「１着でよかったね」

結衣「うん」

京子「結局なんて書いてあったの？」

結衣「リボンを付けた娘だよ…」

京子「なぁんだ、あんがい普通なんだなー」

結衣「そうだな…」

嘘つくんじゃねえよ

運動会終盤

向日葵「運動会も終盤ですわね」

あかり「そうだねぇ」

綾乃「白組との点差が１点ってことは」

京子「このリレーで勝った方が優勝かぁ」

『最終種目のリレーのスタートです。ヨーイ』ﾊﾟｰﾝ

ﾜｰﾜｰｷｬｰｷｬｰ

あかり「赤組がリードしてるね！」

綾乃「そろそろ最終アンカーにバトンが回るわ」

向日葵「あ、白組のアンカーって船見先輩なんですわね」

あかり「結衣ちゃんって足すっごく速いんだよぉ」

綾乃「陸上部員のアンカーは禁止されてるから、船見さんっていうのは妥当よね」

あかり「そういえば結衣ちゃん、午前中は調子よくなかったのかなぁ」

向日葵「借り物競争では元気そうでしたけど」

京子「…」

京子（『京子が応援してくれたらな…』か…）

あかり「ん…京子ちゃんどうかした？」

京子「ん…何でも…」

京子「…」

京子（悩んでる場合じゃない…）

京子「私、ちょっと行ってくるね！」ﾀﾞｯ

綾乃「あ、ちょっと、歳納京子！」

京子（結衣が私を求めてるんだ…）

京子（だったら…行かないと！）

ﾜｰﾜｰｷｬｰｷｬｰ

モブ「船見さん！後お願い！」ﾊﾞｯ

結衣「うん！任せて！」ﾊﾟｼｯ

ﾀﾞｯ

ちなつ「ちょっと離されてますね…」

千歳「せやなぁ…けど船見さんやったらきっと…」

ちなつ「そうですよね！応援しましょう！」

千歳「船見さん！抜けるでぇー！」

ちなつ「結衣先輩！頑張って下さーい！」

結衣（くっ…もう足が…！）

結衣（もうちょっとで抜けそうなのに…）

…！

結衣（ん…）

……！

結衣（…この声…）

京子「………！！…！」

結衣（！…京子！）

結衣（まだ…まだ行ける！）ｸﾞｯ

結衣（負けられない…！）

結衣（だって…京子が…！）

結衣（あと…あと少しで…！）

ダッ！

『白組アンカーが逆転ゴール！』

『白組の優勝です！』

京子「やった！結…うわっ！」ﾄﾞﾝｯ

白組モブ「船見さん凄い！」

白組モブ「あそこから巻き返すなんて！」

白組モブ「かっこ良かったわ！」

白組モブ「船見さんのおかげで優勝ね！」

結衣「うん…ありがとう」

京子（あ…）

モブ「船見さんて部活に入ってたっけ？」

モブ「もしよかったら今の部活辞めて陸上部に入らない？」

モブ「今からでもあなたなら…」

京子「っ！」ﾀﾞｯ

結衣「すいません…それよりも…」

校舎裏

京子「…」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

結衣「京子っ！！」

京子「ゆ、結衣っ！？」ﾀﾞｯ

結衣「おい！待てって！」ﾀﾞｯ

ｶﾞｼｯ

結衣「京子っ、なんで逃げるんだよ！」

京子「に、逃げてなんか…」ｸﾞｽｯ

結衣「！京子…泣いてるのか？」

京子「ち、違うもん…」ｺﾞｼｺﾞｼ

京子「そ、それより最後速かったね！おめでとう！」

結衣「京子…どうしたんだよ…」

京子「ど、どうしたって…」

結衣「なんで…そんな辛そうな顔してるんだよ…」

京子「っ！」

結衣「京子…」

京子「だって結衣が凄くかっこよくて…」

京子「みんな結衣が勝ったのを喜んでるのに…」

京子「私も…結衣が勝ったのが嬉しいのに…」

京子「違うチームだから…その輪に入っていけなくて…」

京子「結衣の側で一緒に喜びたいのに…」

京子「結衣の側に行けなくて…」ｼﾞﾜｯ

結衣「そんな…」

京子「部活もそう…」

京子「結衣と一緒に居たくて娯楽部作ったのに…」

京子「結衣が陸上部に行っちゃうんじゃないかって…」

京子「私から離れて行っちゃうんじゃないかって…」

京子「そう考えたら怖くって…」ｸﾞｽｯ

京子「私…結衣と一緒にいたいよぉ…」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

結衣「甘えるな！」ﾊﾟｼｯ

京子「えっ……結衣？」

結衣「私はお前の道具じゃない。お前の都合のために生きてるわけじゃあないんだ」

京子「結衣……ご、ごめんね……」

結衣「はぁー、もういいよ。京子が私のことどう思ってるか、分かっちゃったからさ」

京子「結衣ぃ……」

結衣「もう絶交しよう。金輪際私に話しかけるな。ヒトを道具のように扱うクズと一緒にいるとこっちまで心が腐っちゃいそうだ」

京子「結衣、そんな！　私はただ――」

結衣「じゃあな、京子。お互い一生かかわらずに生きていこう」

京子「あっ……。結衣ぃ……結衣ぃ……！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ



おしまい

結衣「馬鹿だな…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

京子「結衣ぃ…」ｸﾞｽｯ

結衣「なあ…京子…」

結衣「午前中、京子が綾乃と喋ってただろ…」

結衣「がんばろう…とか私に負けないように…とかさ」

結衣「それ見てたら…なんか悔しくて…」

結衣「モヤモヤして落ち着かなくて…」

結衣「得意な徒競走負けちゃった…」

結衣「だけど…京子が側にいると違うんだ…」

結衣「お昼一緒に食べた時…凄く落ち着いた…」

結衣「京子が膝で寝てる時…凄くドキドキした…」

結衣「午前中のモヤモヤなんて…どっかいっちゃって…」

結衣「借り物競争も…真っ先に京子が思いついた…」

京子「だってあれって…」

結衣「ううん…違うの…リボンの付いた娘じゃないの…」

京子「じゃあ…なんて…？」

結衣「大切な…人…///」ｶｧｯ

京子「あ…///」

結衣「最後のレースもさ…」

結衣「京子の応援…ちゃんと届いてたよ…」

結衣「『負けるなー！！結衣！』ってさ…」

結衣「凄く嬉しかった…」ｷﾞｭｳｯ

京子「結衣っ！？///」

結衣「京子が私を応援してくれて」

結衣「負けられないって思って」

結衣「私は京子のためなら凄く頑張れるって」

結衣「私気付いたんだ…」

結衣「京子のことが好きなんだって…」

結衣「京子が側にいないと…私でいられないんだ…」

結衣「だから…ずっと私の側にいて…」ｷﾞｭｯ

京子「結衣ぃ…」ｸﾞｽｯ

京子「私も結衣がいないと嫌だよ…」

京子「ずっと結衣の側にいさせて…」ｷﾞｭｯ

結衣「うん…もちろんだよ」

京子「嬉しいよぉ…結衣…」ｸﾞｽｯ

『これにて閉会式を終わります』


京子「閉会式サボっちゃったね…」

結衣「そろそろ戻ろっか」

京子「うん…あ、結衣…」

結衣「ん？」

京子「優勝したご褒美あげるね！」

結衣「ごほう…んっ…」

ﾁｭｯ

結衣「きょ…京子///」

京子「えへへ///」

素晴らしいご褒美だ

京子「ねぇ結衣？」

結衣「ん？」

京子「私…絶対に結衣の側から離れないからね！」ｷﾞｭｯ

結衣「うん、ずっと一緒にいよう…」ｷﾞｭｯ

京子「結衣、大好きっ！」

結衣「私も…大好きだよ」



終わり

乙
すごく甘く、素晴らしかった

日付変わる前に書き終えたかったが遅くなってすまん

俺のオナニーに付き合ってくれた人ありがとう

>>1の書き方や投下スピードからして
結衣「これが私たちの」京子「日常！」と同じ人かな？

京子「小さくなった」結衣「可愛い」
京子「夏祭り！」結衣「告白」
京子「しばらく泊めて！」結衣「しかたないなぁ」
結衣「これが私たちの」京子「日常！」

を書きました

今回はこれで

読んでくれた人ありがとう！