キョン「今週は不思議探索パスな」(250)
ハルヒ「え?なんで?」
キョン「悪い。ちょっと用事ができちまってな」
ハルヒ「やだ!」
キョン「はあ?」
ハルヒ「やだったらやだ!用事はキャンセル!不思議探索行くわよ!」
キョン「おいおい、毎週やってんだからたまには良いだろ」
キョン「頼むよ、どうしても外せない用事なんだ」
ハルヒ「SOS団の活動より優先する用事ってなによ!?」
キョン「…………」
ハルヒ「答えなさい!」
ハルヒがやだっ!とか言うのかな
キョン「言っても怒らないか?」
ハルヒ「内容によりけりね!」
キョン「じゃあ言わない」
ハルヒ「なんでよ!」
キョン「だって、言ったらお前怒りそうだもん」
ハルヒ「たかが用事の内容言うだけでしょ!?それともあたしには言いたくないの?」
キョン「ああ、言いたくないな」
ハルヒ「むむむむむむむむ!!!」
キョン「じゃ、そういうわけだから今週は不思議探索パスだから、よろしく」タッ
ハルヒ「あっ、ちょっとキョン!待ちなさい!」
みくる「ふぇぇぇ」
古泉「んっふ」
長門「……」
ハルヒ「古泉くん!!!」
古泉「はい」
ハルヒ「あなたは知ってる?キョンの用事!」
古泉「いえ、まったく」
ハルヒ「みくるちゃんは!」
みくる「ふぇぇぇぇぇ、知りません~」
ハルヒ「っち、有希は?」
長門「……さあ」
ハルヒ「なによ!誰も知らないの?」
古泉「そのようですね」
ハルヒ「キョンのヤツ、いったい何の用事なのよ!!!」
古泉「……」
ハルヒ「こうなったらこっちも考えがあるわ!みんな今週末はキョンを
尾行するわよ!」
みくる「えぇぇぇぇぇぇ」
ハルヒ「なに?文句あんの?」
みくる「な、ないでしゅう」
ハルヒ「有希も古泉くんも良いわね!?」
古泉「仰せのままに」
長門「…………問題ない」
ハルヒ「よ~~~~し、みてなさいよキョン!!!」グヌヌヌヌヌヌ
ハルヒ「あんたの用事、しかとこの目に焼きつけてあげるんだから!!!」
古泉(これは、いろいろと不味いかもしれませんね) Prrrrrr
古泉(おっと早速バイトですか。やれやれ)
てなわけで週末。
ハルヒ「みんな、準備は良い?」
古泉「ええ」
みくる「ほ、本当に後をつけるんですかぁ?なんかキョン君に悪い気が…」
ハルヒ「用事を言わないあいつが悪いのよ!」
有希「……」
ハルヒ「っと、出てきたわよ!」
キョン「…………」ガチャ
ハルヒ「家を出たわ。どうやら一人みたいだけど、こんなに朝早くから
活動するなんてあいつらしくないわね」
古泉「……」
ハルヒ「それにちょっとおしゃれしました♪的な恰好もムカつく!」
ハルヒ「不思議探索のときはいつも普段着なのに!」
みくる「……」
ハルヒ「あれじゃあ、まるで誰かとデートするみたいじゃない!」
みくる「というより、ふつうにデートなんじゃあ…」
ハルヒ「そんなワケないでしょ!」クアッ
みくる「ひぃっ!?」
ハルヒ「あいつがデートなんてするはずないわ!」
ハルヒ「あいつとデートして喜ぶような女がこの世界にいるもんですか!」
ハルヒ「そうに決まってる!」
古泉「……」
長門「……」
ハルヒ「なによ!」ギロッ
古泉「いえ、なにも…」
ハルヒ「ふん!追うわよ、みんな」タッ
古泉「はい、仰せのままに」
みくる「ふえぇぇぇぇ」
長門「……」
まだ分からんぞ
キョン「すまん、待ったか?」
朝倉「あ、キョン君!私も今来たとこ♪」
キョン「そうか、じゃあ行くか」
ハルヒ「……なんで朝倉涼子と」
古泉「あの二人がプライベートで会っているなんて予想外ですね」
みくる「ふえぇ……」
長門「……」
駅前。
キョン「え~~~と」キョロキョロ
ハルヒ「どうやら人を待ってるみたいね」
古泉「そのようで」
ハルヒ「いつもはあいつが一番最後なのにムカつく!」
ハルヒ「なんであたし達はいつも待たせてるのに、今日にかぎって早く
到着してんのよ、あいつは!!!」
みくる「だからデートなんじゃ…」
ハルヒ「そんなワケないでしょ!」クアッ
みくる「ひぃっ!?」
朝倉違うのかwwwww
キョン「ん?」
鶴屋「ごめーん!待ったかな?」
キョン「いえ、俺もいま来たとこですから」
鶴屋「そっかそっか♪」
ハルヒ「む!どうやら来たみたいね」
古泉「相手は……鶴屋さんのようですが」
みくる「ふえぇぇぇぇ」
長門「…………あのデコ介が」
やっぱり鶴屋さんが一番だな
キョン「じゃ、行きましょうか」
鶴屋「だね♪エスコートよろしくぅ!」
キョン「はいはい」
ハルヒ「遠くて何いってるのか分かんないわ」
みくる「でも良い雰囲気っぽいですぅ、やっぱりデート…」
ハルヒ「みくるちゃん!」
みくる「は、はいぃぃ!」
ハルヒ「お願いだから黙ってて、ね?」
みくる「は、はいぃぃぃ」ブルブルブル
電車。
ハルヒ「どこまで行く気かしら、あの二人」
古泉「僕には皆目見当つきませんね…」
古泉(というより、涼宮さんがお二人のデート見てて世界が破滅したら
洒落になりません)
古泉(なにか策を講じる必要が…)
長門「……」クイクイ
古泉「長門さん?」
長門「任せて」
古泉「何をです?」
長門「大丈夫。わたしが殺るから。うまく殺るから」
古泉「なんかとっても不安なんですが……」
長門「世界はわたしが守る」
古泉「…………」
みくる「……」
ハルヒ「あっ、二人が降りたわ!乗り換えるみたいよ!」ダッ
古泉「まあ、今はまだ様子を見ますか…」
長門「シュッシュ」ブンブン
キョン「えっと……」
鶴屋「あっ、アッチじゃないかなキョン君。新幹線乗り場って書いてる」
キョン「あっ、あれですね。すみません、新幹線とか乗り慣れてなくて」
鶴屋「良いって良いって♪お姉さんも頼ってくれていいにょろよ?」
キョン「ははは」
ハルヒ「どうやら新幹線に乗り換えるみたいね!」
ハルヒ「古泉くん!財布!」
古泉「はいっ!ってえぇぇぇ!?僕ですか?」
ハルヒ「当り前でしょ!女の子にお金つかわす気?」
古泉「そ、そういうわけでは…」
ハルヒ「だったら財布!早くしなさい!」
古泉「くぅっ!領収書ください!」バン
係員「お客さん、どこまで?」
古泉「あ……」
みくる「どこまでって……二人はどこまで行くつもりなんでしょう」
ハルヒ「こういうときは一番高い切符買うのよ!そうすればどこまででも
行けるわ!」
古泉「ちょ、おま!?」
ハルヒ「いいから買う!」
古泉「の、乗り過ごした分はあとで追加で…」
ハルヒ「ぐずぐずやってたらキョンを見失っちゃうでしょ!良いから買いなさい!」
係員「……お連れ様はああ言っておられますが」
古泉「一番高いの下さい……4枚分」シクシクシク
係員「かしこまりました」
新幹線内
古泉「け、経費で落ちなかったら僕はどうすれば……」
みくる「それよりなんで古泉くんそんなに現金持ってるんですか?
ソッチの方が不思議ですぅ」
古泉「なにかあった時にすぐに使えるよう、組織のお金持ち歩いてるんですよ」
古泉「もう使いきってポケットマネーに手が出てますが…」シクシクシク
長門「完全に裏目」
古泉「う、うわぁぁぁぁん!!!」
ハルヒ「ちょっとソコ!うるさいわよ。キョンに気付かれちゃうじゃない!」
みくる「そ、そう言えばキョン君と鶴屋さんはどんな感じですか?」
ハルヒ「相変わらず遠くてなに喋ってるかは分かんないわ」
ハルヒ「ただ、あのバカ。鶴屋さん相手に鼻の下伸ばしまくってる
みたいだけどね!!!」
アハハハハハ ニョローン ニョローン
みくる(き、機嫌わるいですぅ涼宮さん)ブルブル
みくる「古泉くん、古泉くん」ササッ
古泉「なんですか、慰めてくれるんですか朝比奈さん?」
みくる「いえ、そうじゃなくて機関の方は今回の件、なにか情報
掴んでたりとかはしないんですか?」ボソボソ
みくる「このままだと世界が壊れそうなんですけどぉ…」
古泉「鶴屋家に関しては、機関といえど監視は行っていません。大切な
パトロンですから」
みくる「あ、そうでしたね」
古泉「ですから本当に知らないんですよ、僕も。二人の行き先に関しては」
みくる「長門さんは?」
長門「知っていたら今頃、デコ介の席とあたしの席は入れ替わっていたはず」
みくる「で、ですよねぇ…」
長門「でも安心してほしい」
長門「どんな事になろうと、わたしはデコ介をこの世から消す」
みくる「……」
キョン「にしても今日は久し振りに羽を伸ばせて嬉しいです」
キョン「いつもは不思議探索ばっかりですから」
鶴屋「おんや~~~、そんな事言っていいのかなっ?」
鶴屋「ハルにゃんが聞いてたら怒るよ~~~?」
キョン「あははははは、いくらなんでも新幹線まで乗って尾行してたりは
しませんよ」
キョン「もし乗ってたら国宝級のバカですよ」
鶴屋「あっはっは!確かに!」
ハルヒ「くしゅん!なによ、あの二人盛り上がっちゃって!」
キョン「それよりお腹すきません?目的地までまだありますし車内販売
の駅弁でも」
鶴屋「ふふ~~~ん、そう言うだろうと思って!」ジャジャーン
キョン「あ、それは…」
鶴屋「鶴屋さんの手作り弁当!今日のはとくに気合入れて作ってるよ!」
キョン「おぉ!」
ハルヒ「あ、鶴屋さんがお弁当とりだしたわ!キョンに餌づけする
つもりね!ムカつく!」
古泉「こっちもお腹すいて来ましたけど…」グー
みくる「朝早くから尾行してたせいでお腹ぺこぺこですぅ」
長門「カレーが食べたい」
ハルヒ「そういえば、あたしもお腹すいたわ」グー
古泉「僕らもたべませんか?ちょうど車内販売来たみたいですし」
販売「お弁当はいかがですかあ?」ガラガラ
ハルヒ「そうね!すみませーん、一番高いお弁当4つください」
ハルヒ「あとお茶4本とおかし……これとこれとこれと……
面倒だから全部ください」
古泉「なんで一番高いのばっかり選ぶんです?」
ハルヒ「え、せっかく新幹線乗ったし。少しいい旅夢気分で気持ちを
立て直そうかと…」
古泉「だからってこんな量食べ切れるわけ……」
長門「けふぅ」
古泉「……」
ハルヒ「あっ、有希ってばあたし達の分まで食べちゃったの?」
みくる「ふえぇぇぇ、酷いですぅ長門さん!」
古泉「ま、まだ支払いも済んでないのに…」
長門「おかわり」
古泉「え?」
長門「おかわり」
古泉「……」
古泉「お金置いときますのでこれで食べてください…」スッ
ハルヒ「あら、悪いわね」
古泉「僕は少しトイレに行きますので…」
Prrrrrrr ガチャ
古泉「ああ、森さんですか?至急僕の口座にお金を振り込んで
頂きたいのですが……えっ、それどころじゃない?」
古泉「そこをなんとか……はい、はい。ええ、そうです涼宮さん
も一緒です」
古泉「ですから経理の方から涼宮さんがらみの経費としてですね……え?
目的?知りませんよ、そんなの」
古泉「でももう活動資金に限界がですね……え、自腹?うそですよね」
古泉「鶴屋家からお金がまだ振りこまれてない?そんな…」
古泉「当面は自腹で建て替えですか……分かりました」
古泉「では私的な用件ですが、森さん僕にお金……」
プツッ ツーツーツー
古泉「切れた……チクショウ」
ハルヒ「あっ、やっと戻って来た」
みくる「なんで目が赤いんですか?」
古泉「なんでもありません。それより僕の弁当はどこです?
お金渡したんですから僕の分も買っててくれましたよね?」キョロキョロ
ハルヒ「あっ、それなら有希が…」
長門「けふぅ」
古泉「あ、あれだけ食べたのにまだ食べたんですか?」
長門「ごちそうさま」
古泉「チクショウ」
古泉「もういいです……それで何か進展はありましたか?」
ハルヒ「相変わらずキョンは鶴屋さんに鼻の下伸ばしてるわ。ムカつく!」
古泉「はあ、そうですか…」
ハルヒ「なによキョンのヤツ、デレデレしちゃって!」プンプン
Pipipipipipipipipipi
古泉(ん、メール?森さんから?)パカッ
古泉(遊んでないで現場に向かえ、か……ははは、機関って
僕が立ちあげたんじゃなかったっけ?)
2時間後!
キョン「ついたぁ!」
鶴屋「にょろ!」
キョン「思ったよりは遠くなかったですけど、それでも肩こりますね、
新幹線は」
鶴屋「まあね♪」
キョン「けど、空気が良いですよね、ここ」
キョン「なんかザ、自然って感じで」
鶴屋「田舎だからねぇ」
親御さんに挨拶か
キョン「それで、まずはドコ行くんです?」
鶴屋「そうだねぇ、まずは適当に本屋でも探してるるぶでも買う?」
キョン「もしかして事前に調べたりとかしなかったんですか?」
鶴屋「いやあ、行き当たりばったりの方が面白い気がしてさ~」
キョン「ははは、確かにそうかも」
鶴屋「でしょ?」
ハルヒ「ついた~」
古泉「まさか新幹線を降りてまた乗り換えるとは……おかげで
さらに費用が…」ブツブツ
みくる「わ~~~、あたし死国ってはじめてですぅ!」
古泉「朝比奈さん、死国じゃなくて四国ですよ」
古泉「でもまたなんで四国なんかに……ここって観光になる場所なかった
気がするんですが……阿波踊りはもう終わってますし」
ハルヒ「あれじゃない?うどんでも食べに来たんじゃ」
みくる「わざわざこんな遠いとこまで来てうどんですか?」
みくる「そんなに頑張るほどのもんじゃない気が…」
ハルヒ「でも他に何があんのよ、ここ」
長門「みかん」
ハルヒ「え?」
長門「四国と言えばみかん」
古泉「ああ、確かに!」
みくる「ちょっと待って下さい!それこそわざわざ来る程のものじゃ」
ハルヒ「分からないわよ?鶴屋さんまで来るという事はすごいミカンが
あるのかも!」
みくる「そうなんですか?」
古泉「そんな噂は聞いた事が…」
ハルヒ「ま、なんいしても追うわよ、二人を!」
古泉「は、はいっ!」
キョン「う~~~ん」
鶴屋「ちょっと見てみたけどやっぱり何にもないね、四国は」
キョン「というより何で四国来たかったんですか?」
鶴屋「いやあ、うどん食べようかなと思ったんだけど…」
キョン「でも弁当食べちゃいましたよ、俺達」
鶴屋「そうなんだよねぇ……うっかりうっかり」
キョン「どうします?」
鶴屋「う~~~ん、八十八か所参りでも良いんだけど……」
キョン「地味ですね」
鶴屋「だね」
キョン「他は……」
鶴屋「あっ、キョン君キョン君これみて!」
キョン「え、なになに……岡山で遊ぼう!鷲羽山ハイランド?」
キョン「遊園地ですかね」
鶴屋「キョン君ココ行こう!」
キョン「え?四国は?」
鶴屋「いいからいいから!」
ハルヒ「あっ、また電車に乗るみたいよ!古泉くん財布!」
古泉「わ、分かりました」シクシクシク
みくる「可哀想ですぅ…」
長門「がんば」
古泉「同情するならお金ください…」
みくる「それは…」
長門「やだ」
児島駅!
キョン「ふう、到着~」
鶴屋「うんうん♪ついたね」
キョン「あの遠くに見える観覧車があるとこが鷲羽山ハイランドか…」
鶴屋「遠いねぇ、歩きは無理かな」
キョン「バス出てるんじゃないですか?」
鶴屋「う~~~ん、アレかな?」ビッ
キョン「あっ、それっぽいですね」
鶴屋「ふんふん次に出るバスはと……うわ…」
キョン「どうしたんです……げ」
ハルヒ「あ、二人は次はバスに乗るみたいよ!」
古泉「まだ金を使うのか、彼らは」
長門「留まるところを知らない出費」
みくる「古泉くん、お金残ってますかあ?」
古泉「はは……さっきATMで今月分の生活費も降ろしましたから…」
長門「だったら安心」
古泉「……」
キョン「1時間に一本…」
鶴屋「キョン君、いま何時だっけ…」
キョン「2時過ぎです」
鶴屋「1時間待ってたらほとんど遊べる時間ないよね」
キョン「ええ、まあ」
鶴屋「どうする?」
キョン「俺に聞かれても……鶴屋さんはどうしたいんです?」
キョン「鷲羽山ハイランドで遊びたいんですか?」
鶴屋「なんかテンションめっさ下がったさ…」
キョン「……」
ハルヒ「なんか二人とも落ち込んでるわ!」
古泉「ええ、どうしたんでしょう」
ハルヒ「なんにせよ、楽しそうじゃないからあたしは別に構わないわ!」
みくる「涼宮さん、性格わるいですぅ」ボソッ
ハルヒ「なんか言った、みくるちゃん?」
みくる「な、なんにも言ってないですぅ!」
ハルヒ「あっそう」クルッ
ハルヒ「って、二人とも駅に向かったわよ!?」バッ
古泉「なっ、バスに乗るんじゃなかったんですか?ここに何しに
来たんですか、あの二人は!」
ハルヒ「あたしが知るはずないでしょ!」ダダダダ
ハルヒ「とりあえず古泉くん、財布!」ダダダ
古泉「ふえぇぇぇぇぇ…」ダダダ
ハルヒ「幼児退行してんじゃないわよ!キョン達見失っちゃうでしょ!」ダダダ
で。
ハルヒ「ハア、ハア、ハア」
ハルヒ「なんとかキョン達と同じ電車に乗れたわね」
みくる「二人ともどこに向かうんでしょうか?」
古泉「できればもう動きまわらずにこのまま大人しく帰って
頂きたいのですが……財布的に」
長門「……お腹すいた」
古泉「え?」
長門「動き回ってお腹すいた。食べる許可を」
古泉「た、食べる許可ってなんですか?また僕にたかる気ですか?」
長門「そう」
古泉「そうって、あんた……」
長門「許可を」
古泉「で、でもここは電車の中ですし」
長門「なら外に出てからでいい。食べる許可を」
古泉「うっ…」
ハルヒ「古泉くん、あたしもお腹すいたわ!駅に降りたらきび団子でも
買いましょう!」
古泉「涼宮さん…」
長門「団長もああ言っている。許可を」
古泉「分かりましたよ!買えばいいんでしょ、買えば!」
岡山駅。
キョン「ふう、今日は移動の連続だ」
鶴屋「ごめんよ~、こんな筈じゃなかったんだけどね」
キョン「いや、たまには良いですよこんなのも」
キョン「それにハルヒで慣れてますし、なんといっても今回の旅行は
鶴屋さん持ちですから」
鶴屋「誘ったのはあたしだからね♪これくらいは当り前さ♪」
キョン「あははははは」
ハルヒ「なによなによ、さっきまで沈んでたかと思えばまた楽しそう
にしちゃって!」モグモグモグ
古泉「ええ、こんなに遠出しているのに観光らしい観光もせず無駄に
電車に乗ってぐるぐる回ってるだけなのに、なんであんなに楽しそう
なんでしょう」モグモグモグ
古泉「正直狂ってますよ」モグモグモグ
みくる「ふえぇぇぇ、古泉くんの喋り方にトゲが出てきてますぅ」モクモク
長門「……」ガツガツガツガツガツガツガツガツ
ハルヒ「あっ、ちょっと有希!食べ過ぎよ!」
長門「問題ない」ケフウ
ハルヒ「古泉くん!もう一箱買ってきなさい!大急ぎで!」
古泉「っち!」タタタ
みくる「……長門さん」
長門「……」プイ
キョン「で、次はドコ行きます?」
キョン「四国も岡山も正直観光するような場所無かったですけど」
鶴屋「う~~~ん、せっかく岡山まで来たし広島でも寄ってく?」
キョン「広島は見るとこあるんですか?」
鶴屋「原爆ドーム?」
キョン「……」
キョン「なんかこう、もっと若者向けの観光場所は…」
鶴屋「う~~~ん…」
ハルヒ「なんか悩んでるみたいね」
みくる「次の行き先でもめてるんでしょうか」
ハルヒ「そうかも!古泉くんまだかしら、キョン達見失ったら
どうするのよ!」
長門「けふう」
古泉「あ、それとこれとこれもお願いできますか。はい領収書も
おねがいします。はい。はい。どうも」
古泉「お待たせしました。買ってきましたよ」タタタタタ
ハルヒ「おそい!どこまで買いに行ってんのよ!」
古泉「す、すみません…」
ハルヒ「いいからさっさと財布出しなさい!新幹線乗るわよ!」
古泉「ま、また一番高いのですか?」
ハルヒ「当り前でしょ!GO!!!」
古泉「くぅ…」
再び新幹線
古泉「それで、次はドコに向かうんです?」
ハルヒ「あたしが知る筈ないでしょ!」イライラ
古泉「そうですか…」
ハルヒ「それよりその大きな荷物はなに?」
古泉「これですか?これはせっかく岡山まで来たので自分への
お土産を……長門さん?」
長門「なに?」
古泉「なんで僕のバッグからきび団子出してるんです?あなたにはさっき
新幹線乗る前に渡しましたよね」
長門「もう食べた」
古泉「……」
ハルヒ「良いじゃない、別に。減るもんでもなし」
古泉「いや、減ってますよ?凄い勢いで減ってますよ?」
長門「ガフガフガフガフ」ムシャムシャ
ハルヒ「男がそんな些細なこと一々気にしてんじゃないわよ!」
ハルヒ「それよりあたし達の目的はキョンでしょ?」
ハルヒ「キョンを見失ったらこの旅は無駄なモノになるの!」
ハルヒ「古泉くん、あなたはもっと自覚を持ちなさい!それでも副団長なの!?」
古泉「……」
キョン「なんか後ろの方が騒がしいな…」
鶴屋「きっといい旅夢気分で浮かれてるんだよ」
キョン「そうなんですかね」
鶴屋「それより京都ついたら何しよっか?」
キョン「う~~~ん、とりあえず宿でも探しときます?」
キョン「もう日帰りするのもしんどいですし」
鶴屋「おぉっ!高校生の身分で異性と外泊なんてキョン君やるねぇ!」
キョン「こうなったのは鶴屋さんのせいですよ?もっと計画性持って下さい」
鶴屋「あっはっは!たしかに」
というわけで京都。
キョン「ふう……やっと着いた」
鶴屋「お~~~、京都だ~」
キョン「あ、あそこ旅行案内所っぽいですね。宿があるかどうか聞いて
みましょうか」
鶴屋「キョン君、頼りになる~」
キョン「すみませ~ん」
受付「なんでしょう」
キョン「あの、宿を探しているんですが……当日予約可能なトコ
ってあります?」
受付「旅館かホテルかお決まりでしょうか?」
鶴屋「どっちでも良いよ!あたしは」
キョン「じゃ、そういう方向で…」
ハルヒ「ついた~」グテー
古泉「まさか四国まで行ってから京都に来るとは……何考えてんですか、
あの人たちは」
みくる「案外なにも考えてなかったりして…」
古泉「もしそうなら、僕はこのやるせなさをドコにぶつければ
いいんですか」ワナワナ
みくる「え~~~~っと…」
長門「あのデコ介にぶつければいい。私が許す」
古泉「こいつ……」プルプル
ハルヒ「ちょっとちょっと!揉めてる場合じゃないでしょ!」
ハルヒ「どうやらキョン達、今日はここで宿をとるつもりよ!」
古泉「なっ、マジですか?」
みくる「古泉くん、口調が…」
ハルヒ「高校生の分際で異性と無断外泊なんて風紀が乱れるわ!
断固阻止すべきよね!」
長門「賛成」
ハルヒ「でしょ?」
ハルヒ「でも、あたし達の存在がばれるのもどうかと思うの」
みくる「なんでですかぁ?」
ハルヒ「だってバレたら、あたしがストーカーやってる変な女だとキョンが
誤解しちゃうかもしれないじゃない!」
古泉「それって……」
みくる「誤解というより本t…」
ハルヒ「うるさいうるさいうるさ~~~い!!!」
ハルヒ「いいからキョンにあたし達の存在がばれないように二人を外泊から
阻止するのよ!」
みくる「ふえぇぇぇぇ…」
つまんね
キョン「宿も取れたし、これで落ち着いて観光できますね」
鶴屋「だねぇ♪せっかく来たし八つ橋でも食べに行く?」
キョン「それだったらさっきの案内所の人に教えてもらった大原女屋でも
行きます?茶屋みたいですけど」
鶴屋「八つ橋あるかなっ」
キョン「行ってみたら分かるんじゃないですか?」
キョン「なかったら無かったでお土産屋で買えばいいですし」
鶴屋「それもそっか♪」
>>154
奇遇だな 俺もつまんないと思ってたんだ
朝倉ときゃっきゃうふふするSSだったはずなのになんで鶴屋さんになったし
本当は>>23あたりから朝倉とキョンがらぶらぶして、ハルヒが
ひたすらやきもち焼いて古泉がおろおろするSS、そんなSSが
書きたかったんだ
鶴屋さんなんていらねーよ、くそったれ
よし、落とそう
>>162
なぜ書いたし
>>165
だって俺が書く前に朝倉さん出たんですもん
もういいよ
こんなカスSSさっさと落とそうぜ
心配しなくてももう二度とSSなんか書かねーよ
ハルヒ「な゙っ……パスってどういうことよ!」
キョン「あぁ?何でいちいちお前に話さにゃならんのだ パスはパスだ」
ハルヒ「わ、私は団長よ!! 団員の勝手は許さな……」
キョン「じゃSOS団抜けるわ はい一ぬーけた」
ハルヒ「!! ふ、ふざけてんじゃ……」
古泉「あ、じゃ僕も二抜ーけ」
キョン「却下」
古泉「……」
ハルヒ「とにかく!今日はキョンも一緒に不思議探すの!!でなきゃ死刑!!」
キョン「俺がいなくても不思議探し()は出来んだろうが」
ハルヒ「うぅううぅうぅ……とにかくキョンがいなきゃ駄目なの!!決定じこーなの!!」
キョン「訳が分からねぇ……っと、朝倉との約束に遅れちまう じゃな」ガラガラ バタン
ハルヒ「あーっもう!!待ちなさいよ!! ……行っちゃった」
ハルヒ「うぅ~~、うぅぅうう、キョンの馬鹿ぁ、もう知らない……もう誘ってあげないんだから!」プイッ
ハルヒ「………ん?」
───
校門前
キョン「………」ボ~
ハルヒ「………」ジー
みくる「あ、あのぉ……涼宮さん」
ハルヒ「何よ」ジロッ
みくる「ひっ……い、いえ、あの、何でキョン君を見張ってるんですかぁ?」オドオド
ハルヒ「何っ、て、その、そ……団員の、風紀とか、動向とか、……団長の務めよ!」クワッ
みくる「は、はいぃ!」ビクッ
ハルヒ「校門の前で待ち合わせなんて……さ、さっきアサ何とかって、ま、まあ聞き間違いだと思うけど」
長門「………」ジー
古泉「……しかし、どうして僕達まで……」
長門「……興味深い」
ハルヒ「! 静かに! 誰か来たわ!」
朝倉「あ、キョン君お待たせ~」ニコニコ
キョン「……おう」
ハルヒ「~~~~」メリメリメリメリ
古泉「すすす涼宮さんっ!? 頭にアイアンクロー掛けるのやめてくださいっ!?」
長門「………」モミモミモミモミ
みくる「な、長門さんっ!?//// ななななにを……////」ビクッ
朝倉「ごめんね、教室の掃除手伝ってたら遅くなっちゃって」フフ
キョン「……別にいい。 誘ったのはこっちだ」
ハルヒ「キョ、キョ、キョンが誘っ、誘っ、」パクパク
古泉「これは意外ですね……あの彼が他人に、ましてや異性に興味をおごごごごぁ!?」
ハルヒ「あ゙ぁん? 何゙か言゙っだがあ゙ん゙?」ゴゴゴゴ
古泉「いいいいいえ何でも」ガクガク
みくる「それにしても……何だか……あの二人………」
朝倉 キラキラキラキラ
キョン キラキラキラキラ
みくる「何だかお似合……」
ハルヒ「 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 」
みくる「わ、わぁ~い バッタさんだ~」 ピョンピョン
長門「これはカマドウマ」
キョン「じゃ、行くか」
朝倉「あら、エスコートしてくれるの?」
キョン「……もう場所は決めてる」
朝倉「ふふ、楽しみ」ニコニコ
朝キョンは人類の宝
存分に続けてくれたまえ
古泉「! どうやら動くようですね」
ハルヒ「着けるわよ」
古泉「えぇ!? そ、それってストーカ……」
ハルヒ「ギロ」
古泉「御意」
テクテク
キョン「………」
朝倉「でね、その時の阪中さんったら」
キョン「………」
朝倉「………」
キョン「………」
朝倉「………」コホン
キョン「………」
朝倉「……ねぇ、キョン君」
キョン「何だ」
朝倉「………」ギュッ
キョン「……何だこの腕は」
朝倉「あら、いいじゃない デートみたいで」
キョン「暑い」
朝倉「私は寒いの」フフ
キョン「……勝手にしろ」
ハルヒ「ううぅぅうううぅぅううぅうぅぅうぅうう」ギリギリギリギリギリ
古泉「カムダーウン カームダーウン」
ハルヒ「がるるるる」
古泉「ひぃっ」
>>185
朝キョンは俺には無理だ
去るわ
ハルヒ「あーさーくーらー!!」
朝倉「せぇぇんぱあぁぁぁい!」
えっ!?いやいやいやwww
…え?
>>190
ハルヒの誕生日プレゼント買いに行った設定だった
何にせよ人様のスレですることでは無かった
すまない
さよなら
なんでまだあるんだよ
さっさと落とせよ
これ勝手に書いちゃまずいの?
いいよ
何も考えずにやってみるか
ハルヒ「なんでよ?」
キョン「用事があるんだよ」
ハルヒ「ふーん、何の用事かしら?」
キョン「いちいち詳細まで言わんでもいいだろう、あれだ、私用の有給休暇ってやつだ」
ハルヒ「SOS団の活動に私用は認められないわよ?」
キョン「お前結構私用でいないじゃねーか、他にも前もって言っておけばみんな休ませてるだろ」
ハルヒ「あんたはダメよ。ヒラの団員のくせに。ましてや不思議探索なら尚更だわ」
キョン「あのなぁ、俺にだって用事ややりたいことはあるんだ」
ハルヒ「だからだったらそれを説明しなさいと言ってるの! 内容によっては認めてあげるかSOS団が手を貸して上げてもいいわ」
キョン「いや、そういうわけにもいかないしな、とりあえず頼む! 今週はパスで! じゃあな!」
ハルヒ「あ、ちょっと! なによもう……キョンのバカ。せっかく週一の外出なのに……」ボソ
ハルヒ「……今週の不思議探索はキョンがいません」
古泉「そうなのですか」
みくる「わかりました~」
長門「了解」
ハルヒ「で、今日は何処に……って、あれ?」
古泉「どうされました涼宮さん、おや?」
みくる「あ、外にいるのキョン君ですね」
ハルヒ「一緒にいるのは……転校したはずの朝倉涼子じゃない」
長門「……」
ハルヒ「……あの二人を追うわよ」
古泉「わかりました」
みくる「え、ええ? でもお邪魔なんじゃ、今日は来れないって言ってきたくらいですし……」
ハルヒ「だからよ! 高校生の分際で不純異性交遊が許されると思ってるの? いい? 恋なんてのは精神病の一種なのよ!」
ハルヒ「キョンがそんなものにかかって間違いでも起こしたら取り返しが付かないかもしれないじゃない! ここはSOS団団長として団員の面倒を見てやる義務があるのよ! そうよね、古泉君?」
古泉「大変宜しいお考えかと」
みくる「ふえ? え?」
長門「二人が動いた……追いかけるなら今すぐでないと見失う」ジッ
ハルヒ「いくわよ!」
ハルヒ「何処にいくのかしら? あ、お店に入った」
みくる「あ、ここ女の子が好きそうなアクセサリーが一杯あるお店ですぅ」
古泉「これは、もしや贈り物でも考えているのかもしれませんね。朝倉さんはそのお手伝いかと」
ハルヒ「考えを決めるのは早計よ古泉君、まだ観察すべきだわ」
長門「朝倉涼子が彼に何かを勧めている模様」
ハルヒ「ほんとね、ってか有希は目が良いわね。でもあれは勧めてるってよりねだってるようにもみえるわね」
みくる「あ~、これ可愛いなぁ、鶴屋さんに買って帰ろうかなあ」
キョン「こういうのが良いのか?」
朝倉「う~ん、ダメかしら?」
キョン「俺はそういうのはさっぱりだ。男と女じゃ感性が全然違うからな。妹ではあまり参考にならんし……」
朝倉「私は良いと思うけど。少なくとも私ならもらったら嬉しいわ」
キョン「そうか、じゃあ買おう」
朝倉「いいの?」
キョン「ああ、ここ以外にも寄る予定だしいくつか買おうとは思っていた」
朝倉「そう、なら私は止めないけど。お金は大丈夫?」
キョン「ああ、その為に今日は不思議探索を休んだようなもんだ」
****
長門「……って言ってる」
ハルヒ「キョン……今度奢り確定ね!」
古泉(あまり余計な事は言わない方がいいですよ……と伝えてあげたいところですが、ま、諦めてもらいましょう)
みくる「あ、これもいいなぁ」
ハルヒ「店を出たわね、追うわよ」
みくる「あ、待って下さいこれお会計……」
ハルヒ「何してるのみくるちゃん!」
みくる「あ、あうあうあ~」
古泉「後で合流しましょう、僕も残ります。もし見失ったらケータイに電話しますので」
ハルヒ「わかったわ、行くわよ有希!」
長門「わかった」
ハルヒ「みくるちゃん、これは遊びじゃなくSOS団の活動のうちなんだからそこのところ忘れないようにね!」ダッ
朝倉「で、次は何処に行くのかしら? 考えてるの?」
キョン「あ、ああ一応服を見に行こうと思ってな」
朝倉「服? 以外ね、キョン君はあまりそういう所に気が回らないと思っていたけど」
キョン「いや、定番ってのを本で読んだだけだ」
朝倉「それを女の子に言うと嫌われるわよ?」
キョン「そうなのか?」
朝倉「そういうものよ、気をつけてねキョン君」
キョン「ああ、悪い」
朝倉「じゃ、その服屋さんまでエスコートしてもらおうかな」
****
長門「……って言ってる」
ハルヒ「むぅ……ますますこれは不純異性交遊のスメルがするわ! いざとなったら割り込むわよ有希!」
キョン「で、どんなのが良いんだ?」
朝倉「そうねえ、あ、これなんてどうかしら?」
キョン「良いんじゃないか」
朝倉「じゃあこっちは?」
キョン「いいと思うぞ」
朝倉「じゃあこれは?」
キョン「お前が良いと思うなら良いんじゃないか?」
朝倉「あのねえキョン君、女の子相手にそういう態度はダメよ? もっと真剣にならなくちゃ」
キョン「しかしだな、どれも似合いそうだと……」
朝倉「それでももっと抑揚というかいろいろアクセント欲しい物よ、女の子って」
****
長門「……って言ってる」
ハルヒ「……ふぅむ、ってあ、古泉君達が来たわ」
人居るか?
あんまり需要無いようなら即止める。
のっとりだしな。
何も考えずにやるんじゃねーのかよks
>>213
それは内容の話だ。つっても書いてる内に定まってきたけど。
古泉「お待たせしました」
みくる「しましたぁ」
ハルヒ「遅いわよ二人とも!」
みくる「ごめんなさい~」
古泉「それでお二人は?」
長門「あそこ」
ハルヒ「服を選んでるようなの」
古泉「なるほど」
みくる「あ、この服可愛いなあ」
朝倉「キョン君はどういうのが良いの?」
キョン「俺か? そう言われてもな」
朝倉「どんなものでもちゃんと選んでもらた方が嬉しいものよ?」
キョン「それはなんとなくわかるが……」
朝倉「なんだったら私、試着してもいいわよ?」
キョン「いや、しかしだな……」
****
長門「……って言ってる」
ハルヒ「……そろそろ踏み込むべきかしら?」
みくる「え、ええ? でもデートを邪魔しちゃ可哀想なんじゃ……」
ハルヒ「何言ってるのよみくるちゃん! あのまま放っておくとキョンがどんな変態服を彼女に着せるかわからないわ!」
ハルヒ「どうせその後発情したキョンがホテルに連れ込んで、間違いを起こして一生物の傷を背負うことになるのよ!」
ハルヒ「だったらそれを未然に防ぐのが私の役目! そうよね古泉君!」
古泉「大変団員思いのお考えかと」
ハルヒ「そうよ! ヒラでもキョンは団員なの! ヒラでも私は団員のことをちゃんと考えているのよ!」
みくる「ほえ~そうだったんですか」
長門「朝倉涼子が試着室に入った」
朝倉「っしょ、っと。えいっ。ん、はぁ……よっ、と」
キョン(何か心なしか着替えの際の声がエロいな、いやいや俺は何を考えてるんだ! 心頭滅却! 消えよ煩悩!)
****
ハルヒ「なんかキョンの動きがやらしいわ! あれはもう発情している可能性があるわね!」
みくる「そ、そうなんですかあ~? 私が着替えてる時もいつもあんな感じな気もしますけど~」
ハルヒ「それはあいつがいつも発情しているってことよ! 気をつけてねみくるちゃん! 決してキョンと二人きりになったらダメよ!」
みくる「流石にそれは言い過ぎなんじゃ……」
長門「朝倉涼子が出てきた」
朝倉「どう?」
キョン「あ、ああ良いと思うぞ」
朝倉「もう、さっき言ったこと忘れたの?」
キョン「え? あ、ああすまん。私服のお前を見るのは初めてだったからな、新鮮さもあって上手く頭が働かなかった」
朝倉「でもだから服、なんでしょ?」
キョン「流石にわかったか、だがまあそこは俺のなけなしの気遣い力の唯一の発揮場所ということで気付かないでいてくれると助かる」
朝倉「もう……しょうがないわね」
キョン「だが本当に似合っているぞ」
朝倉「そ、そう……?」
****
長門「……って言ってる」
ハルヒ「……みんな、スタンバイしなさい」
古泉(どうでもいいですが誰も長門さんの耳が良すぎることにはつっこまないんですね)
長門「動いた、店を出る模様」
ハルヒ「くっ、こっちのスタンバイに気付いたのかしら? まあいいわ、次で現行犯逮捕よ!」
みくる「逮捕ではないんじゃ……」
長門「レストランに入った」
古泉「時間的にもそろそろ昼食時ですし、ランチでも摂られるのではないでしょうか」
ハルヒ「でもキョンにしてはシャレたお店知ってるのね……」
谷口「WAWAWA……いらっしゃいませー、って、げ!?」
谷口「なんだよ、お前等みんなで飯食いにきたのか?」
ハルヒ「うっさいわね、客に対してなんて口の利き方よ、店長を呼びなさい!」
古泉「涼宮さん、ここで騒いでは彼に見つかる可能性があります」
ハルヒ「くっ、そうね……仕方ない、席に案内しなさい、そうね、あそこがいいわ」
谷口「はあ? まあいいけどよ。ってかキョンは今日は一緒じゃねぇのか?」
古泉「その彼を秘密裏に追っているんですよ、申し訳ありませんがご内密にしていただけますか?」
谷口「はあ? ははあ、なるほどそういうことか、まあいいぜ。お客様四名様ご案内ー」
ハルヒ「ちょっとアホ口、ついでにキョンのとこに注文取りに行ってどんな会話してるのか聞いてきなさいよ」
谷口「涼宮、お前ほんと人に物を頼む時の態度をしらねーな……」
ハルヒ「何よ文句でもあるっていうの?」
谷口「あーそうですか、なんならこっちはキョンにバラしたっていいんだぜー? お前等がやってるのはハッキリいやストーカーみたいなもんだ」
谷口「言われて困るのはそっちだぜ」
古泉「涼宮さん、ここは彼の言うとおり少し落ち着きましょう」
ハルヒ「……ふんっ」
古泉「ではすいませんが、彼の偵察をお願いしても宜しいでしょうか?」
谷口「なんかイケメンに言われると腹立つな……そうだ、朝比奈先輩と長門が頼んでくれたらいいぜー」
古泉(この人、こんなにウザかったでしょうか……)
ハルヒ「こんな奴の言うこと聞くことなんかないわよ二人とも」
みくる「で、でも……ここまできたんだし、えっと、お願いできますか?」
長門「……お願い」
谷口「うっしゃー! 美女二人からのお願い! 行ってくるぜ!」
古泉「あ、そんなに大声をだすと……」
キョン「……」ジー
朝倉「……」ジー
古泉「……見つかってしまったようですね」フゥ
ハルヒ「こんな奴の言うこと聞くことなんかないわよ二人とも」
みくる「で、でも……ここまできたんだし、えっと、お願いできますか?」
長門「……お願い」
谷口「うっしゃー! 美女二人からのお願い! 行ってくるぜ!」
古泉「あ、そんなに大声をだすと……」
キョン「……」ジー
朝倉「……」ジー
古泉「……見つかってしまったようですね」フゥ
キョン「お前等なにやってんだ?」
朝倉「人の事をつけるのは私も感心しないな」
谷口「そ、それじゃ、ごゆっくりぃーー!」ダッシュ
ハルヒ「あいつ……! やるだけやって逃げたわね!」
キョン「おい古泉、これはどういうことだ?」
古泉「いえ、本の出来心とでも言いましょうか、涼宮さんが偶然あなた達を発見され、今日の活動は貴方の不純異性交遊を未然に防ぐ、というものになりまして……」
古泉「我々としてもあなたを信じていないわけではないのですが、SOS団の仲間として万が一にもあなたが不祥事を起こさないよう影ながら見守ったほうが、というのが今回の主旨になります」
キョン「おまえらなあ……」
みくる「ごめんねキョン君、邪魔するつもりは無かったんだけど……」
ハルヒ「ふんっ、鼻の下伸ばしまくっていたから、気にかけてあげたのよ! 有り難く思いなさい!」
キョン「まったく……」
朝倉「まあまあキョン君、丁度良かったと思えば……」
キョン「しかしだなぁ……」
朝倉「細かい男は嫌われるわよ? ね?」
キョン「ああもう、わかったよ。そうだな、予定が狂っちまったけどまあいいか」
朝倉「そうよ、この際ここで言っちゃえば?」
ハルヒ「何よ? 二人の恋人報告ならいらないわよ? そもそもSOS団は恋愛御法度なの」
キョン「いや、そうじゃなくてだな……これを」
ハルヒ「……え?」
キョン「今日はこの贈り物を買うために朝倉に付き合ってもらってたんだ、受け取ってくれ」
ハルキョンは至高
ハルヒ(キョンが私の為に? え? え?)
キョン「どうだ、長門?」
長門「……」
ハルヒ「……え? あれ?」
キョン「朝倉なら結構お前のことも知ってると思って協力して貰った。いつも世話になってるお前に少しでもなにかしてやりたくてな」
みくる「わぁ、素敵ですね」
キョン「今日だってお前制服だろう? だから私服を、と思ってな、部屋にももう少し飾り付けがあれば、とこれも買った」
キョン「良ければ受けとってくれ」
長門「……何故、私に?」
>>237
すまん(汗
キョン「お前にはいつも世話になってるしな」
長門「別に気にしていない」
キョン「まあ感謝の気持ちだ」
朝倉「キョン君たらカレンダーの勤労感謝の日を見て思いついたんだって。長門さんに感謝したいって。まあそれで私も協力したわけ。本当はこのお店も後日長門さんと来るつもりだったそうよ」
長門「……私は、必要以上の衣服は、必要ない、それは貴方もわかっているはず」
朝倉「そうかしら? 長門さんはもう少しおしゃれすべきよ? それに、キョン君からこういうの貰うのイヤ?」
長門「イヤでは、ない」
朝倉「じゃあいいじゃない、こういう時に言う言葉はそういう否定じみた言葉じゃないでしょう?」
長門「……あり、がとう?」
キョン「何で疑問形なんだ」
みくる「え? 今の疑問形でした?」
朝倉「それがわかるのはキョン君くらいのものね」
長門「……着替える」
朝倉「ってちょっと待って長門さん! ここで着替えないでー!!」
***
後日
長門「頼みがある」
朝倉「あら、何かしら?」
長門「彼にお礼がしたい」
朝倉「あらあら? 長門さんがそんなこと言うなんて……いいわ協力してあげる♪」
END
おまけ
ハルヒ「」ブツブツ
谷口「お前いつまでいるつもりだよ?」
ハルヒ「」ブツブツ
谷口「おーい?」
ハルヒ「ありえないありえないキョンがキョンが……」ブツブツ
***
古泉「バイトが終わりません」(泣)
こんどこそ本当におわれ
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