モバマスSSです。
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ガタッ
P「ん?李衣菜のギターか……まったく……片付けもしないで……」
P「ギブソンのレスポールか……悪くないな……」
P「普通、初心者は一万くらいのよくわかんないメーカーのを買いがちなんだが……夏樹のアドバイスかな?」シャラン
P「あーあ、チューニングしたままだよ。これじゃネックが曲がるっつの……」シャラン
P「…………」
P「誰もいないし……弾いちゃおっかな……」ジャーン
P「数々のギタリストを魅了してきたレスポール……アメリカのギタリストであり発明家のレス・ポールが生み出したこのギターは今やギターの代名詞となりギターと言われればこの形を思い浮かべる人も多い。高フレット部が弾きやすいよう にボディが削られたシングル・カッタウェイのアー チドトップ・ボディにフロントとリアのふたつ のピックアップを搭載、ネックは仕込み角をつけた セットネックで、それぞれのピックアップ専用のボ リューム、トーンコントロールが備わっている。レスポールが登場した時代は強すぎるパワーのせいで受け入れられなかった。その認識を変えたのはエリック・クラプトン。マーシャルのアンプとレスポールで生み出したディストーションサウンドは最高のギターサウンドと評される」
P「そして、世界三大ギタリストの一人に数えられギターヒーローとして未だに尊敬される事の多いジミー・ペイジがレッド・ツェッペリンで用いた事によって人気を博す。そう、こんな感じで低く構えるんだよな……めちゃくちゃかっこよくて……」ジャーン
P「パワーコードで強いアタックでかきむしると……」ギュワァァン
P「くぅぅ!!70年代ハードロックバンドのギタリストになった気分だぁ……」ジーン
P「ここはやっぱり……」ウズウズ
LED ZEPPELIN / Rock and Roll
ガチャ
P「ロンリ、ロンリ、ロンリ、ロンリターイム!!」ギュワァァン
夏樹「」ニヤニヤ
P「……あ」
夏樹「ツェッペリンのロックンロール……気分はさながらジミー・ペイジ?」
P「ち、ちがっ!?こ、これは!!」
夏樹「違う?じゃあ、ロバート・プラント?にしちゃあ、声が出てなかったなぁ」ニヤニヤ
P「ロックンロールなんて不良の音楽だ!俺はクラシックが好きなんだ!!」
夏樹「おいおい……いつの時代の人間だよ……」
P「そ、それにイーグルスが60年代にロックは死んだと謳ってるぞ」
夏樹「マニアックな情報だな……プロデューサーさ、アタシが気付いてないと思ってる?」
P「な、何がだ!!」
夏樹「プロデューサーの社用車のバンに積んでるCDさ……チャック・ベリーにフーにストーンズにフリー、ツェッペリンにレインボー、ジミヘンにジャニス・ジョプリン、ジェフベック、ブラック・サバスにAC/DCにメガデス、スレイヤー、パンテラ、クラッシュ、ラモーンズにポリス、パールジャム、ニルヴァーナにピクシーズ、サウンド・ガーデン、レイジにU2、クーラ・シェイカー、ウィーザー」
P「や、やめろーー!邪悪な呪文を唱えるなーー!!」
夏樹「頭脳警察、村八分、ラウドネス、ゆら帝、トモフ、ユニコーン、イエモン、ミッシェル、スーパーカー、シロップ、キンブラ、勝手にしやがれ、ブランキー、ユダ、シャーベッツ、AJICOって……プロデューサーってベンジーファン?って言うか本当に20代かよ……」
P「くっ……悪いひとたちがやってきてみんなを殺した……理由は簡単さ、そこに弱いひとたちがいたから……」ガクッ
夏樹「はぁ……別に隠さなくて良いじゃん……」
P「俺が初めてロックに触れたのは小学生の時で、THE WHOのQUADROPHENIAってアルバムに収録されてるLove Reign O’er Meが初めて聴いたロックだった……」
夏樹「本物じゃねぇか……」
P「親父の弟……つまり俺の伯父さんがロックマニアでな。俺は伯父さんにめちゃくちゃ懐いてて、よく伯父さんの家に遊びに行ってたんだ。その時に聴かされたんだが、震えたよ。ピート・タウンゼントの演出するモッズにたいするロックオペラが歪む事なく真っ直ぐ俺にぶつかってきて……俺のハートに火がついちまった」
夏樹「話がなげぇよ……要約して話して」
P「そこから、俺はロックに没頭していった。毎日、伯父さんの家に通った。ちなみに伯父さんの嫁は、背中にでっかくANARCHY IN THE UKのタトゥーが入ったイギリス人だ。フーリガンの母親とヒッピーの父親の間に産まれた子らしい。なんでもお父さんはボブ・マーリーを崇拝していて、お母さんは14回の逮捕歴が、本人も6回の逮捕歴があるらしい」
夏樹「ロックだ……マジでロックだ……でも関係ないじゃん!!早くなんでロックマニアなのを隠してるか話せよ!!」
P「毎日の様に伯父さんの家に通った俺は、ダブルのライダースとモッズコートをかわりばんこに着て、誕生日にはギターをねだり、煙草の代わりにココアシガレットをくわえ、FUCKとSHITを連呼する子供になっていた」
夏樹「嫌な子供だな……いや、待てよ?」
P「な、なんだよ……」
夏樹「凄くカワイイかも!!見たい、その時のプロデューサー見たい
!!」
P「あ、あとで写真見せてやるよ……伯父さんはますます可愛がってくれたが、親父は決して許さなかった……第一に親父と伯父さんは仲が悪かったからそのせいもあるかもしれん……俺は徹底的に反抗したが虚しくも俺は負けてしまった」
夏樹「形式美と言うかテンプレ通りと言うか……」
P「だが、俺のロックは鳴り止まなかった……表向きはクラシック好きの好青年を装ってるが裏の顔はロックをこよなく愛する危険な男なのさ!!」
夏樹「表向きはって、隠せてないじゃん……って言うか自分で好青年言うな」
夏樹「まぁ、大方予想通りだったな」
P「頼む!みんなには言わないでくれ!!とくに李衣菜には絶対にっ」
夏樹「別に隠すような事じゃないんだけどな……まぁ、だりーには絶対に言わない方が良いな。面倒になるのが目に見えてる」
P「頼む!俺が3年ホームレスしてまで買ったヴィンテージの59年エクスプローラー触らせてやるから!!」
夏樹「触らせるだけかよ……ってか3年もホームレスして買うなよ……」
P「分かった!ホワイトペンギンを見せてやる!!ゼ、ゼマイティスもだ!!」
夏樹「なんで軽く何百万もする様なギターを何本ももってんだよ!そりゃ、ホームレスになるわ!!だから、そんなボロボロのスーツ着てんのか!?馬鹿か!!」
P「うぅ……だって……」
夏樹「まったく……ただのロック馬鹿じゃねぇかよ……」
夏樹「まさか、給料をグッズに注ぎ込んだりしてねぇだろうなぁ……」
P「そりゃない!だって、ギターのローン返済に当ててるから全額」
夏樹「はぁ……まぁ、そりゃ仕方な……え?全額!?」
P「うん、全額」
夏樹「3年ホームレスって……まさか現在進行形!?」
P「yes、まさにロンリーハートwwwちなみに今年で4年目突入www」
夏樹「馬鹿!!」バチーン
P「スラッシュッ!?」
夏樹「なんで、言わねぇんだよ!いったい何処にとまってんだよ!!」
P「事務所の応接室……」
夏樹「飯は食えてんのか?」
P「1日1食はなんとか食えてます……」
夏樹「風呂は?」
P「給湯室で……」
夏樹「もう馬鹿の極みだわ……ってか事務所に住んでるんじゃねぇかよ……」
P「ロックだろ?」ドヤッ
夏樹「うぜぇ!!」バチーン
P「インギーッ!?」
夏樹「はぁ、もう……仕方ねぇな……」
P「すいません……」
夏樹「アタシの家に泊めてやるよ」
P「へ?」
夏樹「3食風呂付きだぞ」
P「ま、まさか、オアシスのリアムみたいに3億要求されるんじゃ!?」
夏樹「そ、そんな事しねぇよ!!」
P「む、無償で?」
夏樹「お、おう」
P「神様がいた……」
夏樹「……ほんと、しょうがねぇな……アタシがなんとかしてあげないとな」クスッ
おわり
おわりです。
ナツキチってダメ男を好きになりそうだよなって話です。
あんな可愛くて気の強い女の子に養われたいですな……
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