ライナー「俺がアイツで」ユミル「アイツが私で」(312)



※ライクリ、ベルユミ予定
※キャラ崩壊、ネタバレあり
※ネタ被りあったらすみません




故郷に帰ろう。俺たちの故郷に。

俺と、お前と、アニと、三人で。

壁を壊して、飛び出そう。

皆で“うみ”とやらに行こう。

エレンやアルミンはきっと大はしゃぎするぞ。あんなに目を輝かせていたんだから。

クリスタと一緒に“うみ”を見たいな。そしてプロポーズをするんだ。

きっと楽しいぞ。



…あれ?俺何言ってるんだろうな?

故郷に帰ろう、ベルトルト。

そうだ、人類を滅ぼすんだった。

…あぁ、でも、少しくらい、クリスタと楽しく過ごしてぇな。


******


エレン「何見てるんだ?ライナー」

ライナー「お?あぁ、ちょっとな」

コニー「早く食わないとスープ冷めちまうぞ」

ライナー「それもそうだな」

ベルトルト「」モグモグ


いつもと変わらない夕食。

いつもと変わらない日常。

いつの間に俺は、こんなぬるま湯に浸ってしまっていたのだろうか。

あまりに心地が良すぎて出たくないと思えるほどに。



ライナーは冷めかけたスープを一口啜り、先ほどまで見ていた方向にチラリと目配せした。

目線の先には、いつでも変わらぬ愛らしさを持つ少女が友人たちと談笑している。

パンを齧り、スープを啜り、芋を食む。

自分や他の人間たちと同じ行動をとっているはずなのにどうしてこうも違うのか。

―――決まっている。彼女が女神だからだ。

彼女が微笑めばそれだけで周りに花が咲いたようになり、彼女が涙をすればまるでこの世が終わったかのよう。

大げさではない。少なくともライナーは真剣にそう思っている。


ライナー(クリスタ…今日もやっぱり可愛いな)




クリスタ・レンズ。

ライナーが密かに心を寄せている少女。

いつかはベルトルトとアニとクリスタと一緒に故郷に帰りたいものだ。



ベルトルト(ライナーったらまたクリスタ見てるよ)

ライナー「なぁベルトルト」

ベルトルト(うわ嫌な予感)

ベルトルト「何?」

ライナー「クリスタは女神だと思うか?それとも天使だと思うか?」

ベルトルト「…彼女は人間だと思うよ」

ライナー「馬鹿野郎あんなに純粋な人間がいるものか」



ベルトルト「お願いだから君の妄想に僕を巻き込まないでよ」

コニー「ベルトルトも大変だなぁ。毎朝毎朝」

ジャン「ったく…確かにクリスタも可愛いとは思うけどよぉ。やっぱり黒髪が一番だろ」

アルミン(ジャンの趣味は別に聞いてないんだけどね)モグモグ

エレン「朝っぱらからよく飽きないな」

アルミン「あはは、まぁいつものことと言えばいつものことだけどね」

ベルトルト「あはは……はぁ」

ライナー「お前らなぁ。俺は真剣に悩んでいるんだぞ」

ベルトルト(そんなこと悩むくらいならもっと別のこと悩めよ)

コニー「あ」

ライナー「ん?……あ」




クリスタ「ふぅ、ごちそうさ……きゃっ!」ビクゥッ

ユミル「クーリースーター…げへへ、また胸デカくなったんじゃねぇか?えぇ?おい」モミモミ

クリスタ「ちょっ、ちょっとユミル止めてってば…!ここ食堂だよっ!?」

ユミル「ほーう?じゃあ食堂じゃなきゃいいのかぁ?」モミモミモミモミ

クリスタ「もっもうユミルったら!くすぐったいよー!!」

サシャ「朝はパァン!パンパパァン!」パァン


ジャン「」

ライナー「」

ベルトルト「」

コニー「」

アルミン「…まぁ、これもいつものことだよね」

エレン「」モキュモキュ



ライナー「……羨ましい」ボソッ

ベルトルト「!?」

ベルトルト「ちょ、ちょっとライナー!いきなり何を言い出すんだ君は!」

ライナー「何故ユミルはいつもクリスタの側にいるんだ」

コニー「そりゃあアイツがクリスタにくっついてるからだろ」

ジャン「確かにあの2人いつも一緒にいるな」

アルミン「性格が正反対だから、むしろあってるのかもね」

ジャン「つーかちょっと異常だろ。…まさかデキてる、なんてな?」

エレン「ライナーとベルトルトみたいなもんか?」

ライナー「まぁ確かに俺とベルトルト仲は良いが…」

ベルトルト「君は喋らないで。これ以上誤解を招かないでよ」

ライナー「つまり俺が言いたいのはな!俺はクリスタと仲良くなりたいんだ」キリッ



アルミン(いきなり何を言い出すんだろう)

ベルトルト(君は青春しに訓練兵を志願したのか?違うよねいい加減にしてよ)

コニー「でもライナーってクリスタと結構話してないか?」

ジャン「男共の中じゃそうだろ」

エレン(気にしたことなかった)

ライナー「だが、俺はまだ一度もクリスタとちゃんと二人きりで話したことがないんだ」

アルミン「…あぁ」チラッ




クリスタ「今日の午後ってなんだったっけ?」

サシャ「えーっと、確か…」

ユミル「対人訓練だろ。ったくめんどくせー」

クリスタ「もうユミルったら。そんなこと言っちゃ駄目だよ」

ユミル「へーへー」

サシャ「今日こそコニーと決着を付けなくては!」


ジャン「サシャはともかく、いつもユミルがベッタリだからな」

エレン「仲いいよなー」

ライナー「ユミルがいない時に話しかけたこともあったが…すぐに妨害された」

ベルトルト(君の目的はなんだいこのゴリライナー)

アルミン(ベルトルトったらライナー見すぎなんだけど…)



コニー「……あ、俺いいこと思いついたぜ!」

ジャン「却下」

アルミン「ジャンに賛成」

コニー「何でだよ!せめて聞いてからにしてくれよな!」

ライナー「…分かったコニー。何を思いついたんだ?」

コニー「いやよ…要するに、ユミルが動けない状況を作り出せばいいんだよな?」ヒソヒソ

アルミン「そうだけど…でもユミルを足止めするなんて誰が出来るの?」

コニー「足止めするんじゃない。動けなくするんだ」

ベルトルト「? コニー、どういうこと?」

コニー「この作戦にはな…エレンの協力がいるんだ」

エレン「は?俺?」



ジャン「何でエレンがいるんだよ」

エレン「関係ないと思うんだけど…」

コニー「今日の午後って対人訓練だろ?その時にエレンがユミルと組むんだ」

アルミン「エレンにユミルを医務室送りにさせるつもり?それは…」

ジャン「いや、アイツが本気で訓練してる所なんか見たことねぇからそれは無理だろ」

ライナー「あぁ。かわされるのが関の山だ」

コニー「はっ、これだから凡人は…いいか?そしたらライナーは…ミカサと組むんだ」ニヤリ

ライナー「何だと?」

コニー「きっとミカサはエレンと組んでいるユミルにライナーを投げるはずだ!」

コニー「で、その時にライナーは上手くユミルにぶつかってアイツを気絶させる!」

コニー「これなら訓練ちゃんと受けてなくても医務室送りに出来るってことだ!」ドヤァ



ベルトルト(……えー)

アルミン(凡人っていうか…そんなアホな作戦思いつかないよ…)

ジャン(そんな作戦に誰が乗るかっつーの)

ライナー「その手があったか!」

アルミン「うわ馬鹿だ」

エレン「で、でもそれだとライナーも危ないんじゃないか?」

コニー「はっはっは!馬鹿だなぁエレン、ライナーは中間順位2位、ユミルは11位だ!」

コニ-「こんだけ実力差がありゃライナーだけ気絶しないなんて余裕に決まってんだろ!」

ジャン(順位の問題じゃねぇと思うんだけど)

ベルトルト(というか訓練全部の手を抜いてその順位ってことの意味に気付きなよ)

コニー「そうすりゃクリスタと2人きりで話が出来るわけだ!」



アルミン(やっぱり馬鹿だった)

ジャン(んなもん上手く行くわけねぇし)

ベルトルト(ライナーがそんな作戦に乗るわけないだろ)

ライナー「ふむ…だがそれだと、その後のユミルの対応が問題になってくるな」

ジャン「…ユミルがどうにかなれば乗り気じゃねぇかこいつ」

アルミン「ベルトルトなんとかしてよ」

ベルトルト「ライナーは戦士だ。大丈夫大丈夫。僕はライナーを信じたい」

エレン「んー、じゃあクリスタを味方にすればいいんじゃないか?」

アルミン「予想外の所から案が出てきたどうしよう」

ライナー「どういうことだ?」

エレン「ユミルが気絶してる間に、クリスタに反省してるってとこを見せるんだよ」



コニー「そうか、女神クリスタのことだからきっとあのブスを抑えてくれる!」

ジャン「これが噂の三馬鹿か」

ベルトルト「もうやだ」

アルミン「大丈夫。大丈夫だよ、まだライナーが…」

ライナー「分かった、それで行こう!」

アルミン「うわ」

ジャン「ねぇわー」

ベルトルト「」



ライナー「エレン…危険な役目だが、協力してくれるか?」

エレン「あぁ、当然だ」

ライナー「エレン…!」

エレン「俺たち、仲間じゃねぇか」

ライナー「エレン!」ガシッ

エレン「ライナー!」ガシッ

コニー「へへっ…仲間っていいもんだな…」グスッ


ジャン「あーあ…どうなっても知らねぇぞ…」

アルミン「エレン…ここまでアホだったなんて…」

ベルトルト「あー今すぐ故郷帰りたーい」



******



午後・対人格闘訓練


ミカサ「エレン」

エレン「」ビクッ

エレン「ど、どうしたミカサ」

ミカサ「エレン、今日は私と組んでほしい」

エレン「あー…悪いミカサ。今日は違うヤツと組んでくれるか?」

ミカサ「何故?」

エレン「いや、今日はちょっと…あ、おーいユミルー!!」タタッ

ミカサ「え」



ジャン「エレンのヤツ…マジで行きやがった…」

クリスタ「あ!」

ユミル「あ?」

クリスタ「珍しいね、ユミルがエレンに呼ばれるの」

ユミル「なーんか嫌な予感がするんだが…」

ユミル「おう、何か用か」

エレン「ユミル、俺と組んでくれ!」

ミカサ「!?」

ユミル(ミカサがすげぇ勢いで睨んできやがった)

ユミル「…悪いなエレン。今日はクリスタと」

クリスタ「ベルトルトー!」タタタッ

ベルトルト「!?」

ベルトルト(何で僕の方に来るの!?)



クリスタ「あのね、今日ユミルはエレンと組むから、相手してもらってもいい?」

ベルトルト「べ、別にいいけど…」チラッ

ユミル「」

ライナー「」

ベルトルト(2人の視線が怖い)

エレン「頼むよユミル!」

ユミル「…チッ。仕方ねぇな。さっさとやるぞ」



コニー「よし、第一段階はオッケーだ!あとは…」チラッ

ミカサ「」ゴゴゴゴゴ

ライナー「な、なぁミカ」

ミカサ「ライナー」

ライナー「お、おう!」ビクゥ

ミカサ「ベルトルトがいない、ので、ライナーは1人」

ライナー「ああああ、ああ、1人だ」

ミカサ「私と組んで」

ライナー「あ、あぁ」

ライナー(作戦とはいえ、俺死ぬかもしれん)



コニー「よっしゃー!」

ジャン「おいおいマジかよ…」

アルミン「えー…」


アニ(…アイツがユミルに声をかけるなんて…)

ミーナ「? アニ、どうしたの?」

アニ「いや、何でもないよ」

ミーナ「あ、もしかしてエレンのこと見t」

アニ「隙あり」パシッ

ミーナ「ひゃんっ」バタン




ユミル「ふっ」パシッ

エレン「くっ」

ユミル「おい、エレン」ガシッ

エレン「うわ!」

ユミル「お前…どういうつもりだ?」ヒソ

エレン「え」

ユミル「今まで私と組んだことなんてなかっただろ」

エレン「た、たまにはな」

ユミル「私と組んでお前に利があるとは思えねぇ。いつもみたいにミカサやアニと組めばいいだろ?」ギリッ



エレン「ぐっ…」ギリギリ

エレン「ユ、ユミ、首」

ユミル「抜けれるもんなら抜けてみやがれ」

エレン「ぅ」

ユミル「おらもうギブしろよ。私はクリスタの所に行かなくちゃ」

エレン「! おらぁ!」グルンッ

ユミル「なっ…!?」

ライナ「」

ユミル「は!?ライ」


ゴチーーーン



ユミル「」バタン

ライナー「」キュウ

コニー「よっしゃ成功ー!!」

クリスタ「ユ、ユミルー!!」バタバタ

ミカサ「す、すまないユミル」アセ

ユミル「」

ベルトルト「ラ、ライナー!」ユサユサ

アルミン「ライナーも気を失っちゃってる…」

コニー「やっべ想定外」テヘペロ

ジャン「テヘペロじゃねぇよ!コニーてめぇどうすんだ!」

アルミン「と、とにかく医務室に運ぼう!」

エレン「ライナー、ユミル!しっかりしろ!」



******



なぁクリスタ。“うみ”ってどんな所だと思う?

アルミンが言うにはとても大きくて広いらしい。

いつか見に行きたいな。

そうだ、巨人を全て滅ぼしたら一緒に行こう。

はは、大丈夫。きっと行けるさ。

…あれ?俺は人間だったか?


******


「ん……」


天井がある。外じゃない。医務室か?

俺は気を失っていたのか?

…俺のベッドの横に、女神が座っている。

ユミルhどうした?アイツも気絶したのか?まだ目覚めていないのか?


クリスタ「!! 目を覚ましたわ!」



ベルトルト「良かった…!」


体…というか頭が痛ぇ。ユミルにぶつかった時か。

アイツ意外と石頭だな。ちくしょうズキズキする。

喉が渇いて上手く声が出せん。くそ、水飲みてぇな。


クリスタ「もう…!心配したんだから!」ギュゥッ

「!?」


ま、待て!何が起こっている!?

クリスタが俺に抱きついてヤバい柔らかいいい匂いがする結婚したいいやむしろ今すぐ新婚旅行に


ベルトルト「あ、こっちも目を覚ましグハッ」



ヤバいユミルが目を覚ました。

こんな光景見られたら俺は確実に死ぬあぁでもクリスタマジ女神


「てんめぇこのゴリラ!私のクリスタに何しやがんだ!」


クリスタ「え、えぇっ!?」///

ベルトルト「…やっぱり頭打っておかしくなったのかい?」

ライナー「は?…え、…何で、私が…?」

ユミル「お、俺が…そこにいる?」



俺の目の前に、俺がいる。

口をあんぐりと開けて、俺を指さしている。

ありえないと心で思いながら、俺は自分の手を見る。

毎日毎日見てきた男の手はそこになく―――女の手が、付いていた。


ユミル「はぁ!?一体どういうことだ!?」

ライナー「知るかそんなん!とりあえずクリスタから離れろ!!」

クリスタ「え、え、待って何が起こってるの!?」

ベルトルト「僕にも分からないよ!」



ユミル「ベルトルト、俺だ、ライナーだ!」

ベルトルト「何を言ってんだ君は!君はユミルだろう!?」

ライナー「クリスタ、とりあえずこっち来い!」

クリスタ「だ、だってユミルはこっちで…えぇ!?」


何が起こっている。理解が出来ない。

まさか俺は、俺たちは。


ユミル「入れ替わったっていうのか…!?」



そんな非現実的なことが起きるはずがない。

だがそれ以外に今のこの状況を説明出来るはずもない。

頭が割れそうに痛い。誰か、誰かなんとかしてくれ。

いや、今はとにかくこの状況を整理しなくてはいけない。


ライナー「くっ…そんなおとぎ話みたいなこと起きるわけねぇだろ…!」

ユミル「だが他にどう説明できる?」

ライナー「……くそっ!」

ベルトルト「…2人とも、からかうつもりならいい加減にしてくれ」

クリスタ「冗談でもひどいよっ!」

ライナー「クリスタ、落ち着いて聞いてくれ。…どうやら私とライナーの人格が入れ替わったらしい」



ベルトルト「ライナー!!」ガシッ

ライナー「!? お、おいベルトルさん…!!」

ベルトルト「いい加減にしてくれ!そんなことあり得るわけないだろう!!」

ユミル「…ベルトルト、俺だって信じられない。が、起こってしまったことだ」

クリスタ「ユミルまで!!」

ユミル「ベルトルト。…お前のおねしょ癖が治ったのは、8つの時くらいだったな」

ベルトルト「!?」

ユミル「夜中にこっそり隣の俺の家に来て、ライナーどうしようってグズッていたな」

ベルトルト「分かった君はライナーだ信じるからお願いだから止めて!!」

ライナー「…ほー」ニヤニヤ

クリスタ「お、おね…」カァァ

ベルトルト「」



ライナー「私だって…あ、そうだ。今日のクリスタのパンツは水色の水玉だ」

クリスタ「やっ、嫌ぁーーー!!」///

ユミル(み、水色の水玉…)ゴクリ

ベルトルト「ユミ…ライナー鼻血出てるよ」

ユミル「すまん」

ライナー「想像してんじゃねぇよ」

クリスタ「ユミルのせいでしょ!?」プンプン

ベルトルト「でも本当に入れ替わってるとしたら…どうしたら元に戻れるんだ?」

ライナー「もういっぺん頭ぶつけてみるか。おいゴリラ、デコ出せや」

クリスタ「駄目!ユミルの体なんだからこれ以上痛い思いさせたくない!」

ユミル「と、とは言ってもなクリスタ」」



ライナー「そうだぞクリスタ。このままって訳にはいかないだろ」

ベルトルト「試してみる価値はあると思うよ」

クリスタ「うぅ…」

ユミル「いくぞ、ユミル」

ライナー「ああ。……せー、のっ!!」


ゴチンッ


ライナー「~~~~~…ってぇぇぇぇ!!!」

ユミル「ひ、皮膚が薄いからかっ…ものすごく痛いぞこれ……!!」

ベルトルト「ラ、ライナー…?」

ユミル「……おう」

クリスタ「駄目だったみたいだね…」

定番ネタだけどよりによってライユミとはw
支援



ライナー「あー畜生どうすんだよこれ!!」

ベルトルト「と、とりあえず教官には伝えないとまずいよね…」

ユミル「いや、それはダメだベルトルト」

ベルトルト「何でだよ?」

ライナー「考えてもみろよ。いきなり人格が入れ替わりましたなんて言って信じてもらえると思うか?」

ユミル「仮に信じてもらえたとしても良くて開拓地送り。悪くて人体実験だ」

ユミル「そんなことになったらまずいって…お前だって分かっているだろう?」

ベルトルト「くっ…」

ベルトルト(確かにその選択肢は両方ともマズイ…)



ライナー「残念ながら私もまだ死にたくはないんでな」

クリスタ「じゃあどうするの?」

ベルトルト「…仕方ないけど、しばらくこのまま生活するしかないよね」

ユミル「ああ。しかも、誰にも気付かれないようにだ」

ライナー「誰の口から洩れるか分からねぇしな。とりあえずこのことを知ってるのは4人だけだ」

クリスタ「で、でもそれってつまり…」

クリスタ「…ユミルが男子寮で、ライナーが女子寮で過ごすってことだよね?」

ライナー「よーっしライナーもう一度頭突きすんぞ」

ベルトルト「ま、待ってダメだって!」

ユミル「お、俺だって好きでそうするわけじゃない!仕方ないだろう!」

ライナー「チッ…」



ライナー「クリスタ!」ガシッ

クリスタ「きゃっ!」ビクッ

ライナー「いいか、ライナーが何かしてきたらすぐに私に言うんだぞ!?」

クリスタ(中身はユミルだけどライナーにそう言われてると何かすごい複雑)

ユミル「ユミル、…不慣れだとは思うが、怪我だけはするなよ」

ライナー「はっ…てめぇもな。私の体に傷一つ付けてみろ。ケツの穴にブレードぶっ刺してやる」

ユミル(やめてそこ弱いから)



ライナー(怪我されて正体がバレる、なんて笑えねぇ)

ユミル(なんだかんだ慎重なユミルのことだ。大丈夫だとは思うが…)

ユミル「ベルトルト。フォローしてやってくれ」

ベルトルト「わ、分かった」

ライナー「クリスタ。…仕方ねぇが頼んだよ」

クリスタ「う、うん…任せて」

ベルトルト(でもこの2人)

クリスタ(いつまでこのままなんだろう……)


書き溜め分終わり
明日投下しに来ます

>>36 ありがとうございます。ライユミで入れ替えてみました

超期待

戻ったときにはユミルのイケメン度が上がってそうだな(*´∇`*)
しかし入れ替わりの相手がムキムキかぁ、ダメージ大きそう

入れ替わり状態でのトイレシーンがあると俺が興奮する


投下します

>>44 ありがとうございます
>>45 何だかんだ兄姉な二人なのでまだましかと。ムキムキだけど
>>46-47 むしろそれを書きたい




夕食・食堂前


ライナー(まずいことになっちまった)

ライナー(こんな馬鹿みたいなことが起こった上に、相手があのライナーだなんてな)

ライナー(それでなくともライナーはクリスタを狙ってる)

ライナー(2人きりにさせることになるなんて…クソッ)イライラ

ベルトルト「ユミル」ボソッ

ライナー「あ?何だよ?」

ベルトルト「眉間に皺、すごいよ」

ライナー「だからなんだよ」

ベルトルト「この状況でライナーはそんな表情しない。…気付かれたくないなら、ちゃんと演技してくれ」



ライナー「…あぁ、分かった」

ベルトルト「一人称、相手の呼び方。まぁ2人は似てる所があるから大丈夫だとは思うけど…」

ライナー「分かってるよ、ベルトルト」

クリスタ「ライナーも、俺なんて言っちゃダメだからね?」

ユミル「あ、あぁ。私だな。…意外と恥ずかしいなこれ」

クリスタ「我慢して、ね?」

ユミル(可愛い。結婚しよ)

ベルトルト「さ、行こう」ギィ



エレン「! ライナー!ユミル!」

アルミン「2人とも大丈夫!?」

ライナー「あ…あぁ。心配をかけたな」

ジャン「お前も災難だったな。おら、コニー」

ライナー「コニー?」

コニー「ライナー、その、悪かったよ。俺のせいで…」

ライナー(おいコニーのせいってどういうことだ)

ベルトルト(ヤバい説明し忘れてた)

ベルトルト「と、とにかく夕飯にしようよ」

コニー「俺ライナーの分の飯持ってきてやるよ!」タタッ

アルミン「僕も手伝うよ」タタッ



ライナー「……」

ジャン「…アイツなりに罪悪感持ってんだ。まぁ、許してやってくれよ」

ライナー「…俺は気にしていないからな」

ライナー(まぁ元に戻ったら覚えとけよチビが)ビキビキ

ベルトルト「」グリッ

ライナー「ってぇ!!」

エレン「ラ、ライナー?」

ライナー「い、いやすまん何でもないんだ…」

ライナー(テメェ見えねぇからって人の脇腹つねるんじゃねぇよ!!)ヒソヒソ

ベルトルト(君が青筋立ててるからだろ!?)ヒソヒソ




サシャ「ユミルも災難でしたねー」

ユミル「あ、あぁ。全くだ」

サシャ「見事におでこ真っ赤じゃないですか。たんこぶとか出来たんですか?」

ユミル「少しな」

ミカサ「ユミル」

クリスタ「あ、ミカサ…」

ミカサ「ユミル。その…すまない。ユミルにぶつけるつもりはなかった」

ユミル(俺を投げたことに対しては何もないのか…)



ミカサ「」スッ

ユミル「え?」

ユミル(ミカサの掌が額に…冷たくて気持ちいいな…って俺は何を考えているんだ)

ユミル「ミ、ミカサ?」

ミカサ「まだ、痛い?」

ユミル「い、いや、大丈夫だ。気にすんなって」

ミカサ「そう…良かった」ホゥ

ユミル(てっきりエレンにしか興味ないと思っていたが…こんな表情もするんだな)シミジミ

サシャ「ユミルー、何ボーっとしてるんですか?」

ユミル「え!?な、何でもないぞ!」

クリスタ「ね、ねぇユミル!スープ冷めたちゃうから早く食べようっ」

ユミル「そ、そうだな!」



アニ「…でも、頭を打ったんだろ?大分派手な音がしたしね」

ミーナ「でも音が大きい方があんま大事にならないって言うよね!」

アニ「馬鹿。打ち所が悪ければ大変だろ」

ユミル「…アニ、心配してくれてるのか?」

アニ「別に。…アンタのことなんて心配してない」プイ

ユミル(冷たく見えて、アニは昔から優しい子だからな)

ユミル「アニ」

アニ「何だい?……え」ポン

ユミル「ありがとうな、心配してくれて」ナデナデ

アニ「!?」カァァ



クリスタ「!!」

ミーナ「ユ、ユミルがアニの頭撫でてる…」

サシャ「明日は大雨でしょうか…!?」

クリスタ「ラッ、ユミルっ!!」

ユミル「あっ!!」バッ

クリスタ「も、もうユミルったら!心配してくれたのがそんなに嬉しかったなんて!」

ユミル「あはは、ま、まぁな」

アニ「……っ、ほ、本当に頭打っておかしくなったのかい?」

ユミル「嫌だなアニ!どこもおかしくなんかなってねぇって!」アハハハ

ミーナ「ユミアニ……これは来る!!」

サシャ(まーたミーナが何か言っとるわ)モグモグ




ライナー(アイツ私の体で何してやがんだ!)

ジャン「おいおいライナー。復帰した途端にクリスタの方ばっか見てんじゃねぇって」

ライナー「え?」

コニー「作戦失敗しちまったからなぁ…また次の考えねぇと」

ライナー(作戦?次?どういうことだ?)

ベルトルト「…ライナーがクリスタと2人きりで話すための作戦だね」ハァ

ライナー「なんだと!?」ガタッ

アルミン「わっ、スープこぼれるよ!」

エレン「食事中に立つなんて行儀悪いぞライナー」

ライナー「…すまん」



コニー「上手く行ったと思ったんだけどなー」

ジャン「まさかユミルがエレンの誘いに乗るとは思わなかったぜ…」

アルミン「まぁあれはクリスタが気を使ったからだと思うけどね」

ライナー(なるほど、だからエレンは私に声をかけて来たのか…)

ライナー(元に戻ったらコイツらどうしてやるかな)ビキビキ

ベルトルト「ライナー」

ライナー「……」チッ

アルミン「でも、ユミルなら事情を話せばきっと分かってくれるよ」

コニー「あの暴力ブスが聞くわけねぇだろ!クリスタ命なんだからな!」

ライナー「その通りだ」

コニー「だろ?あー、駄目だ何も思いつかねー!!」

ジャン「もう諦めろって」



ライナー(全くコイツらは………っ!)

ライナー「……」

ベルトルト「…ライナー?どうかした?」

ライナー「……いや、何でもない……」

エレン「どうしたライナー?もしかしてぶつかった所が痛むのか?」

ライナー「いや、大丈夫だ…」

アルミン「でも眉間に皺すごいよ?」

ライナー「あー、今日はちょっと腹一杯でな」

ジャン「珍しいな。お前が飯残すなんて」

ライナー「まだ本調子じゃないのかもしれん。コニー、良ければ食うか?」

コニー「いいのか?全然食べてねぇじゃん」



ライナー「俺はこれ以上成長したくないからな」

コニー「お、俺チビじゃねぇから!」

エレン「ライナー…本当に大丈夫か?汗すごいぞ?」

ベルトルト「…?」

ライナー「あ、ははは、すまんが俺は先に部屋に戻っている」ガタッ

アルミン「あ、ライナー…」

ライナー「お先」バタン

エレン「……ライナーのヤツ、やっぱりまだ本調子じゃないのか」

ジャン「だろうな。なんか感じ違ったし」

ベルトルト(やばい)

コニー「なぁベルトルト。ライナーまだ調子悪いのか?」

ベルトルト「え、うん。まだ少し辛そうだったし……」



アルミン「付いていてあげなくていいの?」

ベルトルト「そうだね…ごめん、僕も先に失礼するよ」ガタ

ジャン「おー、ちゃんと面倒見てやれよー」

ベルトルト「あはは、じゃあ」バタン


クリスタ「……」チラッ

クリスタ(ユミル、どうしたんだろ…)

ユミル「……」グッ

ユミル(…く、これはまずいな…)


******


ベルトルト「ユ…ライナー!!」

ライナー「」ハーハー

ベルトルト「どうしたの!?やっぱりどこか痛いのか?」

ライナー「はっ…ベルトルさん……」

ベルトルト「しっかりして、とりあえず部屋まで戻ろう。肩貸すから」グッ

ライナー「っ、ゆ、揺らす、な……!」

ベルトルト「ユミル、しっかりして、どこが痛いの!?」

ライナー「……っ、ぇ」

ベルトルト「な、何?」



ライナー「……ィ、レ」

ベルトルト「聞こえないよ、どうしたの!?」

ライナー「ベルトルさ……ト、イレ、行きたい……」

ベルトルト「……え?」

ライナー「だからっ、…トイレだよ……もう限界っ……」プルプル

ベルトルト(僕より小さな身長の人が、僕を見上げて顔を真っ赤にしている)

ベルトルト(でも見た目はライナーだちくしょう)

ベルトルト(せめてユミルの見た目のままが良かった!)グウッ

ライナー「うぅぅ……」プルプル

ベルトルト「! ユミル、もう少し我慢できる?」



ライナー「ん…」コクコク

ベルトルト「とりあえずトイレに行こう」

ライナー「!? わ、私にライナーのちんこ見ろって言うのか!?」

ベルトルト「わーわー!女の子はそんな言葉言わないし知りません!!」

ベルトルト「じゃあ他にどうしろって言うんだよ!」

ライナー「っ……分かったから、トイレ……」

ベルトルト「うん」

ベルトルト(でも困ったな…男女で入れ替わってるから、こういう問題が起きるのか…)

ベルトルト(じゃあライナーの方もユミルの体で……)

ベルトルト(お風呂入ったりトイレ行ったり……)カァァ



ライナー「……おいベルトルさん……何考えてんだ?」

ベルトルト「なっ、何も考えてないよ!」

ベルトルト「ほ、ほら着いたよ」

ライナー「……っ」

ライナー「……やっぱり無理だ!」

ベルトルト「何でだよ!トイレくらいパパッと済ませちゃえばいいだろ!?」

ライナー「私だってなぁ!…私だって、一応女なんだよ……」モジモジ

ライナー「……男のヤツなんか、見たことねぇし……」ボソボソ

ベルトルト(何で見た目がゴリラなんだよ本当に!!)ギリッ

ベルトルト(ユミルのままで言われたら思春期男子には最高なのに!!)



ライナー「っぁ、漏れ…る……」

ベルトルト「…、分かった、とりあえず便器の前に立って、目を閉じて!」

ライナー「はぁっ!?どうするつもりだよ!」

ベルトルト「こうするんだ…よっ」カチャカチャ

ライナー「!? ば、馬鹿脱がすな!!」

ベルトルト「脱がさないでどうやって出す気だ!」ヂィィ

ライナー「ひっ」ボロン

ベルトルト(まさかライナーのちんこ触る日が来るなんて最悪だ!!)

ベルトルト「ユミル、僕も見てないから、出して」

ライナー「~~~~~~っ……」


******


ライナー「うぅぅ……」

ベルトルト「」バシャバシャ

ライナー「もう嫁に行けない…」

ベルトルト「僕だってこんな日が来るとは思ってなかったよ…」ゲッソリ

ライナー「最悪だ……」

ベルトルト「僕だって」

ライナー「…ベルトルさん」

ベルトルト「何だい」

ライナー「私たち、いつまでこのままなんだろうな」

ベルトルト「……」



ベルトルト(このままずっと2人が元に戻らなかったら、僕たちがしてきたことの意味がなくなってしまう)

ベルトルト(何とかして元に戻さないと)

ベルトルト(でも、どうすればいいんだ…)

ベルトルト「……ユミル」グッ

ライナー「!」

ベルトルト「大丈夫。きっと僕やクリスタが何とかしてみせる。だから、落ち込まないで」

ライナー「ベルトルさん…」

ベルトルト(頭をぶつけた以外に理由があるとしたら、それを見つけ出さないと)

ライナー「……ってこれさっきまでちんこ握ってた手じゃねぇか触んな馬鹿!!!」

ベルトルト「だっ、だから別に好き好んでライナーの触ったわけじゃないってば!!」



ガサッ


マルコ「」

ジャン「」

ベルトルト「」

ライナー「」

マルコ「え…あ、僕たち何も聞いてないから…」

ライナー「ど、どこからだ!?どこから聞いてた!?」

ジャン「ベルトルトがライナーの手握って、ライナーがちんこがどうのって言う所から」

ライナー(そこからで良かったぁぁぁ)



マルコ「ジャン、僕たちお邪魔みたいだから早く戻ろう」

ジャン「あぁ。…お前ら」

ベルトルト「な、何だい?」

ジャン「……やっぱ、デキてたんだな」クルッ

マルコ「じゃあね」

ベルトルト「」

ベルトルト「」

ライナー「あーあ」

ベルトルト「待ってくれ誤解だーー!!」



とりあえずここまで
マルコ出せてよかった

これは誤魔化しようがないww

ベルトさんが滝汗かいてる様子が目に浮かぶ

この事態で役得なのライナーだけじゃんか

そっかぁ...ユミルさん男のアレは見たことないのかぁ...
そっかぁ......(ゲス顔)

トルトの手を消毒する方法は一つ…
元に戻ったユミルの放尿を手つだ…ゲフゲフ


バイト前に少し投下

>>72 男2人でこれやったらさすがに無理す
>>73 汗トルトさんの滝汗ワロス
>>74 ライナーに幸せになってほしかったんだ
>>75 ユミル逃げて
>>76 落ち着いてくれ


******


クリスタ「」ジトー

ユミル「…クリスタ、頼む、誤解だ」

クリスタ「…本当にユミルの…見てない、よね?」ジトー

ユミル「とっ、当然だ!

クリスタ(こういう問題が起きるなんて…ユミルのパンツとかライナーに見られちゃったらどうしよう)アセアセ

ユミル(女子は座って見えないからまだいいが…ユミルのヤツ、大変だろうな)

ユミル(さすがにこれに関してはベルトルトに助けを求めるわけにもいかないだろうし)

ユミル(…俺のを、ユミルが見る…)

ユミル(うげー)



クリスタ「…ちょっとライナー?」ジトー

ユミル「何でもないぞクリスタ!」

サシャ「あ、2人ともトイレの前で何してるんですか?」タタッ

クリスタ「!」

ユミル「サシャ…どうしたんだ?」

サシャ「どうしたもこうしたも…早く行きましょう」グイッ

ユミル「わっ、行くってどこにだ」

サシャ「決まってるじゃないですか。お風呂ですよお風呂」



ユミル「」

クリスタ「」

ユミル「」

クリスタ「サササ、サシャ!今日ユミル体調悪いから、体拭くだけにするって!」

サシャ「え?そうなんですか?」

ユミル「あー!言われてみればライナーにぶつけた頭が痛ぇなー!」

ユミル「こりゃちょっと今日は風呂は無理だなー!」

クリスタ「わ、私はユミルの体拭いてから入るよ!」

サシャ「そうですか?私もお付き合いしますよ」



ユミル「いや大丈夫だ!クリスタだけで大丈夫だからお前は風呂に行って来い!」

サシャ「どうしたんですかユミル。そんなに慌てて。…あ、もしかして」

クリスタ「」ギクッ

サシャ「2人とも私に内緒で何か美味しいものを食べようとしてるんじゃないですか!?」ハァハァ

クリスタ「やだなぁサシャ。そんなことあるわけないじゃない」

ユミル「そうだぞサシャ。食べるならお前も誘うに決まってるだろ」

サシャ「え?」

ユミル「え?」



サシャ(ユミルが優しい…何か変な感じがします)

クリスタ「さ、サシャは先に行ってて、ね?」

サシャ「うーん。分かりました。じゃあ先に行っていますね」テクテク

クリスタ「……ふー…」

ユミル「今は何とかなったが…明日からどうするかな…」

クリスタ「また誤魔化すしかないよ。…とりあえず、部屋に戻って体拭こう?」

ユミル「俺1人でも大丈」

クリスタ「駄目!!」

ユミル「」ビクッ

クリスタ「ユ、ユミルだって女の子なんだから!見ちゃ駄目!」

ユミル「お、おう…」

クリスタ「私が拭いてあげるから!」

ユミル「分かった…」


ここまで
バイト行ってきます

クリスタに体拭いてもらうとかもうね
クリスタの小さい手で体中まさぐられるとかもうね

ライクリとか……

ライナー好き!幸せにしてあげたい!照れてるライナーが見たい!っ
て感じ?
クリスタ誰か好きになるとか無らいわ。原作読んでないだろ

ベルユミも原作ではありえないしな
けどssだし割り切って楽しもうじゃないか

まあまあ落ち着けよ

ライナーの姿でベルトルさんって言うのなんか可愛いな…(コンフュ)

風呂はどっちの反応も気になるなぁ


投下
ちょっとさくさく進めます

>>84 ライナーうらやま
>>85 原作ユミクリ好きだが最新号の4人が辛いんだ。妄想垂れ流して申し訳ないです
>>86 割り切ってもらえると助かります
>>87 すみません
>>89 こんなん書いたら怒られそうですが
>>90 後々書いてきます



隣を歩く少女との距離が、いつもより近いような気がする。

俺の姿がユミルだからだろうか。頭の位置も普段より低いから、余計にそう感じる。

アイツはいつもこんな感じでクリスタを見ているのかと思えば、それが羨ましい。

人並みに恋をしてはいけない身だと分かっていても触れたくなる。

だが俺が触れたら、きっと少女は壊れてしまう。

文字通り、だ。

俺が一歩歩けば人々は逃げまどい、腕を一振りすれば命を落とす。

あの時もそうだった。俺やベルトルトがきっかけで、何千何万と死んだ。

だから触れられない。この神々しい少女に。



クリスタ「…そういえば、こんな風に話すの初めてだね」

ユミル「…あぁ、いつもユミルがいたからな」

クリスタ「ふふっ、ユミルの顔でそう言われるのって、なんか変な感じ」

クリスタ「…ユミルは大丈夫かなぁ」

ユミル「さぁな。だが、少なくともベルトルトが一緒だから最悪の事態にはならないだろう」

クリスタ「ライナーとベルトルトって、同じ出身だったよね?」

ユミル「あぁ。幼い時からずっと一緒だった」

クリスタ「そうなんだ」



ユミル「アイツはいつも俺の後ろにくっついててな。どこへ行くにも一緒だった」

ユミル「だがアイツは誰よりも強い意志を持っている。俺が断言する」

クリスタ「…2人は本当に仲がいいんだね。ちょっと羨ましい、かな」

ユミル「? クリスタだってユミルやサシャたちと仲がいいじゃないか」

クリスタ「…今はね」

ユミル「……?」

クリスタ「さ、着いたよ。ユミルのベッドは一番窓際の下だから、そこで待ってて」

ユミル「クリスタは?」

クリスタ「桶に水汲んでくるね」

ユミル「じゃあ一緒に…」

クリスタ「ううん、ゆっくりしてて。…色々あって、疲れてるでしょ?」



ユミル「…分かった、じゃあ、先に入ってる」

クリスタ「うん!すぐに戻るから!」タタッ

ユミル「……」

ユミル(どうしてクリスタは、こんなに優しいんだろうな)

ユミル(こんな俺にまで…)

ユミル「…よっし、入るか」ガチャ

ユミル「」キョロキョロ

ユミル(女子は皆風呂に行っているのか…誰もいなくて助かった)

ユミル(今日は何とかなったものの、明日は風呂に入らなくていけないだろう)



ユミル(…女風呂、か…)

ユミル(何を考えているんだライナー・ブラウン!お前は戦士だ!)

ユミル(邪念なんて持つな!今ここにいる理由を思い出せ!)

ユミル「あ、でもクリスタの裸…」

クリスタ「私がどうかしたの?」ガチャ

ユミル「ククククリスタ!!」

クリスタ「もしかしてユミルのベッド分からなかった?」

ユミル「い、いや大丈夫だ!予想外に帰ってくるのが早くてびっくりしただけだ!」

クリスタ「そうなんだ、ならいいんだけど」



クリスタ「じゃあこれ、着けてね」

ユミル「布…か?」

クリスタ「一応包帯なんだけど…ごめんね、こんな布で」

ユミル「気にするな。目隠しすればいいんだろ?」

クリスタ「うん。その…ごめんね?」

ユミル「いや、年頃の女だ。例えユミルでも俺に裸を見られるのは嫌だろう」シュルシュル

ユミル「」ギュッ

クリスタ「どう?」

ユミル「何も見えない、安心してくれ」

クリスタ「じゃあ、脱がすね」



ユミル「……」シュル

クリスタ「……」ゴソゴソ

ユミル(とても変な感じだ)

ユミル(クリスタが俺の服を脱がしている…いや、実際にはユミルのだが)

ユミル(まさかこんなことになるなんて考えてもみなかった)

クリスタ「拭くよ」

ユミル「あ、あぁ、頼む」

クリスタ「…なんか、ユミルの体をこんなまじまじと見たことなかったから、恥ずかしいね」

ユミル「そうなのか」

クリスタ「うん。ユミルってね、普段すごく口が悪いから誤解されちゃうんだけど」

クリスタ「本当はすごく優しいの」

ユミル「それはクリスタにだけじゃなくてか?」

クリスタ「うん。だから勿体ないなーって」



ユミル「……」

クリスタ「ライナーもきっと分かってくれると思うから」

ユミル「それは、どうだろうな」

ユミル(少なくとも俺がクリスタを好きだと思う限り、アイツとはライバルになりそうだ)

ユミル(にしても…)

クリスタ「かゆいところとかない?」

ユミル(クリスタの手、小さいな…考えてみれば俺と頭3つとか4つ違うのか)

ユミル(クリスタ1人くらい帰るのが増えても大丈夫だろうか)

クリスタ「ふぅ…後ろ終わり。前拭くよー」

ユミル「あ、あぁ」



クリスタ「よいしょっと」

ユミル「!!」

ユミル(待て待てクリスタの息が首に!!どんだけ近いんだ!?)

ユミル(ク、クリスタが至近距離いい匂いがするヤバいそこれは)

クリスタ「あ、あんまり動かないで…拭きにくいよぉ」

ユミル「すっ、すまん!」

ユミル(くっ…この状況…拷問すぎる!!)


******


ライナー(とりあえす今日は風呂は避けよう)

ライナー(最悪朝にでも体を拭けば、まぁなんとかなるしな)

ライナー(だが問題は…)チラリ

ベルトルト「…どうしたの?もう就寝時間だよ?」

ライナー「…なぁ、こんなに近いものなのか?」ヒソ


部屋の広さもベッドの広さも女子寮と対して変わりがないせいだろう。

体格の差もあって、いつもより隣との距離がないような気がする。

幸い壁際だったから、私の右隣にベルトルさんがいるだけではあるが…


ベルトルト「…いつもこんなもんだよ」



ライナー「そ、そうか」

ジャン「おい上2人うるせぇぞー。さっさと寝ろよ」

ベルトルト「ごめんね、ジャン。ほら寝よう」

ライナー(ね、寝ようっつったって)

ベルトルト「……」

ライナー(目の前にベルトルさんの顔がある…すっげぇ気まずい)

ライナー(いや、寝てしまえ!明日のことは明日考えろ!)グッ

ベルトルト「……」チラ

ベルトルト(一応ユミルも女の子だしなぁ…そりゃ居心地悪いよね)

ベルトルト(ライナーは大丈夫かな。上手くやっていればいいけど…)

ベルトルト(もしこのまま戻らなかったら、どうしたらいいんだろう)

ベルトルト(入れ替わっている状況で巨人化はするのだろうか?もしそうだとしたら…)

ベルトルト(僕はユミルを…)


******


ユミル「」

ユミル「」

クリスタ「ん……」ゴロン

ユミル(助けてくれベルトルト、女神が目の前にいる)

ユミル(寝て体力を回復させなくてはならない。それは分かっている。だが)チラリ

クリスタ「すー…」

ユミル(こんな状況でむしろ何故クリスタは寝ていられるんだ)

ユミル(…俺は男として意識されていないのだろうか…)



クリスタ「んっ…」ギュッ

ユミル「!!」

ユミル(クリスタが俺にしがみついてきた…!!)

クリスタ「ユミル…」

ユミル(……)

ユミル(…すまないクリスタ。俺が変な計画を実行しなければ、こんなことにはならなかったのに…)

ユミル(なんとしてでも元に戻らなくては)

ユミル(ベルトルトやアニの…クリスタのためにも)

ユミル「…すまない」


書き溜め分終わり
寝ます、多分また明日来ます

ベルユミライクリ大好きなのに
ベルユミに比べてライクリSSは異様に少ないからほんと嬉しい
でかい図体して乙女心ムンムンのライナーたまらんわ
続き楽しみにしてます

おやすみ
待ってます

素晴らしい乙
正直CPの面子には興味無いけど展開に引き込まれる
面白い

ライナーさん、謝る相手の中からユミルが抜け落ちてますよ

ベルユミライクリどっちも好きだよ
話も面白いし、楽しみに待ってます!


短いですが投下します

>>106 カプ要素が薄くなりそうな予感。自分もライクリ好きです
>>107 おはようございます。ありがとうございます
>>108 そう言ってもらえると本当に嬉しいです。目に留めてくれてありがとうございます
>>109 優先順位的にそうなりました
>>110 ハードル上がってますが頑張ります


******

朝・食堂


ライナー「」

ベルトルト「」

ユミル「」

クリスタ(皆クマすごいなぁ)

ベルトルト(色々考えてたらあまり眠れなかった)

ユミル(クリスタがあまりに可愛すぎて眠れなかった)

ライナー(ベルトルさんの寝相があまりに悪すぎて蹴り起こされた)

アルミン「あれ、この4人が一緒にいるなんて珍しいね」

クリスタ「おはよ、アルミン」

エレン「しかもお前ら何だよ死にそうな顔しやがって」



ライナー「放っておいてくれ…」

ミカサ「ユミル、まだ痛い?」

ユミル「いいや痛くない大丈夫だ」

サシャ「あ、おはようございます!…ん?」クンクン

ライナー「うわっ、何だサシャ」

サシャ「…ライナー、昨日お風呂入りましたか?臭いますよ」

ライナー「うっ…いや、昨日は疲れていてすぐに寝てしまったんだ…」

エレン「汚ねぇなライナー。訓練で汗かいてんだから、せめて体ぐらい拭いとけよ」

ライナー「あぁ、すまない…」

ユミル(俺の体だからっていい加減すぎるだろユミル)

クリスタ(ユ、ユミルもやっぱり恥ずかしいのかな…私がやってあげるべきかな…うぅ、でもライナーの体だし…)



ベルトルト「…とりあえずライナーは、朝ごはん食べたら体拭きなよ?」

ライナー「わ、分かった」

ライナー(初めて見る男の裸がよりにもよってライナーか…泣きたくなるぜ)

ベルトルト「……」

ベルトルト「…今日の訓練は、午後からの立体機動だよね?」

エレン「あぁ。午前は来週の雪山訓練の班の発表と計画の話し合いだ」

ベルトルト「そっか。じゃあ僕ちょっとライナー連れて少し水浴びしてくるよ」

ライナー「!? い、いやベルトル…ト。お前まで付き合う必要はないんだぞ」

ベルトルト「駄目だよ。昨日の今日なんだから。何かあったら大変だろう?」

ミカサ「ベルトルトは本当にライナーといつも一緒にいる」

エレン(たまにデキてるんじゃないかって思うよなぁ)

ジャン(まぁデキてるしな)

マルコ(デキてるしね)

ユミル(これが俺がホモと言われる原因か…)



ベルトルト「班の貼り出しまでには戻ってくるから」

クリスタ「今年はどうなるのかな…」

ユミル「去年クリスタは誰と同じだったんだ?」

ライナー「!」

アルミン「去年って…やだなユミル。君がクリスタと一緒だったじゃないか」

ユミル「え…!?」

コニー「ど忘れしちまったのか?ブスな上ババァとか最悪だぜー?」

ライナー(畜生このチビ言わせておけば)

ベルトルト「コニー。あまり人の悪口言っちゃダメだよ」

ベルトルト「ユミルはブスでもおばあさんでもないんだから」

ライナー「ベルトルト…」

ジャン(待て何でお前がここで顔を赤らめる)



コニー「チッ…悪かったよ、ユミル」

ユミル「気にしてないから大丈夫だ。わ、私もすっかり勘違いしちまったからな」

ミカサ「…去年のユミルはすごかったと聞く」

エレン「ぶっ倒れたダズを連れて帰って来たんだろ?」

ユミル「ま、まぁな」

クリスタ(結局ユミルがどうやってダズを助けたのかは謎のままなんだよね)

クリスタ(いつか分かる日が来るのかな)

ベルトルト「…ふぅ、ごちそうさま」

ライナー「ごちそうさん」

クリスタ「あ、ベルトルト行くの?私も一緒に行こうか?」

ユミル(!? クリスタが俺の裸を見たいと言うのか!?)

ベルトルト「僕だけで大丈夫。嫌かな?ライナー」

ライナー「…別に構わん」



ライナー(本当ならクリスタにも付いてきてほしい所だが、さすがに怪しまれる)

ライナー(こんな長い間クリスタと離れるのは初めてだ…)

ライナー「はぁ…」

ユミル(クリスタと一緒にいる時間が増えたことは嬉しい)

ユミル(だが、こんな夢みたいな話にいつまでも付き合っているわけにはいかん)

ユミル(俺は戦士だ)

ユミル「クリスタ。…私たちも一旦部屋に戻らないか?」

クリスタ「え?」

ユミル「まだ時間はあるからな。少し、話をしよう」

クリスタ「…うん、分かった」

サシャ「皆さん今日は食べるの早いですね」

コニー「なんか変だぞお前ら」

クリスタ「そ、そうかな?そんなことないよ」

ジャン「ほっとけほっとけ。俺たちもとっとと食っちまおうぜ」



マルコ「喋るのもいいけど、少し行儀が悪いからね」

アルミン「そうだね」

ベルトルト「じゃあお先。…行こう、ライナー」

ライナー「あぁ」バタン

ユミル「クリスタ。私たちも行くぞ」

クリスタ「うん。じゃあ皆、また後でね」バタン

アルミン「……」

ジャン「……」



ジャン「なぁアルミン。やっぱりアイツら、なんかおかしいよな」

アルミン「僕もそう思ったよ。昨日の夜から態度が変なんだ」

エレン「どうかしたのか?」

アルミン「ううん、こっちの話」

ミカサ「エレン。口の横にパンが付いている」ヒョイパク

エレン「あ!俺のパン食うんじゃねぇよ!」

ジャン(畜生この野郎)

アルミン(原因が分かるまでは黙ってた方がいいよね)


******


女子寮


ユミル「ふぅ…」バタン

クリスタ「ライナー、話って…今の状況のこと?」

ユミル「あぁ。なぁクリスタ。俺たちは何故入れ替わったんだと思う?」

クリスタ「え?…えっと、2人が頭をぶつけた、から?」

ユミル「きっかけはそれで間違いはないと思う。だが、そこに至るまでの経緯だ」

ユミル「頭をぶつけたから入れ替わったなんて単純なことなら、昨日試した時点で戻っている」

ユミル「きっと他に何か原因があるはずだ」

クリスタ「うーん…、単純に誰かと入れ替わってみたかったとか)

ユミル「それはない」

クリスタ「そんなはっきり言わなくても」

ユミル「俺は俺であることを後悔したことなど、ない」


ユミル(俺が俺を否定して後悔することなど、許されない)

クリスタ「そっか…そうだよね、それはユミルにも言えることだと思うし…」

ユミル「アイツにも?」

クリスタ「前に言ってたの。ユミルとして生まれたことを否定したら負けだって…」

クリスタ「だから余計に分からないの。どうして2人がこんなことになってしまったのか」

クリスタ「…分からないの…」グスッ

ユミル「クリスタ…」

クリスタ「ご、ごめんね。私が泣いたらライナーもっと困っちゃうよねっ」

ユミル「……」

クリスタ「ごめん、ごめんなさい…」ヒック

ユミル「……クリスタ」グッ



クリスタ「きゃっ…ラ、ライナー…」

ユミル「大丈夫だ。俺たちは必ず元に戻ってみせる。お前に悲しい思いをこれ以上させない」

ユミル「だから泣かないでくれ、クリスタ。…頼む」

クリスタ「…っ、うん……」

クリスタ「私も、出来る限り協力するから…」

ユミル「あぁ、女神がいてくれたら百人力だ」

クリスタ「ふふっ、なんだかユミルみたい」クスクス

ユミル「あははっ、今の俺はユミルだからな」



クリスタ「…ありがとう、ライナー」

ユミル「さ、泣き止んだら行こうか」

ユミル「班分け、一緒だといいな」

クリスタ「それは今のライナーと?それとも、元のライナーと?」

ユミル「あ……さ、さぁな」

クリスタ「もう、ライナーずるいよ」

ユミル「ずるくなんてないぞ!ほら行くぞ、クリスタ」

クリスタ「…うん!」


今日は以上です
明日は来れるか微妙です
おやすみなさい

乙です!
更新楽しみだけど無理はせずにね

クリスタかわいすぎワロタ


バイト上がりに投下
短いです

>>125 お優しい言葉ありがとうございます(結婚しよ)
>>126 クリスタは女神、異論は認めない




差し出された手を握りかえし、はたと気づく。

この手はユミルの手なのだろうか、それともライナーの手なのだろうか。

ライナーの意志を持って差し出された手なのだから、きっとライナーのものなのだろう。

おかしな話だと思う。自分の手より大きくて指が長いユミルの手が、今は違うだなんて。

違うと分かっているはずなのに、自然と手に触れてしまう。

ライナーが差し出したこの手にどんな意味があるのか。

そう考えた瞬間、顔が熱くなった。

思わず手を離してしまい、きょとんとした表情のユミルと目が合う。

ユミル―――正確にはライナーだが、彼もその意図に気付いたようで顔を赤く染めた。

普段のままならユミルのそんな表情を見ることはないので、新鮮だとちょっと考える。

私は照れ隠しに一つ咳払いをして、彼に向き合った。



ユミル「すまんクリスタ、つい…」

クリスタ「ううん、違うのライナー。嫌だったとかじゃないの」

クリスタ「ちょっと恥ずかしかっただけ。ね?」

ユミル「そうか、ならいいんだが…」

クリスタ「行こうライナー。ユミルとベルトルトが戻ってきてるかもしれないし」

ユミル「そうだな」

ユミル(しかし、ベルトルトのヤツ…たかが水浴びくらいで付き添わなくてもいいと思うのだが)

ユミル(だから俺がホモだのゲイだの言われるんだ全く)


******


ベルトルト「脱いで」

ライナー「お、おいベルトルさん…目が怖ぇ」

ベルトルト「いいから早く。時間ないんだから」

ライナー「わ、分かったからあっち向いててくれ」

ベルトルト「なんで?」

ライナー「なんでって…女が服脱ごうとしてんだぞ?見ないくらいの配慮できねぇのか」

ベルトルト「今の君はライナーの体じゃないか。ライナーの裸なんて見たって何とも思わないよ」

ライナー「…へーへーそうですか」ヌギッ



ライナー(何で私がこんな目に合わなくちゃいけないんだ…)

ライナー(大体何で私とライナーが入れ替わった?何が原因だ?まさか私が巨人っていうのに関係があるのか…?)

ライナー(この場合私は巨人になれるのか?それとも私の肉体を持つライナーがなるのか?)

ライナー(なれない…可能性もあるが…)

ベルトルト「ユミル?何を考えているの?

ライナー「別に。私の可愛いクリスタは泣いてねぇかなって思ったんだよ」

ベルトルト「…あぁ、ライナーはクリスタを気に入ってるみたいだからね」

ライナー「そうだな。あんだけ露骨な態度を取ってるのに気付かないのはクリスタくらいだ」

ライナー「まぁそれも可愛いんだけどな」チャポン

ベルトルト「…ねぇユミル」

ライナー「何だベルトルさん」



ベルトルト「目を閉じていたら危ないと思うんだけど」

ライナー「うるせぇよ。私だって見たくねぇものの一つは二つあるんだ」

ベルトルト「体洗いにくいでしょ」

ライナー「そのくらい目ぇつむってても余裕に決まってんだろ」

ベルトルト「……」ヌギッ

ベルトルト「」チャポン

ライナー「は?ベルトルさん?何してんだよ」

ベルトルト「目閉じてるなら僕が洗う」

ライナー「はぁ!?アンタ本当にホモか!?何でそうなるんだよ!?」

ベルトルト「ライナーの体に何かあったら困るんだよ。…元に戻るまで、君はライナーの体を守る責任がある」

ベルトルト「傷一つでも付けたら許さない」ゴシゴシ



ライナー「っ…くすぐってぇ」

ベルトルト「少しくらい我慢しなよ」

ライナー「…なぁベルトルさん。アンタは何でこんな状況になったんだと思う?」

ベルトルト「分かってたら苦労しない。君も同じだろ?」

ライナー「まぁな。…一つ聞いてもいいか?」

ベルトルト「どうぞ」ゴシゴシ

ライナー「ライナーが今の現実に対して何か不安があったとかはないか?」

ベルトルト「」ピタ

ライナー「アイツが何かから目を背けたがって逃げたがっていたら…」

ベルトルト「……」

ライナー「ライナーであることを否定したいと心のどこかで思っていたら、それは可能性の一つなんじゃないか?」

ベルトルト「…誰にでも否定したいことや逃げたいことが、あるんじゃないかな?」

ライナー「そりゃそうだ。人間なんだからな」



ライナー(……人間、か)

ベルトルト(僕たちがこの現実を苦しんでいるのは、僕たちが人間だから?)

ライナー「で、そんな考えの時に偶然強い衝撃を受けた」

ライナー「私にぶつかるっていうな」

ベルトルト「ありえない」

ライナー「何故?」

ベルトルト「…ライナーは、強い人だ。どんなに苦しんでも、彼が現実から逃げたいなんて、思うはずがない」

ベルトルト(僕たちは逃げられないって、分かっているのだから)

ライナー「それはベルトルさんが持つ理想のライナーってヤツだろ」

ライナー「理想と現実は違うんだ」

ベルトルト「…そんなの」

ベルトルト(そんなの、分かってる)


とりあえずここまで
自分が書くとどうしても暗くなるどうしよう
おやすみなさい

乙乙


気になるわー

皆のすれ違い具合が面白い
乙です


何の気なしに吸ってたタバコの名前がクリスタでテンション上がった
投下します

>>136 ありがとうございます
>>137 頑張ります
>>138 どんどんすれ違っていきます



ベルトルト「え!?あ、ごめん…」

ベルトルト「…僕はね、ユミル。ライナーにはライナーのままでいてほしかったんだ」

ライナー「? そりゃ誰もこんなことになるなんて思わないだろうしな」

ベルトルト「あはは、そうだね」ゴシゴシ


目を瞑っているライナーの姿は、ベルトルトのよく知っているライナーの姿そのもの。

だが精神はライナーではない。ユミルだ。

…ライナーの精神とは、一体何なのだろうか。

戦士と兵士を曖昧に行き来している今のライナーは、入れ替わりがなかったとしてもライナーのままなのだろうか。

>>140 初っ端からミスりました


ライナー「…ベルトルさん、ちょっと痛い」

ベルトルト「え!?あ、ごめん…」

ベルトルト「…僕はね、ユミル。ライナーにはライナーのままでいてほしかったんだ」

ライナー「? そりゃ誰もこんなことになるなんて思わないだろうしな」

ベルトルト「あはは、そうだね」ゴシゴシ


目を瞑っているライナーの姿は、ベルトルトのよく知っているライナーの姿そのもの。

だが精神はライナーではない。ユミルだ。

…ライナーの精神とは、一体何なのだろうか。

戦士と兵士を曖昧に行き来している今のライナーは、入れ替わりがなかったとしてもライナーのままなのだろうか。




ベルトルト(僕はライナーに、一体何を求めているんだ)


ライナー「っ、ぅひゃん!」

ベルトルト「!?」

ライナー「ばっ、馬鹿くすぐったいっつーの!もういいから止めろよ!」

ベルトルト(……本当、なんでライナーの姿なんだろ。ひゃんとかユミルの姿で言ってほしかった)


******



訓練舎・午前


ユミル「あー…」

ベルトルト「…まぁ、そんな気はしてたよね」

クリスタ「ちょっとびっくりしたけど」

ライナー「まぁ好都合と言えばそうだが」

ジャン「そのチームの力配分おかしいだろ。なんで中間2位と3位が一緒なんだよ」

マルコ「教官方が決めたことだから、僕たちがとやかく言うことないよジャン」

ミカサ「納得が行かない。何故エレンとアルミンの班に私がいないのか」

エレン「悔しいがお前は別格だから、だろ」



サシャ「そうですよミカサ!私とコニーでは嫌なんですか!?」

ミカサ「そんなことはない。エレンがいないことが不満」

アルミン「ミカサったら…」

ユミル(何の偶然かは知らんが、ベルトルトとクリスタ、ユミルと同じ班なのは運がいい)

ユミル(もしそれまでに戻らなかったとしても対策が練れる)

ユミル(…戻らなかったとしても、か)


******


立体機動訓練・午後


ライナー「納得が行かない」

ユミル「俺だって好きでこうなったわけじゃない」

クリスタ「ラ、ライナー口調」ボソッ

ユミル「す、すまん。…ごめん」

ライナー「止めろその顔で素直に謝るな!!」

ベルトルト「君もだよ」

ライナー「くぅっ」

クリスタ「でも私がユミルと組むのって結構多いじゃない」

ライナー「それはそうなんだが…俺の相手は…」チラッ

ミカサ「」

ライナー「…まぁ前回決めたことだからな、仕方がない」



ベルトルト「僕はマルコとだからとても平和だよ」

マルコ「よろしくね、ベルトルト」

ベルトルト「こちらこそ。…ライナー、くれぐれも無茶はしないように」

ライナー「当然だ」

ベルトルト「違う」

ライナー「紛らわしいんだよ!!」

マルコ「クリスタ、どういうこと?」

クリスタ「うーん…内緒かなっ」アセ

ミカサ「…ライナー、ユミル。聞きたいことがある」

ライナー・ユミル「」ギクッ

ユミル「な、何だミカサ」



ミカサ「…何故2人の装置が逆になっているの?」

ライナー「あ、やべ」

ユミル「ま、間違えたんだ!いやぁすまないなライナー!」カチャカチャ

ライナー「い、いや俺も気付かなくてすまなかった!さぁ交換しようか!」カチャカチャ

マルコ「2人とも昨日から変だよ?どうかしたのかい?」

ライナー「何にもないから大丈夫だ!心配するな!」

クリスタ(2人とも、自分の装置使えなくて大丈夫かな…)

ベルトルト(まさかミカサに気付かれるなんて…ちょっと意外だった)

ライナー(くそ、私の立体機動装置は微妙にクセが強いからな…)

ユミル(使い慣れていない他人のとは…普段以上に気を付けないと)


******



ミカサ「ライナー、左に傾いている」パシュッ

ライナー「分かっている!」ヒュンッ

ライナー(畜生…想像以上にやり難い…!!)


ベルトルト(ユミル、結構辛そうだね…仕方ないことだけど)

マルコ「ベルトルト!左に一つ!」パシュッ

ベルトルト「あぁ」ザクッ


ユミル「クリスタ!左から旋回してうなじを狙え!」ギュルルル

クリスタ「う、うん!」

クリスタ(こんな状況でも、やっぱりライナーはすごいな…)



ユミル「よし、俺はこっちから…」グンッ

ユミル「!?」ガクッ

ユミル(何だ!?予想より発射角が厳しい!)

ライナー「!! まずい!」ギュンッ

ユミル(くそッ、アンカーの刺さりが甘い!落ち…っ)ガクン

マルコ「! ユミル!」

ユミル「―――!!!」ヒュウゥゥ

クリスタ「ライナー!!!」

ライナー「畜生っ、間に合わね―――」ヒュン

ベルトルト「クッ…!!」

ライナー「ベルトル…!?」



ベルトルト「ライナー!!」ギュルルルル

ユミル「っ、ベルトルト!!」

ベルトルト「ぐっ」パシッ ギュルル

ユミル「―――っ!!」


ミカサ「ユミル…!ベルトルト…!」トッ

ユミル「っ…すまない、助かった…」

クリスタ「大丈夫!?怪我は!?」

ベルトルト「僕も…ユミルも多分大丈夫だよ」フゥ

マルコ「大事にならなくて良かったよ…」

ライナー「…大丈夫か」

ユミル「…あぁ、まぁな」

クリスタ(やっぱり違うの人の装置でやるなんて無茶だったんだ…!)

ライナー(右斜めからアンカーを打ち込むと微妙にブレを起こす…くそ、伝えておけば良かった)



ミカサ「…なら、もうユミルを下ろしてもいいんじゃないかと思う」

ベルトルト「え?」

クリスタ「あ、お、お姫様抱っこ…」カァァ

ユミル「」

ベルトルト「」

ユミル「おっ、下ろせ!そんな趣味はない!!」

ベルトルト「奇遇だねっ、僕にもないよ!!」

クリスタ(ベルトルトがユミルをお姫様抱っこ…!あ、でも今ライナーだから…どうなるのっ?)アワワワ

ライナー(うっわ見たくなかったこんな光景)

ユミル(まさかベルトルトにこんなことをされる日が来るなんて思っていなかった!)

ベルトルト(うぅ、複雑な気分…ユミルだけどライナー…)



マルコ「大丈夫なら行こう。まだ半分も終わっていないんだから」パシュッ

ベルトルト「ご、ごめんマルコ」パシュッ

ミカサ「ライナー、私たちも」パシュッ

ライナー「あぁ」

ライナー「ライナー」ボソッ

ユミル「?」

ライナー「その装置で右斜めから打ち込むときは少し重心を左にかけろ。そうでなきゃまたさっきみたいなことになる」ボソ

ライナー「…伝え忘れていて悪かった」パシュッ



ユミル「……!」

クリスタ「ライナー、私たちも行きましょう」

ユミル「あぁ、そうだな」

クリスタ「…あのねっ、大変だし不便っていうのは分かるんだけどね…」

ユミル「どうした?」

クリスタ「…いっぱいいっぱい辛くて、苦しかったら、私のことも頼ってほしいの」

クリスタ「さっきみたいな時に何もできないくせに、そんなこと言うなって思われちゃうかもしれないけど」

クリスタ「ライナー、辛そうな顔してるから…」

ユミル「! …そんな風に見えるか?」

クリスタ「…」コクン

ユミル「大丈夫だクリスタ。気にするな」


俺は何度色々な奴に、そう言っただろうか。


******


ライナー、大丈夫?

「あぁ、大丈夫だ」

何か隠してないかい?

「気にするな、そんなことあるわけないだろう」

本当?

「当然だろう」


ほんとうに?


******




女子兵舎・夜


ユミル「ど、どうしても、か?」

クリスタ「私だって不本意だよ!で、でもさすがに誤魔化せないよ!」

クリスタ「お、お風呂に行こう、ライナーっ」


明日また来ます
おっぱいがいっぱい

ライナーがすごくライナーらしいし、
どのキャラもらしさを失わず魅力的で好きだ。
ストーリーも面白いし続き期待してる。乙。

乙乙
雰囲気が不穏になり易いね
もっとラブコメしてるのがみたい

>おっぱいがいっぱい
期待していいんだな?


投下します
おっぱい成分が圧倒的に足りない

>>157 進撃の世界感はぶち壊してますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです
>>158 不穏シリアスが自分の基本ステータスなようです、ラブコメ頑張ります
>>159 らっきーすけべ!



クリスタ「今なら入浴時間ギリギリだからそんなに人いないはずだから!」

ユミル「だが女風呂に行くということは…その、俺とクリスタが一緒に…」

ユミル(クリスタの裸クリスタのおっぱい)

クリスタ「み、見ないでね?その…あんまり大きくないから…」モジ

ユミル(結婚しよ)

ユミル「…いいんだな。クリスタ。俺が狂戦士になっても」

クリスタ「へっ!?な、何か意味は分からないけどすっごくダメな気がする!」


******


脱衣所


ガラガラ

クリスタ「あ」

ユミル「」

アニ「…アンタ達も今から?」

ユミル「…よりにもよってお前か…」

アニ「私がいちゃ何か問題でもあるのかい」

クリスタ「ううん!そんなことないよ!」

クリスタ「いい?あんま見ちゃダメだからねっ?」ヒソヒソ

ユミル(アニの裸なんて小さい頃によく見てたからなぁ。今更って気もするんだが)

ユミル「えっと…とりあえず服脱ぐか」ヌギッ



クリスタ「あああああ!ユミル前隠して前っ!!」

ユミル「え!えぇっ!?」

クリスタ「見えちゃうっ、見ちゃダメー!」アタフタ

アニ「…そんなもんいつでも見てるだろ。何だい今更」

クリスタ「今更じゃないのっ、今はダメなの!!」

アニ「ホントどうしたのクリスタ。…私は先に入ってるから」ガラッ

ユミル「……」

クリスタ「……」フー

ユミル「クリスタ、何で俺よりお前の方が慌てているんだ」

クリスタ「だって女の子の裸だよ!?何とも思わないの!?」

ユミル「何も思わないわけではないが…俺はクリスタとの風呂が一番緊張するんだがな」



クリスタ「え?」

ユミル「…あ!い、いや、俺、先に、行くぞ!」ガラッ

クリスタ「ちょっと待ってよー!」バタバタ


サシャ「あ、クリスタにユミル!」

ミーナ「珍しいね、二人がギリギリに来るの!」

ミカサ「とてもいい湯加減。2人とも早く入るといい」

ユミル「」

クリスタ「…み、皆…なんで今日に限って遅いの…?」

サシャ「さっきまで教官に走らされてたんですよぉ」

ミカサ「エレンがちゃんとご飯を食べるか見守っていたら遅くなった」

ミーナ「アニと一緒に来たからねーっ」

アニ「私は後で入るからいいって言ったじゃないか」ハァ

ユミル(おっぱいがいっぱい)



クリスタ(ラ、ライナーの目が真ん丸になってる!)

クリスタ「ユミル!先に体洗っちゃおう!?」アセアセ

ユミル「」

クリスタ「ほらここ座ってっ」

ユミル「」

クリスタ「これが石鹸だからねっ、…私が洗った方がいいかな!?」

ユミル「いやー大丈夫だー」

クリスタ(大丈夫に見えないよぉぉぉぉ)

ミカサ「…あ、ユミル」

ユミル「え?…!!?」フニッ

ミカサ「申し訳ないけどユミルの前にあるタオルを取ってほしい…少し届かない」フニフニ

ユミル(ミ、ミカサの胸が背中に…!!こんなに柔らかいものなのか!?)



クリスタ「はっ、はいミカサ!これだよね!?」

ミカサ「ありがとう」

ユミル(背中にまだ感触が…女子は毎回こんな風に風呂に入っているのか!?)ドキドキ

ユミル(とっとと洗って出てしまおう!)ガシガシ

ミーナ「あ、もうユミル!」トトッ

ユミル「へ?」

ミーナ「そんな力任せに髪の毛洗っちゃダメっていつも言ってるでしょ?ほら、石鹸貸して」

ユミル「ミ、ミーナ!?大丈夫だ1人で出来る!」

ミーナ「前にそう言って髪痛めたの誰だったかなー?」ワシャワシャ

ユミル(ユミルのヤツ…いつもこんなことされてるのか!?アイツ何なんだ一体!)



ミーナ「ふぅ、はい終わり。昨日お風呂入ってないんでしょ?ちゃんと洗わなきゃダメだよ?」

ユミル「…ア、アリガトウ」

ユミル(心臓がいくつあっても足りん!)

クリスタ(何で皆ライナーのことこんなに構うの!?ど、どうしようライナーすっごい無表情だよ!)

ユミル「クリスタ…体洗って早く出よう…」ゲッソリ

クリスタ「う、うん」

サシャ「ユミルー、背中流しますよー!」

ユミル「はぁ!?何言ってんだお前まで!!」

サシャ「えぇっ!?」

アニ「アンタいつもサシャに背中洗わせてるじゃないか」

ユミル「マジかよ…」



ユミル(アイツ普段どんな生活しているんだ…羨ましい…)

クリスタ(あ、ちょっと眉毛動いた…何考えてるんだろ)

クリスタ(もしかして皆の裸のことかな?だったら嫌だなぁ…)ズキズキ

クリスタ(あれ?何かちょっと胸痛い…風邪かな…?)

サシャ「えぇ!ですから今日もしっかり洗いますからね!」ガシッ

ユミル「わぁぁぁサシャ今日はいい!今日はしなくていいから!」

サシャ「どうしたんですか、いつもの老若夫人なユミルはどこにいったんですか!?」

ミカサ「サシャ、それを言うなら傍若無人」

サシャ「どっちでもいいですそんなの!さぁユミル観念してください!」ノシッ



ユミル「も、もう勘弁してくれ!」

ミーナ「あれ?そう言えばユミル」

ユミル「あぁ!?」

ミーナ「今日はクリスタの胸揉まないのねー」アハハ

クリスタ「ミ、ミーナ!」

ユミル「クリスタの…胸……」クラクラ

ユミル「も、揉む……」バターン

クリスタ「ちょっと、嘘っ!?ユミルー!!」



******



兵舎外れ・消灯後


ベルトルト「……で、のぼせて倒れたと」

ライナー「あのゴリラ死ね」

クリスタ「やっぱりお風呂に行くのは無理だったかなぁ…」

ライナー「駆逐してやる」

ベルトルト「ユミル黙って」

ライナー「うるせぇ2m級巨人。うなじ削ぐぞ」

ベルトルト(冗談でも笑えない)

ライナー「ついでもライナーのうなじも削いでやる」

ベルトルト(何なのこの人わざと言ってるの?)

クリスタ「ユ、ユミル落ち着いて?ね?」



ライナー「……クリスタ」ジワッ

クリスタ「え?」

ライナー「クリスタぁ!!」ダキッ

クリスタ「きゃあっ!」

ライナー「クリスタ大丈夫か!?あのゴリラに変なことされてないかっ!?服脱がされたり胸揉まれたり!」

クリスタ「さっ、されてない!されてないからっ、そのっ、離してユミルっ!!」

ライナー「嫌だ、もう2日もお前に触ってなかったんだ!相変わらず柔らかいな私のクリスタ!」

ベルトルト「落ち着いてユミル!絵面的にライナーがクリスタ抱きしめてるみたいだから!」

ライナー「はっ」

クリスタ「うぅ…」マッカッカ



ライナー「……やっぱりあのゴリラ殺す」

ベルトルト「君の場合自業自得だから。ライナーのせいにしないで」

クリスタ「とりあえずミカサが部屋まで運んでくれて、今ライナーは寝てるから…」

ベルトルト(つまりライナーはユミルとかアニの裸を見たってことだよね)

ベルトルト(…元に戻ったらちょっと踏み潰そうかな。本気で)

ライナー(何かベルトルさんの目が死んでる)

ベルトルト「…ごめんね、ユミル。一緒に来てもらってなんだけど、ちょっと先に戻っててもらっていい?」

ライナー「は?何でだよ」

ベルトルト「ちょっとクリスタと話がしたいんだ」

クリスタ「私と?」

ライナー「おいおいベルトルさんよぉ、そう言われて私がはいそうですかって言うと思うか?」

ベルトルト「君たちが元に戻る為だよ。クリスタに変なことしないから、言うこと聞いて」



ライナー「……チッ。クリスタに指一本でも触れてみろ。股間にぶら下がってるモノ削ぐからな」

ベルトルト「」ヒュンッ

クリスタ「もっ、もうユミル!」///

ライナー「じゃあ先に戻ってる。あんま遅くなるんじゃねぇぞ。…ベルトルさんがいるといないじゃ大違いなんだからな」ザッザッザ


ベルトルト「……え、クリスタ今のどういう意味?」

クリスタ「ふふっ、ユミルはベルトルトのこと信用してるんだね」

ベルトルト「そうなのかな?それならちょっと嬉しい…かな」

クリスタ「それでベルトルト。話って何?」

ベルトルト「あのね、2人が元に戻らないことについてなんだ」

クリスタ「戻らないこと?戻る方法じゃなくて?」

ベルトルト「うん。…僕の想像なんだけど、2人は戻れないんじゃなくて、戻りたくないんじゃないかって思うんだ」


今日はここまでです
おやすみなさい

おやすみ
ライナーのラッキースケベ裏山
続き楽しみにしてるよ

すごく楽しく読める作品
続き、ワクワク待ってるよー乙です!


ユミルの方はどうだったんだろうか(白目)


最新号読んで黒トルト話が浮かんでやばい
投下します

>>175 こんな女風呂に入りたいって願望です
>>176 ありがとうございます、緊張しますが頑張ります
>>177 いっぺんにやったらつまらないだろう?そういうことです



クリスタ「戻りたくないって…2人ともそう思ってるんじゃないかってこと?」

ベルトルト「うん」

クリスタ「…ベルトルトには心当たりがあるの?ユミルとライナーがそう思っているって」

ベルトルト「申し訳ないけどユミルに関しては何とも。でもライナーには、ある」

ベルトルト(戦士のライナーは、兵士のライナーに逃避しようとすることが多々ある)

ベルトルト(もし僕たちの使命に押しつぶされそうになって、限界だったんだとしたら…)

ベルトルト(彼は、平和な生活を望むかもしれない)

ベルトルト(しかも…)チラリ

クリスタ「?」

ベルトルト(ライナーはクリスタに対して多少なりとも恋愛感情を抱いてる。傍にいたいと思うかもしれない)

ベルトルト(ライナーの一番近くにいるのは誰だ?ユミルだ)



ベルトルト(壁内の普通の人間で、自分が大切に思う人間の一番近くにいるユミル)

ベルトルト(…ライナーは、ユミルになりたかったのかな)

ベルトルト(ねぇライナー。僕たちは逃げられないって、分かってるはずだろ?)

ベルトルト(君もアニも僕も…)

クリスタ「ベ、ベルトルト…?」

ベルトルト「えっ…あ、ごめん…と、とにかく、何か心当たりとかない?ユミルがそう思うことについて」

クリスタ「…ごめんねベルトルト。何も思い当たらないの」

ベルトルト「本当に何も?」

クリスタ「あのね、ベルトルト!私、私…ユミルのこと、何も知らないの」

ベルトルト「どういうこと?」

クリスタ「ユミルの過去も、何で訓練兵になったのかも、誕生日も、夢も、何も」



クリスタ「いつも私のことばっかり話してて、自分のことなんて何も言わないで…」

クリスタ「わ、私っ」ヒクッ

ベルトルト「!」

クリスタ「私っ、ほ、ほんとにっ、ユミルの“友達”なのかなぁっ?」グスッ

ベルトルト「クリスタ…」

クリスタ「怖い、の…ユミルが、ユミルに愛想尽かされたらどうしようってっ…」ヒックヒック

クリスタ「わた、し…っ、また一人ぼっちに、なっちゃう…!」エグ

クリスタ「私っ、ユミルのことっ、私が、守りたいの…!」

ベルトルト「ク、クリスタ、泣かないで」

クリスタ「っ、ごめん、なさい…っ」

クリスタ「私に出来ることはなんだってするから…っ、だから、ユミルをッ…」



ベルトルト(―――あぁ、ライナー)

クリスタ「ライナーをっ、元に戻そう…っ!」

ベルトルト(君は、好きな女の子を泣かせて、何をしているんだ)


エレン「―――ベルトルト!!」バッ

ベルトルト「エ、エレン!?ど、どうしてこんな所にっ…!?」

アルミン「…っ! 何でクリスタも…!?」ハァハァ

クリスタ「そっ、そこで偶然会ったの!」ゴシゴシ

アルミン(……!)

エレン「そんなことよりベルトルト!早く来てくれ!」グイッ

ベルトルト「え!?ちょっとエレンひっぱらないで…!」

エレン「ライナーが!!」

クリスタ「え!?」ビクッ

アルミン「ライナーが急に苦しみだして…!」



ベルトルト(ユミルが!?)

クリスタ「ベルトルト…っ!」

ベルトルト「クリスタ、大丈夫、大丈夫だから…とにかく、今日は戻るね!」

エレン「ベルトルト早くしろよ!」ダッ

ベルトルト「分かってる!」ダッ

アルミン「じゃ、じゃあねクリスタ!」ダッ


クリスタ「……っ」

クリスタ「ユミル……!」ギュゥッ


******


男子兵舎


コニー「おいライナー!しっかりしろ!」

ライナー「っ、っ……!」

ライナー(ちくしょう何だこれ!?頭が割れそうに痛ぇ…!!)

マルコ「やっぱり教官に言いに行こう!」

ライナー(体が拒否反応でも起こしてんのか…!?ゴリラのくせに繊細なのかよ!!)

ジャン「ライナーが嫌だっつってんだからもう少し待てよマルコ!」

ライナー(呼吸が苦しい…っ、誰か、チクショウッ)

ライナー(クリスタっ……ベルトルさんっ……)


バタンッ


ベルトルト「ユッ…ライナー!!」

ライナー「!」



エレン「ハァッ、ベルトルト速すぎるだろ…!」

アルミン「はぁ…はぁっ…」

ライナー(…何だこれ…ベルトルさんが、すっげぇ真っ青な顔、してやがる)

ライナー(私のせいか?私がアンタにそんな顔させてんのか?)

ベルトルト「頭痛いの!?呼吸は!?ちゃんと出来る!?」

ライナー「ベ、ル…さ…」

マルコ「僕たちにもよく分からないんだ、何でライナーが急に苦しみだしたのか…」

コニー「な、なぁライナー大丈夫なのか!?」

ライナー「苦し…っ、いて、ぇ」

ベルトルト「深呼吸は出来る…っ?吸って、吐いて…」

ライナー「はっ……すぅ……」



アルミン(やっぱり何かがおかしい……ライナーの体に何が起こっているんだ!?)

ライナー「ベルトル、さ……」

ベルトルト「大丈夫、僕はここいる、ここにいるから」ギュゥッ

ライナー「……ぇ、な……」

ベルトルト「え……?」

ライナー「……」

エレン「……! お、おいライナー!?」

アルミン「しっ!…多分、落ち着いて眠ったんだ」

ジャン「そうか…にしても驚いたぜ、急に呻きだすからよ…」

マルコ「一度医務官に見てもらった方がいいかもしれないよ」

ベルトルト「……あぁ、そうだね」グッ



ベルトルト(…ライナー、ごめんね。僕は、こんな単純なことに気が付かなかったんだ)

ベルトルト(君は任務から逃げ出したいわけでも、嫌気がさしたわけでもなかったんだね)

ベルトルト(今なら、君がこうなってしまった理由が分かる)

ベルトルト(ユミルを抱きしめるのが、こんなに怖いなんて)

ベルトルト(僕たちの手は、何かを壊すことしか出来ないから)

ベルトルト(君はただ)チラッ

ライナー「」スゥ


ベルトルト(好きな人を抱きしめたかっただけなんだね)


公式のベル→アニを否定する気はないです
今回だけごめんなさい
お付き合いありがとうございます、また明日来ます

面白ぇわこのスレ乙
お仕事頑張って


昼間のレス重複してた、すみません
投下します短いです

>>192 帰宅しました。ありがとうございます、嬉しいので結婚してください


******


女子兵舎・夜


ユミル「……ん…」モゾ

ユミル(何で俺ベッドに…そうか、風呂でぶっ倒れたのか…)

ユミル(クリスタは…)チラ

クリスタ「…」

ユミル(…壁にもたれかかって、寝てる、のか?目は閉じているが…)

ユミル「…クリスタ…?」

クリスタ「……」

ユミル(反応がないな…寝ているのか)

ユミル(ん?…頬に、涙の跡?泣いたのか、クリスタ…)

ユミル「……」



ユミル(…クリスタ)スッ


初めて触れたクリスタの頬は、とても温かかった。

何万もの温もりを奪った手がこうしてクリスタに触れているのが、自分でもおかしい。

あぁ、今はユミルの手だった。

ユミルの手はクリスタに触れ、友人と肩を組んでも、その人を壊すことはない。

傷を負っても、巨人になることなどない。

普通の、ただの普通の人間の手。

俺が欲しくて、しかし望まなかったものは、とても温かかった。


ユミル(俺は、クリスタのことが好きなのだろうか)



俺が壁内にいるための免罪符。

俺はクリスタを兵士としての逃げ道にしていないだろうか?

戦士である自分を後悔したことも、恨んだこともない。

クリスタも連れて故郷に帰りたい。それは本当の気持ちだ。

何故?誰か教えてくれ。

俺は一体、誰なんだ。


ユミル(こんなこと考えてたらアニに蹴り飛ばされそうだ)

ユミル(…髪柔らかいな…)サラ

ユミル(なぁ、クリスタ。どうか俺を許してくれ)




小さな桜色の唇。

触れたくて、生唾を飲み込む。

触れる寸前まで唇を近づけ、はたと思いとどまる。

俺のものでない体で、望まぬ形で、この女神を汚していいのか。いいはずがない。

ほんの一時の夢物語であっても、彼女の傍にいられるのならば。

普通の人間としていられるのならば。


ユミル(…すまねぇベルトルト)


もう少しだけ、夢を見させてくれ。



******


この温かい腕は誰だろう。

とても大きくて、優しくて。でもどこか震えている。

何でお前は震えているんだ?何がそんなに怖いんだ?

親友を失うことが怖いのか?はは、その気持ちは分からなくもないぞ。

私もこの60年で知人と呼べる知人は皆いなくなっちまった。

人間になった私を迎えてくれたのは虚無だ。何もない。文字通りに。

人との関わり方なんて分からなくなっちまった。ぶっきらぼうで、人との距離が分からなくて。

…お前も、そうなのか?

私はクリスタと出会えた。アイツは私の女神だ。救世主と言ってもいい。

私の二度目の人生はクリスタの為に始まって、クリスタの為に終わる。



アイツは何も持たない私を迎えてくれた。最初どう思われていたかなんて知ったこっちゃない。

大事なのは今だ。そうだろう?

なあベルトルさん。だから震えるなよ。お前にはライナーがいるだろう?

頼むから私を見てそんな顔をしないでくれ。…違うか、ライナーが弱るのを見てらんねぇんだよな。

今の私なら、お前が辛い時に傍にいてやれるか?

時々見せる泣きそうな顔を、今の私の大きさなら何とか隠してやれるか?

今のこの手なら、クリスタに触れても、お前の肩を抱いても、傷付けることなんてない。

この大きな手なら、守ってやれる。アイツを、お前を。

だから頼むよ、ベルトルさん。

泣かないでくれ。


すみませんここまでです
酔ったテンションで書くとおかしくなります
おやすみなさい

お疲れさん
いい酒だったみたいでよかった

俺もいい酒用意して待とう


遅くなりましたが投下します
昨日よりは長いはず

>>201 ありがとうございます。付き合いでの酒は余計にテンションおかしくなります
>>202 お待たせしました、いい肴になるかは分かりませんが


******

翌日

男子寮・夜


エレン「ライナー、本当に大丈夫なのか?」

ライナー「あぁ。一晩寝たら良くなった」

ジャン「まぁ今日は座学と対人だったからな。休むにはもってこいだ」

マルコ「ジャン、そんなこと言っちゃ駄目だろ」

コニー「でもビックリしたよなー!まさか対人でライナーがクリスタと組むだなんてよ!」

ジャン「しかもクリスタからライナーに声かけてたもんな。ユミルが何も言ってこないから余計に驚いたぜ」

エレン「あぁ、ユミルはベルトルトと組んでたもんな…」

ベルトルト「あー…たまにはいいんじゃないかって、クリスタが…」

アルミン「最近よくあの2人と一緒にいるもんね、ライナーとベルトルトは」

ライナー「そうか?」

コニー「そうだよ!もしかしてあん時の俺の作戦がきっかけか!?」



ライナー「…あぁ、ある意味な」ピクピクッ

コニー「やっぱりこの天才の考えることに間違えはイテェェェ!!」ギリギリ

ライナー「コニー。考えすぎて頭は凝ってないか?揉んでやるよ」ギリギリ

エレン「おー…コニーが持ち上がってる…」

マルコ「まったく2人とも夜なのに元気だなぁ。じゃあ僕先に行ってるね」

ライナー「」ギクッ

ジャン「待てよマルコ、俺も行く」

エレン「俺も行くかな…アルミン、行こうぜ」

アルミン「うん、準備は出来てるよエレン。…あれ?ライナーどうしたの?」

ライナー「」ダラダラ

ベルトルト(さすがに今日はもう誤魔化せないよユミル…)

ライナー「あ、いや…俺は、お前らが行った後でいいからよ…」



コニー「お前結局昨日も朝水浴びただけだろ!?いい加減に入らねぇとクセェぞ!」

ライナー「」ギクッ

ベルトルト「…ライナー」

ライナー(確かにこの体でトイレに行くことは何とか出来るようになった。ぜってぇ見ないけど)

ライナー(だが風呂となれば話はまた違う)

ライナー(色んなヤツのブツを見なきゃいけねぇんだろ!?そんなの壁外以上の地獄だ!!)

ライナー(どうしたらいい、どうしたらこの状況を切り抜けられる…!?)

ライナー(考えろ、考えるんだ私!!)クワッ

ジャン「クリスタに臭いって思われんぞ」

ライナー「待ってろ今行く」

ベルトルト「」



ライナー「…あ」

ベルトルト「…君やっぱ馬鹿だろ」

ライナー(しまったーーー!!)

エレン「とっとと行こうぜー」

マルコ「遅くなると怒られちゃうからね」

ライナー「…どうしよう…」

ベルトルト「…極力見ない方向で」



******


男子浴場


ライナー(無心無心無心無心)

アルミン「ねぇベルトルト、ライナーが頭洗いながらすっごい遠い目してるんだけど、どうかしたの?」ヒソッ

ベルトルト「あはは、ちょっと分からないなぁ」


ジャン「…なぁマルコ。俺考えたんだけどよ」

マルコ「どうかしたのか?」

ジャン「この前の夜によぉ、ライナーとベルトルトに会っただろ…」

マルコ「……あぁ、あれか……」

ジャン「まさかライナー…俺たちの裸見るとムラムラするとか言う理由で風呂を避けてたわけじゃねぇよ…な?」

マルコ「…まさかぁ…ほら、ライナーにはベルトルトって相手がいるんだし…」

ジャン「そうだよな、大丈夫だよな…?」



ベルトルト「待って、本当に誤解なんだって!ねぇライナー!」クルッ

ライナー「ア」

ベルトルト「……え」

ライナー「ぎゃぁぁぁ!!」

ライナー(私の目の前に大型巨人が出現しやがった!)

ベルトルト「…うわぁぁぁごめん!ごめん!!」アセアセ

ライナー「…いや…そりゃ、座ってるんだから…高さ的には、そうなるよな…」

ライナー(初めて間近で男のヤツ見ちまった…ベルトルさんの…ベルトルさんの…か…)ボーゼン

ベルトルト(女の子に見られちゃった!しかもこんな至近距離で…っ、どうしよう、ライナー助けてくれ!)

コニー「そりゃあんな近くでベルトルトの見せられたらさすがのライナーも固まるか!」アハハハ

ジャン(んなもん見慣れてんだろ何変な反応してんだ)

ライナー「あ、あ…」カァァァ



ベルトルト(どうしよう、どうしよう!)グルグル

ベルトルト「ぼっ、僕責任取るから!!」ガシッ

アルミン「」

ジャン「」

マルコ「」

コニー「責任ってどう取るんだ?」

エレン「石鹸が目に入ったイテェ」

ライナー「」カァァァ

ライナー「な…何言ってやがるんだテメェは!!」バキッ

ベルトルト「痛いっ!」

マルコ(何だろうこの2人)

ジャン(顔赤らめんなよ)



ライナー(畜生っ…こうなったら全員分見て、元に戻ったら女子全員に大きさバラしてやる!!)

ライナー(ライナーから聞いたって言ってな!!)

ライナー(こうなったら1人も2人も一緒だ!)

ライナー(まずはコニーとエレンからだ)チラッ

コニー「オラくらえエレン!」ビュッ

エレン「お湯飛ばすなよ!目に当たると痛いんだからな!」

ライナー(コニーは…見た目通りだな)プッ

ライナー(エレンはタオル巻いてるから見えねぇ。ミカサに教えてやろうと思ったのに)

アルミン「もう2人とも、お風呂で遊んじゃダメだってば」

ライナー(…見た目にわりに、か…意外だ…)

ライナー(えっと、ジャンとマルコは)チラッ



ジャン「」

マルコ「…えっと、ライナー…」

ライナー「…おう…」

ジャン「頼むから掘るならベルトルトのだけにしてくれ」ゲッソリ

マルコ「…やっぱり、そうだったんだね…」ヒクッ

ライナー「」

ライナー(なんつーかライナー、悪ぃ)

ベルトルト(ライナーのホモ疑惑が余計に深まったよ)


******


結局2人が元に戻ることはなかった。

もう一度頭をぶつけてみたり、聞きかじりの催眠術みたいなものをやっても当然効果はなかった。

この一週間で変わったことと言えば、男子訓練生のライナーのホモ疑惑がほぼ確信に変わってしまったことと、

ユミルが女子寮でクリスタに指一本触れなくなったという話が流れたことくらい。

僕はアニとの定時連絡も理由を付けて一度断ったこともあり、アニに蹴り飛ばされた。

ライナーが戻らない理由は何となく分かったが、問題はユミルだ。

彼女に聞いても「分からない」の一点張り。埒が明かない。

ライナーにもユミルにも元に戻ってほしい。それは僕もクリスタも同じだ。

しかし方法が見つからない。

僕たちは明日、雪山訓練を迎える。


******



兵舎外れ・夜


ライナー「……」

クリスタ「……」

ライナー「…ちゃんと飯食ってるか?」

クリスタ「…うん」

ライナー「ゴリラに変なことされてないか?」

クリスタ「ライナーはそんなことしないよ。…一度も触って来てないよ」

ライナー「当たり前だ。クリスタは私の女神なんだからな」

クリスタ「でもねユミル」

ライナー「ん?」



クリスタ「私、触ってほしいの」

ライナー「…は?お前、何言ってるんだ?」

クリスタ「ユミルに。…ライナーに」

ライナー「…お前、何言ってるのか分かってるのか?」

クリスタ「私ね、ユミルのこと大好き。でも、ライナーのこともそれくらい好きなのかもしれないの」

ライナー「待てクリスタ。私が傍にいない間に何があったんだ!?」

クリスタ「ライナーが、女子の間で頼られてるの」

ライナー「……」

クリスタ「あ、ユミルが頼りないってわけじゃないの!私はユミルのことすごく頼りにしてるもん!」

ライナー「分かってるよ、それで?」

クリスタ「うん…あの、いつもより優しいって、評判なの」

ライナー「こりゃ元に戻った時めんどくさそうだな」



クリスタ「もう、ユミルったら。…でね、私、何か変なの」

ライナー「変?」

クリスタ「ライナーが皆に頼られる時とか、違う子の頭撫でてたりとかすると、胸がね」

クリスタ「きゅうってするの。ちょっと痛いの」

ライナー「…そりゃ、あれだ。見た目は私なんだから」

ライナー「いつもだったらお前が撫でられたり、抱きしめられたりされてるからだろ」

クリスタ「そうなのかもしれない。でも私、ユミルにも抱きしめてほしいけど」

ライナー(可愛いな畜生)

クリスタ「…ライナーにも、触ってほしいの。変かな?」

ライナー「あぁ変だ。なんで女神がゴリラに恋するんだよ。どう考えてもおかしいだろ」

クリスタ「女神じゃないもんっ」

ライナー「……」



クリスタ「…ユミルにしてもらうと嬉しいことをライナーにもしてほしいの」

クリスタ「だから私は、ユミルと同じくらいライナーが好きなのかなって」

ライナー「…元に戻ったら、いくらでも抱きしめてやる」

クリスタ「…うん」

ライナー「…だから、泣くな」

クリスタ「…うん…」グスッ

ライナー「…あー、今ちょっとだけ、いいか?」

クリスタ「え…?」

ライナー「…不本意だが、お前が嫌じゃなければ」

クリスタ「……うんっ」ボロボロ

ライナー「っ…クリスタ…!」ギュウッ

クリスタ「ユミ、ユミルっ…ユミルぅっ…」グスグス

ライナー(クリスタを傷付けない手は、一体どれなんだ)

ライナー(……誰か、教えてくれ)



******


ユミル「クリスタが好きだ」

ベルトルト「…僕はねライナー。それは君のおまじないみたいなものかと思っていたんだよ」

ユミル「俺もだ。…俺はそう思うことで、ただの人間だと思おうとしてたのかもしれないと」

ユミル「だがこの一週間、クリスタの傍にいて気付いた」

ユミル「例え俺が人間であってもそうでなくても、俺はクリスタを守ってやりたい」

ベルトルト「……」

ユミル「使命を疎かにする気はない。それは当然だ」

ユミル「それでもクリスタは…守ってやりたいんだ」

ベルトルト「…僕は最初、君が使命から逃げたがっているのかと思った」

ユミル「ひどいな」

ベルトルト「だって他に理由が思い浮かばなかったんだから」



ベルトルト「…クリスタから聞いてると思うけど、この前ユミルが倒れたんだ」

ユミル「あぁ。俺も時々頭が痛くなるが…ユミル程ではないんだろうな」

ベルトルト「僕は二つのことを考えた。まずはライナー、君の肉体のことだ」

ベルトルト「もしも何かあったら、どうすることも出来なくなるかもしれない」

ベルトルト「運が悪ければその場で地獄絵図だ」

ユミル「想像するだけで最悪だ」

ベルトルト「もう一つは、ユミルのことだ。…彼女に何かあったらどうしよう、って」

ユミル「ベルトルト…」

ベルトルト「倒れた彼女を抱きしめて…いや、まぁ君の体なんだけど」

ユミル「止めろ言うな」

ベルトルト「それで思ったんだ。僕が触れて、彼女を傷付けないだろうかって」



ユミル「…!」

ベルトルト「僕たちの手は、…人殺しの手だ」

ユミル「……あぁ」

ベルトルト「この手で触れた人は、皆傷付いて死んでしまう。僕は、ユミルを抱きしめるのが怖かった」

ベルトルト「気付いたんだ。ライナーもそうなんじゃないかって」

ユミル「……」

ベルトルト「普通の人の手なら、クリスタに触っても傷付けないもんね」

ユミル「…あぁ、そうだな」

ユミル「お前は違うと言ってくれたが、結局俺は逃げたかったのかもしれないな」

ユミル「…なぁベルトルト。お前は、守りたいものはあるか?」

ベルトルト「あるよ。…僕は任務を、ライナーを、アニを守りたい」

ベルトルト「…同じくらい、ユミルも守りたい」

ベルトルト「彼女の傍にいて、気付いたんだ。ユミルはとても強いけど、とても弱い人なんだって」


ユミル「訳が分からん」

ベルトルト「彼女は何かと戦ってる。それが何かは、分からないけど」

ベルトルト「いつも何かに怯えてる。…僕みたいだ」

ユミル「…お前に似てるっていうのか?ユミルが?」

ベルトルト「…何となくだけどね」

ユミル「…ベルトルト」

ベルトルト「な、何?」

ユミル「お前、不器用だな」

ベルトルト「ライナーにだけは言われたくないよ」

ユミル「ははっ、明日から、頼んだぜ」

ベルトルト「この訓練までには戻ってほしかったけど…仕方ないか」

ユミル「出来るだけ足引っ張らねぇようにするよ」

ベルトルト「お互いにね」

ユミル「じゃあ、また明日な、ベルトルト」

ベルトルト「うん、また明日、ライナー」


というわけでまた明日来ます
あと数日中には終わります
もう少しお付き合いください

クリスタかわいいよおおおおお

ユミルさんついに見てしまったか...(ゲス顔)

ベルトルトさんどうやって責任とるんすか (ニヤニヤ

二組とも切ないネ

いいねぇいいねぇ!

早く結末見たい!けど終わるのも寂しい…!


投下します

>>223 前回結局クリスタに最低なssになっちゃったから、今度こそ幸せにしたい
>>224 まさかこの間のゲス顔はあなたか
>>225 どうやってでしょう? 出来るだけシリアス系統は抑えてるつもり
>>226 ありがとうございます!
>>227 あまり長すぎるとgdgdしそうなので、でもそう言ってもらえるのは本当に嬉しいです



******



ライナー「おいおいおいおかしいだろ」

ユミル「あぁ、俺もそう思う」

クリスタ「うぅ、まさか去年と違う訓練なんて」

ベルトルト「まぁ同じことさせても仕方ないってことなのかな…」


雪が所々積もった、切り立った崖。

立体機動装置を使ったところで安全に上れるか分からないこの崖を登るのが、今年の訓練の一つだという。

いついかなる時どんなことが起こるか分からないとはいえ…これは厳しいだろう。

登って頂上に辿り着き、通常のルートを徒歩で下山する。

与えられた二日間の猶予は、初日に崖を登りきらなければ意味がない。

崖にしがみ付いて夜を越すなど、死を意味しているようなものだ。

ユミルはちらと深刻な顔をしているクリスタを見やる。

体力的な問題を考えたら、一番危険なのはクリスタだ。それは彼女自身も分かっているだろう。



昨夜久々に触れたクリスタの体は、いつもより細くなっているような気がした。

飯を食っていると言ってはいたが、本当かどうか分からない。

一つ舌打ちをし、ユミルは荷物を背負い直した。


ライナー「立ち往生してても仕方ねぇだろ。…行くぞ」

ベルトルト「う、うん」

ユミル「クリスタ。お前は俺とベルトルトの間を登れ。ユミルはクリスタの下だ」

クリスタ「! そ、そんな…」

ライナー「分かってくれ。それが一番最善の陣営だ。ま、4人で陣営って言えるのかは分かんねぇけどな」

クリスタ「…分かった。でも皆に迷惑はかけないから」

ユミル「大丈夫だ。こんな所でくたばるわけにはいかないからな」

ベルトルト「行こう」



*******


指先が冷たい。足先がおぼつかない。

クリスタは小さく息を吐き、吸った。

こんなに気温が低い所で深呼吸なんてしたら器官が凍えてしまう。

これ以上の体温低下は避けなくてはいけない。

下を見れば、すでに地面は見えなくなっている。当然だ。何段登ってきたと思っている。

200メートルはとっくに越えているかもしれない。


クリスタ(ここから落ちたら…)


外気の寒さでないものが、クリスタの背筋を襲う。

両隣にライナー(今はユミルの姿だが)とベルトルトがいるのは―――万が一、クリスタが落ちそうになっても支える為。

そして下にユミル(今はライナーの姿だが)がいるのは、予防線。




クリスタ(ユミルを守りたいなんて、言ったくせに)


本当に、純粋に親友を守りたいだけなのか。

“親友を守って死にたい”のではないか。

どこかにいい人と思われたがっている自分がいるのではないか。

ずっと否定されていた自分の存在を、肯定してほしいのではないか。

次々と浮かぶ自分勝手な考えに、首をぶんぶん横に振る。

まるで降り続ける雪を払いのけるように。


ライナー「おいライナー!次の段に着いたら少し休憩だ!」

ユミル「そのつもりだ!」


右と下から、ちぐはぐな声が聞こえてくる。


2人とも普段より大きな声なのは、体勢のせいだけだろうか。

雪は音を消してしまうと、昔聞いた気がする。

話してくれたのは誰だった?…そうだ、去年の訓練の時に、ユミルが。

雪は人を隠してしまうって、声も消してしまうって。

あぁ、言われてみれば。




クリスタ(ユミルとライナーが、見えないよ)


クリスタ「!!」ガラッ

クリスタ「え――――――っ」グラッ


そんな、何で。

左手で掴んでいた岩が脆かった?それとも、雪が手を滑らせた?

分からない。ただ分かるのは、自分の体が傾いて、宙を舞ったこと。


ユミル「クリスタァ!!」

ライナー「!!」

ベルトルト「っ…!!」



落ちたら、死ぬ。私はここで。誰も守れないで。

ユミルの表情が―――やっぱり、ライナーにしか見えなかった。

私はまた、皆を困らせてしまうの?

私はやっぱり、いらない子なの?

私はただ、必要だって、言ってほしかったの?


ユミル「ぐぅっ!!」ガシッ

クリスタ「ライナー!?」

ユミル「こっ…のヤロォ!!」ブンッ

クリスタ「きゃぁ!!」

ユミル「ベルトルト!!」

ベルトルト「ばっ…ライナー!!」ガシッ


クリスタの体を力強く引き上げ、ベルトルトが片手で何とか抱きかかえる。



ただ落下するクリスタを上に投げた為―――反動で、ユミルの体が下に勢いをつけて落ちていく。

ライナーの精神が、ユミルの肉体が。


ユミル(やべぇ)


この状況から助かる方法が思い浮かばない。

自分の肉体が自分のもので、この場にベルトルトしかいなければ、いくらでも方法はあった。

しかしこればかりは―――絶望以外の、何者でもない。

再生能力が使えるのか、巨人化だって難しい。

このまま落ちて行けば、恐らく自分の精神とユミルの肉体が死ぬ。


ユミル(あぁ、でも)

ユミル(人類滅ぼして死ぬより、惚れた女守って死ぬ方が、まだ良いのかもな)


目を閉じて、衝撃に備える。

こんな自分にも死は―――安らかに訪れるのだろうか。



ライナー「いい加減にしやがれこの馬鹿野郎が!!!」


想像もしなかった怒号に、目を開く。

目の前には、俺の姿がある。

おいおい何でお前まで落ちているんだ。お前は落ちたら駄目だろう。

お前はクリスタを守って、ベルトルトに惚れられて。―――最期の時まで、生きるんだろ。


ユミル「ユミっ…」

ライナー「喋んな、舌噛むぞ!」グッ


自分に抱きしめられるなんて変な感覚だ。

横目で見た顔は、まるで俺の顔が作り出している表情には見えなかった。

上ではきっとベルトルトが、クリスタがいるのだろう。


―――コイツ、俺を助けるために、飛び降りたのか?



生き残る算段なんてないはずなのに。何故、コイツは。


ライナー(畜生何してんだ私!どうする、巨人化出来ちまえばなんてことはねぇ、だが…!!)

ユミル(この馬鹿を死なせるわけにはいかん!どうする、どうしたらいい!?)


きっとコイツが死んだら、

ベルトルトが、クリスタが、悲しむ。


((そんなのはごめんだ!!))


衝撃がお互いの体を襲い―――

唐突に吹き荒れた吹雪が、2人の姿を覆い隠した。


今日はここまでです
あと三回くらいで終わります、多分
おやすみなさい

うぉおお!焦らされたぁ
続き待ってるぜぃ

>まさかこの間のゲス顔は
なぜバレたし

続き待ってるぞい

もしやあなたはぷぷぷの人か

最近こじょスレ一番楽しみにしてる


一日開いてしまいましたが投下

>>240 長らく焦らしてしまってすみません、お待たせしました
>>241 やっぱりそうでしたか、結婚しましょう
>>242 そう呼んでくださる方もいらっしゃいます、前作では失礼しました
>>243 ありがとうございます、楽しんでいただけたら嬉しいです
>>244 どうしましたか


******


クリスタ「ユミル!!ユミル!!」

ベルトルト「クリスタっ、動かないで!とりあえず落ち着いて!」

クリスタ「だってユミルがっ、ライナーが…!!」

ベルトルト「とにかく、上に登ろう!そうしなきゃ2人を助けることも出来ない!」

クリスタ「―――っ…」


寒さのせいなのか、それとも違うのか。

クリスタの唇は真っ青に染まっていた。

歯の根が噛みあわず、ベルトルトの防寒着を握る指先が震えている。

上も下も猛吹雪で、少し先さえも見えない。

これではライナーとユミルの影を見つけることさえ不可能だ。



ベルトルト(こんな高さから落ちて無事なはずがない…!)

ベルトルト(もし万が一ライナーが巨人化出来たとしても、ユミルがそれを見てしまったら…)

ベルトルト(どうしたらいい!?僕は、僕たちはユミルを殺さなくてはならない…!)ドクン

クリスタ「…ベ、ベルトルト…」

ベルトルト「!? ど、どうしたの…?」

クリスタ「手、すごく、震えてる…」

ベルトルト「!」


言われて気付く。クリスタの腰を支えている手が、震えている。

寒さで手がかじかんでいるわけでは当然ない。

震えているのは、寒気ではなく、感じたことのない、喪失感から。



―――おかしな話だ。

今までどれだけの人間の命を奪ってきた?

それなのに、自分の大切な人間を殺すことになるかもしれない状況に陥って―――

震えが止まらないなんて。


ベルトルト(早く、早くしないと…!)


フードが脱げてしまったクリスタの金色の頭越しに、

傾いた陽が、見えた。


******


たくさんの人間を殺してきた。

幸せに死ねるだなんて、いっさい思っていない。

きっと力一杯苦しんで、最低な死に方をするのだろう。

多くの人間に罵倒され、悲鳴を挙げさせて、死んでゆくのだろう。

だったらせめて死ぬまでに―――たった一人だけでも、

“大切な人”を守っても、いいんじゃないのか?


******



体がバラバラになったのではないかと疑う程の激痛が走る。

尻に固い岩の感触がして、思わず眉間に皺が寄った。


―――生きている、のか。


一体どうやって生き延びた?巨人になれたのか?

なれたとしたら、アイツはこれを見たのか?

もし見られていたら、気付かれていたら、どうする。


身を捩ろうとして、後ろから腕が回っていることに気付く。

筋肉質で、固くて、大きく分厚い掌を持った男の、腕が。



ライナー「…目が覚めたか」

ユミル「お前っ…どうして…!」

ライナー「話は後だ。…ユミル」

ユミル「…ハッ、まさかこんな風に元に戻るなんてな…」

ライナー「あぁ。…助かるとは、思わなかった」

ユミル「てっきり死んじまったと思ったぜ。…なぁ、お前、どうやって助かったか分かるか?」

ライナー「…いや。俺もついさっき目が覚めたばかりでな。分からないんだ」

ユミル「そうか…」

ライナー(変化した記憶はない。が、そうでなければ助かるはずがねぇ)

ユミル(もし変化してたとしたら、コイツがこんな普通でいるわけがねぇ…じゃあ何だ…?)

ユミル(今うだうだ考えても仕方ねぇ。とっととクリスタの所に戻らねぇと…!)



ユミル「グッ…う…」ズキッ

ライナー「馬鹿、動くんじゃない」

ユミル「大体、何でテメェが私のこと抱えてんだよ!」

ライナー「俺だってしたくてしてるわけじゃない。が、お互い凍死は嫌だろう」

ユミル「クソ…」

ライナー「それにもう夜のようだ。登るにしろ、救援を求めるにしても、朝にならなければどうしようもない」

ライナー「この暗がりを移動するのは危険だ。今日はここで夜を越す」

ユミル「それしかねぇか…」


火を焚いた所で、この雪ではあまり意味をなさないであろう。

先程よりも収まったとはいえ、未だ止むことがなく降り続ける雪が忌々しい。



体の動きが鈍いことも相まって、ライナーとユミルは体を寄せ合って暖を取っていた。

防寒着の上からとはいえ、じんわりと温まっているのが分かる。

ユミルは一つ白い息を付き、後頭部をライナーの胸元に預けた。


ユミル「…クリスタとベルトルさんは、無事かな」

ライナー「クリスタはベルトルトが守る。それにクリスタだってか弱いだけの女じゃない」

ユミル「へぇ。意外だな。お前がクリスタにそんなこと言うなんて」

ライナー「この一週間、俺だけではどうしようもできなかった」

ライナー「クリスタがいてくれたおかげだ」

ユミル「…そうか」

ライナー「お前だってそうじゃないのか?」

ユミル「は?」



ライナー「ベルトルトが守ってくれたんだろう?」

ユミル「……否定はしねぇよ」

ライナー「…ユミル、俺はな、クリスタのことが好きなんだ」

ユミル「よくも私を前にそんなことが言えるな」

ライナー「いい機会だからな。それに今ならお前も碌に動けないだろ」

ユミル「…」チッ

ライナー「だが俺は、アイツを好きなのかずっと分からなかった。…俺は、クリスタを理由にしたかったんじゃないかと思っていた」

ユミル「理由?何のだ?」

ライナー「…逃げる為の理由だ」

ユミル「……」

ライナー「俺は怖かった。いや、怖いだなんて言ってはいけないのは分かっている」

ライナー「…俺は、俺であることを否定しようとしてしまった」



ユミル「…お前が何を言いたいのか、正直私にはよく分からない」

ライナー「あぁ、それでいいんだ」

ユミル「何だそりゃ」

ライナー「聞いてくれ。こんな話をベルトルト以外にするのは初めてなんだ」

ユミル「何で私にするんだ」

ライナー「…さぁな、ただ、似てるからかもしれないな」


ベルトルト『彼女は何かと戦ってる。それが何かは、分からないけど』

ベルトルト『いつも何かに怯えてる。…僕みたいだ』


ユミル「…訳わかんねぇ」

ライナー「俺はお前のことが羨ましかったのかもしれない」

ライナー「好きな人間に、素直に好きだと言えるお前のことが」



ユミル「…」

ライナー「俺のこの手で、守ってやることなんて、出来ないかもしれん」

ユミル「んなこと知るか、馬鹿ゴリラ」

ライナー「お前…ゴリラって呼ぶなと何度言えば」

ユミル「黙れよ。少なくともテメェは、クリスタを守ったじゃねぇか」

ライナー「…!」

ユミル「私の体を道連れにしようとしたとこはまぁ見逃してやる。…ありがとう、ライナー」

ユミル「お前のおかげで、クリスタを守ることが出来た」

ライナー「…お前から素直に礼を言われるとは思わなかった」

ユミル「二度と言わねぇ」

ライナー「何だそれは」



ユミル「それに」

ライナー「それに?」

ユミル「…いや、何でもない」

ライナー「言いかけたら言え。気になるだろう」

ユミル「うるせぇよバーカ」

ユミル(お前のおかげで、“私の手”でも、大事なヤツを守れるって分かった)

ユミル「ライナー。…クリスタのこと」

ライナー「あぁ。俺に任せろ」

ユミル「頼むなんて言うわけねぇだろ」

ライナー「」


今夜はここまでです
明日はちゃんと来ます

なんかもうすぐ終わっちゃいそうだなぁ
ずっと見てたい

もう本当最高

もうすぐ終わりなのかな?物語は終わるもんだけどほのさみしいよ

ベルユミライクリの二組、互いに互いを好きだと伝えあえればいいなぁ
なんて願望書いてみる

こっそりと >>261 に同意してみる


投下します

>>259 もうすぐ終わってしまいますが、どうぞ最後までお付き合いください
>>260 そんな言われると恥ずかしいです
>>261 はい、終わりに向かっています。どうなるでしょう、決めあぐねています
>>262 最後までどうなるか分からないです



ユミル「それに、クリスタは私と結婚するって決まってんだよ」

ライナー「誰がそんなことを決めたんだ」

ユミル「私だ」

ライナー「」

ユミル「大体なぁ、今回こんな面倒クセェことになったのは、お前が変な計画に乗ったからだろ?」

ライナー「う」

ユミル「元に戻ったっつーことで、コニーは後で説教だ」

ライナー「待て。コニーには何の落ち度もない。アイツを責めないでやってくれ」

ユミル「断る」

ライナー「何故だ」

ユミル「私がしたいからだ」

ライナー「」


ユミル「それにお前もお前だ!」

ライナー「な、何だ」

ユミル「何で私にはクリスタが好きだとか言えるくせに、アイツには話しかけないんだ!」

ライナー「そっ、それはお前が妨害してくるからだろう!?」

ユミル「当たり前だバーカ!」

ライナー(畜生)

ユミル「お前はベルトルさんとでもイチャついてやがれ!」

ライナー「そういうお前こそベルトルトのことをどう思っているんだ!」

ユミル「は、はぁ!?今ベルトルさんのことは関係ねぇだろ!?」

ライナー「いいやある!あると言ったらある!」

ユミル「―――っ、どうとも思ってねぇよ!」



ライナー「……」

ライナー「…ユミル」

ユミル「何だよ」

ライナー「お前、顔、赤いぞ」

ユミル「!? みっ、見えてねぇくせに何言ってんだ!」

ライナー「鼻の頭が赤いんだよ」

ユミル「…寒いからだ」

ライナー「嘘吐くな」

ユミル「べ、別に私は…ベルトルさんのことなんて…」

ライナー「本当か?」

ユミル「……」

ライナー「本当に、何とも思っていないか?」

ユミル「っ…」



ライナー「…今から俺は独り言を言う」

ユミル「は?」

ライナー「あーあ、ベルトルトのヤツ何考えているんだろうなぁ」

ライナー「ちょっと意志が弱くてちょっと人よりおどおどしてるがなぁ」

ユミル(何だ急に)

ライナー「それでも俺には、気になる女のことを話してくれたんだがなぁ」

ユミル(!? 気になる女…!?)

ユミル「…おいライナー」

ライナー「何だユミル」

ユミル「興味なんてこれっぽっちもねぇけどな。まったくねぇけどな」

ユミル「…誰だ?」

ライナー「言わん」

ライナー「聞きたきゃ自分で聞いてみろ。アイツが答えるかは知らんが」



ユミル「てめぇ…」

ライナー「ユミル」

ユミル「あ?」

ライナー「この先、俺たちがどうなるかも分からない世界だ」

ユミル「…」

ライナー「だったら俺は出来ることは何でもやる。…何でもだ」

ユミル「…そんなの、お前だけだと思うなよ」

ライナー「そうだな。…あぁ、そうだ」

ユミル「今度は何だよ!」

ライナー「お前は“うみ”を知っているか?」

ユミル「…!」

ライナー「塩水で出来た、とても大きな場所だそうだ。湖なんかとは比べものにならない大きさらしい」



ユミル「…話に聞いたことはある」

ライナー「一体どんな所なんだろうな」

ユミル「…さぁな。ただ」

ユミル「私らはどこまで行っても変わらねぇよ」


******


ベルトルト「…クリスタ、どうしようか?」

クリスタ「え…?」

ベルトルト「夜が明けたら2人を捜しに行く?」

クリスタ「…私たちが2人だけで捜すより、駐屯所に行って人手を呼んだ方がいいと思う」

クリスタ「2人が無事でもそうでなくても、その方が可能性は高いと思うの」

ベルトルト「…分かった、そうしよう」

クリスタ「……」



ベルトルト「あのさ」

クリスタ「な、何?」

ベルトルト「…クリスタって、ユミルのことどう思っているの?」

クリスタ「…ユミルは、大切な友達なの」

クリスタ「私のことを見つけてくれた、大切な友達なの」

ベルトルト(見つけてくれた?どういうことだ?)

クリスタ「もしユミルがいなくなったらって考えると…苦しいかな」

ベルトルト「じゃあ、ライナーは?」

クリスタ「えっ!?ど、どうしてライナーが出てくるの」

ベルトルト「一週間、一緒に過ごしてたでしょ?」

クリスタ「そ、そうだけど!今はそんな状況じゃないでしょうっ?」

ベルトルト「ま、まぁそうなんだけど…ほら、寝ちゃったら大変だから…」



クリスタ「そういう問題じゃないよ!」

ベルトルト「うぅ…」

クリスタ「…ラ、ライナーはその……格好いいと、思うよ?」

ベルトルト「か、格好いい?」

クリスタ「変な状況になっちゃってるのに、私よりしっかりしてて…」

クリスタ「私の方がどうしたらいいか分かんなくなっちゃったもん」

ベルトルト(良かったねライナー。好印象みたいだよ)

クリスタ「…私、男の人を好きになったことないから良く分からないんだけどね」

ベルトルト(?)

クリスタ「ライナーとだったらその…頭とか、撫でてほしいかなって」カァァ

ベルトルト(これは確かに女神だ)

クリスタ「…ねぇ、ベルトルトは?」

ベルトルト「え?」

クリスタ「ユミルのこと、どう思ったの?」



ベルトルト「え?えぇっ!?」

クリスタ「その、ユミルって誤解されやすいから…どうなのかなって…」

ベルトルト「あ、その…ユミルは…すごく可愛いと、思う、よ…」ゴニョゴニョ

クリスタ「!」

ベルトルト(…もしもこんな世界じゃなかったら、一緒に故郷に行きたかった)

クリスタ「じゃ、じゃあね!」

ベルトルト「え?」

クリスタ「ユミルのこと…好き?」

ベルトルト「ま、待って!どうしてそうなるのっ」

クリスタ「どうなの?」

ベルトルト「―――…、よく、分からないんだ」

ベルトルト「でもユミルが笑ってくれると嬉しいし、名前を呼んでもらえるのも嬉しい」



ベルトルト「彼女が苦しんでいると、その、…傍にいてあげたいなって」

クリスタ「あのね、ベルトルト。私もユミルにそういうこと思ってるの」

クリスタ「私はユミルのこと大好き。だからもしかして、ベルトルトもそうなんじゃないかな?」

ベルトルト「…そうかな」

クリスタ「うん」

ベルトルト「そっか、…ありがとう、クリスタ」

ベルトルト「きっと2人は無事だよ。2人がクリスタを悲しませるなんて、しないよ」

クリスタ「…うん。ありがとう、ベルトルト」

ベルトルト「さぁ、行こう。…夜が明ける」

クリスタ「…うん」



******


夕方・駐屯所


クリスタ「はっ…はぁ…!」

ベルトルト「…っ、クリスタ、もう少しだから…!」

クリスタ「う、うん…!」


キース「!? フーバー訓練兵、レンズ訓練兵!」

クリスタ「はっ!」

キース「ブラウン訓練兵とユミル訓練兵の姿が見えないようだが…」

ベルトルト「はっ!2人は途中、私達の失態を庇う為崖下に転落しました!」

キース「何だと!?」

クリスタ「ち、違います!私を庇って…!」



キース「貴様らの話は後で聞く!今は2人を捜しに行くぞ」

ベルトルト「はっ!」


ライナー「遅くなり申し訳ございません!」

クリスタ「!?」バッ

ユミル「2名、ただいま帰還いたしました!」

ベルトルト「! 2人とも…!!」

キース「…ふむ、貴様らへの処分はまた後でだ。兵舎に入り体を温めろ」クルッ

ライナー・ユミル「はっ!」

ライナー「…ふぅ…」

ベルトルト「ラ、ライナー…ユミル…君たち一体、どうやって…」

ユミル「話はあとだ。とりあえず中に入ろう」

ライナー「あぁ、あちこち痛ぇ」



クリスタ「っ…」ジワッ

ライナー「…無事で良かった、クリスタ」

クリスタ「ユミルっ!!」ギュゥッ

ライナー「!?」ギョッ

ユミル「なぁっ…!?」

クリスタ「ユミルっ、ユミル…!無事で良かったっ、ユミル…!」ボロボロ

ライナー「あ、あ…」カァァァ

クリスタ「うっ、うぅぅぅ…」ヒグヒグ

ユミル「……」

ベルトルト「ラ、ライナー…?」

ユミル「…クリスタ、私はこっちだ」

ベルトルト「!」

クリスタ「え!?」バッ


ライナー「ク、クリスタ、その、俺は、ユミルじゃない」カチンコチン

ユミル「ああそうだ、だから今すぐクリスタから離れやがれ!」ゲシッ

ライナー「うおっ!」バタン

ベルトルト「じゃ、じゃあ君たち、元に戻ったの…?」

ユミル「あぁ」

ベルトルト「…どうやって、助かったの?」

ユミル「…さぁな。私にもライナーにも分からないんだ」

ベルトルト「そっか…」ホッ

ベルトルト(ライナーが仮に巨人化していたとしても、この様子ならユミルは見てない)

ベルトルト(良かった、まだ、ユミルと離れ離れにならなくて済む)

ユミル「…何だよベルトルさん。気持ち悪いな」

ベルトルト「ユミル」

ユミル「あ?」

ベルトルト「…無事で良かった」

ユミル「……おう」


今日はここまでです
あと少しお付き合いください
おやすみなさい


おやすみ

支援

今夜はきてくれるかなぁ?


二日も開いてしまいました
バイト前に少し投下。酒は飲んでも飲まれるな

>>279 二日ぶりにおはようございます
>>280 支援ありがとうございます
>>281 遅くなりました、生存報告も兼ねて投下します


******


ユミル「だっ…はっ…あぁー!!」

ライナー「もう少しっ、静かに走れないのか、お前は!」

ユミル「うっ、せぇよ!何でっ、兵舎に戻ってきた途端っ、走らされなきゃ、いけねぇんだ!」

ライナー「仕方が、ないだろう!班にっ、迷惑をかけたんだからな!」

ユミル「くそぉぉ!!」


クリスタ「うぅ、元は私のせいなのに…」

ベルトルト「無事に戻ってきただけ良かったとしようよ」

クリスタ「…よしっ」

ベルトルト「よし?」



ユミル「おーわー…りっ!」

ライナー「はぁ、ハァッ…」

ユミル「だー…終わった…終わったぜチクショウが…」バタン

ライナー「くそっ、これは明日が辛いかもしれん…」バタン

ユミル「じじいみたいなこと言ってんじゃねぇよ…」

クリスタ「ユッ、ユミル!」

ユミル「んー…?おう、どうしたクリスタ。ようやく私と結婚する気に」

クリスタ「わ、私っ、責任取らなきゃいけないと思うのっ!」

ライナー「責任…?」

ユミル「別に今回の件は私とライナーが勝手にやったことだ。お前がそう感じる必要はねぇよ」

ベルトルト「そうだよクリスタ。それにそんなこと言ったら、2人の立つ瀬がないじゃないか」

クリスタ「せ、責任というかっ、あの…」



クリスタ「2人とも、助けてくれてありがとう」

ライナー「…当然だ」

ユミル「当たり前のこと言ってんじゃねぇよ、馬鹿」

クリスタ「えへへ…それでね、私ね」

ユミル「おう」

クリスタ「ユミルのこと、大好きよ」

ユミル「クリスタ…!私もお前が好きだ、今すぐに結婚しよう!」ギュッ

クリスタ「まっ、待ってユミル!」

ユミル「いいや離さない、もう限界だ!」

ベルトルト「……」

ライナー「…お前、女の趣味悪いな」

ベルトルト「…放っておいてよ」



クリスタ「待っ…て!」ベシッ

ユミル「うぐっ」

クリスタ「」ハァハァ

クリスタ「ラ、ライナー!」クルッ

ライナー「ん?」

ベルトルト「?」

ユミル「!?」

クリスタ「わ、私、ライナーのことも、好きよ」

ベルトルト「え!?」

ライナー「なっ!?」

ユミル「」

ユミル「…おいテメェツラ貸せや。二度と人前に出られねぇ顔にしてやるよ」

ライナー「俺からも頼みたい。俺は夢を見ているんじゃないだろうか」

ユミル「任せろ」パキポキ



ベルトルト「待ってってユミル!」ガシッ

ユミル「さ、触んな!」ジタバタ

ベルトルト「あっ、暴れないで!僕たちはあっちに行こうっ、怪我の消毒もしなきゃ!ねっ?」

ユミル「はなっ、クリスッ、クリスタァァ!!」ズルズル

ライナー「ま、待ってくれベルトルト!」

クリスタ(2人きりになっちゃったどうしよう)

ライナー「…ク、クリスタ…」

クリスタ「は、はいっ」

ライナー「…手を」

クリスタ「え?」

ライナー「手を、握ってもいいか?」

クリスタ「…うん」スッ

ライナー「…」ギュッ



クリスタ「…」

ライナー「…」ニギニギ

クリスタ「ラ、ライナー?」

ライナー(とても小さな手だ。しっかり握ったら壊れてしまいそうな)ニギニギ

クリスタ「っ」

ライナー「…」スッ

クリスタ「!?」カァッ

ライナー(顔も小さい。ユミルの体で触った時に比べると、余計にそう感じる)

クリスタ「っ、っ…」プルプル

ライナー「……」サスサス

クリスタ「ライナー、あの、恥ずかしい、よ」

ライナー「!? すっ、すまん」バッ

クリスタ「違うの!嫌とかじゃないの!あのねっ、普通に、握ってほしいな…?」

ライナー(結婚しよ)


一旦ここまで
ユミルとライナーが結婚結婚言い過ぎ
来れたらまた夜に来ます

ライクリ支援

ライクリかわええ~
ライナーでかいし兄貴気質だしクリスタ可愛くてしょうがないんだろうなぁ
次はベルユミのターンな?wktkしてま待ってるね

ベルユミ支援

ライクリ可愛すぎィ!
兄貴マジイケメンじゃないっすか…


投下します
これが最後です

>>290 ありがとうございます、クリスタ可愛い
>>291 ライクリ好きなんですが少なくて…ベルユミのターン!
>>292 ありがとうございます、ベルユミ好きです
>>293 ライナー兄貴がこんなにイケメンなわけがない



ライナー「じゃ、じゃあ…」ギュッ

クリスタ「~~~っ」///

ライナー「…」マッカッカ

クリスタ「…えへへ、何か変な感じだね」ニコ

ライナー「そうだな」

クリスタ「…私ね、もしユミルとライナーが死んじゃったらどうしよう、って思ったの」

クリスタ「いっぱい怖くて、どうしたらいいか分からなかったの」

ライナー「…あぁ」

クリスタ「だから、生きていてくれて、良かった」

ライナー「…クリスタ、俺はこの先、何があってもお前を守る」



クリスタ「え?」

ライナー「もし俺がお前に軽蔑されることになっても、嫌われても、憎まれても」

ライナー「俺のこの気持ちは変わらない。…何があってもだ」

クリスタ「変なライナー…そんなこと、あるはずないのに」クスクス

ライナー「あぁ…そうだと、いいな」

ライナー「そうだクリスタ。もしもな、もし、一緒にいられたら」


ライナー「“うみ”を見に行こう」


******


医務室


ユミル「」ゼーハー

ベルトルト「」ゼーハー



ユミル「…ベルトルさん降参だ。もう抵抗しねぇから離してくれよ」

ベルトルト「……」

ユミル「…おーいベルトルさーん?」

ベルトルト「…ごめん、ユミル」ギュッ

ユミル「!? は、ちょっとお前何してんだよ!?」

ベルトルト「良かった」

ユミル「…!」

ベルトルト「君が無事で、本当に良かった。無事に戻ってくれて、本当に良かった」

ユミル「…私がクリスタを残して死ぬわけねぇだろ、たく」

ユミル「ところでよぉベルトルさん。その、離してくんねぇか?」

ベルトルト「?」

ユミル「その、こんなんでも女だしさ…あー…その…」



ベルトルト「何?」

ユミル「その、お前、気になる女がいるんだろ?」ガシガシ

ベルトルト「!?」バッ

ベルトルト「えっ、それ誰に聞いたの!?」

ユミル「やっぱりそうなのか」

ベルトルト(ライナーのヤツ!ユミルに何言ってるんだよ!)

ユミル「だからな、私みたいなヤツに感極まったからって抱きついたりしたらダメだぞ?」

ユミル「何が起こるか分かんねぇんだから」

ベルトルト「そんなことないよ!」

ユミル「っ!?」ビクッ

ベルトルト「…あ、ご、ごめん、大きな声出して…」

ベルトルト「でも僕、ユミルだから、その、あの…」



ユミル「へ…?」

ベルトルト「ユミルだから、心配したし、怖かったんだ」

ベルトルト「君がどこかに行ってしまうんじゃないかって」

ユミル「…ベルトルさん、それ…」

ベルトルト「~~~っ、ユ、ユミル!怪我とか!怪我とかしてるよね!?治療しなきゃ!」

ユミル「露骨に話題をそらすんじゃねぇよ!怪我とかしてねぇから大丈夫だ!」

ベルトルト「え、あんな高さから落ちたんだよ…?そんなわけないじゃないか」

ユミル(とっくに再生させました、何て言えるわけねぇっつうの)

ユミル「あー、ほらあれだ。ライナーの体が庇ってくれたからさ」

ユミル「どっちかっていうとアイツの方が怪我すごいんじゃないか?」



ベルトルト「そう…なんだ…」

ベルトルト(それならまだ良かったかな…ライナーなら傷くらい、すぐに治るだろうし…)

ユミル「…まぁ、その、もし仮に一生もんの怪我とかがあった場合な」

ベルトルト「やっぱあるんじゃないか!」

ユミル「違ぇよ馬鹿!」

ベルトルト「…あった場合?」

ユミル「……言ったよな、ベルトルさん」

ベルトルト「?」


ユミル「…責任、取ってくれよ?」



******


サシャ「ユミルー!半分でいいです、半分でいいですからっ!」

ユミル「やるわけねぇだろうが」ナデナデ

サシャ「そんなっ、この前はくれたのに!」

ユミル「この前はこの前だ。一緒にすんな」ナデナデ

サシャ「そんなぁー!」

アニ「…何か、ようやく本調子って感じだね」

ユミル「おう、そうだな。ここ一週間は私が私じゃなかった気分だ」ナデナデ

ミカサ「クリスタへの愛情も元に戻ったよう」

ユミル「まあな!」ナデナデ

クリスタ「私の頭撫でながらお喋りしないでよー」プクゥ



ユミル「いいじゃねぇか、約束してたろ?」

クリスタ「え?」

ユミル「元に戻ったら、いくらでも抱きしめてやるって」ヒソッ

クリスタ「!」///

クリスタ「もっ、もうユミルったら!仕方ないんだから!」プンプン

ユミル「だはは、女神様はお優しいなぁ!」


コニー「はー…ブス女が何か元に戻っちまったし…」

ジャン「ここ一週間は平和だったんだがなぁ。何か悪いもんでも食ってたんじゃねぇか?」

アルミン「あはは…でも賑やかでいいじゃないか」

ライナー「あぁ、羨ましい」

ジャン「相変わらずだなテメェも」



ライナー「俺は俺だしな」

ベルトルト「そうだね」

マルコ(相変わらずこの2人、距離が近いなぁ)

エレン「あ、でもよ」

アルミン「どうしたのエレン」

エレン「この前ユミルと対人組んだ時さ」

マルコ「コニーの計画の時かい?」

エレン「いや、その後。…何かユミルの動きがライナーに思えたんだよなぁ」

ライナー「」ギクッ

ジャン「んなわけねぇだろ、馬鹿かお前」

エレン「はぁ!?もういっぺん言ってみやがれ!」ガタッ

ジャン「上等だ何度でも言ってやるよ!」ガタッ

ミカサ「エレン、騒がしい」



コニー「こいつらは相変わらずだよなぁ。…あ、そうだよライナー!」

ライナー「ん?」

コニー「クリスタと2人で話す作戦、次はいつやるんだ!?」

ベルトルト「またやる気なの?」

コニー「当然だろっ」

ライナー「あぁコニー、その件なんだがな。もう大丈夫だ」

コニー「?」

アルミン「大丈夫って…もしかして」

ライナー「ははは」



ベルトルト(全くライナーは…任務を忘れたわけじゃないだろうね)

ユミル「おいこらチビ」ガシッ

コニー「あ?いだだだだだ!!」ギリギリ

ユミル「テメェ一週間前はよくもやってくれたな。おかげでえらい目にあったんだぞ」ギリギリ

クリスタ「ユッ、ユミル!ダメだってコニーの顔が変わって…ぷっ」

コニー「クリスタ笑ってないで助けてくれよぉ!」

ユミル「身長伸ばしてやんよ」ダハハ

ベルトルト(…ま、僕も人のことは言えないかな…)チラッ


******


故郷に帰ろう。俺たちの故郷に。

俺と、お前と、アニと、三人で。

壁を壊して、飛び出そう。

皆で“うみ”とやらに行こう。

俺と、お前と、アニと。

…あぁ、そうだな、クリスタと、ユミルもだな。


先がどうなるかんて、まだ分からない。

いつか俺やお前が、大切な人に軽蔑される未来が来たとしても。

それでもこの瞬間は、確実に起こっていた“現実”だから。

だからもう少し、出来ればずっと、俺たちと世界が憎み合ったとしても。

俺たちは、この小さな手を守ろう。



以上です。長々とお付き合いくださってありがとうございました
近いうちに救いのない黒トルトさんでスレ立てする予定です
また見かけたらよろしくお願いします

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