「…眠い」(12)
春の屋上
高校に入って1ヵ月
昼休み、俺は学校の屋上で昼寝をしている
昼飯を食べた後はいつも眠たくなる
なのに今日はあんまり眠たくならない
寝返りばかりうっていると
「起きなよ、風邪ひくよ」
頭上で声がした、毎日のように聞いている声
幼(幼馴染)の声だ
「ま~たこんなところで昼寝してる」
「うるせえなぁ…俺の勝手だろ」
「もぉ…」
お節介な幼 だけど男子からも女子からも人気が高い
まぁそうだろう。客観的に見てもかわいいと思う
その上、優しくて明るくて成績優秀で面倒見がよくて胸も大きい
こんな女がいたらほとんどの男子は好意を抱くだろう
―教室―
「あ、男君。また昼寝?」
「あぁ…」
こいつは幼の友達 幼友
よく俺に話しかけてくる
「…相変わらず背高いわね…182だったっけ?」
「……185」
「5センチ分けてよ」
「うるさい152センチ」
「くっ…。ちょっとモテるからっていい気になって…」ブツブツ
「……俺に言うなよ…」
―屋上―
ドアを開けると風が吹いていた
柵の近くにあるベンチに人が寝転んでいる
「起きなよ、風邪ひくよ」
声をかけると幼馴染の男がこっちを向く
昼ご飯を食べたら起こしに来る。私の日課だ。
「うるせえなぁ…俺の勝手だろ」
「もぉ…」
と、いいながら顔を近づける
整った顔立ちをしていると改めて思う
女の子の間でよく名前が挙がっている
背が高くてクールで顔立ちは綺麗。
女子から好意を寄せられるのもよくわかる
…私も例外ではないのだけれど
小さいころから同じ小中学校だったけどとても変わったと思う
皆から好意を寄せられるのは幼馴染として鼻が高い…けど…
……あまりいい気持ではない…かな…
―教室―
教室に帰ると男の親友、男友が話しかけてきた
「あ、幼さん!今日カラオケ行かない?」
「いいよ、他には誰が来るの?」
「俺と幼友と○○かな」
「男は?」
「誘ったんだけどやっぱり行かないってさ」
「…そう、分かったわ。時間は?」
「(ry
―――
――
―
―放課後 公園―
ここは丘の上の公園、放課後は雨の日以外いつもここにきている
ここの夕日は絶景だ、これを見ると心が安らぐ
ジャングルジムで子供が遊んでいる それを眺めていると子供がこけて泣いてしまった
歩み寄って立たせてあげて絆創膏をあげる。すると「有難う」と言ってくれた
笑顔で返事をして夕日が見えるところに戻ると日が沈んでいた
「…帰るか」
坂道を下っている最中、今日の晩飯は何にしようか考える
…今日はオムライスにするか
――――――
家のドアの前に立つ
少し息が乱れたので深呼吸をしてから
「ただいまー」
「おかえりー」
俺の唯一の家族、妹が出迎えてくれた
―カラオケ屋―
皆が楽しそうに歌っている
…どうしていつも男は誘いを断るんだろう
順番を待っている間はこんなことを考えていた
中学生のときもあまり友達と話したり遊んだりしていない
それが心配でよく話しかけたりしていた
高校生になったら周りから話しかけることが増えていたけどこのままだと
中学生と同じようになってしまう
男はやっぱり私がついていないと…
「幼?次幼の番だよ」
「え?あ、ごめんごめん。ボーっとしてた」
「珍しいね、考え事?」
「まぁ…そんなとこかな。」
「ふ~ん」
書き溜め終了
また溜まったら書く
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