苗木（どこも痛くない…？僕は確か大和田君に殴られそうになって…）

舞園「危なかったですね、苗木君」

苗木「ま、舞園さん…！？」

苗木（そうか、拳が当たる前に舞園さんが後ろに引っ張ってくれたのか…）

舞園「二人共、喧嘩は良くないです」

大和田「あぁん？お前もか？俺の邪魔する奴は女だろうと容赦しねえぞ」

朝日奈「ちょっと、男が女の子に手を上げるとかやめなよ！」

舞園「こんなことをしても無意味ですから」

大和田「そうか、わかった…じゃあお前も食らっとけや！」

舞園「……」ｽｯ

大和田「なっ、消えた……！？いででででででででえええええ！！！」

舞園「今は争う時じゃないんですよ」

苗木（凄い…一瞬で背後に回って、大和田君の腕を固めた……！？）

舞園「わかりましたか？わからないようであれば、このまま腕が曲がってはいけない方向に曲げますけど？」

大和田「わ、わかった…！わかったからやめてくれえええええ！！」

苗木「舞園さんって格闘技も出来るんだね…」

舞園「いいえ、ちょっと護身術をかじっただけです」

舞園「世の中物騒ですし、アイドルはいつどこで襲われるかわかりませんから」

苗木「でもあの身のこなしは凄いと思うよ…」

大神「うむ、あれは完全に相手の動きを見切っていたな」

舞園「いやいや、相手の動きなんて読めるわけないじゃないですか」

大神「舞園よ…我と手合わせをしてもらいたいのだが、よいか？」

舞園「無理ですよ…私は大神さんには勝てませんから」

大神「そうか…残念だ」

桑田「大和田、大丈夫か？」

大和田「あ、ああ…まさか舞園があんなに強いとは思わなかったぜ」

葉隠「女に手を上げといて、逆にボコられてギブアップとかダサすぎるべ」

大和田「うるせえ！」

苗木（あれから皆で学園内を探索したけど脱出する方法は見つからなかった）

苗木（その後、動機となるDVDを見せられて舞園さんが激しく動揺していたけどなんとか説得することができた）

苗木「でもここから必ず出してあげるとは言ったけど、脱出する方法が全然見つからないよ…」

苗木「助けも来ないし、どうすれば…」

コンコンッ

苗木「…ん？誰だろう…」ｶﾞﾁｬｯ

舞園「苗木君…」

苗木「舞園さん！？どうしたの…？」

舞園「実は苗木君に相談があって…」

苗木（僕に相談…？何だろう…）

舞園「私達の中に黒幕と繋がっている内通者がいます」

苗木「…え？」

舞園「その人をどうするべきか、苗木君に相談をしようと」

苗木「ちょ、ちょっと待って！何でその人が内通者だってわかったの？」

舞園「え？それは…そうです、モノクマと密談しているのを偶然見かけたんですよ！」

苗木「そ、そうなんだ…でもどうするべきって言われてもなぁ」

舞園「その人は凄く強いんです、私一人では殺せる自信がありません…ですが、苗木君が協力してくれたらいけるかもしれません」

苗木「ちょ、殺しちゃダメだよ！？」

舞園「何故ですか？内通者なんですよ？敵なら殺してもいいじゃないですか」

苗木「敵とか味方とか関係なく殺しちゃダメだよ！」

舞園「では内通者以外の皆にこの情報をバラして内通者だけを孤立させる方法で」

苗木「それもダメだよ！そんなことしたら内通者が何をしでかすか分からないし」

苗木「この話は僕以外の人に話したらダメだよ、皆には内緒だよ？」

舞園「わかりました、それでどうするんですか？」

苗木「どうもしなくていいんじゃないかな…」

舞園「え？」

苗木「いや、だってその内通者は僕達に特別何かしたわけじゃないんでしょ？」

舞園「今のところはそうですが、これからどうなるかわかりませんよ？」

苗木「それでも、何もしてないんだったらこっちから先に何かする必要はないんじゃないかって」

苗木「とりあえず様子見でいいんじゃないかな」

苗木「もしかしたら内通者だって、内通者をやりたくてやってるわけじゃないかもしれないし」

苗木「黒幕に弱みを握られて仕方なくやってるだけかもしれないしね」

舞園「…わかりました、苗木君は甘いですね…」

舞園「事が起きてからでは遅いんですよ？」

苗木「僕は何も起きないと信じてるから」

苗木「実際にここ何日かだって、殺人とか起きてないしね」

苗木「だからこれからも…って、ちょっと楽観視しすぎかな」

舞園「いいえ、そんなことはないと思いますよ」

苗木「それとお願いなんだけど、もしその内通者に何かあったら助けてあげて欲しいんだ」

苗木「僕は内通者が誰か知らないけど、舞園さんは知ってるみたいだから」

舞園「…苗木君がそういうのでしたら、仕方がないですね」

苗木（何も起こらないと言った側から事件は起きた）

苗木（死亡者は腐川さん、クロは誰か不明）

苗木（モノクマから事件後の裁判について説明を受けてたんだけど…）

江ノ島「私は嫌だからね、裁判には参加しないから！」

モノクマ「それはダメだよ、どうしても参加したくないというなら僕を倒してからに」

江ノ島「はい、これでいい！？」

モノクマ「学園長への暴力は校則違反だよ！助けてグングニルの槍！」

江ノ島「…は？」

苗木「あ、危ない！」

舞園「……」ｸﾞｲｯ

グサグサグサッ

モノクマ「……え？」

舞園「危ないですよ、あと少しで串刺しになるところでした…間一髪でしたね」

江ノ島「…あ、ありがとう…？」