ﾄﾝ

キョン「あ？」

ハルヒ「カチューシャなくした…」

キョン「そうか」

ハルヒ「そうかじゃないわよ！」

キョン「？ 何怒ってんだよ」

ハルヒ「あれがないと困るのよ！」

キョン「なんで」

ハルヒ「なんでって…」

ハルヒ「ともかく困るの！ 一大事なのよ！」

キョン「別にいいじゃねえかカチューシャくらい」

ハルヒ「カチューシャくらいって…あんたねぇ…」

キョン「それにその、なんだ」

キョン「なんかカチューシャつけてないのも新鮮で悪くないぞ。かわいく見える」

ハルヒ「え……そ、そうかしら」ﾃﾚﾃﾚ

ハルヒ「…って、そういう問題じゃないのよこの馬鹿キョン！」

キョン「なんだよ褒めてやってんのに…」

ハルヒ「ない！どこにもない！」

キョン「もう諦めろよ。なんでそんなにこだわってんだよ」

ハルヒ「だ…だってそれは…」

ハルヒ「だってあれは私のアイデンティティーみたいなモノじゃない！ 私といえばカチューシャ！ でしょ！」

キョン「新しいの買えばいいだろ」

ハルヒ「あれじゃなきゃダメなのよ！」

キョン（うっとおしいな…）

ハルヒ「ほら、あんたたちもボケっとしてないで探すの手伝って！」

みくる「ふぇ…」

　ｶﾞｻｶﾞｻ

長門「…ない」

古泉「落し物にもありませんねぇ…」

ハルヒ「なんでないのよ！ そんなはずないのに！」

キョン「これだけ探してないってことは学校にないんじゃないのか？ おまえ本当に今日カチューシャ付けて来たのか？」

ハルヒ「つけてきたわよ馬鹿！ あんたも見たでしょ！」

キョン「…そうだな。はずしてたらすぐ気付くもんなぁ」

「…校内に残っている生徒は…」

キョン「…もう7時半だ。腹減った…なぁそろそろ帰ろうぜ」

ハルヒ「だめよ！」

キョン「おまえなぁ…人間諦めが肝心だぞ」

ハルヒ「だめったらだめなの！」

キョン「我儘なヤツだな。もう俺は知らん。探すなら勝手に探せ」

ハルヒ「あーそー。じゃあいいわよ勝手に帰れば？ 私は一人でも探していくから」

キョン「おーそうさせてもらうぜ。じゃあな」

みくる「あ…キョンくぅん…」

みくる（…私も帰りたい…）

─────

キョン「…ったくあの馬鹿め」

妹「キョン君のりー」

キョン「そこにあるから勝手に持っていきなさい」

妹「ぶー」


キョン「…あ、そういえば数学の宿題あるんだったな」

キョン「めんどくせーなぁ」ｶﾞｻｺﾞｿ


キョン「…あ」

ギュ

ハルヒ「なっ！なにすんのよキョン・・・っ」

キスで口を塞がれる

キョン「な？もういいだろ？」

キョン「……」

キョン「…ハルヒのカチューシャ…」


キョン「な、なんで俺の鞄の中に？」

キョン「…あ…」

キョン「…やべぇ。そうだアイツ休み時間に落としたから俺が拾ったんだ…」

キョン「うわーどうしよう…」

　ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

キョン「…くそっ出やがらねぇ」

キョン「もう11時か…さすがにまだ探してるってことはないだろうけど…いやでもあいつのことだから…」

キョン「……ん」


キョン「なんだコレは」

キョン「カチューシャに…小っさい蓋みたいなものが…」ｶﾊﾟｯ

蓋・・・？

キョン「……」

キョン「なんか出てきた…なんだコレ…」


キョン「バーコードか？」

キョン「なんだってんだいったい…」

キョン「あいつもしかしてこれが入ってたからそんなにこだわってたのか？」


　ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ

古泉『はい。どうしました？』

キョン「あ、古泉。おまえは出てくれたか。もしかしてまだカチューシャ探したりしてないだろうな？」

古泉『いえ。10時前には帰りましたよ。涼宮さんは諦めきれないようでしたが』

キョン「そうか…いや実はな。非常に言いにくいんだがそのカチューシャな…」

キョン「俺が持ってたんだ」

古泉『はい？』

キョン「だから俺が持ってたんだって」

古泉『……』


古泉『あなたという人は…』

キョン「さすがにすまん。本当に申し訳ないと思ってる」

古泉『涼宮さん怒りますよ』

古泉『最近は閉鎖空間も出ていなかったというのに困ったものです』

キョン「悪かったよ。後であいつにはいくらでも謝るさ。ところでな…」

キョン「なんかあいつのカチューシャから変なバーコードが出てきたんだが」

古泉『バーコード？』

キョン「ああ。これまさかおまえらの仕込みか？」

古泉『いえ。そんなことはした覚えがありませんが』

キョン「ふむ。じゃあなんなんだろうなコレは」

古泉『ソレ、ちょっと見せてもらいにいってもよろしいですかね』

キョン「あ？ 俺は別にかまわんが…今から俺ん家まで来る気か？ 遠いだろ」

古泉『いえ、ちょうど近くで外食をしていましたもので。時間はかかりませんよ』

─────

キョン「おう」

古泉「どうも」ﾊﾞﾀﾝ

キョン「とりあえず先に言っておく。今日は悪かった」

古泉「まったくです。明日は誠心誠意涼宮さんのご機嫌を取ってください。お願いしますよ」

キョン「わかったわかった」


キョン「で、これが問題の物なんだが」

古泉「…ふむ」

キョン「なんだと思う？」

古泉「さて…なんでしょうかねぇ。カチューシャから出てきたって…どんな風に出てきたんです？」

キョン「この部分に小さな蓋がついててな。ホラ、この中から」ｶﾊﾟｯ

古泉「こんなところに…」


古泉「…このバーコード、少しお借りします」

キョン「え？ いやでもこれ、明日にはアイツに返さなきゃ」

古泉「ええ、わかってます。大丈夫ですよ明日の朝にはお返ししますから」

─────

　ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

キョン「……」

キョン「…古泉の野郎。明日の朝には返すとか言っておきながら学校来てねえじゃねえか」

キョン「何やってんだあの馬鹿」

ハルヒ「……」

キョン「！！」

ハルヒ「……」

キョン「よ、ようハルヒ。早いな。おはよう」

ハルヒ「…おはよ」


ハルヒ「……」

キョン「……」

キョン「……」

キョン（ど、どうする…？ 今真相言って返すか？ でも中のアレは古泉に渡したまんまだし…）

キョン（いや、別にいいかそれくらい…？ 中見ちまったって言えばいいだけだし…でも）


ハルヒ「ねぇ」

キョン「！！ な、なんだよ」


ハルヒ「どうしてカチューシャ見つかったかって聞かないのよ」

キョン「！！」

ハルヒ「ねぇ」

キョン「……」

ハルヒ「どうして？」


キョン「……あ…あー、そ、そうだったな」

キョン「見つかったのか？ カチューシャ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…まだよ」

キョン「そ、そうか。まだ…か…」

ハルヒ「……」


キョン（…やべぇ…なんだ今の迫力は…怖ぇ…）

キョン（実は俺が持ってましたなんて言ったらぶっ殺されるんじゃないかマジで…）

寝る

キョン「実は俺がもってましたーってな」ﾋｮｲ

ハルヒ「……は？」

キョン「ほらこれ、お前のカチューシャだろ？」

ハルヒ「…ちょっと説明してもらえるかしら？」

キョン「あらら～、そんな怖い顔すんなってｗみつかってよかったじゃねえか」

ハルヒ「あんたねえ！！」ﾊﾞﾝ!

キョン「あ”？」ﾄﾞｶﾞｯ!

ハルヒ「…！」(痛ッ…)

キョン「俺がもってたんだよ？解決だろそれで？何怒っちゃてんの？」ﾄﾞｶｯﾊﾞｷｯﾄﾞｶﾞｧｯ!

ハルヒ「あ…ぅ……うぅ…」ﾊｧﾊｧ

キョン「ん？」

ハルヒ「気持ちいぃぃ…はぁはぁ……もっとしてぇ…」ﾊｧﾊｧ

キョン「……」

ごめん。
一番下に「みたいな展開はよしてくれ」って書き忘れたorz