アルミン「僕に一番似合うパンツ」(269)



アルミン「…………」チクチク

エレン「アルミン、何縫ってんだ?」

アルミン「あ、エレン……」

エレン「ずいぶん子汚ねぇ布きれだな。窓拭きにでも使うのか?」

アルミン「………ツだよ」

エレン「?」

アルミン「…………パンツ」チクチク

エレン「え?」

アルミン「だから、これは僕のパンツ」チクチク

エレン「……パンツ!!?お前のパンツこんなにボロかったっけか!?」


アルミン「うん。開拓地の時からのを、ずっと履いてるから……もう4年近く経つのか。さすがに擦りきれて、穴が空いちゃってさ」チクチク

エレン「マジか……。気づかなかったぜ」

アルミン「他人のパンツだからね」

エレン「きつくねぇのか?」

アルミン「もともと大きかったから、今ぴったりなくらいだよ」

エレン「そうか……」

アルミン「エレンこそどうなんだい?」

エレン「ん?」

アルミン「僕のを子汚い布きれって言ったけど、君のパンツはどうなのさ」

エレン「オレのか?」チラッ

アルミン「そうだよ」チクチク

エレン「んー……まだ、大丈夫じゃねぇかな?ホラ」

アルミン「見せなくていいよ……///」チクチク


エレン「…………」

アルミン「…………」チクチク

エレン「……なあ。今は給与も貰えてんだし、縫うよか新しいの買ったらどうだ?」

アルミン「お金は……他のことに使いたいから」チクチク

エレン「他ってなんだよ。本か?」

アルミン「本より……紙とインクかな。僕は他人より使うし……それから、貯金もしたい。いいんだよ、履ければ。服がボロボロな訳じゃないから、ぱっと見みすぼらしく思われることもないからね」プツッ

エレン「そりゃ、そうかもしれねぇけど……」

アルミン「できた!」パンッ

エレン「…………」

アルミン「生まれ変わったぞ!」

エレン「……お前今、パンツ履いてな……」

アルミン「予備くらいあるよ」


______


ミカサ「……パンツをプレゼントしたい?」

エレン「アルミンの奴、すげぇボロっちいパンツ履いてんだ。何とかしてやりたくてさ」

ミカサ「どのくらい古いの?」

エレン「風呂場の雑巾みてぇだったな」

ミカサ「そう……」

エレン「でも、パンツも安くねぇだろ……?勝手に買って、気に入らなかったら困るし」

ミカサ「一緒に選んだらいい」

エレン「あいつの事だから、オレが買うって分かったら、気ぃ使って断るに決まってる」

ミカサ「…………」

エレン「どうすっかな……」

ミカサ「……………………試着」

エレン「は?」

ミカサ「試着すればいい」


エレン「試着って……パンツをか?」

ミカサ「そう」

エレン「馬鹿言え。下着を試着させてくれる店なんてどこにもねぇよ。オレら汗臭い訓練兵だぜ?」

ミカサ「…………」

エレン「試着しに行くんなら、一緒に選んでるのと同じじゃねぇか」

ミカサ「……店の、ではなく」

エレン「?」

ミカサ「みんなのパンツを、試着」

エレン「…………」

ミカサ「…………」

エレン「……みんなのって?……まさか、ここにいる奴等のことか?」


ミカサ「そう」

エレン「お前が何言ってるか解らねぇのは、オレが馬鹿だからじゃねぇよな?」

ミカサ「大丈夫。エレンにも、理解できる」

エレン「…………」

ミカサ「みんなから、履かなくなった……タンスの肥やしになっているパンツを、もらう。そして、アルミンが試着する。タダで、必要ないものだから、アルミンも気を使わない」

エレン「履かなくなったんなら、アルミンのと同じようにボロいんじゃねぇのか?」

ミカサ「他人に差し出すのだから、雑巾みたいな物は誰も用意しない……と思う」

エレン「……言われてみりゃそうか」

ミカサ「その中にアルミンの気に入ったパンツがあったら、それと似た物を、エレンが新しく買ってあげればいい」


エレン「おぉ……。なるほどな名案じゃねぇか!」バ シバシ

ミカサ「痛い」

エレン「早速みんなに声かけてくる!ありがとなミカサ!」ダダッ

ミカサ「…………」

サシャ「…………」フラフラ

ミカサ「…………」

サシャ「……ミカサァ……。何か持ってませんかぁ?お腹が減って死にそうなんですぅ……」フラフラ

ミカサ「サシャ、お願いがある」

サシャ「ふぁい?」



男子宿舎


コニー「いらなくなったパンツが欲しい?」

エレン「そうなんだ。ねぇか?」

ライナー「あるにはあるが……」

ベルトルト「……雑巾にでもするの?」

エレン「いや、履くんだ」

ベルトルト「え?」

ジャン「いきなり何言い出しやがるかと思ったら、お前の気持ち悪い趣味の話かよ。くだらねぇ」

エレン「オレじゃねぇよ。アルミンが履くんだ」

マルコ「どういうことだい?」

エレン「ミカサの提案なんだが……」


………………

…………


エレン「……と、いう訳だ」

ライナー「なるほどな。……確かにあいつのパンツは他のと比べて、かなりボロっちいからな……」

ベルトルト「…………」

マルコ「悪い案じゃないね」

エレン「だろ。頼むよ」

コニー「オレいらねぇのなんて、あったかなー?」

ジャン「オレはやらねぇからな。少しぐらい古いの履いてんのは、みんな同じだろうが」

マルコ「ジャン。君も少しは優しさってものを見せてあげなよ」

ジャン「見返りのないことはしねぇ」

マルコ「本当は優しいんだからさ」

ジャン「ハァ?優しくなんかねぇよ」



エレン「んじゃ、持ってきてくれた物から試着してもらうってことで」

ミカサ「そのパンツだけど」

男子一同「!!?」ビクッ!

ミカサ「適当な物を、持ってこられては困る」

エレン「お前……。ここ男子寮だぞ」

ジャン「いつの間に……」ドキドキ

ミカサ「許可は取ってある。すぐ帰る。パンツ、だけど」

ライナー「ああ、話は聞いたぞ」

ミカサ「アルミンが一番気に入ったパンツを持ってきた人には、新しいパンツをプレゼント」

ベルトルト「え?」

ミカサ「エレンの自腹で」

エレン「おい」


コニー「エレンお前、太っ腹だな!」

マルコ「いいのか?」

エレン「待て待て!よくねぇ!」

ミカサ「何か賞品があった方が、みんな良いパンツを持ってくる。そして、持ってきたパンツをアルミンが気に入るとは、限らない」

エレン「だからって……オレの金かよ?」

ミカサ「アルミンに、いいパンツを買ってあげたいんでしょ?」

エレン「…………」

ミカサ「…………」

エレン「…………わかったよ」

ジャン「……そんなにひでぇのか?アルミンのパンツは……」


_______


風呂場脱衣所


アルミン「…………」ヌギヌギ

ジャン「…………」ジー

アルミン「…………」ヌギヌギ

ジャン「…………」ジー

アルミン「……?」ピタッ

ジャン「…………」ジー

アルミン「……あの……ジャン?……何だい?」

ジャン「…………」

アルミン「聞こえた?」

ジャン「……お前……それはねぇわ……」

アルミン「へ?」


マルコ「想像以上っていうか……。ははは……」

アルミン「な、なにが?」

ライナー「…………くっ……!!」ウルウル

アルミン「!?」

ベルトルト「アルミン……今日、背中流してあげるよ」ポ ン

アルミン「えっ?えっ?」

コニー「お前、何か悩みとかあるんじゃねぇのか?オレでよかったら相談にのるぜ?」

アルミン「ありがと……?でも、別にないよ」

エレン「アルミン。オレが必ず救ってやるからな……」

アルミン「え、何から……?」


翌日

更衣室


アルミン「昨日やけにみんなが優しいと思ったら、そういうことだったんだね……」

エレン「あぁ。これからアルミンには、みんなが持ってきたパンツを試着してもらう。一人目は…」

ミカサ「マルコ」

アルミン「わざわざ更衣室借りなくてもよかったよね?」

エレン「ちゃんとした場所で、気持ちを新たにしてパンツを履いてもらいたいって、ミカサが聞かねぇんだ」

アルミン「このカラフルな紙の輪っかは飾り?テーブルと椅子まで設置しちゃって……」

ミカサ「私が一晩で準備した」


エレン「さすがに教官殿に怒られるんじゃねぇか?」

ミカサ「いいえ。教官殿は、パンツは男の命だからじっくり時間をかけて選定するようにと、賛同してくれた」

アルミン「ひとつ、いいかな?デザインが分かれば、試着する必要はないよね?」

ミカサ「パンツは履き心地も大事」

アルミン「…………」

エレン「訓練してんだし、動きやすいのがいいよな」

ミカサ「デザインだけじゃない。長く履くなら、素材も洗練された物を、選んだ方がいい」

アルミン「じゃあ、もうひとつ。この並べられた椅子は何?」

ミカサ「観客席」

アルミン「何の?」


エレン「見た目も大事だろ?お前が気に入っても、あんまりにも似合ってねぇのはちょっとな」

ミカサ「マルコ。入って」

マルコ「失礼するよ」ガチャ

ライナー「邪魔するぞ」ゾロゾロ

コニー「スッゲー飾りだな」ゾロゾロ

アルミン「ちょっと待って」

エレン「どうした?」

アルミン「マルコ以外もいるじゃないか!」

ミーナ「どんな物か気になっちゃってさ、つい……」

ユミル「面白そうだったからつい」

クリスタ「わ、私はユミルの付き添いで……///」

アルミン「女子も来たの!?」

ミカサ「私が。女子にも、パンツの提供をお願いした」

アルミン「ちょっと待ってよ……。話が見えない」


コニー「ミカサがこれ一晩で用意したのか?祭みてぇで気分上がるな」

ミカサ「どうも」

マルコ「はいアルミン。これが僕からのパンツだよ」ガ サッ

アルミン「本当に持ってきたんだ……」

マルコ「サイズが合わなくて、一回しか履いてないんだ。もちろん、洗濯してあるから綺麗だよ」

アルミン「う、うん……」

エレン「よし、アルミン。あの特設試着室の中で着替えてこい」

アルミン「…………履かなきゃダメなの?」

エレン「……?その為にここにいんだろ?」


アルミン「…………」


アルミン「…………抵抗が」

ミカサ「…………」グイグイ


イヤダァー



エレン「どんなパンツだ?」

マルコ「普通のだよ」


5分後


エレン「アルミン。き終わったか?」

アルミン「…………終わったけど……出たくない……」

エレン「みんな待ってるぜ?」

アルミン「だから出たくないんだよ!///」

マルコ「うん。まぁ、恥ずかしいよな……」

クリスタ「アルミンっ。大丈夫だよ!恥ずかしくなんてないよ!///」

ユミル「素っ裸じゃあるまいし、さっさと出てこいよ。女々しい野郎だな」

ミーナ「アルミンならギリギリ女子枠だから、女子に見られたって平気じゃないかな?うん」

コニー「かき氷食いてぇな」

ライナー「」ワクワク

>>32訂正します

誤 エレン「アルミン。き終わったか?」

正 エレン「アルミン。履き終わったか?」


ミカサ「カーテンを、開ける」シャッ

アルミン「わあっ!待って待って!!///」

エレン「おぉ」

アルミン「待ってっていったのに……///」

マルコ「…………」ニコニコ

ユミル「白のブリーフか」

クリスタ「あれが……ブリーフ……///」

ミーナ「シンプルイズベストだね」

ライナー「ふむ。シャツは着たままなのが、こう。いな……」

コニー「オレらの年でブリーフはないんじゃねぇ?」

マルコ「ブリーフ派を馬鹿にしないでくれないか」

アルミン「ものすごい羞恥プレイだよ……」モジモジ

エレン「なんつうか、普通だな。履いた感じはどうなんだ?」

アルミン「特に何も……。サイズはぴったりだよ」


マルコ「似合ってるよ。僕も持ってきた甲斐があったよ」

アルミン「……ありがと。もうこれにしようかな」

エレン「選ぶのは、全部のパンツを履き終わってからだぞ」

アルミン「……というと?」

ミカサ「あと7人エントリーしている」

アルミン「7人!?じゃあ、あと7回もこんなことしなくちゃいけないの!?」

エレン「そういうことになるな。……あ。パンツは一晩履いたままでいろよ?」

アルミン「なんで?」

エレン「生活する上で不都合がねぇか、確認しとけよ」

アルミン「なにそれ……なんだよこれ……。別にいいよ、いらないよ。パンツなんて……」


コニー「いや、オレ馬鹿だけど、お前のパンツは替えた方がいいと思う」

ライナー「あれは酷かった」

マルコ「ジャンも心配してパンツ探してるくらいだからね」

エレン「なんだあいつ。結局参加すんのか」

アルミン「そ、そこまで酷くないよ……」

コニー「雑巾だったよな」

マルコ「風呂場の雑巾だったよ」

ライナー「便所の雑巾だろ?」

アルミン「」

エレン「……明日はベルトルトか」


_______





アルミン「もう。ひどいよエレン。パンツが汚いって何で言っちゃうんだよ」

エレン「見て見ぬふりできねぇ汚さだったんだよ。オレが言わなくても、いずれ誰か気づいたと思うぞ」

アルミン「だからって……あんな試着……。ああ!思い出すだけで恥ずかしいよー///」バフバフ

エレン「いいじゃねぇか。お前のために、みんなパンツくれるっつうんだからさ」

アルミン「……エレンもくれるの?」

エレン「……オレはあげれるくらい綺麗なの持ってねぇから」

アルミン「はぁあ……。明日も訓練が終わったら、試着しなきゃいけないんだね……」

エレン「そんな重く考えんなって。裸見られるわけじゃねぇんだから」

アルミン「他人事だと思って……」

続きます。今日はこれで終わります。



翌日


アルミン(試着は嫌だったけど、新品同様のパンツで過ごすのは、気持ちがいいな……。古いのと違ってチクチクしないし、ちょっとやそっとじゃ穴も空かない)

アルミン(もうこれに決めたい)

アルミン(でも、みんな僕のためにいらないパンツ探してくれてるって言うし、途中で止めるのは申し訳ないんだよな……)


ジャン「よぉ。アルミン」

アルミン「ジャン」

ジャン「今日もこれからパンツの試着か?どうだったよ、昨日は」

アルミン「あ……。うん。恥ずかしい事この上なかったよ……」


ジャン「いい親友を持ったじゃねぇか。……まっ。オレならマルコに頼まれようが、同期の前でパンツ見せびらかすなんて、絶対ごめんだけどな」

アルミン「……ジャンもパンツくれるんだっけ?一応感謝しておくよ……。ありがとう」

ジャン「おう」ニマニマ

アルミン「…………」

ジャン「オレとお前の仲だろ?いいの用意してっから、楽しみに待ってろな」ニマニマ

アルミン「…………」


アルミン(…………。ろくでもない予感しかしないのは、何でかな……)



更衣室


クリスタ「昨日ブリーフって物を、初めて見たの……///あれって、前に穴が空いてるって本当かな?///」

ユミル「なんならお前が履いて、確かめればいいんじゃないか」

ライナー「真っ白なブリーフはアルミンの柔肌に映えていたな……。少しでも汚れていたら台無しだったが……」

マルコ「白ブリーフは清潔感が命だからね。僕は洗濯する時、なるべく高い石鹸を使うようにしているよ」

ベルトルト「……ブリーフなら、アルミンは水色が似合うと思うな」

マルコ「水色!?色が付いてるなんて邪道だよ」

ライナー「んん……。いや、悪くないな。パステルカラーによって、ショタ感が一気に増すという事か」

クリスタ「あっ。やだ。そうすると収まってるのはミニマムな感じがしてきちゃう///」

ユミル「元も大した事ねぇって……」ケラケラ


コニー「ブリーフブリーフうるせぇなー」

アルミン「そういうコニーは何でここにいるんだい?」

エレン「こめんてーたーをやりたいんだと」

コニー「お下がりは弟や妹に渡っちまうから、アルミンにやれるパンツがねぇんだ。せめて見届けてやろうと思ってさ……」

アルミン「あ、ありがとう。でも君の優しさは、僕相手に発揮されてちゃダメだと思うな」

エレン「ミカサの役目だったんだけど、あいつはほとんど喋らねぇから」

アルミン「ミカサが観客席にいるのは、コニーと交換したからなんだね」

ミカサ「アルミン……がんばれ」グッ

アルミン(……がんばれって言われても)


エレン「今日はベルトルトだ」

ベルトルト「……はい。これが僕からのパンツだよ」ガサッ

アルミン「ありがとう……。わざわざごめんよ。君だって開拓地から来たんだし、パンツがどんなに貴重か、みんなより知ってるだろ……?なのに……」

ベルトルト「うん。だからこそ、アルミンの履いてたパンツを見過ごせなかったんだ。あんな倉庫のモップみたいなの」

アルミン「」

ベルトルト「えっと……ちゃんと、洗ってあるよ?」

エレン「ほらアルミン。試着室入れ」

アルミン「……試着しなきゃダメなの?」

エレン「その為にパンツ受け取ったんだろ?」

アルミン「…………」



アルミン「…………やっぱり恥ずかし」

ミカサ「…………」ガシッ


ズルズル……


イヤダァー



エレン「どんなの持ってきたんだ?」

ベルトルト「普通のだけど……。アルミンにはちょっと大きいかもしれない」


5分後


エレン「アルミーン。どうだ?」

アルミン「あ、うん。終わったよ」シャッ

エレン「……」

ベルトルト「…………」

マルコ「…………」ニコニコ

ミカサ「…………」

クリスタ「…………?」

ユミル「…………こりゃ、パンツか?」

ライナー「…………つまらん!」

コニー「んー?」

エレン「ハーフパンツか?」

ベルトルト「トランクス……だよ。やっぱりアルミンには、僕のは大きかったね」



ユミル「形もだけど、色も紺色だとぉ?全体的に地味だ」

ベルトルト「……ごめん……」

ライナー「お前には失望した」

ベルトルト「君に言われると腹立つ……」

ミカサ「コニー、どう?」

コニー「あー……。そのまま買い物行けんじゃねぇかな。父ちゃんが休日によくそんな格好してた」

アルミン「ここで履く分には、堂々としていられるから助かるんだけど……。大きいね。この上から服を着るのは大変そうだ」

ミカサ「オシャレで、私は好きだ」

アルミン「ありがとう」



クリスタ「ねえ……。アルミン。それも、前に穴が空いてるのかな?///どのくらいの穴なのかな?縦に長いの?横に長いの?少しずらしたら覗けちゃうかな?///」

アルミン「ク、クリスタはどうしちゃったのかな」

エレン「アルミンは地味なのが好きなのか?」

アルミン「地味っていうより……布の面積量が多いから、精神的に救われた感じがするだけだよ」

エレン「それと比べるんだったら、オレはブリーフの方が似合ってたと思うが」

アルミン「……明日は誰?」

エレン「アニ」

アルミン「……え!?」



_________


アルミン「…………」モソッモソッ

エレン「?」

アルミン「…………」モソッモソッ

エレン「…………」

アルミン「んー…………」モゾモゾ

エレン「どうした?女みてぇな歩き方になってんぞ」

アルミン「ベルトルトの大きかっただろ?ズボンの中で裾が折れちゃって、変な感じなんだ。直そうとしてるんだけど、上手くいかない……」

エレン「直してやるよ。どの辺だ?」

アルミン「え?……。……右の、内股の……この辺かな」

エレン「…………」カシッカシッ



アルミン「爪でできる?」

エレン「…………」カシッカシッ

アルミン「…………」

エレン「なんだよこれ!?伸びねぇ!」ズボッ

アルミン「わっ!?///」

エレン「えっと…………これか……?ベルトが邪魔だな……」 ゴソゴソ

アルミン「……エレン!?///くすぐった……うひっ、はは。何するの、くふ!あははははっ」クネクネ

エレン「どうだろ?」ズボッ

アルミン「あ……。直ったかも。ありがとう」

エレン「パンツって一概に言っても色んなのがあんだな。それじゃ訓練の邪魔になるだろ」

アルミン「うん。ベルトルトには悪いけど、これはナシ……かな」



エレン「アニに期待しとくか」

アルミン「……それなんだけどさ」

エレン「?」

アルミン「アニが持ってくるのって……。僕が履くんだから、男物、だよね」

エレン「…………」

アルミン「…………」

エレン「え?」

アルミン「……。女物じゃない……よね?」

エレン「…………」

アルミン「…………」

エレン「……アニじゃねぇから分からん」



翌日

更衣室


ユミル「昨日のトランクスはねーわ」

ライナー「同感だ。太股も膝小僧も隠れていたし、ありゃパンツとは到底言えん 」

ユミル「色気の欠片もない紺色が追い討ちをかけてたな」

マルコ「パンツって股間を守るものだからね。あれは己の力量も考えずに下肢も守ろうとしていた。自滅するはずだよ」

ベルトルト「ごめん……」

クリスタ「今日はどんなのかな?///穴が空いてたらどうしよっかな?男の子のパンツって奥が深いよね……///」

ミカサ「…………」

コニー「アニはまだ来ねぇのかー?」

エレン「おせぇな。呼んでこようかな」

アルミン「……もしかしたら、棄権するのかもしれないよ!きっと、考え直してくれたんだよ」

エレン「考え直すって、何を?」


ミーナ「ごめぇぇん!!」バーン

一同「」ビクッ

ミーナ「お待たせ!……もう。アニったら直前になって行かないとか言い出すんだから、困ったもんよ」

アルミン(アニの判断は正しいよ……)

ミーナ「でも大丈夫だよ!連れてきたから!」グイグイ

アニ「…………」

アルミン「……。やあ、アニ……」

アニ「…………これ」ガサッ

アルミン「……ありがとう……」

アニ「1回も履いてない」

アルミン「……えっ?なら、本当に新品じゃないか。……僕なんかが貰ってもいいの?」

アニ「……好みじゃなかったから」

アルミン「……ん?」

アニ「…………」

アルミン(今の会話、おかしくないか?)



アニ「じゃ」

アルミン「あ、帰……」

アニ「…………」ストン

アルミン(……らないで、最前列に座ってる)

エレン「早く着替えてこいよ。今日はオレも楽しみにしてんだ」

アルミン「え、えぇ!?///エレンはしっかりしてよ」

エレン「だって、あのアニが選んだんだぞ。気になるじゃねぇか。ほらほら」グイグイ


イヤダァー


コニー「どんなの用意したんだ?」

アニ「……。……会って早々セクハラ発言だなんて、いい度胸だね」

ミーナ「とても可愛いのよ」


5分後

エレン「どうだ?そろそろ終わっただろ?」

アルミン「…………」

エレン「アルミーン」

アルミン「…………………………………………むり」

エレン「なんだ?小さくて聞こえねぇよ」シャッ

アルミン「わぁあーーーーっ!!///」

アニ「…………」

アルミン「…………////」モジモジ

ミーナ「あらま」

ユミル「…………」ジー

マルコ「…………?」

クリスタ「……。アルミン、シャツ伸ばすの止めないと、見えないよ」

ライナー「その仕草はそれでソソるものがあるが、これはパンツの試着だからな。パンツが見えないことには始まらん」


クリスタ「ライナーの言う通りだよっ。ちゃんと見せて?」

アルミン「や、やだよ……///絶対やだ///」モジモジ

ユミル「くねくね動くな!男なら万歳してみろ!!」

ベルトルト(……。可哀想に……)

エレン「……。……白か?」

アルミン「後ろから見るの止めてくれる?///」

コニー「なぁ、見えねぇよ。コメントの仕様がねぇ」

ミカサ「…………」スクッ

アルミン「絶対やだ。これは絶対やだ。絶対だめだ。駄目、いけない。駄目だだめだだめだ」ブツブツ

ミカサ「…………」ガシッ


バッ


アルミン「」

ユミル「!!」

ライナー「!!!」ブーッ


マルコ「これは……女物だね」

クリスタ「純白のローライズ……だね。ウエストと脚を通す部分にフリルの短いレースがあしらわれて、中心には可愛いリボン……///」

ベルトルト「………」

クリスタ「……か、完璧!初デートや清純ぶりたい時に履くにはこれ以上とない完璧なパンツだよ!///」

ベルトルト「……。ねぇ……。うっすら透けてない?」

エレン「…………透けてんな」

ミカサ「……うん」

アルミン「」

ミーナ「ご、ごめんなさい……///」チラチラ

アニ「…………///」

ライナー「…………///」タラーッ

マルコ「女物は生地が薄いからね」

コニー「見えそうじゃん」

アルミン「……わっ。わああっ!!わあっ!!!うわぁああああッッ!!!!」ジタバタ


ミカサ「…………」

アルミン「わぁあああっ!!!!/////」サササッ

エレン「うおっ」グラッ

クリスタ「あっ。どうしてエレンの後ろに隠れちゃうの?」

アルミン「ばかっ!ばかっ!ばかっ!ばかっ!!ばかっ!!!/////」

エレン「アルミン!?落ち着けって!」

アルミン「えれん!!えれんのばかっ!!!!/////」

エレン「……オレか!?万歳させたのはミカサだろ!?」


ウエェェエエン///

ヨシヨシ。シンコキュウシロ!

アルミン……ワルカッタ……


アニ「…………」

ミーナ「……アニ…………」


ミカサ「コニー、どう?」

コニー「男が女の履いても似合わねぇよ。泣いちまってるし、アルミンが可哀想だ」

クリスタ「え?泣いて恥ずかしがってるからいいんだよ?コニーってば何にも分かってない。分かってないよね?」ガタッ

ユミル「少し大人しくしてろよ」

アニ「…………」

ミーナ「……そのパンツね、手作りなんだ」

アルミン「ばかばか……え?」

アニ「……ちょっと」

ミーナ「パンツが汚いって聞いて、……誰がとは言えないけど、夜なべしながら三日かけて縫ったの」

マルコ「手作り?よくあんな綺麗に仕上げられたな」

ミーナ「丁寧でしょう。ここに来る直前まで、その子はパンツを縫ってたの」

アルミン「…………」

アニ「…………」


ミーナ「材料も街まで出かけて買ってた。どの生地にするか、どのレースにするか門限ギリギリまで迷っちゃって」

アルミン「…………」

ミーナ「教官殿に叱られるかと思ったよ……」

アニ「…………」

アルミン「……。アニ…………」

アニ「……。…………泣かせちまったね」

アルミン「えっ……」

アニ「そんなつもり……なかったんだ。私は……泣いてほしくなんて……なかった……」

アルミン「…………」

アニ「ごめん……」

アルミン「…………」

アニ「…………」

アルミン「…………」

アニ「…………」


コニー「……?なぁ……何でそいつは男物じゃなくて、女物を縫ったんだ?」

ミーナ「静かにして」

アルミン「……謝らないでくれよ」

アニ「え?」

アルミン「……。よく考えたら……これを履いたのは僕の意志だ。本当に嫌なら引き返すことなんて、幾らでも出来たんだ……。でも、そうしなかった」

アニ「…………」

アルミン「アニは……何も悪くないよ。僕が勝手に履いて、勝手に泣いただけだ」

アニ「アルミン……」

アルミン「これ、すごく可愛いよ。こんな可愛いのまで履けちゃったんだから、明日からどんなパンツが出てきても、もう怖いものなしだよ!」

アニ「…………」

アルミン「……これを作ってくれた子に、僕の代わりにお礼を言って貰えるかな?」



アニ「…………」

アルミン「…………」ニコニコ

アニ「……わかった」

ユミル「くそ……つまらねぇよ……」ウルウル

ミーナ「よかった……」ウルウル

ライナー「くぅう……っ!!」ウルウル

マルコ「アルミンのパンツに対する臆病な気持ちは、これで消えたんだな……」

コニー「……?」

エレン「一時はどうなるかと思ったが……。やる気に繋がったんならよかったな……」

ミカサ「今度、作り方を教えてもらいたい」

ベルトルト(……なんだよ、これ)



クリスタ「あ。じゃあ、アルミン。怖い物がなくなったんだし、エレンの背中に隠れるのやめなよ///もう一回…… 見たいな///」

アルミン「……。えっ……」

クリスタ「…………////」

アルミン「…………無理だよ!!だって透けてるんだよ!!///透けてるから!!///」

クリスタ「けち……」

エレン「明日って誰だ?」

ミカサ「……ジャン」


________





アルミン「アニが女物を持ってくるなんて、嫌な予感が見事に当たっちゃったな」

エレン「そーだな…………」

アルミン「でも、これで本当に怖いものなしになったよ。ジャンがどんなに奇抜なパンツを持ってこようと、 僕は堂々と履いてみせる!」

エレン「…………」モゾモゾ

アルミン「……?なに?何でこっちの布団に来るの?」

エレン「…………」グイッ

アルミン「!!?……。なななんで見るの!?///」


エレン「いや、うん。本当に履いてんだな……」

アルミン「1日履いたままでいろって言ったのはエレンじゃないか」

エレン「……女のパンツってどんな感じなんだ?」ワクワク

アルミン「……今履いてるのは生地が薄すぎて、スースーするよ。落ち着かない……かな」

エレン「そうか…………」

アルミン「…………」

エレン「…………」

アルミン「履きたい?」

エレン「馬鹿!違うよ!履きたいなんて誰が思うんだ! 変態じゃあるまいし! 」

アルミン「…………」

明日に続きます。

翌日

ライナー「純白の生地にアルミンの大事な部分が薄く透けてて……。くそ……。可愛かったな……」

ユミル「鼻血垂らすなっ!」

ベルトルト「ライナーは透けてれば何でもいいんでしょ?」

マルコ「アルミンみたいな顔の男子が女のパンツ履いても魅力が半減するだけだって、どうして分からないのかな……」ブツブツ

クリスタ「確かにアニのパンツは素敵だったけど、インパクトにかけるでしょ。私だって負けないんだから……」 ブツブツ

ミカサ「…………」

ジャン「ミカサ……///隣の席空いてるか?座ってもいいか?」

ミカサ「好きにすればいい」

ジャン「…………////」ストン



エレン「ジャン。パンツ」

ジャン「……ん?……あぁ。そうだった」ニマニマ

コニー「ジャンがまたゲス顔してるぜ」

ジャン「まあ、履いてくれや。お前にピッタリだと思うからさ」ガサッ

アルミン「……ありがとう。着替えてくるね」シャッ

ジャン「……。なんだよ。アッサリ承諾すんだな……」

エレン「昨日が強烈だったからな」

ジャン「つまらん」

コニー「どんなパンツ?」

ジャン「楽しみにしてろって」ニマニマ



3分後


アルミン「終わったよ」シャッ

エレン「…………」

ベルトルト「…………」

ライナー「…………いい////」

マルコ「普通のパンツ……だね」

ユミル「…………ぶはっ!!こりゃ似合ってる!!」ケラケラ

ミカサ「…………!」

ジャン「ぷっ……くく」

クリスタ「赤いチェックの生地にひよこ&フルーツ柄……。かっ……かわいい////かわいいよアルミン!///」

アルミン「……。ありがとう……」

ベルトルト「3歳児用の柄だよね……」

マルコ「かぼちゃパンツとまではいかないけど、全体的にふわふわしてるな」

ジャン「ぶふっ、はははっ。くくくっ」


アルミン「くっそぉ……。こういう事か……」

ジャン「ちょ~~~~似合ってるぞ!」ケラケラ

エレン「似合ってない事はないが……。ガキ臭くねぇか」

ジャン「チビでお子ちゃまのアルミンには丁度いいだろ?ぶくくっ」ケラケラ

ユミル「あっははは!こりゃアルミンちゃんだな。よだれ掛けもいるんじゃないか?」ケラケラ

ライナー「ああ。それ、いいな……///」

アルミン「…………」

クリスタ「3歳児用の柄が似合う人なんて、滅多にいないよ!アルミンはすごいよ!///」

アルミン「……。……ありがとう……」

ジャン「あはははははは」ケラケラ

コニー「ふーん。ジャンはこういうの履いてたのか」

ジャン「…………は……」ピタッ


一同「…………」

ジャン「な……。んなもん履かねぇよ!!実家が勝手に送ってきたんだよ!!」

ミカサ「…………」

マルコ「ジャンの好みだから?」

ジャン「ちげぇよ!!」

ユミル「ほんとかー?」ニマニマ

ミカサ「コットン100%……」

アルミン「え?」

ベルトルト「…………」

エレン「…………」ペラッ

アルミン「わっ///めくらないで///」

エレン「本当だ……。このパンツ、コットン100%だぞ!」

ライナー「な…………!!!」

ユミル「コットン……100……!?」


マルコ「そんな上質で高価なパンツなのか!?」

ベルトルト「履かないまま売ったら、サシャの1ヶ月分の食費が手に入るよ……」

クリスタ「そんな価値のある物を、アルミンのために手放しちゃったの……?ジャンって優しいんだね///」

ジャン「え?」

ユミル「自己中のくせにやるじゃん」

ベルトルト「……もしかして、あのふざけたデザインは照れ隠しなの?」

ライナー「ジャンよ……。オレはお前の人間性について、大きな誤解をしていたようだ」

ジャン「……は?……は?……。な、なんだよこの空気……」

エレン「立体機動が得意なだけの馬面クズ野郎じゃなかったんだな……」

ジャン「死に急ぎ野郎までなんだよ!微笑んでんじゃねぇよ!気持ち悪い!」


アルミン「ジャン、ありがとう。僕は君の気持ちも知らずに、どうせろくでもない物を用意してるとばかり思ってたんだ。ごめんね……」

ジャン「実際にろくでもねぇだろ!?そのパンツは!」

コニー「お前って、本当はいい奴だったんだな。……や。でもよ、オレは前からお前のこと嫌いじゃなかったぜ///」

ジャン「な……。な……////」

マルコ「そうだよ?ジャンはすごく優しい奴なんだ。この前も僕が訓練で夕食に遅れちゃった時、ジャンはスープが冷めるのも構わずに、食べないで僕の事を待っててくれて……」

ジャン「マルコォオッッ!!///余計な事言うな!!///」

ミカサ「…………」

ジャン「や。やめろ!やめろ!!///オレはこんな、いい人扱いされるのを望んでたんじゃねぇ!!!///」


マルコ「あはは。照れてるなぁ」

ジャン「オレは、ただ少しだけからかってやろうと……」

ミカサ「……。……私は、あのパンツ。好きだ」

アルミン「ミカサ?」

ミカサ「アルミンにとてもよく似合っている。今までで、一番好きだ」

ジャン「ま、まじかよ……」

ミカサ「だからジャン」ギュッ

ジャン「」

ミカサ「私はあなたに、感謝する」

ジャン「」


バタッ


ベルトルト「……。倒れた」

ユミル「手を握られただけで気絶したのか。どんだけウブなんだよ」


_______


男子宿舎


ジャン「くそ小っ恥ずかしかった……。なんであんな事に……。そもそもエレンが余計な事をしやがるから……」ブツブツ

アルミン「……あれ?ジャン。復活したのかい?」

ジャン「ん?」

アルミン「今日は医務室で寝るのかと思ってたよ」

ジャン「……ぷっ。……くく……」

アルミン「…………」

ジャン「ふひ……っ。……。あ!……そうじゃねえ。わりぃわりぃ」

アルミン「…………いいよ」

ジャン「オレがやったパンツって、今も履いたままなんだろ?」

アルミン「え?……そうだね。一晩は履いたままってルールだから」

ジャン「履き終わったら、すぐ返してくれねぇか?」

アルミン「すぐ?」


ジャン「どうせいらねぇだろ?」

アルミン「なら明日と言わずに、今返してあげるよ」 ヌギッ


ブーッ

ウワァァアア ライナーハナヂ!!


ジャン「馬鹿が!お前の生脱ぎが欲しいんじゃねぇよ!ふざけんなよ!!」

アルミン「いや、洗濯くらいするよ」

ジャン「……。オレは……あのひよこパンツの価値にやっと気づいたんだよ……」

アルミン「…………」

ジャン「…………」

アルミン「……僕に似合うって話だったから、ジャンが履いても気に入って貰えるとは限らないんじゃないかな」

ジャン「…………」

アルミン「…………」

好きな子がいいねって言ったものを持ってるってだけでも
かなり価値あるんだよ…


ジャン「……いけねぇかな」

アルミン「ひよこだよ?」

ジャン「…………」

アルミン「…………」

ジャン「…………無理かな?」

アルミン「ひよこだし……」

ジャン「…………」

アルミン「……そもそも見せる機会あるの?」

ジャン「そうだよな……」トボトボ

アルミン「ジャン……。がんばれ……」

エレン「お。いたいた。なーアルミン。あのひよこもう一度見せてくれねぇか?」

アルミン「えっ。……。……や、やだよ///」


翌日


ライナー「今日はサシャか!!」

ユミル「女子か!!」

クリスタ「期待!!///」

コニー「なんで女も参加するんだ?」

マルコ「あはは」

ミカサ「…………」

ベルトルト「…………」ドンドンパフパフ

アルミン「今日もいつものメンバーだね」

サシャ「毎日こんなことしてんですか?」モグモグ

エレン「ほらサシャ。パンツ出せよ」

サシャ「な、なんですか。不躾な……」

アルミン「ごめんね……」


サシャ「はぁ。アルミンが謝ることではないですよ。聞きましたよ?パンツ無さすぎて雑巾履いてたんですよね?」

アルミン「違うよ!ちゃんとパンツ履いてたよ!」

サシャ「これが私からのおパンツです。一回も履いてないので安心してください」ガサッ

アルミン「……ありがとう。……。あの……聞いておきたいんだけど」

コニー「お前も女物のパンツ持ってきたのか?」

サシャ「……?だって、私は女ですし」

アルミン「……はは。……そうだよね。……はぁ」

サシャ「?」

エレン「着替える前に腹を括れてよかったじゃねぇか」

アルミン「エレンも楽しそうだね……」

エレン「なんだよ。下向いてると気持ちも暗くなるぞ? アニのパンツを履けたんだから、それも履けるって!」

アルミン「……!そ、そうだね!僕はアニのパンツという砦を越えられたんだ。きっと平気だよね」


シャッ


エレン「どんなパンツなんだ?」

サシャ「……。だから、女の子のパンツです。こう……ぴらっと」

エレン「ぴらっ?」


ナニコレ?


エレン「なんだ?」


コウスルノカナ?


サシャ「履き方分かりますか?」


ダイジョウブ! ///


*


5分後


クリスタ「アルミン!!///履けた!?///」

アルミン「うん……」

エレン「開けていいか?」シャッ

アルミン「まだ返事してないのに!///」

ライナー「!!!」ブーッ

ミカサ「…………」

ユミル「……可愛いじゃねぇか」

エレン「これって……」

マルコ「ひもパンか……。そうくるとは思わなかったな」

クリスタ「パステルグリーン×ホワイトのボーダー柄が庶民的ですごくいい……///」

ライナー「……////」タラーッ

ベルトルト「君はそろそろ出血多量で死にそうだね……」


ミカサ「コニー、どう?」

コニー「……。パンツ自体は可愛いけどさ……。股間が全部台無しにしてねぇか?なんで女物履かせんだよ。本当はアルミンも嫌がってるんじゃねぇのか?」

アルミン「コニー……」

クリスタ「アルミン……///」ススス……ピトッ

アルミン「な、なに?」ビクッ

ユミル「おい。天使とひもパン履いたアルミンが並んでるぞ」

ライナー「これは現実か?///」タラーッ

エレン「夢でも見てんのか?ほら」バシッ

ライナー「ぐあっ!……。……現実だな」タラーッ

クリスタ「ひもパン、とっても似合ってるよ。ちゃんとリボン結びもできてるね///」

アルミン「最初は履き方がよく分からなかったんだけど、なんとかね……」

クリスタ「偉いね。うふふ///」ナデナデ

アルミン「……偉くなんかないよ///」



シュルッ……



アルミン「」

エレン「!」

コニー「ん?」

ミカサ「…………」

サシャ「…………」モグモグ

ライナー「」ボタボタ

ユミル「さすが私のクリスタ!!」

マルコ「やると思ったよ」

ベルトルト(……。可哀想……)

アルミン「……うわ……。うぁああああああっ!!!///」

クリスタ「あっ。待ってよアルミン!///まだ片方だけしか解いてないのに///」

ユミル「いけ!クリスタ!やっちまえ!!」


アルミン「いやだっ!!///いやだぁぁあああ!!!////」サササッ

エレン「クリスタ!今のはねぇよ!!」

クリスタ「なんで?」

エレン「え!?なんで!?なんでって……」

アルミン「うくっ……ひっく……うっく……えれんん……」 ウルウル

サシャ「ひもパンは解かれる為に作られたパンツですから、何ら間違いではないですよ」モグモグ

クリスタ「そうだよね///」ススス……

アルミン「びゃっ!!エレン!!エレン!!」

エレン「安心しろ!ここは通さん!!」

ライナー「サシャー!!よくやった!!」ダキッ

サシャ「…………。きゃああああ!!///」ドカッ

ライナー「ぐぶふっ!!?」

サシャ「きゃああああ!!///ぁあああああ!!!///」ド カッガッシボコッ

ライナー「」


ベルトルト「……今のはライナーが悪いよ」

サシャ「なんなんですかここ!?さっきからセクシャルハラスメントされまくりなんですけど!!」

マルコ「クリスタ。落ち着きなよ」ヒョイ

クリスタ「やーっ///」ジタバタ

コニー「明日って誰なんだ?」

ミカサ「私」

一同「…………」ピタッ

エレン「お前もエントリーしてたのか?」

ミカサ「…………」コクン

アルミン「ミカサもパンツくれるの!?」

ミカサ「……うん」グッ


________


男子宿舎



アルミン「明日はミカサか……。何考えてるんだろ……」

エレン「あいつはあいつなりに、お前の事心配してんだよ」

アルミン「……。僕はさ、ミカサのパンツを履く事になるんだよ?」

エレン「そりゃそうだろ」

アルミン「エレンはそれでいいの?」

エレン「……?それでいいって?」

アルミン「…………」

エレン「アニのもサシャのも履けたんだから、ミカサのなんて楽勝だろ?そう心配すんなって!」バシバシ

アルミン「いたいいたい!」


エレン「なっ!」

アルミン「…………頭痛い」

エレン「目が疲れてるんじゃねぇのか?」

アルミン「…………」

エレン「……あのさ、お前に頼みがあるんだ」

アルミン「頼み?」

エレン「うん」

アルミン「何?」

エレン「耳貸せ」

アルミン「?」

エレン「まだあの……なんつったっけ。ひもパン?履いてんだろ」

アルミン「うん」

エレン「……パンツの紐、解かせてくれねぇかな」

アルミン「…………」

エレン「…………」


アルミン「…………。うんと……何言ってるの?」

エレン「みんな見てねぇしいいだろ?」

アルミン「なにが!///何言ってるか分かってるの?////馬鹿じゃないのか……////」

エレン「クリスタの見てたら、どんな感じかオレもやってみたくなっちまってさ……」

アルミン「紐なんてそこらじゅうにあるじゃないか……///」

エレン「だめか?」

アルミン「だめだよ」

エレン「…………」

アルミン「…………ばか///」プンッ

続きます。今日はこれで終わりです。

乙ミン
他にも書いてたら、よければ作品名教えてくれ


翌日

更衣室


ライナー「アニの白パンもよかったが、サシャのひもパンは更にいい物だったな。ひもが解ける瞬間はたまらん///」

ベルトルト「…………」

クリスタ「しましま模様が芋いアルミンにはグッドチョイスだったよね///あれが黒のレースだったら、つまらなかったと思う///」

ユミル「今日はミカサだろ?色気のあるパンツなんて持ってんのか?」

マルコ「彼女は幼馴染みだし、アルミンの好きなパンツを知っているんじゃないかな」

コニー「まぁた女かよー。アルミンも嫌なら嫌って言えば?」

アルミン「あはは……。本当、それに尽きるよね。でも手遅れかな……。いや、いいんだよ。アニとサシャのおかげで、もうほとんど抵抗もないんだ」

エレン「そりゃよかったな」


アルミン「……。今日はミカサだし、変な物は寄越さないと思うからね……」

ミカサ「アルミン。これを」ガサッ

アルミン「ありがとう。……僕が履いちゃっていいの?」

ミカサ「もちろん」

エレン「どんなのだ?」

コニー「オレも知りてぇ!」

ミカサ「シンプル」

アルミン「それを聞いてちょっと安心したよ……。じゃあ、履いてくるね」


シャッ


ミカサ「……」

エレン「……」

ミカサ「……エレンでも履ける」

エレン「いや、オレはいらねぇし。履かねぇぞ?」


3分後


ミカサ「アルミン……。どう?きつくない?」

アルミン「……サイズは大丈夫なんだけどさ……。用意したのって、この一枚だけなの?」

ミカサ「うん」

アルミン「……。なら、これでいいんだね」

エレン「履き終わったのか?」

アルミン「うん」シャッ

ユミル「…………!?」

ライナー「…………!?」

クリスタ「……え!?」

ベルトルト「…………」

マルコ「…………これは。……膝上およそ10㎝の黒スパッツだね」

クリスタ「え?パンツじゃないよね?」

ミカサ「……スパッツ(spats)とは、下着またはボトムスの一種である」


エレン「……」

ミカサ「下着としてスパッツを着用している場合は見せパンの一種となりうる」

エレン「お前らしいっちゃ、お前らしいな。動きやすいから、訓練してても邪魔にはなんねぇだろうし」

クリスタ「じゃ、じゃあ……!!///」

ユミル「まさか……!!」

ライナー「下には何も……///」

ベルトルト「履いてない……?」

アルミン「……これ1枚しかなかったから……///」モジ モジ

ライナー「」ブーッ

クリスタ「ぴっちぴちの黒スパッツを、肌の上に直接重ねちゃうなんて……///」

マルコ「下に何も履いてないから、体のラインがはっきり分かるね」

クリスタ「うん……////」

ユミル「遠くからでもばっちりだな」

スパッツの説明はWikipediaより抜粋しています


ライナー「…………///」タラーッ

アルミン「な、何だかライナーの目が怖いんだけど……」 サササッ

エレン「…………」

クリスタ「あっ!マルコが変な事言うから、またエレンの後ろに行っちゃったよ?///」

マルコ「僕のせいじゃなくて、お前達がある一点を見つめたからだろ」

アルミン「……」グイグイ

クリスタ「お願いアルミン……///生地を手で伸ばさないで欲しいな///スパッツは、体にフィットしてるからいいんだよ?///」

ユミル「んな事したって誤魔化せねぇぞ?」

アルミン「何もしないよりはマシだよ!///」グイグイ

ミカサ「……コニー、どう?」

コニー「パンツって感じがしねぇ」

ミカサ「そう。……残念だ」


_____


男子宿舎


アルミン「…………」ゴソゴソ

エレン「何してんだ?」

アルミン「今まで履いたパンツを並べてるんだよ。一番を決めるのに、ある程度絞っておいた方がいいだろ?」

エレン「あぁ……。明日で最後だからか」

アルミン「そうなんだよ!明日で7人目なんだよ!やっと終わるんだ……。エレンにとっては、来てほしくない日だろうけど」ゴソゴソ

エレン「なんで?」

アルミン「……?だって、一番の人に自腹でパンツを買わなきゃいけないって、言ってなかった?」

エレン「そうだ!……やべぇ。すっかり忘れてた……」

アルミン「賭け事も程々にね」



エレン「……。こうして見ると、結構履いてきたんだな。カラフルだし」

アルミン「うん。マルコのブリーフ、ベルトルトのトランクス。……アニの白いパンツ。ジャンのひよこパンツ、サシャのひもパン……」

エレン「…………」

アルミン「今履いている、ミカサのスパッツ……」

エレン「…………」

アルミン「……。並べるまでもなく、マルコのブリーフだったね」

エレン「アルミンはブリーフ派か?あのボロっちいパンツも、元はブリーフだったのか?」

アルミン「いいや。マルコのが一番履いてて抵抗がなかったって話だよ」

エレン「欲しい訳じゃねぇのか」


アルミン「前にも言ったじゃないか。パンツは履ければそれでいいんだ。特に拘りはないよ」

エレン「なら、ひもパンは?」

アルミン「……そんなに気に入ったなら、履いてみたら?はい」

エレン「え!?いらねぇよ!オレが履くのとお前が履くのじゃ、全然ちげぇだろ!?」

アルミン「同じ男なんだから一緒だよ」

エレン「ライナーがひもパン履くのと、お前が履くのじゃ全然ちげぇだろ?」

アルミン「…………」

エレン「…………」

アルミン「…………そうだね」

エレン「だろ?」

アルミン「……。やな想像しちゃったじゃないか……」

エレン「オレもだ……」


アルミン「…………」

エレン「…………」

アルミン「…………。エレンのパンツなら、欲しいけどね……。なんて……」

エレン「…………」

アルミン「…………///」

エレン「…………」

アルミン「…………///」

エレン「なんだ?聞こえなかったから、もう一回言ってくんねぇかな?」

アルミン「……やだ////」プイッ


翌日

更衣室


マルコ「個人的に昨日のスパッツは、ベルトルトのトランクス並に頂けなかったな。パンツは見せる物じゃないんだよ。下着っていうのは、服の中に隠れているからセクシーなんだ。表に堂々と出てるのなんて、下着じゃないからね。それこそ服と同じだよ」

クリスタ「昨日のスパッツ、私は好きだよ///ぴっちりアルミン……///もう一回見たいな……///」

ユミル「もうあれで生活しちまえばいいのにな」

コニー「は?あんな薄っぺらいの1枚じゃ、訓練で傷だらけになっちまうだろ……」

ライナー「ついにこの日が……///」

ベルトルト「…………」ドンドンパフパフ

ミカサ「…………」ピィー

アルミン「よーし!はりきって履こうよ!」

エレン「やる気に満ち溢れてんな」

アルミン「今日で最後だからね。どんなパンツでもどんとこいだよ!」


ミカサ「最後じゃない」

アルミン「え?」

ミカサ「…………」

エレン「……。最後じゃないって?今日で7人目だろ?」

ミカサ「ジャンが途中から参加している。ので、8人になっている」

アルミン「そうなの?」

エレン「ぬか喜びだったな」

アルミン「なら、今日は誰?」

ライナー「オレだ……」ヌッ

アルミン「」ビクッ

エレン「ライナーか……。でもお前、やれるパンツはないって言ってなかったか?」

ライナー「あぁ。残念ながら手持ちが少なくて、パンツはやる事ができねぇんだが……。お前の雑巾を見た以上、何とかしてやりたくてな。少しだが、これがオレからの気持ちだ」ガサッ

アルミン「あ、ありがとう」


エレン「…………」

アルミン「…………」

エレン「……。いつもより袋大きくねぇか?」

アルミン「……うん。大きいよね。どんなのかな……」

コニー「ライナーからだしな。きっと男らしいパンツだって!」

エレン「男の代表みたいな奴だからな」

ライナー「おい、よせよ。照れるじゃねぇか」

アルミン「……そうだよね!うん!着替えてくるよ!」


シャッ


エレン「で、どんなパンツなんだ?」

ライナー「見たら惚れ直すと思うぞ」


7分後


アルミン「…………」

エレン「…………」

ミカサ「…………」

クリスタ「…………」

ベルトルト「…………」

コニー「…………。……なんだ?こりゃあ」

マルコ「パーカーは分かるんだけど……。その下に着てるのは、見たことないパンツ?だね……。いや、そもそもパンツなのか?」

クリスタ「タンクトップとパンツを合わせたような……紺色の服、なの?でもなんだか、素材がおかしいような……」

アルミン「僕もこんなのは着るのも見るのも初めてだよ……」

ユミル「ライナーさんよ。これってなんなんだ?」


ライナー「////」タラーッ

ベルトルト「鼻血出してないで答えなよライナー」バシッ

ライナー「ぶふっ!……。……す、すまん」

ベルトルト「君さぁ……。本当にここに何しに来たんだよ?ねえ」グリグリ

ライナー「パンツの試着を見に来たんだろ?いてぇ!痛いぞベルトルト!!」

ミカサ「………」

ライナー「あれはな……。すくーるみずぎ、ってやつだ///」

エレン「すくーるみずぎ?」

マルコ「……?聞いたことないな」

クリスタ「こんなかたちの水着があるの……?」

ライナー「ん?古い歴史の本に書いてあったぞ。川で遊泳する時に女児達が揃って着ていた物だったらしい。それを街の店に頼んで、今ある材料で再現してもらった」

アルミン「今、女児って言ったよね……」

ライナー「想像以上の出来だ……///5日も待った甲斐があったもんだ……///」


マルコ「オーダーメイドなのか?凄い情熱だな……」

アルミン「確かにピッタリなんだけど……。なんでサイズ知ってるの……?」

クリスタ「……いいかも///」

ライナー「わ……分かってくれるか///」

クリスタ「うん///男の子なのにわざわざ胸を隠してるのが、イケナイ感じがして素敵だよ///」

ライナー(結婚しよ)

ユミル「よーく見ると、おっぱい浮き出てねぇか?」

アルミン「!!///」ジャッ

ユミル「あっ!パーカーあげやがった!てめぇ……それでも男か!」

クリスタ「でも、パーカーの裾から見える太股もいいよ!///」


ユミル「男ならムダ毛ぐらい生やしやしたらどうなんだ?」

クリスタ「ユミル見てみて!あのパーカーの袖!ぶかぶかで指が出てないよ!///」

ライナー「いい……///」タラーッ

アルミン「やめて!///やめてよ!!///」

エレン「落ち着け。アルミン……」ガシッ

アルミン「え?エレン……?///」

エレン「…………」ジャッ

アルミン「」

エレン「オレは開けといた方がいいと思うな」

マルコ「僕は閉めた方が好きかな」

ベルトルト(……。可哀想…)

ミカサ「コニー、どう?」

コニー「パンツじゃねぇじゃん」


_________


男子宿舎


マルコ「アルミンって、今日のすくーるみずぎ、も着たままでいるのか?」

アルミン「うん。早く脱ぎたいよ。トイレに行った時すごく大変なんだ……。面倒なルールだよ」

マルコ(従ってるお前もどうかと思うけど……)

アルミン「僕さ、本当はパンツなんて履ければ何でもいいんだ」

マルコ「え?」

アルミン「だから凝ったデザインの物を見ても、ピンとこない……」

マルコ「ちょっと待ってくれ」

アルミン「へ?」

マルコ「今、お前はパンツなんて履ければ何でもいいって、言ったのか?」


アルミン「う、うん」

マルコ「…………」

アルミン「…………?」

マルコ「それは間違っているよ!!」

アルミン「えっ!?」ビクッ

エレン「なんだ。どうした?」

アルミン「い、いいや。マルコが急に……」

マルコ「ちょっと座って話そうか」ストン

アルミン「う、うん」ストン

エレン「よく分かんねぇけど、付き合うよ」ストン

マルコ「…………」

アルミン「…………」

マルコ「……お金って大事だよね?」

アルミン「え?うん。お金がないと、生活していけないからね……」

マルコ「そうだね。加えて僕らは給与も僅かばかしの訓練兵だ。食事と住まいは与えられているとは言え、浪費できるお金は限られている。将来を考えて貯金している奴なら尚更だ」


アルミン「うん」

エレン「…………」

マルコ「食と住は訓練兵でいる限り保障されているけど、衣類は別だよね。小遣いの中から僕らは服や、下着を買っている訳だけど……。知っての通り、それらはみんな高価だ。だから、洗濯を繰り返しても耐えられるような丈夫で、長持ちしそうな物を選ぶだろ?」

アルミン「そうだね」

エレン「あぁ」

マルコ「じゃあ本題に入るけど……。二人とも、股間を蹴られたら死ぬほど痛いよな?」

アルミン「死ぬほどね」

エレン「蹴り返すけどな」

マルコ「そう。股間は男の体の中で一番弱い部分だ。そして人類繁栄に欠かせない生殖能力を備えているから、一番大事な部分とも言える。男の象徴だね。それを守っているのが」

アルミン「…………」

エレン「…………」

マルコ「…………パンツだよ」


アルミン「…………」

マルコ「僕はね、服や趣味にばかりお金をかけて、一番大事な部分を覆う布選びを、疎かにしてはいけないと思うんだ」

エレン「…………」

マルコ「どんなデザイン、どんな種類、どんな生地のパンツになら、自分の股間を任せられるのか?こいつは自分の股間をちゃんと守ってくれるやつなのか?男の象徴であるそれを、より輝かしく見せてくれるか?……決して、適当に考えちゃいけないんだ」

アルミン「…………」

マルコ「アルミンのパンツは、ちゃんと股間を守ってくれてたか?」

アルミン「え?うん……」

マルコ「そうか?すぐ穴が空いたり、ゴワゴワして肌触りも悪かったんじゃないか?見た目は風呂場の雑巾だし」

アルミン「……!」

マルコ「そんな雑巾に、一番大事な部分を任せていいのか?履ければいいなんて適当に買ったやつに、自分の弱い部分を晒けだしてもいいの?」

エレン「…………」


マルコ「良くないよ!どんなにお金をかけたって、どんなに選ぶのに時間がかかったって、こいつしかいない!ってやつに任せないといけないんだ!」

アルミン「うん。……うん!」

エレン「…………」

マルコ「だからお前は、今まで履いてきたパンツの中から、こいつならってやつをちゃんと選ばなくちゃいけないんだよ!アルミン!」

アルミン「そうだね……!」

マルコ「分かってくれたか!」ダキッ

アルミン「うん!僕、ちゃんと選ぶよ……!ありがとう。マルコ!」ギュッ

エレン「………」パチパチ




ジャン「…………」

ジャン(……。マルコの言ってる事が分からん……。くそ……。でも好き!)



アルミン「エレン!」

エレン「え?」

アルミン「明日って誰なの!?」

エレン「クリスタだよ」

アルミン「」ビクッ

エレン「…………」

アルミン「…………お腹いたい」

マルコ「あはは」

エレン「夕飯に変な物でも入ってたんじゃねぇの?」

今日はこれで終わります。

>>136
終わったのはこれです
アニ「アルミン……あんただから、だよ」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1377949634/)

そうだな、履ければいいかもな
http://item.rakuten.co.jp/yongshun/m630/

マルコの論旨に合致しないけど、雑巾よりは良いよね


翌日

更衣室


ライナー「今日が最後だなんて信じられんな。まだ履いてないパンツは沢山あるというのに……。オレにもっと金があればな……」

マルコ「何を言うんだ。ライナーはよくやったよ。パンツではなかったけど、昨日のスク水はアルミンにとても似合っていた。あれを着せる為に街まで走った君の情熱を、僕は見習いたいよ」

サシャ「スク水ってなんですか?」モグモグ

ジャン「ミカサ……///また隣に座ってもいいか?///」

ミカサ「好きにすればいい」

ユミル「おいクリスタ。まさか半端なパンツ持ってきてねぇだろうな?」

クリスタ「心配しなくても、手抜きなんて一切してないから大丈夫だよ」

コニー「なぁ、この試着って何の為にやってんだっけ? アルミンのパンツを選ぶ為だよな?」

ミーナ「そうなの?やだ。……みんなアルミンのパンツ姿が見たいだけだと思ってたよ……///」

ベルトルト「…………」ドンドンパフパフ

アニ「…………」ピィー

アルミン「……人数多くない?」


ミカサ「私が呼んだ」

エレン「なんでだよ……」

ミカサ「最後だから、賑やかな方がいいと思った……」

アルミン「…………」

ミカサ「…………」

アルミン「ミカサなりの気づかいなんだね……。ありがとう……」

ミカサ「礼には及ばない」

エレン「今日はクリスタだな」

クリスタ「…………///」ススス……

アルミン「クリスタ……。ごめんよ。君にまで僕の為に、パンツ用意させちゃって……」

クリスタ「ううん。いいの///気にしないで?これが私からのパンツだよ///」ガサッ

アルミン「…………今日も、袋大きいね」


クリスタ「中身はパンツだから、安心して?今日の為に買ったから、一回も履いてないよ///」

アルミン「え!?わざわざ買ったの?ライナーといい、お金を使うことはないのに……」

クリスタ「いいから着替えてきて///」

アルミン「う、うん……」

エレン「昨日の勢いはどうしたよ。最後なんだから、気合い入れていけって!」

アルミン「……そうだね。がんばるよ!」


シャッ



エレン「どんなの用意したんだ?」

クリスタ「ないしょ」



10分後



エレン「…………おせぇな」

ライナー「///」ワクワク

ユミル「…………」ワクワク

サシャ「…………」モグモグ

マルコ「…………」ニコニコ

ミーナ「…………」ドキドキ

ジャン(ミカサ……///)ドキドキ

ミカサ「…………」

ベルトルト「…………」

アニ「…………」

コニー「遅くねぇ?」

エレン「アルミーン。まだ終わんねぇのか?」



ウン……


クリスタ「履き方が分からないの?」


イヤ、ウン……


エレン「……?」

コレハナイヨ……


エレン「なぁ、アルミン?」ヒョイ

アルミン「わ゛っ!!///」

エレン「どうしたよ?」

アルミン「あ…………///」



エレン「…………なげぇ靴下だな」

アルミン「うん。太股まであってさ……。履き口にフリルが付いてるし、男の僕が履いていい物じゃないよね……」

エレン「パンツも履き終わってんじゃねぇか。開けても」

アルミン「待って待って!!///開けないで!!////」

エレン「なんだよ」

アルミン「まだこれがあって……」

エレン「なんだこれ?レース?リボン……んん?……腰巻きか?」

アルミン「やっぱりそう見える?でもなんか、ベルトみたいなのが付いてるだろ?それってどこに止めるのかと思ってさ……」

エレン「んー……。巻いてみればいいんじゃねぇか?結んでやるから後ろ向けよ」



アルミン「…………////」

エレン「背中」

アルミン「…………やだ」

エレン「え?後ろ向かねぇと結べねぇだろ。ほら」

アルミン「う、後ろはヤなんだよ……///」

エレン「何がヤなんだよ。訳分からん」グイッ

アルミン「わひゃっ!!///」クルン

エレン「」

アルミン「うぅ////」



*




ミカサ「エレンも出てこない……」

ジャン「エレンも履いてんじゃねぇだろうな……」

マルコ「履くのにこんなに時間のかかるパンツなんてあるのか?」

ライナー「アルミンの悲鳴が聞こえた後、物音もしなくなったな……。まさか……」

ベルトルト「…………」

アニ「…………」

サシャ「…………」モグモグ

ミーナ「心配になってきたよ……」

コニー「サシャー。オレにも芋くれよ」

ユミル「おい……。どんだけ面倒くせぇパンツあげたんだよ?」

クリスタ「えっ?普通のだよ……」

エレン「クリスタ!!」シャッ

一同「」ビクッ


クリスタ「あっ。終わったの?///」

エレン「あっ終わったのじゃねぇよ!なんだありゃ!?パンツじゃねぇだろ!」

クリスタ「パンツだよ?」

エレン「どこがだ!尻見えてんだろうが!!」

ライナー「!?」ブーッ

ミカサ「…………」

ジャン「しり……?」

ベルトルト「…………」

アニ「…………!」

マルコ「Tバックって事か……!」

サシャ「…………」モグモグ

コニー「てぃー?」

ミーナ「えっ!?そんなの履いたの!?」


アルミン「え、えれん……。声大きいよ……」コソコソ

ユミル「おい。カーテンに隠れてんじゃねぇ。出てこい。本当にTか証明しろ」

ライナー「同感だな///」タラーッ

アルミン「いやだよ!!////」

エレン「あんなんじゃ訓練で尻から転んだ時もろにイテェだろ!?」

アニ「…………」

ミーナ「そこ?」

クリスタ「お尻を見せるのが恥ずかしいってこと?」

ベルトルト「…………」

クリスタ「なら大丈夫だよ!私が持ってるこのレースのキャミソールを着れば、ギリギリお尻は隠れるから」

ライナー「…………」ボタボタ

アルミン「クリスタが持ってちゃ駄目じゃないか……」


クリスタ「あ。あとガーターベルトは履けたかな?レースいっぱいで可愛いでしょ?///」

ジャン「男のガーターベルト……」

アルミン「そのガーターベルトって物の付け方もよく分からないし……。もうズボン履いていいかな?いいよね……」

クリスタ「え?なんで?」ガタッ

アルミン「びゃっ!!」

エレン「おいクリスタ……」

クリスタ「アルミン、ほら。出てきてよ。ね?お願い……///」グイグイ

アルミン「いやだ!いやだ!///無理だよぉ!!////」 ウルウル


アニ「ア、アルミン…………」

ベルトルト「…………」

クリスタ「一生のお願い///」グイグイ

アルミン「一生に一度きりのものをこんな事に使っちゃ駄目だよ!////いやだいやだ」

マルコ「履き方を教えてあげればいいのに」

ユミル「……そうだよな。クリスタが見本見せればいいんじゃないか」

一同「…………」

クリスタ「え?」

アルミン「へ?」

マルコ「え?」

エレン「ん?」

コニー「?」

ユミル「だーかーらー。お前が先にガーターベルト履いて、見本見せてやれって」

クリスタ「……?何言ってるの?ユミル……」


ミカサ「…………」

ベルトルト「…………」

ライナー「………………………………くーりすたっ」ボソッ

クリスタ「!?」

ユミル「クーリスタッ。クーリスタッ」

ライナー「クーリスタ!クーリスタ!」

クリスタ「!?……!?」

コニー「なんだか分からんがクーリスタッ!!クーリスタッ!!」

ジャン「クーリスタッ!!クーリスタッ!!」

マルコ「よしっ!!クーリスタッ!」

エレン「……!?クーリスタッ!?」

ベルトルト「ク、クーリスタッ!」

クリスタ「ちょっと……。待ってよみんな!/////」

アルミン以外の男一同&ユミル「クーリスタッ!!クーリスタッ!!!」


アルミン「…………」

サシャ「…………」モグモグ

アニ「…………」

ミーナ「…………」

ジャン「クーリスタッ!クーリスタッ!クーリス……。はっ!!」

ミカサ「…………」

ジャン「いやこれは……」

クリスタ「もっ。もうやめて!!///」

アルミン「クリスタ……」

クリスタ「私、みんなの前でTバックやガーターベルトなんて履けないよ!///履けないよ!!////」ウルウル

アルミン「…………」

クリスタ「…………」ウルウル

アルミン「……履かなくていいよ」

クリスタ「アルミン……」ウルウル


アルミン「ごめんよ。僕がグズグズしてるから、クリスタが責められちゃったんだよね。な、泣いちゃったし……。ごめん」

クリスタ「…………」ウルウル

アルミン「僕、ちゃんとクリスタがくれたパンツを履くよ……。口頭でいいから、ガーターベルトの付け方を教えてくれるかい?」

クリスタ「…………うん///」ニコッ

アルミン(可愛い)

ライナー(結婚しよ)

マルコ(天使)

ジャン(女神)

ベルトルト(神様)

ユミル「ちっ」


エットネ……///

フムフム……///


10分後


アルミン「これでいいのかな……///」

ライナー「最高だ……///」タラーッ

ベルトルト「…………」

アニ「……」

ジャン「本当に着てやがる……」

クリスタ「白いレースのパンツに、白のガーターベルトとストッキング、白いキャミソール……。アルミンに似合うか心配だったけど、白でまとめて良かった///」

マルコ「キャミソールの刺繍がいいね。水色の花の」

ミーナ「うん。私も可愛いと思う。胸元と裾にだけ刺繍されてるのが、シンプルでいいな」

クリスタ「私は、ストッキングの履き口にフリルが付いているのが気に入ってるんだ///」

サシャ「本当にTバックなんですか?」


ユミル「背中見せろよ。どうせキャミソールで隠れてんだろ?」

アルミン「いやだよ///キャミソール透けてるし……///」

エレン「……。女みたいになっちまったな」ペラッ

アルミン「スカートみたいにめくらないでよ///」

エレン「このベルトって、ストッキングに繋げるもんだったのか」ペラッペラッ

アルミン「もう……///もう……///僕、男なんだよ……!?////」ウルウル

エレン「…………」

アルミン「なのに……///なのに、なんでエレン……。こんな格好……!////」ウルウル

エレン「…………」

アルミン「……////」グスッ


エレン「…………」ペラッ

アルミン「…………」

エレン「…………」ペラッペラッ

アルミン「僕の話聞いてるの?」

エレン「お前が着るって言ったんだろ?」

アルミン「そうだけど!///」

アニ「……かわいいよ」

アルミン「……どうも……」

ミカサ「コニー、どう?」

コニー「その上からシャツやズボン着るの無理じゃねぇか?あとなんだっけ……てぃー?尻見えてるパンツなんて、エレンじゃねぇけど落ち着いて訓練できねぇよな」

エレン「だよな!」

コニー「ズボン破けたら尻丸見えじゃん」ケラケラ

ライナー「それは言えてるな」


ジャン「訓練じゃなくても、落ち着かねぇだろうな……」

ミカサ「…………」

サシャ「そんな事ないですよ?私、よく履いてますけど普通のパンツと同じですし、訓練にも集中できてますから」モグモグ

アルミン「……!?」

エレン「は……!?」

ライナー「な……!?」

マルコ「え……!?」

ベルトルト「なんだと……!?」

コニー「マジ……!?」

ジャン「よく……!?」


________




エレン「マルコのブリーフか?」

アルミン「え?」

エレン「一番いいと思ったパンツだよ。明日、みんなに伝えるんだろ?」

アルミン「あ。あぁ、それか……」

エレン「…………」

アルミン「マルコのじゃないよ」

エレン「じゃあどれだ?オレには先に教えてくれよ」

アルミン「……ずっと考えてはいるんだけど……」

エレン「ひもパンか?」

アルミン「……どうして紐に執着するの?」



エレン「別に執着なんてしてねぇけど……。今日のこの」グ イッ

アルミン「わっわわわっわわわわっふ!!///」

エレン「ガーターベルトってやつも結構好きだし」

アルミン「見なくてもいいじゃないか!///」プンッ

エレン「…………」

アルミン「……じゃあ、ガーターベルト履く?それだけなら今貸せるよ」

エレン「え!?いらねぇよ!だから、そういうのはお前が履いてるから良いと思うんだろ」

アルミン「…………」

エレン「…………」

アルミン「…………」

エレン「……?どうした?また頭いてぇのか?」


アルミン「……。いろいろ……。色んな事がぐちゃぐちゃで……」

エレン「お前はさ、昔から考えすぎなんだよ。オレは考えなしだから、何度もそれに助けられてはきたが……。でも、もっとシンプルに物事を捉えてもいいと思うぞ」

アルミン「…………」

エレン「…………」

アルミン「…………もう寝る」

エレン「おやすみ」

今日はこれで終わります。

>>183
いろいろすごいですね……



翌日

更衣室



コニー「…………」

エレン「アルミンは一番のパンツを決めたら、それを貰えると思ってんだろ?」

コニー「うん」

エレン「でもそうじゃねぇんだ。この試着はオレがあいつに新しいパンツをプレゼントする為の、事前調査みたいなもんでさ」

コニー「うん」

エレン「今日は休日だし」

コニー「だな」

エレン「オレの計画では」

コニー「おう」

エレン「昨日の内に、アルミンが一番欲しいと思ったパンツを聞き出しておいてだな」

ベルトルト「…………」


エレン「同じようなパンツを朝の内に買っておいて」

アニ「…………」

エレン「ここでアルミンが気に入ったのを発表するって時に渡して、驚かせてやるつもりだったんだ」

ミカサ「いい考え」

マルコ「サプライズだね」

エレン「でも上手くいかねぇんだよな」

クリスタ「というと……。アルミンの欲しいパンツは、まだ決まってないって事なの?」

エレン「みたいだ」

ユミル「……ところで、アルミンの気に入るパンツを持ってきた奴には、お前が自腹でパンツプレゼントするって話は本当か?」

エレン「マジだよ……。だからみんな乗ってくれたようなもんだしな……。仕方ねぇ」


ライナー「オレはパンツより別のもんが欲しいが」

エレン「パンツより安けりゃそれでも構わねぇ」

コニー「つーかアルミンおっせぇな。遅刻か?」

アニ「のろいからね……」

ジャン「ミカサ……。例えば、例えばの話なんだが……。オレがひよこパンツを履いたらどう思う?」

ミカサ「どうも思わない……」

サシャ「エレン!アルミンに選ばれた人には街中食べ歩きの旅プレゼント、って話は本当ですか!?///今日はお休みだし、今から行きましょう!ねっ!///」

コニー「お前は話聞いてたのかよ?バカ」

エレン「バカだな」




ガチャッ



アルミン「ごめん。遅れてしまって……」

エレン「待ちくたびれたぞ。何してたんだ?」

アルミン「うん。ちょっと。……みんなもごめんよ。休日なのに、集まって貰っちゃって……」

ライナー「気にすることないぞ」

アニ「好きで来たんだからね」

サシャ「アルミン!アルミンは誰のパンツが欲しいんですか?私のですか?」ワクワク

ユミル「クリスタのガーターベルトだよな?」

マルコ「ブリーフじゃない?」

ベルトルト「…………」

アルミン「うん。それなんだけど……」

ミカサ「……?」

アルミン「…………」

ジャン「…………あのなぁ。こっちは休日潰して来てんだぞ。勿体ぶってねぇで、さっさと教えろよ 」



アルミン「…………」

ミカサ「……どうしたの?」

アルミン「…………ごめん」

クリスタ「え?」

アルミン「欲しいパンツは、決められなかったんだ。どのパンツも、受け取る事はできない」

ベルトルト「え……」

エレン「そうなのか?」

アルミン「…………これは、友達の受け売りなんだけど……」

マルコ「…………」

アルミン「パンツっていうのは…………。こ、股間っていう、男の一番大事な部分を守る物だから…………」

エレン「…………」

ミカサ「…………」

アルミン「自分で何とかしたいんだ」


アルミン「僕は知っての通り、劣等生だ」

サシャ「…………」モグモグ

アルミン「普段から、同期であるみんなの足を引っ張ってばかりいる。みんなに助けてもらってばかりだ。 ……ライナーは」

ライナー「ん?」

アルミン「訓練でいつも遅れがちな僕を、自分の評価が下がるのを顧みずに、庇おうとしてくれて……」

ライナー「そんな事ないさ」

アルミン「アニは、弱い僕相手にも格闘術を教えてくれ て……」

アニ「…………」

アルミン「ジャンは、立体機動で上手くバランスの取れない僕に、コツを教えてくれるし……」

ジャン「…………」

アルミン「クリスタは馬の世話を一緒にしてくれる。どんな風に扱えば馬が懐いてくれるか、一生懸命話してくれる」

クリスタ「…………」


アルミン「サシャとコニーは、訓練で行き詰まった時に、よく僕を遊びに誘ってくれるだろ」

サシャ「…………」モグモグ

コニー「?」

アルミン「ベルトルトやマルコは、座学の授業の事でよく相談に乗ってくれるし………」

マルコ「…………」

ベルトルト「…………」

アルミン「ユミルは……僕が落ち込んでると、きつい言い方だけど、助言してくれる」

ユミル「…………」

アルミン「エレンとミカサは…………」

ミカサ「…………」

アルミン「小さい頃から、僕が泣いていると駆けつけてくれて……。今だって、馬鹿にされたりしていると、すぐ助けに来てくれる。いつも傍にいてくれる……。二人が一緒にいてくれるから……僕は……」グスッ

エレン「…………」



アルミン「僕は、みんなに助けられて、守られてばかりなんだ。みんながいなかったら、僕は訓練兵としてここに残れてはいないと思う」

コニー「大袈裟じゃね?」

アルミン「だからね!」

マルコ「…………」

アルミン「これ以上、みんなに守られていてはいけないと思った。ましてやみんなのパンツに、僕の一番大事な部分を守らせる訳にはいかないって思ったんだ」

ジャン「?」

アルミン「僕は、この目で色んなパンツを見て、よく考えて選んで、自分のお金で買ったパンツで、自分のこ、こ、股間を守りたいんだ」

マルコ「アルミン……」

サシャ「…………」モグモグ


コニー「……なんかよく分かんねぇけど、要するに自分でパンツ買いに行くからいらねぇって事だよな?」

アニ「……あんたがそう決めたんなら、異論はないよ」

ミカサ「私も」

アルミン「ありがとう。みんな折角用意してくれたのに……。こんな結論を出してごめん。お金も使わせちゃったみたいだし、本当に申し訳ないんだけど……」

ライナー「謝るなよ。オレはお前のスク水姿が見られただけで充分だ。見返りなんてのはどうでもよかった」

クリスタ「私もだよ!パンツなアルミンを沢山見れて、毎日が楽しかった///」

アルミン「そ、そうかい……」

ライナー「といってはなんだが……。返さなくていいから、たまに、また着てくれると///」

クリスタ「私からもそれはお願い////」

アルミン「…………うん。たまに、本当にたまに着てみるね」

エレン「金使わなくて済むんなら、それに越した事はねぇよ」


ジャン「オレはひよこが返ってくるなら、後はどうでもいいね」

ベルトルト「僕も……。新しいパンツを買って欲しい訳じゃなかったし、別に……」

サシャ「私は本当にあげちゃうつもりでしたから、大丈夫ですよ。エレンには別の理由でご飯奢ってもらいますから」モグモグ

エレン「奢らねぇって言ってんだろ」

ユミル「分かったぞアルミン。納得してやる」

アルミン「助かるよ」

ユミル「ただしだ!条件がある」

アルミン「条件?」ビクッ

ユミル「一週間以上私達を付き合わせたんだ。ただで納得はしねぇよ。新しいパンツを買ったら、御披露目しろ!」

アルミン「…………」

クリスタ「アルミンがどんなパンツを選ぶのか、気になるものね///」

エレン「前のパンツは雑巾だったから、元の色も形もいまいち分かんなかったしな……」



アルミン「…………それなんだけど」ガサッ

エレン「なんだ?その袋」

アルミン「あ……///新しいパンツ……///買ってきたんだ……///」

ライナー「!!」カッ

ユミル「は!?もう!?」

アルミン「その、ここに来る前に街で……///だから遅刻しちゃったんだ///」

クリスタ「それなら話は早いね。早速履いてみてくれる………?////」

アルミン「え?」

アニ「…………」

ユミル「御披露目が見せるだけの意味だと思ったのか? 試着も込みに決まってんだろ。さっさと履いてこい」

ライナー「」ワクワク

アルミン「えっ、えっ」



ミカサ「アルミン……」ガシッ



エエエー



マルコ「どんなのかな?」

エレン「ブリーフじゃねぇかな」

コニー「ボクサーパンツ!」

ジャン「じゃオレはトランクスに一票だ」

ベルトルト「意外とそっち系に目覚めてたりして……」


5分後


ミカサ「終わった?」

アルミン「……うん。なんだろう。何だか今までで一番恥ずかしいな……///」シャッ

マルコ「黒か……」

ジャン「普通すぎて感想がねぇ……」

コニー「だから言ったろ!ボクサーパンツだって!」

ライナー「かっこいいじゃないか」

エレン「新鮮だな」

ベルトルト(今まで変なのばかり履いてたからね……)

ユミル「つまんねぇな。もっと相手の度肝を抜くようなの履けよ」

アルミン「そんなの履いてる僕も落ち着かないと思うから、やだよ……」

サシャ「黒は地味じゃありませんか?」

クリスタ「控えめなアルミンらしくていいと思うな」

アルミン「実は予備で、色違いも買ったんだ///青いやつ……。でもそれは、このパンツに慣れてから履きたいと思ってるから……///」


ミカサ「似合っている」

アルミン「ありがとう」

アニ「……男らしくなったね」

アルミン「そ、そうかな……///」モジモジ

マルコ「そのパンツにした決め手はなんだったの?」

アルミン「うんと……。一番は生地かな。ジャンのひよこパンツは、柄はともかく肌触りがよくて、他のが比じゃないほど気持ちよく過ごせたんだ。あんな物が他にもあったらいいなって……でもさすがにコットン100%には手が伸びないから……似たような生地の物を探したよ」

マルコ「うん」

アルミン「あとはサイズだね。ベルトルトのトランクスやアニのパンツを履いて分かったけど、サイズが合ってないと、違和感が凄いんだ。子供の頃はぶかぶかのパンツを履いても気にならなかったんだけどな。ぴったりの物を選ぶ為に、寸法をはかったよ」

マルコ「そうだね」

アルミン「ベルトルトのトランクスの話をしたけど、形はトランクスが一番好みだったんだ。丈が短いと尚良いと思った」

終わりがけで今更なんだが、
これもしかしてネタ元みたいなんてある…?


ベルトルト「…………」

マルコ「うんうん」

アルミン「色は黒だと少し大人っぽく見えそうだろ?僕は童顔で実年齢より幼く見られがちだから、せめてパンツだけでもね。予備の青は完全に僕の好みだよ。次にパンツを買う時は柄のある物にも挑戦してみたいな」

マルコ「なるほどな」

アルミン「肌触り。フィット感。形。色。全ての条件を満たしていたのが、このボクサーパンツなんだ」

ジャン「なんであんなに熱く語れる?」

エレン「わからん」


アルミン「これこそ、僕が選んだ、僕に一番似合うパンツだよ!」グッ

>>249
ネタ元はサイン会のやり取りです





…………………………

…………………

………

……





*

>>251
いや、そこじゃなくて、
アルミンにパンツ選ばせるシチュエーションに
ネタ元はないんかなーと
でもなさそうだな、失礼失礼


男子宿舎


コニー「ぶはっ!ジャン!お前ひよこ返して貰ったのかよ!?履くのか!?履いちまうのか!?ジャンちゃんになっちまうのか!?」ケラケラ

ジャン「うるせぇな!履かねぇよ!////」

マルコ「案外似合うかもしれないよ」

ジャン「いや、今はまだ履かねぇ。これはミカサとの来るべき日の為に取っておくんだ……」

コニー「ぴーよぴよ」

ジャン「……コニー……。てめぇはオレを怒らせた!!」 ダッ


ギャーッ ジャンニコロサレルーッ!

アハハハハハ


ベルトルト「…………」

ライナー「ベルトルト……。その紺色のトランクス、今度オレにも履かせてくれないか?」ワクワク

ベルトルト「…………」


トンデモナイヘンタイダ……



アルミン「パーパパパーパパパステルパンツーボクサーボクサーボクノパ ンツサー♪」

エレン「機嫌いいな」

アルミン「新しいパンツのおかげさ!大事な場所が爽快だと、気持ちまで明るくなってくるんだね」

エレン「雑巾とは比べ物になんねぇか?」

アルミン「うん。エレンとミカサには感謝してるよ」

エレン「……?何を?」

アルミン「二人が提案したあの試着がキッカケで、僕はパンツの尊さに気づく事ができたんだ」

エレン「…………本当はさ」

アルミン「うん?」

エレン「いや……。パンツってたけぇし……。オレが半分くらい金出しても良かったんだけどな」

アルミン「……何かと思えば……」


エレン「…………」

アルミン「言ったじゃないか。僕は自分の力でこのパンツを手に入れたかったんだ。お金を払ってもらうなんて、もっての外だよ」

エレン「……そうだな。お前が納得してんだもんな」

アルミン「僕にお金を使うより、エレンも新しいパンツ買った方がいいよ。世界が変わるよ!」

エレン「考えとく。……あー」

アルミン「?」

エレン「でも、これはやるよ」



ポイッ



アルミン「何これ?……」ヒョイ


エレン「…………」


アルミン「………これって……」


エレン「…………」


アルミン「…………」


エレン「…………」


アルミン「……//////」カァアア……


エレン「……」


アルミン「……/////」


エレン「…………なんだよ!/////」


アルミン(ちゃんと聞こえてたんじゃないか……)


エレン「オレのパンツが欲しいんだろ?」








アルミン「僕に一番似合うパンツ」終わり**

以上です。
読んでくれた方、レスをくれた方、ありがとうございます。

>>253
そうですね。そういうのはなかったです。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom