アニ「カラスの勝手でしょー」
ライナー「…え?」
ベルトルト「…えー…」
アニ「何だい」
ベルトルト「ひっさびさに聞いた…」
ライナー「そんな子供レベルの替え歌…」
アニ「いや実際勝手に鳴くもんじゃないのかい」
※単行本10巻くらいまでのネタバレ含みます
ベルトルト「違うよーお母さんを恋しがってるんだよ!」
アニ「はあ?カラスがそう言ってるのをあんたは聞いてたっての?」
ベルトルト「えっ」
アニ「『ママー!』って?え?どうなんだい」
ベルトルト「うっうっ…」
ライナー「やめろ!ベルトルトをいじめるんじゃない」
男「まずこのssにて注意していただきたいことが」
1、>>1はss初心者。「いくらなんでもこれはないわ」 とか「キモ過ぎる」 とか思った人はブラウザの戻るを押してください。
2、メタ発言があります。ご容赦ください。
3、更新が遅くなります。
男「まあこんぐらいか。あとは…まぁキャラの設定とし ては>>1の知り合いなどが使われている。 ちなみに主人公の設定はほとんど作者だ。」
男「次から口調かわる」
男「じゃぁ温かい目で見てやってください。はじまりは じまりー」
ベルトルト「助かったよライナー、僕は確かにカラス語は分からない」
ライナー「そっちかよ」
アニ「だろ?やっぱり勝手に鳴いてるんだよ」
ベルトルト「うぅ~~~~~む」
ライナー「納得いかん」
アニ「歌詞だと『カラスの山に可愛い七つの子があるからよ』って続くんだけどね」
ライナー「知ってんじゃねえか!!」
アニ「分からないなんて一言も言ってないよ」
ベルトルト「アニは天邪鬼だなあ」
アニ「夕焼けが目に沁みるからだよ」
ライナー「なんだそりゃ」
カーカー カーカー
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
ベルトルト「夕焼けとカラスは絵になるなあ」
ライナー「だな。故郷では腐る程見てきたはずなんだがな…」
アニ「……帰りたいね」
ベルトルト「ねー」
ライナー「なー」
アニ「ライナーキモい」
ライナー「何でだよ!!」
カーカー カーカー
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
アニ「…ここに来てからカラスが飛び回ってる姿なんか見るの初めてかも」
ベルトルト「あーーー…そう言えば…」
ライナー「言われてみれば」
アニ「数自体少ないのかな。絶滅しかかってるとか?」
ライナー「あいつらの生命力と繁殖能力は尋常じゃないんだぞ」
アニ「壁が邪魔で入って来れないとか?」
ライナー「それだ」
アニ「テキトーに言ったんだけど」
ベルトルト「もうすぐ終わる世界には近寄らないんだよ」
ベルトルト「終末が約束された世界にいる意味は無いって知ってるんだ」
アニ「…」
ライナー「…」
ベルトルト「カラスは頭が良いからね」
ライナー「頭が良いといえば」
アニ「何」
ライナー「故郷で収穫時期、カラスの大群にめちゃくちゃにされた時あったよな」
ベルトルト「あったあった」
アニ「苦々しいけど懐かしい」
ライナー「罠なんかあっという間に攻略していってな」
アニ「目の前に大量の食料があるのに油断は一切していなかった」
ベルトルト「カラスの大きさに合わせて作った人形を逆さに吊るして警告したこともあったんだけど」
ライナー「よく覚えてるな…」
ベルトルト「作ったの僕だったからなー」
ライナー「趣味悪っ」
ベルトルト「言っとくけどそれが一番効果があったんだよ!!」
アニ「効いたってことは、『自分達もこういう目に遭う』って悟ったからだね」
ライナー「な、頭良いよな」
ベルトルト「でもそれも長くはもたなかったよ」
支援ありがとう
ちょっと席外す
よし再開
ベルトルト「ニセモノだって気が付いたカラスは、本物のカラスの死体をその人形の下に置いてったよ」
アニ「おちょくられてるね」
ライナー「ショッキングな映像だな」
ベルトルト「で結局、その年は村の備蓄を食べながら冬を越したんだよね」
ライナー「カラスどもの完全勝利だな」
ベルトルト「皮肉な事に、鼠の被害も過去最低だったけどね」
アニ「あいつらマジ何でも食べるよ。マジで」
カーカー カーカー
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
アニ「…鼠かあ」
ライナー「何だ」
アニ「私さ鼠大っ嫌いなんだよねー…」
ライナー「知ってる」
ベルトルト「故郷のアニんちの物置小屋で鼠が巣作ってたよね」
アニ「マジ大ッ嫌い」
ライナー「トレーニングジムの模様替えの手伝いで俺らとベリックが駆り出されてな」
ベルトルト「物置小屋、二年ぶりくらいに開けたんだよね」
アニ「マジ大ッ嫌い」
ライナー「すると何ということでしょう」
ベルトルト「床という床に鼠のフンが」
アニ「マジ大ッ嫌い」
ライナー「あいつらも何でも食べるよなー」
ベルトルト「柱やら壁やら年季入ったサンドバックやらがズタズタにかじられてて、おまけに鼠の子供ら大量に」
アニ「マジ大ッ嫌い」
ライナー「ベリックも鼠嫌いだったよな」
ベルトルト「そうだったそうだった」
アニ「マジ大ッ嫌い」
ベルトルト「でもあの光景を目の当たりにして気絶しなかったベリックを見て僕は惚れたね」
ライナー「脚ガックガクだったけどな」
アニ「大ッ嫌いだっつってんだろ」
ライナー「いてえ!!ここで蹴るな!!落ちるわ!!」
ベルトルト「ライナァーー!!」
ライナー「危なかった」
ベルトルト「よかった」
アニ「ふん」
ベルトルト「アニ、ライナーの謝りなよ」
アニ「か弱い乙女が何回も大ッ嫌いだって言ったのに盛り上がるそっちが悪い」
ライナー「話振ったのお前だ!大体か弱い乙女はこんな壁の上から蹴り落とそうなんてしねえ!」
ベルトルト「ライナーも落ち着いて」
ベルトルト「鼠と言えばさ」
アニ「うん」
ライナー「ベルトルトは言いのかよ…」
アニ「ベルトルトは何か許す」
ライナー「何か納得」
ベルトルト「訓練所の食料庫に一匹紛れ込んでたことがあったよね」
アニ「あー…あったあった。気持ち悪いったらありゃしない」
ライナー「何食ったらそんなに育つんだってくらいデカい鼠だった」
ベルトルト「子猫くらいのサイズはあったね」
アニ「鼠ども絶滅しろ」
ベルトルト「不運にも食料庫の点検当番がアニとマルコでね」
ライナー「訓練所中に響き渡るアニの絶叫」
ベルトルト「何事かと訓練兵皆で食料庫に駆け付けてみれば」
ライナー「何ということでしょう、マルコに必死の形相でしがみつくアニの姿が」
アニ「悪いことしちゃったよ」
ベルトルト「あの姿には流石のキース教官も驚いていたね」
アニ「…マルコは良い奴だった。私の絶叫にビビらず慰めてくれた」
ライナー「しかしその後のサシャが凄かったな」
ベルトルト「『鼠じゃないですかー!こんな所に貴重なタンパク源が!!』と言って、慣れた手つきで鼠を捕らえ、満面の笑みで……」
アニ「二ヶ月くらいサシャに近寄るの怖かった」
ライナー「目の前でボリボリされちゃ敵わんわ」
ベルトルト「その惨状を見たアニが、今度こそ気絶したね」
アニ「私の脳が理解することを拒否した結果、意識を手放した」
ライナー「気絶したお前を、マルコが救護室まで運んでくれたんだぞ」
アニ「えっほんと?」
ベルトルト「本当本当。後光が見えた」
ライナー「まるで王子様だったな」
ベルトルト「そばかすの王子様」
ライナー「あの後のジャンがまた…うるさかったな」
ベルトルト「もう水を得た魚のように二人をからかいまくってたね」
アニ「人類に明確な殺意を覚えた瞬間だった」
ベルトルト「残りの人類とばっちり」
ライナー「マルコずっと笑って受け流してたな」
ベルトルト「大人だったね…」
アニ「ジャンの飼い主はマルコしかいないと思った瞬間だった」
アニ「マルコは良い奴だったよ」
ライナー「な」
ベルトルト「ね」
アニ「本当に良い奴だった……」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「私ずっとお礼が言えなくてさ…」
ライナー「おう」
ベルトルト「…うん」
アニ「こないだ、やっと言えたんだ」
ライナー「こないだって」
アニ「マルコを殺す時………」
アニ『マルコ、あの時は助けてくれて本当にありがとう。みっともなく縋り付いちゃってごめん。ずっと言いたかった』
アニ「遅すぎるしシチュエーション考えろっていうね……」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「私こんな性格だから素直に言えないし、何時言おうか悶々と考えて、あっと言う間に何年も経って…気が付いたら口から出てた」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「でもマルコは『気にしなくて良いよ』って笑ってくれた」
アニ「自分が殺されるっていうのに…」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「本当に良い奴だったよ……」
ライナー「…ああ」
ベルトルト「…うん」
カーカー カーカー
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
ベルトルト「日が沈むね……」
ライナー「ああ…」
アニ「うん……」
アニ「目に沁みるなあと思ったけどさ…」
ライナー「夕日も、故郷を出てから久しぶりに見た気がする」
ベルトルト「三人でおんなじこと考えてたね」
アニ「こういうとこ、気が合うね私たち」
ライナー「ずーっと壁に囲まれてちゃあな…朝日が登る様子も、夕日が沈む様子も、見れないだろうな…」
ベルトルト「じゃあ今は、皆この夕日を見れてるかなあ…」
アニ「無理でしょ…………」
アニ「私たちが壁を破って、おびただしい数の巨人が次々と人間たちの生活域を侵していった」
ライナー「家も畑も、川も田も」
アニ「世界を統べる王の城も…」
ライナー「人類はみんな死に絶えた」
アニ「まだ生きてる人間も居るかもしれないけど、地面を覆い尽くさんばかりの巨人の群れに、すぐに見つかって食われてしまうだろうね」
ライナー「人類は負けたんだ」
アニ「人類は滅亡したんだ」
ライナー「クリスタも」
ベルトルト「ユミルも」
アニ「アルミンも」
ライナー「コニーも」
ベルトルト「ジャンも」
アニ「サシャも」
ライナー「ミカサも」
ベルトルト「……エレンも」
アニ「リヴァイ兵長も」
ライナー「皆巨人に踏み潰された…皆」
カーカー カーカー
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
ベルトルト「…夕日が沈むと、世界の終わりって感じがしない?」
ライナー「そうだなあ」
アニ「まさに今この事だね」
ベルトルト「………世界の終わりってさ」
ライナー「おう」
アニ「?」
ベルトルト「頭で想像していたのとちょっと違う」
アニ「…どういうこと」
ベルトルト「本で何度か読んだんだ。物語の最後に、人類が滅亡して世界が終わってしまう話…」
アニ「…暗い話だね」
ライナー「読んでて気が滅入りそうだ」
ベルトルト「その時はさ、空から大きな隕石が降ってきたりだとか、何もかも破壊する爆弾を使ったりだとか、とにかく派手に豪快に世界が幕を下ろすんだ」
アニ「爆弾……人間のする事は分かんないね」
ベルトルト「うん…でもそれが頭にあったから…なんというか…」
ベルトルト「跡形もなく無くなるんだ。人類も何もかも」
ライナー「そりゃな」
アニ「隕石や爆弾じゃね」
ベルトルト「でも…今、実際はどうだろう?」
ベルトルト「巨人は排泄器官が無いから、人間を食べても排泄することはない」
ベルトルト「生きていく為に食べる訳じゃないから、消化器官も無い」
ベルトルト「腹の中に入った人間は、満腹になったら吐き出される」
ベルトルト「そしてまた人間にかじりつく巨人たち……」
ベルトルト「吐き出された肉塊はだんだんと腐っていく。もしくは……」
ベルトルト「待ち構えた、カラスと鼠に食われていく」
ベルトルト「それを踏み潰していく巨人……」
ベルトルト「潰れた死体にまた群がるカラスと鼠……」
ベルトルト「そんな、みじめな光景を真っ赤に染める夕日…」
カーカー カーカー
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
ベルトルト「世界の終わりって、こんなものなのかなぁ…」
アニ「…こんなもんじゃないの?」
ライナー「またテキトー言って」
アニ「だって見たことないもの。隕石とか爆弾とか」
ベルトルト「そうだけど…」
アニ「この世界が終わろうと、日はまた沈むしまた登るし、雨も降れば雪も積もる。でしょ?」
ベルトルト「うん」
アニ「世界は終わっても、変わらず動き続けるんだよ。そこに人類がいないだけ」
ライナー「さてと、俺たちはこれからどうするかね」
ベルトルト「巨人化するには体力は限界だし」
アニ「太陽は沈みそうだし」
ライナー「巨人どもから逃げるために壁登って、立体起動装置のガスは尽きたし」
ベルトルト「巨人どもまで壁を登って来てるし」
アニ「絶体絶命。大ピンチ」
ライナー「でも不思議と怖くない」
ベルトルト「僕も」
アニ「私も」
ライナー「三人一緒に居るからかもな」
ベルトルト「僕ら故郷でもずっとつるんでたもんね」
ライナー「ベリックも加えて4人でな」
ベルトルト「4人の世界だったね」
アニ「…ふふっ……ほらね。世界はまだ終わっていない」
ライナー「…10m級が一匹登りきったな」
ベルトルト「ブレード使う?これで最後だ」
ライナー「いい。どうせまだまだ来るんだしな」
アニ「そうだね。意味無いね」
ライナー「ああ。それに、日が沈みきるのを見ていたい」
ベルトルト「あ、それ良いね。僕も目に焼き付けておこう」
アニ「それじゃあ私も」
カーカー カーカー
ライナー「カラス…まだ鳴いてるな」
アニ「帰る家を巨人に踏み潰されたのかもね」
ベルトルト「勝手に鳴くんでしょ」
アニ「そうだっけ。それか、沈む太陽を寂しがってるとかさ」
ライナー「それだな。きっとそうだ」
ベルトルト「手を繋ごうか」
ライナー「よっしゃ」
アニ「うん」
壁の上に数匹の巨人がうろうろしているのを確認したあと
僕らを捕まえた巨人の口に頭が包まれたまさにその瞬間
太陽は大地に隠れ、辺りに闇が訪れた
そして世界は終わった
おしまい
ライベルアニ組end?なのかな
何か色々おかしいね
支援ありがとう
指摘してくれた人ありがとう
ID違うけど>>1です
マルコとアニの食料庫云々の下りを思いついたから続けてあげてく
キャラ崩壊注意
アニ「マルコって良い人」
アニ「今週の食料庫点検当番は私とマルコか……」
アニ(とりあえず無害そうな奴で助かった)
アニ(ジャンと一緒だったら何言われるか分かんないし)
アニ(エレンだったら格闘訓練について質問攻めに合いそうだ)
アニ(あーいうの運動バカって言うんだ。きっと)
アニ(エレンが絡むと自動的にミカサも絡むし)
アニ(マルコで助かった)
マルコ「今週は僕らだね。よろしくアニ」
アニ「ん」
マルコ(うーんエレンの言っていた通り無愛想な子だな…)
マルコ(和気藹々とは望めそうにないな。とりあえず笑っとこう)
アニ(…何かニコニコしてる)
マルコ「鍵開けるね」
アニ「さっさとね」
マルコ「はは…(怖っ)」
カチャッ……ギイイ
マルコ「うわぁ…サシャが見たら占拠されちゃうね」
アニ「…」
マルコ「知ってた?実は食料庫の当番、サシャは除外されてるんだって」
アニ「…」
マルコ「この光景見たらムリも無いよね、あはは」
アニ「…マルコ」
マルコ「な、何だい?」
アニ「早く終わらせたい」
マルコ「」
マルコ(でっすよねー…)
アニ「…点検て何するの」
マルコ「えーと、この用紙によると」
ペラリ
マルコ「この品目通りに物品が揃っているかどうかと」
マルコ「芋だったら全体数、小麦や塩、砂糖だったら袋毎の重さを」
マルコ「昨日までの数量、今日の食事で使った分から計算して明記…」
アニ「…」
アニ(それを一週間……しちめんどくさい)
マルコ(こんなに厳しくなったのは…きっとサシャのせいだな…)
マルコ「じゃあ僕……芋とか野菜数えるからさ、アニはあの計量器使って粉モノの測定お願い…」
アニ「ん」
アニ(面倒くさそうなの引き受けてくれた…意外と良い奴…)
マルコ(これで暫く無口でも不自然じゃないな…さっさと始めちゃおう)
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
マルコ(150……170……180………この袋は198個入っと…)
マルコ(あと4袋残ってる…頑張ろ)
アニ「…」
アニ(終わっちゃった)
アニ(手伝った方が良いよね。でも…)
アニ(さっきまでそっけなかった奴が、いきなり親切にしたら変に思われないかな)
アニ(早く終わらせようって言った時、明らかに固まってたしな…)
アニ(……変な奴って思われないかな……断られるかも……)
マルコ(何だか知らないけど鋭い視線を感じる)
アニ(…エレンにだったら気にせず言えたのかな)
アニ(いや言った所で…意地張って一人でやるって言いそう…)
アニ(…)
アニ(よしっ。手伝おう…声を掛けよう。3…2…1)
アニ「ねえ、マルコ…」
カタッ カサカサッ ススススス
アニ「!?」
マルコ「!! っちょ、ちょっと待ってねアニ…50っと。どうしたんだい?」
アニ「………」
マルコ「…?」
アニ(奴がいる)
アニ(このごみごみした空間をものともせずに駆け回る軽快な足音…)
アニ(間違いない…)
アニ(ネ…ズミ…鼠だ…ど、ど、どうしよう!?大ッ嫌いなのに!)
アニ(壁の中は思ったより都会だったから居ないと思ってたのに!!)
カサカサカサ…
*「ブギューブギュー」
アニ(あわわわっわわわわわっわああ鳴いてるうう腹空かせてるうううううううう)
マルコ「…何か居るみたいだね。鼠かな?厄介だな…一匹でも居るとすぐ仲間を呼んで巣にされる…」
*「ブギューブギュー」
アニ(しかもこの鳴き声は…大分育ってるううううう)
チラッ
アニ「!!!!!!!」
マルコ「あ、顔出した。ははっ性格悪そうな顔してる」
アニ(ほんとだよ!!!全く以てそうだよ!!!!!あいつらげっ歯類はこの世のギャングだよ!!!)
アニ(見てみな!あの凶悪そうな面構え!!それを…それをミーナの奴………)
ミーナ『あっクリスタ、ネズミィ好きなの?私もなんだ~!グッズ色々持ってるのよ』
クリスタ『ミーナも?やった~お揃いだ~~!ネズミィ可愛いよね!チューチューしたい!』
アニ(何がチューチューだ!!ふざけるんじゃないよ!!!!!)
マルコ(…何でか知らないけど凄く怒ってる)
アニ(あいつらがそんな可憐な声でなんか鳴くもんか!!)
アニ(鼠が可愛いだって?あ、あいつらは鼠の本当の姿を知らないから…!!)
アニ(あいつら収穫時期を見計らって何処からとも無く大群で現れるんだ!)
アニ(大群でやってきて大量のガキこさえてくんだ!)
アニ(訳分かんない病原菌を何種類も保有してて、伝染された家畜はバタバタ死んだ!)
アニ(腕を噛み付かれた人もいた!傷口からばい菌が入り込んで、壊死した腕を切り落とした!)
アニ(噛み付かれた所じゃない、肉ごと引きちぎられた人も居た!)
アニ(あいつら何でも食べやがるくせして、罠用の餌は巧妙に避けやがる!)
アニ(罠を考案したベルトルトんちの柱はズタボロになったんだよ!報復もきっちりこなしやがって!)
アニ(ちなみに井戸は死守した!)
アニ(そして!何より!あいつら!)
アニ(私が!お風呂に入っていた時に!湯船に!落ちてきやがった!)
アニ(お湯に入った瞬間!体中の埃やら虫やらが!ブワッと!水面に散らばって行った様子は今でも!忘れらんないよ!)
アニ(お陰様でそれからずっとトラウマだよ!あいつら悪魔だ!死神だ!)
アニ(………………)
アニ(いや…………死神は私たちの方か)
*「ブギューブギュー」
アニ「…!」
マルコ「…僕らの姿を見ても逃げないね…随分人慣れしてるんだなあ」
アニ「…」
マルコ(やはり無反応…冷静だな…)
アニ(いけない、物思いにふけってしまった)
アニ(とにかく、もうこの場所には居られない)
アニ(鼠と同じ空間に居るなんて耐えられない)
アニ(マルコには悪いけど…気分が悪いとかごまかして外に出よう)
アニ(あっ…教官連れて来るって言えば良いんだ)
アニ(教官ならなんとかしてくれるでしょ)
アニ「あのさあマルコ」
マルコ「!ん?何?」
アニ「私、教官呼んで来るからさ、一旦外出るよ」
マルコ「え?あっうんそうだね。じゃあ僕待ってるよ」
アニ(よし。きちんと言えた。あとは外に出るだけ)
トコトコ……デン
アニ(?今何かにつまずいた…?)
鼠「ブギュー(よう立派な鼻の姉ちゃん、良い蹴り持ってるじゃねえか)」
アニ「」
鼠「ブギュー(おっ…俺に惚れたか?待ってな。今そっち行ってやるよ)」
アニ「」
ヨジヨジ
アニ「」
アニ「」
マルコ「アニ?立ち止まってどうしたんだい?」
アニ「」
アニ「き」
アニ「きぃぃやああああああああああああああああああ」
マルコ「アニ!?どうした!!」
ライナー「!?」
ベルトルト「!?」
訓練兵「!?」
キース「何事だ!?」
アニ「ああああああああああああああああああああああ」
マルコ「アニ!!一体どうしたんだ!」
鼠「ブギュー」
マルコ「あーここに居たのか。待ってて今放すよ」
鼠「ブギュー(おい兄ちゃん無粋な真似するなよ)」
今更だけど別スレの方が良かったな…
まあ良いや あげてく
ヨジヨジ
アニ「あああああ!?あああああああああああああああ」
マルコ「一気に太ももまで登った!図体の割にすばしっこいな…」
アニ「ああああああああああああああああああああああ」
ガシ!
マルコ「ぐわ!?くっ苦しい!!アニ落ち着いて!」
アニ「助けてええええええええっ た、助けてえええええ」
鼠「ブギュー(危ねっ!よっと)」
ビョンッタッタッタッタ…
マルコ「あー降りたか。アニ、鼠はあっち行ったよ、さあ呼吸を整えて…ゆっくりだよ」
キース「これは一体………何事だボット」
エレン「何でアニはマルコに抱き着いてんだ?」
ジャン「何だこれwww」
ユミル「何だこれwww」
ライナー「何があった」
ベルトルト「何があった」
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
マルコ「……と言う訳です」
キース「成る程…恐らくその鼠は食料の搬入で紛れ込んだものだろうな」
マルコ「私もそう思います」
キース「鼠は即刻退治するとして……レオンハート」
アニ「………………」
キース「……そろそろボットから離れられそうか」
アニ「………………」
マルコ「…まだ無理そうです」
キース「そうか……」
ジャン「まだしがみついてるwww」
ユミル「まだしがみついてるwww」
クリスタ「ユミル!笑っちゃダメ!」
ユミル「分っかりましたよ~」
キース「で、鼠が隠れたと言うのはどの辺りだ」
マルコ「Bの芋袋の影です」
鼠「ブギューブギュー」
キース「そこか………ボットとレオンハート以外の訓練兵は寮へ」
遅れて来たサシャ「あーーーーーーっ!!」
ライナー(あれ嫌な予感が)
ベルトルト(してきたよ)
関連性ある派生物だし、同スレでよかったと思うよ
キース「ブラウスか…貴様は食料庫への接近自体禁じていた筈だが…」
サシャ「鼠じゃないですかー!こんな所に貴重なタンパク源が!!」
ガシ!
キース「え?」
マルコ「え?」
訓練兵「え?」
アニ「…え?」
>>108
ありがとう
気を取り直してあげてく
サシャ「いっただっきま~~~ふんむ」
アニ「」
キース「」
マルコ「」
ジャン「」
ライナー「」
ベルトルト「」
クリスタ「ユミルどうしたの?見えないよ?」
ユミル「あ、あんなもん見なくて良い」
サシャ「んんん~~~デリ~シャスですね!やっぱり人間の飯を食べて育った生き物は美味しいです!モグモグ」
アニ「」
サシャ「モグモグモグモグ…ぷっはぁおいしゅうございました!脳味噌は塩で揉んで漬けておくと良いんですよ~むふふ」
アニ「」
サシャ「ところで皆さん、一体どうしてこんなにお集りに…?」
アニ「」
バタン
サシャ以外「アニーーーーーーー!」
チュンチュンチュン…
アニ「…………はっ」
アニ「救護室の天井だ」
アニ「この天井を見るのは貧血で倒れた時以来か…」
アニ「私なんでここに居るんだっけ?……あーそうだ…食料庫で気絶したんだった」
アニ「ううう…思い出すだけで寒気が…鼠嫌い…」
アニ「…」
アニ(ずっとマルコにしがみついてちゃったな…恥ずかしいとこ見せちゃったよ)
アニ(呆れられたよね…)
アニ(でもマルコは迷惑がらずにされるがままになってた…しかも慰めてもくれた)
アニ(…マルコって良い奴だな…)
食堂
アニ「……」
ミーナ「あ!アニおはよう!起きて大丈夫なの?」
アニ「ああ…」
アニ(気のせいでなければやたら視線を感じる)
ミーナ「よかった…もう心配してたんだよ!倒れちゃって!!」
アニ「悪かったね…」
マルコ「アニ!」
アニ(!マルコ!)
マルコ「やあアニ…おはよう。気分はどう?」
アニ「…どうってこと無いよ」
マルコ「そうか……アニ、食料庫のことなんだけど」
アニ(わ、忘れてた…そうだよ今週はずっとあそこで点検を…)
マルコ「鼠の被害を根絶出来るまで、当分はアニの点検当番は免除されるそうだよ」
アニ「…え?」
マルコ「今週はとりあえず僕とジャンが担当するよ」
アニ「…」
ミーナ「アニが気絶した後、マルコが教官に交渉してくれたのよ」
アニ「マルコが…?」
マルコ「君が動揺するあの姿を教官も間近で見ていたからね、交渉と言う程でもなかったけど…」
マルコ「あ、そのかわりアニには復帰するまでグラウンドの整備と救護室の掃除を任せるって」
アニ「…そう…」
ミーナ「よかったね~アニ!」
ミーナ(本当はアニを抱えて救護室まで運んでもくれたんだけど…言わない方が良さそう)
アニ(うそ…マルコが私の為にそんなことを?あ、あんなに迷惑かけちゃったのに…)
アニ(渾身の力で抱き着いたし、耳元で大絶叫しちゃったのに…)
アニ(おまけにマルコのこと置き去りにしようともしたのに…)
アニ(マルコ、すっごい良い人………)
アニ(お礼…言わなくちゃ………)
アニ「ま、ま…マルコ……その、あり…」
ジャン「よ~うアニちゃん。良い夢は見ましたか~」
アニ(…ジャン)
ミーナ「ちょっと!からかうのやめなさいよ!」
ジャン「うっせー俺はな、一週分余計に当番に任命されて機嫌が悪いんだ」
マルコ「え?強制じゃなかった筈だけど?」
ミーナ「マルコのお願い断れなかっただけでしょ」
ジャン「ちょ、お前ら黙ってろ」
アニ「…」
ジャン「しっかし驚いたなぁ~あの無愛想女が、鼠嫌いとはねえ」
アニ(やっぱりそこか…)
ジャン「なあお前らも聞いたか?きゃあああだってよ。可愛いねえ~」
クスクスクス…
アニ(くっ……)
ライナー(水を得た魚とはまさにこのこと)
ベルトルト(ごめんよアニ…ここで庇うと、ぼくたちの関係がバレるかも分からないんだ…)
アニ「…だから何?」
ジャン「べっつに?いつもおっかない顔した女が、あんな鼠ごときにビビってるのが面白かっただけだ」
アニ「……言いたい事がそこ終わったらどいてくれない?お腹空いてるんだけど」
ジャン「おっかないねえ~昨日はあんなにしおらしかったのに」
ジャン「ガキみたいにマルコにずぅ~~~~っとしがみついちゃってさ。そんなに怖かったんでちゅか?」
アニ「…!」
ライベル(あ、逆鱗に触れたって顔だ)
アニ「こっの…」
マルコ「…ふふっははははは」
アニ「!?」
ジャン「何だよ」
マルコ「ジャン、君はそんなに僕にしがみつきたかったのかい?」
ジャン「はあ!?何でそうなるんだ!?」
マルコ「そんなに淋しかったんなら、ほら。抱き着いて良いよ」
アニ「…」
ジャン「…ばっかじゃねえの。しらけたわ…」
マルコ「そう言うなよ。君が大のカマキリ嫌いで、兵站訓練中に踏んづけて落ち着くまでずーっと僕にしがみついてきたこと、ばらしちゃうよ?」
ジャン「お前もうばらしてんじゃねえかよおおおおおおお!!!!!」
マルコ「あ、うっかり。ははは」
どっ…ハハハハハ…
アニ(マルコ…庇ってくれた……笑顔で…ジャンの怒りを買うことも無く…)
ワーワー ザワザワ
マルコ「…アニ、気にしなくて良いんだよ」
アニ(…マルコ?)
マルコ「人間誰しも苦手なものがあるんだから。恥ずかしいことじゃない」
アニ「……」
マルコ「かく言う僕も、大のカタツムリ嫌いさ」
アニ(…マルコ………)
マルコ「だからさ、昨日の事で、アニとちょっと仲良くなれた気がするよ」
アニ(マルコ……!!)
マルコ「早くまた二人で当番になる日が来ると良いね」
アニ「………マルコ」
アニ(…今度は迷っちゃダメだ!)
マルコ「ん?」
アニ「その……ありが…」
ミーナ「アニ!騒がしくなった今の内よ!こっち来て食べよ!」
ぐいっ
アニ「えっ!??えっ…あっ…」
マルコ「………?」
ジャン「くっそー早く飯食うぞ!」
マルコ「あ、うん」
クリスタ(アニが気絶するほど鼠が嫌いだったなんて…ごめんねアニ…次からはアニの目の前でネズミィ談義は止めておこう…)
サシャ「あっアニ~!もう昨日はいきなり倒れるからびっくりしちゃいましたよ!モグモグ」
アニ「ごめんよく覚えてないんだけど暫くお互い距離を取ろう」
サシャ「なっ!なぜ!?」
格闘訓練
マルコ(誰と組もうかなー)
ウロウロ
アニ「マ、マルコ…私と組…」
エレン「ようアニ!今日も頼むぜ!!」
アニ「…………いや、私は今日他の人と……」
ミカサ「エレンの頼みを断るつもり?」
アニ「……」
食堂
アニ(マルコの前の席が空いてる)
アニ「マルコ、ここに座っても…」
ミーナ「アニ!早くこっち!またジャンにからかわれちゃうよ!」
アニ「…」
立体起動訓練
アニ(マルコと同じ班……今日こそあの時のお礼を)
マルコ「よろしくアニ」
アニ「…よろしくマルコ」
ジャン「よーう鼠嫌い」
アニ「黙ってなマンティスキラー」
アニ(…こいつもかよ…)
雪中訓練
アニ(マルコと同じ班…ジャンも居ない!!今日こそあの日のことを!)
マルコ「大丈夫かいダズ」
ダズ「うう…すまねえマルコ」
マルコ「気にするなって」
アニ(…でもとてもそんな空気じゃない!!)
アニ(あれからことごとくタイミングを逃し続けた…)
アニ(自分の素直じゃない性格も手伝い、とにかく二人きりになる時間を狙いってはチャンスを潰していった…)
アニ(そしてあっと言う間に訓練修了の日が訪れた…)
アニ(私は憲兵団狙い。マルコも憲兵団狙い)
アニ(なら、憲兵になった暁に今度こそって普通は思う)
アニ(でも私は………………)
書き溜めてくる
一旦席外す
今追いついた
もしかして軟骨入りつくね棒の人?
>>134
すまぬ人違いだ…
でも軟骨はすきだぞ
さて再開
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ズーーンズーーン…
ズーーンズーーン…
巨人に壊された住宅内
(ズーーンズーーン…)
マルコ「……立ち去ったか。やっぱりバリケードが効いてるんだな。いっててて…」
マルコ(巨人に右腕を折られてしまった…こうなってはもう食われるのは時間の問題だな…)
マルコ(……)
マルコ(巨人が外を闊歩している筈なのに、静かだ…)
マルコ(ふっ…ついに精神がいかれてきたのかな)
キイイー…
*「…マルコ、そこに居るの?」
マルコ「……!誰だか知らないけど、早く中へ!!!」
*「……」
バタン…
マルコ「あ…アニ?」
アニ「…ん」
マルコ「と、とりあえず隣、座りなよ」
マルコ「アニも、どこか怪我を?」
アニ「いや私は別に………マルコは?怪我してるの?」
マルコ「あ、うん。利き腕をちょっとね…」
アニ「……待ってて、包帯なら近くの民家からくすねてきたものが…」
アニ「挿し木…は折れた柱の破片を…」
グルグル
マルコ「ありがとうアニ」
アニ「どういたしまして」
マルコ(痛みはひいたな…)
マルコ(でも…治る日を拝めるかどうか…)
アニ「……」
ズーーンズーーン…
ズーーンズーーン…
(ズーーンズーーン…)
マルコ「…」
アニ「…」
マルコ「……エレンは上手くいってるかな…」
アニ「…いってるさ」
マルコ「そうだね…きっとそうだ…」
マルコ「ふふっ…」
アニ「?」
マルコ「いや、アニと二人っきりだとね、あの日の事思い出すんだ」
アニ「あの日って…」
マルコ「二人で初めて食料庫の点検当番をした日だよ」
アニ「ああ……」
マルコ「あれから僕たち、結構同じ班になってるよね」
アニ「うん……」
マルコ「もしかしてキース教官が気遣ってくれてるのかな、と思っちゃったりね。はは…」
アニ「……」
マルコ「アニ、もしかして怒ってる…?」
アニ「……どうして?」
マルコ「いや何だか…口数少ないから、さ…」
アニ「……私が無口なのはいつもの事でしょ…」
マルコ「え?いやあ…」
アニ「…」
マルコ「…鼠の事、思い出しちゃったかなって…」
アニ「それ、禁句だよ………」
マルコ「ご、ごめん……ふふっ」
アニ「ふっ…………」
マルコ(アニの笑顔だ……珍しいな…)
(ズーーンズーーン…)
アニ「…ガスとベルトがね」
マルコ「うん?」
アニ「切れちゃって……」
マルコ「そっか……」
アニ「……ここ、巨人が入ってこないね……」
マルコ「ああ、入口を見なかったかい?」
アニ「入口?」
マルコ「巨人が吐き出した死体が山みたいになってただろう?巨人どもは死体には興味が湧かないみたいだ。で、ちょうどこちらが隠れる高さまで積もってる所を探して、入ったってわけ」
アニ「……へえ」
マルコ「生きた人間ばかりを追っているからまさかとは思っていたけど…ひとまずは安心さ。何時まで保つかは分からないけど…」
アニ「…マルコって頭良いよね」
マルコ「え?そんなことないさ。アルミンの方が座学は上だった」
アニ「いや、頭良い。賢いよ」
アニ「だから駄目なんだ」
マルコ「え?」
アニ「マルコ」
マルコ「アニ?立ったら見つかるよ、しゃがんで…」
アニ「マルコ。私はね」
アニ「ガスが切れたんだ。ベルトもね」
マルコ「……」
アニ「あんたのが欲しいんだ」
マルコ「…」
アニ「あんたのじゃなきゃ、駄目なんだ」
マルコ「アニ………」
アニ「他の誰でも無い、マルコ・ボット、あんたの立体起動装置が」
スチャ……
マルコ「……」
アニ「…欲しいんだよ!」
ヒュッ!ガキィィィン!!!!!
マルコ「……」
アニ「……」
マルコ「……アニ」
アニ「……」
マルコ「……ブレードは床に刺しちゃすぐ鈍らになるよ」
マルコ「……座学で教わっただろう?」
アニ「………」
マルコ「アニ……」
アニ「………い」
マルコ「……泣いているのかい?」
アニ「………私には…出来ない…………」
マルコ「………」
アニ「私には…こんなにいい人を殺すなんて……で、出来ない………」
マルコ「………」
アニ「出来ないよ…出来ない……」
マルコ「……アニ……」
アニ「マルコ!あんたは!」
マルコ「!」
アニ「邪魔なんだ!!」
アニ「あんたは頭が良い!頭の回転も早くて要領も良い!」
アニ「人望もある!誰とでも打ち解けられる!」
アニ「あのジャンだってあんたにだけは懐いた!キース教官はあんたを指揮官向きだって言ってた!」
アニ「私だってそう思う!きっとあんたは色んな人を引っ張っていける!」
アニ「だから駄目なんだ!」
マルコ「……」
アニ「あんたはきっと私たちの計画の邪魔をするから……!!!」
マルコ(私たち…計画……)
アニ「あの二人も同じこと言ってた!あんたは後々殺そうって!」
アニ「私も!それに同意した!反論なんて無かった!」
アニ「あんたが!私たちの脅威になるであろうことは近くでまざまざと見てきて確信してたから!」
アニ「ずっと近くで!あんたに近づこうとすぐ傍で!言いたいことも口から出てこなくて…」
アニ「…出来ないよ……」
アニ「殺せない…こんなに…いい人なのに……」
マルコ「アニ………」
アニ「……うっ……うっ…」
マルコ「アニ、あんまり叫ぶと巨人に気付かれる…」
アニ「…………」
マルコ「君はここで死んじゃいけないよ…」
アニ「…」
マルコ「『計画』を遂行しなくちゃいけないんだろ?」
アニ「!!」
マルコ「僕の立体起動装置、大切に使ってくれ」
アニ「…!い、嫌…!」
マルコ「ガスもまだまだあるんだ…補給所で多めに持ってきたから…」
アニ「嫌…!嫌…!!マルコ!!!」
マルコ「早く、僕の腕は今不自由だから、手伝ってくれ」
アニ「嫌だってば!!!!」
マルコ「じゃあどうするんだい?」
アニ「…!」
マルコ「君『達』の目的を、少しだけど聞いてしまったんだよ?それこそ、生かしてはおけないだろう?」
アニ「あ…あぁぁ……」
マルコ「それに…どのみちこんな腕じゃ…まともに戦えない…」
アニ「マルコ……マルコ……!」
アニ「ああ…どうせなら君に殺されたいよ」
最後間違えた
各自補完してくれ
(ズーーンズーーン…)
マルコ「戦闘不能の兵士はどうせ巨人の胃袋逝きだ。意識があるまま喰われるくらいなら…」
アニ「…マルコ…」
マルコ「…なんだい?」
アニ「どうして笑っているの……」
マルコ「はは…どうしてだろう」
アニ「怖くないの……」
アニ「…すぐ近くを巨人がうろついてるんだよ……」
アニ「今だって…私、あんたを殺そうとしたんだよ……」
アニ「あんたの目の前に居るのは味方の顔した敵なんだよ……」
アニ「どうしてそんなに笑顔でいられるの……」
マルコ「…敵って…ふふっ」
マルコ「昨日までは同じ食堂でご飯を食べていた仲間じゃないか…」
アニ「……」
マルコ「確かに今の君は僕たちの敵かもしれない…」
マルコ「でも僕は……この右腕を治療してくれた時の君を仲間だと信用しているよ」
アニ「マルコ………」
(ズーーンズーーン…)
(バキッ!バキバキッ!!)
アニ「!」
マルコ「!」
(バキッバキッ!!)
マルコ「もう時間がない…さあアニ、早く立体起動装置を取り替えるんだ」
アニ「………」
マルコ「サイズは合わせたかい?」
アニ「……」
マルコ「そうか。よかった」
アニ「……」
マルコ「それじゃあ…あんまり痛くしないでくれよ?」
アニ「……」
アニ「マルコ」
マルコ「ん?」
アニ「ありがとう」
マルコ「どうしたんだい?」
アニ「あの時は助けてくれて本当にありがとう」
マルコ「…」
アニ「みっともなく縋り付いちゃってごめん…」
マルコ「…」
アニ「ずっと……言いたかった………」
マルコ「…」
マルコ「…そっか」
アニ「………うっ」
マルコ「気にしなくて良いよ」
アニ「……」
マルコ「言ったろ?君とちょっと仲良くなれたって」
アニ「うん…」
マルコ「僕と君は友達だ。そうだろ?」
アニ「…マルコって」
マルコ「ん?」
アニ「こんな時でも優しい……」
マルコ「…今日はアニの笑顔をよく見れる日だ」
マルコ「さぁ………」
アニ「…~~~~~~~~っ!!!」
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ヒュッガキン!
アニ「…っふっ!」
スタンっ
アニ「エレンは……壁の穴を塞いだみたいだね…」
アニ「さあ、これからが大変だ………」
アニ「ライナーたちと合流しなくちゃ…」
アニ「…………マルコ…さよなら……」
アニ「さよなら………」
さあ行かなくちゃ
仲間の死を踏みしめて
私は戦士にならなくちゃいけないんだ。
おしまい
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