～朝食中～

姉「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

妹「……」

姉「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

妹「……お姉ちゃん？」

姉「……はい？」

妹「なに考えてるの？」

姉「いえ、なにも」

妹「……なんか、上の空だよ？」

姉「え？ あ、すみません……」

妹「へんなお姉ちゃん」

～授業中～

先生「んーと、それじゃ、ここをですねー…………姉ちゃん、答えてください」

姉「……」ﾎﾟｹｰ

先生「……姉ちゃん？」

姉「……」ﾎﾟｹｰ

女「ちょっと、姉！」ﾕｻﾕｻ

姉「……あ、はい？」

女「指されてるよ！」

姉「えっ」

先生「ここの問題ですよ」

姉「すみません……」

先生「どうしたんです？ 体調でも？」

姉「いえ、大丈夫です……すみません」

～帰宅路～

女「姉、今日はどうしたの？」

姉「え？」

女「なんかさ、授業中も上の空って感じだったじゃん」

姉「あー……」

女「なんかあった？」

姉「いえ、ちょっと、考え事をしてて」

女「悩みかなんか？ 妹ちゃんと喧嘩しちゃったとか？」

姉「いえ、喧嘩なんてしてないですよ」

女「だよねぇ」

姉「……ちょっと用事があるので、私はこれで」

女「ん、わかった。 また来週ね」

姉「はい」

～自宅～

妹「ただいまー！」ｶﾞﾁｬ

妹「……あー、まだ帰ってきてないかぁ」

妹「……ん」ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘ

妹（女先輩から……？）ﾋﾟｯ

妹「もしもし」

女『あ、やっほー、妹ちゃん！』

妹「こんにちはー」

女『あのさあのさ、聞きたいことがあるんだけど』

妹「はい」

女『今日さ、姉の様子が変だったんだよね』

妹「あ、学校でも？」

女『やっぱり、家でもそうだった？』

妹「はい、なーんか話しかけても上の空って感じで」

女『そうそう、だから、妹ちゃんならなにか知ってるかなーって』

妹「うーん……すいません、心当たりがないんですよー」

女『そっかぁ……まあ、悩んでるわけじゃなかったし、心配はいらないかな』

妹「そうですね……」

女『んじゃ、ありがとね！ またね』

妹「はい」

妹「……」ﾋﾟｯ

妹「……どうしたのかなぁ」

────────────────

妹「…………」

妹「…………」

妹「……お姉ちゃんが帰ってこない！」

妹「むーっ、もう八時なのに……」

ﾀﾀﾞｲﾏｰ！

妹「……あっ」

姉「ふう、遅くなってすみません、すぐに夕飯作りますね」

妹「……お姉ちゃん」

姉「はい？」

妹「あの……どうして、帰りがこんなに遅いのかな、って」

姉「あ……えっと、その」

妹「あっ、ううん、無理して話さなくていいよ？」

姉「え？」

妹「……話したくないこと、かもしれないし」

姉「妹……？」

妹「……」

姉「……ね、妹」

妹「……なに？」

姉「今日、何の日か、知ってる？」

妹「今日？ 今日って……なんかあったっけ」

姉「私も初めて知ったんだけど……ふふっ」

妹「え、え？ なに？」

姉「あのね、今日はね……『妹の日』なんだって」

妹「え……？」

姉「だからね、妹に感謝する日にしようって決めて」

姉「それで、いろいろプレゼントとか考えて探し回ってたら、こんな時間になっちゃって」

姉「……ごめんね」

妹「……っ」ﾀﾞｷｯ

姉「わ」

妹「ばかっ……おねえちゃんのばかっ」

妹「私は、お姉ちゃんがいてくれるだけで幸せだもん」

姉「妹……」

妹「そんな、プレゼントなんて、私……」

姉「……うん、だから、ね」

妹「え？」

姉「その、いろいろ考えて……結局」

妹「うん」

姉「……プレゼントは私、みたいな、ね？」

妹「…………」

姉「だ、だめかな」

妹「……おねーちゃあああんっ！！」ｶﾞﾊﾞﾘ

姉「うひゃあっ！？」

妹「えへへ、いい、すっごくいいよ……お姉ちゃんがプレゼントだなんて……」ｼﾞｭﾙﾘ

姉「い、妹？ あの、お手柔らかに……」

妹「それじゃ、いただきまーす♪」

姉「まっ、待ってええええええ！！」


おわり