初めて書きます。
ウォールマリアが突破され、ウォールローゼ内に非難したエレン、ミカサ、アルミン達の話です。
エレンがグリシャに注射されるまでの話に、以前2ちゃんで流行った異世界ネタを交えて書いています。
独自考察に基づくところもおおいので、この手のが苦手な方はそっと閉じてください。
それでは始めます。
超大型巨人、鎧の巨人によるシガンシナおよびウォールマリア陥落から数日後。
エレン、アルミン、ミカサは、まだウォールローゼ内の避難所にいた。
ここでは特に何かするわけでない、学校もない、家もない。
ひたすらに、自分たちのその後の処遇をどうするか?
ローゼやシーナに親戚や知り合いの引き取り手があるものはだんだんいなくなり、身寄りもないエレン、ミカサ、アルミンは炊き出しの為の薪集めに行くのが日課となりつつあった。
そんなある日のことである。
アルミン「この辺はもう薪が落ちてないね」
ミカサ「この辺の薪は毎日私たちが採りに来ていたから・・・」
アルミン「また、別のところ探さないとか?そういえばエレンは?」
ミカサ「またどこかの木の下で居眠りでもしてるだと思う」
アルミン「相変わらずだなあエレンは。もうすぐ帰る時間だし、探そう」
ミカサ「うん」
アルミン「エレ~~ン!!」
ミカサ「エレ~~ン!!」
ガサゴソゴソ・・・やぶの中で何かが動いた
がんばれ
アルミン「うわ~~何かいるっ!!」
ミカサ「待ってっ!」
逃げ出そうとするアルミンをミカサが静止した。
ミカサ「エレ・・ン?」
アルミン「えっ!?」
ミカサは慎重に藪の中を掻き分ける。その後ろに付くアルミン
アルミン「ミカサ・・・危なくないかい?オオカミとか、クマとか・・・まさか巨人が!」
ミカサ「獣の気配はないそれにここは壁の中。落ち着いてアルミ・・・」
ミカサ・アルミン「あっ!」
モゾモゾと動く藪の向こう、そこにあったのは、何か苦しそうにもんどりを打っているエレンだった。
エレン「う~~ん・・・ハアハア・・・」
ミカサ「エレン!何があったの!?」
アルミン「エレン!どうしたんだ?獣に襲われた!?」
エレン「・・・とつ・・ぜん・・き・・ぶんが・・わるくなっ・・て・・」
エレン「それ・・よりも・・・水を・・・」
アルミン「何があったんだ?エレン!?・・・エレン!!」
ミカサ「アルミン、今はエレンを水場に連れて行く方が先」
アルミン「ああ、そうだね。よしエレンを運ぼう」
二人は半分意識を失いながらうなされているエレンを湧水のところまで運んだ。
アルミン「エレン!水だよ!」
エレン「ア・・アルミン・・・すまねえ・・」
エレンに水を飲ませて、しばらくすると。
アルミン「エレン、少しは落ち着いたかい?」
エレン「ああ・・大分マシになった・・・なんだったんだ?アレは?」
アルミン「何があったのさ?」
エレン「いや、何か判らないけど、もう大丈夫だ。心配かけたな・・」
ミカサ「エレン。答えて!」
エレン「そんな大したこと・・・」
アルミン「エレン、藪の向こうで何があったか教えてくれ」
エレン「俺はもう大丈夫だ!なんてことな・・・」
ミカサ「答えて、エレン。私はあなたが心配・・・」
エレン「あのな~・・・ああ・・・わかったよ!」
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エレンは一度目をつぶると、息を整えるように深呼吸を何回かした。
頭の中を探るよう視線を上に向け、思い出話のように話し始めた。
エレン「俺にも良くわからないんだが・・・」
エレン「この辺の薪は俺たちが採りつくしたから、森の奥の方ならあるんじゃないかと思って入っていた」
エレン「そしたらその先に、木も草も生えていない広い広場みたいなのがあった」
エレン「そこに付いた途端、気持ち悪いというか、めまいというか、とにかく気分が悪くなったんだ」
エレン「なんとなく、その場所に居ちゃいけない気がして、アルミンたちのいる方へ戻ろうとした」
エレン「だが、めまいで歩けない・・・気持ち悪くなって・・吐きそうな気分になった。
エレン「遂に立っていることも出来なくなって、そこに倒れこんだ・・・」
エレン「そしたら、アルミンとミカサの声がして・・・アルミン。水もうちょっといいか?」
アルミン「あっ・ああ、これ、どうぞ・・・でもエレンその広場みたいなところって?」
エレン「(一口水を飲んで)・・・俺たちが最初に薪を拾っていたところから100メートルくらい先だ・・・」
アルミン「そこで倒れたのに?この藪までどうやって・・・」
エレン「俺にも判らない・・・」
ミカサ「私たちと離れていた時間は?」
エレン「たぶん、5分くらい?・・・それくらいだと思う」
アルミン「えっ!エレンがいなくなってからおそらく15分以上は経っている」
エレン「じゃあそれくらいなんだろう。アルミンと違って時計持ってないからな?正直時間は判らない」
エレン「・・・大分気分が良くなってきた」
ミカサ「エレン、一度お医者さんに診てもらった方が良い・・・こんな時にエレンのお父さんがいれば・・・」
エレン「おい!父さんのことは言うな!!」
アルミン「そうかエレンのお父さんはあの日から・・・」
エレン「アルミン!縁起でもないこと言うな!父さんは絶対に生きてる!絶対だ!!」
ミカサ「そう、きっと生きている。そうでなければ私は・・・」
エレン「ほら!アルミン!!」
アルミン「ごめん・・・エレン・・・」
アルミン「・・・今日はもう帰ろう。ミカサと僕でもずいぶん拾ったし・・・」
エレン「そうだな」
ミカサ「そうする」
避難所に戻ったエレンは診療所の医者に診てもらったが、検査の結果異常は見られなかった。
翌日からは薪の取れなくなった森とは別の森で薪集めをするようになった。
そして数日後・・・
ミカサ「エレン、そういえばあの日以来めまいがしたりしないの?」
エレン「ああ、あれ?なんだったんだろうな?」
アルミン「・・・(ボソッ)あの場所・・・」
エレン「なんだ?アルミン」
アルミン「エレンが倒れた原因は病気とかじゃなくて、場所のせいじゃないかと思うんだ」
ミカサ「なぜそんなことがわかるの?」
エレン「わかんねーぞアルミン!なんでそこにいるだけでめまいが起き・・ミカサ「アルミン?なんでそう思う?」
アルミン「エレンが見た場所は、森の中なのにそこだけ草も木も生えてないって言ってたよね」
エレン「ああ、地面がむき出しだった。妙に地面が平らだったな」
アルミン「おじいちゃんの持ってた壁の外を書いた本の中に、地面から毒ガスが出るっていう話があった」
アルミン「ただし、それは火山っていう火を噴く山の近くの話だけど・・・」
エレン「ガスなんか出てなかったぞ?」
アルミン「硫黄っていうらしいんだけど、玉子が腐ったようなにおいとかしなかった?」
エレン「いや、全然・・・でも、そういえば・・・倒れこんだ時に・・・」
エレン「何か一瞬だけ変なにおいがして、周りの色が濃くなったような気分になった」
アルミン「まさか、その場所にもしかして、猟師が獲物を取るために毒とかが撒いてあったとか
アルミン「あとは植物とかが育たないような有害な物質があるとか」
エレン「そういうものがあるようには思えなかったし、大体あの森はここいらでも獣が少ない」
エレン「だから、俺たち子どもでも薪拾いに行けるんじゃないか・・・あっでも・・ただ・・・」
アルミン「だた?」
エレン「あの場所に妙に引っかかるものがある。良く判らないが、もう一度行ってみたい・・・
エレン「いや、俺はいかなきゃいけないんじゃないかと思っているんだ」
ミカサ「あの場所はあなたにとって危険。近づかない方がいい。私の勘がそう言っている」
エレン「お前の勘ってなんだよ!アルミンも変なこと言って、あの時気分が悪くなったのはたまたまだ!俺は何ともない!」
エレン「もういいよ!この話は終わりだ!終わり!」
ファイト
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その夜、エレンはミカサの目を盗み、アルミンを呼び出した。
アルミン「なんだいエレン」
エレン「あの森のことなんだけど・・・」
アルミン「エレンが倒れた?」
エレン「そうだ、俺はやっぱりあそこに行かないといけない気がする」
アルミン「なんでそんなことを・・・第一自分が倒れた場所だよ」
エレン「言ったろ、アレはたまたまだ!もう大丈夫だ」
アルミン「エレン、悪いことは言わないよ。やめた方がいい!あの場所にはきっと毒が撒いてあるんだ!」
エレン「アルミンまでそんなこと言うのか・・・いいよ、明日俺一人で行く」
アルミン「そ・・そんな・・・」
エレン「いいか!ミカサには絶対言うなよ・・・」
アルミン「ダメだよ、ミカサじゃないけどあそこは危険だ」
エレン「もう決めたんだ・・・もう一度言って確かめる。なに、ヤバいことになったらちゃんとすぐ引き返すから」
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翌朝、アルミン、ミカサより早く起きたエレンは、手早く身支度をして避難所を出た。
もちろんあの森に行くためである。
自分が倒れた場所に行く、また倒れるかもしれない、もしかしたら帰ってこれないかもしれない。
そんなことを考えたが、まだ幼いエレンには「帰れない」が「死」に繋がるかもしれない、という事態までは考え付かなかった。
朝霧の中の道を急ぐ。
森の入り口まで来たときに、後ろから声をかけられた
ミカサ「エレン・・・」
エレン「ミ・・・ミカサ・・・」
ミカサ「行くの?」
エレン「ああ、俺は確かめたい・・・俺がああなっちまった原因が本当に森のあの広場のせいかのか?」
ミカサ「アルミンも行かない方がいいと言っている。私も言ったはず・・・」
エレン「確かにそうかもしれない・・・でも、俺は行く」
ミカサ「なんで!?」
エレン「あの時言わなかったが、あの時倒れて意識がなくなりそうになったとき・・・」
エレン「・・・父さんの声が聞こえた気がした・・・」
ミカサ「・・・」
エレン「勘違いかもしれないし、幻覚、幻聴かもしれない・・・でも、俺はどうしても確かめたいんだ」
エレン「俺は・・・父さんが・・・死んだと思ってない・・・」
ミカサ「そう・・・エレンのお父さんが・・・エレン」
エレン「止めるか?」
ミカサ「・・・私も・・・一緒に行く・・・エレン、連れて行って」
エレン「ダメだ!お前も倒れちゃうかもしれないんだぞ!!」
ミカサ「・・・私はあの日・・・エレンに助けられた・・・あの日から私は・・・エレンの家族」
ミカサ「エレンのお父さんは・・私のお父さんでもある・・私も・・お父さんに・・・会いたい・・・(涙目)」
エレン「ミカサ・・・そうか・・・家族だったな・・・ミカサ・・・行こう」
ミカサ「うん・・」
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エレンとミカサは数日前に薪拾いをした辺りまでやってきた。
エレン「確か、この辺で薪を拾ってて・・・あっちの方に・・・」
ミカサ「・・・守る・・・」
エレン「えっ?・・・」
ミカサ「エレンが倒れるようなことがあったら、私がエレンを守る」
エレン「ああ頼むぜ・・・情けないが、本当はあそこに近づくのが怖い・・・また自分が、ああなっちまうんじゃないかって・・・」
ミカサ「(めずらしい・・・あのエレンがずいぶん弱気だ・・・)」
エレン「あったぞ!ミカサ、この先だ・・・」
二人はどちらかともなく手を繋いだ。
エレンを襲った原因不明のめまい、吐き気。エレンの父グリシャ・イェーガーの記憶。
今最も近づきたくない場所に、もっとも会いたい人の影がちらつく
エレン「ここだこの地面に何もない所・・・ここに立った時に・・・俺は倒れたんだ・・お前は大丈夫か?」
ミカサ「・・・う~~ん・・・」
エレン「どうした?」
ミカサ「エレン・・・わたしの・・・ほうが気分・・・悪く・・・」
エレン「なんだって!俺じゃなくてミカサが!・・ミカサ!・・大丈夫か!?ミカサ!!」
ミカサ「エ・・・レンここに・・・い・ては・・だめ・・」
エレン「そうだ・・な・・なんだ?・・いや、俺も気分が・・・クッソ、時間差かよ・・・」
エレン「(あっ・・まただ・・・空気に変なにおいが・・・周りの色も濃くなった気がする・・・)」
ミカサ「(これが・・・エレンの言ってた・・空気と色?・・・)」
二人は抱き合いながらその場に倒れこんだ。
ガンバ!
>>1 です。
>>21 さん励ましありがとうございます。
書き溜めが終わってしまったので、今日はここまでにします。
順調なら明日の夜も同じくらいの内容を投下できると思います。
ただ、不規則な仕事なので時々間を開けてしまうかもしれませんが、頑張って完結させたいと思ってます。
それでは、おやすみなさい。
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二人が気を失ってどれくらい経っただろうか?
エレンとミカサは森の中で目を覚ました。
ミカサ「・・・う・・・ううん・・・(ズキッ!・・頭痛か・・また・・・エレンは!?)」
エレンはミカサの傍に一緒に倒れていた。
その手はミカサの手とつながったままだった。
ミカサ「(森の中・・・そうか・・どれくらい気を失っていたんだろう?)」
ミカサ「(ほんの少ししかたっていないけど、日が高い・・・もう昼くらい?)」
ミカサ「エレン!・・・エレン!!」
エレン「う~~ん・・・なんだぁ~・・ああ・・・ミカサ・・」
ミカサ「エレン?大丈夫?気分は?」
エレン「ああ、大丈夫だ(ズキッ!)あっ・・・(痛てぇ・・)」
エレンはこめかみのあたりを手で押さえた。
ミカサ「エレン?頭痛がするの?」
エレン「ああ、まだ気分が悪い、頭も痛いしな・・お前は大丈夫なのか?」
ミカサ「私も・・・頭が・・頭痛がする・・・」
エレン「とにかく、水場で顔でも洗って落ち着こう」
ミカサ「うん」
エレン「それにしてもなんだったんだ・・・(ブツブツ)」
数日前にエレンが倒れた時に運ばれた湧水を探した。
が、湧水の場所が見つからない。
エレン「あれ?あの広場がこっちで・・・ミカサ!間違ってないよな?」
ミカサ「方向は間違っていない・・・と思う・・・でも・・・」
ミカサ「・・・・」
エレン「「でも」・・なんだ?」
ミカサ「ここは私たちの入った森じゃない」
エレン「えっ!」
ミカサ「でもこの森には見覚えがある」
エレン「そういえば・・・ここは・・・」
ミカサ「信じられないけど・・・」
エレン・ミカサ「ウオールマリアの森」
エレン「超大型巨人が現れる前にミカサと薪拾いに行ったあの森だ・・」
ミカサ「なんで・・・でも・・・ここの空気に嗅いだことのないにおいがする」
エレン「空の色が濃い・・・これだ・・・何日か前、倒れた時に・・嗅いだ匂いと見た色だ・・」
ミカサ「でも・・・何か違う・・・ここはさっきまでいたローゼの森の中・・・」
ミカサ「いえ・・・私たちがいる世界と違う・・・」
エレン「じゃあ・・・」
エレン「・・ここはどこだ」
ミカサ「わからない・・」
エレン「夢の中なのか?あの世か?」
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感じたことのない空の色、空気の匂い、この世とは思えない、あの世とも言えない。
しかし、自分たちの向こうにそびえ立つ壁は、確かにあの日放棄されたウォールマリアだった。
そしてその向こうにはシガンシナへ続く門があった。
エレン「どうしてだ、ウォールマリアは突破されたはずだ・・・今頃巨人にせんきょ・・・」
ミカサ「エレン!!」
ミカサの指差した200メートルほど先には10メートル級と思われる巨人がいた。
エレン「!!!!!」
エレンはミカサの手を取ると、一目散に巨人から遠い場所に走った。
エレン「なんで・・・なんでだ・・・俺たちは避難所にいたはずじゃないか?」
エレン「ローゼの森に居たはずなのに、なんで・・・なんで・・・こんなところにいる?」
エレン「俺たちが寝ている間にこんなところまで誰かに運ばれたっていうのか?」
エレンに手を引かれたミカサは、エレンに何かを言っていた。
ミカサ「・・・・・・エレン・・・エレン・・・」
エレン「今は逃げることだけに集中しろ!」
ミカサ「エレン聞いて!・・・違うの・・・あの・・・あの巨人・・・」
エレン「なんだよ!?・・・今はそれどころじゃ・・・」
ミカサ「あの巨人を見て・・・」
エレン「お前、そんな悠長なこと言ってる場合じゃ・・・」
ミカサ「見てっ!!」
ミカサの強い口調に押されて、エレンはようやくその歩みを止めた。
エレンの足は震えていた・・・。
ミカサ「あの巨人・・・私たちに興味を示していない・・・」
エレン「き・・き・・気が・・・気が付いて無いだけじゃないのか?」
ミカサ「あの日シガンシナが襲われた時に入ってきた巨人と違う・・・」
ミカサ「殺気のようなものを感じない・・・」
エレン「確かにあの巨人は今襲ってこない・・・でもよミカサ!」
エレン「ハンネスさんに聞いたんだ!巨人の中には、特定の人間にしか興味を示さないやつがいるって!」
エレン「「キコウシュ」って言うんだって・・」
エレン「・・だとしたら普通の人を襲う巨人もいるかもしれないだろ・・・って、うわ~~っ!!!」
エレンたちが出てきた森の陰から5メートル級が顔を出した。
エレン「お・・・終わった・・・」
ミカサ「エレンッ!!・・・」
絶望の表情を浮かべるエレン、その手を引いて逃げようとしたミカサを一瞥してその巨人は森の中に戻っていった。
エレン「助かった・・・のか?」
ミカサ「エレン良く見て・・・あと何体か巨人がいる・・」
ミカサ「・・これだけの巨人がいてどの巨人も私たちに興味を示さない?」
エレン「た・・確かにな・・・これだけの巨人に囲まれているのにな」
ミカサ「・・・これは私の勘だけだけど・・・今私たちの周りにいる巨人は私たちを食べることはしないと思う」
エレン「ああ・・そうみたいだが・・・どこに人食いが隠れているか判らない・・」
エレン「そいつに見つかった瞬間に終わる・・」
エレン「・・俺たちは確かにローゼにいた、森の中で気を失って・・」
エレン「・・気がついたらマリアのシガンシナの近くにいた・・(ぶつぶつ)」
ミカサ「考えていても答えはない。とりあえず、シガンシナの方に行ってみよう」
エレン「そ・・そんな!あそこには巨人がウヨウヨしてるはずだ!!人はみんな食われて・・・」
ミカサ「・・ならばここも一緒・・人食いの巨人が居たら、私たちは何もできずに食べられる・・・」
エレン「そ・・それもそうだ・・・そうしたらどうする」
ミカサ「全力で逃げる・・そしてエレンは私が守る・・」
ミカサの言葉にエレンははっとした、「守る・・・」
エレン「(俺は何を怖気づいているんだ・・・俺はミカサに守られる存在じゃない!俺がミカサを守るんだ)」
エレン「大丈夫だ、俺だってミカサを守る!巨人の餌なんかにさせない」
ミカサ「エレン・・ありがとう。エレンが元気になったよう・・嬉しい・・」
エレン「俺は初めから元気だ、きょ・・巨人にはちょっと驚いたが・・・」
ミカサ「行こう」
エレン「ああ・・」
エレンの中の精一杯の強がりだった。
きたか
>>31
来た・・・昨日の人ですか?
とりあえず、通勤中の電車の中で書き溜めたので、その分だけ投下してます。
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エレンたちはシガンシナへの扉までの道を歩いた。
あの日薪拾いの途中で居眠りをして、夢で泣いているところをミカサに起こされたあの日と同じ道だった。
その道の途中にも巨人はいたが、皆一様にエレンやミカサを襲ってはこない。
しばらく歩くと、シガンシナへ続く門が見えてきた。
エレン「門が見えた・・・!!!???・・ミカサ!!・・あれ!?」
ミカサ「門が・・・」
エレン「壊されていない・・・」
エレン「俺はあの日、門が鎧の巨人に壊されるのを見た・・・確かに見た・・・」
ミカサ「巨人が襲ってこないから修復したのでは?」
エレン「そんなに門が早く直せるもんか!」
ミカサ「確かにその通り・・」
エレン「とにかく門の方へ行ってみよう」
門にたどり着く。
その門は開いていた。
ミカサ「巨人がいるのに門が開いている?・・・なぜだ?」
エレン「巨人が襲ってこないのを知っているのか?」
エレン「あそこに人がいる・・・聞いてみよう」
門の近くにいる人に、エレンは話しかけた
エレン「あの~・・・」
門の近くの人「・・・・・・・・・」
エレン「(なんだ?この人・・・なぜ怪訝な顔でこっちを見るんだ?)」
エレン「あの~~ここはシガンシナの門ですよね?」
門の近くの人「・・・・・・○△□○△□○△□!!」
エレン「???!!!・・・えっ!なんですか!?」
門の近くの人「・・・・・・○△□○△□!!○△□○△□○△□!!」
エレン「ミカサ・・・この人の言っていること解るか?」
ミカサ「いや、解らない・・・この人は私たちと違う言葉をつかっている」
エレン「「違う言葉」?そんな言葉があるのか?」
ミカサ「エレン、ここはおかしい、とりあえず行こう」
エレン「あ・・・ああ・・・」
二人はその人とのコミュニケーションを諦めてシガンシナの門をくぐった。
門の近くの人「○△□○△□!!○△□○△□○△□!!○△□○△□!!○△□○△□○△□!!」
後ろであの人が何か叫んでいたが、やはり二人にとっては意味不明だった。
ミカサ「前にアルミンから聞いた」
ミカサ「100年前・・・巨人が攻めてきて人類が壁の中に逃げ込む前は、世界でいろいろな言葉が使われていたらしい」
エレン「俺もそれ聞いたことがある・・・でも今壁の中で使われているのは、俺たちが今はなしている言葉だけのはずだ」
>>1 です。
疲れたので、今日はここまでにします。
昨日より投下すくないですね。
話が進むといろいろ考えてしまって遅くなります。
明日から出張なので、書き溜めはしますが、投下は出来ないかもしれません。
それでは、おやすみなさい。
乙
>>38 ありがとう!励みになります!
>>1 です。
お待たせしました。
少し進みましたので、しばらくしたら投下開始します。
街の中に入ってきた。
その街は以前にエレンたちが住んでいたシガンシナそのものに一見見えた、しかし決定的に違っているものがあった。
言葉だ。
エレン「とりあえず入ってきたけど・・・」
エレンは待ちゆく人に話しかけた
エレン「すみません、ここはシガンシナですよね?」
街の人「・・・○△□?○△□○△□!!」
エレン「どうしてわからない言葉でしゃべるんですか?」
街の人「○△□○△□!!○△□○△□○△□!!!」
ミカサ「エレン・・たぶん無駄・・それに・・・」
エレンの様子を見て駐屯兵が近づいてきた。
言葉が通じない、でも彼らの制服は明らかに駐屯兵団のものだった。
エレン「・・・そうだ駐屯兵に事情を説明すれば・・・」
ミカサ「いや、様子がおかしい」
エレン「えっ!」
ミカサ「普通の雰囲気じゃない!逃げよう」
エレン「・・ってミカサ!!・・」
エレンの手を引くミカサ。
二人が踵を返すと、駐屯兵が追いかけてきた。
ミカサ「間違いない、アレは私たちを捕まえるつもり」
エレン「なんでだ?状況を話せば解ってくれるかも・・・」
ミカサ「たぶん無駄、アレもきっと言葉は通じない」
言葉が解らないものの、待ちの構造は住み慣れたシガンシナである。
路地裏のに回り込み細い道を駆使して駐屯兵を撒いた。
エレン「はあ・・はあ・・・なっ・・・お・・俺たち頭がおかしくなったのか?」
ミカサ「エレンは正常・・・私とエレンは会話をしている・・」
ミカサ「そして、ここはやはり違う世界・・・」
エレン「そうだな、それ以前に放棄されたはずのマリアとシガンシナがあるのがおかしい」
ミカサ「逃げた道は前にいたシガンシナと変わらなかった。この世界にももしかするとエレンの家があるかもしれない」
>>45 修正
× 言葉が解らないものの、待ちの構造は住み慣れたシガンシナである。
○ 言葉が解らないものの、街の構造は住み慣れたシガンシナである。
エレン「父さんや母さんがいるかも・・・」
ミカサ「頼れるかどうか判らない、でもそれ以外に頼れそうなものがない」
エレン「行ってみよう」
ミカサ「それまでの間・・・私たちは口を開かない方がいい」
エレン「ああ、そうだな」
二人はエレンの家がある辺りに急いだ。
エレン「ここだ・・・家が・・・ある。巨人の蹴った石で潰されたはずの家が・・・誰かいるか?」
こっそりと窓から家をのぞいてみる、人がいる気配ではない・・・
エレンはその扉をノックした
エレン「誰か居ませんかぁ~!?・・・って自分の家なんだけどな」
ミカサ「しゃべってはダメ」
エレン「そうだった・・」
しばらく待ったが人が出てくる様子はなかった・・・と思ったその時、扉が内側から開けられた。
そこにいたのは
エレンの父、グリシャ・イェーガーであった。
エレン「とう・・さん・・・」
グリシャは、グリシャと思われる男はゆっくりと口を開いた
グリシャらしき男「○△□?」
エレン「どうしたんだよ!父さんまで、なんでそんな知らない言葉で・・・」
男は、エレンの言葉を遮るようにして、家の中に二人を押し込むようにして招いた
エレン「・・・」
ミカサ「・・・」
グリシャらしき男「・・・」
3人はしばらく無言だった。
最初に口を開いたのはグリシャらしき男の方だった。
グリシャらしき男「○△□?」
エレン「(俺が話しかけられてるのか?)」
エレン「父さんなんだろ!なんでそんな気味悪いいたずらみたいな・・・」
ミカサ「エレン!!」
エレン「何を言ってるんだよ・・・父さんは・・・」
ミカサ「エレン、落ち着いて・・・」
ミカサがエレンを諭した。
そして男は状況を把握したようだ。
グリシャらしき男「○△□・・・この言葉なら解るか」
エレン「えっ!!なんだ・・・普通の言葉・・・」
エレンは状況を読めこめなくてパニックになっている。
ミカサも似たようなものだったがほんの少しだけ冷静だった。
ミカサ「わたしはミカサ、エレンの家族・・・エレン・イェーガー・・・グリシャ・イェーガーの息子」
グリシャらしき男「イェーガー・・・むす・・こ・・・」
エレン「父さんなんだろ?変な冗談はよしてくれよ」
ミカサ「エレン、ここは違う世界・・ここにいるのはたぶん、エレンの父さんではない、良く似た人」
グリシャらしき男「・・・・」
男は何かを考え込むように黙っていた。
二人はそれをただ見つめていた。
考え込む男の、その面持は明らかにエレンの父、グリシャ・イエーガーそのものであった。
グリシャらしき男「君たちは?名前は?」
エレン「エレン・・・エレン・イェーガー」
ミカサ「ミカサ・アッカーマン」
グリシャらしき男「まず、聞け・・君たちの言葉で話すが、それほど自由には話せない」
グリシャらしき男「理解できない言葉もある。だから、もう少しゆっくりと話して」
エレン・ミカサ「はい」
グリシャらしき男「君たちはなぜここに?」
エレン「巨人が攻めてきた・・・壁から顔を出すようなでっかい巨人がシガンシナの扉を壊したんだ」
エレン「壊れた扉の破片で俺の家がつぶされて、母さんが巨人に食われた」
エレン「俺たちがシガンシナから非難する船に乗った時、今度は鎧の巨人が現れてマリアに続く扉を壊したんだ」
エレン「人類は・・・負けた・・・」
グリシャらしき男「負けた・・・巨人・・扉を壊す・・・人を食う・・・」
一つ一つの単語を結びつけるように反復して男は続けた
ミカサ「私たちはウォール・ローゼまで非難しました。その避難所で薪拾いをしていた時に気分が悪くなって・・・」
ミカサ「倒れて・・・気がついたら・・・別の森に居ました」
ミカサ「そのあと、すぐに巨人と遭遇しましたが、巨人は襲ってきませんでした」
ミカサ「そして、この世界の人間とは言葉が通じません」
ミカサ「なのに、なぜあなたは私たちの言葉が判るのですが」
グリシャらしき男「・・・それに答えるには・・・私からも質問がある」
グリシャらしき男「まず、今君は「この世界」と言った」
ミカサ「はい」
グリシャらしき男「なぜそう思った」
ミカサ「巨人が襲ってきません。ここの人とは言葉が通じません。それに・・・」
グリシャらしき男「それに・・・」
ミカサ「空気の匂いや空の色が違う・・・あとは・・・勘としか・・・」
グリシャらしき男「ミカサ・・・だったね」
ミカサ「はい」
グリシャらしき男「ここは君たちがいた世界ではない」
エレン「じゃあ・・ここは?・・・それに・・・あなたは・・・父さんじゃない」
グリシャらしき男「そうだな?私には妻も息子もいない・・・居なくなった・・・」
>>1 です。
以上書き溜め終了です。
書き足そうと思いましたが、思いつきで書いて後で自分が困ってしまうのもアレなので今日はここまでにします。
明日は夜に用事があるので、ダメそうですが、明後日にはなんとか。
ようやく「異世界もの」っぽい内容に入っていけそうです。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません