留美「(……今日の仕事場に向かっている途中に……スマフォを落としてしまったわ……)」
留美「(電車を降りたところでは持っているのを確認した……たぶん、この道すがらに落としてしまったんでしょう……)」
留美「(幸い、時間に余裕はある……少し探してみましょうか……)」
少年「ん……あの人は……」
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少年「もし……お姉さん、どうされました?」
留美「? 私の事?」クル
少年「……もしかして、アイドルの和久井留美さんですか?」
留美「え……ああ、そのとおりよ」
少年「おお、やはり……よく、テレビで拝見させてもらってます」ペコリ
留美「あ、ああ……これはどうも。知ってくれていて、私もうれしいよ」
少年「あの……不躾かもしれませんが……何か、お困りですか?」
留美「え、えーと、実はスマフォを落としてしまって……」
留美「(しまった……これは、いうべきことではなかったかしら……?)」
少年「どこで落としたのか、わかりますか?」
留美「ああ……たぶんだが、この近くだとは思うのだが……」
少年「……お時間は大丈夫ですか? よければ、探すのを手伝いますが……」
留美「い、いや! 時間に余裕はあるが……そんなことは……」
少年「俺も暇ですし……遠慮なさらず」
少年「そうですね……5分くらい探してみて見つからないようなら、少し離れた所に交番がありますから、そこに届を出しましょう」
留美「……そ、そこまで言うなら……お願いしようかしら……」
留美「(物おじせず、落ち着いた子ね……中学生くらいかと思ったけど、高校生かもしれないわ)」ゴソゴソ
留美「(それよりも、あの感じ……どこかで……)」
少年「あ……すみません、和久井さん! スマフォが落ちてたんですが……これ、そうですか?」
留美「あら……うん、機種も色も同じ…………私のもので間違いないわ」
少年「よかった……結構あっさり見つかりましたね。なによりです!」ニコ
留美「!」ドキッ
留美「(ちょ……わ、私なにこんな子供にトキめいているのよ……!)」
留美「(……というか……さっきの笑顔といい……どこか、既視感……)」
モバP「あれ……和久井さん? 何かあったんですか?」
留美「ぷぷぷぷプロデューサー君!? なんでここに……!?」
モバP「いや、和久井さんとは今日の仕事場で合流する事になってたでしょう? ここからは実質一本道なんですよ」
少年「あ、父さん」
留美「……え?」
留美「え?」
留美「えーと……確認するとその少年は……君の息子で……間違いないんだね?」
少年「改めて……はじめまして、●●と申します。いつも父がお世話になっております」ペコリ
モバP「まーたお前は、こまっしゃくれてくれちゃって」グリグリ
少年「や、やめてよ父さん!」
留美「ごめん、ちょっと聞きたいのだけど……プロデューサー君、キミ……何歳だったかしら?」
モバP「32……あ、今月末で33歳になりますね」
留美「ああ……そうだったわね、ありがとう(そうだった……見た目若いから忘れがちだけど、私よりも年上だったんのよね……)」
留美「(あれ? ということは……)」
留美「えーと、少年君、キミは……いくつなのかな?」
少年「はい、今年9歳になりました」
留美「まさかの一ケタ!?」
モバP「ははは……俺は背は低いんですけど、コイツは妻に似たのかでかいんですよね、年の割に」グリグリ
少年「だから、やめってってば父さん……」
モバP「なーに、お前はすぐに俺の背を追い抜くさ! これもすぐにできなくなる!」
留美「つ……妻ってことは……」
モバP「え、ああ! 間違いなく、血のつながった親子ですよ、俺ら」
少年「よく兄弟に間違えられるよね、俺ら」
留美「ふふ……ふ……さいですか……」
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