里奈「…」ｷｮﾛｷｮﾛ

芽衣子「あ、あのね、これは今度着る衣裳の試着で——」ﾜﾀﾜﾀ

里奈「あっめーっけ♪」ﾀﾀｯ

芽衣子（無視された！）ｶﾞｰﾝ


ﾎﾟﾝ


成宮由愛「！」ﾋﾞｸｯ

http://i.imgur.com/yUGYe6y.jpg


里奈「あ、由愛っちびくーって！　まぢカワちゃーん☆」ｸｽｸｽ

由愛「な…、り、里奈さん……。び、びっくりさせないでください、よ…」ﾊﾌ

里奈「ごめんごめん」ｷｬﾊ

由愛「今度は、もっとやさしくしてくださいね…」

里奈「りょー♪」

由愛「…なら、いいです…」

由愛「…えへへ、えっと…おはようございます」

里奈「うん！　ちょりっす由愛っちぃ」

由愛「ち、ちょりっす」

芽衣子「！？」

芽衣子（い、いまのは聞き間違いかな？）

里奈「今日も暑いねー…」ﾂﾗﾀﾝﾂﾗﾀﾝ

由愛「そうですねー…」

里奈「由愛っちはなにしてた？」

由愛「あ、えっと…レッスンまで時間があるので、いまは、ぼーっと」

里奈「…」

由愛「…」ｴﾍﾍ

里奈「…、キャハ☆」

里奈「イイねっ♪　アタシもしよー」

由愛「はい」ﾆｺ

芽衣子「…」

由愛「…」ﾎﾞｰ

里奈「…」ﾎﾞｰ…



芽衣子「…」

芽衣子（い、意外と仲が良いんだね、あの二人…）ﾍｰ…

里奈「…」

里奈「…ま…」

由愛「？」

里奈「ぼーっとしてても、暑いのには変わんないかー…」ｸﾞﾃﾞｰﾝ…

由愛「お、お外を歩いて来たからじゃないですか？」

里奈「コンビニで立ち読みしてる方が涼ちぃよー…」

由愛「…」ｸｽ

里奈「あ、いま笑った！　なんでー」ｺﾞﾛﾝ

由愛「だって、…元気のない里奈さんは、なんだか珍しくて」

里奈「……」ｺﾞﾛｺﾞﾛ…

里奈「…、キャハ。まーそんな日もあるよね」

由愛「ありますねー」

里奈「あるあるぅ」ｺﾞﾛｺﾞﾛ



芽衣子（……、なんだか、見ているだけでも、ちょっと面白い不思議な組み合わせだなー…）ｸｽ

里奈「あ」

由愛「？」

里奈「いつものスケッチブック。お絵かきもしてた系？」

由愛「…あ…、いえ…、昨日、近くの公園で…。…小さな池があるんですけど、とても綺麗で…」

里奈「へー」



芽衣子（そうだ、二人に冷たいお茶でも淹れてあげようかな。うん、いいかも！）ﾖｯｼ



里奈「今日も行くの？」

由愛「はい。その…レッスンが終わってから…」

里奈「ほわー」

由愛「…」ﾊｲ…

里奈「……」

由愛「…？」

里奈「…」ﾌﾟｸｰ

由愛「？？」

由愛「ど、どうかしましたか？」

里奈「…、うん、てかー、アタシは誘ってくれないんだーって由愛っちひどいんですけどー」ｻｹﾞﾎﾟﾖｰ

由愛「…」ｱｰ…

由愛「…けど、きっと…夕方でも暑いですよ？」

里奈「…」

里奈「ゆ、由愛っちと一緒ならなんも怖くない的な！」

由愛「目を逸らさないでください」

里奈「が、ガチで平気だもん？」

由愛「疑問形になってます…」

里奈「アゲてこー☆」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

由愛「せめて座ってから言ってください」

里奈「うわーん！　由愛っちまぢシンラツなんですけど！」

由愛「…里奈さん、むずかしい言葉を知ってますね…」ｼﾝﾗﾂ?

里奈「あごめ、アタシも意味はよく分かんない系ー」ｷｬﾊ

由愛「あれー」



芽衣子（やり取りが可愛いなあの二人）ｶﾜｲｲ

里奈「な、なんだったら今からでも！☆」

由愛「さっきまでへとへとだったのに、無理はしないでください…」

里奈「…」

由愛「…、？」

里奈「そか」

里奈「ね、ね、由愛っち。いまから行こっ」

由愛「え？」

里奈「ごろごろしてたってつまんないしぃ☆」

由愛（私はごろごろはしてません…）

里奈「アゲてく宣言したとこだしっ。レッスンまでまだあるんでしょー？　じゃーいーぢゃーん？♪」ﾈｰ

由愛「…」ｸﾞｲｸﾞｲ

由愛「…あの、本当に平気ですか？　お外ものすごく暑いと思いますけど…」

里奈「キャハ☆」


ﾎﾟﾝ


由愛「…」

里奈「さっきまでアタシが元気なかったのはぁ、まだ事務所に着いてなかったから！　由愛っちがいたらーってさっきも言ったっしょー？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

由愛「……」

里奈「あ、あとプロデューサーもいるけど！　いまはいないけど！　どこ行った！」

由愛「そうですね」ｸｽ

由愛「じゃあ…レッスンまでの時間の、ちょこっと…ですけど」

里奈「うん！」

由愛「…、ちょっと、準備して来ますね…」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ…

里奈「行ってらー♪」



里奈「？」


ｺﾄ


芽衣子「…」ﾆｺ

芽衣子「お茶、淹れて来たんだけど…。飲む？」

里奈「…」

里奈「芽衣子さんやさしー。あとーんす」

芽衣子「へへ。どういたしまして」

里奈「…」

里奈「…」ｼﾞｰ…

芽衣子（あ、またすごく見られてる感じがする…）

里奈「…やー。芽衣子さん、やっぱその衣裳まぢヤバ。デラヤバい」

芽衣子「や、やばい？」

里奈「やびゃあ」ｳﾝ

芽衣子「！？」

芽衣子「…そ、そんなに似合ってないかなぁ…」

里奈「へ？　めちゃ似合ってんぢゃん」

芽衣子「へ？」

里奈「やばってほら、イイ感じってこと☆　芽衣子さんにぴったり♪」

芽衣子「……、ほ…」

芽衣子「あ、そういう…」

芽衣子（わ、分かんなかった…ほ、褒めてくれてたんだ……）

里奈「♪」ｺﾞｸｺﾞｸ

芽衣子「…」

芽衣子「里奈ちゃん、ありがとう」

里奈「？　…ぷは」

里奈「キャハハ！　全然おっけー♪」

芽衣子「うん」

里奈「芽衣子さん、その衣裳おきになんだ？」

芽衣子「あ、うん。その、プロデューサーに、可愛いって言ってもらえたの」ｴﾍﾍ…

里奈「…、わ…」

里奈「芽衣子さんかわいー☆　なにそれヤバい！」ｷｬﾊﾊ

芽衣子「そ、そう？」

里奈「うん！」

里奈「分かる分かる。アタシも、プロデューサーが着せてくれた衣裳、めちゃ大切だもんねー…」

芽衣子「……」

里奈「…」

里奈「ね、芽衣子さん。アイドルって、楽しいねー☆」

芽衣子「そうだねー」

芽衣子「……」

芽衣子「実は」

里奈「うん？」

芽衣子「その…由愛ちゃんとすごく仲がいいみたいで、びっくりしちゃった。…って言ったら、怒る？」

里奈「…」ｷｬﾊ

里奈「ううん。自覚はあるしぃ、でもアタシは由愛っち大好きだしー、気にしない系ー」

芽衣子「そっか。ありがと」

里奈「キャハ♪　なんでアリガト？　マジウケるんですけどぉ」ｷｬﾊﾊ

芽衣子「…」ﾌﾌ

里奈「…」ﾆｺ

里奈「こんなんでもアタシ、由愛っちのこと尊敬しててー」

芽衣子「そうなの？」

里奈「うん。頼りになる先輩って感じ？」

芽衣子「へー…」

里奈「真面目だし、いろいろ教えてくれるしー…」

里奈「……こんなアタシにも、なんかめっちゃ頑張って声かけてくれたし。もぉーヤバい由愛っちやびゃあだよ」

芽衣子「やびゃあかー」ｸｽ

里奈「うん」ﾔﾋﾞｬｱﾔﾋﾞｬｱ

芽衣子（里奈ちゃんって、いい子だねー）

里奈「…」ｺﾞｸｺﾞｸ

里奈「ぷは！　芽衣子さん、お茶ありがとー♪　ごちー」

芽衣子「…うん」

里奈「？」

里奈「どうかした？」ﾌﾞﾆ

芽衣子「むにゅ」

芽衣子「…あ、いや、べつに…」

里奈「？」

芽衣子「……、なんかごめんね…」

里奈「？？　う、うん。全然分かんないけど……べつにいいよ？」

芽衣子（罪悪感がすごいや…）

芽衣子（やっぱ人って、ちゃんと話してみないと分かんないなー）ｳﾝ

芽衣子「…、ね、里奈ちゃん。このあと、由愛ちゃんと一緒にお出かけするって…」

里奈「うん。だけど？」

芽衣子「私も付いて行っていいかな？　里奈ちゃんともっとお話してみたいな」

里奈「……、…」

里奈「キャハ！　そんなー、もちおっけー☆　だめなわけないぢゃん！♪」

芽衣子「うん、ありがと」

芽衣子「あ、あと」

里奈「うん？」

芽衣子「よかったら、私のことも、芽衣子っちって呼んで欲しいなー」

里奈「…」

里奈「と、歳が上の先輩をそう呼ぶのは、ちょっち緊張するけど…わ、分かった！」

芽衣子（本当にいい子だね！）ﾏｼﾞﾒﾀﾞ…

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ…


由愛「お、お待たせしましたー…」

由愛「…、？」

里奈「おかえりー☆」

芽衣子「…」ｴﾍﾍ

由愛「…？」

由愛「は、はい…。えっと…？」

里奈「芽衣子っちも一緒に行きたいって♪」

由愛「ほ、本当ですか？」

芽衣子「いいかな？」

由愛「…」ｴﾍﾍ

由愛「も、もちろんです。…ほんの、お散歩みたいな、だけですけど…」

芽衣子「公園だよね？　ぷち旅行気分だー♪」

里奈「だー☆」

由愛「…でもその格好で行くんですか…？」

芽衣子「あっ」

ｶﾞﾁｬ


Ｐ「？」

Ｐ「お、なんだか珍しい組み合わせだなー」

里奈「？　あっプロデューサーじゃん！　ちょりーっす！☆」

Ｐ「おう」

由愛「ち、ちょりっす、です」

芽衣子「ちょりっす！　プロデューサー！」ﾊﾟｯ

Ｐ「！？」

Ｐ「え？　ふ、二人とも、いまなんて——」

芽衣子「えへへ！」

由愛「…」ﾍﾍ…

里奈「キャハ！　プロデューサー、その顔マジかわなんですけど♪」ﾆﾊﾟｯ

Ｐ「か、からかうなよ」

里奈「へへーん♪　ほら二人とも、早く行こっ☆」ﾊﾟｼｯ

芽衣子「わ。…ちょ、里奈ちゃん、は、早い…てかまだ着替えてない…」ｷｬｰ//

由愛「…えへへ。あの、レッスンまでには、戻りますから…」



ﾊﾞﾀﾝｯ



Ｐ「…」

Ｐ「…、ま、仲がいいのはいいことだな…」ｳﾝ

Ｐ「さ。仕事するかー」



Ｐ「…。あのお茶、飲んでもいいのかな…」



…ｶﾗﾝ



・・・・おしまい