モバP「野球好き」 (72)
モバマスSSです。
P「なぁ、奈緒」
奈緒「なんだよPさん」
P「仕事は順調か?」
奈緒「まぁ、大きなポカはしてないし、順調だと思うけど…」
P「そうか。そうか」
奈緒「ってか、そんなの聞かなくても分かってるだろ?」
P「うん。そうだな」
奈緒「…Pさん?」
P「クリスマスもやったし、京都行ったし色々やったな、奈緒」
奈緒「やったなぁ…」
P「よしっ!奈緒の家行くかっ!」
奈緒「うん…うん?」
P「えーと、クリスマスの資料と京都行った時の資料はここにあるから…。あ、あのゴシックドレスのやつも…」
奈緒「ちょ、ちょっと待った!いきなり何言ってんだよ!」
P「あぁ、ごめんごめん悪かった」
奈緒「全くいきなり驚かせること言うなよな」
P「奈緒」
奈緒「ん?」
P「近い内に家庭訪問するから親御さんに宜しくな」
奈緒「え、あ、うん」
P「それじゃ、よろしく」
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以前とタイトルが似てしまってすみません…。
コンコン
P「はーい?」
唯「失礼しまーす。あ、Pちゃん。来ちゃった」
P「あ、どうも」
唯「んー、なんか固いよ、ほらっ!元気出してよっ!」
P「ははっ、元気だな。よく来てくれたな」
唯「まぁ、柚ちゃんとも約束したしねー。それじゃ、何すればいいのかな?」
P「簡単な体力と歌を見る程度ですかね。容姿は問題ないですから」
唯「歌うのはいいよねー。それじゃ、早速カラオケにでも行こっか」
P「いや、ちゃんとそういう場所があるんで…」
唯「ウソウソ。分かってるってそれじゃしゅっぱーつ!」
ガチャ
柚「ん?あ、唯さんとPさんじゃん。どっか行くの?」
唯「あ、柚ちゃんおはよー。今からカラオケに行くんだよ」
柚「えー、いいなぁ。アタシも行っていい?」
P「…嘘だからな」
唯「あ、バレちゃった。今から試験受けてくるんだよー」
柚「あー、そういうこと。多分レッスン場にだろうし、一緒に行こっか」
唯「そうだねー。そうしよっか」
事務所
P(一先ず、採用と…)
ちひろ「あ、お疲れ様です」
P「え?あ、お疲れ様です」
智香「あっ、お帰りなさい!」
P「お、智香か。仕事終わりか」
智香「はいっ!今日も頑張ってきました!」
P「…俺の記憶だと友紀も一緒に仕事行ってたはずなんだが…」
智香「あ、そうですね、一緒にお仕事してましたよっ!」
P「友紀はどこ行った?」
智香「なんでも、テンションが上がったからって、寮に帰って野球を見るって言ってました!」
P「球場には行ってないんだな…」
智香「今日は球場から遠い場所でしたからね…」アハハ
P「ん?そう言えば、よく球場が近くにないなんて分かったな」
智香「だって、友紀さんがそう言ってましたからっ!」
P「なるほどな」
智香「アタシはこっちに来てから野球を球場で見たことないですもん」
P「まぁ、機会がないと行かないだろうなぁ…」
智香「そうなんですよね!あ、でも、向こうだと見たことありますよ?」
P「鹿児島でか?」
智香「鹿児島だと二軍のキャンプしか見れないんですけどね」
P「そうなのか?」
智香「オリオンズの二軍ですけど…」
P「二軍のキャンプを見るなんてよっぽど野球好きなんだな」
智香「この話をするとそう言われるんですけど、近くにそこしかなかったんで、そこまで熱狂的なファンじゃないと思います
けどねっ」
P「ちなみに誰のファンなんだ?」
P(西丘とかかな…)
智香「えーっとですね。猪口さんと、荻布さんですっ!」
智香「前は西丘さんも悪くないなぁと思ってたんですけど」
P「ですけど?」
智香「帰ってきて、ヒーローインタビューを聞いてあんまり好きじゃなくなっちゃいました」
P「あー、二年間のアメリカ旅行から帰ってきたってやつな」
智香「はい。メジャーに行くからって頑張って応援してたのに、嫌な気持ちになっちゃったんですよ」
P「なるほどなぁ…。試合観に行くか?」
智香「試合ですか?」
P「そうそう。千葉に行く予定があるからさ」
智香「…それは、二人きりなんですか?」
P「それは分からないなぁ」
P(友紀とか知ったらついて来そうだし)
智香「ま、二人でも何人でも、いいですけどねっ!」
P「そうか。それじゃ、決まったら連絡するよ」
智香「はい。よろしくお願いしまーす」
ピリリリリ
P「はい。Pですが」
奈緒『あ、Pさん?あたしだけど』
P「なんだ奈緒か」
奈緒『なんだってなんだよ…』
P「それでどうしたんだ?」
奈緒『あー、ウチに来る件なんだけど』
P「うん。それでいつになりそうだ?」
奈緒『いつでもいいとは言ってたよ』
P「そうか。…って何か問題でもあるのか?」
奈緒『問題はないって。問題は。たださ…』
P「ただ?」
奈緒『い、いや、なんでもないっ!それじゃ、明日は駅で待ってるからなっ』ガチャ
P「なんなんだ一体…」
智香「誰からなんですか?」
P「ん?奈緒からだよ」
智香「奈緒ちゃんですかー」
P「そうだよ。明日、奈緒の家に行こうかと思ってな」
智香「ん?なにか用事でもあるんですか?」
P「今、アイドルの実家にお邪魔して、仕事の内容や、今後について話してるんだよ」
智香「ウチにはまだ来てないんですけど…?」
P「遠方のアイドルはまとまった時間が取れてからにしようと思ってるんだよ。あ、そうだ。オリオンズのキャンプ頃に行こうか」
智香「あ、それいいですねっ!」
P「友紀には、二月にしてっ!ってもう頼まれてるし、その位でいいか?」
智香「はい。そうしたら一緒に見に行きましょうね」
P「あぁ、そうだな」
智香「やったー☆」
沙紀「あ、こんばんはっすPさん」
智香「あ、沙紀ちゃんこんばんは」
P「お、お疲れさん」
沙紀「お疲れ様っす。二人してなにしてたんすか?」
P「ちょっと、世間話をな」
沙紀「世間話っすか」
智香「そうなんですよー」
沙紀「いいすねぇ…。何話してたんすか?」
P「野球の話だよ」
沙紀「野球っすか。この間の横浜戦は熱かったすよね」
P「あれは、野球を知らない人でもファンになる勢いだったよな」
智香「Pさんは沙紀さん共、野球観に行ったんですか?」
P「うん。観に行ったんだ。凄い試合だったよ」
沙紀「凄かったすよねー」
智香「あ、あの大逆転した試合ですか?」
P「そうだよ。丁度球場で見てたんだ」
沙紀「あの時は楽しかったすねぇ」
智香「いいなぁ…絶対行きましょうねPさん!」グッ
P「お、おう。そうだな」
智香「楽しみだなぁ…。もう、今からワクワクしてますよっ!」
P「奈緒の家に行ってからだから、時間は追って連絡するな」
智香「はいっ!それでは失礼しますね」
P「気を付けて帰れよ」
智香「ちゃんと明るい所通って帰りますから。ありがとうございますね」
翌日
駅
P「最近電車移動が多かったから、久々に車を使って来たわけだが…」
P(ちょっと雨降ってるな。小雨程度だけど…)
P「さーてと、奈緒は…お、いたいた」
P(電車で来ると思ってるからか、しきりに改札の方を見てるな)
P「それじゃ、行くか」
奈緒(遅いなぁ…。この電車って言ってたはずなんだけど)ソワソワ
奈緒(別に遅延したって話は聞かないし…)
奈緒「もしかして、なにかあったのかな…」ボソッ
?「すみません、少しお時間いいですか?」
奈緒「えっ、いや、すみません……ってPさん?」
P「おはよう。悪いな、待たせたみたいで」
奈緒「あれ、いつ来たの?」
P「さっきだよ」
奈緒「ん?アタシはずっと改札の方見てたんだけど…」
P「今日は車で来たんだ」
奈緒「なっ、そういうことは先に言ってくれよっ!」
P「はははは。ちょっと奈緒を驚かそうと思ってさ」
奈緒「確かに驚いたけどさー、いきなり声掛けないでくれよ。びっくりするじゃんか」
P「悪い悪い。あ、それってもしかして…」
奈緒「ばっ…!ち、違うからなっ!急に雨が降ってきたから濡れたら風邪引くと思って…!」カァァ
P「ありがとなー奈緒」ナデナデ
奈緒「なっ、うう…、親の前ではやらないでくれよなっ」
P「やらないって」
奈緒「ならいいけどさ…」
P「それじゃ、あっちに車停めてあるから付いてきてくれ」
車内
P「雨止みそうだな」
奈緒「そうだな」
P「残念か?」
奈緒「な、なんでさ」
P「傘を使えなくてさ」
奈緒「う、うるせぇ!」
P「悪い悪い。あ、でも…」
奈緒「な、なんだよ」
P「いや、なんでも。お、ここに停めるか」
奈緒「え、もうちょっと近い所に停める所あると思うけど…」
P「いや、ここでいいんだよ」
奈緒「そこまで言うなら、いいけどさ」
P「あー、雨降ってるなぁ。俺、傘持ってないんだよなぁ、奈緒」チラッ
奈緒「な、なんだよ」
P「いや、傘ないかなぁって思ってさ」
奈緒「しょ、しょうがねぇなぁ…今回だけだからなっ!」
P「お、ありがとな、奈緒」
奈緒「か、勘違いすんなって。たまたまだからなっ」
P「それじゃ、ほれ」
奈緒「ん?どうしたんだPさん?」
P「入らないのか?濡れるぞ?」
奈緒「あ、アタシは自分の傘があるからいいって!」
P「なんだ、残念だなぁ…」
奈緒「…どうしても入って欲しいのか?」
P「ん?」
奈緒「しょ、しょうがないなぁ本当にPさんは!」
P「どうした?」
奈緒「しょうがないから一緒に入ってやるよ」
奈緒の家
奈緒「ここだよ。ちょっと待っててな」
P「おう」
奈緒「…よし、平気。来ていいぞ」
P「お邪魔します」
奈緒の母「あら、こんにちは。今日はわざわざありがとうございます」
P「いえ、とんでもありません」
奈緒の母「玄関先じゃなんですから、どうぞこちらへ」
P「それでは失礼します」
和室
奈緒の母「それじゃ、お茶を淹れてきますね」
P「あ、お構いなく…」
奈緒「……」ソワソワ
P「ん?どうした奈緒?」
奈緒「な、なんでもないって!」
P(トイレでも我慢してるのかなぁ…)
奈緒の母「失礼します。これお茶です」
P「わざわざ、ありがとうございます」
奈緒の母「いえいえ。それでですね…奈緒とはいつから?」
P「いつから…?」
P(いつからプロデュースしてるかってことかな)
P「そうですね…」
奈緒「ぴ、Pさん!」
P「ん?なんだ?」
奈緒「あ、アタシらなんもないよな!」
P「なんもって?」
奈緒「だからー…あぁ、もうっ!」
P「ど、どうしたんだ?」
奈緒「とにかく、アタシとPさんは別につ、付き合ってるわけじゃないからってことだよ!」
奈緒の母「あら、そうだったの?」
奈緒「最初からそうだって言ったじゃんか!母さんが早とちりしただけで」
奈緒の母「そうだったっけ?」
奈緒「そうだよ。ただ、アタシはPさんが来るって言っただけだしさ」
奈緒の母「だって、奈緒が男の人を家に連れてくるなんて言ったから」
奈緒「ま、まぁ…確かに初めてだけどさ」
P「そうなのか」
奈緒「う、うるせぇ!」
奈緒の母「仲はいいみたいね。フフ…」
P「それでは、改めて私の本来の来た理由を…」
奈緒の母「なんでしょうか?」
P「とりあえず、奈緒さんのお仕事の内容をですね」
奈緒の母「あぁ、最近奈緒を雑誌などで見るようになりましたし」
P「それは奈緒さんの努力があったからですよ」
奈緒「そ、そんなことないって…Pさんのおかげだし」
奈緒の母「いい関係なのね」
奈緒「だから、そんなわけないってば!」
P「それで、それぞれのお仕事について詳しく説明させていただきますね」
P「まず、クリスマスの時のものから——」
奈緒の母「こうして見ると中々色んなことやってるのね、奈緒は」
奈緒「アタシも改めてそう思った」
P「京都、その次も、非常に評判良かったです」
奈緒「P、Pさん…」
P「ユニットとしても最年長として頑張ってると思います」
P(まぁ、主に弄られてるだけだけどさ)
奈緒の母「まぁ、奈緒が楽しくやっていられてるようで、何よりです」
P「そう言って貰えると嬉しいですね」
奈緒「あたし、ユニットでも最年長だから頑張らないとな…!」
奈緒の母「それ以外も頑張らないといけないでしょ?」
奈緒「ま、まぁ、頑張らなきゃいけないことは一杯あると…思うけど」
P「ソロ活動も頑張らないとな」
奈緒「あ、あぁ…」
奈緒(多分、母さんは別のことを言ってると思うけどなぁ…)
奈緒「あ、雨が止んだみたいだぜPさん」
P「そうか。それはよかったな」
奈緒の母「プロデューサーさんは今日は、何で来られたんですか?」
P「今日は車ですが…」
奈緒の母「あら、それじゃ、お酒はダメですね」
P「はい。そうですね」
奈緒「Pさんちょっといい?」
P「ん?どうした」
奈緒「もう粗方説明終わったと思うんだけど?」ヒソヒソ
P「そうだな」
奈緒「…ご飯でも食べていくの?」ヒソヒソ
P「いや、今日はちょっと、予定があってさ…」
奈緒「ん?仕事?」
P「いや、野球を見に行く約束が…」
奈緒「あ、それじゃ、アタシも着いていっていいか?」
P「いいけど…」
奈緒「ありがとなっ。それじゃ、お母さんアタシさー…」
奈緒の母「あら、野球に行くの?行ってらっしゃい」
奈緒「まだ、何にも言ってないんだけど」
奈緒の母「ヒソヒソ話にしては声が大きかったからね」
奈緒「う…、と、とりあえず行ってくるっ!」
奈緒「さっさと、行こうぜPさんっ!」
P「え、ちょ、ちょっと…!」
P「それでは失礼します」
奈緒の母「恥ずかしがり屋で、素直じゃないかもしれないですけど、いい子ですから。よろしくお願いします」
P「勿論です。それでは失礼します」
車内
奈緒「あー、恥ずかしかった」ハァ
P「いいお母さんだったな」
奈緒「そう?」
P「おう」
奈緒「…ふーん」ニコニコ
P(ニコニコしてるなぁ)
奈緒「そう言えば、ここからだとどれくらいかかるのさ?」
P「どうだろうなぁ…。ちょっとカーナビ点けてくれるか?」
奈緒「え、どうやって設定すればいいんだよ…」
P「住所押せば一発だろ。流石に運転している間に弄るのは自殺行為だしな」
奈緒「住所は携帯で調べれな分かるかなぁ…お、あった。えーと…」ピッピッピッ
P「お、出てきた。ありがとな」
奈緒「別にいいけどよ」
P「それと面倒ついでにもう一ついいか?」
奈緒「ん?なんだ?」
P「智香に電話してくれないか?」
奈緒「智香?別にいいけど…何か緊急の用事?」
P「野球観に行く約束しててさ」
奈緒「あ、予定ってそういうことかよー。まぁ、いいけどさー」
奈緒「あ、もしもし智香?」
智香『はい、なんですかー?』
奈緒「Pさんが電話してくれって言ってたんだけどさ」
智香『なるほど。代わって貰っていいかな?』
奈緒「Pさん代われる?」
P「ハンズフリーに出来るか?」
奈緒「うん」
P「あ、もしもし智香?」
智香『はい。智香ですっ!何時にどこに行けばいいでしょうか』
P「そうだなぁ…。——時頃でいいか?」
智香『はいっ!分かりました。それじゃ、駅にいますねっ』
P「誰かと一緒に来るのか?」
智香『いえっ、友紀さんも二日酔いみたいですし、一人で行きますよ。それじゃ、さっそく向かいます☆』ガチャ
P「お、ありがとな。奈緒」
奈緒「別にいいけど」
P「気になったんだが、奈緒は野球好きなのか?」
奈緒「野球?うーん。そうだなぁ…漫画とか、アニメで見てたことあるからルールは知ってるくらいかな」
P「漫画かー、大リーグボールとか知ってる?」
奈緒「流石にそれは、名前しか知らないなぁ…」
P「まぁ、ルール分かるならいいか」
奈緒「しっかしさー」
P「どうした?」
奈緒「やけに智香と仲良いんだな」
P「普通だと思うけどな」
奈緒「そうかぁ?」
P「……妬いてるのか?」
奈緒「ばっ、妬いてねぇよっ!」
P「悪い悪い。それじゃ行くか」
奈緒「全く…」ブツブツ
球場
P「智香はもう来てるか?」
奈緒「あ、あれじゃないか?」
智香「あ、Pさん、奈緒ちゃんこんばんはっ!」
P「こんばんは智香」
智香「はいっ。この球場に来るの初めてなので、もう興奮しっぱなしですよっ」
P「それは良かった」
智香「奈緒ちゃんはオリオンズファンなの?」
奈緒「ファンとかはないんだよなぁ…」
智香「それでも、今日は精一杯楽しみましょうね!」
奈緒「そうだよなっ!」
P「えーと、席はオリオンズ側三席でいいか」
智香「おねがいしますね」
奈緒「アタシは二人と連番ならどこでもいいよ」
P「お、分かった。ちょっと待っててな」
奈緒「そう言えばさ」
智香「ん?なに?」
奈緒「智香ってチアガールやってたじゃんか、今日もあんな風に応援するの?」
智香「流石にあの恰好は浮いちゃうからしないよー。だからユニフォームを持ってきたよ」
奈緒「そうなんだ」
P「いつか、始球式して、そのままチアの応援出来ないか交渉してみるよ」
奈緒「あ、Pさんお帰り」
智香「今の話本当ですか?」
P「まぁ、出来たらな」
智香「わーい。ありがとうございますっ!」ギュッ
P「ちょ、ちょっと…」
奈緒「お、おい。智香っ!」
智香「…はっ、すみません」
P「別にいいけどな」
奈緒「なに満更でもなさそうな顔してるんだよPさんっ!」ペシペシ
P「悪い悪い。それじゃ、行こうか。ほら、チケット」
奈緒「お、ありがとなー」
智香「それじゃ、早速着ちゃおっと」
P「お、誰のだ?背番号…4?」
智香「荻布さんですよ。早く復帰してくれないかなって思って…」
P「まだ出てないんだっけか?」
智香「えぇ、まだ一軍の試合には…?」
P「お、どうした?」
智香「あ、あれ、見て下さいよっ!」
奈緒「スコアボード?」
P「あ、もしかして…」
智香「やったっー!」
奈緒「二人して勝手に叫んで、どうしたの?」
P「智香が好きな選手が今日復帰したんだよ」
奈緒「へぇ、そうなのか」
智香「Pさんっ!」ガシッ
P「ど、どうした?」
智香「今日誘ってくれて本当に、ありがとうございました!アタシもう泣きそうですっ」
P「そう言えば、荻布は今年は二軍のキャンプ場にいたんだっけか」
智香「はい。膝の手術の影響だと思いますけどね」
P「よかったなぁ智香」
智香「はいっ!」
P「お、先発は巻田かぁ…」
P(この間もそうだったし、縁でもあるのかな)
奈緒「下から投げるってなんかかっこいいな」
P「漫画っぽいだろ?」
奈緒「漫画で見た気がしないでもないな。でも、普通は上から投げるんじゃないのか?」
智香「投げる人がいないってだけで有利なんだよっ、ウチの渡邊さんとかもアンダースローだしね」
奈緒「確かに上から来ると思ってたのに下だったらびっくりだよな」
智香「だよねー」
P「でも、自分のチームに同じ投げ方がいるってことは慣れてるんじゃないか?」
奈緒「あー、そうかもしないな」
カキーン
智香「あっ!猪口さんが打ちました!」
P「流石メジャー帰りだなぁ」
奈緒「あ、あの人日本の人なんだ」
ラララ・・・ カケヌケロー ホームマデー
智香「さぁ、荻布さんの打席ですよっ!緊張してきました」
P「そうだな」
奈緒(なんだかよく分からないけどあたしもドキドキしてきたなぁ…)
智香「頑張ってー!」
カキーン
智香「きゃあっ!打ちましたよPさん」
P「やったな!」
奈緒「やったぁ!」
智香「初めてこの球場来ましたけど、応援がカッコいいですね。思わず踊りだしたくなりますよ!」
P「皆ジャンプしてるなぁ…」
奈緒「凄い迫力だよな…」
ウグイス嬢「本日の試合は8-4でオリオンズの勝利となりました。それではヒーローインタビューに移りたいと思います」
智香「勝ちましたよっ!」
奈緒「なんだかテンション上がるなPさん」
P「そうだな」
智香「あ、見てくださいよPさん。荻布選手がヒーローインタビューみたいです」
P「お、良かったな智香」
智香「はいっ!」
アナウンサー「本日のヒーローは荻布選手です。復帰戦、マルチヒットおめでとうございます」
荻布「えぇ、ありがとうございます」
アナウンサー「緊張などはされませんでしたか?」
荻布「そうですねー。やはり、久しぶりの一軍の試合は緊張しましたね」
アナウンサー「その緊張はどうやってほぐしましたか?」
荻布「そうですね、キャンプの時と同じ応援が聞こえた気がしたんですよ」
アナウンサー「応援ですか?」
荻布「はい。聞き間違いかもしれませんが、その声を聞いて頑張ろうって思ったら、周りの皆さんの声が聞こえてきましたね。ファンの方が打たせてくれたと思います」
アナウンサー「なるほど。今年もその足を存分に発揮して下さいね」
荻布「はい。ありがとうございます」
アナウンサー「それでは球場のファンに何かあればお願いします」
荻布「今年の始まりは鹿児島でした。そして、また、ここに立つことが出来ました。これからも皆さん応援宜しくお願いしまーすっ!」
ワァァァァ
P「…智香聞いたか?」
智香「は、はい…」
P「声聞こえてたみたいだな」
奈緒「漫画みたいだね」
智香「応援しててよかったぁ…」グス
P「それじゃ、帰ろうか」
智香「はいっ!明日友紀さんに自慢しますっ」
奈緒(帰ったら、また、野球漫画読んでみようかなぁ…)
P「それじゃ、二人とも乗ってくれ」
智香「え?」
P「奈緒送ってから寮まで送るよ。奈緒もいいよな?」
奈緒「え?最初からそうだと思ってたんだけど」
P「それじゃ、問題ないな。さ、乗った乗った」
智香「…あ、ありがとうございます」
車内
P「どうだった奈緒?」
奈緒「え?まぁ、楽しかったよ?」
P「二人して盛り上がっちゃってごめんな」
奈緒「い、いや、二人とも楽しそうだったし、見てるこっちも楽しくなったから別にいいんだけどさ」
P「今度は行く試合決めて、勉強してから行くか」
P(そうしたら、もっと熱中出来るだろうし)
奈緒「や、約束だからな!」
P「はいはい。それじゃ、楽しみに待ってるよ」
智香「Pさん私もまた見に行きたいですっ」
P「いいぞ。ただ、毎回千葉には来れないかもな」
智香「別にいいですって。球場の雰囲気が好きなんですから」
奈緒「それは分かった気がする。なんて言うんだろうなぁ、こう叫びたくなる感じ?」
智香「そうそう!流石奈緒ちゃん!」
奈緒「そ、そんなことないけどな」カァァ
P「お、着いた。ちょっと、家の前まで送っていくから、待っててな」
智香「はーい」
奈緒「別にすぐだし一人で帰れるって」
P「いや、近いからこそ最後まで送らせてくれよ」
奈緒「まぁ、そこまで言うならしょうがないけどさ…」
P「それじゃ、智香ちょっと待っててな」
智香「はい。分かりましたっ」
P「いやー、今日は楽しかったな」
奈緒「そうだな、あたしも行ってよかったよ」
P「そりゃよかった」
P「そう言えばさ」
奈緒「ん?」
P「『あたしにはアイドルには無理だって〜』って言ってたよな」
奈緒「…いきなりなんだよ」
P「いや、奈緒のマネ」
奈緒「はぁ?に、似てねぇし!」
P「そうか?」
奈緒「そうに決まってんだろ。てか、そんな顔でこっち見るなって!」
P「とか言いながらも、ちゃんとアイドルやってるよな」
奈緒「う…、いや、まぁ、そりゃあな、皆だっているし、Pさんが頼むからやってるだけだし」
P「最近はアイドルも満更じゃないって感じだよな」
奈緒「そ、そうかもな…」
P「だよなぁ」ニヤニヤ
奈緒「わ、笑うんじゃねぇっての!ってか、もう家の前まで着いたからここでいいよ」
P「そうだな。お疲れさん。また、明日から頑張ろうな」
奈緒「……」
P「それじゃあな?」
奈緒「へ?あ、うん。それじゃあなー」
P「おう。じゃあな」
奈緒「あ…ちょ、ちょっといいか、Pさん」
P「ん?忘れ物か?」
奈緒「いや、そうじゃないけど…なんて言うかな…、その…」モジモジ
P「どうした?」
奈緒「あーっ!もう、まどろこっしいなぁ!一回しか言わないからよく聞いとけよっ!」
P「お、おう…」
奈緒「い、いつも面倒見てくれてその…あり、がと…な」
P「…ふっ」
奈緒「あ、今笑ったろ!?あー、恥ずかしい〜!」カァァ
P「奈緒」
奈緒「な、なんだよ、ニヤニヤしながら話しかけてくるなよPさん」
P「こっちこそ、ありがとう。これからもよろしくな」
奈緒「……ん。Pさんが喜ぶならアタシは少しくらいは、頑張ってやるよ。それじゃ!」バタンッ
車内
P「お待たせ智香」
智香「あ、遅いですよー」プゥ
P「ごめんな。ちょっと話込んでたんだよ」
智香「まぁ、送ってくれるから特別に許してあげますよっ」
P「そりゃ、ありがとな」
智香「はい。それじゃ帰りましょうか」
P「そうだな」
P「今思ったんだが」
智香「はい?」
P「いつの間に、助手席に来たんだ?」
智香「さっきですよ。話易いですしね」
P「そりゃ、そうだな。そういえば、いつまでそのユニフォーム着てるんだ?」
智香「あ、忘れてました…」
P「まぁ、帰るだけだしいいけどな」
智香「ですよね」
智香「Pさん」
P「ん?どうした?眠いなら寝ててもいいぞ」
智香「あ、いや、そうじゃなくてですね」
P「それじゃ、どうした?何か買ってくか?」
智香「あ、いえ、そうじゃなくて…。応援って凄いなぁって」
P「今日の荻布選手も言ってたな」
智香「やっぱり、応援されると元気になるんですよね」
P「智香の場合は応援してると、自分も元気になりそうだよな」
智香「はい!皆が元気になってくれるのが、アタシのエネルギーになるんですよ」
P「智香らしいな」
智香「頑張るのって気持ちいいですから☆」
P「俺も智香が応援してくれるから頑張れてるってのもあるかもな」
智香「そう言って貰えると嬉しいです。…えへへ」
P「これからも、頼むな智香」
智香「はいっ、任せてください」
智香「それで…、アタシは皆を応援します。だから、Pさんはアタシを、アタシのことだけを応援してくれると嬉しいなぁ…って」ゴニョゴニョ
P「ん?どういうこ——」
智香「わわわ、やっぱなしです。これからもアタシのことを応援して下さいね!」
P「あぁ、そういう意味か。分かった俺も応援するよ」
智香「はいっ、その意気です。イケイケゴーゴー☆ファイトー!」
P「オー!」
翌日
事務所
奈緒「おはようございまーす」
P「お、奈緒おはよう。その紙袋どうした?」
奈緒「いや、ちょっと、野球漫画を持ってきたんだよ。皆読むかなって」
P「お、何持ってきたんだ?」
奈緒「いや、そんなに数は持ってないんだけどさ…」
P「へぇ、少女漫画でも野球漫画あるんだなぁ…」
奈緒「アニメ化とか、ドラマ化したのもあるからPさんも気が向いたら読んでいいよ」
P「お、ありがとな。それじゃ、代わりに新刊出たら俺が買ってやるよ」
奈緒「お、ありがとな」
ありす「なんでここで武東に代えるんでしょうか…」
千奈美「右対右に合わせたいだけだと思うけれど」
ありす「この際、右左よりも重要視すべき点があると思うのですが…」
P「二人して何してるんだ?」
ありす「あ、お疲れ様です」
千奈美「今、スターズと、パイロンズの試合を見てるのよ」
ありす「中継ぎが山科さんの勝ちを消しましたけどね。一失点しかしてないのに…」
P「ちなみにどうなってそうなったんだ?」
千奈美「2-1の投手戦だったのだけれど、多田にホームランを打たれたのよ」
P「なるほどなぁ…」
P(この前と言い、多田もいい時に打つなぁ…)
ありす「全く、スターズのようにどっしりとしていましょうよ、水卜さんなんて完投しましたよ」
千奈美「それは、あっちの投手事情のせいだと思うけどね…」
ありす「って、代わっていきなり、フォアボール出しましたね」
千奈美「敬遠気味ね」
アナウンサー「真に申し訳ありませんがBSでの放送は——」
千奈美「この場面で中継が切れるなんて…」
P「いや、平気だぞ?確か、この間、友紀がCS契約してたから」
千奈美「事務所的にどうなのかしら…」
P「あいつの給料から引いてるから気にするな。本人もいいって言ってたし」
ありす「と、とりあえず、変えま……あっ!」
P「ど、どうした!?あ…」
千奈美「サヨナラね……」
P「今日400本目打って、サヨナラも打つか」
千奈美「彼を育てたバッティングセンターは偉大ね」
P「そう言えば、橘さん」
ありす「はい、なんですか?」
P「パイロンズファンなのは分かったけど、誰が好きなんだ?」
ありす「私ですか?そうですね…特定の人はいませんけど、朝尾選手には早く復帰して貰いたいですね」
ありす「決してファンじゃないですけどね」
P(そういうのをファンって言うんじゃないのか…?)
終わりです。
それと、以前、プロデューサーは、ありすのことをありすと呼んでいましたが、橘さんという呼び方にしておいて下さい。
すみません。
今、出てる限りでどこファンか書いた方がいいかな?
前作 モバP「野球と共に」
モバP「野球と共に」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371812498/)
前々作 モバP「野球はいいな!」
モバP「野球はいいな!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370877211/)
です。
>>64
間違えました。
モバP「そうだ野球に行こう」
モバP「そうだ野球に行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371258294/)
が間に入ってます。
キャッツ:姫川友紀
レパーズ:前川みく
スパローズ:速水奏、多田李衣菜
ナマーズ:村上巴
スターズ:吉岡沙紀
パイロンズ:橘ありす、小室千奈美
パンサーズ:大槻唯、喜多見柚
オリオンズ:神谷奈緒、若林智香
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