【艦これ安価】今更始める艦隊これくしょん (356)

提督「おめでたいことに艦隊これくしょん、即ち艦これが10周年を迎えた」




提督「艦これの存在は知っていたがタイミングが合わず今までずっと着任することはなかった」




提督「そんな時に10周年という区切りが来たということは始めるならここしかない!」





提督「というわけで着任して早数ヶ月、中々の戦果を挙げているという自覚はある」





提督「というのも優秀な秘書艦が支えてくれているからであることは明白。ぶっちゃけ提督がいなくてもこの泊地はなんとかなる」





提督「しかししかし提督はいないより居る方がマシであることは間違いない」




コンコン<失礼します





提督「噂の秘書艦がやってきてくれたところで今日も仕事を始めよう」




下1~3秘書艦。初期艦五人以外でも可。

安価出しておいて寝ます。それではまた明日

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大和「本日も宜しくお願いします」




提督「こちらこそどうぞよろしく。いや~こうやって毎日挨拶されるのもまだ慣れないなあ」




阿武隈「提督への挨拶も秘書艦の立派な仕事の一つです!」





提督「そういうものだってわかってても毎朝こんな可愛い三人が挨拶に来てくれるんだからねえ」





ヲ級「ヲ~~」






提督「今日の担当はヲ級だったかな。それじゃいつも通りお願いします」






阿武隈「提督!阿武隈って漢字で書けるようになりましたか?」






提督「えっと……」





阿武隈「んんん!ちゃんと覚えておいてくださいね!」





大和「それでは失礼します。後は任せましたよヲ級さん」





ヲ級「ヲ」コクリ

ガチャっ




阿武隈「新人の提督だからっていっても阿武隈くらい書けないのは許せません!」






大和「大和とは違って阿武隈という漢字は馴染みもありませんから大目に見てあげませんか?」






阿武隈「大和さんがそう言うなら仕方ないですけど」






大和「この国の泊地はほぼ飽和状態となっていたそんな時にこの泊地が建設されました」






大和「艦娘を新規に建造することもありますが私達のようにここには各泊地の余剰艦が多く着任しています」






阿武隈「大和さんが余剰だなんて昔では信じられないですよね」






大和「それを言うなら阿武隈さんだってそうです。私は燃費が悪いという致命的な弱点がありますが軽巡はそうではありません」

阿武隈「大和さんより有り得ないのはヲ級ちゃんですよね」





大和「彼女は味方としてこの鎮守府へ着任しました。こんなことは聞いたことがありません」






阿武隈「深海棲艦を鹵獲することはあっても完全に味方として着任するなんてありえないですよ」







大和「普通の提督ならこの状況に頭を抱えるはずですが彼は悩むどころかそれが普通だと思っています」






大和「今更『提督』に選ばれここに着任したのは彼だからだったかもしれません」






阿武隈「何も知らない提督がこんなにアレだなんて思わなかったです……」






阿武隈「それとヲ級ちゃんは悪い子じゃないってわかってるけど不安になっちゃうよぉ」






大和「ヲ級さんを見守るのも秘書艦の仕事です。一緒に頑張っていきましょうね」





下1~3
提督の行動や鎮守府での出来事

ー間宮ー




阿武隈「現在の鎮守府のことをおさらいしておきましょう」






大和「この泊地に建てられた鎮守府は各泊地で余剰となっている艦娘が多く着任しています」





大和「この世界に我々艦娘が生まれてからおよそ10年。殆ど人が艦娘という存在を知っています」






大和「艦娘の敵は深海棲艦であり私達は毎日海の上で戦っています」






阿武隈「それなのに艦娘のことを知らないっていう提督が珍しいです」





大和「艦娘に関して良いニュースだけでなく悪いニュースも報じられていますからね」

阿武隈「深海棲艦ってなに?っていう提督が信じられないです!」





大和「だからこそヲ級さんを秘書艦にできるんでしょう。まさか敵が着任してくるとは考えていません」






阿武隈「提督には本当のことを知らせない方がいいですよね?」





大和「無駄な心配ごとを増やす必要はないと思いますよ」





阿武隈「もう~なんであんな人が提督なんかやってるんですか!」





大和「本当になんででしょうね」

阿武隈「ヲ級ちゃんを見たみんなの反応も凄かったですよねえ……」





大和「今では受け入れられましたが最初は酷かったです。しかしそれは当然の反応です」





大和「敵が目の前にいるのなら沈めるのが私達艦娘の仕事ですから」






阿武隈「あたしも大和さんの言うことは間違ってないと思いますけど今では違います」





阿武隈「ヲ級ちゃんとはなんとなく意思疎通もできますし誰よりもお仕事を頑張ってます!」





大和「あれだけ健気に頑張っている姿を見て皆さんの考えも変わったようです」





阿武隈「肝心のヲ級ちゃんがどう思ってるかわかりませんけど……」





大和「いつも無表情ですけどかつてのような哀しい雰囲気はもう感じられません。きっと大丈夫なはずですよ」





下1~3
提督の行動や鎮守府での出来事

ー演習場ー




ドォォーン




阿武隈「皆さん朝から頑張ってますね」





大和「訓練は大切です怠ってはもしもの時に動けなくなりますから」





阿武隈「鎮守府の士気が低いと訓練の質も下がるってよく言いますけどここは心配ないですね」






大和「はっきり言って提督は無知ですが無能ではありません。私達の助言をすぐに受け入れてくれます」






阿武隈「大和さんの助言なんですから受け入れて当たり前ですよ~」





大和「いいえ阿武隈さん彼は『大和』を知らないんです。それなのに所属しているただの艦娘の助言を聞き入れた」





大和「私達だけでなくさまざまな艦娘と話し艦隊の運営に役立てる提督なんて聞いたことがありません」

阿武隈「他の鎮守府で遠征しかやらせてもらってない子はもちろん余剰だからここに着任してきます」





阿武隈「そんな子を提督は喜んで受け入れてくれるんですから提督への好感度も高いですよね」





大和「『前の鎮守府で遠征ばっかりってことはその道のエキスパートだな!』だなんて普通は言われません」





大和「遠征要員はそれらしい扱いしかされてこないのがこれまでの常識です」





阿武隈「提督が着任を喜んでくれたのが嬉しくて泣いてる子もいたみたいです」





大和「嬉しいでしょうね……私もそうでした。以前の鎮守府では燃費の悪さばかりを小言のように言われていましたから」





阿武隈「嫌われてないのはいいんですけも私達がついてないと出撃の艦娘選びが無茶苦茶なのはどうにかして欲しいです!」





大和「出撃する艦娘をあいうえお順で選ばれた時は冷や汗が出ました」





阿武隈「最近では少しマシになりましたけどお!」

ドォォーーンッ




大和「先程からいい音をさせてますね。気分が高まってきたので私達もどうですか?」





阿武隈「大和さんと訓練なら喜んで!」





大和「秘書艦としての仕事はきちんとしていますが自由に訓練ができるのはいい環境ですね」





阿武隈「余剰の燃費や弾薬もここには沢山送られてきますから訓練もし放題です」





大和「手加減はしませんよ阿武隈さん」





阿武隈「もちろんです!」





下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー執務室ー




ドゴォォォンン…




提督「うわびっくりした!大和の砲撃音って一発でわかるな~」





ヲ級「ヲヲ」





提督「正直言って他の戦艦の区別はまだよくわかんないけど大和だけはわかる」





提督「訓練でアレってことは出撃だとエグいんでしょ?」





ヲ級「ヲ~」ガタガタ





提督「味方でもそんな感じってことはやっぱり大和は凄いんだな」

提督「そういえばヲ級って他の子達とは出身でも違うの?」




ヲ級「ヲ?」




提督「服も他の空母と違うし◯◯型みたいな統一感も無いなと思って」




ヲ級「ヲッヲ」




提督「そういうものだって?でも装備も違うみたいだし。艦載機も全然違うんでしょ?」





ヲ級「……」





提督「なんとか式の戦闘機は使いづらい?工廠組の負担を減らすなら艦載機を統一した方がいいかと思うんだけど」





提督「強制はしないけどできたら皆と同じのを使って欲しいな~ってだけだから気にしないで」





ヲ級「ヲ……」

ピコン




ヲ級「ヲ、ヲ」




提督「メールが来たって?急ぎの内容ならすぐに確認しないと」




提督「……ってこの泊地の地元の関係者からか。緊急性は無いから後回しでいいよね?」





ヲ級「ヲ~」





提督「またお礼のメールだって?この前のボランティアのことかもね」





提督「他の鎮守府ではあんまりボランティア活動をしてないっていうのも意外だよね」





ヲ級「ヲ」





提督「ここの子達が特別なのかな。そうだと提督として嬉しいけど」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

~~



提督「そろそろお昼にしようかなヲ級も一緒にどう?」




ヲ級「ヲ!」ダッシュ




提督「え、あ、ちょっと……行っちゃった。あとで食べるっていってもお昼くらいゆっくり休めばいいのに」





提督「秘書艦の仕事だけじゃなくて訓練も人一倍頑張ってるのは素晴らしいけど大丈夫なのかな」




提督「阿武隈と大和も凄く頼りになるけどヲ級はそれ以上に仕事を頑張ってる」




提督「無理をさせないのも提督の仕事かな。働き過ぎはよくないって説明しないとね」

ー工廠ー




ヲ級「ヲー!」ダダダッ




明石「そんなに急いでどうしたんですかヲ級さん?」




ヲ級「ヲヲヲ」




明石「へ?艦娘が使ってる艦載機を使いたいって……それは試して無理だったじゃないですか」




明石「ヲ級さんの艦載機はまあまあ強いですし別にいいじゃないですか」




ヲ級「ヲ……」




明石「深海棲艦の艦載機をイジる機会なんて前の鎮守府ではありませんでしたからね。貴重な体験をさせてもらってますよ!」

ヲ級「ヲヲ…」




明石「なので手間が増えて負担になってることなんてないんですよ。わかってもらえましたか?」




ヲ級「ヲ……」




明石「へ?」




ヲ級「ヲヲヲ……」ポロポロ




明石「だぁぁ~なんで泣いてるんですか!?私が泣かせたみたいになるでしょ!」




明石「お願いですから泣き止んで下さい。ね、ヲ級さん?」




「なにしてるの?」



下1~3
訪れた空母系の誰か

加賀「もうお昼だっていうのに随分と騒がしいわね」




蒼龍「騒がしいのとお昼って関係ありますか?」




龍驤「あー!明石お前なに泣かせてんねん!」




明石「違うんですよヲ級さんが勝手に泣き出しちゃったんです!」




ヲ級「ヲ……」




加賀「加害者はそう言うしかないわよね」




蒼龍「よーしよしもう大丈夫だからね」ナデナデ




明石「もおおおーー!私は悪くないんです!」




龍驤「ええからまずは話聞こか。そうせな先に進まれへんからな」

~~




加賀「嘘は言ってないでしょうね」





明石「言ってません!ヲ級さんが誰よりも頑張っているのは皆さん知ってるじゃないですか!」





蒼龍「でも深海棲艦には変わりないから……なんて思ってない?」





明石「思ってません!深海の装備を弄れるのが楽しいのは本音ですよ!」





龍驤「成程なあウチはこの子が泣いてる理由わかったかもしれんで」




ヲ級「ヲ…?」




龍驤「自分だけ装備が違うのが仲間外れみたいで嫌なんと違うか?」




ヲ級「ヲ」コクリ




加賀「どうやらそうらしいわね」

龍驤「ヲ級が着任するってなった時の皆んなの反応が良くなかったのが始まりや」




加賀「敵が着任するだなんて警戒して当然です」




龍驤「それがこの子のトラウマになってしもうたんやろうな。せやから些細なことも気になってしまうんや」




蒼龍「艦載機は無理でも他の装備とか試してみる?弓とかボウガンとか種類はあるし」




ヲ級「ヲ!!」




龍驤「やる気は十分って感じやね。ほなお昼の休憩終わったら試してみよか」




ヲ級「ヲヲ!」




明石「休憩なんていいからすぐにやりたい?いいですね私も協力しますよ!」




蒼龍「本当に頑張ってるよ私達とは全然違う」





龍驤「確かにここに来る多くは余剰艦やけど……」




下1~3
三人がこの鎮守府に来た理由。そのままじゃなくて参考程度にするかも

蒼龍「私は元の鎮守府から配置転換でやって来ただけなんですけど加賀さんは……」





加賀「言わないで」




龍驤「銀蝿の常習犯やからって加賀は実質厄介払いやけどあれは元の鎮守府がおかしいからや」




龍驤「加賀がこっちに来たあとで艦娘への配給がおかしいって問題になったんや」





龍驤「まさかそっちの提督が不正を働いとったとはな。各地の鎮守府も飽和状態やし気付かれにくかった」





龍驤「それを機に全部の鎮守府で調査が入ったらしいけど、どこまで効果はあったかわかれへんわな」




龍驤「とにかくウチは加賀は悪いと思ってないよ」




加賀「ありがとう……」

龍驤「こっちに来て加賀は肥えたんやろ?素晴らしい話やと思うで。これからも頑張ってな」




加賀「それは勿論だけど貴女は頑張らなくていいのはわかってわね」




蒼龍「こんな日は傷が痛むんじゃないですか?」





龍驤「ウチの問題やから気にせんといて。問題あったら横になっとくから」




龍驤「艦娘も艤装背負ってないと所詮女の子なんや。バケツで簡単に怪我なんて治れへん」





龍驤「腕が吹き飛ぼうがウチは軽空母龍驤。死ぬまで出撃は続けるで」




加賀「貴女が死ぬまでなんて言うと洒落にならないわ」




蒼龍「あははは……」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

提督「おーい空母組、ヲ級見なかった~?」




加賀「さっきまでここに居たわ」




蒼龍「明石さんと装備を試すっていって工廠から出て行っちゃいました」




提督「入れ違いになったか仕方ない追いかけてくる」





龍驤「随分とヲ級のことを気に入ってるみたいやね」





提督「そういうことじゃなくて休めって言っても休まないのが気になってるんだ」




提督「こうして今だって昼休みを勝手に返上して働こうとしてるわけだし」




加賀「それは確かにそうね」

提督「仕方ないから追いかけてくる。それと龍驤は今日はお休みだからね」




龍驤「ああ?」




提督「昨日の訓練終わりで冷や汗かいてたでしょ?顔も青かったから調子悪いみたいだし。湿度が高い日は前の日から傷が痛むんだったよね。今日は一日ゆっくりしてて~」タタタッ




加賀「どうやらバレてたみたいね」




龍驤「うっさいボケ」




蒼龍「ほんとあの人って艦隊運用は下手だけど皆のことはよく見てるよね。人の心を掴むっていうかさ、ああいう所が人気の秘訣ってところかな」





龍驤「ウチらは人と違う艦娘やそれを忘れとん違うぞ」




蒼龍「はいはい」




加賀(龍驤は片腕を失っても提督の為にと出撃を続けた。だけどその提督に新しい龍驤が来るから欠損艦は要らないとここに飛ばされてきた)




加賀(ここでは何事もなかったように振る舞っているけど心の中はぐちゃぐちゃで見ているのが辛いくらい。提督にその器があるか分からないけどできるなら龍驤の心を癒してあげて欲しいわ)

提督「装備を試すってことは訓練所かそれとも演習場に行っちゃったかな」





提督「阿武隈と大和はちゃんと休むのにヲ級は放っておくとずっと仕事しちゃうのがよくない」





提督「休むのも仕事のうちだって何回か言ってるのに意味が通じてないのかな……」




キンコーン




提督「何の通知?あ、遠征に出てる子達が帰ってくる時間だ」




提督「帰港する所と演習場は近いから遠征組を出迎えたあとでヲ級を探そう」




提督「もし演習場に居なかったら訓練所にいるって確かめられるし丁度いいよね」




下1~3
遠征に出ていた艦娘

駆逐棲姫?「遠征から帰ってきました!」





提督「毎日お疲れ様。今日はどうだった?」





初雪「問題なかった」





黒島風「ちゃーんとやってきたからね!」





提督「遠征先の人からもいつもお礼があるから皆が頑張ってるのは知ってるよ」




駆逐棲姫?「少し休憩したらまたすぐに遠征に出ますね」




提督「いつもありがとうね。毎日大変かもしれないけど遠征はプロに任せるのが一番だからね」




初雪「んふ、当然」

駆逐棲姫?「じゃあ私は休憩とお化粧直してきますね」





提督「ゆっくり休んできてね~」




初雪「司令官はまだ春雨だって知らないままでしょ」ヒソヒソ




黒島風「ヲ級のことも深海棲艦だって知らないよ」ヒソヒソ





初雪「春雨のは趣味だから普通なら許されないのにここの提督はそもそも深海棲艦を知らない」





初雪「あれが普通だと思ってるし春雨のことは駆逐棲姫だって認識してる」





黒島風「遠征は問題ないし春雨は楽しそうだから問題ないと思う」




初雪「私も問題ないと思う」

初雪「島風の日焼けも許されてるからここは緩い」





黒島風「島風のは日焼けしたくてしたんじゃないもん。前の提督にさせられただけ」




初雪「変態に犯されるところだったんでしょ。ここに来てよかったじゃん」




黒島風「それを言うなら初雪でしょ提督に遠征のプロだって言われて泣いたクセに」




初雪「その話はしないでえ!」




提督「ん、どうした二人とも?」




黒島風「なんでもありませ~ん」




初雪「うううう……」

提督「そうだ二人に聞きたいんだけどヲ級を見てない?演習場に居るかもしれないんだ」




黒島風「帰ってくる時にそっちの方は見たけど誰もいなかったよ」




初雪「用事があるなら放送で呼び出したら?」




提督「演習場じゃないなら訓練所だからいいよ。それじゃまたね」




黒島風「はーーい!」




初雪「司令官の為に頑張ってくる」




下1~3
訓練所での出来事

ーお風呂ー




春雨(駆逐棲姫)「ふう~~サッパリしました!」




初雪「肌が白いの全部お化粧なんでしょ。よくそんなの毎日できるね」




春雨(駆逐棲姫)「これが私の趣味ですから」




黒島風「春雨のお陰でヲ級のことも提督は知らないからこの鎮守府にとっては良い趣味だね!」




初雪「うわぁぁぁ~~」




黒島風「おう?」




初雪「島風の日焼け跡エロすぎ」




黒島風「だってパンツだけ履いて日焼けしろって言われたんだもん!」




初雪「それにしたってずっと日焼けの跡が残るわけないじゃん」




黒島風「それは……」




初雪「わかりやす過ぎて笑っちゃう」

黒島風「初雪だって執務室だけじゃなくて提督の寝室に忍び込んだくせに!」




初雪「ぎえええなんで知ってるの!?」




黒島風「私の情報は速いんだもーん」





初雪「意味わかんないし!」





春雨(駆逐棲姫)「お二人とも大胆ですね私にはとても無理です。それだけ司令官のことが好きなんですね」





初雪「黙秘で」




黒島風「色々喋るのは速くないもん」





春雨(駆逐棲姫)「そうですね失礼しました」

ギャァァァァァ!!




初雪「訓練所の方から叫び声が!!」




春雨(駆逐棲姫)「司令官が訓練所の方に行くと言ってましたよね……心配です」




黒島風「提督を助けないと!!」ザバッ





初雪「は、え!?」





黒島風「提督ーーーー!!」ダダダッ





春雨(駆逐棲姫)「島風さん服を着て下さい!ああ……行ってしまいました」




初雪「あんなの痴女じゃん早く追いかけないとヤバい」

ー訓練所ー




黒島風「提督ーーーー助けに来たよ!!」キキッ




ドロッ……




黒島風「ひ」




提督「ヲ級!大丈夫かしっかりしろ!」





ヲ級「……」





明石「私はなにもしてませんよ!ヲ級ちゃんが弓を使おうとしたら突然こんなことになったんです!」





提督「目の前で見てたからそれはわかってる。それより早くヲ級の処置を!」





明石「艦載機を試した時は問題なかったのに艤装に嫌われた?深海棲艦は艦娘と相容れないようになっている?」ブツブツ




提督「ヲ級!ヲ級!」




ヲ級「ヲ……」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー医務室ー




大和「ヲ級さんは軽症で済んでよかったです」




阿武隈「訓練所がすっごくカオスなことになってたんですよね?」




明石「ヲ級さんの流血沙汰になぜか全裸で立ち尽くしてる島風さんまでいてそれはもう大変でした」




明石「提督のことなので変な噂が回ることはないと思いますけど少し心配です」




大和「フォローは私達がしておきますので明石さんはヲ級さんがこうなった原因の究明をお願いします」

 
 


明石「それはもちろんなんですけどほぼ原因はわかっているというかなんというか……」

明石「普段弓を使っている艦娘がボウガンや巻物タイプの艤装を使ってもペナルティはありません。使い熟せるかどうかの問題が起こるだけです」




明石「ここの鎮守府の例では隻腕の龍驤さんが本来の巻物タイプ艤装ではなくボウガンを使ってますよね」




明石「艦娘同士の艤装は互換性があると言えるんですけど深海棲艦はまた別です」




明石「ヲ級さんに艦娘用の艦載機を渡した時は使えないだけで何も起こりませんでした」




明石「でも今回は艦娘の艤装を初めて使ってみたらこんなことになったんです」





阿武隈「突然弾けたっていうのは間違いないですか?」




明石「表現として間違ってないですよ。ヲ級さんが的に向かって弓を構えた途端に艤装が弾けたんです。あれは小規模な爆発といえるくらいの威力でした」




大和「ヲ級さんは自分の艤装を出していなかったので怪我をしてしまったのですね。艤装を出していればバケツで怪我は治りますから」

阿武隈「今までにこんなことがあったんですか?」




明石「深海棲艦が艦娘の艤装を使おうとする前例がありません」




大和「逆はあると聞いたことがありますがそれは関係ありませんか?」




明石「私からはなんともいえません。ヲ級さんが艦娘の艤装を使わなければこんなことは起こらないとは言えます」




阿武隈「ならそう説明するしかありませんね」




大和「仲間外れのようになってしまいますが艦娘と深海棲艦はそもそも相容れない存在。わかってもらうしかありません」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ガチャッ




提督「阿武隈と大和も来てくれたのか」






大和「秘書艦として当然ですから。ヲ級さんの様子はどうでしたか?」





提督「怪我も大したこと無かったし落ち着いている。今日はこのまま様子を見ておこう」




阿武隈「大きな怪我にならなくて本当によかったですね」





提督「不幸中の幸いだ。それでこんなことになった原因はわかった明石?」




明石「ヲ級さんはいつもの杖以外の艤装を使おうとするとああなる可能性があるということはわかりました」




提督「なんでそんなことになったんだろう。ヲ級も艦娘なんだから色んな種類の艤装が使えるはずなのに」




大和「…………」

提督「片手だと巻物が使えないからボウガンを使ってる龍驤と何が違うんだろう」





明石「艦娘には色んな事情があるんですよ。ヲ級さんの艤装は加賀さんや蒼龍さんとも違いますよね?」





明石「艦載機の発艦方法だって違いますしヲ級さんは専用の艦載機を使っています」




提督「確かに加賀の何とか式の戦闘機とはまるで違う見た目だよね」




明石(ヲ級さんは深海の装備と艦載機を使ってますからそりゃ艦娘の装備とは違いますよ)




明石(艦娘の艦載機は使えないのにヲ級さんはなぜかバケツは使えますしドックで出撃の傷が治ります)





明石(ヲ級さんはこの鎮守府では艦娘とほぼ同じ扱いをしてるんですよね)

提督「下手なことはしない方がいいってことかな?」




明石「その認識で間違っていませんよ。ヲ級さんは頑張り過ぎている所もあるのでそこは提督が上手くフォローしてあげて下さい」




明石「今日はもう大好きなヲ級さんとずっと一緒に居たらどうですか~?」




提督「そういうわけにはいかないよまだ仕事も残ってるし」





大和「仕事のことでしたら大和達にお任せ下さい」




阿武隈「ぶっちゃけ提督が居なくてもなんとかなっちゃいます」




提督「あ、はい……」




明石(ヲ級さんのことが好きだってことは否定しませんでしたね!!)

提督「それならお言葉に甘えたいけどヲ級の部屋に戻る前に潜水艦達の方を訪ねてみるよ」





大和「潜水艦の皆さんですか……」




阿武隈「潜水艦はオリョクルのせいで心と体にダメージがある子が多いんですよね」





提督「オリョクルが何かわからないけど同じ艦娘を酷使するなんて酷いよね」




明石(オリョクルを知らないなんて相当ですよ)




提督「出撃を強要することはないけど元気になってくれれば嬉しいから彼女達と話してくるよ」




下1~3
潜水艦達の様子やダメージ具合

~~




提督「やあみんなちゃんと休んでる?」





伊168「私は休んでたけどゴーヤが勝手に出撃しようとしてたわ」





伊58「なんでバラすんでちか!」





提督「ここでは24時間出撃なんて無いんだから必要な時だけ頑張ればいいんだよ」





伊58「そんなこと言われても動いてないと落ち着かないんでち」





伊168「オリョクルで少しでも弾薬を稼ぐことが潜水艦の仕事だったから」





提督「いくら仕事だからって艦娘を酷使するのは間違ってるからね」




伊168「随分と変わったことを言う提督よね」

伊58「オリョクルがなくなってゴーヤ達の存在価値はゼロに等しくなったの」




伊58「戦力として潜水艦が欲しいなら優秀な後輩がいたからゴーヤ達はいつもお留守番」





伊58「オリョクルのせいで練度は最高なのにずっと鎮守府で腐ってたでち」




伊168「鎮守府にとって私たちは余剰艦だからここに配属されたのは良かったけどそれでもやっぱり不安なの」





伊58「演習も出撃も毎日どころじゃなく1時間おきにしたいくらい」





提督「それは認められないよ」




伊168「潜水艦なんて出撃してなんぼだっていうのに」

提督「前から言おうと思ってたんだけど君たちは相部屋で不満はないの?空き部屋はあるんだよ」





伊58「こっちの方が落ち着くから問題ないよ」





伊168「潜水艦は一人で部屋にいるよりまとまってた方がいいの」





提督「それにしたって一部屋を2段ベッド二つの四人使用はキツくない?」





伊58「ゴーヤ達は問題ないしあとの二人も同じ意見のはずでち」




ガチャッ




伊168「噂をすれば残りの二人が帰ってきたわ」





下1~3
残り二人の潜水艦娘とその状態

伊13「ただいま…」




伊58「二人してどこ行ってたの?」




伊14「姉貴がトイレに行きたいっていうから一緒に行ってただけ~」




伊168「二人は相変わらずよね。こんな調子だから提督はヒトミとイヨは使いづらいんじゃないの?」





提督「いやあ、まあ、出撃に関しては阿武隈と大和の助言があってこそというか」





伊168「出撃は秘書艦の二人頼りだから提督は不便かどうかもわからないのね」





伊58「提督にはいい加減慣れて欲しいでち」




提督「面目ないです……」

提督「阿武隈と大和は二人のことを知ってるから単独で出撃なんてこれまでないはずだよ」




伊13「当たり前でしょ…」




伊14「ここではいつ沈むかわからないなんていう状況がないのはわかってるよ」




伊14「だけどイヨには姉貴が居ないとダメなの。もし朝起きて隣に誰も居ないなんてことがあったら狂うから」




伊58「洒落になってないのが怖いでち」




提督「隣って言ってたけどもしかして二人は同じベッドに寝てるの?」




伊13「そうだけどダメなの?」




提督「ダメなわけじゃないけど二段ベッドの一つに二人で寝るのは狭くない?」




伊14「姉貴との時間を邪魔しようとするな」




伊168「あーはいはい熱くならないの二人とも」

伊14「もし姉貴を沈めてみろお前を殺してやる」





伊13「もしイヨちゃんが沈んだら鎮守府の全員道連れにするから」





提督「二人がそれぞれを想う気持ちは大事だけど君たちのは少し改善するべきだよ。前に言ってた病院にはちゃんと通ってる?」





伊14「診察とかいうふざけたことで姉貴と離れ離れになるんだから通うわけないじゃん」





伊13「提督は殺して欲しいの?」





伊58「落ち着いて~~」





伊168「練度は私たちのが高いから引きずって病院には連れて行けるけどそうした方がいい?」





提督「最悪はそうしないといけないよね」




伊58「二人の様子を見る限りそんなに余裕はないでちよ」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

~~




提督「軽症でよかったけど心配したよヲ級」





ヲ級「ヲ」




提督「ごめんなさいだなんて君は謝る必要ないよ。謝らないといけないのはこっちなんだ」





提督「艤装を展開してから試そうって助言をしていれば怪我をしてもバケツで治ったからね」





ヲ級「ヲヲ」





提督「不注意だったのは私もだって?そんなことない君が怪我をしたのは僕の責任だ」




ヲ級「ヲ!」




提督「怪我をしてしまったのは君なのに提督は悪くないだなんてヲ級は相変わらず優しいね」

提督「それにしたってヲ級が怪我をした理由がよくわからないんだ。艦娘の装備には互換性があるっていうのは嘘なのかな」





提督「龍驤のことがあるから互換性がまったく無いわけじゃないと思うんだ。それなのにどうしてなんだろ」




ヲ級「ヲ……」





提督「明石はヲ級がいつも使ってる杖を使ってれば問題ないって言ってたけど壊れることがあるかもしれない」





提督「もし出撃中に壊れたら他の空母から借りる必要があるけどこの調子じゃ無理だよね」





提督「これまで壊れたことはないから無用の心配かもしれないけど君にもしもがあったら僕は凄く悲しいんだ」





提督「装備のことは仕方ないとしてもこれからは無理はしないって約束して。休むときはきちんと休んで欲しいんだ」





提督「僕は誰よりも君を失いたくない。わかってくれたかなヲ級?」





下1~3
ヲ級の反応や言おうとした内容

ヲ級「ヲヲヲ」





提督「どうしてここまで親切にしてくれるのかって?ヲ級はこの鎮守府の艦娘なんだから当然だよ」





提督「イヨやヒトミみたく心を痛めている子もいれば龍驤みたいに体を痛めている子もここにはいる」




ヲ級「ヲ」





提督「ヲ級は他の子と違ってこの鎮守府に初めて着任したけどそれは僕と同じかもしれないね」




ヲ級「ヲ?」




提督「僕も新人の提督としてここに着任したけど周りの提督は10年も続けてるベテランだらけなんだ」





提督「阿武隈と大和は頼れる秘書艦だけど君は同じ新人だっていうことで親近感があるのかな」




提督「親近感があるから君には頑張りすぎないでほしいっていう心配にも繋がるんだと思う」

提督「君がそんなに頑張るのは僕の為だって言ってくれたよね?」




ヲ級「ヲ」




提督「鎮守府のトップである提督の指示に従うのは当然だとしても君は他の子とは違う」




ヲ級「ヲ…!」





提督「自分の時間まで使って僕の為に訓練なんかを毎日してる。そんなことをするのは君くらいだよ」





ヲ級「ヲ……」





提督「阿武隈や大和は強さを維持する為に自主的に訓練をしてるけど毎日やっているのはヲ級以外にはいない」





提督「君は何かを抱えているの?龍驤は心の歪みを出撃や訓練によって無理矢理抑えつけようとしている。君もそれと同じなのかな?」





提督「僕でよければ相談してみてほしい。頼りないかもしれないけど君を何よりも大切に思っているのは本当だよ」




下1~3
ヲ級の反応とか他の出来事とか

ヲ級「ヲ……」ユラッ




提督「わわ!?ヲ級の目が燃えてる!?」





ヲ級「ヲ?」




提督「なんで目が燃えてるのに平気なの!?早くなんとかしないと!」




ヲ級「ヲ!!」




提督「私は平気だって?そういえば確かに燃えてるにしては熱くないけど……あ!?ヲ級の目の色が変わってる!」




ヲ級「ヲヲヲ?」




提督「目の色が赤くなってるけど痛くない!?」





ヲ級「ヲ」




提督「むしろ好調だって言うの?艦娘ってよくわからないなあ」




ヲ級「……」

ヲ級「ヲ!!」




提督「自分のことはいいから話しがあるって?私はー」





大和「大きな声が聞こえましたが大丈夫ですか提督」ガチャ





提督「大和か丁度いい所に来てくれたかな。ヲ級の目がこんなことになったんだけど」




ヲ級「ヲ……」




大和「強化された艦娘の姿が変わるのはよくあることです気にしなくて構いません」




提督「そうなの?」




大和「改への改装は影響は少ないですが改二や特殊改装においてはその傾向が強くなるというのを知りませんか?」




提督「聞いたことないけど大和が言うんだから本当だよね」




大和(見た目が変わってしまうからと改二への改装を嫌った某提督の事件まで知らないんですね)

大和「体の調子も良さそうですから彼女は一つ成長したということでしょうなにも心配ありません」




提督「それならよかったけど目の色が変わって燃えるだなんて不思議なんだね」




大和「言っておきますが全員がそうではありません彼女の場合はそうだということです」




大和「さて。彼女は念の為このまま休んでもらうとして提督はやることがありますよね?」




提督「僕がいなくても仕事は問題ないんでしょ?」




大和「だからといってサボるのは許しません。本日の臨時秘書艦は大和が務めますので先に執務室に帰っていてください」




提督「大和に言われたら仕方ないや。じゃあねヲ級、何かあったらすぐに教えてね」ガチャ




大和「…………ヲ級elite。こうやって目の前で見るのは初めてです」





ヲ級「ヲ…」

大和「出撃しておらずベッドで横になっていただけの貴女がなぜeliteに強化されたのかはわかりません」





大和「深海棲艦の研究は発展途上で正確な知識は誰も掴んでいないと聞きます」




大和「そのままの状態やeliteであれば見逃していましたがflagshipとなると話は別です。提督に危害を加える可能性のある貴女をここに置いておくのは難しいでしょう」




ヲ級「ヲ!ヲヲヲ、ヲヲ!」




大和「貴女がflagshipより強化されてしまえば何かあったときに対処できません」




大和「提督が貴女をどう思っていようが私は秘書艦として提督を護ります」




ヲ級「ヲヲ!」




大和「自分も秘書艦だから提督の側にいて守る権利がある。確かに貴女の言い分も筋は通っています」





大和「なので今のところはこれで終わりです。また後日に続きをやりましょう」




ヲ級「ヲ……」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

明石「ヲエリートですって!?ぜひ色々調査を」

提督「(あんなことあったので)だめです」
提督説得を試みる明石

ー食堂ー




蒼龍「ヲ級がeliteに強化されたって話しは本当なの?」





阿武隈「本人に会ってきましたけど目も赤くなってたので間違いないです」





初雪「ヲ級のエリートが司令官の秘書艦してて大丈夫なの?」





阿武隈「すっごく心配ですけどヲ級ちゃんは暴れたりするような子じゃないです」




蒼龍「あの子がいい子なのはわかってるけど怖いわよね」




初雪「今の状態でも駆逐艦じゃ勝てないのにヲ級がエリートより強くなったら何かあった時に沈められない」




蒼龍「あの子を沈めるなんてことが起こらないことが一番だけど深海棲艦に絶対なんて無いのよね」

阿武隈「そもそもなんであたし達はヲ級ちゃんの言ってることがわかるんでしょうね?」





初雪「出撃で見たことのあるヲ級はまず喋らないし」




蒼龍「ヲ~だなんて言ってる言葉とは別に意味がわかるのは不思議」




阿武隈「同じヲ!っていう発音でも明らかに通じる意味は違うんですよね」




初雪「艤装を通じてテレパシーみたいなのかも」




蒼龍「それ近いんじゃない?確かヲ級のキノコ(艤装)が大破した時に意思疎通できなくなったって聞いたけど」




阿武隈「それ実は本当かどうかわからないです。ヲ級ちゃんはその時に初めて大破しちゃって相当焦ってたんです」




阿武隈「大破してヲーヲー言ってたのは意味がなくてただ狼狽えてるだけだった説が濃厚です」




初雪「なんだあ」

阿武隈「普段のヲ級ちゃんはあのキノコを着けてませんからテレパシーはないと思います」





蒼龍「身につけなくても置いておくだけでいいとか。工廠っていうかこの鎮守府に存在してるだけでいいかもよ?」




初雪「置いておける翻訳機。便利」




阿武隈「本当のことはヲ級ちゃんに聞いてもわからないかもしれませんね」




初雪「ヲ級のことはわからなくても司令官のことはわかるはず」




蒼龍「あー初雪は提督のこと気になってるもんね」




初雪「知らないし」




阿武隈「提督のことですか?皆の前で自己紹介はしてたと思いますけど」




初雪「それだけじゃ足りない。阿武隈さんも秘書艦として司令官のこと知ってるはず」

阿武隈「頭もいいし知識もあるはずなのに艦娘のことを知らないだなんて提督は不思議な人ですよね」




蒼龍「知識があるんならテレビを観てないとは考えられないわよね」




初雪「本を読んでたかも」 




阿武隈「確かにそれならテレビを観てなくても知識は蓄えられます」





蒼龍「艦娘ができてここ十年くらいずーーーっと本だけ読んでたっておかしくない?」




初雪「勉強が大好きだったのかも」




阿武隈「…………」




蒼龍「その顔、なんかわかった感じ?」





阿武隈「ずっと本しか読んでないってことから仮説は思いつきました」





初雪「司令官のことなら知りたいから教えて」





阿武隈「まだ仮説なので本当のことがわかったら初雪ちゃんにも教えてあげますね」




初雪「ケチ」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

初雪「せっかくだから聞いておきたいんだけど二人は司令官のことどう思ってるの」





蒼龍「どうっていうのは?」ニヤニヤ





初雪「そんな顔しながら言わないで」





阿武隈「あたしは提督のこと好きですけど大好きではないですね」




蒼龍「つまりラブじゃなくてライクってことね。それなら私と同じかな」





初雪「加賀さんは?」





蒼龍「私と同じかむしろそれ以下かな。出撃編成のことで秘書艦に頼りっぱなしなのに不満そうだったから」




阿武隈「それはあたしもです!それがあるから好感度が上がらないんです!」

初雪「春雨は自由にコスプレさせてくれるから司令官のことは好きだって言ってた」




蒼龍「その言い方ならライクっぽいかな」




阿武隈「駆逐艦でいえば島風ちゃんは大好きなんじゃないですか?」




初雪「あの痴女は強力なライバル」ギリッ




蒼龍「いやいや一番のライバルは誰がどうみてもヲ級でしょ」




初雪「深海棲艦はノーカン!」





阿武隈「あんなに健気な子は中々いませんから勝つのは大変ですね」

蒼龍「潜水艦の子たちはイムヤゴーヤが普通でイヨヒトミが敵対ってとこ?」




阿武隈「イヨちゃんとヒトミちゃんは周りの人が全員敵なんです」




初雪「司令官を深海棲艦なんかにとられるわけにはいかない!」




蒼龍「頑張るのはいいけど相手がな~提督もヲ級のこと好きそうだし」





初雪「うぐ」





阿武隈「提督の趣向がロリコンならチャンスはありますけどそれはそれで嫌です」




蒼龍「そういえばあの人を忘れてない?初雪の後に提督の部屋に忍び込んだーー」




下1~3
艦娘の名前

阿武隈「瑞穂さんのことをすっかり忘れてましたね」





蒼龍「あれは忘れたくなるような酷い事件だったものね」





阿武隈「初雪ちゃんはただ寝室に忍び込んだだけでしたけど瑞穂さんはそのことを聞いて閃いてしまったんです」





蒼龍「提督の寝室に簡単に忍び込めるんなら夜這いができるんじゃないかってね。思いついても普通はやらないから」





初雪「でもあの女はそれをやった。司令官を襲おうとして部屋に忍び込んだ」




阿武隈「成功してほしくなかったですけど上手くいっちゃったんですよねぇ……」

蒼龍「提督のズボンと下着を脱がせて触るところまでいったんだっけ?」




阿武隈「おっきくする為に口を使うところまでだそうです」




初雪「ド変態」




阿武隈「提督は起きないしこのままじゃ最後までいっちゃうって所でヲ級ちゃんが助けに来たんです」




阿武隈「ヲ級ちゃんは提督が暴力の方で襲われてると思ったらしいですけど部屋に入って驚愕!」





阿武隈「瑞穂さんの行為を見て固まっていることしかできないヲ級ちゃん。そして見られたことに焦りまくっている瑞穂さん」




阿武隈「錯乱した瑞穂さんはなんとヲ級ちゃんに襲いかかっちゃうんです」

初雪「ここでヲ級が暴力を振るわなかったのは敵ながら褒めるしかない」





蒼龍「あの子は他人を殴るなんてできないんだって私はそれで確信したよ」





阿武隈「ヲ級ちゃんは殴りかかってきた瑞穂さんを抱きしめるんです。ただし優しく抱きしめるのではなく力一杯に」





初雪「通称ヲ級固め。くらったらひとたまりもない」





蒼龍「ヲ級固めをくらった瑞穂は僅か二秒で気絶。こうして提督の貞操は守られましたってね」





蒼龍「話を聞いてたら詳細を思い出したけどやっぱりひっどい事件だね」





阿武隈「いくら提督が好きだからって夜這いはおかしいとしか言えないです」

初雪「あれから瑞穂さんは大人しくしてるけど油断できない」




阿武隈「秘書艦としてちゃんと提督を守ってますから安心して下さい!」




蒼龍「この事件が起こってから提督も部屋に鍵をするようになったからもう安心でしょ」




初雪「変態は油断できない。島風だってそう」





蒼龍「提督の好みによってはチャンスがあるんだし引き続き頑張ってみなよ」





阿武隈「あたしは秘書艦として皆さんのことは瑞穂さん以外は平等に応援します」





初雪「ん、わかった」





下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

~~




瑞穂(水上機母艦は二人いれば十分と瑞穂は元の鎮守府から異動となりました)





瑞穂(最終的なステータスでいえば千歳さん達を上回るとしても育てる気はない)





瑞穂(以前の提督はハッキリとそう言っていました。瑞穂はいらない存在なのです)





瑞穂(異動先のこの鎮守府は新規に建てられたということもあり水上機母艦が役に立つだろうというそれらしい理由と共に瑞穂はやってきました)





瑞穂(どうせ期待されていないと思っていたのにここの提督は心から瑞穂の着任を喜んでくれました)





瑞穂(艦娘として生を受けてこれほど嬉しいことはありませんでした)

瑞穂(提督へ好意を抱いていたのは瑞穂だけでなく他にも居て初雪さんもその一人です)




瑞穂(初雪さんは謂わばライバルといえるのだと瑞穂は彼女を警戒していました)




瑞穂(そんな時に初雪さんが提督の寝室へ侵入したと聞き瑞穂は焦ってしまいました)





瑞穂(初雪さんは純粋な気持ちで提督と仲良くなりたかっただけなのに瑞穂は夜這いだと勘違いしてしまったんです)




瑞穂(焦りのせいで冷静でなかった瑞穂は初雪さんに負けていられないと夜這いをしてしまいました)




瑞穂(戻れるのならあの夜に戻って馬鹿なことをしようとしている瑞穂を止めたいです)




瑞穂(なぜあんなことをしてしまったのかといまだに後悔しています)

瑞穂(ヲ級さんもまたライバルですが彼女に止めていただいて感謝しかありません)




瑞穂(あの一件から初雪さんは瑞穂を変態呼ばわりし艦隊のみなさんは瑞穂を股の緩い艦娘だと思っています)




瑞穂(瑞穂は純潔ですので股が緩いというのは間違っていますが変態というのは認めざるを得ません)




瑞穂(夜這いに失敗し大人しくなったと思われているようですが、実際は提督のを触った感触と口に含んだ興奮が忘れられず毎日のように自分を慰めています)




瑞穂(今日もまた……)




瑞穂「…………!!」ビクンっ




瑞穂(瑞穂は悪い艦娘です。こんなことをしていても提督に気持ちが伝わるはずなんかないのに指が止められないんです)




瑞穂「提督……こんな瑞穂でごめんさい……」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

伊58「まーた瑞穂がやらかしてるでち」




伊168「なんであんなところであんなことしてるのか理解に苦しむんだけど」




伊58「わざわざ中庭でやってるから露出の気でもあるのかと思ったら違うみたい。しばらく見てたら理由はわかると思う」




ビクンビクン




伊168「あ、二回目」





伊58「どうやら今日はこれで終わりみたいだから瑞穂をよく見てると理由がわかるでち」




伊168「見るからにニチャニチャしてる下着を脱ぎはじめたと思ったら手洗い場に行くの?」




伊58「瑞穂は下着をよーーく洗ったら次は物干し場に行くんでちよ」

瑞穂「よし……」




伊168「下着を干して帰っていったわ」




伊58「瑞穂は自慰が終わったらすぐに下着を洗って干したいから中庭でやってるんでち」




伊168「ごめん理由を聞いてもよくわかんない。下着脱いで自分の部屋ですればよくない?」




伊58「自慰で汚れた下着を洗濯に出すのは気が引けるっていう瑞穂なりの気遣い」




伊168「あ、んん?」




伊58「下着を脱いでするっていう考えが無いのか脱いだら気持ちよくないのかのどっちかでち」





伊168「なにそれ変なの……」




伊58「できれば関わりたくない艦娘には違いないでち」

ー工廠ー




明石「お願いですヲ級さんを詳しく調べさせて下さい!」




提督「あんなことがあったんだからやめてほしい」




明石「そこをなんとかお願いします!こんな機会は滅多にないんです!」




提督「そんなこと言っても艦娘の改装なんて何回も経験してるでしょ?」




明石「いえそれはあの、あれですよ。ヲ級さんみたいな例は聞いたことないんです!」




提督「ああそういえばヲ級だけ装備の互換性が無いのは不思議な話だとは思ったよ」




明石「ね?ね?目からオーラが出るなんて他の艦娘ではなかったじゃないですか!」




提督「でもなあ。うーん」




明石「提督お願いします!なんでもしますからこの通り!」

提督「なんでもって言われてもなあ」




明石(提督は艦娘に手を出すような人ではないのでこういうことも口にできるんです!)




明石(深海棲艦の艤装を触れるだけでも涎が出そうだったのにヲ級eliteに強化されるだなんてもう最高!)




明石(ヲ級さんを足の先から頭のテッペンまで調べ上げたいと工作艦としての本能が昂っています!)





明石(提督は押しに弱いのでこのままゴリ押してヲ級さんを徹底的に調査してやります!)




下1~3
提督の答えやとった行動

ー工廠ー




駆逐棲姫?「どうして私が呼ばれたんでしょうか?」




明石「提督にヲ級さんを調査したいと駄々をこねたら春雨さんが見てるならと許可をもらったんです!」




駆逐棲姫?「私なんかより同じ秘書艦の大和さんか阿武隈さんの方がよかったんじゃないですか?」




明石「提督は春雨さんはヲ級さんと同じ系列だと思っているからですよ!」




駆逐棲姫?「そんな理由なんですか!?」




明石「相変わらず提督は深海棲艦のことをよく知りません。春雨さんとヲ級さんを肌が白くて黒い感じの艦娘だと認識しています」




明石「駆逐艦と空母で艦種は違うものの出身が同じなんだろうというアバウトな解釈をしてるんです!」




駆逐棲姫?「だからってそんな重荷を背負わせないで下さい!」

ヲ級「ヲ~」




明石「大丈夫ですよヲ級さん痛くはしませんから」




駆逐棲姫?「なにかあったら私の責任になるのは嫌です!」




明石「その時はその時です!今の私は工作艦として止まらないんですよ!」キラキラ





駆逐棲姫?「明石さんが見たことない高揚してる!」





明石「はーいじゃあまずは服を脱ぎ脱ぎしましょうね~」





ヲ級「ヲ!?」





明石「変なことはしませんから平気ですよ~」





ヲ級「ヲ……」

~~




明石「なるほどエリートの前と比べると全体的に強化されてるって感じで艦娘でいえば『改』相当といったところですかね」




駆逐棲姫?「夜戦に参加してくるヲ級がいると聞いたことがありますけどエリートは違うんですか?」




明石「違いますね夜戦ができるのはフラグシップからで間違いないです」




ヲ級「ヲーー!!」




明石「いい加減恥ずかしいですって?いま良いところなんですから静かにしてて下さい!」




駆逐棲姫?「数値で見ても深海棲艦はやはり強いですね。エリートならまだ対処できますけどそれ以上となると厳しそうです」




明石「ヲ級さんがエリートになった謎も残ってますよ。これまでの説では深海棲艦も出撃することで強化されるというものでした」




明石「この説は概ね合っているとされていましたがこうして目の前に例外がいるんです!」




明石「さあさあ調べ尽くしていきますからねえ!!」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

駆逐棲姫?(明石さんすごく楽しそうだけど変なことをしないか心配です)




駆逐棲姫?(明石さんに限らず工廠を担当している艦娘は変わった人が多いっていいますし)




明石「さあ次は艤装を着けて調査をやってみましょう!」




ヲ級「ヲ!」




明石「裸で艤装は恥ずかしいですって?ヲ級さんのは頭に被るだけじゃないですか!」





ヲ級「ヲヲ~~!」





明石「ほら手で下半身を隠そうとしないでください処理してないヲ級さんが悪いんですよ!」




ヲ級「ヲ!!」




明石「そんなこと言うなっていわれても私は止まりません!」

明石「ぐへへへぇ~~強化された艤装の口の中ってどうなってるんでしょうねぇ!?」




ヲ級「ヲ……!」プルプル




駆逐棲姫?「明石さんここまでにしておきましょう」




明石「もう私は止まりませんよ!」




駆逐棲姫?「凄く嫌な予感がするので止めてくれませんか?」




明石「なにを言ってるんですかここからが本番です!」





駆逐棲姫?「えいっ」キュッ





明石「うぎゅ」





ヲ級「ヲ……?」





駆逐棲姫?「仕方ないので頸動脈をキめて大人しくなってもらいました。怪我はしてませんから安心して下さい」

駆逐棲姫?「目の前で裸になれだなんて言われても嫌なら断っていいんですよ」




ヲ級「ヲ」




駆逐棲姫?「ヲ級さんが深海棲艦だからじゃありません。この鎮守府の仲間として言ってるんです」





駆逐棲姫?「自分は艦娘じゃないから他の艦娘の言うことに絶対服従だなんてルールもありません」





駆逐棲姫?「提督はそんなことを言う人じゃないってことはヲ級さんもわかってますよね」




ヲ級「……」




駆逐棲姫?「もし言うことを聞かないとダメだって言われたとします。提督のことを好きになるなって言われたらどうしますか?」




ヲ級「ヲ!!」




駆逐棲姫?「みなさんがどう思っているかわかりませんが私はヲ級さんを味方だと信じています」




駆逐棲姫?「嫌なものは嫌だと言うべきですし提督に想いを伝えるのも早い方がいいと思いますよ」





下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー翌日ー




提督「今日は少し鎮守府を離れるからあとはお願いしてもいいかな?」





阿武隈「サボりは許しません!」





提督「そんな理由じゃなくて街の方からお礼の連絡が来てたでしょ?その関係で人に会いに行くだけなんだ」




阿武隈「ちゃんと理由があるならいいですけどサボったりしないで下さいね」




初雪「なら私が司令官を見張る。護衛は必要でしょ?」





阿武隈「確かに護衛は必要ですし初雪ちゃんならきちんと提督を見張ってくれそうですね」




初雪「んふー」

黒島風「島風の方が速いもーん!」




初雪「速さは関係ない」




阿武隈「もう~二人が揉めるならあたしが護衛で出ますよ」




初雪「新たなライバル!?」




黒島風「秘書艦は速いから油断できない!」




阿武隈「そんな意味じゃなくて揉め事を起こしたくないだけです」




提督(なにを言い争ってるんだろう)

バターンッ




ヲ級「ヲ!!」




黒島風「出たヲ級!」




初雪「地獄耳」




阿武隈「ええ~?ヲ級ちゃんも護衛に出たいって言うんですか?」




ヲ級「ヲ!ヲ!」




阿武隈「うぅん秘書艦を務めてるヲ級ちゃんなら提督の護衛には相応しいですよね」





黒島風「ヲ級ばっかりずるい!」




初雪「不公平」




阿武隈「そんなこと言っても仕方ないじゃないですか」

阿武隈「提督が出かけている間に遠征や訓練をしてアピールするのはどうですか?」




黒島風「えーーー!島風も提督とデートしたい!」




初雪「私も負けてられない」




阿武隈「護衛って意味ならヲ級ちゃんより強くないといけないんですよ。ここは諦めて下さい」




黒島風「ちぇっ」





阿武隈「というわけなので提督はヲ級ちゃんを連れて街の方に出かけて下さい!」





提督「なにがというわけなのかわからないけどそう決まったならヲ級を連れて行くよ」




ヲ級「ヲ!」




下1~3
ヲ級の行動や起こった出来事

ー街ー




提督「僕たちの鎮守府から近いこの街は田舎の方らしいけど近代的な建物が多いね」




ヲ級「ヲ~」




提督「これが都会だったらビル群とかばっかりになるのかな?」




ヲ級「ヲ」





提督「まあ僕もヲ級と同じで背の高いビルなんて見たことないけどね」




ヲ級「ヲッヲ」





提督「それじゃあ待ち合わせの時間に遅れないように目的地まで行こうか」

「オイお前」




提督「えっと……?」




「人間のことじゃないお前に話しかけてる」




ヲ級「ヲ?」




「お前は街に出るのは初めてか?」




ヲ級「ヲ~」




「ボランティアで何回か来たことがあるって本当か?その格好で街を歩いていたのか?」




ヲ級「ヲ」




「信じられないが嘘をついている様子もない。ならば今までは運が良かっただけだろう」

「普通の人間ならお前の姿を見れば近くの鎮守府に通報がいきお前は沈められる。意味はわかるだろう」




ヲ級「ヲ?」




「ならどうすればいいかだと?とりあえずそこの人間に服を買わせて私のように擬態しろ」





「肌が白いのは仕方ないとして見た目は服装でどうとでも誤魔化せる」





ヲ級「ヲ」




「この目立つ縦ロールはどうなんだって?これは私のアイデンティティに関わるモノだから妥協できない」




「お前のタイプは艤装に特徴があるから好きな格好をすればいいだろう」




ヲ級「ヲ~」

提督「さっきから何の話をしてるの?ひょっとしてヲ級の友達?」




「コイツはお前のオスか?」




ヲ級「ヲヲヲ」




「なに!?コイツは憎き提督だというのに深海棲艦のことを知らないだと!?」




ヲ級「ヲ」




「お前のことは変わった艦娘だと認識しているのか。いやまてそんなことはあり得るのか?」




「艦娘と深海棲艦のことは毎日のようにテレビに出てくる。それを知らないのはあり得ない」




「鎮守府にテレビが無いとしてもコイツはテレビを全く見ずに過ごしてきたのか?」




ヲ級「ヲ~」




「提督は嘘は言っていないだと……現実とは思えない」

提督「あの~」




「そうだ私はコイツの友達だ。街に来るならアドバイスをやろうと思ってな」




「どこに行くのかは知らないがそんな格好じゃ浮いている。どこかで服を買うべきだ」




提督「それは確かにそうかもしれないね。今日はボランティアじゃないから汚れてもいい服装である必要はないし」




「話はこれで終わりだ。気をつけろよ」




提督「ヲ級の友達なら鎮守府の方に来てもらってもいいからね~」




「ほう……お前たちの鎮守府は興味深い、考えておいてやる」




提督「行っちゃったか。背が低かったけど幼い感じはしなかったから大学生とかかな?」




ヲ級「ヲ」




提督「ボランティアを通じてできた友達だったんだね。じゃあ彼女のアドバイス通り君の服を買いに行こうか」




下1~3
ヲ級に着せた服とか服装

~~



提督「本当にそんな簡単な服でよかったの?」




ヲ級「ヲ!」




提督「しっかり選ぶ暇なんて無い、か。うんヲ級の言う通りだね急がないと遅れちゃうよ」




ヲ級「ヲ」




提督(ヲ級が選んだのは丈の大きいパーカーだから下になにも履いてないように見えちゃうな)




提督(でもまあそう見えるだけだから問題ないよね)




ヲ級「ヲ~~」

ー街、某こども園ー




婆「わざわざ提督さんに来てもらうだなんてねえ。こんなもてなししかできなくてごめんよ」




提督「いえいえ直接お礼が言いたいと言い出したのはこちらですので」




爺「貴方のところの艦娘さん達はみんな親切なんだ。他の鎮守府とは比べものにならないよ」




婆「ボランティアだってまともに来た試しがなかったんだからねえ」




提督「最前線の鎮守府だと明日生き残るのに必死だと聞いたので街のボランティアにまで手が回らないのかもしれませんね」




婆「忙しいのを言い訳にボランティアなんてやりたくないってのが本音だと思うけどねえ」




爺「そんな鎮守府が多いなかで貴方のところの艦娘さん達は本当に素晴らしいです」




提督「そう言ってもらえて嬉しいです」

婆「おやもうお茶が無くなったかい。新しいのを淹れてくるから待ってな」




提督「あのお構いなく」




婆「ええからええから待っときなさい」





爺「普段お世話になってるからお茶くらいゆっくり楽しんでいって下さい」




提督「ではお言葉に甘えさせてもらいます」




ヲ~~




爺「今日はあの人が来てくれたんですな。彼女に限らず貴方の鎮守府の艦娘なら安心して子供達と遊んでもらえます」




提督「うちの艦娘はみんな子供が好きなんだと思います」

爺「以前にも言わせてもらったがアンタのような人間が鎮守府を率いると聞いてこっちは背筋が凍ったよ」




爺「もう全国各地に鎮守府は飽和状態だというのに今更新しい泊地が出来る理由もわからんかった」




爺「蓋を開けてみればワシらの心配は杞憂でむしろ来てもらって助かった」




提督「ありがとうございます」




爺「『赤い羊』のアンタのことを誤解しておったよ。お前さん達を疑っていたそのお詫びといってなんじゃがー」




ワイワイ




提督「随分と賑やかなようですね。お茶が来るまで僕も子供達と遊んできます」




爺「ん、好きにしてもらっていい」




下1~3
この場所での出来事や鎮守府での出来事やその他

ヲ級「ヲ~~」




「さっきからなに言ってるのかわからない~!」




「前は通訳してくれる艦娘がいたからなんとかなったけど今日はいないよ」





「パーカーだからいつもより親しみやすいのに言ってることがわからない」




提督「ヲ級は一緒に遊ぼうって言ってるんだよ」





「お兄さん艦娘じゃないのにわかるの?」





提督「僕は提督だからね」




「てーとくだ~」



「てーとくさんも一緒に遊ぼ!」

提督「yoそこの道行く兄ちゃん姉ちゃん」




「つき進むスタイル確立独立時代の反響一人の絶叫」




ヲ級「ヲヲヲヲヲヲヲ~」




「やっぱりなに言ってんのかわかんないよ~!」




提督「じゃあ違う遊びしようか」




「それじゃおままごとがいいな。てーとくさんはヲ級ちゃんと夫婦の役ね!」




ヲ級「ヲ!?」




提督(街なんて大きいものに実感はないけどここにいる子供達は確実に守れている)





提督(うちのような小さな鎮守府でもきちんと守ることができているんだね)

~~



「むにゃむにゃ……」




ヲ級「ヲ~?」




提督「お昼寝の時間だからみんなで寝るんだよ。子供は寝るのも仕事みたいなものだよ」




ヲ級「ヲ」





婆「遊んでもらうだけでなく寝かせてもらってすまないねえ。ほらお茶だよ」




提督「ありがとうございます」




ヲ級「ヲ」

爺「お前さん達の鎮守府には半端者や除け者が多いというのはワシらの調べでわかっとる」





爺「ボランティアによく参加するのも傷の舐め合いだろうというのがワシらの考えだった」




爺「それは間違っておったと頭を下げるしかない。本当にすまなかった」





提督「鎮守府が全国で足りている状況ですから警戒されるのは当然です」





爺「心配しとったのはそれだけじゃない深海棲艦をー」




婆「提督さん達は信用できるってわかったんじゃからもういいじゃろう」




爺「そうだなお土産を持って帰ってもらおう」




提督「いえそんなことしていただかなくとも」




爺「いいから持って帰りなさい。あとここにはいつでも来てもらっていいからね」



下1~3
提督達の行動や鎮守府の出来事

ー鎮守府ー




阿武隈「帰ってくるのが遅いーー!!」





龍驤「自分がおらんでも鎮守府は問題ないんやからそりゃサボるに決まってるやろ」




伊168「司令官はそんな人じゃないわきっと用事が終わらないだけよ」




阿武隈「ヲ級ちゃんが一緒だから遊んでるとかはないと思いますけどそれにしたって遅いです!」




龍驤「今度こそ深海棲艦やからって街でリンチにでもされとるん違うか?」




伊168「リンチはなくともトラブルにはなってるかもしれないわね。あの子って私服持ってないんでしょ?」




阿武隈「ヲ級ちゃんは休みの日でも出掛けずに訓練してるから当然持ってません」




龍驤「必死に頑張る分には健気やと思えるけど休み返上は病気やで」

伊168「病気なのは龍驤さんでしょいい加減に病院に行ってきたら?」




龍驤「黙れ」




阿武隈「そうやって強がっていられるのも今のうちですからね。龍驤さんとイヨヒトミちゃんは強制的に病院に行ってもらいます!」




龍驤「ウチと喧嘩する気か?覚悟あるんか?ああ?」




阿武隈「本気でヤってあたしに勝てると思ってるんですか?」ギロッ




龍驤「上等やお前こそ病院送りにしたる」




伊168「そんなことで喧嘩してたら司令官が悲しむわよ」




阿武隈「大丈夫です喧嘩にすらなりませんから」




龍驤「どいつもコイツも舐めとるん違うぞ!」

伊168「龍驤さんのはどう見ても病気だけど治るやつだから早めに病院に行くしかない」




伊168「それは自分でもわかってるのにどうして行こうとしないの?」




阿武隈「出撃してればストレスの発散になるとかいう子供みたいな理由ですよ」




龍驤「オイ表出ろ。人のことをなに分かったツラしとるんや」




阿武隈「弱い者イジメになっちゃうから嫌です~」




龍驤「……覚えとけよクズ」バタンッ




伊168「あんなに煽るだなんて珍しくない?」




阿武隈「提督が居ない時くらいしか好きにできないじゃないですか」




伊168「ならタバコでも吸う?」




阿武隈「禁煙したんで遠慮しておきます」

伊168「阿武隈の素はそれだけどここに飛ばされたのとは関係ないのよね?」




阿武隈「はい。でもここには配置転換で来たあたしとは違って問題のある人が勢揃いです」




伊168「私とゴーヤは違うわよ」




阿武隈「勝手に出撃して戦果を挙げてくる艦娘は異常者です」




伊168「異常者は言い過ぎよ……」




阿武隈「カタワもいますし頭のおかしいのまでごろごろと」




伊168「問題発言しかしてない貴女も十分おかしいわよ」




阿武隈「誰も見てないから問題ないんです」

伊168「司令官は知らないフリして何も言わないのかと考えてたの」




伊168「この国で過ごしてて深海棲艦を知らないだなんておかしいでしょ?」




伊168「だけど司令官の態度を見てると嘘をついてるように見えないのよ」




阿武隈「あたしも最近までイムヤさんと同じ考えで提督は寒い芝居をしてるなって思ってました」




阿武隈「けれども最近あることに気付いたんです。イムヤさんは『赤い羊』って知ってますか」




今168「…………嘘でしょ」




阿武隈「塀の中ならテレビだって見れます。ただそれより重い禁固だったらどうですか?」





伊168「あんなにいい人がそんなことしてるはずなんて無い……」




阿武隈「残念ながらそうだとしたら提督の世間知らずの説明はついちゃいますよね」

阿武隈「提督はあたし達のことを変な目で見てこないのは評価してましたけどそれが理由ですよ。変なことをしてまた塀の中に戻りたくないから我慢できるんです」





阿武隈「全国各地に鎮守府が乱立していた頃、男の提督の五割以上が艦娘に手を出してニュースになりましたよね」




阿武隈「男なんて結局そういうものなんです。提督だって『赤い羊』の過去が無かったら他の提督と同じなんですよ」




伊168「そんなこと絶対にない!司令官はそんな人じゃない!」




阿武隈「そう信じたい気持ちはわかりますけど現実なんてそんなものなんです」




阿武隈「鎮守府の入り口で健気に提督の帰りを待ってる初雪ちゃんがもし裸で迫ったら一発で終わりますよ。あーでもロリコンじゃないならヲ級ちゃんじゃないとダメかもしれませんね」




伊168(阿武隈は艦娘が出現した初期の頃に建造されているから世間のことをよく知ってる。司令官の前では隠しているけど現実に希望はなくいつも物事を悲観してみている)




伊168(私だって希望溢れる新人艦娘なんかじゃないけど司令官は今まで見てきた提督とは全く違う。司令官ならと私に希望を抱かせてくれた初めての存在なの)




下1~3
提督達の行動や鎮守府の出来事

ー街ー




提督「鎮守府に帰らないといけないのに帰れない!」




ヲ級「ヲヲヲ」




提督「まさか服屋さんに元々着てたいつもの服を置いていってたなんて予想できなかったよ」




ヲ級「ヲ~」




提督「そうだね服だけじゃなくて下着も置いていったからヲ級は子供達の前で裸パーカーになってたんだね」




ヲ級「ヲ」




提督「着ている服と交換だと思ってたんだね知らなかったなら仕方ないよ」


提督「やっと着いた!忘れ物でヲ級の服とかが届いてるはずだから急いで回収しよう!」




ヲ級「ヲ!」




提督「かなり遅くなったけどこれでなんとか鎮守府まで帰れる」




店員「女性用の服と下着をお忘れとのことですがこちらでは預かっておりません」




ヲ級「ヲ!?」




店員「本当に当店で忘れたのだとしたら他の方が持っていってしまったかもしれませんね」




提督「誰が持っていったのか監視カメラの映像を見てもらえませんか?」




店員「そうなると盗難事件となりますので監視カメラの映像は警察に渡すことになっております」

提督「ヲ級の服って予備はあったかな?」




ヲ級「ヲ」コクリ



提督「予備があるのなら出撃は平気で映像があるから犯人も捕まるとして問題があるのは帰り道だね」




ヲ級「ヲ?」




提督「このまま帰るっていっても下着も履かないで帰れるわけないでしょ?」




ヲ級「ヲ~」




提督「ここまでこの格好で移動してきたのはそうだけど!」




ヲ級「ヲヲッヲ」




提督「やっぱり問題あるから!」

提督「阿武隈か大和に連絡して下着を持ってきてもらうのが一番いいかな」




ヲ級「ヲ~」




提督「ここは服屋だから下着も売ってるって?確かにその通りだけど」




ヲ級「ヲ!」




提督「ええ~!?僕が選べっていうの?自分で選べばいいじゃないか!」




ヲ級「ヲ~」




提督「自分のは支給品だから下着を買ったことがない?だから提督に任せるしかないってさあ」




提督「うーんどうすればいいんだろう……」




下1~3
提督の判断や起こったこと

提督(ここでうだうだしてるより早く選んで買ってしまった方がベストだ!)




提督「わかったからヲ級のサイズを教えてくれる?」




ヲ級「ヲ」




提督「この辺りのがヲ級のサイズなんだね。じゃあこれにするよ」スッ




ヲ級「ヲ~」




提督(手前の方にあった物をとりあえずヲ級に渡したからこれでオッケーだね)




ヲ級「ヲ?」




提督「履いたところを見せなくてもいいからね!」




ヲ級「ヲヲ~」

ー鎮守府正門ー




大和「随分と長いお出かけでしたがやっと帰ってこられましたね」




提督「話せば色々あったんだよ」





初雪「心配したじゃん!」





提督「本当にごめん待っててくれたなら連絡くらいすれば良かったね」




ヲ級「ヲー」




大和「ヲ級さんの服を買われたんですか?」




提督「街で出会った人にいつもの格好はやめた方がいいってアドバイスをもらったんだ。そうだ街の服屋か警察から連絡が来たらすぐに教えてね」




初雪「なにかあったんだ!!やっぱり私が護衛に行けばよかった!」




提督「危険なことじゃないから心配しないで。執務室に戻りながら何があったのか話してあげるよ」

大和「衣服を盗まれたとは想像できませんでした。そんなことがあったんですね」





提督「試着室に着ていた服を置いていっちゃダメだって知らなかったから仕方ないよ」




初雪「服はまだわかるけど下着は流石にわざとでしょ」




ヲ級「ヲヲ」




大和「丈が大きい服の下は下着を着けないもの?着物か何かと勘違いしたんでしょうか」




初雪「い~な~私も司令官に下着を買って欲しい~」




提督「そんなじっくり選んでないから!手前にあったのを適当に渡しただけ!」




大和(お洒落なのがいいと駄々を捏ねなかったのは評価できますね)

初雪「適当に選んだのでも支給品のよりいいんでしょ見せてよ」




ヲ級「ヲ」モゾモゾ




提督「いやそんな素直に見せなくてもー」




大和「まあ」




初雪「うわ!!ドスケべ下着!!」





提督「なんでそんなのが手前にあったの!?」




ヲ級「ヲ?」





初雪「なにかおかしいのかって見たらわかるじゃん!」





大和「そんなに透けている下着は普通じゃありません」




ヲ級「ヲ~」




初雪「そうだったんだ~って反応薄すぎだから!」

大和「下の方の毛も透けてしまっていますけど恥ずかしくはないんですか?」




ヲ級「ヲ」




初雪「裸じゃないから別にってなんなのさ!」




大和「やはり深海棲艦は我々とは考えが違うようですね」




提督「僕は普通の下着を買ったつもりだったんだよ……」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー街外れ某所ー




「やれやれコッソリあとをつけていたがまさか試着室に服と下着を置いていくとはな」




「あのヲ級は人間の言葉を習得してなかったしあんな状態で街を彷徨くなど正気ではない」





「世話が焼けるが同胞として人間社会に潜む仲間を見捨ててはおけないからな」





「鎮守府に所属していると言っていたがこの服と下着はそこに届けてやるか」





「しかし深海棲艦のことを知らない提督は興味深いな。ソイツとコミュニケーションを取れればベストだ」





「ひょっとすると我々にとって大きな利益となる可能性がある。思いがけず良い出会いを手に入れたな」ニヤッ

~~





初雪「ヲ級にあんな下着を着せたってことは司令官はエロ下着が大好きなんだ」





初雪「私は支給品を履いてるからそういう知識は無い。だから誰かを頼るしかない」




初雪「出撃や訓練のときにチラッとエロ下着が見えたことがあるからその人を頼る」





初雪「同じ駆逐艦を参考にしてもいいけど軽巡や重巡を参考にしてもいいはず」





初雪「とにかく早くアドバイスをもらいに行かなきゃ!」




下1~3
参考にする艦娘

~~




時津風「そんなに急いでどうしたの~?」





初雪「どうしても聞かなくちゃいけないことがある!」





瑞鶴「私にもあるってことは出撃は関係ないみたいね」





大淀「この三人の共通点は無さそうに思えますが」




初雪「エロ下着を穿いてる三人に聞きたいことがあった!」




瑞鶴「ぶっ!!」




時津風「なるほどね~」

大淀「私のこのスカートは制服ですのでそれに合わせた下着を選んでいるだけですよ」




初雪「どこでどう選んだのか知りたいから教えて!」




時津風「なんでそんなに必死なのさ?」




初雪「司令官がヲ級にエロ下着買って着せてたから!私も負けてられない!」




大淀「提督が本当にそんなことをされたんですか?」




時津風「しれーもやっぱ男なんだねえ」




瑞鶴「私のはエロいんじゃくて気合いを入れるためにこれを選んでるのよ!」




初雪「過程はどうあれエロいのは事実。どこで買ったとか情報が知りたい」

時津風「そういうことなら私の使ってる通販サイト教えてあげる」




初雪「ありがとうこれでヲ級に対抗できる」




大淀「私もインターネットで探してますのでURLを送っておきます」




初雪「瑞鶴さんもネット?」




瑞鶴「私はお店で買ってるけど……」




初雪「じゃあそのお店を教えて」




瑞鶴「恥ずかしいから嫌よ!」




初雪「ちぇっ」

時津風「ていうかさ~エロ下着買ったところでヲ級に勝つのは難しいと思うけど」




初雪「司令官がロリコンの可能性があるからやってみなくちゃわからない」




大淀「提督がロリコンなのはそれはそれで嫌ですがヲ級さんが選ばれるのもどうなんでしょう」




瑞鶴「深海棲艦を好きになる人間は極小数はいるけど提督が深海棲艦を好きになるなんて聞いたことないわよ」




初雪「いっそのこと司令官にヲ級は深海棲艦だってバラしてやろうかな」




時津風「それはやめた方がいいと思う」




大淀「私もそう思いますただでさえ提督は深海棲艦のことをよく知らないんですから、下手なことはするべきではありません」

瑞鶴「どうせやるなら正々堂々とやりなさい」




初雪「このままじゃ勝ち目ないから正攻法は使わない」




大淀「危険なことはやめて下さいね」




時津風「瑞穂さんみたいに夜這いしちゃう?」




初雪「既成事実があればいいから有り」




瑞鶴「絶対やめなさいあんな風になったら終わりよ」




大淀「最終手段としてもオススメできません。やはり地道にやっていくのと提督がロリコンであることに希望を持っていて下さい」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

~~




龍驤「ウチになんか用事でもあるんか?」





提督「いい加減に病院に行ってもらおうかと思ってるんだ。強制はしなくないから納得した上でね」




伊14「姉貴との時間を邪魔するな」




伊13「提督が相手でも関係ないですよ?」





提督「特に君たち二人は絶対に診てもらわないといけない。そのままじゃいけないんだ」




伊14「お前が勝手に決めるな」

提督「龍驤の幻肢痛もちゃんと診てもらえれば改善が見込めるんだ」




龍驤「この腕のことでウチに指図するな」




提督「良くなるってわかってるのにどうして治療を受けたくないの?」




龍驤「口で言うてわからんのやったらぶん殴ってわからせたろか?」




伊13「二度とイヨちゃんとの時間を邪魔できないようにしちゃうね」




提督「それで済むならー」




龍驤「綺麗事吐くな。こっちはお前を殺す言うとんや」





伊14「地獄で後悔させてやる」




提督「殺してもなにも解決しない。残るのは虚しさだけなんだよ」

提督「今日は絶対に治療を受けることに同意して欲しかったから諦めないよ」




コンコン




龍驤「はっ、情けない男やで。秘書艦か誰かを頼らなウチらを説得できへんのか」




提督「大和達は呼んでなくて来てもらったのは君たちと同じ理由なんだ」




提督「彼女もまた病院や治療を拒否しているからここに呼んで説得しようとしていたんだよ」




「ーー」




提督「もうみんな来てるから入ってきてもらっていいよ」




下1~3
要治療の艦娘の状態。今まで出てきた艦娘でも

長波「こんなとこに呼び出してなんなんだよ……」




提督「君たち二人にも病院に行って欲しいからその説得をしようと思ってたんだ」




電「電に病院なんか必要ないのですよ」




提督「長波はカウンセリングを受けるだけでも改善するし電もそうだよ」




長波「私みたいな欠陥品はもう放っておいて欲しい……」




提督「君は欠陥品なんかじゃないちゃんと役に立ってくれてるじゃないか」

電「電こそ放っておいて欲しいのです。どこかを治してもまたすぐに次が悪くなってしまうのです」




提督「だからって放置しておいていい理由にはならないよ」




龍驤「ええ加減にせえよこっちは治療なんか要らんって何回言うたらわかるんや」




伊14「もう殺しちゃっていいよね?」




伊13「一緒にヤろうねイヨちゃん」




提督「僕を殺してもいいけど絶対に病院には行ってもらうからね」




長波「お前はなにがしたいんだよ……」

長波「私は建造時のバグで普通の長波より小さい体になってしまったから価値はない」




長波「まともに出撃しても意味ないからって慰め者にされてた私の気持ちがわかるのか?」




電「電は新型兵器の開発部門で働いていた時に事故に遭ってしまったのです」




電「全身にガンマ線を浴びて慰め者にもなれない体に慣れ果ててしまったのです。性行為でもしようものなら血反吐を吐いてしまうのです」




電「まともな司令官ならこんな電を治療しても意味がないってわかるのです」




龍驤「コイツは深海棲艦も知らん奴やからまともではないな」




提督「僕に乱暴して気が済むならそれでいい。その代わり治療は受けてもらうよ」




下1~3
提督の行動やこの場の艦娘の行動

ガチャッ




大和「提督に危害は加えさせません」




ヲ級「ヲ!」




龍驤「結局秘書艦頼りとは情け無い男やな」




初雪「私もいるから司令官は情け無くなんかない」




長波「もういいって……」




電「病院に行けばっかりしつこいのです」




提督「諦める方がおかしいんだから僕は何度でも同じ話をするよ」

大和「提督がどれだけ説得しても皆さんは病院に行くことを拒否されました」




大和「それぞれに事情があり気持ちがわかるなどそんな簡単な言葉は口にできません」




大和「ですが提督が皆さんの治療を望んでいるのなら秘書艦として手を尽くさせてもらいました」




ヲ級「ヲヲ!」




初雪「街の病院に頼んでお医者さんが診に来てくれることになったって」




龍驤「余計なことせんでええ!」




大和「提督にはお伝えしてませんでしたが意図せず時間を稼いでもらったお陰で既に鎮守府に医者は到着しています」

伊13「騙したってこと?」




初雪「話聞いてた?司令官には知らせてなかったって言ったじゃん」




電「そこまでする意味が本当にわからないのです」




提督「理解してもらうつもりなんてない。僕は適切な治療を受けて欲しいだけなんだ」




長波「最悪……」




伊14「……」ギリギリ




下1~3
治療の結果や鎮守府の出来事

~~



龍驤「無理に治療をさせられた結果、全員症状が良くなりましたーってアホみたいな結果やな」




電「潜水艦の二人は安定して長波ちゃんなんかは初雪ちゃんと同じようになってしまったのです」




龍驤「ここの長波は初雪と同じような体格しとるのも関係あるんと違うか?」




電「それなら龍驤さんも司令官のことを好きにならないといけないのです」




龍驤「そんなことありえへんやろ気色悪い。そもそもお前も同じような体やないか」




電「電は中身が詰まってないのでノーカンなのです」

龍驤「見た目にコンフレックスがあった長波にそんなん関係ないって言うた司令官に惚れるのはわかる」




龍驤「潜水艦の二人もあのままやったら誰かを殺しかねんかったから改善したのは良しとしたろ」




龍驤「せやけどウチはこんなこと望んでなかった。幻肢痛で日々苦しむのが当たり前やったんや」




電「電も一日のほとんどを寝て過ごしていたのに薬のせいで動けるようになったのです」




龍驤「ウチは腕を失った憎しみだけで引き金を引いてた。その憎しみが無くなったらウチはどなしたらええんや」




電「自由に動けるのなら深海棲艦だけでなく人間にも使える兵器の開発の続きをしたいのです」




龍驤「司令官は余計なお世話をしてくれたみたいやな」




電「本当にそうなのです」

龍驤「その新しい兵器はすぐ作れるんか?」




電「そんな簡単にはいかないのです。最新鋭の機械や設備が揃ってないと難しいのです」




電「ただ難しいだけであって電の部屋を改造すれば不可能ではないのですよ」




龍驤「ならウチも協力したるわ。その代わりウチを実験台にして」




電「それはいい考えなのです。もし完成したらあっという間に死ぬことができますよ」




龍驤「ウチが死んだら余計なお世話野郎への復讐にちょうどええやろ。協力したるんやから結果は出してもらうで」




電「お任せくださいなのです」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー工廠裏ー




龍驤「この辺りの資材は使えそうなんか?」




電「使えなくもないので妥協点といったところなのです」




龍驤「ほなこの資材をお前の部屋に運び込むで」




電「電は重い物は持てないので宜しくなのです」




龍驤「軽いもんは運べるんやからちゃんとやれよ。ウチに全部やらせようとすんな」




電「わかっているのですよ」

電「電がこうなった時の兵器のデータは頭の中に入っているのですがアウトプットする場所がなかったのです」




電「電のやろうとしていることは個人で持てるパソコンでは無理なのでこうやって鎮守府の備品も使わせてもらうしかないのです」




龍驤「理屈はどうでもいいからちゃんと働いてもらうで」




電「もちろんなのです。あれ?そこに置いてあった運んでもらおうとした資材はどこにいったのです?」




龍驤「そこに確かに置いたはずやけど何処にいったんや?」




伊58「お探しのものはこれ?」スッ




龍驤「チッ……」




電「これだから潜水艦は嫌いなのです」




伊168「なにをしようとしてたか司令官に全部報告するから覚悟しておきなさい!」

ー執務室ー




提督「電と龍驤には引き続きカウンセリングが必要みたいだね」




ヲ級「ヲ~」




提督「そうだね龍驤は出撃でストレスを発散できるかもしれないけど電は出撃が難しい」




提督「不満やストレスが溜まって当然だから特別に何かを考えた方がいいね」




長波「困ってることがあればあたしに任せなよ提督!」




初雪「なんで執務室に長波がいるの」




長波「それは初雪もだろ秘書艦でもないくせに」




提督「執務室には遊ぶところじゃないんだよ二人とも」




初雪「これは遊びなんかじゃない真剣勝負」


長波「初雪にもヲ級にも負けないからな」




ヲ級「ヲ」




初雪「へえ……」




提督(長波が元気になったのはいいけど初雪とよく喧嘩しちゃうようになったんだよね)




提督(提督としてどうかと思うけど僕は出撃の編成の役に立てない。ならそれ以外で役に立とう)




提督(電や龍驤に長波。その他にも解決しないといけない問題がある)




提督(自分にできることを全力でやり尽くそう)




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

~~




大和「こんな中途半端な時期に配置転換なんて珍しいですね」





阿武隈「あたしも何を考えてるんだろうなって思いましたけど理由はちゃんとしてましたよ」





阿武隈「慰め者にもなれない電ちゃんが工廠に配備されたのは納得できる人事です」





阿武隈「今までタダ飯食らいだった分を工廠勤めで返して欲しいですね」




大和「タダ飯だなんてそんな言い方はありませんよ」




阿武隈「ああそういえば大和さんは前の鎮守府でロクに出撃もさせてもらえなかったのを気にしてましたね」




阿武隈「電ちゃんとは違って大和さんは出撃できたんですから本当のタダ飯ですね!」




大和「そんなこと言わないで下さい!!」

阿武隈「大和さんはハッキリ言って気にしすぎですよ。大和型が出撃するなんてことは起こらない方がいいんです」





阿武隈「他の鎮守府の大和型みたいに開き直った方が楽ですよ?」




大和「私は戦艦大和として生を受けた以上、その力を使う理由があります」





阿武隈「もっともなこと言ってるわりに弱いのは笑えてきちゃうのでやめて下さい」





大和「……っ」ギリギリ





阿武隈「ここで喧嘩にならないのはさすがですね。ちゃんと自分の弱さを自覚してるのは大和さんの強みですよ」

阿武隈「電ちゃんはまだ納得できますけど問題なのは龍驤さんです。なんであのカタワが秘書艦補佐になったんでしょう」




大和「提督は龍驤さんともっと話す機会を増やしたいから彼女を秘書艦補佐に選ばれました」




阿武隈「話す機会が増えたところであのカタワが変わるとは思えないです」




大和「提督は変わると思ったからそうされたんです」




阿武隈「そんなのどうでもよくてあたしが秘書艦の時に仕事の脚を引っ張らないかどうかが不安です」





阿武隈「無理に治療なんかしないで病院送りにしたほうが絶対いいに決まってます。どうしてわかってくれないんでしょう」





大和(貴女には絶対にわかりません)

阿武隈「今日はヲ級ちゃんが秘書艦だからサボれる日なのに工廠と秘書艦補佐の見回りがあるのが最悪です」




大和「秘書艦の仕事がないからと自由に過ごしているのは阿武隈さんくらいです。皆さん訓練などを頑張っているんですよ」




阿武隈「あたしは訓練なんかしなくても充分強いから関係ないです」





大和「提督の為にと頑張ることは無駄ではありません」





阿武隈「気持ちじゃなにも解決しません。結局は純粋な強さだけが必要なんです」






阿武隈「こんな話をしてるよりさっさと見回りを終わらせちゃいましょう」





下1~3
工廠か執務室のどちらに行ったか。または鎮守府での出来事

ー執務室ー




阿武隈「提督こんにちは大和さんと見回りに来ましたよ」





提督「二人ともお疲れ様。今回のことで仕事が増えちゃってごめんね?」





大和「秘書艦は三人で分担していましたから見回りが増えたくらいどうということはありません」




龍驤「謝るんやったらウチと違うんか。よくも秘書艦補佐なんかにしてくれたな」




提督「それは龍驤があんなことを考えてたからだよ。二度とあんな風なことは考えて欲しくないから暫くは僕の近くで様子見だからね」




龍驤「ふざけやがって人のことをなんやと思ってるんや」

ヲ級「ヲ」




龍驤「五体満足のお前らにはウチの気持ちなんかわかるわけないやろ」




提督「僕は龍驤の気持ちを理解しようだなんて思ってない。ただ止めたいだけなんだ」




提督「このままだと君は全てを憎んだまま死んでしまう。そんなことは絶対にしてほしくない」




龍驤「憎しみしかないに決まってるやろ!どう足掻いてもウチの腕は戻ってけえへんのやぞ!」




ヲ級「ヲ!」




龍驤「黙れ深海棲艦!元はといえばお前らのせいでウチの腕は吹き飛んどるんや!」




大和「落ち着いて下さい龍驤さんまた腕が痛んでしまいますよ」

阿武隈「いいお薬を処方してもらったから幻肢痛に悩むことはなくなったって聞きましたよ」




大和「だからって自暴自棄になるのは違います」




龍驤「もうお前ら喋るな!これ以上ウチをイラつかせるな!」




提督「僕は君を信じてる」




龍驤「ああ!?」




提督「腕のことで折り合いをつけることは無理だとしても無関係な人まで攻撃することは間違ってる」




提督「この世界には憎しみだけじゃないんだって知ってもらえるって僕は信じてるよ」




龍驤「下らん台詞吐くなボケが。お前こそ現実見せたるから覚悟しとけよ」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

<「うわーーー!」




阿武隈「執務室の扉の向こうで誰か叫んでます?」




大和「いまの声は長波さんだと思います。またいつものように提督に会いに来たんでしょう」




ドタドタドタ





ヲ級「ヲー」





阿武隈「足音が長波ちゃんのじゃないっていうんですか?」




<「なにすんだよ明石さん!」




大和「ヲ級さんの予想はどうやら当たったようですね。ちょうど工廠への見回りがありますから阿武隈さんと向かいます」




提督「二人ともお願いするね」

ー工廠ー




電「ここに人攫いがいるのです」




明石「人聞きの悪いこと言わないで下さいこれは必要な調査なんです!」




長波「これからどうなるの……?」ガタガタ





明石「いや~建造バグの艦娘を一度この手でじっくり調べたいと思ってたんですよ!」




長波「ひい」




明石「さあさあ服を脱いでこっちに来て下さい!」





長波「ヤ、ヤダ……!!」




明石「大丈夫ですから安心して下さいね~」

長波「うああああ~~!!」ハダカ




明石「ありゃ?鬱が安定したから平気かと思ったんですけどね」




電「長波ちゃんは前の鎮守府で慰め者になってたのを忘れたのですか」




明石「ゲッ」




電「精神が安定しててもトラウマほじくり返されたら誰でも泣き叫ぶのです」




明石「あ~あの、長波さん?」




タタタタタタッ




阿武隈「工廠の見回り兼長波ちゃんの様子を見にきましたよ」




明石「うげぇ!」




大和「どうやら私達が来て正解だったようですね」




電「ご愁傷様なのです」




下1~3
どうなったか

~~



ドオオォーン




<「お助けーーーー!!」





電「大和さんは今日もいい音させてるのです」




提督「せっかく鬱が良くなったと思ったのに長波は明石のせいで入院する羽目になったからね」




提督「提督として罰を与えないといけないって阿武隈に言われたから明石には大和の的になってもらうことになった」




提督「それだけじゃなくこの前のヲ級や今回の長波みたいに隅々まで調べるのも禁止したよ」




電「それでもまだ甘いと思いますが仕方ないです」

提督「電を工廠に配属してなかったら明石には罰を与えられなかった。工作艦は貴重な存在だから代えがきかないんだよね?」




電「そう思ってもらっていいのです」




提督「明石がやっていた仕事を全部担当してもらうことになるけど平気かな?」




電「問題ないのですよ。重い艤装もクレーンがあるので電が持ち上げなくて済むのです」




電「明石さんは一ヶ月大和さんの的になりますが同時に工廠にも一ヶ月立ち入り禁止になります」




電「一ヶ月くらいなら電が一人で工廠をまわせるのです」




提督「申し訳ないけど君を頼らせてもらうよ」

電「半分内臓がない電を頼るのですから見返りとして新兵器を開発したいのです」




提督「開発したい新兵器は君がそうなってしまった原因のものなんだよね」




電「司令官さんはこの戦争が10年続いていてちょうどいいタイミングだからと提督に志願されました」




電「世間知らずの司令官さんは知らないでしょうが私達の戦争は終わることがないのです」




電「艦娘というビジネスを見つけてしまったこの国が戦争を終わらせるわけがないのです」




電「大提督達や元帥の艦隊は本気を出せばいつでも敵を滅ぼせるのにそれをしないのはそういう理由なのです」





電「もしこの戦争を終わらせてしまえばそれこそこの国を敵に回すことになるのです」

電「そんな状況で司令官さんはもし貴方が戦争を終わらせられるとしたらどうするのです?」




提督「僕の責任になるのなら終わらせる。もちろん現実を考えれば君達にも被害が出るからそれはできないけどね」




電「まさか即答するとは思わなかったのです……」




提督「戦争は儲かるのは知ってるけど終わらせられるのならそれ以上のことはない。命はお金より大事なんだよ」




電「司令官さんが言うと説得力がありますね」





カタカタ





電「これを見て欲しいといっても司令官さんにはわからないと思いますが一応見せるのです」




提督「パソコンに表示されてるのは何かの設計図?」




電「電が作ろうとしている兵器とその周辺機器のようなものなのです」

電「開発部に居た時は新しい携行武器としてガンマ線を照射する兵器を作っていたのです」




電「開発には成功したのですが携行武器だととても敵を倒せるような出力にはならなかったのです」




電「そこで大型のガンマ線照射装置を作っている最中に電は事故に遭いました」




電「電の事故と大型化したせいで固定兵器にするしかなくなった新兵器は欠陥品として開発が凍結されたのです」




提督「強力な武器なのに開発が終わってしまったの?」




電「あの兵器のガンマ線は一直線にしか進まないという欠点があるのです。それならばと開発部はビーム兵器を新兵器として開発しようとしていました」




電「ビーム兵器なんか夢のまた夢で実用性もないガラクタしか作れていないでしょう」

電「電が作ろうとしているのは超大型ガンマ線照射装置とこの門なのです」




電「門は海上に浮かべておくもので強力な磁場を発生させます」





電「ガンマ線をこの門に通せば任意の方向に曲げることができてどこでも攻撃できるようになるのです」




電「これを使えば戦争は確実に終わるのです。あとは司令官さんにその覚悟があるかどうかなのです」




電「戦争を終わらせた張本人として国を追われる覚悟があるのならこの兵器を作ります」




電「もちろん逃げるのは司令官さんだけじゃなくてヲ級さん達を連れて逃げることになるのですよ」




下1~3
提督の言動や行動

提督「戦争を終わらせたとして電はそのあとどうなると思ってる?」




電「どうなると言われても質問の意図がわからないのです」




提督「戦争を終わらせるほどの兵器を他の国が無視するとは思えない。その兵器を巡って新たな戦争が起きるんじゃないかな」




電「司令官さんはなにを言ってるのです?人間は戦争を繰り返す愚かな存在だということは嫌というほど知ってるはずなのです」




電「電の兵器が有ろうが無かろうが新たな戦争は起こるのです」




提督「それは否定できないけど君が戦争に巻き込まれてしまうのはまた別の話になる。電が狙われる立場になるかもしれないんだよ」

提督「この鎮守府で兵器が作れるのは君くらいだから誰が開発したのかはすぐに知られる」




提督「もし兵器ごとここを放棄して逃げたとしても君の残した兵器がまた別の人を攻撃する」




提督「壊してしまえばその兵器を作れる電が尚更狙われることになるんだよ」




電「その心配はないのです電は兵器の設計図なんかを公開する予定なのですよ。いまある技術を応用するだけなので難しくもないのです」




提督「君の目的は何なの?」




電「電は海が好きでした。艦娘として生まれて海の上を自由に動けてこれ以上の幸せはなかったのです」




電「それなのに電には適正があると開発部に回されてからは海に出ることはなくなったのです」




電「それだけならまだ我慢できたのにこんな体になったせいで電は二度と海の上に立てなくなったのです」

電「ありふれた言葉を使うなら復讐なのです。電の兵器は将来全ての生物を滅ぼすのです」




提督「君の兵器は核のように危険なものを含むというの?」




電「そうではなく規模の問題なのです。電のものからもっと大型なものになれば人間だけでなく植物に至るまで全ての生物を亡き者にします」




提督「それがわかってるならー」




電「いいですか司令官さんこうやって話しているこの瞬間にも何処かの誰かが核のボタンを押すかもしれません」




電「核は人間を滅ぼすだけでなく全ての生物が汚染されます。そうなればこの星は終わってしまうのです」




電「それがわかっているのに人類は核を手離せない愚かな生物なのです」




電「核に比べて電の兵器は一度は生物を滅ぼしますが汚染はしません。環境に優しいのはどっちかは明白なのです」




電「人類も艦娘もこの世界に必要ないのです。美しい自然だけが永遠に続くべきなのです」

電「電がこの鎮守府に来たことは運命なのです。司令官に出会ったからこそこの兵器は完成したのです」




提督「僕がなにかをしたというの?」




電「司令官さんのお陰でこの兵器の名前がR、E、D、R、U、M、と決まったのです」




提督「レッド……?」




電「REDRUM。どういう意味かわかるのですよね」




提督「……」




電「力づくで開発を止めてもいいですけどそうすれば敵との戦争は永遠に続くのです。大好きなヲ級ちゃんと幸せな時間を過ごしたいなら見逃すのが正解なのですよ」




電「もちろん工廠のお仕事はサボらないのです。空いた時間でREDRUMを開発するのです」





下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

提督「そんなことは許さないよ。どの道植物まで滅ぼしちゃうなら地球は終わってしまう」




提督「核のように汚染はしなくとも全てが死に絶えてしまうのなら意味はないよ」  





電「黙れ人殺し」





提督「兵器と門のアイデアは無闇に外に出せないから当分は秘匿するとして君のことを優先しよう」





提督「君は龍驤のように直接敵を怨んではいない。失ってしまったものさえ戻ればきっと考えも変わる」




電「お前は頭がおかしいのですか?失った内臓が生えてくるとでも本気で思ってるのです?」

提督「これまで返事は保留にしてたんだけど実は電に人工臓器の移植依頼がきていたんだよ」




電「こんな電に実験台になれとはお前も鬼畜なのです」




提督「僕が返事を保留してたのは電を実験台にしたくなかったからなんだ。君にこの話をしても断ると思ってたっていうのもあったけどね」




提督「電。君はこの前の精密検査で余命を宣告されたんだよね?」




電「個人情報を探るとは下衆以下なのです」




提督「調べたわけじゃなくてここ最近の君とさっきの話を聞いて確信したんだ」




提督「残された時間は多くないから君は早く兵器を完成させたかった」




提督「だから君は植物まで滅んでも関係ないだなんて考えるようになったんだよね」

電「知ったような口を利かないで欲しいのです」




提督「人工臓器の技術はほぼ完成しているけど丸ごと臓器を取り替えるのはまだ前例がない」




提督「電のように二つある臓器の半分を失っている例はかなり珍しい向こうからすればこれ以上ない条件なんだ」




提督「目と耳は後回しになってしまうけどこのままだと君は確実に死んでしまう。そんな状況なら手術は受けるしかない」




電「勝手に言い切るのはやめるのです」




提督「向こうに返事はしておくけど、すぐに手術をっていうなら遠慮なく行ってきて」




提督「工廠のことは僕がどうにかするから君は自分のことを優先的に考えてね」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー翌日ー




阿武隈「龍驤さんと電ちゃんがストライキ~!?」





大和「龍驤さんは部屋から出てこようとせず電ちゃんは工廠で新兵器を作っているようです」





阿武隈「放っておけば勝手に死ぬ電ちゃんはどうでもいいとして龍驤さんはただの甘えじゃないですか!」




ヲ級「ヲ?」





大和「阿武隈さんの言っていることは本当です。電ちゃんはこの前の精密検査で余命宣告をされたようなんです」




ヲ級「ヲ……」





阿武隈「電ちゃんは半年持たないから放置でも構わなくて問題なのはあのカタワです!」





阿武隈「補佐とはいえ秘書艦には変わらないんですからこっちに迷惑かけないでほしいです!」





大和「提督は気にしないでしょうが私たちの評価に関わる事態ではあります」

阿武隈「ちょっと乱暴かもしれませんけど龍驤さんは強引に連れてきますね」




大和「暴力はやめてください。そんなことを提督は望んでいません」




阿武隈「顔は殴らないから大丈夫ですよ~」




ヲ級「ヲヲ」




阿武隈「ヲ級ちゃんもダメって言うんですか?じゃあ物理的な暴力じゃなく言葉の方を試してみます」





阿武隈「ゴミクズとかカタワとか煽って向こうから手を出させるのもいいかもしれませんね」




大和「そんな手段はとらずにもっと龍驤さんに寄り添ってあげてください」




阿武隈「サボってるのは向こうなんですからあたしの行為は全て正当化されるんです」

阿武隈「あたしは龍驤さんをイジメてくるんでお二人は電ちゃんをお願いしますね~」




ヲ級「ヲ?」




大和「彼女を止めなくていいのかと聞かれれば必ず止めるべきと答えます」





大和「しかし私と阿武隈さんとでは練度に大きな差があります。私が抵抗したところで結果は変わりません」





大和「悔しい思いはありますがここは彼女の指示に従って工廠に向かいましょう」




ヲ級「ヲヲ……」




下1~3
阿武隈側か大和達側の様子もしくは鎮守府の出来事

ー演習場ー




阿武隈「遠慮なくやっていいですよ~」





龍驤「ただの演習やなくこっちは艦載機を全部展開した状態でかかってこいなんてウチを舐め過ぎや」





龍驤「カタワの軽空母に負けることなんかないやと?その口黙らせたるからな」




ブウゥゥゥン……




阿武隈「はあ~あ。いいハンデになると思ったのにこんなのすぐに決着ついちゃいます」




阿武隈「さっさと終わらせて龍驤さんには現実を知ってもらいましょう」

~~




龍驤「ありえんやろこんな……無傷でウチを大破やと?」




阿武隈「あたしは10年以上戦ってきたんです。改造されては解体される五十鈴ちゃんを何人も見ました」




阿武隈「オリョクルで心が死んでいく潜水艦を何隻も見て、捨て艦で沈んでいく子は何人いたかわかりません」




阿武隈「それに比べて龍驤さんのはただの甘えですたかが片腕が無いからなんですか?」




阿武隈「両腕が無くなった戦艦が的にされて沈んでいくのをあたしは知ってます」




阿武隈「構ってもらいたいからお医者さんに行かないなんてクソガキ以下です」




龍驤「地獄を見てきたからってなんや!ウチに片腕が無いのはどう足掻いてもかわらん!」




阿武隈「だからなんなんですか?」

阿武隈「ボウガンを使ってるから片腕でも出撃は問題ないし日常生活は義手でもつければいいじゃないですか」




阿武隈「大人の構ってちゃんほど醜いものはないですよ~」





龍驤「ああああああああああ!!!!」




阿武隈「叫んでも腕は生えませんよ。気が済んだら執務室に向かってくださいね」




龍驤「お前……お前ぇ!」




阿武隈「ふぁ~あ。眠気覚ましにもならなかったしシャワーでも浴びておきましょう」

~~



阿武隈「あたしがシャワーを浴びてた間に工廠の方は解決してたらいいんですけどね」




阿武隈「大和さんの練度は子供みたいなレベルなんで中身もちょっとアレっぽいんですよね」




阿武隈「あの二人ならヲ級ちゃんの方が役に立つ可能性が高いんですけど問題が解決するかは別です」




阿武隈「まあでも電ちゃんは半年経ったら死んじゃうので事態が悪化してなければそれで充分です」




阿武隈「本当だったらあたしが電ちゃんの方に行かないといけないんですけど龍驤さんに現実を見せないといけなかったんです」





阿武隈「その役目はあたしじゃなくてもよかったんですけど暇つぶしになると思ったからなんですよね」





阿武隈「暇つぶしにはなりませんでしたけどカタワが叫んでるのを見てスッキリはしました」




阿武隈「電ちゃんはどうにもできませんでした~ってあたしの気分を害するのはやめてくださいね大和さん」




下1~3
工廠の様子

ー工廠ー




大和「…………」体育座り




電「はああぁ……」アタマカカエ




阿武隈「んもおぉぉぉ!!なにやってるんですか大和さん!」




大和「全て大和の責任です…」




阿武隈「そんなの見たらわかりますよお!大和さんくらいしか空けられない大穴がありますからねえ!」




阿武隈「壁に大穴だけじゃなくご丁寧にクレーンや工具まで壊してくれちゃってますねえ!!」




大和「本当に…申し訳ありません……」




阿武隈「今となっては遅いですけどあたしがこっちに来るべきでしたねえ!!」

阿武隈「電ちゃんがストライキを起こそうが明石さんの謹慎を解けば問題なかったんですよ。それくらい些細な問題だったんです」




阿武隈「それなのに工廠ブチ壊すとか何考えてるんですかこのダメ戦艦!!」




大和「申し訳ありません……」




阿武隈「は?え?これあたし達終わりですよね?入渠はできても艤装が直らないと出撃できませんよ」




阿武隈「こんなダメ戦艦一人のせいであたし達は終わるんですか?はあ?」




大和「私にできることは全てやります……」





阿武隈「大和さんが動くと余計なことしかしないので何もしないでください」




大和「……」

阿武隈「どうしてこうなったのかすぐに分かりましたよ。どうせ電ちゃんが作ってた新兵器を壊そうとしたんでしょ?」




阿武隈「ただ壊そうとしたんじゃなくて電ちゃんに煽られたか何かで艤装を取り出したんですよね?」




大和「阿武隈さんの仰るとおりです……」




阿武隈「大和さんの主砲は室内で撃っていいものじゃないでしょうが!!」




電「煽った電も悪いと言われればそれまでですがまさか主砲をブッ放すとは思わなかったのです」




阿武隈「この場合煽った方より撃ったバカの方が悪いです」





大和「全て私が悪いんです……」

阿武隈「この惨状をいち早く提督に知らせる為にヲ級ちゃんは執務室に走ったんですね」




電「あの深海棲艦はそこのバカを最後まで止めようとしてくれてたのですよ」





阿武隈「普段ヲ級ちゃんは敵だからって言ってるクセにこの結果はなんなんですか?」




大和「この鎮守府にとってむしろ大和が敵です……」




阿武隈「そりゃそうでしょうね!工廠壊して鎮守府終了の危機なんですから!」




大和「はい…………」




阿武隈「ヲ級ちゃんが提督を連れてきたところで最善策を考えてくれるとは限りません」




阿武隈「場合によってはこの鎮守府を一旦放棄まで考えないといけないなんて……もう嫌だこの鎮守府…」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー工廠ー




提督「ヲ級から聞いたけど機材と設備は僕がなんとかできると思うよ」





阿武隈「本当ですかあ!?」





提督「困った時に頼れる人がいるからね。このあとすぐに壊した本人の大和と街に向かって話をつけてくるよ」





提督「機材はそれで大丈夫として問題は暫く艤装が整備できないことと壁に空いた大穴だなあ…」




大和「申し訳ございません……」




ヲ級「ヲヲヲ?」




提督「僕に考えが無いことはないから阿武隈はそれを実行できるかを話し合っておいてほしい」

~~




伊168「工廠が使えるようになるまでは隠密作戦で潜水艦と空母のみで戦うっていうの?」




阿武隈「あたしや戦艦は無傷で出撃を終えても主砲や艤装の整備が必要ですよね」




阿武隈「駆逐艦メインの水雷戦隊も主砲や対空砲を使うのでその度に整備が必要です」





伊58「潜水艦は魚雷さえあえば整備はなんとかなるから無傷戦法は使えるでち」





蒼龍「空母もボーキサイトさえあれば出撃はなんとかなるのはなるけど。もちろん戦闘で無傷っていうのは前提ね」





伊14「その戦法は使えるけど本当に隠密作戦だけでなんとかなるの?」





阿武隈「提督は空母と組み合わせれば可能だって言ってました」




蒼龍「けど提督って編成に関してはアレでしょ?信じていいの?」




加賀「簡単に信じられるものではないわ」

伊13「けど…やるしかないよね」




加賀「提督が明石の謹慎を解けばいい話ではないの?」




阿武隈「工廠が使用不能なので明石さんがどうとか関係ないです!」




伊168「潜水艦の方は少し不安だけど空母はヲ級がいるからなんとかなるんじゃない?」




ヲ級「ヲヲ」




伊58「ヲ級エリートなら無傷でいけそうでち。けどヲ級はいつもより同胞を沈めることになるでちよ」




ヲ級「ヲ」




蒼龍「私は提督の艦娘だから関係ない……ね。言葉だけ聞けば美しいけど現実はそうじゃないから」




加賀「この深海棲艦が裏切れば私たちは全滅ね」

阿武隈「提督の為に出撃してくれるヲ級さんは信用できます!」




加賀「その提督を奪って裏切るとは考えないの?この深海棲艦はあろうことか提督に好意を抱いているのよ」




加賀「人間と艦娘の恋愛も認められない所が多いのに深海棲艦と人間が結ばれるわけがないでしょう」




ヲ級「ヲ!」




加賀「私は現実を見なさいと言ってるの。いっておくけど私はこの鎮守府を放棄すべきと考えているわ」




蒼龍「うーん実は私もなんです。隠密無傷作戦はエビデンスに欠けるしヲ級っていう不確定要素が大きいのがネックかな」




伊168「潜水艦の他は問題ないけど空母の協力がないと無理な作戦よね」




伊58「阿武隈は秘書艦としてどう思ってるんでちか?」




下1~3
阿武隈の考え

阿武隈「普通は放棄の方がいいに決まってます。そんなことをしたら街に被害が出ちゃいますけどあたし達が沈んだら元も子もありません」




阿武隈「けど提督のこの作戦で乗り切れるんじゃないかなってあたしは思います」





加賀「その根拠は何なの?」




阿武隈「あたしの勘です」




蒼龍「百戦錬磨の阿武隈の勘は結構信頼できるかも。加賀さんはどう思いますか?」




加賀「そうね貴女と同じ意見よ」




伊168「ヲ級のことより阿武隈の勘を優先するのね」




加賀「敵の言葉を信じるほど愚かではありません」

阿武隈「加賀さん蒼龍さんがどう思おうが勝手ですけどあたしはヲ級ちゃんを信じてます。ヲ級ちゃんの気持ちは真っ直ぐで本物なんです」




加賀「本物だから危ないのよ。艦娘として経験が長いくせにヲ級が提督を奪っていくと考えつかないの?」




阿武隈「浅い挑発ですね盗み食い空母さん。ここに来てからブクブク太るだけで大して役に立ってないくせに」




加賀「な!?」




阿武隈「瑞鶴さんのことを五航戦だってバカにしてるみたいですけどあたしは加賀さんの方を下にみてます」




蒼龍「そりゃ加賀さんの方が瑞鶴より練度は下だけどそんな言い方ってなくない?」




阿武隈「練度は関係ないですよ蒼龍さん。この[ピザ]の食べる量と出撃での貢献度が合ってないだけです」




加賀「貴女ねえ……!!」

ガチャッ




瑞鶴「緊急会議に遅れてごめんなさい!けどなんとか龍驤は連れてきたわよ!」




龍驤「離せって言うてるやろ!」




阿武隈「ありがとうございます瑞鶴さん。悪いんですけどそのまま出撃の準備をしてもらえますか?」




瑞鶴「いきなり過ぎない!?」




阿武隈「申し訳ないですがもう会議は終わっちゃったんです。伊168さんが旗艦での三人編成でお願いします」




伊168「そういうことね、このイムヤに任せておいて」

阿武隈「龍驤さん瑞鶴さん伊168ちゃんの編成をAとして蒼龍さん伊58ちゃんと[ピザ]の編成をB、ヲ級ちゃんと伊13ちゃんと伊14ちゃんの編成をCとします」




阿武隈「これから工廠が機能を取り戻すまでAとBとCよる隠密作戦を24時間休みなしで行います」




伊14「病み上がりにキツイけどやるしかないか~」




阿武隈「イムヤさんはあたしの意図をわかってくれたようですが念の為に皆さんにも説明します」




阿武隈「龍驤さんには工廠が壊れてこの鎮守府の危機であるということは絶対に知られないでください」




ヲ級「ヲ?」




阿武隈「この状況で一番危険なのが龍驤さんだからです。龍驤さんはたかが片腕がないだけで狂いかけてます」




阿武隈「そんな時にこの鎮守府が危ないって知ったら龍驤さんは喜んで裏切るに決まってますから」

阿武隈「皆さんには大きな負担をかけてしまいますが宜しくお願いします」




伊13「二人でなら大丈夫だからやるしかないよイヨちゃん」




伊14「姉貴がいるなら頑張れる!」




加賀「編成に納得いかないわ。瑞鶴と龍驤の空母1、軽空母1の編成を基本とするならBの編成は余剰よ」




阿武隈「貴女は軽空母くらいの実力しかないから合ってます。余計なこと言ってないでとっとと働けデブ」




加賀「この……!!」




蒼龍「喧嘩ふっかけてボコボコにされたら二度と立ち直れませんよ加賀さん」




加賀「ぎ……!」




阿武隈「戦力が一番あるのはヲ級ちゃんのCになります。もし余裕があるなら追撃をお願いするかもしれないので宜しくお願いします」




ヲ級「ヲ!」




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

ー鎮守府近郊、海中ー




伊14「姉貴は気付いた?」




伊13「うんやっぱりおかしい…Cの編成の時だけ明らかに敵がいない…」




伊14「深海棲艦だけじゃなくてお魚さん達も居なくなってる。こんなの今までなかったのに」




伊13「これってやっぱり…ヲ級のせいだよね…」




伊14「イヨ達はこうして潜ってるから敵からは見えない。目視できるのは海上にいるヲ級だけ」




伊14「単艦で海にいるなんていい的になるはずなのに敵はヲ級を恐れてる」




伊13「ヲ級エリート…そこまで強いんだね…」

伊14「フラグシップの方が強いのは当たり前だけどそんな頻繁に会う敵じゃない。そもそもエリートだって強いもん」




伊13「スペック的にはヲ級三体より…ヲ級エリート一体の方が強いんだって…」




伊14「そんなのが目の前から迫ってきたら逃げるしかないか。こっちはそれで助かるけどね」




伊13「このこと阿武隈さんに報告する…?」





伊14「敵もいないし話し合おう。阿武隈さんはヲ級を信頼してるけど好意を抱いてるとは思えない」




伊14「敵がヲ級を恐れてるって知ったら阿武隈さんは工廠が直るまでひたすら出撃させるかもしれない」




伊13「だからこうやって秘密回線で話してたんだね」




伊14「こんな会話は阿武隈さんには聞かせられないよ」

伊14「阿武隈さんは練度が高くて最初期から艦娘として経験を積んでる。提督は編成に関して使い物にならないのもあってこの鎮守府で大きな力を持ってる」




伊14「そんな中でヲ級を追い出したりしないのは阿武隈さんが提督のこと好きじゃないからだと思うんだけど姉貴はどう?」




伊13「外れてないと思う…もし阿武隈さんが提督のこと好きだったら…ヲ級は不慮の事故で死んでたと思う」




伊14「やっぱりこのことは阿武隈さんには知らせない方がいいかな」




伊13「敵が少なかったとは報告するけど…ヲ級が原因だとは言わない方がいいね…」




伊14「よし、それで決まり。秘密回線だから心配ないと思うけど念の為に通信記録は破棄しておこう」




伊13「うん…」

ヲ級「ヲヲヲ」




伊14(敵影が見えないけど進撃するのかどうかをヲ級は阿武隈に聞いてる)




ヲ級「ヲ!」




伊13(追撃…するんだね)




ヲ級「ヲヲ~~」




伊14「了解!」





伊13(深追いしたところで敵はいないけど…阿武隈さんが気付くかも…)





伊14(普段なら気付くだろうけど今はイレギュラーが重なってるからきっと大丈夫)




伊13(そう考えるしかないよね…)




下1~3
提督の行動や鎮守府の出来事

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