【ミリマスR-18】強精メニューを作った佐竹美奈子とお盛んな一日を過ごす話 (25)

こんばんは。ちょっとしたものが書けたので投下しに来ました。

【概要】
あまりアブノーマルなことはしていないので、特に注意事項は無いかな……。
Hシーンまでちょっと長いので、長い導入がお好きでない方は>>8から読むといいかもしれません。

では、22レスほどお借りします。

【六月二十五日(金)】

 交通量の減った大通りを走る車はナビに従い、閉店間際の中華料理店へあと二キロほどという所だった。スマートフォンの画面とミラー越しの俺を往復する佐竹美奈子の大きく透き通った目が、トリミングされてルームミラーに大映しになっている。

 午前にダンスレッスン、午後からはPVの収録にアイグラの写真撮影、夕方には佐竹美奈子特製レシピ本のサイン会と、忙しい一日だった。だが、明日と明後日は奇跡的なオフが彼女には待っている。俺の方にも、突然降ってきた一日の休みと、その翌日の午前休がある。ルームミラーに映る美奈子の顔は疲れていたが、安堵に緩んでもいた。

「美奈子、連休だな。ここの所忙しかったけど、ゆっくり羽根を伸ばしてくれよ。家族ともゆっくり過ごせそうだな」
「実は……」

 佐竹飯店は他県の野外イベントに出店することになっており、アイドルの仕事で忙しい美奈子以外は今日から全員泊まりで出かけているらしい。家族が帰ってくるのは明後日の夕方で、「今頃みんなで温泉宿を満喫してるんですよ」と美奈子は苦笑していた。「満喫」だけトーンが僅かに上がり、羨ましさを隠せずにいるようだ。

「じゃあ佐竹飯店は臨時休業、美奈子は家に一人なのか」
「そうなんです。奈緒ちゃんと遊びに行こうと思ったんですけど、奈緒ちゃんの方が都合つかなくてですね……えっと……」

 赤信号で停車する車と同調して、美奈子が言い淀んだ。

「プロデューサーさんも、明日お休みなんですよね。だったら」

 シートベルトをつけたまま、後部座席から美奈子は身を乗り出した。

「ウチに、泊まっていきませんか?」

 カラッとそう言うと、喉から抜ける空気を閉じ込めるように、美奈子は慌てて口を閉じた。ポニーテールを束ねるリボンと同じ赤に、頬がほんのり染まっていく。

「ひ、一人ぼっちが寂しいとか、そういうのじゃないですからね? ただ、プロデューサーさんも明日休みになったんだったら……お家デートして、いっ……一緒に過ごせないかな、って」

 お互い明確な定義は避けていたが、美奈子とは、パーソナルスペースの内側でスキンシップを取り、同衾もする仲だった。アイドルとしての立場を守るため、という建前を言い訳にしていたが、事実上は恋人同士のようなものだ。安全だと分かれば美奈子は好意を剥き出しにするのを躊躇しなかったし、俺も俺で、いきすぎな所はあるが家庭的に尽くしてくれる美奈子にすっかり入れ込んでいた。

 美奈子の提案は魅力的だった。空っぽの休日をただだらだらと、疲労回復のためだけに消費するハメにはならないし、一緒にいたい相手と過ごせて、美味しい食事にも確実にありつける。食欲以外にも満たしたい欲があることだし……と脳裏をよぎった所で、信号が青に変わった。

 留守になった駐車場に自分の車を停めさせてもらい、休養を取ってぐっすり眠っている出前用のカブを通り過ぎて、灯の消えた店内に続く扉が、カラカラと開かれた。

 足を踏み入れようとした瞬間に気づいたことがあった。替えの服が無い。特に下着だ。近くのコンビニにでも行って買ってこようかと踵を返そうとした所、美奈子も美奈子で、買い出しに行く必要があることを失念していたらしい。用がある施設は、反対同士。営業時間の長いスーパーに向かう美奈子のポニーテールが、上機嫌に踊っていた。

 レジ袋の隅っこを尖らせるコンドームの箱に、自分の期待が露骨に表れていた。下着とTシャツは調達できたが、ズボンとして履くものが無い。ハーフパンツの一着でも使わせてもらえれば、と考えている内に、足がどんどん重くなってきた。職場から離れて気が緩んだせいか、目を背けていた体の疲れがずっしりとのしかかってくる。暖簾の先のぼんやりとした灯りが、安らぎをもたらしてくれるような気がした。

 引き戸を開けて店内に入ると、ジュージューと何かの焼ける音と共に、香ばしい匂いが漂ってきた。店内で唯一灯りの点いている厨房では、三角布にエプロン姿の美奈子が鉄鍋を振っている。手際よく買い物を済ませていたらしい。それとも、急いでくれたのだろうか。

「あっ、お帰り……なさい!」

 家族同士のトーンを、美奈子は慌てて上書きした。

「『お帰りなさい』は変かな……いえ、変じゃないですよね」
「まぁ、ここは美奈子の家だし」

 厨房の中に入れてもらうと、鉄鍋から何かの炒め物が皿に盛られる所だった。作業台の上には既に出来上がった料理も並んでいる。

「ボリュームは控えめですけど、栄養満点にしましたよ! プロデューサーさん、かなり疲れてるでしょうから」
「そんなにか?」
「ええ。顔に出ちゃってますよ」

 頬を擦ってみたが、ちょっと乾燥しているな、程度にしか思わなかった。疲れると胃腸に来るタイプだから、美奈子の料理も食べきれないかも……と思っていたが、二人で食べるには少々多いぐらいのボリュームは、希望を持たせてくれた。現に、オイスターソースの香りに、胃袋は悲鳴をあげそうになっている。

 牡蠣と青梗菜の炒め物に、レバニラ。そして、丼に盛られた蕎麦にとろろと卵黄がトッピングされていく。細かく刻まれた鰻とオクラも、その上に散りばめられた。透明なグラスに注いでもらったウーロン茶すら食欲をそそる。

「わっほーい! できましたよ!」
「……何だか、不思議な組み合わせだな」

 美奈子のことだから、ドーム状に盛られた炒飯が出てくるものと思っていたが、さっぱりした涼しげな蕎麦が、中華料理店の雰囲気からは浮いていた。冷やし中華みたいなものだろうか。

「疲れてても食べきれるスタミナ凝縮メニューです! これで、温かいお風呂に入ってぐっすり寝たら、明日はきっと元気満点間違いなしです!」

 料理を運ぶ美奈子は得意気に口角を上げている。大半が真っ暗な中華料理店の一角。客の一人もいないカウンター。まかないを食べる時の、お決まりのポジションらしい。不思議な感覚だった。手料理を御馳走になっているのに、店で一緒に食事しているようでもあった。

「プロデューサーさん」

 ぷりっとした牡蠣が、レンゲの上に乗っている。

「あーん」

 心底嬉しそうに笑う美奈子の、期待に満ちた視線には逆らえなかった。牡蠣の身を噛み締めた時に広がる磯の香りが、恥ずかしさをいくらか緩和してくれた。だがそれでも残る熱さをどこかに排出したくなって、レバニラの皿から別のレンゲを手に取った。

「ほら、美奈子も」
「え、えっ……私はいいですよ」
「いいから」
「あっ、あ……あむっ!」

 首を突っ込んで、美奈子がレンゲにかぶりついた。

 ちらり、と上目遣いになる視線。「ちゅる」とタレを啜る水っぽい音。健康的なピンクの上唇。レンゲの底を舐め取る舌。料理の匂いに混ざる髪の匂い。

 直前まで食べていた蕎麦のとろろだろうか、粘った糸が舌と食器を繋いでいた。

 もにゅもにゅと頬が蠢き、嚥下した喉が「ごくっ」と鳴った。

 美奈子の漏らした溜息は、熱く、甘ったるい。

 口淫の刺激が下半身に走った。食欲を満たしている最中なのに、性欲が鎌首をもたげて、このまましゃぶらせてしまえ、と囁き出す。

 ダメだダメだ。美奈子は純粋に親切心と愛情から食事を用意してくれたのだ。

「……照れ過ぎじゃないか?」
「じっ、自分がしてあげるのとされるのは、別物なんですよ! ……でも」

 美奈子自身が幼い頃、自分の食事が終わってから、両親が時々お互いに料理を食べさせあっている光景を目にしていた、と美奈子は語った。最も濃厚な愛情を注がれているはずの長女から見ても、その仲睦まじさは「羨ましい」という気持ちを呼び起こさせるに十分なものだったらしい。

「プロデューサーさん。今晩と明日一日だけ、夫婦ってことにしませんか?」
「……んぐっ!?」

 喉の奥に蕎麦が入り込んでむせ返った。今、何と?

「えっ、えっと、大人のおままごと……っていうか……」

 ホントの結婚はまだ早いですもんね、とはにかむ美奈子。

 子どもは何人がいいか、理想の家庭はどんなものか。こんな関係になる前から時々そういう質問をされることがあったから、美奈子に結婚願望があるのはさすがに理解している。

 応えてやりたい思いはあったが、美奈子にはアイドルとしての生活があるし、全ての禁忌を踏み越える経済的心理的準備も出来ていなかった。「やってみようか」としか告げられない俺の情けなさを、どうか許してくれ。

「じゃあ……」

 合意が取れて、夫婦ごっこの開始を美奈子が告げようとした。

「あ……『あなた』……」

 美奈子はぷるぷると震えて俯いてしまった。耳まで赤くなって、箸が止まっている。

「あ……あはは……顔から火が出ちゃいそうです」

 そこまで言うと、美奈子は丼の中身をどんどん食べ進め始めてしまった。食べ物に落とした視線が、ちらちらと俺の顔を見ては恥じらっている。胸の内にハチミツを塗りたくられるような甘い心地が、ひどく照れ臭かった。

 ちょっぴりぎくしゃくした空気の中、やがて料理のお皿も空になった。途中からは「父が時々そうしているから」と勧められ、ザーサイとメンマも追加で出してもらって、料理をツマミに紹興酒の晩酌もしてもらってしまった。

 左隣の美奈子はずっと腕を組んでいて、飲んでもいないのに、新妻のロールプレイに酔っぱらっているようですらあった。腕から伝わってくる体温と、シャツ越しでも分かる肌の柔らかさが、じりじりともう一つの飢餓感を煽ってくる。

 食事を終えて、お風呂も頂戴した。もしかしたら一緒に、なんて期待をしていたが、美奈子は皿洗いやら厨房の片付けやらをしていて、何だかんだと先に入ることになってしまった。一人暮らしの自宅と違って複数置かれているシャンプーから適当に使わせてもらい、頭を洗っていると、脱衣場の方から足音が聞こえてきた。

「未使用のパジャマがあったんでここに置いておきますね! 洗濯機、先に回しちゃいます!」

 ガラス戸の向こうから快活な声がする。赤いTシャツから白い腕が伸びているが、磨りガラスでモザイクのようにぼやけている。籠に押し込んでいた衣服を手に取って、そのまま洗濯機に、と思いきや……


 手に取った白い塊に、顔を近づけたのが見えた。


 表情まではうかがうことができなかったが、どんな顔をしていたのだろう。一日が染み込んだシャツの不快感に皺が寄っただろうか。自分の匂いを嗅がれた羞恥が足の底から上ってくる。

 風呂を済ませた俺と入れ替わるように、家事の残りを済ませた美奈子が脱衣所に入っていった。「覗いちゃダメですよ」と、含みを持たせた笑みと共に。

 二階のリビングでスマホに溜まっていたメッセージの処理や仕事のスケジュールの整理を済ませていたら、美奈子も蒸気を纏って浴室から出てきた。ターバンみたいに、タオルを頭に巻き付けている。手招きされてついていくと、美奈子の名前が貼られたドア。今に至るまで長い年月を過ごしてきたであろう部屋は、よく整理されている。少しだけ窓を開けてみると、佐竹飯店の軒と思しき赤が真下に見えた。

「髪が乾いたら対戦しましょう!」

 液晶テレビに、スリープから覚めた格闘ゲームの画面が大写しになっている。アーケードのコンパネを模したコントローラーが二台、テーブルに鎮座している(アイドルの給料でいい物を買ったと美奈子は話していた)。友達を家に招いた時に遊ぶ他、たまに杏奈とネット対戦をすることもあるそうだ。

 ドライヤーと、コントローラーのクリック音がゲームのBGMを上書きする中、トレーニングモードでキャラクターを動かす練習をさせてもらっている所だが、コメントを挟む美奈子の声が思った以上に近い。風呂上りでいつもより濃厚なシャンプーの匂いが呼吸の度に鼻腔をくすぐって、中々落ち着かない。

 羽毛布団を被ったベッドに、何度も視線を引き寄せられる。俺を受け入れて、高まった性感に乱れる婀娜な顔が脳裏をよぎる。淫らに喘ぐ声すら聞こえてくるようだ。枕元に立つぬいぐるみと目が合って「ゲームに集中しろ」とお叱りを受けた気がした。

 結局、接待プレイをしない美奈子との対戦は、散々な結果に終わってしまった。パーフェクト負けを喫したのも数えきれないほどだったが、美奈子がニコニコしているのを見られるのならそれもあまり気にならなかった。

 壁時計の長針と短針が仲良くテッペンを越えようとする頃、ゲームもお開きになり、賑やかだった部屋の中にシンとした静寂が訪れた。色とりどりに発色していたテレビモニターも眠りについてしまうと、自分も釣られて目を閉じそうになってしまう。食後に飲んだ紹興酒の酔いが、遅れて回ってきたらしい。

「あ……あなた」

 隣の美奈子が優しく呼びかけてきた。

「今日は、もう寝ましょうか」
「寝る……?」

 どっちの意味だ。就寝か? それとも……?

「エッチな意味じゃないですよ?」

 釘を刺されてしまった。俺がギクッとするのも見越していた。勝ち誇ったような笑みが美奈子の口元に浮かんだ。

「『元気』の出るもの、たくさん食べてもらったから、今日はカロリーと栄養をしっかり吸収するのに専念してください。その代わり明日は、その……ね♡」
「……!」

 牡蠣、レバー、とろろに鰻……そういうことだったのか。衝動に流されるだけの俺よりも、計画的な美奈子の方がよほど「やる気」だ。慈愛を帯びた眼差しの薄皮一枚向こうから、ギラついた性欲が滲み出てきているように見えた。

「それに……今晩は、私も体を休めたいな、って。お仕事続いてて、疲れちゃいました」

 方便か本音か、笑みを崩さない表情からは読み取れない。だが、抑揚のない欠伸には、美奈子にしては珍しく、溌剌とした元気が無かった。紐を引っ張って蛍光灯が常夜灯になり、オレンジ色のパジャマがベッドに手招きした。誤解してはならない。睡眠を取るために、だ。

 酔いと眠気で意識がふわふわする中、誠に現金で正直なことに、両脚の付け根には疼きが滞留していた。これ以上硬くなってしまわないよう、仰向けになって天井のシミを探した。

 長い間何かのポスターでも貼ってあったのか、周りと色の違う長方形がぼんやり見えたが、その集中力も、ベッドに充満する、ほのかに体臭の混ざった濃厚な女の匂いにかき消されてしまう。下ろした柔らかい髪が首元にかかって、くすぐったい。手首をくるりと回転させたら、手の甲が太腿に触れた。

「……今夜はダメですよ?」
「わ、悪い。触るつもりじゃなかったんだ」

 ポーズではなく、真面目なトーンのNOを示されて、思わず手をひっこめた。棺に保管されたミイラになって、目を閉じる。

 お休みなさい、と囁いたきり、美奈子は黙ってしまった。あっさりと眠りに落ちてしまうほど、疲れが溜まっていたのだろうか。時計の針の音をしばらく聞いていたら、規則正しい呼吸が聞こえてきた。

 だったら俺も……と体の力を抜こうとしたら、横になって急膨張する眠気が、意識を真っ黒に塗り潰していく。じりじりと疼いていた性欲も睡眠欲に負け、抜けていく体の力と共に、フェードアウトしてしまった。

【六月二十六日(土)】午前

 自室で目を覚まして、最初に目に入ったのは彼の顔だった。

 プロデューサーさん……♡

 あっ、思い出した。今は「あなた」だ。あなた、おはようございます。そっと声に出してみた。舌が上顎にくっつく「な」の瞬間、胸の内がじいんと甘くなる。

 ベッドの中がすごく温かい。というより、ちょっと暑い。二人分の体温がこもっていて、私の体は汗ばんでいる。軽く寝返りを打つだけで密着できる彼の体も、ちょっと湿っている気がした。

 雨戸越しに、スズメの鳴き声。隣からは、静かな寝息。朝御飯の支度をしてあげないと。ちゃんとしたのを作ろう。朝一番だから、ちょっと軽い方がいいよね。それで用意ができたら、「あなた」を起こしに来ないと。新婚の夫婦みたいに。

 鼻で息をすると、あの人が使った私のシャンプーに、ぎゅっと抱き合った時に感じる匂いが混ざっている。首の所はもっと匂いが濃い。ドキドキする。もっと嗅いでいたい。昨日嗅いだシャツの匂いが恋しい。

 一時期はいっぱい食べて少し恰幅が良くなっていたのに、健康診断に引っかかって、彼はスリムな体型に戻ってしまった。健康体と、ぷにぷに……両立させる方法を考えないと。でも、好きになったからかな。骨に筋肉が厚く張り付いたゴツゴツの硬い肉体も、素敵……。

「あ……」

 掌が、一際硬いものに当たった。下腹部。鼠蹊部。両脚の中心。

 ボッキしてる……。

 これが友達の言ってた「朝立ち」ってヤツなのかな。男の人の、生理現象。彼氏と一緒に寝た翌日、朝からシたがってるものだと思って引いちゃった、って言ってたなぁ……。

 やる気の有無に関わらずこうなっちゃうのが男の人らしいけど。うわぁ、硬い……パジャマの上からでも、カチカチになってるのが分かっちゃう。

 すりすり。なでなで。鼓動が掌を伝わってくる。リレー競技のバトンみたいな硬さ。握ることはできても包むことはできない太さ。

 こんなことしてたら起きちゃうかも、とは分かっていても、安らかに眠る顔の数十センチ下にこんなエッチなものが付いてて、子作りの準備をしてるって思うと、つい手が動いてしまう。

 幹に沿って、上下にしこしこ……。あ、ビクッてして、膨らんできた。気持ちいいんだ……♡ 気持ちいいなら、もうちょっと、ぎゅっぎゅって握ってもいいよね? すごい、手の中でむくむくって……♡

 目を閉じて寝息を立てる「あなた」。眠った体の元気を全部押し込めたみたいに、パンパンになったおちんちん。布の上から手で弄びながら、この大きな杭が体に入ってきた時の快感を思い出して、下っ腹が疼きだした。

 どうしよう、朝ごはん、作らないといけないのに……

 えっち、したくなってきちゃった……♡

 中はどうなってるのかな。気になるよね。蒸し暑い掛け布団の中に、もぞもぞ頭を突っ込んで……下着ごとパジャマをそっと引き下ろすと……あっ、出た……♡ わっほ~い♡

 男女を繋いで一つにしてくれる、大きくて立派なおちんちん。私とエッチする時と同じように、びんびんになって布団を押し上げている。少しだけ被った皮をぴらっと剥いてみても、汚れは無い。匂いも……そんなに濃くない。

 昨日、お風呂で丁寧に丁寧に洗ったんだろうな。あの「オス」って感じの野性味ある臭さも好きなのに……。エチケットを守ってくれたのに残念がるのは、ちょっと身勝手か。

「…………」

 どうしようかな。

 目の前でこんなになってたら「お世話」して落ち着かせてあげないといけないよね。

 だからといって、相手が寝てる時にやったらいけない気がする。布団を被って熟睡してる時にペロペロされたら、びっくりしちゃうだろうし……。昨晩、手を出さずに我慢してくれたんだから、そっとしておいた方がいいよね。


 でも……


 でも…………


 びゅーっ♡ てさせなければ、大丈夫だよね……♡


 口の中に、生々しい塩気が広がってきた。舌が触れたのに反応して、ソーセージがぴくぴくって震えている。布団の中の酸素は薄くて、少し息苦しい。むわっとしたいやらしい空気が、私の肺に満ちていく。

 ぴちゃぴちゃ舐めて、唾液でぬるぬるになったら、咥え込んでしゃぶって……。

 しょっぱい先走りが出てきたらすぐに舐めとって、お代わりが無いかな、って強く吸い上げて……。

 哺乳瓶に吸い付く赤ちゃんになった気分。おしゃぶりはこんなに大きくないけど、ミルクがいっぱい出てくるって所は、あながち間違ってないかも。

「気持ちいいよ」って頭を撫でてくれる手が無いのが寂しいけれど、びくんびくんと跳ねて、際限なく硬くなっていくおちんちんが可愛くて、そっちに夢中だった。とろ……と湧いてくる蜜が、段々厚ぼったく濃くなっていく。

 幹の根元で、双子のタマタマもずっしり重たい。いっぱい溜まってるのかな。よ〜く揉んで、いっぱい出せるようにしてあげないとね♡

 切羽詰まった顔で「ヌイてくれないか」って頼んできた時のプロデューサーさんを思い出した。あの時の濃さは凄かったなぁ……。ゼリーみたいな塊が、うどんみたいに繋がって出てきて……。


 男の人がもう我慢できなくなっておちんちんが大きく膨らんで、狭い道で圧縮された白いドロドロが、口の中を我が物顔でびちゃびちゃと踏んづけていく、あの感じ、まだかな。まだかな♡

 咥えているのが苦しくなるぐらいにおちんちんは大きく膨らんで、蛇口をほんの僅かに開いたみたいに、先走りが出っぱなしになっている。裏側の縫い目に吸い付いたら、ぐ、ぐ、ぐっと持ち上がって、先っぽが膨れ上がってきた。


 ――ぁ……出る……


「!!」

 布団の外から微かな呻き声が聞こえて、我に返った。いけない。びゅるる~♡ ってさせちゃいけないんだった。

 あっ……びくびく暴れてる。

 ダメかな? 出ちゃうかな? 

 お布団が汚れちゃうから、やっぱりごっくんしてあげる方がいいかも……?

 咥えたまま私が迷っている内に、跳ねて暴れていた胴体はやがて大人しくなった。そっと口を離してみると、大きな存在感を誇示したまま、お口えっちの続きを求めるみたいにそそり立っている。

 焦らしちゃうみたいで、ごめんなさい。でも、ちゃんと目を覚ましてる時の方が、喜んでくれますよね。

 布団の隙間からそっと様子を伺ってみると、寝息が荒くなっていたような気がしたけれど、彼が私に勘づく様子は無かった。めくっていたパジャマをそっと戻してみたら、こんもりと大きなテントができてしまった。私が作ってしまったそれを見るのが、なんだか恥ずかしかった。

 冷蔵庫に保存してあった肉味噌と鶏ガラスープで作った中華粥は、美味しく食べてもらえた。朝からはちょっと重いかも、と思いつつ蒸しあげた肉まんも、彼はぺろりと平らげてしまった。食べきれないぐらいいっぱい作って振る舞うのも嬉しいけど、用意したものを綺麗に食べきってもらえる幸せには及ばないかもしれない。

 二階のリビングで食べている間、彼はずっと前のめりになっていた。腰が引けてるその姿が「まだボッキしてる」って語っている。

 隠してるつもりかもしれませんけど、気付かないはずがないじゃありませんか。「美味しいよ、美奈子」と笑いかけてくれても、目がぎらぎらしてて……ドキドキしちゃいました。

 デザートの杏仁豆腐をパクパクして食欲を満たしながらも、おちんちんはガチガチに硬いままで、「びゅ〜っ♡」てしたがってるのかな。私の顔を見ながら、ハダカを想像してムラムラして、どういう風にハメちゃおうか、なんて考えてたりするのかな。

 そう言う私も、バナナみたいに反り返ったおちんちんのその後が気になっていた。アソコがムズムズしていてたまらなかった。テーブルでご飯を食べている間、脚をもじもじさせてたの……気づかれちゃったかな。私は――きっと彼も――「昨日お預けだった分、今日は……」って、グツグツ煮えた欲望を曝け出すことばかり考えている。まだ朝なのに……。

 先にアクションを起こしてきたのは、彼の方だった。二階の台所で皿を洗っている最中、両手が腰に触れて、腰から背中に上ってきて、肩を撫でる。

 スポンジがひしゃげた。私の期待が、白い泡になって皿の上にぼたぼたと落ちていく。

「美奈子、まだ朝だけど……」

 顔が熱くなる。時間帯なんてどうでもいい。でもここは家族の共用スペースだ。私の部屋でなら、と返事したかったけれど――

「……シャワー、先に浴びてもいいですか?」

 寝汗をかいた体のことが気にかかった。

「よ、よかったら、あなたも」

 昨日は、一緒に入れなかったから。

 脱衣所には同時に入った。Tシャツを脱がせてあげようとすると彼はちょっと遠慮したけれど、少々強引に万歳してもらった。こんもり山を作った部屋着のハーフパンツと、その奥のボクサーパンツを一緒に引き下ろすと……

 ぶるんっ♡

 布団の中で見たままの姿で、男の人の逞しさが上下に揺れた。幹に血管が走り、鼓動に合わせて僅かに震えている。大きく首を振った拍子に、滴が先端の裂け目に滲み出てきた。

「わっほ〜い♡ 元気いっぱいですね♡」
「あ……朝から、ずっとこうなんだ。何だか、目が覚めた時すごく気持ちよくて……」

 朝のイタズラ、バレてたかな? 目の前でもどかしいような苦しいような顔をしているのって、やっばり私が焦らしちゃったからなのかも。

 だったら、責任取って、最後まで面倒見てあげないといけないよね♡

 ぺったりと唾液を塗りつけてから、両手で挟み込んで、ぐにぐに、しこしこ……♡ 掌の圧力に抵抗するみたいに、びくっ、びくっと内側から押し返してくる。

「あ」って喉で小さく喘ぐあなたを見てると、どんどん興奮してきちゃいます。やっぱり、相手からのリアクションがあった方が燃えるっ……♡

 にちゅ♡ ぬちゅ♡ ぬちゅ♡
 くちゅくちゅ……にちゃ……♡

 気持ちよさそうですね、あなた♡ 

 おちんちんをお世話されてる男の人って、可愛い♡

「っ、く……ごめん、すぐ、出そう……」

 あっ♡ しこしこ始めたばっかりなのに、もう出ちゃいそうなんですね♡ 限界スレスレの所で焦らしちゃったから、なのかな?

 歯を食いしばって、我慢しようとしてる……。早くイッちゃったら情けないなんて、そんなこと無いのに。「早漏」って言うんですよね? 私、早漏さん大好きですよ♡

 私が「お世話」して、気持ちよさを我慢できなくなって射精しちゃう瞬間って、すごく嬉しいんです。ましてや、興奮しすぎてすぐにぴゅっぴゅしちゃうなんて、可愛くてたまらないじゃないですか。

 どうしようかな。おっぱいで挟んであげるのも、喜んでもらえるけど、うーん……朝みたいにしゃぶってあげよ♡

「えへへ……お口でヌキヌキしますね♡ いつでもイッていいですからね……♡ ん、ちゅ……♡」

 傘の裏側に、皺の寄った裏筋に、ちゅっちゅっ♡ 大好きなあなたの、大事に隠されているデリケートな場所に、私の愛情、いっぱい注いであげます♡

 見上げてみたら、微かに不満そうな目。もどかしいですか? それとも……妬いてます? ごめんなさい、見せつけてるわけじゃないんです♡ じゃあ、そろそろ咥えますね……♡

「あむ……♡」

 お漏らししたみたいに、先走りでヌルヌルになっている。さっきは起こさないよう静かに舐めていたけれど、もう遠慮なんてしない。

 じゅる、じゅる……ぢゅぱっ♡
 ちゅぽ♡ ちゅぴっ♡ ぬぽっぬぽっ♡

 いやらしい音だって出しちゃおっと♡ 上目遣いで見られるのが好きですよね。口の中で震えて、じわりと粘液を出して悦んでますよ♡

「ん……んっ、ン……ちゅ……む……♡」

 彼の掌がつむじに乗って、くしゃくしゃと髪を撫でてきた。出ちゃいそうな時のあなたの仕草。ガチガチに硬くなったおちんちんが、ぶくっと膨らんできた。

 もう少しおしゃぶりしていたかったけど……仕方ないですよね♡

 いいですよ……♡ 夫の欲望を受け止めるのは、妻の役目♡ 

 かぽっ♡ かぽっ♡ ぬっぽ、ぬるるるっ♡
 つぷっ、つぷっ……ちゅるっ♡ ぢゅう~っ♡

 私のお口に、思う存分「びゅるるっ♡」って吐き出しちゃって下さい♡ おトイレみたいに排泄して、朝からず~っとムラムラしたままの気持ちを、スッキリさせちゃいましょう♡ 

 早く、早くっ♡

「ずぞぞぞ~♡」って強く啜った瞬間、先走りよりも濃いものが滲み出してきた。

 ぬりゅ……じわ……♡

 みちっ……にちゃ♡ とぷ……♡ とぷ……♡

 まるで、少しとろけて柔らかくなった杏仁豆腐。ぷるぷるした塊は、勢いよく飛ぶこともできないぐらい濃く圧縮されていて、尿道の中から無理矢理押し出されてくる。噛めそうなぐらいに、濃厚……♡

 びゅるるっ♡ びゅっ♡ びゅ〜〜っ♡

 どぷっ♡ びくびくっ♡ どぱっ♡ びゅくっ♡ びゅくん♡

 初めの数回の拍動が終わって渋滞が解消されたのか、とろみのある熱いミルクが、びゅーびゅーと流れ込んでくる。痛くならない程度に「ぎゅっ」とタマタマを握って揉んであげると、勢いが強くなった。

 普段なら絶対聞けない、ちょっとだらしない声を漏らしながら、あの人の射精は続いた。

「む……♡ ん、くっ……♡」

 快感に任せて吐き出されたドロドロを飲み下すのは、ちょっと大変。喉に引っかかってむせてしまいそうになる上に、次から次へと追加が注ぎ込まれてくる。

 嬉しいです♡ 男の人の一番の弱点を咥えさせてもらって、気持ちよくイッてる無防備な顔を見せてもらえるの、すごく特別な感じがします♡

 ちゅう~っ♡ ちゅる……ずろろ……♡

 ごきゅ……♡ こく……っ♡

 ようやく治まったかな。私の胃袋に、取れたてほやほやの新鮮タンパク質をいっぱいもらっちゃった♡ 尿道の残りを全部吸い上げて「ご馳走様でした♡」って言ってあげようとしたら、唇から離した拍子に頭上から「まだ出るっ」と小さく聞こえた。

 慌てて舌を伸ばしたけれど、鼻先にべったりと熱いものがかかった。むわっとした青臭さに、頭がくらくらしそうで、興奮が高まる。前髪にも、もみあげにも、いっぱいかかっちゃった……♡

 あんなにいっぱい出したのに、彼の目はまだ欲望にギラついていた。「ごめん」って口では謝ってても、おちんちんがはしゃいでる。もう一回ぱくっと口に含んだけれど、髪を洗わないと、って風呂場に急かされてしまった。

 自分が汚してしまったからと、彼は私の髪を洗おうとしてくれた。手つきはぎこちなかったけれど、優しかった。頭皮をマッサージしてくれる心遣いは純粋に嬉しくて、気持ちがいい。

 でも甘えてしまうのもちょっと居心地が悪い。夫の体を洗ってあげるのも妻の役目。髪を洗い終えたら攻守交代、と思ったら、そのまま背後からお腹に手が伸びてきて、ボディソープを塗りたくられる。

「んっ……♡」

 ただ肌に触られただけで声が出てしまい、声が出たことでスイッチが入ってしまう。腹から腿にぬるぬるした泡が広がっていく。熱くなっている所はきっと意図的に見逃がされて、お尻から腰へ、腰から背中へ、背中から肩へ。

「あっ……あ……♡」

 張り付いていた濡れ毛を除けて、舌が耳に入ってきた。唾液でぬかるんだ舌が「ぐちゅ」と耳を犯す。ねっとりした音がゼロ距離で鼓膜に響く。背筋がぞくりとして、肌が粟立った。鳥肌の立った皮膚をソープの泡が優しく覆って、彼の掌が通過した所にじんわりと体温が跡を残していく。

「じ、自分の体はっ……ひゃ……自分で洗えます……♡」

 恥ずかしい、されるがままなんて。私がお世話したいのに。心からそう思っているのに、耳を舐められて体がうまく動かせない。好きな人に触ってもらう気持ちよさを知った私は、受け身に回ることも覚えてしまった。腋の下もしっかり泡を塗りこまれ、脇腹をなぞられる。

「はうんっ♡ や、あ、ふぁっ♡」

 くすぐったさに体をよじると、胸に電流が走った。肩越しに首を伸ばして、彼が吸い付いている。敏感な先端が縦に横に転がされている。何も出ないはずだけど、ちゅうちゅう音を立てて吸われていると、本当にミルクが出てしまいそうな気がする。舐められてるだけでこんなに気持ちいいのに、ミルクまで出ちゃったら、どうなるんだろう……。想像すると、下腹部がじゅわっと熱くなった。

 彼の唇から解放される頃には、乳首は小指の爪ぐらいに大きく膨らんでいた。何もされていなかった左胸と比べると、サイズがまるで違う。胸の先がジンジンする。股間はもっと。垂れてきた興奮が内腿の泡を押し流し、そこだけ肌が剥き出しだ。

 ぬちっ……♡

「あはぁっ♡ ……あ」

 焦らされてじゅくじゅくのアソコを、ようやく触ってもらえた。はしたない声が浴室に響いて、気づいた。

 目の前のガラス窓の向こうは隣の家なんだ。えっちな大声なんて出したら、聞こえちゃうよぉ……! どうしよう、割れ目をなぞってる指が、入ってきちゃう……あぁ、きたぁっ……♡

「んんっ♡ はぁ、は……っ♡」

 ナカまで洗ってやらないとな、と囁く声。まっすぐ立っていられなくて、壁に手をついた。シャワーヘッドから垂れた水滴がぽたりと落ちる。

 ぬちゅ♡ くちゅ♡ くちゅ♡

「……くひッ♡ うあっ、ン♡ ン♡」

 喉を閉めて大きな声を我慢すると、ナカを掻きまわされるぐちょぐちょした音が余計に目立ってしまう。「洗ってるのにヌルヌルが取れないな」なんてわざと耳打ちしながら、あの人の太い指は膣の深くまで押し入ってくる。

 あ……天井のそこ、弱いんです♡ だめ、だめ、指の関節が壁にガツガツ当たってたまらない……♡ ダメって言っても止めてくれるわけないですよね……弱い所なんて全部バレちゃってるんですから……♡ 

 ううっ、欲しい♡ 挿入れて欲しいよぉ♡ お尻に当たってる、指よりもっと太くてカチカチのそれを、後ろからずぶずぶずぶってして欲しい……♡ このままセックスしたい……♡

 ぐっ♡ ぐぐっ♡ ぐりっぐりっ♡

 ぐちゅ♡ ぐちゅっ♡ ぐちゅ♡

「い……イキ、そ……♡」

 言ったそばからイイ所をぐいぐい押されて、もうイく……♡♡

「……え……?」

 腰が勝手にカクカク震え出し、あと一擦りで、という所で、彼は手を止めてしまった。

 二本の指が引き抜かれ、ぱたぱたと床に愛液が垂れたと思ったら、流れてきたお湯が全てを流し去ってしまう。私の体も、絡み合っている内に泡まみれになっていた彼の体も。

「うっ……うぅ……」

 もうほんの少しだったのに、お預けなんて生殺しですよ。って、朝にあんなことをしちゃった私が言えたことじゃないか。ううぅ……もどかしい……目の前に、準備万端のおちんちんがあるのに……。

 頭にタオルを巻いたままでも良かったのかもしれないけど、夫の前では少しでも可愛いと思ってもらいたかった。ドライヤーで乾かしてヘアアイロンでまっすぐにするまで待つと、彼も言ってくれた。

 もどかしさも続いた。彼は「待つ」とは言ったけれど、何もせずに待つとは言わなかった。ストラップレスのブラは外されて、テーブルの上に置かれている。

「……あっ、あ……あ♡ はぁ……はぁ……♡」

 タンクトップ越しに、膨らみのてっぺんを、かりかり、こねこね。弱い電流が胸と下腹部を往復し続けている。敏感な乳首への刺激に慣れ始めた頃を見計らい、むにゅむにゅと胸全体を揉まれて、緩やかな快感に上書きされる。そして、揉まれる気持ちよさに慣れたら、またかりかり引っ掻かれて……。

 刺激が弱くて、イケない……。もっと強くしてもらったら、イけそうなのに……!

 テーブルに立てた手鏡に映る私の顔は、ヘアアイロンをふらつかせながら、トロ火で煮込まれ続けてすっかりふにゃふにゃになっている。箸で切れるぐらいの東坡肉よりも、柔らかくほぐれている。せっかく履き直したショーツも、また洗濯機に直行かもしれない。

「は、ぁ……あっ、あなた……お待たせしました……♡」

 乾かして真っ直ぐにした髪をリボンで束ねて、彼の好きなポニーテールを作る。振り向いた顎を掴まれて、すぐに舌が入ってきた。

「ん……むふ……ん♡ はァ、あ……ア♡」

 舌を合わせただけで、限界点を超えてしまいそうだった。熱に浮かされたみたいに、口の中で唾液を交換する。荒い鼻息がフーフーかかって、頭が興奮でカッカと熱くなっていく。

 ぎゅううっ……♡

「ふぐっ♡ んんんんっ♡ ン♡」

 両の乳首が、指の間で圧し潰された。そのまま、くりくりってひねられる……♡

 あ、だめ♡ さっきまで緩かったのに、急に強い刺激がきて、胸でイく……♡

「んふっ、イふゥ……っ♡♡」

 胸からほとばしる快感が全身に飛び散っていく。触られてないはずのアソコまで気持ちよくなって、びくびく震えた。

 おっぱいでイカされちゃった……♡ 

「あっ……」

 するするショートパンツを下ろされて、お尻にひんやりした空気が触れた。熱くて硬いものが当たる。

 すぐそこに私のベッドがあるのに、そこまで行くのも辛抱できないんですね♡ 私も、この場でいいから、早く、早く欲しいですっ……♡ 

 下のお口同士が「ちゅっ♡」ってくっついて、あ、腰掴まれた♡

 来る……♡ 入ってくるっ……♡♡

 ぬぷぷぷ……♡ ずちゅんっ♡

「あはァ……♡ おっ、奥まで来てるっ……♡」

 家族や友達と過ごすこともある自室で、私、男の人とセックスしちゃってる♡

「あ、気持ちいい♡ あっ♡ あ、ああ~っ……♡」

 テーブルがガタガタ揺れ始めた。

 待ちに待って、じらされた末のおちんちん……「あなた」と一つになれた幸せに加えて、後ろから突かれるのが気持ちよくて、声を抑えることなんてできない。窓の外は、店が開いていればお客さんがたくさんやってくる道路。叫んでしまわないようにするのが精いっぱいだ。

 昨日はゲームで対戦したけど、今日は生身の対戦。格ゲーだったら何回でも勝てるけど、エッチじゃ勝てない……♡  硬くて大きいおちんちんでごりごり擦られて、頭がトロけちゃう♡ ずるいハメ技から抜け出せなくて、このまま簡単にKOされちゃうよぉ……♡

 ぱん♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっ♡
 にゅぽっ♡ ぷちゅっ♡ ぬっぽぬっぽ♡

「ハッ……♡ ハッ♡ あっ♡ あっ♡ あ♡」

 BGMも何も無い部屋に、いやらしい音が響いている。餃子のタネを混ぜる時みたいな、にちゃにちゃ、ねちゃねちゃって音が自分の部屋で鳴ってるって思うと、気持ちよさがどんどん膨らんでいく。あ、テーブルにヨダレが垂れちゃった……。

 彼のストロークが段々深くなってきて、ぞりぞり擦られる気持ちよさに、奥を叩かれる刺激が上乗せされていく。

 何回かえっちして気づいたんだけど、私、奥の方をこつんってされるの、すごく弱いみたい……♡ そ……そこ、そこそこ……♡ う~っ♡ 硬いおちんちんで、あっ♡ あっ♡ ああ~~~♡

「いくっ、いく……♡ いくぅ……ッ♡♡」

 硬いものにお腹の底のコリコリを押されて、目の前が弾けた。股間に集中していた快楽が、爪先まで広がっていく。全身から力が抜けて、ふんわり心が浮かび上がる。

 イかされちゃった♡ 気持ちいいのが、体中にいっぱい……♡

「ハァ……ハァ……♡」

 ご……ごめんなさい、私ばっかりいい思いして、またイッちゃいました……♡ 今度は、私がお世話しますね♡ 上になりますから、そこの座椅子に……。

「んっ……んん♡」

 重力に任せて体を沈めて、男の人の逞しさを受け入れる。さっきよりも一回り大きくなっていて、彼も彼で、昂っている。

 股に力を入れて抱き締めてあげると、ナカでおちんちんが震えている。そのまま腰を振ると、さっきよりも強く擦れて、頭がくらくらする。

「あ、あなたっ♡ どうですか? 気持ちいいですかっ♡」

 気持ちいいよ、と言葉で返す代わりに、彼のおちんちんが大きくなった。お腹が押し広げられて、ちょっと苦しい、けど……彼と繋がっているって思うと、その圧迫感もたまらない♡

 いっぱい擦れた方が気持ちいい男の人のために、どうにか腰を持ち上げては、沈める。硬い傘の出っ張りが壁を削って、甘い刺激が押し寄せる。互いの下腹部がくっつくと、長いおちんちんの先っぽが、お腹の奥をゴリッとえぐってくる。脳天に響く快感が、私の頭をセックス一色に染めていく。

「うううっ♡ 気持ちいいよぉ……♡ あなたによくなって欲しいのに、力が……きひッ♡」

 胴体に合わせて揺れていたおっぱいが捕まってしまった。彼の顔の前にあった乳首がぱくりと咥えられて、じいんとした痺れが下半身に走る。

「や、あんっ♡ そこ、ちゅーちゅー、だめですっ♡ 動けなく、なっちゃ……ひぎ♡ くは♡ あ♡ あ♡ あ♡」

 お尻を鷲掴みにされた。みっちりと奥までおちんちんが入り込んできて、じっとしていられなくなった彼が下で暴れ始めた。

 おちんちん硬いぃ♡ 奥をそんなに突き上げられたら頭おかしくなっちゃいそうなのに♡ がっしり掴まれてて動けない♡ またハメ技されちゃった♡ 逃げられないよぉ♡

「~~ッ♡♡ ふぁ♡ ま、またっ♡ またイッちゃいます♡ あなた、ごめんなさい♡ 私ばっかり……ッ♡」

 俺もそろそろ、と聞こえた。

 一緒にイキたい……♡ がっ、我慢♡ 我慢しなきゃ……♡

「ふっ♡ んぁ♡ おふ……♡ い、イキそ、イキそうっ♡♡」

 彼が突き上げるペースが上がってきた。ぷく……と硬くて大きなものが体積を増していく。少しでも深い所でイッてほしくてお腹を押し付ける。今にも意識が浮き上がってしまいそうな絶頂感を誤魔化したくて、あまり入らない力で一生懸命彼に抱き着く。

「あ˝っ……♡ も、だめ……♡ いくいく♡ いくっ♡」

 ごちゅ……♡ ごつんごつん♡ どちゅっ……♡

「う……うううぅ~♡ イく……♡ イッ、あはぁ~~~ッッッ♡♡」

 我慢、できなくなっちゃった……♡ 

 あ、でも、ナカでびくんびくん震えて温かい……♡ あなたもイッたんですね……一緒に気持ちよくなれて、幸せ……♡

 まだビクビクしてる……♡

 一つになっていた体が離れた。被せられていたコンドームの先端がぷっくり膨らんでいる。あんなに射精したんだ。前に見た時よりもいっぱい入っていて、彼の感じた快感の大きさが量に表れているみたい。

 慣れた手つきで後処理を済ませたそれがティッシュに包まれていく。するすると脱力して、大人しくなっていくおちんちん……なんてことは無くて、少し角度は落ちても、大きくなったままですね♡ 白いのが少しついちゃってるんで、お掃除します♡

「ん……んふぅ……♡ れろ、ちゅっ……♡」

 杏の果実みたいな形状の先端をぱくっと含んであげると、僅かに柔らかくなっていた幹がびきっと張りつめてきた。尿道の残りもちゃんと吸い上げて、傘の裏側まで丁寧にぺろぺろ……♡ 一分ほどご奉仕している内に、すっかり元気いっぱい♡ 

 昨日のスタミナ凝縮メニューの効き目は思った以上だったみたいですね〜♡ 脱衣場であんなにぴゅっぴゅして、ついさっきもいっぱい出したばかりなのに、もう天井を向いて血管が浮き上がってる……♡ あんなに広く張り出した傘で、中をごりごりされたら……って考えただけで、お腹が気持ちよくなってきちゃう♡

 あっ、床に押し倒されちゃった……♡

「すぐそこにベッドがあるのに」

 って言ってみたけど、そこまで運ぶのもじれったい、って、二つ目のコンドームを準備してる。

 脚をぱかって開かされて、あ……硬いの入ってくる……♡ 

 また気持ちよくされちゃう……だらしない顔を見られちゃう……♡


 あ♡ あ♡ あ♡ おっきぃよぉ……♡

【六月二十六日(土)】午後

 昨日のスタミナ凝縮メニューは効果覿面だったようだ。多忙な生活で溜まっていたのもあったが、射精の量は目に見えて多かったし、昂ぶりの治まらない精神と同様に、硬さが中々失われなかった。

 まだ一度としてベッドで美奈子を抱いていなかった。テーブルに押し付けて、床に押し倒して、うつ伏せになった躰に圧し掛かって、跨らせて下から貫いて、何度も、何度も、美奈子を性欲のままに犯した。心地よい征服感と、獣じみた欲望を受け入れてくれる愛が、そこにはあった。俺が欲しかった、美奈子からの愛情が。

 昼時を過ぎた頃、美奈子がまた食事を作ってくれると申し出た。一階の厨房に降りていく後ろ姿に着いていくと、待っていれば大丈夫と言われた。だが、飯が出来るのを待つだけというのも少々気が咎めた。ましてや今は、仮初とはいえ夫婦なのだ。「夫が妻の力になるのは当たり前のことだ、手伝えるなら手伝いたい」と話すと、美奈子は顔をくしゃくしゃにして、「大好き」と熱烈なハグを交わしてくれた。

 材料を取り出したり食器をセットしたり。その程度のことでボランティア精神を満足させてもらっている間にも、次々に食材が料理に変わっていった。ニンニク炒飯(ニンニク臭さの残らない品種を使っているらしい)に、ニラたっぷりの餃子と、妙にイカの多い八宝菜。美奈子の手際の良さに舌を巻いていると、グツグツ煮えた麻婆豆腐が器に注がれる所だった。粒の大きい挽肉が目を引く。

 カウンターで横並びに座って美味い美味いと舌鼓を打っている内に、あっという間に食事は済んでしまった。栄養分が体に吸収されるまではまだかかるはずだが、皿洗いを手伝っていると、消耗した体力が回復しているのを感じられるような気がする。

「ちなみに、美奈子?」
「何でしょうか?」
「さっきのも、もしかして……」
「はい! スタミナ凝縮メニュー第二弾です!」

 美奈子はあっけらかんと言ってのけた。料理の内容に暗示される意思表示が、落ち着き始めていた情欲の炎に油を注いでいく。

「それって……」
「…………♡」

 食器を拭いていた美奈子が身を寄せてきた。さらさらした髪が肩にかかる。店の一階にいる時の習慣なのだろう、三角巾もエプロンもまだ着けたままだ。見上げてくる瞳の透明感に吸い込まれ、唇を重ねる。

 食欲を満たしたばかりの場所で、今度は性欲を満たそうとしている。抵抗こそしなかったが、店の厨房で始まろうとしている猥褻行為に、美奈子には若干の困惑が見て取れた。だがそれも、するすると下半身が丸裸にされるまでの話だった。作業台の上に腰かけさせ、エプロンをめくりあげておまんこを露出させてしまうと、青い双眸は期待に潤んでいた。

以上になります。ここまで読んで頂き誠にありがとうございます。
ご指摘ご感想など、何かしらの反応が頂ければ幸いでございます。

作る食事の量を現実的にしてしまったので「こんなの美奈子じゃない」みたいな反応が怖いですが、楽しんで頂ければ幸いです。

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