男「異世界チートで大陸統一を目指す」 (30)

男「一騎当千の力と軍略の才能をもらったぜ!」

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王「わが国は召喚した転生者の持つ力により領土を広げている…戦いが国を発展させた」

王「君の力は宝だ…わが国のために力を貸してくれ」

男「ふーん…まあいいよ、力を貸してやるよオッさん」

大臣「ぶ、無礼な!王よ!こんな礼儀知らずは首をはねてしまいましょう!」

王「よい!威勢の良い者は嫌いではない、特に実力を持っておればな」

男「見る目あるじゃんオッさん…で俺はどうすればいいんだ?」

王「…大臣」

大臣「はい」

大臣「現在わが国は国内の軍を6個の軍団に分けております…そしてそれぞれが自由意志を持ち様々な国を滅ぼしております」

大臣「これらの軍団を率いるのはかつて呼ばれた転生者達の子孫でございます」

大臣「しかし近年戦線を広げすぎた結果これ以上の領土を獲得するのが難しくなってきました」

大臣「この状況を打破するために貴方は召喚されたのです」

男「なるほどね」

大臣「そして現在一番、進軍が著しくないのは西方を担当する第三軍団である…貴方にはこの第3軍団を率いてもらう」

男「俺が率いる?それは無理なんじゃないか…誰も従わないだろ?」

王「問題ない…この国は転生者によって発展したのだから…この国の最初の王も転生者だ」

だ」


男「と言われて来たが…なるほど兵士の練度は高いのか」

男「素晴らしい…重装歩兵じゃないか」

将軍「ハッ!我が軍の練度は6個の軍団の中でも最高だと自負しております」

男「では、あまり上手くいかないのは指揮官せいだな?詳しく説明しろ」

3将軍「……おっしゃる通りです…実は全ての戦いには勝っているのですが…」

現在、俺の指揮する第三軍は二つの国と戦っている。

一つは西の大国、人間ではなくエルフが支配する国で資源は少なく、砂漠が広がる攻めるのが難しい国だ。

二つめは風の国…最初に現れた転生者達を王と認めない人間が集い、作った国だ、小さな国であり西の大国の支援のお陰で戦えている。

この二カ国は全ての戦いで敗北しているが

いまだに戦線を維持している。

その理由は同時に現れないからである。

一つの軍団と戦っているとその隙をつくように軍団が現れ、わが国の領土に侵略を開始したり兵站を潰したりするのだ。

進軍する味方が現れると、我が軍と戦っている軍団はどれだけ有利な展開であろうと撤退をする。

そして我が軍はそれを追撃する事は出来ず、
反転して領土に侵攻する軍団の対処に向かわなければならない。

しかし到着する頃には消えており敵は逃げている。

男「なるほど…敵は我々と戦ってはくれないという事だな…重装歩兵の弱点を突いた良い作戦だ」

男「しかし3将軍、君もバカだな、こんな戦い簡単に勝利できる…俺の軍略の才能があればね」

将軍「バカだと!この若造が!」

男「なんだよ、本当のこと言ってるだけだろ?それより、その口の聞き方はなんだ?」

男「若造でも俺が君の上官だぞ?オッさん?」

将軍「ぐっ……申し訳ありません」

男「しょうがない俺は心が広いから許してやるよ」

男(異世界って最高だ…チートのお陰で逆らえるのが誰もいないからな…早いとこ大陸統一して…ぐふふハーレム作ろう)

戦力については問題ないと思います

ほぼ戦わずに逃げているので温存されてるんです

男「3将軍、敵が逃げるのなら逃れられない速さで追撃すれば良いのさ…」

3将軍「それができれば苦労はしていない」

男「大丈夫だ、説明する」

男「まず敵は兵力を二つに分け、異なる場所に軍を出現させて我々を撹乱している」

男「そして戦っている敵は足止めだけをして、あとは逃げてばかりだ」

男「逃げている敵をほっといて進軍すれば兵站を狙われる…非常に厄介だ」

男「しかし分散しているお陰で兵力に関しては我々が圧倒している、だから兵力を一点集中し、敵を各個撃破する」

兵力差は4倍である。

男「後方に敵が現れても構わず、まず目の前にいる敵を殲滅する」

男「そして殲滅したならば即座に反転し、後方に現れた敵を叩く」

3将軍「無理だ…非現実的すぎる、我が軍はそんなに早くは動けない」

男「ああ…だから重装歩兵は捨てる」

3将軍「バカな…我が軍の主力ですぞ!」

男「この作戦に必要なのは機動力だ、重い重装歩兵は必要ない、俺の一騎当千の力とこの兵力差があれば大して時間をかけずに撃破できる」

男「重装歩兵を軽歩兵と騎兵に変え、機動力で敵を殲滅する…陣形は偃月陣、下す命令は一つ突撃だけだ」

男「後ろには構わず敵が対応する前に叩き潰す!」

敵大将「また進軍始めたのか?懲りない奴らだ」

敵副将「しかしこのままジワジワと弱らせれば、いずれ敵も退却するでしょう」

将「……」

敵大将「で今回も重装歩兵で進軍しているのか?」

敵副将「ハイ、報告によれば主力は重装歩兵のようです…しかし軽歩兵や騎兵の割合も多いとの事です」

敵大将「まあ…関係ないな、我々はいつも通りに相手すれば良い…」

敵大将「機を見て引いて敵の足が止まったなら攻めて、攻めて来たなら引いてを繰り返し味方が現れたら撤退すれば良い」

将「……敵の軍に新たに転生者が現れたと聞きました、敵の軍の編成もいつもと違う、もしかしたら重装歩兵を主力とした戦いを捨てたのでは?」

敵大将「そんなわけあるか!現に進軍して来ているのは重装歩兵の割合が多い!たとえ軽歩兵や騎兵が突撃して来ても所詮にわか作り返り討ちにできるわ!」

敵副将「将程度が口を挟むな…敵の作戦を看破したわけでもあるまい」

将「予測はついております…このままでは負けると思います」

敵副将「貴様程度に思いつく作戦などに我が軍がやられるか!」

将「……わかりました」

敵大将「若造がその年で将になったから調子に乗ってないか?」

将「いえ…そんなことは…」

将「はあ…敵も陣形を整えたようだね…密集隊形こそが重装歩兵の強みだが…あれはどう見ても散兵しているね…」

騎士「その様ですね…魚鱗陣ですかな…そう見えるだけで整っては無さそうですね」

将「そうだね陣形すら整えてない様に見えるが、よく見れば三ヶ所、平地からは見えない様に偃月陣を作っている」

将「コレは足並みを揃えて進軍して来ると思わせて、途中でいきなり軽歩兵と騎兵が突撃するんだろう」

将「うちの大将が気づいてくれれば、対処のしようはあるが…気づかないだろうな」

将「大将はすぐに引けるようにいつも通り平地に陣取ってるからね」

将「戦場を見渡せる高い位置に陣を敷いたから気づけたのもあるが…」

騎士「この事を報告はしないのですか?」

将「送っているさ…先ほどからずっとね、全て門前払いだ」

将「私のことが憎たらしいのさ、自慢じゃないが私の年で将まで上がる者はいないからな」

将「私に活躍させたくないから…戦場から離れた位置に配置したのだろう」

騎士「…失礼ですが今、おいくつでしょうか?」

将「23です」

騎士「お若い…それは嫉妬しますなぁ、ちなみに私は四十です」

将「そ、そうですか」

騎士「……」

将「……」

将「ゴホン!まあそのおかげでここに陣を敷けた…これで私の下についた兵士は無駄死にすることはないだろう」

将「私の予測道理に行けば…我が軍は敗北するだろう…それも何時もの緩い敗北ではなく手痛いものになる」

将「敵の後方で撹乱予定のエルフの軍に伝令を送れないですか?」

騎士「難しいでしょうな…協力してるとはいえ、別の国の軍…彼等は彼等の作戦で後方を撹乱しているのわけですから、どこに現れるかは副将以上しか知らないはずです」

将「そうですよね…しかしこのままいけばエルフの軍も壊滅してしまう」

将「私なら敵に勝利した勢いそのまま反転し後方のエルフ軍を討ち向かう…今日中に決着を付けようとする」

将「だから、そうなる前に知らせてエルフ軍の被害だけでもなくしたい」

騎士「…わかりました、必ずやエルフ軍を見つけ出しその旨を伝えます」

将「頼みます」

敵大将「横に広く広がっているな 密集隊形ではないのか?」

副将「逃げられないように包囲を狙っているのでは?」

敵大将「ならば我々も包囲されないよう横に広がろう…そして下がりながら戦う」

副将「あとはエルフ軍現れるまでのらりくらり攻撃を流すくらいですね」

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