ちなつ「私の運命の人は…!」 (17)
~七森通り~
ちなつ「はぁ~…ついに買っちゃった!」
ちなつ「最近巷で話題のマンガ、『sitrus』」
ちなつ「確か、義理の姉妹百合の話よね~」
ちなつ「早く家に帰って読まないと」フンス
ちなつ「んっ?」チラッ
ちなつ「なんでこんなところにテントが…?前はなかったのに」
ちなつ「一体なんのために?サーカスでもやるのかな…?」
ちなつ「なんか看板に書いてある。なになに……『あなたの運命の人を占います!~恋占いの館~』…」
ちなつ「恋占いの館!?運命の人!?」
ちなつ「将来の結婚相手が……」ユイセンパイ
ちなつ「……いやいやいや、んな訳ない!なんか胡散臭いし」ブンブン
ちなつ「こんな即席のテントでやってる占いなんて信用できんわ!」
ちなつ「帰ろ帰ろ!」クルッ
ちなつ「帰って、速く漫画読まないと!」チラッ
ちなつ「……」チラッ
ちなつ「……」チラチラッ
ちなつ「ちょっとだけよ、ちょっとだけ…」クルッ
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~恋占いの館~
ちなつ「し、失礼しまーす」
ちなつ(うわ……トーテムポールみたいなやつがいっぱい…不気味ィ…入んなきゃ良かった…)
占い師「これはこれはいらっしゃい」
ちなつ「は、はい!」ビシッ
占い師「ほらほら、そんなに畏まりなさんな、ここに座って」
ちなつ「わ、わかりました…」
占い師「それで…うちに何の用で?」
ちなつ「えっ?いや、ここで運命の人を占うって書いてあったので…」
占い師「ほほう、そうかいそうかい。ちょっと待っててね…」
ちなつ「はあ…」
ちなつ(占い師の人、裏の方に行っちゃった、占いって一体何するんだろう?)ドキドキ
占い師「ふう、おまたせ。よっこいしょ!」ドスッ
ちなつ「ひっ!」ビクッ
占い師「大丈夫大丈夫。決して危険なものじゃあない」
ちなつ「じゃあこれはなんなんですか?」
占い師「これは、古代エチオピアから伝わる、伝説の水晶でな、ある事をすると、その人一人一人の運命の人について映し出すことができるんじゃ」
ちなつ(やっぱり胡散臭ぇ)
ちなつ「それで、ある事って?」
占い師「それは、対象となる人が、水晶に念じる力を送ることじゃ」
ちなつ「念じる力?なんですかそれ?」
占い師「水晶を見つめて、運命の人を見つけたい、見つけたいと、ひたすら心の中で念じるんじゃ。しばらくすると、運命の人について映し出される!」
ちなつ「はぁ…」(本当にそんなんでできるのかしら…)
占い師「さあ、始めてみんしゃい」
ちなつ「わ、わかりました…」
ちなつ(まあ、せっかくここまで来たんだし、ダメ元で)
ちなつ「」カッ
ちなつ(運命の人を知りたい運命の人を知りたい運命の人を知りたい運命の人を知りたい運命の人を知りたい運命の人を知りたい運命の人を知りたい……)ジ-ッ
占い師(す、すごい気迫…)
水晶「」カクカク
ちなつ(水晶が震え始めた!?)
占い師(来た!)
水晶「」ピカ---!!
ちなつ「うわっ何!まぶしっ!」サッ
水晶「」カタッ
ちなつ「と、止まった。ほんの一瞬なのね…」
ちなつ「てあれ!?水晶に何にも映ってないですよ!?」
占い師「大丈夫じゃ。さっきの光が、運命の人を示しておるのじゃ!」
ちなつ「はい?」
占い師「さっきの光は、その人によって色が違う!この占いは、その色から、運命の人の特徴を割り出して、あなたの知り合いに当てはめる。という占いなのじゃ」
ちなつ「あ、あのぉ、もしも私の運命の人がまだ私の知り合いじゃなかったら、どうするんですか?」
占い師「ああ、そういう時は、その人の特徴しかわからんな」
ちなつ「そ、そうですか…」
ちなつ(さっきの水晶はすごかったけど、肝心は占いは適当すぎ!お金無駄にした…)
占い師「えっと、さっきの光の色はーっと……おおっ、カラーコード#e83929、つまり紅緋色だね」
ちなつ「なんですかその色?」
占い師「アバウトにいうと、赤だねぇ」
ちなつ「はあ」
占い師「それで、その色から割り出される、あなたの運命の人は…」
ちなつ「はい…」ゴクッ
占い師「まず、よくあなたと一緒にいますねぇ」
ちなつ「はぁ…」
占い師「その人は、話すときに女性語をほとんど使わないねぇ」
ちなつ(女性語を使わない、わよとかかしらって言わないってことね。もしかして、結衣先輩かも!)
占い師「そして、気遣いができて優しい人だねぇ」
ちなつ(気遣いができて優しい……結衣先輩、私にはいつも優しい!やっぱり結衣先輩かな?適当な占いでも、結衣先輩だったら嬉しい!)
占い師「だけど、優しすぎて、遠慮してしまうことがよくあるねぇ」
ちなつ(ん?ちょっと違うかな?)
占い師「あと、優しさゆえにピュアだから、周りからは、幼く思われてるかも」
ちなつ(んん?)
占い師「よくのほほんとしてて、癒し系、愛されキャラだねぇ」
ちなつ(んんん!?)
占い師「その性格ゆえに、ちょっと影が薄く
ちなつ「ストーーーーーーーーーップ!!」
ちなつ「私はわかりました。あなたがTHE・MUNOUな占い師なことが…」
占い師「えっ…」
ちなつ「とりあえずお代は置いて帰りまーす。さよならー」チャリン
占い師「ちょっとお客さん、まだ話は途中で…」
占い師「行っちゃった…」
占い師「はぁ~…ここも店じまいかなぁ……さっきのが今日初めてのお客さんだったのに、この言われよう…」
占い師「なんか顔はニヤけてた気がするけど……いやいや、見間違いだよなあ…」
・
・
・
ちなつ「結衣先輩じゃなくて、あかりちゃんかぁ」
ちなつ「あかりちゃんが運命の人ねぇ…」
『ちなつちゃん、大好き!』
『ちなつちゃんの好きなもの作ったんだけど……どうかな?』
『あっ!ちなつちゃん、ほっぺにケチャップついてるよ、舐めてあげる』
『ひ、久しぶりに、デートしたいな///』
『あの……行ってきますのチューは……?』
『あかりはちなつちゃんの者だから、その……好きにしていいよ///』
ちなつ「ま、まあ、悪くないわね///」ニヤニヤ
翌日
~七森中学校 教室~
櫻子「おはよー、ちなあかちゃん!」
向日葵「櫻子!まとめて呼ぶのはおやめなさい!」
櫻子「えっ~、いいじゃん……っあれ?二人共何やってんの?にらめっこ?」
ちなつ「……」ジ-ッ
あかり「ううっ///」ソラシ
向日葵「にらめっこには見えませんけど…」
ちなつ「あかりちゃんは私の運命の人だから、よく観察しないと…」
あかり「また意味のわかんないこと言って!朝から、ずっとこんな調子なんだよぉ…」
櫻子「運命の人?……ああ!もしかして、ちなつちゃんあの胡散臭ーーーい占いしてもらったの?」
ちなつ「そうそう、そこで胡散臭い人に胡散臭い占いしてもらって、運命の人はあかりちゃんだーって言われたから、仕方なく観察してるの。将来の奥さんがどんな感じか見ておかないと…」
あかり「うわーん!どっから突っ込めばいいのー!」ブワッ
向日葵(胡散臭いって言ってる割には、やけに本気ですわね…)
ちなつ「……」クイッ
あかり「こ、ここでアゴクイ!?///」
ちなつ「あかりちゃん、安心して。これから、あかりちゃんは私のものだから」
あかり「へ、変なこと言わないでよぉ!///」ボンッ
ちなつ「ふふっ、可愛い」ボソッ
あかり「もうっ!!///」
櫻子「あかりちゃんもまんざらじゃなさそうだし、いいんじゃない?」
向日葵「そうですわね」
~放課後 廊下~
ちなつ「……」ギュッ
あかり「ううっ…///」
女A「あの娘たち、手繋いでる、可愛い!」
女B「ほんとだー!」
ゆき「ちなつちゃんとあかりちゃん、ラブラブ~!」フリフリ
めり「末永く、おしあわせにね!」フリフリ
あかり「ちなつちゃん、恥ずかしいからやめよう?」
ちなつ「えっ、別にいいじゃない手を繋ぐくらい」
あかり「さすがに恋人つなぎは…」
ちなつ「仕方ないでしょ、私たちは運命で結ばれてるんだから。私もしょうがなく繋いでるの!」ギュッ
あかり「えへへ、ちなつちゃんの手あったかいよぉ……ってそうじゃなくて
ちなつ「別に、振りほどいたっていいのよ、私だって、しょうがなく繋いでるんだから」
あかり「え、えいっ!」ブンッ
ちなつ「……」
あかり「……」
あかり「あ、あの……ちなつちゃん」
ちなつ「何?」
あかり「だ、誰も見てないところだったら、繋いでもいいよ///」
ちなつ「そう…」
ちなつ「……」
あかり「……」
ちなつ「」キョロキョロ
あかり「」キョロキョロ
ギュッ
~ごらく部~
ちなつ「……」モミモミ
あかり「ちょっ、ちょっと!」
あかり「ちなつちゃんおしり触らないで!」
ちなつ「何言ってるのあかりちゃん、運命の人のヒップサイズくらいわからないとと思ってやったのに…」
あかり「また変なこと言って!あかり怒るよ!」
結衣「まあまあ2人とも落ち着いて…」(なんだこれ…)
京子「ちなあかが喧嘩とは珍しい」ズズッ
結衣「まとめるな」
ちなつ「ふむふむ、案外あかりちゃんって安産型なのね…」モミモミ
あかり「やめて!!」
他3人「」ビクッ
あかり「あかり、お尻大きいの気にしてるのに…」プルプル
あかり「もうちなつちゃんなんて、知らない!!」ガラッ
京子「お、おいあかり!」
結衣「行っちゃった…」
ちなつ「………」ジワッ
結衣「………ちなつちゃん、何があったか、教えてくれるかな?」
京子「うん…」
・
・
・
ちなつ「それで、私は仕方なく…」
結衣「仕方なく……ねぇ」フゥ
京子「う~ん、話を聞いてる限りだと、仕方なくとは考えにくいんだけど…」
ちなつ「それって、どういうことですか…」
京子「まるで、あかりと付き合いたい言い訳みたいに感じるんだよね…」
ちなつ「言い訳…ですか?」
結衣「ちなつちゃん、素直になろうよ」
ちなつ「素直……?私はいつだって正直です!!」
京子「私は、ちなつちゃんが本当にしょうがなくしてるとは思えないんだ」
京子「だってちなつちゃん、そういう人じゃないもん」
ちなつ「……」
結衣「実は、昼休みに大室さんに会ったんだ」
ちなつ「えっ、なんでですか?」
結衣「あかりとちなつちゃんが、アゴクイしてたってわざわざ私たちに言いに来てたんだ。大室さんは、あかりちゃんもすごい嬉しそうだったって行ってたよ」
ちなつ「あかりちゃん…」
結衣「話を戻すと、ちなつちゃんも知ってると思うけど、あかりはめったに怒らない。だから、お尻のことを言ったくらいで、そこまで怒ったりしないよ(多分)……。きっとあかりは、自分が"仕方なく"色々されてるのが、弄ばれてるみたいで嫌だったんじゃないかなあ」
結衣「あかり、ちなつちゃんのこと好きみたいだし」
ちなつ「……」
京子「ちなつちゃんは、そのこと本当はわかってるんでしょう?」
ちなつ「……」コクッ
京子「やっぱり」
結衣「ちなつちゃん、あかりも、ちゃんと謝って、本当の想いを伝えたら、きっと許してくれるよ」
ちなつ「……はい」
ちなつ「……」スクッ
ちなつ「……」ダッ
京子「よし、その意気だ!」
結衣「信じてるよ、ちなつちゃん、あかり…!」
・
・
・
ちなつ「あかりちゃん……!!」
あかり「………」
ちなつ「あの、さっきはごめん!」
あかり「はぁ」
ちなつ「えっ…」
あかり「どうせ、また"仕方なく"謝りに来ただけでしょ」
あかり「朝から、いろいろと"仕方なく"やってたって言ってたけど、本当はあかりのこといじりたかっただけなんでしょ。アゴクイされたり、手繋がれた時は本当にドキドキしたんだよ!」
ちなつ「そ、それって…」
あかり「なのに、次はお尻触ってきて、あんな酷いことを!その時あかりは確信したんだよ!ちなつちゃんは、あかりで遊んでたんだって!」
ちなつ「違うの!!」
あかり「えっ…」
ちなつ「私は本当にあかりちゃんのことが好きなの!!愛してるの!!」
ちなつ「運命の人だから仕方なくって言ってたのは、恥ずかしかったから……それを言い訳にすれば、あかりちゃんとイチャイチャできるって思っちゃって…本当は、顔を見つめてた時も、アゴクイした時も、手を繋いでいた時も、私の心臓飛び出そうだったの!」
ちなつ「ごめんね、素直に言えなくて」ダキッ
あかり「ち、ちなつちゃん……」
あかり「じ、実はあかりもそうなんだ…///」
ちなつ「わかってるよ、そんなの」
あかり「えっ!?」
ちなつ「だってあかりちゃん、今顔ゆでだこみたいだもん」
あかり「ええっ!?」ボンッ
ちなつ「本当、あかりちゃんってわかりやすい」クスッ
あかり「もう!」プンスカ
ちなつ「これで、もう仲直りだね!」
あかり「まだだよ」
ちなつ「あれっ?」
あかり「あかり、お尻のこと、ほんっっっっっとうに気にしてるんだからね。ていうかまず、そのことを謝るべきだよね?」ギロッ
ちなつ「ハ,ハイ,ゴメンナサイ」
あかり「」チュッ
ちなつ「ちょっ、あかりちゃん!?///」
あかり「これで、本当の仲直り!」
ちなつ「もうーっ!いきなりやめてよー」クスクス
あかり「えへへ」
あかり「……じゃあ、戻ろうか」
ちなつ「そうだね」
・
・
・
数日後
ちなつ「はい、あかりちゃん、あーん」
あかり「あーん……もぐもぐ」
ちなつ「あかりちゃん、おいしい?」
あかり「おいしい!だってちなつちゃんが食べさせてくれたんだもん!」
ちなつ「もうっ!あかりちゃんったら」ウリウリ
あかり「えへへ~」
結衣「ふたりとも、すっかりカップルだね…」
京子「リア充爆発しろ」
あかり「ちなつちゃん、もう一つちょうだい?」
ちなつ「ダァメ!食べ過ぎると、もっとデカ尻になるぞー!」モミモミ
あかり「……」
ちなつ「あっ…」
あかり「もう言わないでって言ったよね?……」プルプル
ちなつ「あ、あの…」
あかり「もう知らない!」ガラッ
京子「お、おいあかり!」
結衣「行っちゃった…」
ちなつ「……」ジワッ
結衣「結局、こうなるのかぁ」
京子「ループものって怖い」
終わり
これで終わりです。
ありがとうございました。
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