トレーナー「スイミングレッスン」 (30)
※モバマスSSです
注意
セリフの表現では、特定の人物を以下のように略しています
・トレーナー → トレ
・マスタートレーナー → マス
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376156595
――――――――――――トレーナー室
P「……それで、次回のフェスについてなんですが」
マス「ふむぅ……」
http://i.imgur.com/6Xs3lys.jpg
マスタートレーナー(28)
トレ「あっ、もうこんな時間……姉さん、わたしはそろそろ例のところに……」
http://i.imgur.com/dYTehR1.jpg
トレーナー(23)
マス「おお、気をつけていくんだぞ?」
トレ「はい。それではお先に失礼します」
P「ん? トレさん、もうお帰りですか? 珍しいですね」
トレ「ちょっと、用がありまして……申し訳ありません」
P「いえ、いいんですよ。いつも、遅くまで残って頂いてるのでたまにはゆっくりされてください」
トレ「すいません。それでは……」
ばたん
P「トレさんが早上がりなんて珍しいですね」
マス「気になるかね?」
P「んー、気にならないと言ったら嘘になりますが」
マス「たまには男たちと会う時間くらい作ってやっても良かろう」
P「えええっ!! 男『たち』!?」
マス「なぜP殿が驚くのかね?」
P「い、いえ……それはその……」
マス「心配するな。ただプールに出かけただけだ」
P「プール??」
――――――――――――プール
トレ「はーい、みんな! 準備体操しますよー!」
http://i.imgur.com/zJEntw0.jpg
[スイミングレッスン]トレーナー(23)
子供たち「はーい!」
トレ「じゃあ、先生のあとについて体操してくださいねー」
子供たち「はーい!!」
トレ「いっちにい、さんしー」
子供たち「ごーろく、しちはーち」
トレ「ゆっくりでいいですからねー。さぼっちゃだめですよー」
男の子A「せんせー、早くおよぎたいよー」
トレ「だめだめ。ちゃーんと、体操しないと泳がせてあげませんよー」
男の子A「ちぇー」
トレ「はーい、それじゃあシャワー浴びてくださいね」
子供たち「はーい」
男の子A「つめてー!」
男の子B「ほらー、くらえっ!!」
男の子A「あっ! やりやがったなー!」
トレ「こらっ! 暴れちゃだめですよっ!!」
男の子A「せんせーもくらえっ!」
トレ「きゃああっ! つめたっ!!」
男の子B「あはははは」
トレ「もうっ! 先生が怒らないと思ってるでしょ!? 暴れる子は入れてあげないんですから!」
男の子A「うそうそ!! せんせー、ごめんなさーい」
男の子B「ごめんなさーい」
トレ「わかればいいんですよ。今度したら、めーですからね」
――――――――――――トレーナー室
P「小学生のスイミングスクール……ですか?」
マス「ああ。知人のジムのオーナーがな、夏休み期間中だけやってくれるように頼んできた」
P「へえ」
マス「我々もそのスポーツジムには世話になっているし、それくらいはと思ってな」
P「なるほど。トレさんには向いてそうですよね」
マス「姉妹でインストラクター資格を持っているのは私とトレだけだからな」
P「すごいな。何でもできるんですね?」
マス「私が出向いてもいいのだが、如何せんやることが多くてな」
P「マスさんが先生だと、子供たちはトラウマになりそうですね。あはははは」
マス「……P殿、スペシャルドリンク入りのプールに入ってみたいかね?」
P「うそですごめんなさいもういいません」
――――――――――――プール
トレ「はーい、それじゃあゆっくり入ってくださーい」
男の子A「ひょー! きもちいいー」
トレ「先生が合図したらゆっくり顔つけてくださーい……いきますよー」ピッ
男の子A「ぶくぶくぶくぶく……」
トレ「はい! 顔上げて!」
男の子A「ぷはーっ」
トレ(皆、だいぶ水に慣れてきたみたいね…………あら?)
女の子「…………」
トレ「どうしたの? 一緒に入りましょう?」
女の子「……いい……見てる」
トレ「先生が一緒だから大丈夫よ? ねっ?」
女の子「……いやだもん……むこうでみてる」
男の子A「せんせー、そいつ、水にはいれないんだぜー」
男の子B「なにしにきたんだよー?」
女の子「………………グスッ」タタタタタ
トレ「あっ! 待って!……もうっ! そんなこと言っちゃダメですよっ!」
男の子A「ほんとだもんなー?」
男の子B「いっつもけんがくしてるんだよー」
トレ「……」
――――――――――――トレーナー室
P「しかし、トレさんなんでも出来るんですね? うらやましいな」
マス「……あいつが最初からなんでも出来たと思うかね?」
P「えっ? 違うんですか?」
マス「違うな。ことさら、水泳に関してはな……」
P「???」
マス「あいつには、それなりの苦悩があったということだ」
――――――――――――プールサイド
女の子「……グスッ」
トレ「大丈夫かな?」
女の子「せんせい……」
トレ「隣、座ってもいい?」
女の子「うん……」
トレ「泳ぐの……きらい?」
女の子「わかんない……およげないから」
トレ「そっかあ。泳げるようになりたい?」
女の子「うん……」
トレ「じゃあ、先生と頑張ってみない?」
女の子「むりだよ! 水こわいもん」
トレ「大丈夫。少しづつでいいから」
女の子「せんせー、すごく泳げるからそんなこと言えるんだもん。わたしのきもちわかんないのに」
トレ「……わかるよ」
女の子「えっ?」
トレ「先生もね……小学生の頃、泳げなかったの」
女の子「ほんと?」
トレ「本当よ。私のお姉ちゃん達はねすごく泳ぎが上手かったの」
トレ「だけど、私もあなたと同じで水が怖くてね……」
トレ「海やプールに連れて行ってくれたけど、いつも遠くから見てるだけ……」
トレ「本当はお姉ちゃんみたいに泳ぎたいのに、意地張って……」
女の子「……」
トレ「泳げなくてもいいや!って思ったこともあったけど……」
トレ「やっぱり泳ぎたい気持ちのほうが大きいから、何もしないで終わるのは嫌だった」
トレ「だから、こっそりお風呂場で洗面器に顔つけたりして、少しづつ慣らしていったの」
トレ「そうしたら、だんだんお風呂もプールも変わんないなーって」
トレ「そのうちに、プールに入れるようになって、バタ足やクロールもできるようになったのよ」
女の子「……そうなんだ」
トレ「初めからなんでも出来る人なんていないの。 だから私も気持ちはよくわかるよ」
女の子「……」
トレ「今すぐたくさん泳げなくてもいいの。少しづつ、自分に合わせていけばきっと泳げるようになるわ」
女の子「……ほんとに?」
トレ「本当よ。泳いでみたいんだよね?」
女の子「うん」
トレ「じゃあ、大丈夫。だから、その気持ちは忘れちゃだめだよ?」
女の子「わかった……」
――――――――――――トレーナー室
P「なるほど……トレさんにそんなことが……」
マス「もちろん、それは水泳に限ったことではない。ダンスや歌、様々な部分であいつは努力を怠らなかった」
マス「素質の部分で言えば、私や他の姉妹の方が上だったかもしれない」
マス「だが、あいつは地道な訓練のお陰で、今では私ですら舌を巻くほどの動きを見せる」
P「全ては努力のなせる業ということか……トレさんらしいな」
マス「無論、それだけではない」
P「えっ?」
――――――――――――プール
トレ「いいかな? まずは、水に入らなくていいから、水を手ですくって……」
女の子「こう……?」
トレ「そう……それを少し顔にかけてくださーい」
女の子「……あぅぅ、つめたい」
トレ「目は閉じててもいいから、軽く閉じて。ぎゅーってつぶると余計に怖いですよー」
女の子「うん……」
トレ「じゃあ、お水かけますよー……ほら」
女の子「ひゃああ……」
トレ「どう?」
女の子「へいきそう……すこしはこわくないかも」
トレ「ふふふ、よかった」
女の子「ねえ……せんせー」
トレ「なあに?」
女の子「そこ……深くない?」
トレ「平気よ。多分、腰の上くらいかな?」
女の子「……」
ざぶん
トレ「えっ?!」
女の子「つ、つめたい……」
トレ「無理しなくていいんですよ?」
女の子「だいじょうぶ」
トレ「でも、すごいじゃない! やっとプールに入れたね?」
女の子「うん。せんせいみたいになりたいから」
トレ「私?」
女の子「前にせんせーがおよいでるのみて、すごくきれいだったし」
女の子「それみて、わたしもああいうふうになりたいなって」
トレ「そうなの……」
男の子A「おっ! すげー! プールに入れるようになったのか?」
女の子「えっ?……う、うん……」
男の子B「じゃあさ、いっしょにならおーぜ」
女の子「……いいの?」
男の子A「あたりまえじゃん! みんなで泳げるようになろーな」
女の子「うんっ!」
トレ(ふふふ、すごいなあ……子供は)
――――――――――――トレーナー室
P「なるほど……身近に明確な目標があるということが大事なんですね」
マス「トレは本当は好奇心旺盛な娘だ。ほんの少しだけ興味を持たせてやればなんでも出来る」
P「つまり、マスさんがトレさんの努力の源になってるわけだ」
マス「私はそれを意識したことはなかったがな。お陰でいつあいつが追いついてくるかヒヤヒヤだよ」
P「トレさんはやっぱすごいな。今度はアイドルのお手本になってもらう番ですよ」
マス「もちろん、目標は泳ぎやレッスンに限ったことではない」
P「と、言いますと?」
マス「例えば……恋もそうだな」
P「えっ? 恋の目標?」
マス「P殿は知らなくてもよろしい」
P「???」
――――――――――――後日、トレーナー室
マス「ふむ……」
P「マスさん、どうしたんですか?」
マス「例のスイミングスクールから連絡があってな、もう少しトレをインストラクターで借りたいと言ってきた」
トレ「えっ?!」
マス「どうだ? もう少しやってみるか?」
トレ「えっと……姉さんやPさんが許していただけるなら、やってみたいですが」
P「僕は構いませんよ。いつも迷惑をかけてますんで、トレさんがやりたいのであれば反対はしません」
マス「私も構わん。お前のことだ……それで普段のレッスンを疎かにはしないだろうしな」
トレ「ありがとうございます……でも、どうして急に?」
マス「オーナー曰く、お前の指導が高評価でな。入会希望が例年の倍に増えたそうだ」
トレ「そんな……私なんて……」
マス「しかも、入会者の大半は子供の父親自ら申し込んでくるらしい」
トレ「そういえば、お父さんたちの送り迎えが増えましたね……不思議です」
P(水着のトレさんなら、子供をダシにしても見たいだろうな……うらやましい)
マス「もちろん、受けるのは構わんがオーナーには条件を出した」
P「条件?」
マス「一日だけプールを我々のために開放してくれと頼んである」
P「それまた、どうしてですか?」
マス「水泳は有酸素運動としてはもっとも効果的な訓練だ。アイドルたちの基礎体力を付けるにはもってこいである」
P「それはつまり……」
マス「後日、プールでのレッスンを行う。P殿、君も参加したまえ」
P「僕もですか!?」
マス「嫌かね?」
P(待てよ……それって、トレさんから教えてもらえるのか?)
P「そうですね……僕も運動不足ですし、トレさんの指導があれば」
トレ「や、やだ!……Pさんたら……」
P(うほほーい! 天国じゃないかっ!)
マス「心配するなP殿。君は私が直々に訓練してやろう」
P「えっ」
マス「案ずるな。8時間もスペシャルレッスンをすればドーバー海峡ですら泳げるぞ」
P「え、えと……そこまでは……」
マス「水着の我らを間近に見ながら、水泳の特訓とは君も幸せものだな」
P(地獄しか見えない……)
おわり
※
これで終わりです。
水着トレさんが可愛くて勢いで書きました。
水着トレーナーさんは元画像が小さいので画質が荒くなってます。
ごめんなさい。
アイドル水泳特訓編は……考えてないや……
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