取引先様がエドラダワー飲みながら
「こういう最高の酒を最高の女と呑みながら、最高のセックスがしたいんですよぉ……」
と仰っていたところから着想したものです。
二週間くらいで書いてますが、正味作業時間は半日くらい
よろしければどうぞ
その店は、裏通りの路面店。一席分の幅に椅子四つばかりがやっと並んでいるという、狭苦しいカウンターにビニールテントがかぶせられた、今時珍しい、屋台のようなスタイルのバー。
実家で昔見たことのある、灯油の臭いのするオープンヒーターが足元をぬくめて、流れているのはスティービー・ワンダー。
「エドラダワーを」
「お飲み方は? ストレート?」
「ストレート」
「かしこまりました」
部屋着のようなスリーフ姿で、王様のレストランのような気取った仕草と、洗練された動作でサーブをこなすマスター。
僕が、彼が「今日はどのように? 甘いの? 甘くないの?」と聞く前に希望を出せばウィスキーとパターンが決まっており、僕がウィスキーを飲むときはストレートと相場は決まっている。
「どうぞ」
す……と差し出された、薫り溜まりのふくらみの付いたワンショットグラスに、加水用のキャップとスプーン。
蜜のような琥珀色のこの液体は、大粒の真珠のような甘さと裏腹に、58度の熱量を持つ。
社会人が平日から、そんなきつい酒を干していたらどうなるか、わかり切っている。
けれど、極上のシェリー樽の香りとクリームのような歯ざわりの良さが、タブーを超えさせる。
なにもストレートだけが上等なウィスキーの、最上の飲み方ってわけじゃない。けれど、こんな風に酔いたい時は、ストレートは最高なんだ。
破滅の味。まるで、日常まで毀してくれそうな。
「……少し、疲れたよ」
マスターはハンサムな顔で少し笑って、またグラスを磨き始めた。
今日はなにか、大きな問題があったわけじゃない。けれど、少し疲れてしまった。
それぞれの思惑とか、互いの人間関係とか、指示の交錯とか――目まぐるしい
繁忙の中で、そういうささらみたいなストレスがひっかかって、少し精神が荒れてたんだ。
柄でもなく、職場の中で感情を隠しもせずに怒鳴ってしまった。その時は間違っていたとは思わなかったが、今にして思えばみっともなかったようにも思う。
男なら、どんなに煩わしい思いをしたって、仕事は黙ってこなすものだ。
とくに女性の多い職場で、あんなふうにすべきじゃなかった。
「……ふう」
一息つく。マスターはグラスを磨き続けている。
その沈黙がありがたい。こんなふうに、一人で喉を焼きたい夜もある。
独り言をつぶやきながら、誰にもこたえてほしくないような夜が。
「もう一杯もらおうかな」
「はい、お飲み方は――――」
「ストレートでお願いします」
「――――おや、いらっしゃいませ」
僕じゃない、誰かが飲み方を答えた。
最後のひと口をくっと呑み込んだ瞬間に合わせたように。
おもわず、むせた。
その声で、その空気感で、こんなマニアしか知らない隠れ家に来訪した女性が誰であるのか、顔を観ずともわかった。
「ひとり?」
サーブされたエドラダワーをひと煽り。
組まずに揃えられた長い脚。上品なしぐさに、わかりきった問いをする美しい声。
「水臭いですね、プロデューサー」
彼女の白い喉を、58度の熱が通り抜けていく。
観てるワケじゃない。彼女の事は見なくてもわかるだけ。
「ひとりきりにはしないと――――それが私と貴方の約束でしょう?」
蜜のような芳醇な甘みを口に含むのは、彼女のまっすぐな問いにずっと目を伏せて、グラスの中の琥珀色を見つめている、情けない男だ。
「貴方が寂しい時だって、側に居させてくださいよ。じゃないと私、寂しいです。寂しさ二重スパイラルです」
「……なんすか、それ」
頬杖をついたまま、ちらっと流し目で彼女を見る。
互い違いの碧い瞳が、嬉しそうに笑ってる。
「あら。やっとこっち、向いた。フフッ」
「――――――……」
少し上気した頬で、クスクス笑っている。
あんまり綺麗だったから、思わず見とれた。
「……あんまり見つめられたら、穴が開いちゃいますよ。穴あき楓です」
苦し紛れに、貴女はアナーキー楓でしょう、なんて言おうと思ったが、面白くないと思って、引っ込めた。
人懐っこく笑ってる。悔しいけど、目が離せない。
目を奪われるって、こういう事を言うのだろう。
「でも、穴を開けたのは熱視線ではなく。プロデューサーのご自慢の」
「それ以上いけない」
――――だから、この店はひとりじゃないとダメなんだ。
彼女の香り、体温がすぐ感じられるほど近く。このお店の間取りは、紳士ぶるには狭すぎるんだ。
「貴方が寂しい時だって、側に居させてくださいよ。じゃないと私、寂しいです。寂しさ二重スパイラルです」
「……なんすか、それ」
頬杖をついたまま、ちらっと流し目で彼女を見る。
互い違いの碧い瞳が、嬉しそうに笑ってる。
「あら。やっとこっち、向いた。フフッ」
「――――――……」
少し上気した頬で、クスクス笑っている。
あんまり綺麗だったから、思わず見とれた。
「……あんまり見つめられたら、穴が開いちゃいますよ。穴あき楓です」
苦し紛れに、貴女はアナーキー楓でしょう、なんて言おうと思ったが、面白くないと思って、引っ込めた。
人懐っこく笑ってる。悔しいけど、目が離せない。
目を奪われるって、こういう事を言うのだろう。
「でも、穴を開けたのは熱視線ではなく。プロデューサーのご自慢の」
「それ以上いけない」
――――だから、この店はひとりじゃないとダメなんだ。
彼女の香り、体温がすぐ感じられるほど近く。このお店の間取りは、紳士ぶるには狭すぎるんだ。
「お姉さんにも聞かせてください、プロデューサーが何を感じているのか、知りたいです」
「お姉さんって……楓さん、僕より年下でしょ」
「約束を守らずにひとりでいじけて飲んでるプロデューサーくんよりは大人ですよーだ。みのもーんた」
「何キャラなんだよ、もう……」
「ウィスキーは、やっぱりストレートが、すきーですね」
「そのダジャレは古いってばよ」
「古いっ!?」
こんな他愛もない冗談を言い合うだけで、胸の奥に血が通う感覚がする。
―――ああ、もう、ダサい話だけど。
今夜は会いたくないと決めていたのに、逢えてしまうと、誤魔化しようもなく嬉しい。
「……きょうの僕は、かっこ悪かったですよね」
じゅる、と、ゆっくり唇の裏に溜めるように酒を含んだ。
粘膜が熱い。麻痺してきた脳に、じんわりと、ろくでもない胸中が浮き彫りになってくる。
空回って、あろうことかそのストレスを、楓さんにぶつけてしまった。
彼女はなにも悪くはないのに。
カッコ悪いところを見せたならまだしも、傷つけてしまったかもしれない。
「プロデューサー」
ふ、と、優しげに彼女は微笑む。
また、目を奪われていたら、彼女はそっと近づいてキスをした。
「――――ん……」
僕の唇に、不意打ちのような挨拶をひとつ。
少しだけ離れて、驚いた僕の目を見た碧色の瞳が悪戯っぽく微笑み、再び唇を交わす。
「ちぅっ……ちゅく……」
咥内を咥え、お互い同士を融け合わせはじめるような、少し深いキスになる。
粘着質な水音に、脳が惹かれる。
「……ん、ぷは……プロデューサー」
溺れるような息継ぎ。
浸食されるようだ、彼女に。
「もっと、酔いたいですか?」
58度のアルコール刺激を伝える、少し低めの35.8℃の平熱、吐息に、僕は釘付けになる。
もつと、酔いたい。酔う方法が、あった。
「……お会計で?」
「んっ……ちゅっ、く、ふっ……あっ」
むせかえるような彼女の匂い。喰らうように交わす唇。
情欲の激しさに、そろそろ買い換え時となってきたスプリングがぎしりと軋む。
「ぷはっ……プロデューサー……あんっ」
狂おしいほどに艶やかな肌。抱き締めると、折れそうなほど細い肩。
気持ちをぶつけるような拙い愛撫に反応する極上の肢体。
「く、あっ……はうっ!」
我を見失うほど、愛おしく。この愛おしさを、愛おしいという言葉以上に現すことが出来ずに、強すぎる乱暴になってしまうことがもどかしく。
「はっ……ふっ……プ、ロ、デューサー……」
服が皴になるのも構わず。髪が乱れるのを厭わず。
ひたすら舌で交わし続けた欲情を、そっと放すと、僕の両腕の間に彼女の顔がある。
蕩けるように潤んだオッドアイが、熱病のように火照った頬が。
もどかしそうに身をよじる、両脚のなまめかしさに、そのすべてをすぐさま、剥ぎ取ってしまいたい。
「……いい、ですよ」
彼女は柔らかく微笑み、僕の頭をその細くて長い両腕で、絡めとるように包んだ。
吐息が混じり、震える長い睫毛が、触れ合うほどに近くなる。
美しかった。すべてが。今更、言うまでもないくらいに。
この人が、たった一秒だけでも僕のモノになるのなら、この後の人生なんて、無くったって構わない。
そう思えた。
「貴方のしてくれる事なら――――私は、なんでも嬉しい」
ああ、僕はどうして――――
これほどまでに、彼女に守られているんだろう。
ホットパンツを脱がし、黒いパンツストッキングを剥いていくと、薄暗い部屋の中で、光るように白い生脚が露になっていく。
「う、わ」
その感触とまぶしさに、思わず声を上げてしまった。
膝を通り抜けて下腿へ。絵に描いたような長い脚は、自然と肩の上に担ぐような格好になる。
引きちぎるように足首からストッキングを抜き、邪魔にならないところに放り投げた。彼女から外れた布なんかに興味はない。僕はもう、楓さんしか見えていない。
「はっ……はあっ……はあっ……!!」
足首のくぼみに舌を這わせ、ふくらはぎを、膝裏を、太腿を、唇でなぞりながらゆっくり降りていくと、下腹に到達したとき、楓さんの息遣いが荒く、短くなっているのを感じた。
――期待しているんだ、彼女も。
薄緑色の、意外と可愛い色をした下着の淵、生肌との境目を指でなぞる。
楓さんの吐息が大きくなっていく。やがて、布ではカバーしきれない、潤みを持った部分にたどり着く。端っこに指を挿し入れると、何の抵抗も無く、にゅるっと侵入できた。
「ふぅっ……! あっ!」
くちゅっ、と、下着にまだ隠されたままの、彼女の秘裂の中で人差し指を蠢かす。
小刻みな動きでほぐしてやりながら、左手で秘処を下着の上から押さえると、じゅくっ、と、沈んだ。
熟れた蜜のように、もうすっかり濡れている。
「ぐっ、ふうぅっ……!! く、あ、ああんっ……!!」
ぐい、と、中に入っている指を2本に増やして、えぐるように上壁をひっかける。眉を悩ましそうに寄せた楓さんが枕を掴み、快感に堪えるように結ばれた白い歯が、唇の間から露になる。
「いっ、いやっ! そ、れ、待って……待って、く、だ……ああんっ!!」
左手の親指でクリトリスを擦ると、抗議するように楓さんの両脚がばたつき始めた。
受話器でも挟むように、肩と耳で彼女のしなやかな脚を粗雑に抑えつけ、クリトリスを刺激しながら、くちゅくちゅと膣内を往復すれば、彼女は高まっていく。
僕は口の中に溜まっていく唾を飲み下しながら、その単純な行為に没頭した。
「いっ、あ――――っ!! ……っ……!!」
じわっ、と、下着に大きく湿った感触が広がる。
楓さんはつま先をぴんと硬直させ、浮かせた腰をびくんと波立たせた。
「あっ……はっ……はあっ……ん」
痙攣が終わり、楓さんを愛撫からいったん開放すると、彼女はベッドに沈むように全身の力を抜いた。
弛緩した肢体から、強い女の香りがした。荒い息を吐く、どこかうつろな横顔。オフショルダーの肩紐がずれて、より煽情的に見せる、上気した肩と鎖骨。性感にもがいた跡がうかがえる、覗いたくびれと臍。陰毛が透けるほど濡れた下肢。
「あ……んっ……」
必死さを押し殺して、僕はぐっしょりと濡れそぼった下着を、彼女の脚から抜き取った。
彼女は、自分の顔を両腕で覆いながらも、受け入れるように腰を浮かす。
ぬめる質感は、見ただけでわかった。脱がした下着に、すでに白い汁が混じる出来上がりように、ぼくは声を出すのを必死で堪える。
す……と、脚を開かせる。絶世の美女が乱れた着衣はそのままに、無防備な秘処を煽情的に、僕の身体の下で晒している。
「はーっ……はーっ……!」
楓さんは、挿入の予感に明らかに興奮していた。
荒い息遣いを繰り返すその姿に、よほど、すでに触れなくても出てしまいそうなほどいきり立った僕の象徴を、衝動のまま突き込んで食い散らかしてやりたかったかわからない。
「あっ……!? い、いやっ!?」
けど、僕は、もっともっと、楓さんが追い詰められていく姿が見たかった。崩れてゆくのが見たかった。
「だっ、だめっ……やんっ! それは、だめ、です……っ!! 汚いっ、ですっ、からぁ……っ!! おふろ、はいってから……はううっ!!」
ぢゅっ、と、楓さんの潤み切った秘処に口を付けて、両腕で太腿を抱き込んでがっしりと固定する。
抗議の声は、無視した。
僕のすることならなんでもうれしいと、言ってくれたのは貴女だから。
「だめっ、だめっ、だめえ……!! あっあっあっ!!」
頭を押しのけようとする両手に構わず、ずるずるとすするように、僕は唇をクリトリスに吸い付かせ、軟らかく舌でつつく。楓さんのそこは、ほとんど匂いも無い、気を付けなければわからない程度の塩味がするだけ。
唇を突き出す僕は、さぞかし間抜けな表情だろうが、関係なかった。
痛みを感じない圧迫を、彼女の一番弱いところに与え続ける。
「いや、あっ――――!!」
ビクン、と最初の痙攣があった。波打つように何度か痙攣する。甘く達したのだろう。
圧迫される太腿の圧力に構わず、僕は一定の刺激を与え続けた。
「え……!? いっ、いやっ!? あううっ!!」
戸惑いの声を挙げた彼女を、僕は愛撫し続けた。
腰と脚が暴れだすが、自分でも驚くほどの力強さで、彼女を押さえつける。
厳しいレッスンに裏打ちされた彼女の力は、細身からは意外なほど強い。それでも、僕の汚い欲望の方が、よっぽど強い。
僕に押さえつけられながら、彼女はもがく。頭を振る。針でつなぎ留められた蝶のようだ。
「だ……だめ! それ、ほんとにだめですっ……!! おかしくなるっ、へんに、なっちゃうっ……あああっー!!!!」
彼女が白い喉を顕わにしてひときわ大きく叫ぶと、全身の力がどっと抜けて、嬌声が止まった。
口の中を溢れさせる大量の愛液で、僕は彼女の絶頂を悟った。
「――――っ……!!」
ごくり、と、唾ごとそれを呑み込み、拳で乱暴に口元を拭い、楓さんの腰を掴んでひっくり返す。
腕力で強引に腰をひき付けて、しごく必要も無いほどガチガチに昂ったそれを、楓さんの秘処に合わせた。
「あうっ……まって、まだっ……はううっ!!」
緩慢な抵抗を見せる彼女を、強引に奪う。
「あっ、くっ、うっ……んああっ……・!!」
ずるうっ、と、奥までひと貫きしただけで、彼女は絶頂し、がくがくと震えながら、掻きむしるようにシーツを掴んでいた。
「はうっ……あんっ! あっ、あっ、ああっ……!!」
脱げたチェニックはくしゃくしゃのまま、両腕に絡ませておいた。
あらわになった白い背中を見ながら、楓さんの身体を後ろから乱暴に突く。
背の高い楓さんには、かなり脚を開いてもらわないと、腰の高さが合わない。それが却って、ひときわ被虐的な格好を彼女に取らせることになる。
両手の支えが使えないから、楓さんは頭を枕に押し付けるしかない。
「はぐっ……あっ、あっ……うあっ!」
まるで無機質な人形のように、ピストンに合わせて揺れる髪や肩が、獣欲を掻き立てる。
この白いうなじに、首輪をつけたいと思った。
ベルトを巻いたらそれっぽいかな、なんて妄想しながら、覆いかぶさるように、右腕を首に回す。
左手の指を咥内に突っ込んで、フェラをさせるみたいに口の中を犯す。
こうしていると、まるで自分が肉食のけだものにでもなったかのような錯覚を覚える。
「あ――――っ!!」
押さえつけられながら、彼女は何度目かの絶頂をした。
胎のなかが痙攣しているのが、ペニスを通って伝わる。
「はうっ!!」
肘裏を掴んで上半身を起こすと、より深いところに入った。
ペニスは破裂しそうなほど充血しきっている。彼女の細い肢体なら、その硬さだけで支えられるような気がした。
さすがに、そんなことが無理なのはわかっているが。
「あ゛あっ!! だ、め……もうっ、わたしっ、壊、れっ……ああっつーっ!!」
理性の擦り切れていく、悲鳴のような嬌声を挙げる彼女を一心不乱に突きながら、どこか冷静に、その身体を見下ろしていた。
うっすらと肋、背骨と肩甲骨の浮き出る細い背中。美しい顔を頭を垂れるように振り乱して、聴くものすべてを惚れさせるはずの声は濁っている。
べろーっと、背筋に舌を這わすと、電流が通ったように楓さんの肢体はビクビクと震えた。それでも、拘束され串刺しにされる彼女は僕の為すがままだ。
右腕を胴に回して支え、左手で顎を少し上向きにさせ、開かせた唇に、再び指を挿し入れる。
どうせなら、姿見の前ですればよかった。この姿、映しながら犯したい。
「犯してって言ってください」
「は、ひっ……おかしっ、てっ……わたしのことっ、犯してっ……!!」
ぞくぞくと嗜虐的な欲動が背骨から頭のてっぺんに昇る。再び、彼女をベッドに押さえつけた。
「やっ、ま……っで……イって、ます……もう、イって、ますぅ……!!」
ぱちゅん、ぱちゅんと、結合部から生臭い音が響いて、アナルは剥き出しに見えている。
股から滴って至る所に飛び散っている愛液を適当に親指に塗りたくり、尻を鷲掴みにしながらつつくと、第一関節のあたりまでぞぶっと挿入ってしまう。
「あ゛、うッ!!」
楓さんの肢体が跳ねて、膣内がギュッと締まった。
左手の人差し指と中指で、舌を引っ張り出すように愛撫する。
「はひっ……へ、えっ……!」
空気の抜ける様な声を出し、よだれを垂らす。尻の穴を貫き差しされながら、愛液を垂れ流し、シーツを汚す。
その様を見て、とめどなく精気が湧いてくる。
時に、この世のものでは無いかのように美しく感じるときがある楓さんが、当たり前に血の通った、生身の女であることを実感できるからだ。
「あー……出る……」
「っ!!」
そう呟いて、再びのしかかる。ずしっと体重を預けた時、楓さんの身体がビクンと跳ねるのがわかった。
「出しますよ……!!」
「っ!! っ! っ~~っつ!!」
這わせるように身体を密着させ、音を立てながらピストンを繰り返す。
耳元で囁いたが、枕でくぐもった返事は聞こえない。
その代わり、楓さんの頭が、こくこくと何度も頷くのがわかった。
「ぐおっ……!!」
「――――っ!! っ! っ~~っつ!!」
激しい勢いで、精液が前立腺から尿道を飛び出ていくのがわかる。
三度、四度と大量の射精をしながら、楓さんの胎内にしごき出すようにピストンした。
思わず、楓さんの首筋に歯を立てていた。脳を麻痺させるような、楓さんの匂いが僕を満たした。
「――――ひぎ……っつ」
ペニスをずるりと引き抜くと、ぷしゃッ、と、楓さんの膣から潮が噴き出た。
放心状態のまま、互いの汗や涎や分泌物でぐしゃぐしゃになっているシーツに崩れ落ちる。
泥のように弛緩した、美尻を突き出す反った細い腰を見下ろすと、抜いたばかりのペニスと睾丸に、ぐつぐつと血が送り込まれるのが分かった。
「ああんっ……はー、はーっ……うああっ!!」
僕に跨った楓さんが一心不乱に腰を振っている。
服を絡ませたままの両腕を頭の上に掲げてもらった。こうすると、彼女の極上の肢体を余すところなく眺められるから。
僕のネクタイを目隠しにして巻き付けた。こうすると、彼女はもっともっと、乱れてくれるから。
「はうっ!! ぐううぅ……っつ!!」
腰骨の感触のする細い腰を掴んで、タイミングを合わせて腰を突き込むと、彼女は引き付けを起こしたような嬌声を出す。
筋肉の筋の浮く下腹部が、びくびくと波打つのがわかる。両腕を突っ張って体重を支えることができないから、されるがままだ。
膣内はバルーンのように膨らんでおり、それほど強い刺激を感じない。その代わり、亀頭にはコリコリとした子宮の感触が、少し痛みを感じるほどにはっきりとわかる。
「はううっ……あううううーっ!!」
コリッ、コリッ、と、子宮を亀頭の先で転がし続けてやると、楓さんは涎を垂らしながら、白い喉を晒して喘ぎ狂う。
へっ、へっ、と、まるで犬のような呼吸を吐きながら、白い身体が躍っている。うっすらと腹筋の浮く、おへそから鳩尾にかけての、滑らかなライン。隠すことも出来ず晒している腋。汗ばんだ髪の毛は口元にへばりついて、目隠しをされてもわかる美しい顔が、理性を見失ってよがっている。
拘束と目隠しで僕の上で腰を振らされるその姿は、まるで性奴隷にでも墜ちたかのような錯覚がある。
前に着てもらったことのあるセーラー服はまるで現役の女子高生のような倒錯感を覚えたが、この光景は非日常的な背徳感を僕に覚えさせ、癖になりそうだ。
「あっ、やっ……むぐうっ!?」
その凄絶な色っぽさに、僕は衝動的に押し倒していた。軽すぎる彼女の身体は簡単にひっくり返り、正常位の形となる。
勢いが強すぎて、スポっと逸物が抜けてしまったので、そのまま楓さんの顔に馬乗りになって、フェラをさせた。
「ぐ、えぅっ……!! ぐふっ! んぐっ、む、く、ふううっ……!!」
ほとんどイラマの勢いで、深く、楓さんの顔が赤くなり咳き込むまでゆっくりと進め、耐えきれずえづいたところで抜き差しする。僕と彼女の、互いの分泌物を隅々まで舐めとらせる。
自分の快感と征服欲しか考えないインサート。それでも楓さんは舌を這わせるのを止めようとしなかった。
「ぶはっ! は、ふうっ……んむっ! あ、むぁ……むく、ちゅ、はむっ……」
ペニスを楓さんの咥内から引き抜き、彼女の唇にむしゃぶりついた。しょっぱさと少しの生臭さは僕の精液かもしれないと思ったが、構わず彼女の舌を吸った。
ぴちゃぴちゃという水音が慣れ始めたころ、僕は彼女の目隠しをそっと解いた。
「はーっ……はーっ……」
目隠しの下のオッドアイは、情欲に染まり切った、たまらぬ潤んだ瞳をしていた。
その瞳を眺めながら、吸い込まれるように、キスを交わす。そうしながら、両腕の拘束を解く。
自由になった長い腕を、僕の首元に巻き付けてきた。
「はーっ、はーっ……ああん……」
「……楓さん」
「は、い……ああうっ!!」
耳元で囁きながらずぶずぶと陰茎を沈みこませる。
子宮が降りてずいぶんと底の浅くなった彼女の膣内は、簡単に一杯になる。
「ああっ……あなたのが……いっぱいになって、もうっ、駄目ですっ、もうっ……」
じわりと、粘膜を馴染ませるように、動かさずに呼吸を合わせると、彼女は長い肢体を僕に絡みつかせて昂っていく。
火照り切った35.8℃の熱が、僕のすべてを肯定していた。
どんな強い酒よりも、理性を奪う。たとえ明日を棒に振ったとしても、飲み尽くしたくなる。
「楓さん」
「はい……あっ」
「……僕は、どうしたらいいですか」
楓さんの頭を抱え込む。
もう決して逃がさないように。
「――――壊してください」
僕が彼女を捕まえたのか、彼女が僕を囚われにしたのか、それはわからない。
わかる必要も無かった。お互いの温度と生臭さだけで、あとは、言葉はいらなかった。
「ひっ! う、あっ、あっ、あっ!!」
長い脚が僕の腰を絡めとっている。彼女の首より太い僕の腕が、彼女を乱暴に拘束する。
ぎしぎしという規則的な音とともに、お互いの獣じみた吐息が混じる。
果ては、近い。
「楓さんっ……くっ……」
「はっ、はいっ……はむっ、んっ……!!」
腰からすべての力が抜けていきそうだ。あやふやになりつつある意識で、お互いの唇を貪る。汗と涎に塗れながら。
「ぷ、ろ、でゅー、さー……」
荒く濡れた吐息を耳元に零しながら、楓さんが何かを囁いてる。
それだけで、達してしまいそうだ。
「はあっ、ああっ……!! な、かっ、に……」
「……!!」
「なかに、だして……」
掠れる様な声を引き金に、僕の理性はついに焼き切れた。
暴力的なほどに腰をぶつけて、彼女を掻き抱く。彼女の全身から力が抜け、けれど肉体は僕の膚に絡みつき、膣内は別物のように熱く。
「ひっ! う、あっ、あっ、あっ!!」
長い脚が僕の腰を絡めとっている。彼女の首より太い僕の腕が、彼女を乱暴に拘束する。
ぎしぎしという規則的な音とともに、お互いの獣じみた吐息が混じる。
果ては、近い。
「楓さんっ……くっ……」
「はっ、はいっ……はむっ、んっ……!!」
腰からすべての力が抜けていきそうだ。あやふやになりつつある意識で、お互いの唇を貪る。汗と涎に塗れながら。
「ぷ、ろ、でゅー、さー……」
荒く濡れた吐息を耳元に零しながら、楓さんが何かを囁いてる。
それだけで、達してしまいそうだ。
「はあっ、ああっ……!! な、かっ、に……」
「……!!」
「なかに、だして……」
掠れる様な声を引き金に、僕の理性はついに焼き切れた。
暴力的なほどに腰をぶつけて、彼女を掻き抱く。彼女の全身から力が抜け、けれど肉体は僕の膚に絡みつき、膣内は別物のように熱く。
「で、るっ……!!」
「っ!! ――――――ッツ!!」
なけなしの声で彼女に終わりを告げると、楓さんは力を振り絞るように、僕の身体にしがみついた。
触れられているすべてが、快感だった。
「あっ!! ああッ~~――――………」
僕の精子が噴出していくのと、彼女の肢体が短く跳ねたのは、ほとんど同時だった。
体のエネルギーをすべて放出するような幸せな倦怠感の中、僕と彼女は混ざり合うように快感の闇に落ちていった。
「――――……楓さん、水飲みます?」
「……飲みますぅ……」
「……体、起こせます?」
「むーりぃ……」
奪い合うような情事の後、30分以上もベッドでだらだらと二人で抱き合っていた。
彼女が水を一人で飲めないというから、彼女の身体を起こしてやって、ペットボトルをその唇にあてがう。
……酔っぱらった時の、彼女を介抱するときのようだ。
いや、酔ってはいるのだが。
「むっ……んーっ……」
……こくこくとされるがままに喉を鳴らす楓さんが、まるで赤ちゃんのようだ。
少し上を向かせると、自分の腕の力と腹筋で身体を支え切れなくなるのか、ぷるぷると震えだす。
立ちバックの時に、後半で震え始める彼女の太腿がフラッシュバックされて、僕にされるがまま水を飲まされる彼女の唇に色気を覚えて、ぞくりとした。
「……」
切れ長の流し目が一瞬、僕を見た。
ちゅぷ、と、ペットボトルを離した唇が、おもむろに僕の唇を奪った。
「んむっ……!? ごくっ……ん…」
「ふあっ、むっ……はふ、ぇろっ……ん……」
彼女の体温で生ぬるくなったミネラルウォーターを流し込まれ、口の端から零れ落ちる。そのまま彼女の舌は僕の咥内をねぶり、脳髄まで舐めまわされるような濃厚なキスにかわる。
その感触に、触れられてもいない僕の愚息は、瞬く間に精気を取り戻していく。
「はむっ、ちゅっ……ぷは。ふふっ……元気になっちゃいましたね。プロデューサー」
ぷはっ、と、口を離した楓さんの細い肢体は僕にしなだれかかり、僕の愚息に指を絡ませた。
それだけで、僕の腰はびくりと跳ね、感触でわかる程の、大量の血液が流れ込んだ。
「……さて、これから……どうしましょうか……?」
とろりとした眼差しと囁き声が、僕の脳みそを融かした。
この後、僕は会社に電話して、やりたいこともやらなければいけないこともすべてキャンセルして、誰にも邪魔されない空白の一日を作るだろう。
すべてを麻痺させる35.8℃の甘苦いメープルは、どんな極上の蒸留酒より、濃厚に強烈に、僕の理性を奪うのである。
……ふう。
ありがとうございました。もうちょっと楓さんにしゃべってもらえばいいと思った。
エロ的な作品は、ミナミィを縛って焦らすヤツと、奏とキャバクライメージプレイをするヤツとがストックであります。
……ミナミィ縛る奴がなぜか何時まで経っても完成しねえ。
明日から一週間モスクワなので、これから荷造り始めます。俺より強い奴に仕事のついでに逢いに行く。
今まで書いたのは
・【モバマス】高垣楓「君の名は!」P「はい?」
・周子「切なさ想いシューコちゃん」
・速水奏「ここで、キスして。」
などです。
・P「付き合って2か月目くらいのlipps」
最近、pixiv様で今まで書いたやつをまとめ始めましたので、よろしければご覧ください。
https://www.pixiv.net/novel/member.php?id=15257491
……転載作業ぜんぜん進んでませんのでね、帰国したらやります、すいません……
お目汚し、失礼いたしました。
このSSまとめへのコメント
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