選手「現在0ー1で負けているけど……このままなら予選を突破できる……」
選手「どうするか……」
天使「結果こそ全てです! このまま時間を潰しましょう!!」
選手「おまえは……俺の中の天使!?」
選手「そうだな、俺たちは代表なんだ……試合に負けてでも、勝負に勝つべきで……」
悪魔「けっ、そんなのが代表か!? 攻めろ、攻めろ!!」
選手「おまえは……俺の中の悪魔!?」
選手「でも、そうか……情けない試合をするわけにもいかない……」
選手「くそっ……どうすれば……」
選手「そうだ!! ここでセーブしておけばいいんだ!!」 ポチッ!!
現在の状況をセーブしました。
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選手「よーし、このまま時間を潰すぞー!!」
選手「やっぱり代表だし結果出すべきだもんな!!」
………………。
『試合終了ーー!! 途中から露骨な時間稼ぎにより、大ブーイングの中敗北!! しかし予選突破をものにしましたーー!!』
選手「ふう……良かった」
選手「観客は大ブーイングだったけど……予選突破のために試合しているわけだし普通のことだよな」
選手「次に進まないと次にいいサッカーをすることもできないし」
選手「本意ではないけど……まあ成長していく中での一つってことで」
<試合後>
選手「次の試合に向けて集中しないといけないけど……」
選手「どうしても聞こえるよな……」
コメンテーターA「こんなことするなら負けた方が良かったですね」
コメンテーターA「あんな試合、恥ですよ、恥!!」
コメンテーターA「私はこんな国に生まれたことが恥ずかしい!!」
コメンテーターB「いやーよく我慢したと、賞賛したいですね」
コメンテーターB「批判覚悟でこの作戦を選んだのはすごいことだと思いますよ」
ネット民A「いや、これは仕方ないだろ。勝負なんだし」
ネット民A「そういうルールがある以上、この作戦は有りだろ」
ネット民B「がんがん攻めた結果負けるのはいいんだけどさ……なんというか……素直に喜べないわ」
ネット民C「くだらない試合……高校生の試合か?」
ネット民D「正々堂々戦って欲しかった。これは無いわ」
選手「批判する人もいれば……擁護する人もいる……」
選手「やっぱり代表なんだからちゃんと戦ってほしかったって意見も分かるし」
選手「それでも勝ちたかったんだって気持ちを汲んでくれる人もいる……」
選手「うーん……でも」
選手「批判の方が多いか……?」
選手「よしだったらちょっと戻ってみるか!」
選手「お望み通りちゃんと戦ってみようじゃねえか!!」
セーブデータをロードしました。
<試合中>
選手「……よしっ、戻ったな!!」
選手「勝つぞ、勝つぞ、勝つぞ!!」
選手「時間は十分ある!! 逆転も狙える!!」
選手「最悪でも1点入れれば引き分けで堂々と予選突破できるんだ!!」
選手「行くぞ!!」
………………。
『試合終了ーー!! 残り時間少ないながら得点を狙い猛攻を仕掛けるも、カウンターで点を取られ破れましたーー!! 予選突破ならず!!』
選手「くっ……相手が一枚上手……いや元々格上だったんだ」
選手「俺たちの焦りから生んだミスに付け込まれて失点……」
選手「でも……最後まで堂々と戦ったんだ」
選手「悔いはない」
<試合後>
選手「敗退したし帰る準備しないとな」
選手「でも……ちょっと時間あるし、評判を見てみるか」
選手「批判ばかりだったのも讃える内容になってるだろうな」
コメンテーターA「あっぱれ!! よく最後まで戦いきった!!」
コメンテーターA「実は最後、時間を潰せば予選突破できる可能性もありましたが……そのような勝利に意味はありません!!」
コメンテーター「卑屈な勝利よりも誇りある敗北です!!」
コメンテーターA「私はこの国に生まれたことを誇りに思いますね!!」
コメンテーターB「いや、でもあそこは我慢するべきだったですね」
コメンテーターB「プライドを捨ててでも勝利に徹する……それもまた求められるものだったはず」
選手「おっ、やっぱり。Aの方は俺たちの戦い方を賞賛しているな」
選手「でもBの方は……元々時間潰しに理解してた方だったし、この結果を残念に思っているか」
選手「さて、ネットの評価は……」
ネット民A「あそこはやっぱり時間潰して、目先の試合より勝負を取るべきだっただろ」
ネット民A「あげくのはてにカウンター食らって……無いわ」
選手「こいつは……理解ある方だったし、こんな感想になるのも仕方ないか」
選手「でも他のやつは……」
ネット民B「がんがん攻めてそのせいで負けるとか………なんというか……すなおに喜べねえわ」
ネット民C「くだらない試合……高校生の試合か?」
ネット民D「正々堂々戦ったせいで負けてアホだろ。これは無いわ」
選手「…………あれ?」
選手「こいつら……元の世界では時間潰しを攻めてたやつらだよな?」
選手「なのに……どうして正々堂々戦ったのに、それを攻めてるんだ?」
選手「もしかして……こいつら……」
選手「ただ叩きたかっただけ?」
選手「………………」
セーブデータをロードしました。
おしまい。
この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。
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