閉校後の誰かのありそうなモノローグです。すぐ終わります。
初めてこのサイト使うのでやり方よく分かってません、許してください何でもしますから(何でもするとはいってない)。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1529520567
石段を駆け上がった季節の色はカラフルだった。
緑になって、紅くなって、時に空の色が見えたりした。
それでも変わらないものがあった。
私たちのそばにずっとあったもの、というよりは私たちのそばにずっとあってくれたもの、支えてくれたもの。
石段の向こう側にはいつも青があった。
久しぶりに石段を駆け上がる。
きつい傾斜と、昇っても終わりが見えない石段に脚と心臓が悲鳴をあげる。
よくもまあ、こんな所を毎日のように走ったものだと感心する。
一番上から見る景色、これも変わらなかった。一点を除いて。
南にあるあの場所に、もう色は無い。
私たちの塗った色が中に閉じ込められて、温かいまま残っている。はず。
外側からそれを見ることは出来ない。
色んなものがさようならと私から、私たちから離れていった。
青いまま駆け抜けた日々は、物としては何も残してくれなかった。
思い出だけが、私の胸の中に残ってさようならを言わなかった。
きっとそれが、私たちが残せたものなのだろう。
そんなことを、思った。
自己満です。ありがとうございました。
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