【ミリマス】ウソノワタシ、ホントウノワタシ (8)

4月1日、765プロライブ劇場の控室で、それは起きた

昴「あ~あ、暇だな~」

海美「暇だね~」

アイドルの永吉昴と宇宙に飛び出した可愛いアイドル高坂海美はやることがなく、だらだらしていた可愛い

昴「野球さえ…野球さえ奪われてなかったらさ、暇つぶしも出来たのにな~」

海美「そだね、でも野球やったら琴葉に怒られちゃうし」

昴「そうなんだよな~琴葉、怒るとすっげー怖いし」

海美「うんうん、すっごく怖い!」

琴葉を怒らせた記憶が蘇り、思わず震える二人

どうやら相当怖い目にあったらしい

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しかし噂をすればなんとやら

琴葉「おはよう海美ちゃん、昴ちゃん」

音も気配も無く、二人の後ろに田中琴葉が現れた

昴「ひい!こ、琴葉!?」

海美「お、おはよう琴葉!」

琴葉「うん、おはよう」

話の内容が内容だけに思いっきりビビりながら琴葉に挨拶する二人

そんな二人を、琴葉は笑ってみている

良い笑顔です

琴葉「実は今日は二人に朗報があるの」

海美「ろーほー?」

琴葉「うん、実はね…」

昴「ごくっ…」

琴葉は一度言葉を切り、二人の反応を窺う

…そして口にした言葉は

琴葉「今日から、控室での野球を解禁することにしたの」

昴「え!?」

海美「ほんと!?」

琴葉「もちろん本当」

昴「やったやった!海美、早速キャッチボールしよ!」

海美「うん!グローブ取ってくるね!」

琴葉「ふふ、二人とも、楽しんでね」

妖しげな笑みを浮かべて控室から立ち去る琴葉

しかし海美も昴も、そして誰も

その笑みのもたらす悲劇に、気付くことは出来なかった

それから少し経った頃

琴葉(今日は4月1日、エイプリルフール…今年は騙されないようにしないと!)

さっきまで劇場にいたはずのアイドル、田中琴葉は何故か外から劇場に向かって歩いていた

そして劇場に到着した琴葉は、控室に向かい扉を開ける

琴葉「おはようございま…」

ヒュンと風を切る音がして、琴葉が固まる

扉を開けながら挨拶をした琴葉の顔のすぐ横を、ボールが通過したのだ

昴「あ、ごめん琴葉、大丈夫?」

琴葉「昴ちゃん」

声をかけてきた昴に、琴葉は最高の笑顔を見せる、そして…

琴葉「ちょっとそこに正座してくれる?」

昴と、そして一緒にやっていた海美も控室野球罪で正座させられ、そんな二人を琴葉が見下ろしていた

琴葉「それで?海美ちゃんと昴ちゃんが何をやっていたのか、しっかり教えてくれる?」

ちなみに琴葉、満面の笑みである

昴「その…控室でキャッチボールしてました」

琴葉「うん、なんで?」

海美「暇だったから…」

琴葉「うん、それで?」

「「ごめんなさい」」

琴葉「…はあ~」

海美「で、でも今日は琴葉が野球やって良いって言ったのに!」

昴「そ、そうだよ!それなのにオレ達が怒られるのは理不尽だ!」

琴葉「私が?私、今さっき劇場に来たばかりなんだけど…二人とも、エイプリルフールだからって嘘を吐いてない?」

昴「!?でも確かに琴葉が言った!」

海美「うん!言った!」

琴葉「…?」

一体どういうことなんだろう

目の前の二人が嘘を言っているようには見えず、琴葉は困惑する

一体何が…?

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