周子「嘘つき達の昼飯前」 (17)
モバマスSS、台本形式です
エイプリルフール記念(?)ということで周子とPの嘘つくお話です
次から投稿していきます
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周子「……」グデー
モバP(以下P)「……」カタカタ
周子「…………」グデー
P「…………」カタカタ
周子「……Pさん構ってよー。折角早起きして午前中に来たのに暇でしょうがないよ。これじゃあ三文どころかちっとも得しないし」
P「仕事は夕方からだっていうのに、スケジュールを間違えたお前が悪いんだろうが」
周子「あー、そういうこと言う?!そんなこと言うPさんなんてキライ!」
P「」
周子「まあそんなの当然嘘なんだけどね……って、あれ?Pさん、なんで白くなってんの?!」
P「」マッシロニモエツキタゼ
周子「嘘だよ嘘!今日はエイプリルフールじゃん!だから戻ってきてー!」
P「……あ、そうか、今日はエイプリルフールか……。よかった嘘で……ホント良かったわ……」
周子「こっちもPさんが戻ってきて良かったよ。一体どうしたのかと思った」
P「担当アイドルに嫌われることほど辛いことはない……」
周子「あー、なるほどね……。あたしPさんのこと割と好きだからさ、そこは心配しなくていーよ」
P「それも嘘じゃないだろうな……?」
周子「ちょっと疑心暗鬼すぎない?!」
■
周子「さっきのはやりすぎだったけど、嘘ついて遊ぶの楽しいかも。折角の機会だし遊んでよ」
P「仕事しながらでも良ければな」
周子「実はあたし京都出身じゃないんだー」
P「この前紗枝はんと一緒に京都の旅番組に出て、思いっ切り地元トークしてただろうが」
周子「凄い楽しかったよ!またああいう番組に出れたらいーなー」
P「また取ってきてやるから楽しみにしてろ」
周子「やった!」
周子「実はあたし週休8日なんだー」
P「毎日色んなとこから引っ張りだこの人気アイドルだけどな」
周子「そこは優秀なプロデューサーがいますから!」
P「それも優秀なアイドルがいてこそだけどな」
周子「実はあたし狐の妖怪で人間に化けてるんだー」
P「お?そうなのか。じゃあ尻尾はここら辺に隠れてるのか?」
周子「セクハラ」バシッ
P「すんません」
周子「全く、もう。許可もしてないのに勝手に触らないでよ」
P「許可があったら触っていいの?」
周子「セクハラ」バシッ
P「すんません」
周子「実はあたし和菓子が嫌いなんだー」
P「そうなのか。この前上等な羊羹貰ったから一緒に食べようと思ったけど、それなら独り占めしよう」
周子「待って、嘘だから!エイプリルフールだから!」
P「給湯室の上の戸棚の三段目に置いてあるから取って来い」
周子「やったー!」
■
周子「羊羹美味しい」ハムハム
P「それはなにより」
周子「次はさ、エイプリルフールってことで逆に今まで嘘ついてたのを告白するんだけどさ」
P「うん?なんだ?」
周子「こっちでPさんに拾われた時に『家出中だー』って言ったけど」
P「言ってたな」
周子「あれ実は嘘で、ホントは親公認で東京へ一人旅に来てたんだー」
P「え?そうなのか?」
周子「という設定に塩見家ではなっており、家出してた事実は抹消されてる」
P「嘘だろ?!」
周子「お互いに失敗を認めたくなくて……ね……?だから実家では不自然なほど家出の話題は出ないでしょ?」
P「嘘だと言ってくれよ!闇が深すぎるだろ……」
周子「まあ嘘なんだけどね」
P「嘘なのかよ!」
周子「だって今日はエイプリルフールだよ?嘘に決まってるでしょ」
P「嘘でよかった……安心した……。家族の仲が不穏な塩見家はいなかったんだな」
周子「結果的には家出のおかげでPさんという良い人に拾って貰えたからね。変な空気にならないよう、お互いに話題に出してないだけだよ」
P「なんだ、そういうことか……。嫌に実感がこもった言い方するから結構焦ったぞ」
周子「……と、Pさんの前だけでは暗黙の了解でそういう設定にしている」
P「最後に怖い話みたいなオチをつけるな!どっちが本当だか不安になってきたじゃねーか!」
周子「大丈夫、今日はエイプリルフールだよ」
P「安心できる要素が一つもないんだが……。一体どれが嘘なんだ……最初から嘘であってほしい……」
■
P「じゃあ次は趣向を変えて、こっちが嘘をつく番な」
周子「どうぞー」
P「実は私、女性だったんだー」
周子「えーー、そうなのーー?」
P「そうそう。全然女性っぽくないから恥ずかしくて秘密にしてたの」
周子「へーー、そうだったんだーー」
P「だから周子の着替えを偶然目撃しちゃっても全然問題ないんだ」
周子「なるほどね!じゃあ、その時は股の下を思いっ切り蹴飛ばしても問題ないよね?」
P「ごめんなさい、嘘です。だから蹴飛ばすのだけはやめてください!」
周子「なーんて嘘々。あたしもそこまで無慈悲じゃないって」
P「エイプリルフールのおかげで助かった……」
周子「元々Pさんが変な嘘つかなかったら問題なかったんじゃないの?」
P「……それもそうだな……」
■
ポーンポーンポーン
周子「あ、十二時の鐘が鳴ったよ!いい時間だし、お昼連れてってよ」
P「キリの良いとこまで終わったらな」
周子「えー……まだ待つの?退屈だよー」
P「奢ってやるから。もうちょい待っててな」
周子「それも嘘?」
P「いやこれはホント」
周子「やったー!ちょうどお寿司が食べたい気分だったんだ!」
P「ちょ、待て!嘘だろ?!」
周子「いやホントのつもり」
P「それは嘘であってほしかった……」
■
周子「Pさんお仕事まだ終わらないのー?」
P「ホントにもう少しだから、これだけやったら終わりだから」
周子「えー、じゃあまだ嘘ついて遊ぶね」
P「おぅ、どんとこい!」
周子「実はさー、あたし出会った当初から割とPさんのことがライク的な意味で好きだったんだけどさ」
P「おっ、そんなこと言ってくれるなんて嬉しいぞ」
周子「今は異性として好きなんだよね。ラブ的な意味」
P「……」
周子「家出なんてしてたあたしと本気で向き合ってくれてさ。そんで、こんな煌びやかな世界の頂点まで連れてってくれたんだから、そりゃまあ惚れるに決まってるよね」
P「…………」
周子「……なーんてね。あれ、奏ちゃんの口癖が移っちゃったかな?」
P「…………周子、知ってるか?エイプリルフールは嘘をついていいのは午前中までなんだぞ」
周子「え?そうなん?」
P「そうなんだよ。あと。笑えないような嘘もついちゃダメなんだ」
周子「へー、そうだったんだ。初めて知ったわ」
P「だからもう今日は嘘ついちゃダメだぞ。特にそういう嘘はな」
周子「……えー?じゃあさっきのは実はホントってことにしちゃおうかな?」ニヤニヤ
P「……ニヤつきながらそういうこと言うのはやめなさい。男はバカだから直ぐに本気するぞ」
周子「本気にしてくれてもいいんだけど?」ニヤニヤ
P「周子」
周子「……冗談だってば冗談ー。それよりお仕事はもう終わった?あたしお腹すいたーん」
P「丁度終わったから飯食いに行くか。先に出て車を出してくるから、準備ができたら外出てこい」
周子「はーい、じゃあお寿司屋さんまでよろしくね?」
P「……さっきの嘘じゃなかったのかよ……」
周子「だって午後になってから言ったでしょ?嘘ついていいのは午前中までだし♪」
P「……してやられたわ。金もおろしてくる」
周子「よろしゅーこ♪」
P「あ、そうだ、周子」
周子「ん?なに?出る直前で忘れ物でもした?」
P「俺も周子のこと、割と好きなんだぞ。…………なんて、嘘だけどな」パタン
周子「……」
周子「……嘘ついていいのは午前中だけじゃなかったんかい!」
周子「……どんな顔してご飯食べにいけばいいのさ……全く、もー!」
おわり
以上です、ありがとうございました
周子と一緒に4月馬鹿を楽しみたい人生だった……
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