三文役者【ミリマスSS 】 (11)

琴葉「おはようございます。」

可憐「琴葉さん、おはようございます。」

琴葉「おはよう可憐ちゃん。あれ、何だかいい香り。」

可憐「あ、分かりますか?アロマポットです、家から持って来たんですよ。」

琴葉「それでなんだ。可憐ちゃんアロマ好きだったよね。」

可憐「はい。じ、実はこれ、プロデューサーさんからのプレゼントなんです。」

琴葉「……へえ。」

可憐「ま、前にARRIVEの公演が成功した時のお祝いにって。いいって言ったのにわざわざ買ってきてくれたんです。こ、こんな事にお金使わせてしまって、申し訳なかったですね…。」

琴葉「ふーん(ガラガラ)」

可憐「あ、あの琴葉さん。窓開けたらまだ寒いですよ。それにその、もしかしたら盗撮されるかもだから、そこは開けるなって…。」


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琴葉「ああごめんね?ちょっと、空気を入れ換えたくて。」

可憐「…」

琴葉「けどそういう所、プロデューサーは本当に気遣い出来るわよね。可憐ちゃん、あんまりプロデューサーに負担掛けたら駄目よ?いくらプロデューサーが『みんなを』『平等に』大切にしてるからって。」

可憐「は、はい。気をつけます…」

琴葉「まあ、私も可憐ちゃんと似たような経験あるから、あんまり偉そうには言えないけどね。」

可憐「こ、琴葉さんがですか?」

琴葉「うん。千早ちゃんや恵美達と公演した時にちょっと。その頃はまだ、今ほどステージに慣れてなくて。緊張が酷くて、不安でいっぱいになってね。それでつい、プロデューサーに弱音吐いちゃったりしたの。」

可憐「そ、そんな事が。琴葉さんも最初からちゃんと出来てたわけじゃなかったんですね…」

琴葉「もちろんよ。そしたらプロデューサーが随分心配してくれて、色々気遣ってくれて。本当に申し訳なかったわ。」

琴葉「大丈夫って言うのにわざわざ『毎日』送り迎えしてくれたり、お仕事行く時と終わった時にメールくれたり。それも目に留まりやすいようにって、わざわざプライベート携帯の方にね。ちゃんと仕事用のも持ってたのに、申し訳ない事しちゃったわ。」

可憐「……そうですか。」

琴葉「ええ。でも、家に上がって両親とあれこれ話をしたり、ご飯まで食べていった時にはさすがにちょっと恥ずかしかったかな。」

可憐「……」

琴葉「ふふ。そうそう、それでね。その時お母さんったら『もし万一アイドルが上手くいかなかったら、責任を持って娘を引き取ってやってくださいね』なんて言ったのよ。酷いと思わない?」

可憐「…ですね。」

琴葉「ほんと、あの時は恥ずかしかったわ。お父さんもプロデューサーに『琴葉の事、どうか末永くよろしくお願いします』なんて挨拶するし。参っちゃったわ。」

可憐「……あ、あの。」

琴葉「ほんと、困った両親よね…ん、何?」

可憐「で、でしたら琴葉さん、プライベート携帯でプロデューサーさんと毎日メールのやり取りをしてたんですよね?」

琴葉「そうだけど。」

可憐「プロデューサーさんって、そういう時はどんなメールくれるんですか?ちょっと、気になります。」

琴葉「どんなって、別に普通のやり取りよ。仕事は大丈夫だったのかとか、今日のレッスンはキツくなかったかとか。」

可憐「そ、そうですか。担当アイドルになら『誰にでも』あげるような『普通の』メールなんですね。」

可憐「それなのに『私には』プレゼントなんてくれたんですね。申し訳ない事しちゃいました…」

琴葉「……」

琴葉「そういえばそのアロマポット。私、どこかで見たような気がするのよね。」

可憐「え?」

琴葉「どこだったかしら。そうだわ、恵美のブログに載ってたやつとそっくり。」

可憐「あ、ありましたね。恵美さんもアロマ好きなんだなって、ちょっと、嬉しかったです。」

琴葉「そう言えば恵美から聞いたけど。あれって自分で買った訳じゃなくて、誰かからの貰い物だって言ってたような気がするわ。それって可憐ちゃん?」

可憐「え?いえ、違いますけど。」

琴葉「そう。じゃあ誰だったかしら…そうだ、思い出したわ。プロデューサーよ。」

可憐「え?」

琴葉「そうそう。たしか誰かのロケのお仕事に同行した時、プロデューサーがせっかくだから記念にっていくつか買った分を、恵美が貰ったって言ってたわ。」

琴葉「あれ。じゃあそのアロマポットって、もしかしてその時の余り物なのかしら。」

可憐「…」

琴葉「だとしたら、プロデューサーも案外ずるいわね。前に買っておいた分を特別なプレゼントみたいな感じで渡すだなんて…ねえ?」

可憐「……何が言いたいんですか?」

琴葉「別に。可憐ちゃんを『勘違い』させるなんて、プロデューサーも酷いなあって。」

可憐「……」

琴葉「……」



静香 「……」

静香「アドリブで演技の練習とは聞きましたけど。ここまでドロドロなのやる必要はあったんですか?」

可憐「ご、ごめんなさい。つ、つい調子に乗っちゃって。」

琴葉「せっかくの練習だもの、普段やらないような事をした方がいいでしょ。でも可憐ちゃん上手だったよ、まるで本心で言ってるみたいだったから私もつい熱が入っちゃった。」

可憐「あ、ありがとうございます。琴葉さんが本気でやってるって分かりましたから、私もついていかなきゃって、それで…」

静香(なんか、どっちもすごく意味深に聞こえる…)


琴葉「それじゃ、次は静香ちゃんやってみようか。さっきみたいな修羅場というか、険悪なのでお願いね?」

静香「分かりました、やってみます。」


琴葉「じゃあ私が控え室に入ってくる所からね…おはよう。お疲れ様、静香ちゃん。」

静香「琴葉さん!うどんより蕎麦が好きだと言ったそうですね、どういう事なんです!」

可憐(あ、これ駄目なヤツっぽい。)

おしまい。お目汚し失礼致しました。
静香のうどん好きエピソードがミリシタに全然無いので、早く披露されますように。

ガチかと思った、乙です

>>1
田中琴葉(18)Vo/Pr
http://i.imgur.com/8iH4EFK.jpg
http://i.imgur.com/nWx3NuB.jpg

篠宮可憐(16)Vi/Fa
http://i.imgur.com/5TtX7iZ.jpg
http://i.imgur.com/Ub56yCi.jpg

>>5
最上静香(14)Vo/Fa
http://i.imgur.com/elElgN9.jpg
http://i.imgur.com/mnKtKib.jpg

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