【安価】クリエンテスとパトローヌス (506)



この世界の生物は何かしらの目的を持って生きている。

君もまた大きな目的を持って生きている。

目的の一つをを果たす為、君はこの世界の何処かで動くだろう。


……願わくは長く生き残る事を。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520080957


[戦い方の説明]


2D10(コンマ2桁)で判定し、どちらか好きな値を用いることが出来る。

最初に選んだゾロ目が出た場合、必ず良い結果が出る。
(ティオニクスの場合は偶数ゾロ、22,44,66,88,00)

出た値が自分のGP以上であれば攻撃成功。

同じ場合は、武器の攻撃値だけ相手の闘力を削る。


超えた場合、超えた分を武器の攻撃値に上乗せして、相手の闘力を削る。

超えなかった場合は、その攻撃が防がれたか、空振りした扱いになる。


相手と交互にこれを繰り返し、闘力が0以下になった時や目的を達成した時に勝敗がつく。

……しかし、君はいつでも戦う事を放棄することが出来る。



[追記]


簡易戦闘の場合は1D10(コンマ一桁)で判定する。

その結果に応じて、自軍敵軍の負傷度合いを決定。

闘力、TP、GP、特殊技能を含めた戦力差によって有利判定が増える。


―【登場人物まとめ】


【ティオニクス】

このスレにおける主人公。地方領主。

父が急逝した事により若くして領地を継ぐ事になった青年。

有能な人材が複数居るが、どいつもこいつも癖のある人材ばかり。


【ルチア】

才気溢れる女従者。

彼女が主人に対して毒を吐くのは特別な思いがあるから……なのかもしれない。

年齢は25歳、得意料理は鳥肉のスープ。努力は人に見えない所で隠れてする主義。


【ドミニク】

変装と造園が趣味の男従者。

主人を驚かせる事に並々ならぬ熱意を見せる。

変装の実力は女性であるルチアに化けてもバレない程。

年齢は27歳、得意な料理は豚肉の香草焼き。薔薇や植物の品種改良を秘密裏に行う。


【ディアナ】

軍属の弓兵。

彼女の所属している支援軍は市民権の無い者で多数構成されている。

金銭や経済支援を彼女へ行う約束で現在は主人公の従者として働いている。

年齢は若いが戦闘員としては十分な能力を持つ。弓で狙撃させたら10発7中ぐらい。

料理は全然得意じゃないけど丸焼きだけは上手。



【ミリス】

太陽神ミトラを崇める男性信者。

主人公をミトラ神の生まれ変わりと同一視しており、たびたび『主』と呼ぶ。

一歩間違えれば狂信者だが、意外と常識は弁えていたりする。

ただし、主人公に対して敬意が見えない者に対しては途端にやべーやつと化す。

年齢は20代後半、得意な事は悪を滅する事。好きな言葉は「戦、崇拝」。


【モルドー】

力自慢の領民。

長い間蓄積された経験によって肉体労働はお手のもの。

彼が居る事によって捗った作業は数知れず。称賛されなくとも仕事はきっちりこなす。

加工する木材を調達する時によく怪我をするので身体に生傷が絶えない。

年齢は40近く。得意な事は肉の解体と家具の作成。


【ゴラン】

鋭い直感を持つ元奴隷。

領地を訪れていた奴隷商に安くない金額を払って解放した。

生きる事への執念は凄まじく、他者が苦境で死のうとも自分だけは生き延びようとする。

年齢は30に差し掛かる。得意な事は物理的な苦しみに耐える事。


【アルベルト】

気弱でのっぽの領民。

体格の割におどおどした様子が多く常に周囲を気にしている。

そういった部分とは別に物覚えがとても良く、人から聞いた話を全然忘れない。

年齢は19歳。好きな事は土弄りと狭い空間を作る事。


【ウルリッヒ】

川から流れて来たお尋ね者。

訛りが強い喋り方で人に馴れ馴れしい態度を取る。

現在、領地内の多数からあらぬ嫌疑をかけられている模様。

年齢は24~30位に見える。好きな料理は魚のフライ。



―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 1週 (17/28)

・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に物資の調達をする

・領地東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・人材は最大10名まで。現在の数は「9名」


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中

・東の櫓は南よりも景色が良い

・領地の中心に「目安箱」が存在する

・南方にメッサーラ家の領地がある

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―農地++ 【?】
南―荒地+++ 【?】
南東―焼野原


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓

北東―牧歌的な村
南東―灰に塗れた地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【!】 商隊が領地に訪れている
【?】 陣地構築中 〔22ターン前後に完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


―【特殊技能】――――――――――――――――――――――――――――

※「征伐」(せいばつ)

・自分と他数名を引き連れ、近隣の敵勢力に攻め込む。
・戦闘で死亡判定が無くなる。戦力差に応じて有利判定が増える。
・消費TPは「TPの最大値分」


※「替玉」(かえだま)

・他者に変装して成り代わる。
・変装の出来は自身の顔に特徴が無い程高くなる。
・消費TP「10点」


※「気配遮断」(けはいしゃだん)

・空気と同化して自身の気配を消す。
・1対1の時は身を隠してからでないと使えない。
・消費TP「6点」


※「逃走」(とうそう)

・戦闘中であってもその場から逃げる。
・消費TP「0点」


※「猛追」(もうつい)

・攻撃判定を3D10で行う。二刀闘士以外であっても、3つ全てで攻撃を行う。
・それぞれの判定に「-1」の修正を加える。
・自分の攻撃判定が「GP以下」だった場合、更に「+1点」の修正を加える。
・TP消費「9点」

【例】――――――――――――――――――――
19:44:49.62
     ↑9の数字まで適用。
――――――――――――――――――――――



※「狙撃」(そげき)

・遠方からの射撃によって敵を射貫く。
・自軍の有利判定を問答無用で一つ広げる。
・消費TPは「最大TPの半分」


※「企図」(きと)

・これを所持する者が判定に関与するとき、「微~少量の+修正が働く」。
・ブレ幅は主導者のやる気に大きく左右される。
・消費TP「5点」


※「開錠」

・戦闘では使用できない。
・時と場合によってはどんな鍵でも開けられる。
・消費TPは「2点」。


※「調教」

・生き物を従順になるよう躾ける。
・ちょっと練習させれば、領民でも乗れます。
・消費TPは「最大値の半分」。


※「差配」(さはい)

・どんな判定でも「結果を1つ繰り上げられる」。
・戦闘では使えない。
・消費TPは「最大値分」。


※「統率」

・戦闘に参加すると「3%」の補正が別にかかる。
・これを持つ者が複数いても、重複はしない。
・消費TPは「最大値の4分の1」。

※「特攻」(とっこう)

・防御を捨てて敵に突撃する
・互いの攻撃が終った後、追加攻撃の機会を得る。
・消費TPは「最大値の50%」


※「聖戦」(せいせん)

・神に仇なす敵を排除する。
・互いの判定が終った後、防ぐ事の難しい追加攻撃を倒れるまで行う。
・消費TPは「最大値の90%」

――――――――――――――――――――――――――――――――――



『今までのおさらい』



「牧歌的な村に似つかわしくない、【覆面の村長と腐敗した貴族を抹殺する】と約束した」


「【領主様は】私が居ないと本当に【ダメ】ですね。もっと頑張って下さいませ」


「領地に湧いた【石油を売って大きな収入を得る】ことが出来ました」


「【経済的余裕は生まれましたが】、屋敷での生活は【毎日胃痛が】絶えません……」



「おお【主】よ! 何故貴方はかようにも【神々しい】のでしょうか! 御身に仕えられる今を、私は生まれてきて良かったと存在意義を


「もう【若ぇ奴だけでいい】んじゃねぇか?」


「【面倒事】をこっちに振るのは止めr……【止めて下さい】マジで」


「成長する機会なんてほとんどありませんよ! 僕は戦闘員じゃないんですから!」


「馬車馬のように【働け言うんは】勘弁してくれへん? ……と言うか【従者のお前がやれや!】」



「……」 (こうして考えても、僕の中では既に決まっている)

「よし!」


購入する物を決めた君は商人に顔を向けた。


「お決まりでしょうか?」

「『エルキナ』。彼女を買おう」

「よろしいのですか? 金貨3枚を支払うだけの価値が――」

「勿論だ。それだけの価値はあると思った」

「しかしよく考えて下さい領主様」

「なんだ? ドミニク」

「たかだか1人の労働力を手に入れる為に金貨3枚。これは馬鹿にならない出費でございます」

「それだけの金銭があれば、領地を長く維持する事も出来ましょう」

「………」 (やけに食い下がるな……)


君の従者は奴隷を購入する事に反対している。

どうにかして彼を納得させたいが……


……君はどんな理由でドミニクを説得する?



―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――

①―「相手は貴族だぞ? ここで手に入れておけば後で何かが返って来る筈だ」

②―「彼女を妻とする為だ! そこに口を挟むのは従者であろうと許さん!」

③―「悪い主人に買われていくなら、いっそ自分の所に置きたいと思ったからだ」

④―「好きに使って良いと言ったのはドミニクだ。僕はその通りに動いているだけさ」


⑤―自由記述 〔2D10で奇数ゾロ目なら悪い方向、それ以外ならいい方向へ解釈〕

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 【2D10で低い方採用】



君はよく響く声で自分の意見を口にした。


「相手は貴族だぞ? ここで手に入れておけば後で何かが返って来る筈だ」

「しかしそれが返って来なかった場合について、それは考えていらっしゃるのですか?」

「仮に貴族としての”戦略的価値”がなくても、彼女の”戦術的価値”は揺らがない!」

「そこまで仰るとは――」


―――



「へくちっ!」

「………」 (誰かが私を貶している気がしますわ……)



「貴族という立場を使えなくとも、彼女の能力は十分」

「僕はルチアやドミニクにも劣らないとさえ考えているぞ」

「………」

「解ってくれるか?」

「はい。私奴からはこれ以上申しません」


ドミニクは君の熱意に負けたようだ。

微笑を浮かべた顔でこちらを見ている。



「商人! 『彼女』を買うぞ!」

「お買い上げですか? 毎度ありー!」

「しばしお待ち下さいましー」

「いやっほー! ティオニクス様ばんざーい!」


商人達は大喜びだ。

高値の商品が捌けたことで気が楽になったのかもしれない。



君の前まで連れられてきたエルキナは目をぱちくりとさせている。

本当に私を買うの? といった顔だ。


「金貨3枚……確かに!」

「後はお好きなようにどうぞ~!」

「これで貴女は今日から私の――」

「コレですの?」スッ

「……違います」

「あら、残念ですわ」


話を遮るようにエルキナは小指を立てた。

君は脱力しながら、彼女に向かって否定の言葉を返した。



「ふふっ……冗談はさておき、改めてよろしくお願い致しますわ」

「ええ、こちらこそ」

「ところで普段は【なんとお呼びすれば】良いのかしら?」

「ご自由に」

「では、【貴方様】と――」

「それだけは止めてくれませんか。何だか嫌な予感がします」

「仕方ありませんわね」

「なら【ティオニクス様】か【領主様】のどちらかで呼びますわ。どちらが良いかお決めになって」

「………」

「私は別に【貴方様】と呼んでも構いませんのよ?」

「………」 (ルチアが何故かよく解らない理由で怒りそうだな……)



領主という立場上、君には外聞というものがある。

大した問題では無いが、ここで君がどんな判断をするか知っておきたい。


……君はどれを選ぶ?


↓2 選択肢



「名前でお願いします」

「……ティオニクス?」

「少しばかり砕けすぎなのでもう少し――」

「では【ティオニクス様】とお呼びします」

「ええ、そうして下さい」

「あまりしっくり来ないのですけれど」

「………」 (妙な呼び方をされて困るのは僕だからな……)


商談が終った君達は屋敷へと帰る。

道中、彼女にいくつか話を振って反応を確認してみた。

ドミニクは貴族が理由なのか、少々やり難そうだったのが印象に残っている。


彼女を受け入れた事で領地はどのように変化するだろう?

……今の君には解らない。



【中間報告】


「領主様、報告致します」

「う、うむ。今日はルチアか」

「今週は量が多いので、途中途中で区切る場合がございます。よろしいですね?」

「どんとこいだ」

「領地で捉えた【あの女から】行きましょう」

「反抗的な態度を示すものの、我々の邪魔をする素振りはなし」

「【不穏な集団については】――」

「既に【存在しない】事を確認しました。北東の村で聞いた話と相違ありません」

「………」 (連中は潜んでいたのに、村長はどうやったのかが気になるな……)



「先週と同じく【領地東と南では防御陣地を構築中】。竈神ウェスタの月には【完成する予定】です」

「【陣地構築の方針に意見】がございましたら、【モルドー、ゴラン、アルベルト】の3人に申し付けて下さい」

「ああ。解った」

「次は目安箱に入っていた領民からの声(笑)を読み上げます」

「何か変な風に聞こえたんだが……」

「気のせいでございましょう」

「………」 (嘲るような、悪意をルチアから感じた気がする……)

「『報復はしない。もう出来ない。何故なら我々はこの世に居ないからだ』」

「『なぜ俺達が消えなければならない! お前達さえ居なければ! こんな事には……』」

「後は領民からの声です」

「どう違うんだ……」

「さあ? 何が違うんでしょうね」

「『強欲な人間。傲慢な人間。狂いたるはいつも権力者』」

「『最近、雨が全然降りません。どうしてでしょうか?』」

「『やけに大がかりな作業を行っているようだな。噂がこちらにまで届いているぞ』」

「『町が消えるほどの災害。水と火に気を付けろ』」

「なんか変なのが混じってないか?」

「以上で目安箱に入っていた物は最後です」

「………」 (これは領民が本当に入れた物か……?)



「最後に領主様。あの方について私に申し上げる事はございませんか?」

「うっ」

「ご ざ い ま せ ん か ?」

「す、すまない」

「女ばかり選んで厭らしい……」

「誤解だ! 彼女はれっきとした――『貴族であり、能力が十分ある』」

「そう仰りたいのですか?」

「……その通りだ」

「なら――」

「?」

「なら! 女性を選ばなくてもいいじゃありませんか!」

「一体どうしたルチア!?」

「ああもう嫌! これだから領主様は大嫌いです!」

「どう反応すれば良いんだ……」

「男女の選択権があるのなら、【男を選べば良い】んです!」

「えぇ……」

「報告する事はもうございません! 失礼します!」

「あ、ちょ、待っ……行っちゃった」



ルチアはぷんすかと怒りながら部屋を出て行った。

いつもと明らかに違う彼女の様子に、僕は困惑しっぱなしだ。



【自由行動】


君は余暇を利用して何かしらの行動を起せる。

知らない人間はどうしようもないが、知っている人間ならばどうとでも出来る。

貴族の家を訪ねる事や、領地で催し事なんかも出来るだろう。


……どんな行動を起こすのか教えてくれ。


下1~3 自由記述 〔2D10で低いの採用。数値が高い程良い〕

 ※主人公以外の行動指定もやろうと思えば出来ます。



「エルキナ、エルキナは居るか」ガチャッ

「きゃっ!」

「も、申し訳ない!」


君はエルキナを探す為に屋敷の扉を片っ端から開けていた。

何とも運が良……いや、運の悪い事に彼女が着替えている場面に遭遇してしまう。



「……」 (白くて綺麗な……)

「どうぞお入りになって」カチャ

「へぁっ!?」

「どうなさいましたの? ティオニクス様」

「いえいえ! 何でもありませんのでお気になさらず!」

「?」


脳裏に焼き付いた彼女の肢体を反芻していた君は、素っ頓狂な声を上げて後ろに飛び退く。

エルキナは不思議そうに君を見ていたが、部屋へ入るよう促した。


……下着姿を見られたのに、平然としているのは婦女子として如何なものか。



「あぁ、その、着替えを覗くつもりは……」

「その事なら別に気にしていませんわ」

「えっ」

「私は人が入ってくるとは思っていなかった。だから驚いただけですの」

「むしろ、ティオニクス様が女性の身体に興味があると判って私は嬉し――」

「そ、そういえば!」

「……何です?」ニコー

「きょ、今日は貴女に相談があって来たんです!」


妙な事を口走ろうとしていたので、君は唐突な話題転換を図った。

水を差された彼女は、君の事をとてもいい笑顔で見ている。



「我が領地は先代から受け継いで、それほど期間が経っていません」

「どうにかして発展させようと尽力しているつもりなのですが…『結果がそこまで出ないから困っていると?』」

「……はい」

「想像通りですわね」

「………」 (領地を見て気付いたのか、それとも単なる直感か……?)

「【何をどうしたいのか】言ってごらんなさい」

「では……貴族生活で得た貴女の知見をお借りしたい」

「構いませんわ。何でも聞いて下さいまし」


……君は自信満々な彼女に何を聞く?



―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

②―「食糧難はどうやって防ぐべきか、不作だった年はどのように対処しているか」

③―「災害による被害を軽減する為、どのような事業を行っていたのか知りたいです」

④―「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが、領民以外の者が
     使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」

⑤―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」


⑥―自由記述

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 〔2D10で低い方を採用。数値が高いほど良い結果に〕

2+6=8


「食糧難はどうやって防ぐべきか、不作だった年はどのように対処していたのか」


「ふぅむ」


「………」 (どんな答えが返って来るやら……)


「そうですわね……【対価】を払う代わりに、食料を【余所から融通】して貰っていました」


「なるほど、【近隣の領地や商人から】買い付けたりでしょうか?」


「そう、大体その通りですわ」


「………」 (思ったよりも普通だ。【もっと変わったやり方】があるのかと思っていたが……)


「参考になったかしら?」ドヤァ


『私の話は役に立つ内容でしょう?』 と言わんばかりのキメ顔でこちらを見ている。

肩透かしを食らった気分だったが、彼女の顔を見た事でそれも吹っ飛んだ。


……彼女を見ていると、なんだか毎日退屈はしそうに無いなと僕は思った。



「そも、そうならないように備蓄する食量は長持ちする物を優先します」


「湿気や虫の被害を受けない食糧庫なんかに、収穫した穀物を【毎年一定量備えておく】とか」


「前々から準備するという事ですね?」


「その通りですわ」


「では【それが無い】、もしくは不作の時はどうすれば?」


「それこそ【先に言った通りのやり方で調達】する。【後は】……」


「後は?」


「……そのどれもが駄目だったら【略奪を行う】のも止むを得ないでしょう」


「そうならないのが望ましいですね……」


「上に立つ者は、時として【人から奪わなければならない時】もありますわ」


「………」 (【あの集落はそうだった】と言えるのか……?)



ただの領民相手だったらあそこまで派手にやっていただろうか。

野盗という事実がありはしたが、彼等を消すだけの大義が自分にはあったのか。


……駆け巡る思考の中、君は罪の意識に苛まれた。



「………」


「悩むのは大事な事」


「悩んで、悩んで……その結果生まれた物は、何物にも代えがたい経験になるでしょう」


「その回数や機会が多ければ多いほど、自分が成長した事を実感できる」


「――かもしれませんわ!」キリッ


「………」 (さっきまで真面目な顔だったのに一瞬で説得力が消えた……)


「さぁ、何でも聞いて下さいまし!」


……君は自信満々な彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

②―「世継ぎは何人ほどが――」   エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

③―「災害による被害を軽減する為、どのような事業を行っていたのか知りたいです」

④―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

⑤―「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが、領民以外の者が
     使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」


⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 〔2D10で高い方を採用。数値が低いほど良い結果に〕



「災害による被害を軽減する為、どのような事業を行っていたのかが知りたいです」


「うむぅ」


「………」 (表情が豊かだなぁ……見てて飽きないや)


「どうかされました?」


「あっ、いえ!」


しげしげと眺めていたら彼女に何事かと聞かれた。

本人に向かって愉快な顔ですねとは言えない。


……君はそれとない返事を彼女に返した。



「……雨による【増水】は、【川の分岐点】を作ったり【水門を作る】事で、能動的な【水量調節】を行っていました」


「へぇ」 (水門か……かなり大規模になるけど、出来たらさぞかし見栄えが良いだろうなぁ……)


「【日照り】続きの時は【雨乞い】をしておりました」


「雨乞い?」


「はい。三日三晩【お祈りを天に捧げる】というものです」


「えっ」


「ああネプトゥヌス様。このままでは私を含めた領民全てが野垂れ死ぬ事になるでしょう」


「涸れた川と私達をどうか水で満たして下さいまし」


「御身に慈悲の心があると言うのならば、どうかその力を振るって頂けないでしょうか……!」


「――と、このような暗唱を何度も繰り返します」


「そ、そのような事を?」


「苦労のかいあってその日から2日間はずっと雨でしたわ!」


「……ハハ」 (神様もこんな脅迫じみた事を言われたくは無いだろうなぁ……)


苦笑いを彼女へ向けながら君は心中でそう思った。


……しかし、さっきの言葉は本気で言っているようだ。

意外と彼女は信心深い性格なのかもしれない。



「得てして、神という存在は私達の生活と密接な関係にあります」


「烏合の衆である人間が、こうやって強固な集団を形成するのもひとえに神あってのもの」


「神が居るからこそ私達は存在する。そう言っても過言ではありませんわ」


「そこまで言いますか……」


「国のトップが神に連なる者と自ら吹聴して回る程ですから、それも当然ですわ」


「なるほど」


確かにそういった背景があると思うと、なんだか神聖な気がしてくる。

よく解らないけどその人物の話は聞こう、と思ったりもするのだろうか。

でもそれは、虎の威(神)を借りている(騙っている)事にもなる気が……。


……いや、国の始まりを否定する事にもなりかねない。これ以上は止めておこう。



「こうして生きている以上、災害が起こるのは仕方のない事……」


「そんな理不尽だからこそ人間は抗うのでしょうね。。実に美しいと思いますわ」


「………」 (抗う、か……僕が今生きているのは父さんが居たからこそかもしれない)


「難しく考えても、駄目な時は駄目ですけれど」キリッ


「えぇ……」 (感動してたのに……さっきもそうだけど落差が激しすぎる……)


「さぁさぁ! どうぞ何でも聞いて下さいまし!」



……君は自信満々な彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

②―「世継ぎは何人ほどが――」   エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

③―「領地間での付き合いはどの程度に留めていますか?」

④―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

⑤―「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが、領民以外の者が
     使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」


⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 〔2D10で高いの採用、同値なら先に書いたの。数値が低いほど良い結果に〕

5+7=12


「我が領地では目安箱という物を設置しているのですが――」


「領民以外の者が使っているような気がしてなりません。これは何に気を付けるべきでしょうか」


「ふむむ」


「………」 (真剣に悩んでるんだろうけど、どこか間が抜けてるように見えるなぁ……)


「可愛い」ボソッ


「今、なにか仰りました?」


「いえ、なにも」


「そうですか……」


「………」 (うっかり声に出ていたようだ。気を付けないと)



「その事についてですが、考えられる点が幾つかあります」


「1つ目は【外の人間が】知らないうちに、この領地に【入り込んでいる】可能性」


「誰かによる【単なる悪戯】に過ぎないのかもしれませんが――」


「入っていた【内容によって】は、【冗談では済まない】でしょう」


「……」 (野盗が入れていたあれは、まさにそうだろうな……)


「2つ目は【領地の人間に】潜在的な【不満を持った者がいる】可能性」


「不満?」


「ええ、【貴族は】誰しも知らず知らずのうちに【敵を作る】もの」


「【そういった輩】の中には、足を引っ張ってやろうと思う者もいるでしょう」


「生憎ですが、【自分に心当たりは無い】のですが……」


「そんなの【嘘】ですわ」


「えっ」


「嘘をつくならもう少しマシな嘘をつきなさい」


「………」 (何故こうも断言できる……?)


彼女の射貫くような視線に君はたじろいでしまう。

それを言葉に表すなら、高貴な人間が生まれ持つ”風格”という物か。



「最後はそもそも【前提が間違っている】可能性」


「前提が、間違っている……?」


「そうです」


「ティオニクス様は【領民以外が使っている気がする】と仰りましたね?」


「…? えぇ、確かにそう言いました」


「どうしてそう思ったのですか?」


「目安箱に入っていた【内容が変】だったからで……」


「それですわ」


「えっ」


「深く聞きましょう。【どうやって】その情報を【知りえた】のですか?」


「それは、報告に来た従者が……」


「もしもの話をします。その【従者が偽の情報を言っている】としたら?」


「………」


「【信頼していると言うのは勝手】ですが、【誰もが正直にモノを話す訳では無い】事を胸に刻み付けなさい」


「でなければ、要らぬ傷を負いますわよ」




「………」 (ルチアやドミニクが……? そんなのあり得る筈がない!)


「上に立つ者にとって従者とは家族ではありませんの。従者はあくまでも従者」


「酷かもしれませんが、最悪のケースは考えるべきです」


「…肝に銘じます」


「よろしいですわ。他に聞きたい事は?」


「………」 (まだ何かあっただろうか……)



……君は彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」

②―「世継ぎは何人ほどが――」   エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

③―「領地間での付き合いはどの程度に留めていますか?」

④―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

⑤―「ありません。ありがとうございました」※終了

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 〔2D10で低いの採用、同値なら先に書いたの。数値が高いほど良い結果に〕


①―「戦火の気配がした時、事前にどんな準備をしていましたか?」


「まずは【情報の真偽】を確かめます」

「憶測で動く訳にはいかないからですね?」

「その通り。それが本当ならば――」

「次は【武器の調達】。何も用意出来ない人間には最低限の装備を支給します」

「……こちらが出せる限りの範囲で支援するべきでは?」

「余計な支出を出すのは、領地の未来を潰す事と同義ですわ」

「ですが、それで負けては元も子もない」

「きちんとした練兵を行っていない人間に、重武装を貸し与えた所でどうなりますの?」

「………」

「なるほど」 (殆ど無いよりはマシな程度だろうな……)


君は彼女の意見に不満を覚えた。

それはおそらく、自分が人を見捨てられない性格だからか。


……彼女は切り捨てる事を徹底しているように思える。




「他にも気を付けることがあります」

「なんでしょう」

「【食料の管理】ですの。補給を絶たれては戦もままなりませんから」

「最重要と言っても過言ではない?」

「勿論。もしも冬場の戦で食糧を焼かれたりしたら――」

「領民は飢えて死にますね……」

「そういう事ですわ」

「……具体的にどういった方策を?」

「やる事は単純。【1に分散、2に利便性、3に高床式倉庫】」

「1と2はいいんですが……3はどういう意味ですか?」

「慌てないで下さいまし。順に説明致します」


彼女はすぅ、と息を吸ってから喋り始めた。



「1ヶ所で管理をしていて、被害を受けた時を想定すると【分散】させる方が都合がよいのです」

「集中させていた場合、相手方は執拗にその場所を狙うでしょうし」

「食料は士気に直結しますからね……」

「【利便性】とは補給路の崩れにくさと、戦場までの距離を言います」

「幾ら攻め込まれない場所に食料を蓄えても、戦っている者に与えられなければ無意味」

「大量な食料を運搬する人間も空腹を覚える事でしょう。そうなれば費用は――」

「ますます増える」

「そうならない為にも利便性とは大事なのです」

「ふむふむ……あの、高床式倉庫は?」

「焦らない焦らない」

「………」 (もったいぶらないでほしい……)

「最後に申し上げた【高床式倉庫】。これは【食糧庫の質】を言います」

「せっかく貯め込んだ食料を畜生と虫に食い尽くされては、苦労も水の泡」

「保管する建物は慎重に選ぶべきですわ」

「食料が無くなるのは、冗談ですまないですからね」

「まぁ、【これは私達にあまり関係の無い話】ですが」

「…何を急に? 関係なら十分――」

「私からは以上です。別の質問なら受けますわ」

「………」 (有無を言わせない圧力がある……)


君の言葉をエルキナが制した。

これより深く聞いてはならない理由が何かあるのだろう。



「私の意見を参考にするかしないかは貴方次第です」

「参考にしますとも」

「参考で留まればよろしいですわね」

「……」

「間違っている意見を採用するほど、馬鹿な事はありませんわよ」

「…念頭に置いておきます」



……君は彼女に何を聞く?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「アエミリウス家について何かご存知で?」 エルキナ「風の噂で軍を率いる才に溢れると」

②―「世継ぎは何人ほどが――」  エルキナ「4人ですわ! 男の子が3人と女の子が1人!」

③―「領地間での付き合いはどの程度に留めていますか?」

④―「領地東で湧き出る黒い水の正体について何かご存知ですか?」

⑤―「ありません。ありがとうございました」※終了

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 〔2D10で低いの採用、同値なら先に書いたの。数値が高いほど良い結果に〕


①―「アエミリウス家について何かご存知で?」 エルキナ「風の噂で軍を率いる才に溢れると」


「やはり」

「……どうしてそのような事を?」

「領地に湧いた賊の征伐を、依頼した際の手際があまりに良かったもので」

「なるほど。そんな過去が」

「そういう訳です」

「なら……これは知っているかしら」

「?」

「アエミリウスが古代から続く貴族の家系である事を」

「勿論。アエミリウス公とお会いする時はいつも緊張しっぱなしで――」

「ユリウス氏族とは親しい間柄と言ったら?」

「なっ!」


こう言っては何だが、僕は貴族社会の繋がりを良く知らない。

どの家がどこと付き合っているのかすらも怪しいくらいだ。



「失礼を承知で言いますが」

「はい?」

「ティオニクス様は【他家にお呼ばれ】する機会がありまして?」

「………」 (パーティーとかそういったモノの事か? そういえば全然無いような……)

「では、此方の【領地にお呼びする】機会は?」

「…全くありません」

「貴族としてこの先も生きるなら、【横の繋がり】を作るのは大事ですわよ」

「必要ですか?」

「家の存続が危うい時に、【保険となり得る】でしょう」

「具体的にどう――」

「【金銭を一方的に渡す関係では無い】と言えば解ります」

「………」 (繋がり、一方的、保険……?)

「貴方が支援している【あの女性】と似たようなモノと言えばお解りで?」

「ディアナの事でしょうか」

「そんな名前でしたの? 知りませんでしたわ」

「……」


エルキナは保険がどうこうと言っていた。関係を構築する事が、どう存続と繋がるのか。

僕はそれを頭の中でもやもやとしたまま理解できないでいた。



「そろそろ話を切り上げてもよろしくて?」

「あぁ、もうそんな時間に……これは申し訳ない」

「構いません」


――ガチャッ、キィー


「…甘い」ボソッ

「えっ」

「それではティオニクス様、私はこれで。失礼致しますわ」

「……」


部屋から出る前にエルキナは何かを呟いていた。

僕が聞き取れたのは、振り返って口にした別れの挨拶だけ。


……彼女と話していた少ない時間で、僕は既に疲れを覚えていた。


―――――
―――


全ての用事を済ませた君は自室で深い溜息を吐く。

領主という立場からくる責任感と疲労が君の肩に重く圧し掛かっていた。


(人がまた増えた……2週間後にはまた北東の村へ……)

(もうこれ以上の人間はウチでは抱えられない……)

(……zzZ……zzzZ……zzzzZ)


君は寝台に倒れ伏す。

頬から感じる寝台の感触が君を夢へと誘う……。



―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「1点」、特徴「目の違和感」
03~10 ― TP+「1点」、
11~12 ― 闘力-「1点」、特徴「疲れやすい」
13~19 ― TP+「1点」、
  20   ― 闘力-「1点」、特徴「呼吸が浅い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1~2 成長判定


――
―――――――


周囲は暗い。

外は陽が差し込まない曇り空のような景色が広がっている。

此処は屋敷にある君の書斎そのものだった。


「…様……領主様」

「む?」

「ようやく反応しましたね。領主様」

「ルチア。どうして僕は此処に?」

「この期に及んで寝ぼけた事を仰るとは……少々自覚が足らないのではありませんか」

「うっ、すまない」

「変な領主様ですね。何時もなら『呆けているのはルチアだろう?』と軽口を叩くのに」

「誰がそんな事……」

「もしや私に遠慮を?」

「そういう訳じゃない」

「……どうして私だけを呼んだんですか」

「誰が? いつ?」

「領主様が昨日の夕方に」

「……」


ルチアは用があって呼ばれたと言っている。

……僕は何を言いつけようとしていたんだろうか。



「来週」

「………」 (来週? ルチアを個人的に呼ぶ大事な事ってあったかな……)

「お互い生きていればいいですね」

「な、なにを……」

「無事に終わったら、その時は私を――



―――――――――
――


【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―40/40 闘力
―05/10 GP

―26/26 TP↑   〔24→26〕
―20/100 ?→   〔20→20〕

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力
―04/10 GP↑
―40/40 TP
――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―05/10 GP
―38/38 TP
――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―05/10 GP
―34/34 TP
――――――――――――――――――



「随分長くお休みだったようですね」

「ルチア……」

「ハァ……もう昼ですよ? いい加減しゃんとして下さいまし」


いつの間にか部屋に入って来たルチアが目の前で呆れ顔を浮かべている。

どうやら長く眠っていたようだ。


……あの夢はいったい何だったのだろうか。



【豊穣神マイアの月 2週】 (18/28)


「ご報告致します」

「………」

「領主様? どうかなさいましたか」

「……ん、何でもないんだ。始めてくれ」

「はっ」

「引き続き【領地東と南にて防御陣地を構築中】。竈神ウェスタの月、中頃に【完成予定】です」

「【陣地構築の方針に意見】がありましたら、【モルドー、ゴラン、アルベルト】のいずれかにお申し付けを」

「ああ」

「あの、領主様」

「なんだ?」

「エルキナ……様も屋敷で我々と同じように労働をして頂いております」

「私奴は領主様と同様にあの方へ敬意を持って対応しておりますが……」

「何か問題でも?」

「その、ルチアが少しばかり……」

「…あぁ」

「領主様の方から窘めるように仰って頂ければと」

「うむ。解った」

「申し訳ございません」

「……ところで、あの子は」

「今はおとなしくしています……フゥ」

「浮かない顔だな?」

「申し訳ありません。服を脱ぎたがったり、好き嫌いが激しいのは相変わらずなので……」

「そうか、大変そうだな……」


―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 2週 (18/28)

・19、21ターンに北東の村と情報共有を行う

・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に物資の調達をする

・領地東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・人材は最大10名まで。現在の数は「10名」


・ルチアはディアナが嫌い。それとは別の方向でウルリッヒが嫌い

・エルキナの待遇に不満を持つ者が居る

・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる

・ドミニクは薔薇を育てている


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中

・東の櫓は南よりも景色が良い

・領地の中心に「目安箱」を設置

・南方にメッサーラ家の領地がある

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―農地++ 【?】
南―荒地+++ 【?】
南東―焼野原


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓

北東―牧歌的な村
南東―灰に塗れた地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【!】 商隊が領地に訪れている
【?】 陣地構築中 〔22ターン前後に完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



人の心はとても移ろいやすい。

何がきっかけになるかわからないからだ。


……第18ターンの行動を聞こう。君は何をする?


下1~2 選択肢

―【選択肢】―――――――――――――――――――

①―領地の開墾、改善
②―人材発掘
③―自己学習
④―誰かに相談する※
⑤―近隣の領主、村長に助けを求める※
⑥―自由記述
⑦―人材派遣

※―今まで出て来た人物の名前を併記する事
――――――――――――――――――――――――


④と⑤で決定して今日は終了

また明日おなじくらいか、もちっと早く更新予定


④―誰かに相談する


「……行くか」

君は椅子から立ち上がり、女従者の元へと向かった。



――――



「ルチア~ルチアは居るか~」


――ガチャッ


「へ?」

「………」


――キィー、バタン!


「僕は何も見ていない、僕は何も見ていない……」

「覗きをしようとした訳では無くこれは不可抗力で……」ブツブツ


絶賛着替え中だった。

扉を開けた瞬間に見えた横乳が――



――ガチャッ!


「どうぞ、入って下さい」

「…はい」


君はルチアの顔を出来るだけ見ないようにして部屋へと入る。


「好きな所へどうぞ」

「……」

「飲み物を用意します」

「あ、ありがとう」


ルチアは君を置いて部屋から出て行った。

部屋にはさっきまで来ていた服が隅の方に積まれている。

その服に対して、君は何ともいえない強い好奇心を覚えた。



「……」 (ルチアが来ていた服……だよな?)

「………」 (上から下まで一式ある。後で纏めて洗うから置いてあるのか……)


「はっ!? 待て待て……これじゃまるで僕が変態そのものじゃないか!」


「………」キョロキョロ

「……」ゴクリ

「すぅぅぅ……はぁぁぁ……すぅぅぅ……はぁぁぁぁ……」


君は誰も居ない事を確認してから深呼吸をした。

その行為になんの意味があるのかは当事者である君にしか判らない。


……君は満足気な顔でルチアの帰りを待った。



――ガ チャッ


「お待たせしました」

「いや、全然待ってないよさ!」

「…? どうかなさいましたか」

「どうもない! 何もない!」

「そうですか……」

「うむ!」


ルチアの追及が何時もより甘く感じる。

僕はそれを好都合と思い、深く考えなかった。



「どうぞ、喉に良い葉を煎じた物です」

「き、気が利くな。ありがとう」

「鎮静作用があるらしく、これと一緒に召し上がって下さい」スッ

「何だコレは……パン、ではないよな?」

「焼き菓子でございます」

「どれ、一つ――」ガサガサ

「ん、むぅ?」モシャモシャ

「いかがでしょうか」

「……かなり【甘い】」

「【蜜を使っております】ので」

「何の蜜だ?」

「花の蜜でございます」

「そうか、ドミニクにでも分けて貰ったのか?」

「……」クスッ

「?」

「いえ、【私が管理している物】です」


俯いて笑んだかと思えば、今は僕を見つめている。

……やっぱりルチアの考えは読めないな。



「ん? なんか肩が楽に……」

「糖を補給したからでしょう」

「さっき食べた甘いやつの事か」

「そうです」

「気のせいだろ?」

「そういう成分が入っているからでございましょう」

「?」

「あぁ、料理をしない領主様には無縁の話でしたね……」

「貶しているのか?」

「肯定します」


ルチアは短いながらも君の言葉によく反応している。

今なら楽に話を振る事を出来るだろう。


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「エルキナは悪い奴じゃないからね」   ルチア「さてはドミニクですね。あのお喋りはもう……ハァ」

②―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

③―「うっ、頭が急に」   ルチア「……もうですか。恐ろしく早い」

④―「やけに喉が渇くな……」   ルチア「どうぞもう一杯」スッ   ティオニクス「んん? ありがとう」

⑤―「厭らしい領主様にはお似合いです」   ティオニクス「誰がド変態のむっつり野郎だって!?」

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2~3 話題の選択 (参加人数が少なければ↓1~2に変更。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)


①―「エルキナは悪い奴じゃないからね」   ルチア「さてはドミニクですね。あのお喋りはもう……ハァ」


「何度も言うが、彼女を買った理由は――」

「貴族であった事実を評価しているんですよね」

「その通りだ」

「でも貴族として使えないなら、候補の中に居た【男の方が強い】じゃありませんか」

「領主様は何故そっちを選ばなかったんですか」

「そ、それは……」

「結局女であれば誰でも良いんでしょう?」

「違う! 違うぞそれは!」

「厭らしい……」

「うっ」


ルチアは蔑んだ目で見ている。

僕はそれを遣る瀬無い気持ちで眺めた。



「私を眺めて興奮する程度なら構いませんが、それを別の方に向けるのは止めて下さいませ」

「おい」

「鼻の下を伸ばして見るといいです。ほーらほら」ハラリ

「待てこら」

「足りませんか? ならどこまで見ますか?」スススッ

「いい加減にしろォ!」

「軽い冗談でしょうに」

「趣味が悪いぞ……」

「領主様が言えた事でしょうか」

「?」

「やーい変態、スケベ、ハニートラップに引っかかりそうな駄目領主ー」

「………」プルプル

「怒りますか? たかが従者に本気で怒っちゃうんですか? ああ怖い怖い」

「…ハァ、もういい」

「やれやれ。張り合いのない」

「火に油を注ぐんじゃない!」

「……」ニヤニヤ


ルチアは一転して君をなじっている。

彼女の中にある君の評価が、どうなればこうなるのだろう?


④―「やけに喉が渇くな……」   ルチア「どうぞもう一杯」スッ   ティオニクス「んん? ありがとう」


「喉はさっき潤した筈なんだがなぁ」

「よく喋っているからでしょう」

「それもそうか」

「そうでございます」

「でも、なんか妙に喉が渇くと言うか……」

「【足りなくなれば別の物を用意します】から」

「あ、ありがとう」

「お気になさらず」

「今日はやけに優しいんだな?」

「いえ、従者ですから当然の事です」

「そう?」


ルチアは僕の言葉に顔を背けて返事をした。

顔を向けた先に目を向けても何も無い。


……いったいこの行動にどういう意図があるんだろうか。



「強いて言うのなら、喉が渇くのは恐らく――」

「ん?」

「コレでしょう」

「焼き菓子?」

「はい」

「確かに口がパサつくな……」

「水分を飛ばし、糖の質を高める事で保存期間を高めていますので」

「なるほど。そういう事だったのか」


焼き菓子を指してルチアは説明をしてくれた。

彼女はどういう訳か、焼き菓子に手を付けていない。

たぶんコレは僕だけが食べて良い物なんだろう。ありがたい事だ。


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「ルチアは誤解している」   ルチア「女性が好きでは無いと?」   テ「興味は……って違う!」

②―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

③―「うっ、頭が急に」   ルチア「……私も食べましょうか」

④―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞもう一杯」ススッ   ティオニクス「………」

⑤―「厭らしい領主様にはお似合いです」   ティオニクス「誰がド変態のむっつり野郎だって!?」

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 話題の選択 (同時にダイスロール。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)


①―「ルチアは誤解している」   ルチア「女性が好きでは無いと?」   テ「興味は……って違う!」


「何が違うのですか?」

「もちろん僕は女性が好きだ!」

「まあ」

「しかし、エルキナをそんな目的で買った訳じゃない。何故なら――」

「その気があるなら【ディアナをどうこう】しているからだ! それに僕はもっと気心の知れた相手の方が良い!」

「えっ……あぁ、そう言えば確かに………」

「………」 (手応えはあるか……?)


ルチアは何かを確かめるような表情を浮かべている。

彼女の中で何かしら引っかかる部分があるのやもしれない。



「領主様の仰る通りですね」

「!」

「申し訳ありませんでした」ペッコリン

「解ってくれるか!」

「はい、一応は」

「そうか良かった」

「自分の種を誰彼構わずばら撒く領主様は居なかったのだと、私は反省しています」

「きゅ、急にどうした」

「こちらの話です。気にしないで下さいませ」ニコー

「…?」


ルチアは不自然な位に機嫌が良さそうだ。

もしディアナに一度でも奉仕を命じていたら、その時はどうなっていたのだろう……。



「ルチアは食べないのか?」

「私の分は先に取っておりますので」

「ハハッ、ルチアらしいな」

「そう褒められては、私も流石に照れます」

「ハッハッハ」

「……」

「いや、褒めて無いからな?」

「ふふふ、気付きましたか」

「それはこっちの台詞だぞ……」


ルチアと交わす会話は心地よい。

例えるならそれは、剣闘士が行う拳の殴り合いのような――


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「時に領主様。私の身体に欲情しますか?」   テ(これはどう答えても絶対変な空気になるッ……!)

②―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

③―「うっ、瞼が重い……」   ルチア「頃合いですか」カチャカチャ   ティオニクス「ルチア? 何を――」

④―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞどうぞ」ススッ   ティオニクス「………」

⑤―「あら? 置いていた服の位置がずれているような……」   ティオニクス「!?」ドキィッ

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 話題の選択 (同時にダイスロール。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)


⑤―「あら? 置いていた服の位置がずれているような……」   ティオニクス「!?」ドキィッ


「不思議ですねぇ」

「き、気のせいじゃないのか?」

「そうかもしれません」

「だろ? そうだろう?」

「でも、服の内側にある紐が外に出ているんですよねぇ」

「……」 (そんなものがあったのか!?)

「領主様。つかぬ事をお伺いしますが――」

「ななな、なんだ?」

「私が居ない間に、誰かが部屋に来ませんでしたか?」

「誰も来ては――」

「……誰も?」ジトー

「や、ちょっと待ってくれ」 (考えろ僕! ルチアにどう答えればこの局面を切り抜けられる!?)


ルチアは君の言葉をじっと待っている。

恐らく妙な答えを返せば、信頼を失うのは間違いない……気がする。


……どうすれば自分の行動を正当化できるか考えよう。



「誰も来ていないなら、領主様がこの服で何かをやったという事に……」

「ま、待ってくれ!」

「……なんでしょう」

「実はその服【自由記述1】」

「えっ」

「勝手に触るのは良くないと思っていたさ」

「でも、僕は【自由記述2】と思って……」

「そうだったんですか、それなら触れるのも仕方ありませんね」

「納得しましょう」

「……よしっ」ボソッ


君はこの局面をどう切り抜けた?

ルチアが納得する理由を考えてくれ。


↓1、2 ティオニクスの言い訳



「実はその服……虫がついてたんだ」

「えっ」

「勝手に触るのは良くないと思っていたさ」

「でも、僕は虫をそのままにしておいたら服を手に取ったルチアが驚くかもしれないと思って……」

「そうだったんですか、それなら触れるのも仕方ありませんね」

「納得しましょう」

「……よしっ」ボソッ

「ところで【どんな虫】だったんですか?」

「えっ、ああそれは――」

「それは?」

「【サシガメ】だったよ」

「……」

「ルチア?」

「本当にありがとうございました」

「ほっ」


ルチアは【虫の名前】を聞いた瞬間、眉を顰めていた。

余程嫌な虫だったのだろう。彼女の反応からそれが解る。


……変態野郎とか言われなくて済んでよかった。本当に良かった。



「領主様。手を見せて頂いてよろしいですか」

「良いぞ」スッ

「失礼致します」サスサス

「ふぅ……咬傷(こうしょう)は無いようですね」

「?」

「問題ありません。ありがとうございました」

「ん」


君の両手を一頻り見た後、ルチアは溜息を吐いた。

何かを確かめていたようだが……。



「室内であっても虫はご遠慮願いたいものです」

「………」

「こうして私達が話している間にも数を増やしていると思うと……」

「ぞっとしないな」

「焼き払いましょうか」

「止めておけ。徒労に終わるだけだぞ」

「そうでしょうか。それもそうでしょうね……」


ルチアは虫の存在を認めたくないといった表情を浮かべている。

彼女はそれ程までに昆虫が嫌いだったろうか?

自分の記憶にある彼女は、もう少し寛容的だったような……。


……君は彼女と何を話す?


―【選択肢】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「時に領主様。私の身体に欲情しますか?」   テ(これはどう答えても絶対変な空気になるッ……!)

②―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」

③―「ふぅ」   ルチア「おかしい。変ですね」   ティオニクス「何を言っているんだお前は?」

④―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞどうぞ」ススッ   ティオニクス「……いや、やっぱりいいや」

⑤―「服の一部がしっとりしているのはどうして……?」   ティオニクス「!?」ドキドキィッ

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2~3 話題の選択 (同時にダイスロール。2D10で極端な値が出ると睡魔に襲われる)


進行速度を考えて一度に纏めて取っています。連取は参加者が増えるまで構いません

②は採用としてもう一つ>>105の中から

↓1


②―「良い匂いがする。何処からだ?」   ルチア「はて、何処からでしょう?」


「とぼけているのか?」

「何を仰います。気のせいでしょう」

「この匂いはルチアの方から――」

「そのような」

「…?」

「発言は慎んで頂けますか」

「わ、解った。だからその今にも振りかぶらんとしている手を下ろしてくれないか」

「よろしい」

「ほっ」


これではどちらが主人か解らない。

君は妻の尻に敷かれて、頭が上がらない毎日を送りそうだ。


……この場に居ないドミニクは常日頃からそう思っていた。


④―「喉が――」   ルチア「どうぞどうぞどうぞ」ススッ   ティオニクス「……いや、やっぱりいいや」


「何を遠慮する必要がありますか」

「な、なんだルチア」

「さぁ、さぁさぁどうぞ」ズズィ

「そうまでして僕に飲めと言うのか?」

「要りませんか?」

「ええい、そんな顔をするな!」

「要らないんですね……」シュン

「あー! もう一杯飲もうかな!」

「ふふっ。仕方がありませんね」

「やれやれ」

「ちょっと待っていて下さい。代わりを持ってきますので」

「解った」

「………」ニィ


君は押しに負けて『もう一杯!』と言ってしまった。

女従者の表情に気付かないまま……。



――カチャカチャ、スッ、パチパチ

―――コポコポコポ


「よし」

「……後はこの液体に」

「商人から取り寄せたコレを混ぜて……」



――サーッ!


「私特製エナジードリンクの完成です」

「さて、領主様へ持って行きましょうか」スッスッカタッ

「おっと。足が――」



――ガシャーン!


「………」

「手が滑りました」

「隣にあった変な物が混じってしまったようですが」

「……まぁ良いでしょう」


女従者は結構いい加減だった。

自分で荒した厨房もそこそこに、主人の元へと戻っていく……。



「お待たせ致しました」

「長かったな?」

「火を起こして、水を沸騰させて、それからやっとですから」

「すまない。無遠慮だった」

「構いません」

「それで――」

「はい」

「コレは何が入ってるんだ?」

「えっ」

「いや、なんか色がおかしいから」

「……気のせいでしょう」

「いやいやいや! 流石にコレは気付くぞ!?」

「チッ……気のせいでございましょう」

「ごり押すのは止めようか」

「飲んで頂けますね?」

「飲まないよ!?」


―【結果表】―――――――――――――――――

  02   ― 神経毒(エタノール、アルコール)

03~05 ― 果実酢

06~11 ― 果汁を煮詰めた物(甘い)闘力「+1」点

  12   ― 乾燥大麻

13~14 ― 白ワイン

15~19 ― 夕食用にドミニクが作っていた豆の汁

  20   ― 神経毒(サソリ、ハチ)

――――――――――――――――――――――
↓1~3 ルチアがうっかり混ぜた物 (2D10で)


【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―40/41 闘力↑ 〔40→41〕
―05/10 GP
―26/26 TP
―30/100 ?↑   .〔20→30〕

――――――――――――――――――


「飲まないんですか? それとも飲む度胸が無いんですか?」

「……」

「領主様の良い所見てみたい~」

「後で覚えておけよ!」


――ゴクゴクッ、ゴクリッ




「お味は如何でしょう」

「なんか、【甘いような酸っぱいような】――」

「それを言葉に表すなら?」

「【美味しくない】」

「それはそれは」

「……ルチアも飲め」

「は?」

「動きっぱなしだから喉が渇いたろう」

「いえ、結構です」

「1人分余ってるぞ?」

「どうぞお飲みください」

「そう遠慮するな」ガシッ

「いや要らな――!?」


突然の行動に彼女は驚き、君から離れようとした。

しかし君は、逃げようとする彼女を引き寄せて無理やり飲ませる。

彼女が生みだした名状しがたき液体は、彼女の元へと還った。

ルチアは『あぁ、あぁ……飲んでしまった』と虚ろな目で呟いている。


……妙な罪悪感に駆られる君だった。



「――これは確かに……美味しくないですね」

「だろ?」

「では私はこれで――」クルッ

「待て」ガシッ

「……何か?」

「変な物入れてたんじゃないだろうな」

「要らぬ勘繰りです」

「絶対入れただろ」

「何も」プイ

「………」 (怪しい……)

「無理に飲ませて悪かったな」

「ホントですよ」カチャカチャ

「こっちの台詞……ハァ、もういいや」

「ふふ、失礼致します」スッ

「うむ。久しぶりに長く話せて楽しかったぞ」

「それはようございましたね」ニコリ


僕に妙な液体を飲ませると、ルチアはそそくさと部屋から去って行った。

去り際に『戸締りには十分気を付けられますよう』と言っていたのがどうも気になる。

違和感しかない行動の数々は僕も同じなのだが……まぁどうでも良いか。



――その夜、屋敷から獣のような激しい雄叫びが聞こえた。

眠れないのを抗議しようとした領民が、外からその現場を見て抗議を取りやめたとか。

領民と対応した銀髪が美しい従者は、顔を真っ赤にしながらそう口にした。


↓1~2 ダイスロール 【2D10の値が極端であればそれだけ凄かった】



「うっ」

「一体どうされたんですの? げっそりとしてらっしゃる……」

「お、お構いなく」

「大丈夫ですかー領主様」サスサス

「やめっ、止めて! もう無理だから!?」

「撫でただけではありませんか」ペロッ

「腰に来る!」

「がんばれっ がんばれっ」

「おうふ」

「なんですの? 私のこの空気感……」


エルキナは1人だけ仲間外れにされている気分を覚えた。

心なしかこちらに見せ付けられているようにも見えるのがまた……。



「楽しかったですね?」

「ルチアは楽しかっただろうよ……」

「んひぃーっ」

「!?」

「あの悲鳴は傑作でした」

「ヤメロォ!」

「何かしてらしたんですの?」

「え、ええ。ちょっと【馬術の稽古】を2人で――」

「………」 (夜に馬術……ふむ?)

「その時、運悪く【馬に蹴られて】しまって」

「そういう事でしたか」

「ハハハハ……ハァ」


君は深いため息を吐き、ルチアは小躍りしそうな表情を浮かべている。

エルキナは言葉の裏に気付いて1人納得していた。



「さ、さぁ! アエミリウス公の元へ向かいましょうか!」

「そうですわね」

「今更好青年ぶったって遅いですよ?」

「そこ、うるさいぞ」

「はいはいはーい」ニヘラッ

「………」 (今のルチアに何を言っても駄目だな……無視しよう)

「…先が思いやられますわ」ボソッ

「何か仰いましたか?」

「いえ、なにも」


君達3人はアエミリウスの領地へと向かう。

道中、大きな商隊が君の領地から出て行くのが見えた気がした。



――――
――――――――――
――――――――――――――



【アエミリウス家】


「お久しぶりです。アエミリウス公」

「ティオニクスよ、息災だったか」

「はっ、おかげさまで。こちらの領地も安定しております」

「ふむ、それは良い知らせだな」

「……」

「貴様――」

「………」

「隣に居る貴様は誰だ? 面を上げて我を見よ」

「……無礼をお許しくださいませ」スッ

「その顔……何処かで見た覚えがあるな」

「エルキナ・ユリウス・カエサル――」

「なに、ユリウス…?」

「私の事はエルキナとお呼び下さい。アエミリウス公」ペコリ

「…ほう」


エルキナは綺麗な所作で名乗りを上げた。

それを眺めている僕は、言い表せない程の緊張感を覚えた。



「本題に入るとしよう。我に何用か」

「本日は――」

「隣に居る小娘に関係する事か?」

「……いえ、別件です」

「妻を娶るからその報告に――」

「申し訳ありません。そういった話しではなく」

「面倒な話か」

「その通りです」

「……ここは少し開け広げだな。場所を変えるとしよう」

「ご配慮いただき感謝致します」


人の出入りが多い場所だから安全とも言えるこの場所は誰が聞いているか解らない。

君はその提案を有り難く受ける事にした。



君達は彼とその使用人に連れられ、1つの小さな部屋へと入る。


「ここは我の部屋だ」

「存外狭い部屋ですのね」

「…!」 (エルキナ! 馬鹿止めて!?)

「ほぅ?」

「く、口を慎むようにしなさい。エルキナ」

「失礼しました。つい口が滑って」

「……大変申し訳ありません」

「構わぬ。威勢の良さは当人の強さにも関る事だ」

「なんと寛大なお言葉」

「貴公も学ぶべきかもしれんな」

「ッ、それはその……」

「無理はせずとも良い。向き不向きは誰しもある故な」


アエミリウス公はゆっくりとした動作で椅子に腰かけた。

座るように促されたので、君は彼から見て斜め前の椅子を選ぶ。


……恐らく自分が気に入った物を使い込んでいるのだろう。

腰かけた椅子からはかなりの年月を感じる。



「ここなら誰にも邪魔されまい」

「はっ」

「要求を口に出すが良い。我はそれを聞くとしよう」

「………」 (要求……話が早くて良いのか……?)

「それに我が応じるかは……別だがな」

「…はい」


アエミリウス公は問いかけてきた。

余程変な事を言わない限り、彼は激昂したりはしない。

どういった話を振るのかは全て僕にかかっている。


……僕は彼にどんな話を振ろう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「目障りな方が――」   ア「……我か?」   テ「いえ、そんな……違います!」

②―「ユリウス氏族とはどんな関係でしょうか」   ア「肩を並べ合う戦友(とも)だった」

③―「その方は下がらないんですね?」   ア「もしこの場で我が死ねば誰が証人になる?」

④―「まずは茶でも一杯……」   ティオニクス「うっ、頭が……」   ア「貴公は何を言っている」

⑤―「ティオニクス。貴公の後ろに居る従者は、何故ずっと緩んだ顔をしている?」

⑥―自由記述 〔2D10で【08以下の奇数】なら悪い方向、偶数なら良い方向へ解釈〕

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2~3 選択肢 (2D10で低い方採用)


今日はここで終了

また明日おなじくらいか、もちっと早くに更新予定


②―「ユリウス氏族とはどんな関係でしょうか」   ア「肩を並べ合う戦友(とも)だった」


「友?」

「うむ。先の大戦では共に剣を振るいあった仲で、今となっては昔の事だが――」

「……」

「我に軽口を叩く者が多かったぞ? ちょうどそこに居る小娘の様に」

「そ、そうでしたか。それは……」

「お嫌いですか?」

「そうは言っておらん」

「好きなんですの?」

「ハハハッ、その言葉も否定しておこう」

「………」タラー


エルキナは遠慮のない言葉でアエミリウス公と会話している。

普段の会談でも神経をすり減らすというのに、これでは胃が幾つあろうと風穴が開いてしまう。

君は彼女が来ている服の袖を、彼に見えない様にして引っ張った。




「……」グッグッ

「何ですの?」

「あの、もう少し――」

「解っていますわ。ご心配なさらず」

「は?」


エルキナは君を手で制した。

意図が解らず困惑している君は、彼女の行動を止めることが出来ない。



「私からアエミリウス公に折り入って相談があります」

「ほう」

「私……いえ、領民の【障害】になる存在を排除して頂きたく――」

「どのような障害か。申せ」

「人命を【物として扱う者】にございます」

「物?」

「……【奴隷売買、剣闘士による興行、強制労働】」

「ふむ。これは困った」

「心当たりがあるようで」

「もはや隠し通す事が出来ぬか」

「アエミリウス公、一体何を……」

「まぁ良い。別に【我だけがやっている事ではあるまい】」

「!?」

「そう、その通りですわね――」

「何気なく私達の生活に入り込んでいるこの習慣、誰が始めたと問いただしても意味は無し」

「本来居る訳がないこの場に、私が居る事が何よりの証明となるでしょう」

「解っているなら――」

「【評判はどこで落ちるか解りません】わよ?」

「……【我を強請るか】。貴様は何を求める?」

「【ちょっとしたお気持ちで十分】です」

「相も変わらず口の回る事よ」

「………」 (ちょっ、えっ……? アエミリウス公も悪事に加担していたのか……!?)


よく解らない話が始まったと思ったら、さらによく解らない状況になってきた。

アエミリウス公は吹聴されると不味い事をやっているらしい。

でも、そんな噂は全く無かった筈だ……。どういう事だ?



「そちらの【要求を聞くとしよう】」

「アエミリウス公は――」

「ティオニクスよ」

「…はい」

「人の道を外れているかどうか、と問われれば我は外道ではない」

「……本当ですか?」

「誰かが汚いと思う仕事も、他の誰かにとっては綺麗な仕事に見えるだろう」

「我がやらずとも誰かがやっていた事だ。悪と糾弾するのはまだ早いぞ?」

「………」


アエミリウス公はいまだ堂々としている。

彼にとってさっきの話は、そこまで自分の地位を脅かすものでは無いようだ。

気にはなるが、深く聞こうとしてこちらが危うくなるのは勘弁願いたい。


……何を求めよう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「我が領地の近辺で紛争が起きようと、そちらは関与しない姿勢を保って頂ければと」

②―「失脚させたい方が――」   ア「……我か?」   テ「いえ、違います……」

③―「この場で我が[ピーーー]ば誰が証人になろうか」   エ「脅しをかけているつもりですの?」

④―「メッ――」   ア「名指しでどうこうしたいのは解るが、控えた方が貴公の為だぞ」

⑤―「時にティオニクスよ。貴公の後ろに居る従者は、何故未だ緩んだ顔をしている?」

⑥―自由記述 〔2D10で【06以下の奇数】なら悪い方向、偶数なら良い方向へ解釈〕

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2~3 選択肢 (2D10で低い方採用)


③―「この場で我が[ピーーー]ば誰が証人になろうか」   エ「脅しをかけているつもりですの?」



③―「この場で我が死ねばば誰が証人になろうか」   エ「脅しをかけているつもりですの?」

修正
安価範囲はここから↓1~2


①―「我が領地の近辺で紛争が起きようと、そちらは関与しない姿勢を保って頂ければと」


「遠くないうちに起きるという事か」

「そう取って頂いても構いません」

「それ以外の要求は」

「……」 (大きな要求は後で返って来そうだからな……程々にしておこう)

「特にありません」

「ふむ、お前はどう思う?」

「…れ………かと」ボソボソ


彼は使用人となにやら相談をしている。

自分もそうだが、判断が難しい時はああやって意見を聞けるのが良い点だと思えた。



「頷いてやっても構わぬ」

「本当ですか」

「――が」

「?」

「1つ条件を付けるとしよう」

「それは一体……?」

「我が提示する条件は――」


―【判定表】―――――――――――――――――――――――――

  02   ― 「事態が収束するまでの間、従者を預からせて貰う」

03~06 ― 「貴公が(どんなに)弱ろうと不干渉を貫かせてもらう」

07~12 ― 「こちらが用意する装備(一式)を買って貰おう」

  13   ― 「我の従者を暫くそちらで預かってくれ」

14~19 ― 「貴公が(どんなに)弱ろうと不干渉を貫かせてもらう」

  20   ― 「事態が収束するまでの間、従者を預からせて貰う」

――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 アエミリウスの返答 ()はダブった時の内容



「貴公が【弱ろうと不干渉を貫かせてもらう】」

「構いません」

「それともう一つ。こちらが【用意する装備を買って貰おう】」

「……装備ですか?」

「使いどころが見つからず持て余していた物だ」

「まさか。鈍らじゃ……」

「物を見た後でもまだ鈍らと言うならば、それは貴公が未熟という証明になるな」

「どうしてそれを私に? 生憎ですが、領地の経済事情はあまり芳しく――」

「別に高く買い取れと言っている訳では無い」

「我は”使わないから”売っておこうと思っただけだ」

「………」

「持って来させるとしよう」


余程の物で無ければ、アエミリウス公もここまで言わない。

しかし、良い物であるなら自分で使わずどうして売りに出すのか。

……君は彼を訝しんだ。



「刀身が鈍く光っているのが解るか」

「……切れ味の良さそうな”剣”ですね」


君は剣から危うい雰囲気を感じた。

柄を握り込むと、その感覚はさらに強くなる。


「それは屋敷で見つけた物だ」

「見つけた……?」

「うむ。【何気なく頭上を見た時】、頼りのない細い紐で――」

「えっ」

「ぷらぷらと【揺れて今にも落ちて来そうだった】」

「そ、そうだったんですか」


アエミリウス公は当時の状況を君に説明した。

彼曰く、こういった事は良くあるそうだ。



「捨てるのも忍びないと思って保管していたが――」

「結局、我も使わずじまいだ」

「……」 (命を狙っていたかもしれない物をよく置いておけるなぁ……)

「ティオニクスよ。買い取ってくれるな?」

「お幾らでしょうか」

「言い値で売ろう」

「………」 (安くても良いのか……?)

「ではm――」

「【無償で寄越せと言っても】構わぬ。【構わぬ……が】」

「……考えさせて下さい」

「良かろう」


彼の言葉を聞いて君はフリーズする。

何故なら、タダで手に入れようとしていたからだ。

……やはり美味い話などそうそうない。



折を見てエルキナが話しかけて来た。


「ティオニクス様、ティオニクス様……」ボソボソ

「なんだ?」

「あれは【ダモクレスの剣】ですわ」

「……ダモクレス?」

「ええ。所持者は【多大なる危険に晒される】という逸話を聞いた事が」

「なんだその物騒な剣は……」

「――ですが、危険を乗り越えし者には【幸福を与える】とか」

「冥福の間違いとかじゃないだろうな……」

「とにかく、剣としての性能はかなり良い物。よくお考え下さいまし」

「………」


性能は以下の通りだ。

君はこの剣を幾らで買い取る?


―〔ダモクレスの剣〕――――――――――――――――――――――――――

・剣を振るう者に危険と困難を、乗り越えし者に権力と栄光を与えん。

・特徴「災いを呼ぶ者」が身に付く

・攻撃修正 「6点」


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――――

①―「ぎ、銀貨4枚で――」 ア「思ったより安いな。その程度の価値しか無いのか」

②―「銀貨12枚で買います」

③―「要りません」 ア「そうか。では、貴公の話は全て無かった事に――」

④―考える(1回だけ)

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で高い方採用。数値が低いほど結果が良くなる)


②―「銀貨12枚で買います」


「良いのか」

「何がです?」

「……いや、貴公の判断だ。我がとやかく言える事では無かったな」

「?」


アエミリウス公は気になる事を口にした後、君の後ろに目をやった。

そういえば今の今までルチアが全然喋っていない。

……相談をするべきだったか?



「剣は先に渡しておこう。金銭は――」

「【次】にお会いするその時【までに用意させて頂きます】」

「それで構わぬ」

「感謝致します」

「うむ。こちらも買い取ってくれて助かった」

「あの」

「なにか」

「【証文】を書かなくてよろしいので? 後で払わないと言ったら――」

「ハハハッ! ティオニクスに限ってそれは無い」

「信頼してるんですのね」

「我も【約束を反故にされれば然るべき対応を取る】ぞ?」

「それはそれは。ぞっとしませんわね」

「……」ダラダラ


反故にして払わなかった場合、自分の対外評価は地に落ちるだろう。

『対価は絶対に支払おう』

……君は心の中でそう誓った。

あっ やっちゃった……巻き戻します


④―考える


(アエミリウス公は使わないから売ると言った)

(……しかし、これはどう見ても【名剣の類】)

(安く買い叩くのはあまり良い印象を与えないだろう)

(軍用のグラディウスが【銀貨6枚で1本買える】から――)

(恐らく【銀貨4枚は安すぎる。4倍の価値はありそう】だな)

(無難に中間かそれより少ない位を提示するのが吉か?)


銀貨4 = 安過ぎる

銀貨14 = 普通

銀貨24 = 相場



(……そういえば)

(僕は前に金貨3枚を使ってしまったから、余裕が……もう無い?)

(ま、待てよ。ドミニクが言っていた自由にして良い金は確か――)


 『【金貨3枚と銀貨8枚】でございます』


(…もう【銀貨8枚しか使えない】じゃないか! どうするんだよ!?)

(ルチアかドミニクに【説明すればどうにかしてくれる】とは思うけど……)

(【あまりいい顔はされない】だろうなぁ……)

(どうしよう)


君は悩んだ。

その姿は小遣いのやりくりに悩む子供のようでもあった。

だがこれは、子供のそれとは規模が違う。


……君は剣を幾らで買い取る?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「ぎ、銀貨4枚で――」 ア「思ったより安いな。その程度の価値しか無いのか」

②―「銀貨12枚で買います」

③―「そうですね、銀貨18で」 ア「ほう。随分高く買ってくれるのだな?」

④―「要りません」 ア「そうか。では、貴公の話は全て無かった事に――」

⑤―自由記述

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で高い方採用。数値が低いほど結果が良くなる)


⑤―「銀貨8枚で買わせて下さい」


「…そうか」

「よろしいでしょうか」

「構わぬ。【それが貴公の限界】なのだろう?」

「………」 (バレてるな……流石アエミリウス公だ)

「はい。恥ずかしながらその通りです」


アエミリウス公は君の目を見てそれ以上の追及はしなかった。

何気ない仕草で見抜く事が出来るからこそ、彼は権力者なのだろう。

君は自分に足りない物をまざまざと感じさせられた。



「剣は先に渡しておこう。金銭は――」

「【次】にお会いするその時【までに用意させて頂きます】」

「それで構わぬ」

「感謝致します。アエミリウス公」

「うむ。こちらも買い取ってくれて助かった」

「あの」

「……なにか」

「【証文】を書かなくてよろしいので? 後で払わないと言ったら――」

「ハハハッ! ティオニクスに限ってそれは無い」

「信頼してるんですのね」

「我も【約束を反故にされれば然るべき対応を取る】ぞ?」

「それはそれは。ぞっとしませんわね」

「……」ダラダラ


払わなかった場合、自分の対外評価は地に落ちるだろう。

どんな事をされるか解った物ではない。

『対価は絶対に支払おう』

……君は心の中でそう誓った。



「本日はありがとうございました」

「うむ」

「次は――」

「【作業が済んだら使いをこちらから出す】としよう」

「…何の話でしょうか?」

「気付いていなかったのか。目安箱とやらがあるのだろう」

「ええ、それはまぁ……」

「我もそれを使ったのだ」

「……」 (使った? それらしい物は――)


 『やけに大がかりな作業を行っているようだな。【噂がこちらにまで届いている】ぞ』


「あっ」

「………」 (あれはアエミリウス公が入れたのか!?)


君は開いた口が塞がらなかった。

謎の文書の1つはアエミリウス公だったようだ。



「次の来訪を楽しみにしているぞ」

「はっ」

「貴様もだ。エルキナ」

「光栄ですわ」

「……」 (エルキナが言ったあの話、何だったんだろうか……)


こうして普通に話しているが、アエミリウス公も何かをやっているのだ。

これからもっと嫌な事実に気づくかもしれない。

……はたして僕の気力は持つだろうか。


「それでは失礼致します」

「………」

「行きましょう。ティオニクス様」

「あ、あぁ」


君達はアエミリウス公に一礼してからその場を去った。



――――
――――――――――
――――――――――――――――


【中間報告】


「ご報告致します」

「ドミニクか。始めてくれ」

「はっ」

「まずは領地で捉えた【あの者から】」

「反抗的な態度が少なくなり、我々の邪魔をする素振りも減りました」

「次に――」

「【領地東と南では防御陣地を構築中】。ウェスタの月には【完成します】」

「【意見】については【モルドー、ゴラン、アルベルト】の3人に申し付けて下さい」

「ああ、解った」

「目安箱に入っていた文書を読み上げます」

「『雄叫びが夜に聞こえてきました。獣でしょうか? 怖いです!』」

「『闇市開催。24週の夕方~25週の朝、場所は北の森にて』」

「………」 (また妙な物が入ってるな……)

「以上です」

「ありがとう、下がってくれ」

「ははっ」


ドミニクは君に恭しく頭を下げ、書斎から出て行った。


【自由行動】


君は余暇を利用して何かしらの行動を起せる。

領地を放火したり、派手な催し事なんかも出来るだろう。

休息は精神が追い詰められる前に取るべきだ。


……今週は何処でどう過ごす?


下2~3 自由記述 〔2D10で低いの採用〕

 ※主人公以外の行動指定もやろうと思えば出来ます。



「最近動きっぱなしのような気がする」

「……植物でも眺めに行くか」


君は椅子から立ち上がり、中庭へと向かった。


――
――――――――――


【屋敷の中庭】


「……おや?」

「やあ、ドミニク」

「領主様。どうかなさいましたか?」

「気分転換に薔薇でも見ようかと思ってな」

「そうでしたか。薔薇はあちらでございます」

「ありがとう」

「どうぞごゆっくり」ニッコリ


ドミニクは微笑を浮かべて――

『誰か来るかもしれませんが、お気になさらず』

彼は君にそう言って土いじりを再開した。



「赤にピンク、こっちは黄色か」

「同じ様に見えてもこんなに違うんだな」

「薔薇と一口に言っても、多種多様ですからね」

「ん?」クルッ


声のした方向へ振り向くと――


「こんにちは。領主様」

「アルベルト」

「えへへ……お邪魔でしたか?」ポリポリ


照れくさそうにしているアルベルトが居た。

君は彼の言葉に『そんな事はないさ』と言い返す。



「君は――」

「はい?」

「ここによく来るのか?」

「ハイ! 暇がある時にドミニクさんとお喋りしてます」

「……そうか」ニコリ


アルベルトは嬉しそうな表情で答えた。

その顔を見た君は、思わず笑みがこぼれてしまう。



「ドミニクはどうだ。君にとって面白い奴か」

「はい。とても頼りになる方です」

「……なら、私はどうだ?」

「う~ん」

「気を遣わせて悪いな。聞かなかった事にしてくれ」

「いえいえ! 領主様も十分頼りにしてますから!」

「ハハ……君は世辞が美味いな」


話している途中、ドミニクが僕達に軽食を振舞ってくれた。

花の蜜を混ぜたパンと乾燥させた葉を煮出した飲み物。


飲み物は――少しだけ渋く舌に残る味。

焼き立てのパンは――柔く、ほんのりと甘かった。


……どうか、この平和な日々が続きますように。


―――――
―――


その日の君は、心地よい疲労感で包まれていた。

今日は実に良く眠れる事だろう。


(ドミニクが作ってくれたパン。あれは美味しかった)

(もう一度食べれたら良いなぁ――)

(すぅ……すぅ……)



―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「1点」、特徴「目の違和感」
03~10 ― TP+「1点」
11~12 ― 変動なし
13~19 ― TP+「1点」
  20   ― 闘力-「1点」、特徴「呼吸が浅い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1~2 成長判定


――
――――――――――
―――――――――――――――――――――



周囲はとても暗い。

空を見上げると灰を被ったような雲が一面に広がっている。

嵐の前触れを予感した君は、自分が屋敷の外に居る事を認識した。


「…様!……領主様!」

「む?」

「どうかお考え直し下さい!」

「ど、どうした……? ドミニク」

「領主様は病んでおられるのです! たかが1人の人間にそこまで執心するなど――」

「だから何がどうしたと聞いている!」

「…!? とぼけているのですか! 領主様は仇討ちに向かうと仰って……!」

「………」 (誰かが死んだのか……?)


ドミニクは何時になく激しい形相だ。

……僕は一体何処へ向かおうとしていたのか。



「――絶対に向かうと言うなら!」

「私奴を叩き伏せてから向かって下さい」

「……」

「そうか、僕は……」

「考え直して頂けますね?」

「ドミニク。悪いが僕は行かなければならない」

「領主様!」

「退いてくれドミニク」

「時が過ぎれば心も癒えます! どうか、どうか――!



―――――――――――――――――
―――――――
――


―【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―41/41 闘力
―05/10 GP
―27/27 TP↑ 〔26→27〕
―50/100 ?↑ 〔30→50〕

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力
―04/10 GP
―40/40 TP
――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―04/10 GP↑
―38/38 TP
――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―05/10 GP
―34/34 TP
――――――――――――――――――――



「大変お疲れだったようで」

「ドミニク……」

「雑務はこちらの方で処理しておきました。気になる点があれば、食事の後でなんなりと」


いつの間にか部屋に入って来たドミニクが、微笑を浮かべながら窓を開けている。

どうやら今日も長く眠っていたようだ。


……あの夢はいったい何なのか。



【豊穣神マイアの月 3週】 (19/28)


「報告します」

「………」

「領主様、どうかされましたか?」

「…や、何でもない。始めてくれ」

「解りました!」

「領地【東と南では陣地を構築中】で、ウェスタの月には【完成予定】です」

「領主様から【意見】がありましたら、【皆さん】にどうぞお願いします」

「ああ」

「あと、今週は北東の村へ訪問する予定があります」

「忘れているようでしたら、今のうちに【準備をしておく】と良いかもしれません」

「ん」

「あのー、領主様?」

「…なんだ?」

「今日はいつもより口数が少ないようですけれど……」

「………」

「無理、しないで下さいね」

「……ありがとう。気を付ける」


―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 3週 (19/28)

・19、21ターンに北東の村と情報共有を行う

・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に物資の調達をする

・東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・人材は最大10名まで。現在の数は「10名」


・ルチアはディアナが嫌い。それとは別の方向でウルリッヒが嫌い

・エルキナの待遇に不満を持つ者が居た

・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる

・ドミニクは薔薇を育てている

・銀貨8枚をアエミリウスに支払う


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中

・東の櫓は南よりも景色が良い

・領地の中心に「目安箱」を設置

・南方にメッサーラ家の領地がある

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―豊かな農地++ 【?】
南―荒地+++ 【?】
南東―焼野原


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓

北東―牧歌的な村
南東―灰に塗れた地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【?】 陣地構築中 〔22ターン前後に完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



生きた結果は歴史が証明してくれる。

君はこの世界でどう生きたいかを示せば良い。


……第19ターンの行動を聞こう。君は何をする?


―【選択肢】―――――――――――――――――――

①―領地の開墾、改善
②―人材発掘
③―自己学習
④―誰かに相談する※
⑤―近隣の領主、村長に助けを求める※
⑥―自由記述
⑦―人材派遣

※―今まで出て来た人物の名前を併記する事
――――――――――――――――――――――――
下1~2 選択肢

6村に持っていく食料を見繕う

イベントを短くして良いなら別扱いにします
>>189は採用としてもう一つ

↓1


⑥―村に持っていく食料を見繕う


「ルチア。北東の村へ提供する食料は用意してあるんだろうな?」

「いえ全然」

「は!? どういう事だ!」

「これは領主様が率先して領民に説明すべき事」

「私が矢面に立つべきモノではありませんよ」

「うっ、それはそうかもしれないが……」

「張り切ってくださいませ」

「……本音は?」

「私が領民に頭を下げるのはイヤ」

「清々しい程の屑だな!?」


君はルチアに勢いよく突っ込んだ後、領地を廻る事にした。

……突っ込んだのは誤字にあらず。



「――と言う訳です」

「そうですか。しかし、我々の生活を脅かす程では無いんでしょう?」

「はい」

「でしたら構いません。私は毎日食べる事が出来れば十分ですから」

「ありがとうございます」

「頭を下げずとも大丈夫ですよ」

「………」

「困った時はお互い様。これからもよろしくお願いします」

「ええ。こちらこそ」


このように領民への説明は順調だった。

……最後に訪れた一軒を除いて。



「なんだなんだぁ!? また食い扶持が減るってのか!」

「いえ、そうならない程度に留めますので――」

「冗談じゃねぇ! こっちが必死こいて作った食料を……」ブツブツ


交渉は難航している。

訪問してから、もう十分以上は立っているだろうか。

……そろそろ帰りたい気分だ。


「領主になったからってよぉ!」

「なーんでオメエみたいなガキに渡さなきゃなんねぇんだ!」

「ですから――」

「ふざけんなっつうぅ~の! 舐めてんのか! あ!?」

「………」

「なんとか言ってみろよ! え!?」

「ははは、困りましたね」


……君はこの素直に従わない男をどうする?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「でしたら、私が貴方を餓えないようにして差し上げましょう」スッ

②―「あまり騒ぐようなら……この領地から追放しますよ?」

③―「要求があればなんなりと。叶えられる範囲で応じます」

④―「……失礼しました」 (この人は無視しておこう。その方が楽だ……)

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で高い方採用。数値が低いほど結果が良くなる)


①―「でしたら、私が貴方を餓えないようにして差し上げましょう」スッ


「選んで下さい」

「……あ?」

「この剣で首を飛ばされたいか、紙に書かれた内容のどちらかを」

「いっ!?」

「あまり長くは待ちません。さぁ」

「なんだぁそりゃ!? オメーは馬鹿か!」

「後で困るのはそちらですよ」

「ぐっ、ぬぬ……覚えてろ!」


軽く脅してやると、彼は素直に紙を選んだ。

紙に書かれていた内容は、別に大した事ではない。

『収益の一部を領地に還元する』

財政が健全な領地なら至って普通の内容だ。


……健全なら、の話だが。



それから君は支度を整え、北東の村へと向かった。

村への同行者は何人だったか君に聞くとしよう。


……君以外に【誰と誰】が居た?


↓2 自由記述 (人材9名の中から選ぶこと)


~牧歌的な村~


君はウルリッヒとルチアを連れて北東の村を訪れた。

青い草木の香りが不思議な懐かしさを感じさせる。


木々の影に覆われた周囲は仄暗い。

相も変わらず人の気配は感じられなかった。


……今日は珍しく人が居る。



君は思わず目を擦って二度見した。

ついさっきまで気配が無かったというのに――

目の前に覆面をしている男が立っているではないか。


「ようこそ」

「ど、どうも」

「この気配は……前と同じか」

「お宅は何を言うとるんや」

「ついて来い」

「ちょっ」

「あの」

「…何だ?」

「埃塗れで汚い部屋に案内するのは、出来れば止めて頂きたいのですが」

「……解った」

「ありがとうございます」

「………」 (まぁ、僕もアレが良いとは思わないけどさ……)


どんな意図があって、彼はあの部屋に招いたのか未だに解らなかった。

僕はあの場所で重要な物を見つけていないからだ。

恐らく、もうあの部屋には二度と入る事が無いかもしれない。


……なんとなくそんな気がした。



~村で一番大きな家~


「失礼します」

「相変わらず暗い……」

「邪魔するで~」

「そうか。それなら【11】と刻み込んだ部屋を開けると良い」

「……なんや急に。なんかあるんか?」

「言葉通りの行為をお前がするなら、【そこ】へ気にせず入れ」

「あー止めとくわ」

「懸命な判断だな」

「………」 (何があるんだろう……)


村長が指差した扉に薄っすらと【11】の数字が見て取れた。

その部屋を通り過ぎる時、隙間から鉄の臭いがしたのは何故だろう。



「ここだ。入れ」

「………」 (入口に灯りがある。他は暗いのに珍しい……)

「どうぞ先に入って下さい」

「譲られるとなんか入りたないなぁ……」

「後がつかえてるんですから、入ってどうぞ」

「そんな言うんならお前が行けって」

「突然奥から矢が飛んできたら怖いじゃないですか」

「俺を矢除けにする気かいな!?」

「おっと。口が滑りました」

「あんな? レディーファーストっちゅう言葉があってやな」

「良いからとっとと行け」

「……ハイ」


彼女に言い負かされたウルリッヒは恐る恐る部屋へと入った。

部屋に入る順番は君が2番目でルチアが最後。

何かあったら1人で逃げる為なのか、後ろを守ってくれているのか。


……ルチアの意図が読めない君だった。



「ここは割とまともな部屋ですね」

「そうか。それなら良かった」

「勝手に座って構へんか?」

「ああ、好きにしろ」


ウルリッヒは隅に置かれていた椅子を裏返してどかっと腰かけた。

それを見たルチアは溜息を吐き、1人分だけ持ってきて君を座らせた。


「本題に入ろう――」

「まずは食料の調達だ。どれだけ確保できたか見せてもらおう」

「どうぞ。内訳はこちらに」スッ

「……穀物、肉、チーズ……チーズか」

「何かご不明な点でも?」

「いや、何でもない」

「?」


彼は君にそう返すと、納品書を黙々と読み進めた。

乳製品に反応したのを見るに、彼の嫌いな物だったのか?



「調達に関しては上出来だ」

「ありがとうございます」

「約束の金貨だ。受け取れ」ピーン

「おっとっ……と!」


彼は懐から取り出した金貨を指で弾いてこちらに寄越した。

慌てて受け取ろうとした僕はその場で小躍りをする。


「さて。情報の交換と行こうか」

「何かありましたか?」

「こちらは特に。強いて言うなら【連日の日照り】か」

「そういえば確かに……全然雨が降りませんね」

「今年は【穀物の価格が上がりそう】だな」

「えらくまともな情報やん。もっとぶっ飛んだモンはないん?」

「………聞きたいのか?」

「おっ、あるんか! 言ってみるもんやな!」

「……お前を消そうと血眼になって探している奴が居るらしい」

「げっ」

「見つかればタダでは済まないだろうな」

「聞かへんかったら良かったわ……」


ウルリッヒは『藪蛇だった』という表情を浮かべた。

彼は何処からそんな情報を仕入れてきているのだろうか。



「お前達の方は何かあったか?」

「そうですね――」

「せやなぁ、俺は臨時収入が幾らか入ったわ」

「1人私の敵が増えました」

「……敵だと?」

「こちらの話です。心配は要らないのでどうかお気になさらず」

「ほう。そうか」

「………」 (それ全然知らなかったんですけど!?)


領地で問題は起きていない。

あくまで目に見える範囲での問題は、だが。


……君は何をこの場に提供する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「最近妙に生々しい夢を見るんです」 ラ「正夢にならなければ良いな」

②―「疲れが取れなくて――」 ラ「それを俺に言う必要性があるのか?」

③―「視線を感じて眠れないんです」 ラ「……隣に居る奴に聞いたらどうだ」

④―「輝いて見えるぞ」 ティ「誰がですか?」 ラ「お前の事だ」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2~3 選択肢 (2D10で低い方採用。偶数ゾロならそっちを優先)

5 興味があるので 以前いた呪術士に雨乞いのことを聞けないだろうか


①―「最近妙に生々しい夢を見るんです」 ラ「正夢にならなければ良いな」


「……」

「夢の世界は【現実と不思議な関係】にある」

「何を根拠に言うとるんや」

「お前は【人生の岐路】に立たされているのかもしれないな」

「無視かいな」

「人生の、帰路……?」

「ああ」

「【夢に出てくる物(者)がお前の助けになる】だろう」

「本当ですか?」

「信じるか信じないかはお前次第だ」

「胡散臭過ぎるやろ」

「………」


内容はともかく、彼は真面目に答えてくれているようだ。

こういった意見を持つ人間は少ないので貴重とも言える。



「急な悪天候は天気(転機)の変わり目とも言う。十分に注意しろ」

「驚いた。アンタも洒落言うんやな」

「気を付けます」

「それで良い」

「反応無くて悲しいなぁ」

「気になる事があれば今のうちに言っておけ」

「はい」

「何だ」

「洗濯物を干していたんですが、私の下着だけ何処かへ消えてました」

「……ちゃんと管理しておけ。他は?」

「ちょいとええか?」

「………」チラッ

「馬を拝借してたんやけど、朝見たら真っ二つに両断されとった」

「馬にお前の痕跡が残っていたからだろう。気を付けろ」


領地で問題は起きていないと言ったな。あれは嘘だ。

どうやら見えない所でそこそこの問題が起きていたらしい。


……君は続けてこの場に何を提供する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「5週間後に市場が開催されるらしいんですが、ご存知でしょうか?」

②―「疲れが取れなくて――」 ラ「それを俺に言う必要性があるのか?」

③―「視線を感じて眠れないんです」 ラ「……隣に居る奴に聞いたらどうだ」

④―「輝いて見えるぞ」 ティ「誰がですか?」 ラ「お前の事だ」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2~3 選択肢 (2D10で低い方採用。偶数ゾロならそっちを優先)


①―「5週間後に市場が開催されるらしいんですが、ご存知でしょうか?」


「無論だ。それは俺が関与している」

「えっ」

「前提として、俺達が生き残っていなければならない訳だが……」

「どういうことです?」

「火事場泥棒さ」

「爺さんの貯め込んだ財産を売り捌こうって魂胆か?」

「その通り」

「なるほど。そういう事でしたか」

「お前の領地にある”アレ”は便利だったぞ」

「目安箱の事ですね」

「それだ」


図らずも彼にとって都合の良い連絡手段になっていたようだ。

目安箱を作ろうと考えた誰か(自分)に感謝しなければ。



「しかしまあ、盗品売り捌こうなんて考えよう思いつくわ」

「ックク……だろう?」

「別に褒めてる訳じゃあらへんで。発想が馬鹿のそれや」

「そうか」

「そうか……って、もうちょっとなんかこう……ないん?」

「無い」

「…………えぇ」


バッサリと切り捨てられている。

ウルリッヒの何が彼をここまでこうさせるのか。


……全くもって考えが及ばない。



闇市が彼によって開催されると解った。

それはつまり、彼が今回の戦いで負ける気が無いという事になる。

勝算はあるのだろうか。


……いや、勝算は自分達で作らなければ。


いつまでも他人任せにしていては不味い。

どうにかしなければ、立場が危ういのはこちらなのだから。



「まだ、何かあるか」

「俺は幾らでもあるで」

「あるなら聞こう」

「俺あるで?」

「さぁ。なんでも言え」

「ガン無視すんの止めてくれよぉ……」


……君は最後に、この場へ何を提供する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「ラール・プリースクス(Lar Priscus) 。……人の上に立つ者とはなんだろうな」

②―「疲れが取れなくて――」 ラ「それを俺に言う必要性があるのか?」

③―「視線を感じて眠れないんです」 ラ「……隣に居る奴に聞いたらどうだ」

④―「輝いて見えるぞ」 ティ「誰がですか?」 ラ「お前の事だ」

⑤―「ありません」※終了

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で高い方採用)


①―「ラール・プリースクス(Lar Priscus) 。……人の上に立つ者とはなんだろうな」


「悩み事ですか?」

「……似たようなものだ」

「旦那、その言葉の意味は?」

「ラールは『君主、主人』を表し――」

「プリースクスは『質素や古く尊い』を意味します」

「お前にゃ聞いてない」

「俺は他人の機微に疎いらしい。つまりはそういう事だ」

「つまりもなにもどういう事や……」

「………」 (彼も村長という立場で苦労してるのかもしれない)


君は自分と彼の立場を重ね、悩みの元が何かを考えた。


……解らない。てんで解らなかった。

知っている部分なんて全くないのだから当然とも言える。



「さて、そろそろお帰り願おうか」

「そうですね。長々と失礼しました」

「次は【2週間後】だ。それが【終れば作戦を実行】する」

「……長いようで短いですね」

「【我々からすれば長い】。だが終ってみれば一瞬だ」

「そうでしょうか」

「くだらない事を言った。忘れてくれ」

「…?」


君は違和感を覚えた。

外部からの働きかけというか、神の見えざる力というか――

彼の言葉にそういった物を感じ取ったからだ。


……いったいどういう事だろう。

この感覚はルチアやドミニクからも感じたものだが……。



「今日は見送らないんですね」

「見送って欲しいのか?」

「そういう訳じゃないんですけど……」

「なら良いだろう。迷子になる年でもないのだから」

「………」 (言えない……あるなんて言えない!)

「フフッ……ッ」

「どうした?」

「いえ」 (後で覚えてろよルチア……)


笑いをこらえているルチアを睨み、君は村長へ別れの挨拶をした。

領地へと帰る道中で、ウルリッヒがなにやらいじけていたのは気のせいか。



【中間報告】


「ご報告致します!」

「ディアナか。よろしく頼む」

「はい♪」

「今週は特に何もございません!」

「………」

「異状が無いって素晴らしいですね!」

「……本当にそれだけか?」

「以上です!」

「…………ありがとう、下がってくれ」

「はい! 失礼します!」


ディアナは満面の笑みで書斎から出て行った。

彼女の心が平穏そうで何よりだ。


……もしかして何も無いのは今週が初めてか?



【自由行動】


君は余暇を利用して何かしらの行動を起せる。

領地を散策したり、変わった催し事なんかも出来るだろう。

生きる為に動き続けるのは悪くない事だが、時には休むべきだ。


……今週は何処でどう過ごす?


下1~3 自由記述 〔2D10で低いのと高いの採用。同値なら先に書いたの〕

 ※主人公以外の行動指定もやろうと思えば出来ます。


―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 3週 (19/28)

・21ターンに北東の村と情報共有を行う (週の初めに入るイベント)

・領地の中心に「目安箱」を設置 (週初めと中間報告で妙なイベントが入ります)

・ウルリッヒは臨時収入を得て馬を失った (週初めと自由行動で選べる)

・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる (自由行動で選べるイベント)

・ルチアの服が何処かに消えた (自由行動で選べる)


・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に戦の準備を整える

・東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・銀貨8枚をアエミリウスに支払う (陣地構築が済んでから入るイベント)

・平和だヤッホー


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中 (石油を何かしらに使えます)

・東の櫓は南よりも景色が綺麗なので気分転換になる (やる気が回復します)

・南方にメッサーラ家の領地がある (訪問出来ます)

・↑のおおよそ反対側にアエミリウス家の領地がある (訪問出来ます)

・君が休んでいる時は皆も領地の何処かで過ごしている

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


レス付かないのでメタ情報を少しだけ開示

ついでにこのレスでメッサーラの私兵の数 (2D10の結果で増減)


↓1~2 自由記述 〔2D10で低いの採用。同値なら先に書いた方を採用〕



~豊かな農地~


君は進捗状況を確認する為、1人で領地東へとやって来た。

現場に居る人間は齷齪と働いている。

遠くで眺めていると、君に気付いたモルドーが手を振った。


「おうおう! どうした領主様?」

「どうも。作業の方はどうですか?」

「忙しいがまあ問題はねぇってトコか」

「それは何よりです」

「この調子でいきゃ、後【3週あれば出来る】ぜ」

「【どのくらいの物が出来そうですか?】」

「俺はあんまり見当が付かないんだが――」

「人が居て防衛だけだったら、【2倍位の相手は出来る】んじゃねぇか」

「相手の練度にもよりそうですね……」

「まぁその辺は、【詳しい奴が領主様には居る】んだろ?」

「………」 (ウルリッヒかエルキナあたりだろうか……)

「ええ」



「そういや」

「?」

「作業やってる奴の1人が妙な事言ってたな」

「どんな内容ですか」

「なんか……よく解んねぇんだけどよ」


『この陣地を攻略しようとした場合、【1/3の確率で人が傷付き】――』

『もう【1/3で防御に成功】する。残りの【1/3で相手方を負傷】させられる』

『配備に付く者が疲弊した場合、結果が悪くなる可能性が……』

『補強出来なければ【2度の防衛が限度】と言えるだろう』

『どうすれば……』ブツブツ


「なーんて独り言を」

「それは何と言うか……」

「正直、医者にかかった方が良いんじゃねえかと思ったぜ」

「その方は今どこに?」

「さぁな。気付いたら居なくなっちまってた」

「……そうですか」


その人間の所在よりも陣地の事が気になった。

……補強すべき所とはなんだ?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地全域/

【被害状況】 □□□□□


/東の陣地/

【被害状況】 □□

【配置上限】 □□□


/南の陣地/

【被害状況】 □□□

【配置上限】 □□


/補足事項/

被害状況;■で全部を塗り潰されると壊滅
配置上限:□の数以上の人材配備は不可
――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「……↑は何ですか?」

「居なくなった奴が書き残していったモンだ」

「どういう事でしょう」

「さぁな」

「………」 (陣地の性能か何かを書こうとしたのか……?)

「おっと、今日はどうする?」

「ええと」

「作業について何か言いに来たんじゃねぇのか?」



モルドーは君に問いかけている。

君が陣地構築に意見をだすなら、今ここで彼に言っておこう。


……どんな要望を出す?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「いえ、特にありません。引き続きよろしくお願いします」※終了

②―配備人数を減らす代わりに陣地の質を上げる (東、南のどっちか)
③―陣地の質を下げる代わりに配備人数を減らす (東、南のどっちか)
④―作業している人員を何処かへ集中させる (東、南で4つのうちどれか)

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~3 選択肢 (2D10で真ん中の値を採用)

③―陣地の質を下げる代わりに配備人数を減らす (東、南のどっちか)

③―陣地の質を下げる代わりに配備人数を”増やす” (東、南のどっちか)


②―配備人数を減らす代わりに陣地の質を上げる


「……南の陣地について」

「おう」

「最小限の人員で最大限の効果が得られるようにして頂けますか」

「中々に無茶を言ってくれるじゃねぇか」

「すみません」

「おうおう、頭は下げなくても良いぜ」

「出来ますか?」

「もちろんだ。きっちりこなしてみせらぁ」

「ありがとうございます」


モルドーは君の要望を受け入れた。

これで南はより堅牢になるだろう。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地全域/

【被害状況】 □□□□□□


/東の陣地/

【被害状況】 □□

【配置上限】 □□□


/南の陣地/

【被害状況】 □□□□

【配置上限】 □


/補足事項/

被害状況;■で全部を塗り潰されると壊滅
配置上限:□の数以上の人材配備は不可
――――――――――――――――――――――――――――――――――――


……?

さっき見た内容が僅かに変化している。僕の見間違えだろうか?



~屋敷~


「あいつは何処だ」キョロキョロ

「……おや? 領主様。どうかされましたか」

「ルチアを探してるんだ。知らないか」

「ああ、ルチアでしたらあの部屋に」スッ

「部屋で何を?」

「女性陣とお話しを……とだけ」

「?」


ドミニクはそれ以上何も答えようとしなかった。

僕はそれを追求せず、彼が指差した部屋へと向かう。



「~~~ッ~~!」

「………」 (言い争っているような声だ。何を言ってるんだろう?)


――
―――――


「つまり――」

「私は領主様の妻となる訳であってー」ツカツカ

「……」

「隙間に入ろうとした貴女とはそも立場が違うんです。お解りですか?」クィッ

「……だから自分は何をしても良いって言うんですか」

「領主様の物は私の物でもある訳です。当然じゃありませんか」ノシッ

「酷いです……あんまりですよ」


―――――
――


「!?」

「やべぇよやべぇよ……」


思った以上に不味い光景だった。

ルチアが四つん這いになったディアナに腰かけているではないか。



「な、なんと言いながら入るべきか――」

「~~あっ!」スパーン

「………」

「……」ススス


――
――――


「実に叩き甲斐のある尻ですね」

「やっ、止め……」

「止めません」パシーン

「ひんっ!」

「んー悲鳴が心地いい」

「た、助けて下さいぃ~」

「貴女も存外良い趣味してますのね」

「でしょう?」

「……皮肉ですわよ」

「なーにか仰いましたか?」

「いえ、なにも」

「ふふっ……エルキナ”様”もご一緒にどうですか?」

「私は遠慮しておきますわ」

「そうですか。残念です」 (´・ω・`)

「……畜生」ボソッ


――――
――


「女性陣って言ってたから、そりゃ居るよね……」

「………」

「どうしよ」


部屋の中を覗き込むとディアナがスパンキングを行っていた。

エルキナは少々引いた顔でそれを見ている。



ディアナの顔は羞恥で赤く染まり、目に涙を浮かべ懇願していた。

露出した尻もほんのりと赤みを帯びて、えr……痛ましさがあった。

ルチアがそれを恍惚とした表情で眺めていたのは何故だろう。

エルキナはある種、諦めたような顔を浮かべていた。

彼女達は何故この場所でこのような事をやっているのか……。


……僕は部屋にどうやって入ろう?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―ノックをして入る
②―いきなり開ける
③―ゆっくり開ける
④―立ち去る

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢


③―ゆっくり開ける


君は右手を捻り扉をゆっくりと開けた。

その瞬間、中の喧騒は静まり返る。


――ギギッギィー。


「や、やあ」

「領主様。どうかされましたか?」

「あー、その……ルチアに話があって」

「……」チラッ

「!」ピクッ

「私は構いませんわ」

「……後で向かいますので、領主様は書斎でお待ち頂けますか?」

「う、む。解った」


ディアナは床に手を突いて顔を伏せている。

よく見ると彼女の耳は真っ赤だった。

臀部こそ露出していないものの、何かをされていたのは明白だ。


君は部屋から立ち去り、自分の書斎へと向かった。


――
――――――



「――領主様。入ります」

「来たか」

「大変お待たせ致しました」

「随分長かったようだが、何をやっていたんだ?」

「犬に躾をしておりました」

「そ、そうか」

「領主様はどういったご用件で?」

「えーっと……」

「大した事では無いのでしたら、帰らせて頂きますが」

「待て待て、今言うから」

「あぁ……もしかして、催したから抜いて欲しいんですか?」ツカツカ

「違ーう!」

「失礼します」モゾモゾ

「うほぉっ!?」

「幾ら否定しようと身体は正直ですね」スコスコ

「……離れてくれ」

「止めて良いんですか?」ゴシゴシ

「今は……クッ…話がしたい……から」

「解りました。止めましょう」パッ

「やれやれ、生きた心地がしないな……」

「夢見心地だったと?」

「……その通りだよ」


ルチアは手をスンスンと嗅いで見せ付けるように舐めている。

呼び出した彼女にどんな話をしようか。



―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「ディアナの事なんだが――」 ル「もっと従順になるまで躾けましょうか?」

②―「エルキナは何故あの場に?」 ル「観k……相談相手として私が呼びました」

③―「最近さ、夢を見るんだ」 ル「何を急に。いつも見ているではありませんか」

④―「ルチアに体よく扱われてる気がする」 ル「気のせいでございましょう」

⑤―「気持ち良かったですか?」 ティ「……うん」 ル「後で沢山しましょうねー」

⑥―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で高い方採用)


③―「最近さ、夢を見るんだ」 ル「何を急に。いつも見ているではありませんか」


「それがちょっと不吉な内容で」

「?」

「r……誰かが居なくなる夢なんだ」

「なるほど。それで怖くて眠れないから一緒に寝てくれと」

「違……いや、違わないか。怖くなったのは事実だし」

「夢は夢でございます。何を恐れる必要が――」

「ルチアは、僕が誰かに殺されたらどうする?」

「息の根を止めに行きます。地の果てであろうと」

「喜んで良いのかな」

「泣いても良いですよ」

「それは流石に……」

「私の思いが嬉しくないんですか?」

「重すぎるのはちょっと」

「領主様の癖に生意気です」

「従者だろう? ルチアは」

「……まぁ、そうですね」


会話の途中、ルチアの表情は小さく変化し続けていた。

『殺されたら』という言葉には少ない笑みを消して

『重すぎるのは』という言葉には口を尖らせて

彼女の微細な変化に気付けるのはとても愉快な事だった。



「領主様」

「うん?」

「夢で私が死んだのですか?」

「……うん」

「領主様はその夢でどう動きましたか?」

「半狂乱で仇討ちに向かおうとしてた」

「まぁ」

「ドミニクに止められて、それでも押し通った」

「ふふっ」

「……何が可笑しい?」

「私の事をそれだけ思ってくれていたのだと解って」

「そうだよ。ずっと、【ずぅっと思ってた】からね……」

「あの頃ですか」



――
――――――
――――――――――――――――――――――――



僕は庭に咲く鮮やかな花で冠を作る。

1つ、2つ、3つと沢山作って隣に居る女の子にあげた。


その子は商人の娘で、領地に来るとよく一緒に遊んでいた。

お父さん曰く、『商談中は暇だろうからお前が相手していなさい』。

偶に意地悪もしてくるけど、優しくて綺麗な子。

そんな事を考えてぼーっと見ていると彼女が抱き着いて来る。


「考え事の顔ー!」ガバッ

「わわっ!」ドサッ

「ねぇねぇ、ティオニクスー」スリスリ

「なぁに?」

「将来は君のお嫁さんにしてね!」

「僕なんかで良いの?」

「君じゃなきゃイヤ!」

「……!」ドキッ



―――――――――――――――――――――――――
――――――
――



「ふふっ……よく覚えておいでで」

「忘れようもないさ」

「大事にしてくれますか?」

「………」

「一生大事にする」

「嘘だったら許しませんから」

「はは、怖いなぁ」

「他の女に靡いたら許しませんからね?」

「は、はははっ、怖いなぁ……」ガタガタ

「私を妻に迎えるならそれ位は覚悟して頂かないと」

「肝に銘じるよ」

「その切り替えの早さ。そういう所が好きですよ」

「……ッ!」

「どうしました? 顔を背けて」ツカツカ

「いや、ルチアの態度が珍しく素直だからその……」

「こういうのはお嫌いですか?」ジィーッ

「ううん。そっちの方が……断然良い」

「………」

「大好きですよ。ティオニクス」スッ

「……僕もだ。ルチア」チュッ


その日の夜、僕達は夫婦の契りを改めて結んだ。

激しく乱れる彼女に負けじと、僕は腰を振るい続ける。

彼女が満足するまでずっと……。


↓1~ ダイスロール   〔極端な値が出るまで〕

さて、どうですかな?

そもそも極端な値ってどこからなのか。
02~04と18~20はほとんど出ないけど。

>>264
ゾロ目と02~03、19~20

自分も参加

>>260から数えて10レスまでに極端な値が出なければ
ルチアはティオニクスとの行為に物足りなさを感じたという事にします

ついでにもう一度参加



ベッドに腰かけた2人は愛を囁く。

言葉は途切れ途切れでも悪い空気にはならない。

相手を思いやる気持ちがそこにはあった。


「ルチアは服の上から触られるのが好きなのか?」

「や……耳元、くすぐったい……」

「ココはこんなに主張してるのになぁ」モミモミ

「ティオニクスだって……そうじゃないですか」サワサワ

「ルチアが魅力的だからいけないんだぞ」

「厭らしい触り方。でも嫌いじゃないです」

「んむ……はぁ……んくっ」


舌を差し込み、舐るように絡ませる。

唇の柔い感触が、もっと味わいたいと君の欲求を募らせた。


「「………ぷはっ」」


互いの口を糸が繋ぐ。


そこから先は言葉が要らなかった。

腰をくねらせ、嬌声をあげ、本能を刺激する。

彼女は君を受け入れ、君は彼女を求めた。



「ふっ、ふっ」

「んん~っ!」 (ティオニクスっ……もっと、もっと……!)



「ふぅっ、はぁっ」

「あっ……そこっ」 (ちょっとしんどそう……大丈夫でしょうか……?)



「ぜぇ、はぁ」

「…っ……ゃん」 (勢いが無くなって来た……)



「も、ムリ……」

「えっ」

「寝させ……て」

「………」

「zzzzZ、zzzzZ」

「もう……おしまい?」



一言で表すなら不完全燃焼。

私が満足する前にティオニクスはバテてしまったようです。


……だらしない。

これなら私を買った男達の方がよっぽど……いえ、止めておきましょう。


ふふっ……でも、寝顔は可愛いですね。

だらしない息子にお仕置きをしてから私も寝ましょうか。


―【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―29/41 闘力 〔41→29〕
―05/10 GP
―19/29 TP↑ 〔27→29〕
―40/100 ?↓ 〔50→30〕

【男女の営み】 (闘力、TP50%減少)
【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―36/45 闘力 〔45→36〕
―04/10 GP
―32/41 TP↑ 〔40→41〕

【男女の営み】 (闘力、TP20%減少)
――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―04/10 GP
―38/38 TP
――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―05/10 GP
―34/34 TP
――――――――――――――――――――


幾度となく出して疲れを感じた僕は、ルチアより先に寝てしまった。

目を瞑る前に見たルチアの顔が『もう終りなんですか?』と言いたげだったのが……。


↓1~2 ダイスロール (2D10で『00』か『20』か『ゾロ目』ならご懐妊)



【豊穣神マイアの月 4週】 (20/28)


「入ります」

「ハァ、ハァ……ルチア」ダキッ

「領主様。どうかしましたか?」

「ちょっと頼めないかな」

「駄目です。公私の区別は付けて下さい」

「……はい」

「よろしい。では報告に入らせて頂きましょう」

「領地【東と南では陣地を構築中】で、ウェスタの月には【完成】」

「領主様から【意見】があれば、【お三方】にどうぞ」

「うん。他に重要な事は?」

「メッサーラ候から書状が届いております」

「いっ!?」

「内容ですが――」

「『近頃は軍備か何かを整えておるようじゃの?』」

「『事業が完成した暁には、儂を領地に招待してくれんだろうか』」

「『親愛なるティオニクスへ。メッサーラ』」

「もしかして……バレた?」

「さぁ? どうなんでしょうね」

「ああー! どうするべきなんだ!?」

「無難に返しておけばよろしいかと」

「頼んだ!」

「ご自分で書くなら、文面は私が考えても構いません」

「う、解った……」


―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・豊穣神マイアの月 4週 (20/28)


・21ターンに北東の村と情報共有を行う (週初めに入るイベント)

・領地の中心に「目安箱」を設置 (週初めと中間報告で妙なイベントが入ります)

・ウルリッヒは臨時収入を得て馬を失った (週初めと自由行動で選べる)


・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる (自由行動で選べるイベント)

・ルチアの服が何処かに消えた (自由行動で選べる)

・ルチアと結ばれた (定期的に?が回復します)


・ウェスタの月が半分過ぎるまで(22ターン)に戦の準備を整える

・東と南で陣地構築中。3名と関わる事で介入可能

・銀貨8枚をアエミリウスに支払う (陣地構築が済んでから入るイベント)


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中 (石油を何かしらに使えます)

・東の櫓は南よりも景色が綺麗なので気分転換になる (やる気が回復します)


・南方にメッサーラ家の領地がある (訪問出来ます)

・↑のおおよそ反対側にアエミリウス家の領地がある (訪問出来ます)

・君が休んでいる時は皆も領地の何処かで過ごしている


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―豊かな農地++ 【?】
南―荒地+++ 【?】
南東―農地


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓

北東―牧歌的な村
南東―灰を被った地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【?】 陣地構築中 〔22ターン前後に完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



民衆は愚かな者に厳しい。

年老いた老人になって身を退こうと、誰かが覚えている筈だ。

その時、石を投げられないように今を立ち回るべきだろう。


……第20ターンの行動を聞こう。君は何をする?


―【選択肢】―――――――――――――――――――

①―領地の開墾、改善
②―人材発掘
③―自己学習
④―誰かに相談する※
⑤―近隣の領主、村長に助けを求める※
⑥―自由記述
⑦―人材派遣

※―今まで出て来た人物の名前を併記する事
――――――――――――――――――――――――
下1~2 選択肢

差し当たり気になるのはウルリッヒと合法ロリビッチかな。内通者も気になるけど。

せっかくなのでウルリッヒにヒアリング。やった人間に心当たりはないかとか。多分放置でウルリッヒ殺害イベントだろうし。


①―領地の開墾、改善


書斎で椅子に腰掛ける君は深い溜息を吐く。

領地は安定している。不満は特に無い。やる気もそこそこ。

しかし、領地の問題点はある筈だ。まだまだ気が抜けない。


――カツッ、カツッ、カツッ。


耳を澄ませると、足音が徐々に大きくなっている事が解った。

君は考える事を一旦止め、扉が開くのを静かに待つ。


―――コン、コンコンコン。ガチャッ。


「領主様、お呼びでしょうか」

「ああ」

「私奴を書斎に呼んだ理由は一体……」

「食料について聞きたい。南東はどれ程の規模で生産している?」

「まだほんの小さなモノでございます。屋敷の庭2つ分といった所でしょうか」

「東はどうだ?」

「すくすくと成長しておりますよ」

「直接見た感想か」

「はい。【災害でも起きなければ】領民が飢える事は万に一つもありません」

「……災害」


目を伏せて想起する。

嵐、雨、噴火、領民が恐慌をきたして逃げ惑う姿。

自分は領主としてどう動いているかを……。



「ご安心下さい領主様。この領地で災害と呼べるものは――」

「大雨による【川の氾濫】」

「……はい。その通りでございます」

「父さんが亡くなった日がそうだったから、よく覚えてるよ」

「申し訳ありません。力が及ばず……」

「ドミニクの所為じゃない。謝らなくてもいいさ」

「はっ」


ドミニクは只々頭を下げる。

場に漂う沈黙の重さが、彼の無念を表しているようにも感じられた。



「昔は南一面に穂が実っていた」

「そのような時も……ございましたね」

「作物は全て流され、今は荒れた土地があるだけ」

「………」

「父さんの苦労も水の泡だ」

「領主様……」


過去と今。

過去に居た者の代わりに、別の誰かがそこに居る。

君は君の父と同じ選択を選んでも良いし、選ばなくても良い。


……君は領地のどこで何をする?


―【選択肢】―――――――――――――――――――

①―貯蔵庫を建てる
②―遮蔽物を作る
③―穴を掘る
④―川の水を引く
⑤―目印を立てる
⑥―自由安価

――――――――――――――――――――――――
下2 選択肢 【東西南北のどれかも指定】

今日か明日の夕方ぐらいから再開


【前回までのあらすじ】


懐かしい記憶。

想いを伝えあった領主と従者。


脳裏に過る父の言葉と川の氾濫。

自分の代わりは幾らでも居る。

領地の南に水を引こう。



④―川の水を引く


「ドミニク。南方に向けて川の水を引け」

「はっ」

「作業途中の陣地と組み合わせて活用したい。出来るだけ川幅を取ってくれ」

「……期限は」

「2週間だ」

「かしこまりました」


――ガチャッ、ギィーッ。


「………」

「必ず領地を守って見せる」

「同じ轍は……二度も踏まない」


君は心に刻むよう静かに呟いた。



【中間報告】


「始めてくれ」

「はい。まず南方での作業ですが――」

「このまま作業が滞りなく進めば、陣地と同時に完成するでしょう」

「ふむ」

「上手くいけば橋頭保の役割を任せる事が出来るかもしれません」

「そうか……」

「なにぶん期間が短いですから、あまり期待はしないで下さい」

「解った」

「報告は以上です」

「よし、下がってくれ」

「あの……領主様」

「なんだ?」

「後でその……」

「仕事を全力で片付けよう」

「……嬉しいです」


女従者は頬を薄い朱に染め、顔を背けつつ部屋を退出した。

以前の彼女を考えると、今の姿は中々新鮮だと思った、



【自由行動】


生きていた事実は誰かと関わる事によって強く残す事が出来る。

君は領地を散策したり、過去の記憶に想いを馳せたりも出来るだろう。

世界は刻一刻と変化している。それを忘れるべきではない。


……今週は何処でどう過ごす?


下1~2 自由記述 〔2D10で低いの採用〕

(※主人公以外の行動指定もやろうと思えば可能)


現在の状況は>>278

訳あって週初めの行動を一つ潰しています(>>281


これが安価範囲なら下


戦の準備


「ディアナ、ディアナは居るか」

「どうかなさいましたか?」

「相談事だ」

「私に……ですか?」

「ああ。軍属だった君の知見を借りたい。後で書斎まで来てくれ」

「解りました!」

「よろしく頼む」


――コッコッコッ。


「ディアナー。入りますわよー」ガチャ

「あっ、エルキナ様……」

「お取り込み中だったかしら」

「構いません。後でそちらにも向かおうと思っていたので」

「ふぅん……何の話か聞いてもよろしくて?」

「戦です。これから起きるであろう」

「直ぐに始めますの?」

「用件がもう一つあるので、そちらが済み次第」

「解りましたわ。それなら私はディアナと談笑でもしていましょうか」

「よろしくお願いします」


戦の準備を整える為に、君はディアナとエルキナを選んだ。

恐らく彼女達の経験を生かせるまたとない機会だろう。



屋敷を速足で歩く。

君の目的はウルリッヒだ。


「あなたは~そこに居ますか~?」

「………」

「――っと、どうしたんや旦那。俺になんか用か」

「どうも。少し気になった事があったので」

「俺の事で?」

「はい」

「……立ち話もなんや。あの部屋ん中で話そう」


君達は手近な部屋へと入る。

どうやらここは物置として使っているようだ。



「俺に聞きたい事ってのは……」

「………」

「ハッキリ言うてくれ。もやっとするのは嫌いなんや」


ウルリッヒは少々高圧的な態度だ。

君は彼に対してどんな話題を投げかける?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――

①―「馬が両断されていた件で気になる点はありますか?」

②―「私達に嘘を吐いてたりしませんか?」

③―「これからもルチアと仲良くしてやってください」

④―「今更ですが、何故メッサーラ候の下で働いていたんですか」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で高い方採用)


①―「馬が両断されていた件で気になる点はありますか?」


「馬、馬ねぇ」

「どんなに小さな事でも良いです」

「強いて言うなら、そうやな――」

「………」

「断面を見るに【業物を使ったか腕が恐ろしく良い】って所か」

「領地にそんな人間が……とても厄介ですね」

「せやろ?」

「他にはありませんでしたか」

「……【血が渇ききって無かった】な」

「つまり、その相手はかなり近くに居ると?」

「その通りや」


強調された点は二ヵ所。断面と飛散した血についてだ。

血液の凝固に関しては断言しきっている。



「他に聞きたい事はあるか?」

「………」

「言うなら今やで。何時までも俺がここにおるとは限らんからな」


ウルリッヒは君に問いかけた。

彼に対してどんな話題を投げかける?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――

①―「裏切ったりしませんよね?」

②―「私達に嘘を吐いてたりしませんか?」

③―「これからもルチアと仲良くしてやってください」

④―「今更ですが、何故メッサーラ候の下で働いていたんですか」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で高い方採用)


④―「今更ですが、何故メッサーラ候の下で働いていたんですか」


「知りたいか?」

「ええ」

「ホンットーに知りたいか?」


ウルリッヒは珍しく何度も聞いてきた。

言いたくない事なのだろうか。


「俺は爺さんの外孫や」

「……えっ?」

「俺は……母親が死んでからずっと厄介者扱いされとった」

「あいつの言葉は今でも覚えとるで」

「『お前も一緒に死んでくれれば、こんなに無駄な金を使わなくても済んだ』」

「『とっとと家から出て行け! この役立たずの出来損ないが!』……ってな」

「笑える話やろ。実の親がやで?」

「………」


ケラケラと笑う彼の顔はどこか悲しそうだった。

君がどう反応して良いか対応に困っていると――



「出て行った後は何でもやった」

「薬の運び人、盗みに詐欺、人を手にかけた事もある」

「合間に兵法を学んだり、動物の躾なんかを仕入れたりもした」

「………」 (通りで。妙な特技ばかりだと思った)

「ある一件でヘマをした時に初めて会ったのが爺さんや」

「……向こうは知っとったようやけど、俺は自分の爺さんだと知らんかった」

「無様に命乞いをして俺は生き永らえた」

「その後は今までと変わらん。1人じゃなく組織的に動くようになっただけ」

「そして今に至る訳や」

「………」

「旦那の聞きたい事は聞けたか?」

「……申し訳ありません」

「なんで謝る? 聞かれた事を素直に言っただけやろ」


君はこの話をこれ以上続ける気が起きなかった。



「まだ聞きたい事はあるか?」

「………」

「あるなら言えや。俺は他人に気を使われるような柄じゃあない」


ウルリッヒは君に再度問いかけた。

彼に対してどのような話題を投げかける?


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――

①―「裏切ったりしませんよね?」

②―「私達に嘘を吐いてたりしませんか?」

③―「これからもルチアと仲良くしてやってください」

④―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で低い方採用)

1800以降に更新 あげ


メッサーラをどう思っているか


「メッサーラ候に対してどういう感情をお持ちです?」

「多少の感謝はあれど……【面倒臭い】っちゅーのが本音か」

「好きに動ける程、俺等に分け前を寄越してくれる訳じゃ無いしな」

「………」

「仮に、敵対することになった場合は――」

「アンタらが死に体ならあっちに。あっちが駄目ならアンタらと」

「要は【都合の良い方】につくって事や」

「そうですか……」


彼にとって自分が生き易い方につくのは当然だ。

意志を捻じ曲げるような事は出来るだけ止めておきたい。



「……時間や。もう仕舞いにさせてもらうで」

「えっ」

「俺にだって都合はある。旦那だって何かあるんとちゃうんやない?」

「そう、ですね。その通りです」

「さっさと行った行った!」


彼に促されて部屋の外へと出る。

君は待たせているであろう彼女達の元へと向かった。


「………」

「……いなぁ。旦那は」ボソッ



――コンコンコンコン。


「入ってくれ」

「失礼致します」ガチャ

「これで揃ったな……」

「ティオニクス様。始めますの?」

「ええ、そうするつもりです」


これから行われるのは戦の準備だ。

事前に用意した物が上手く使えれば有利に立ち回れる。

意見を出す際は、難しく考えずに答えた方が良いかもしれない。



「まずは見て欲しい物があります」

「なんですの?」

「作業員が書き残した物です」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地全域/

【被害状況】 □□□□□□□


/東の陣地/

【被害状況】 □□□

【配置上限】 □□□


/南の陣地/

【被害状況】 □□□□

【配置上限】 □□


/補足事項/

被害状況;■で全部を塗り潰されると壊滅
配置上限:□の数以上の人材配備は不可
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

1~3 … 被害を受ける 
4~6 … 双方の被害なし
5~9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍


5521、4441、33232、44221




「これは領地の状況?」

「そのようです」

「防衛に一度失敗すると、この□が■に塗り潰されるんでしょうか」

「どこまでの規模を表すか解らないが、恐らくそうだと思っている」

「下の数字はなんですの?」

「区切り毎の総和は13ですねぇ」

「武器? 日数? それとも……人の数?」

「こちらで把握している範囲で13という数字が関係する物はありませんでした」

「謎が深まりますわね」


紙に書き写した内容は以前と若干変わっていた。

よーくみると少なかった部分が一つ増えているようにも思える。



「これを見て頂いた上で、二人には【領地に残す人間】を決めてもらいたい」

「留守を預かる方の選出ですのね」

「はい。客観的に見て【出来るだけ有能な者】を選んで欲しい」

「全員に聞かなくてよろしいのですか?」

「ああ。意見の偏りが出難い人間が望ましい」

「大局を見る事が出来る、若しくはそういった経験が少しでもありそうな君達を選んだ訳だ」

「えっ……あ、ありがとうございます」

「褒められ慣れてないのが可愛いですわね。貴女は」

「……はい」


一瞬引き攣った顔が見えた。

エルキナの賛辞は何か別の意味を含んでいるのだろうか。



「ティオニクス様は領地に残りますの?」

「………」

「まだお世継ぎも出来ていないでしょうし、矢面に立つのは……と私思うのですけれど」

「私は――」


―【選択表】―――――――――――――――――――――――――――

①―「ここで指揮を執ります」(出ない)

②―「帰りを待ってもらう事にしましょう」(出る)

――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 とても大事な選択肢


ヒ ン ト

>>183-184

なぞると し に ま す


②―「帰りを待ってもらう事にしましょう」(出る)


「細かい指示をより正確に実行出来ますし、良いと思います!」

「そうですわね。懸念事項が無ければの話ですが」

「………」

「こういう性分ですから気にしないで下さいまし」


後継者が居ないのは直ぐにどうこうなる物ではない。

彼女の反応は流しておくのが吉だろう。



「では、改めて領地に残す人間を決めよう」

「ティオニクス様。私からでよろしくて?」

「構いません」


エルキナは軽く咳ばらいをしてから話始めた。


「そうですわね……私は【ゴラン、ミリス、ディアナ】のいずれかを」

「えっ! 私ですか!?」

「考えを聞かせてください」

「ええ。まずゴランを押した理由ですが――」

「彼は肉体的にもタフであり、【長期戦でも一定の質を保てる】かと」

「立場が【危うくなると裏切る可能性は無きにしも非ず】ですが」

「……ミリスを選んだ理由は?」

「力にあります。【万全の状態の彼と闘って傷を負わない者は居ない】でしょう」

「ただ、【危険を顧みないのが仇となる可能性】が……」

「……ディアナについては?」

「遠方からの射撃が行えるのは防衛戦において非常に有利ですから――」

「素直に狙撃手として運用します。【こちらの被害を少なく出来る】かもしれません」

「戦場は無法地帯ですから、他に【彼女を守れる人材が居ると安全】でしょうね」

「ふむ……」


エルキナは3名に対して、そういった評価を下した。

これを参考にするかどうかは自分次第だ。



「次はディアナだ」

「は、はい。少々お待ち頂けますか」


考えがあまり纏まっていないのか歯切れの悪い返事だ。


「……私からは【ドミニクさん、ルチアさん、エルキナ様】を」

「私を選びましたのね」

「理由を聞こう」

「ドミニクさんを選んだ理由はそのぉ……【万能】、だから?」

「頭の悪そうな回答ですわね」

「えっ」

「ルチアは?」

「えっと、死にそうに……んんっ! 【強い】からです!」

「確かに女性としては強い部類。それは私も認めましょう」

「彼女を選んだ理由はなんだ?」

「エルキナ様なら【領主様の代わり】になりそうだと思ったからです」

「お飾りで良ければ幾らでもしますわ」

「なんとも言い難いな……」


ディアナはエルキナに比べて簡素な意見だった。

ちょっと参考になるかどうか怪しい。



「複数で防衛と考えると、あまり個人戦が強い者は残したくありませんね」

「そうなんですか?」

「……逆に考えてみなさい」

「逆に?」

「【攻め込む人間が弱い者ばかり】になるというだ」

「なるほど!」

「ハァ……貴女それでも軍属でしたの?」

「す、すみません」


ディアナはエルキナになじられて委縮している。


……さて、誰を選ぼうか。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「【ルチア】にしよう。あいつなら何処だろうと大丈夫だ」

②―「【ドミニク】なら大体対応できる。あいつに任せよう」

③―「【エルキナ】。私の代わりに采配を振るってください」

④―「【ゴラン】なんかどうだろう。意外とやるかもしれないぞ」

⑤―「【ミリス】なら領地を死守してくれそうだ」

⑥―「【ディアナ】。留守の間どうか領地を守ってくれ」

⑦―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 〔一つに付き2名まで選択可。なお選択肢にハズレあり〕

――――――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力
―05/10 GP
―35/35 TP


【特徴】

一人でも身を守れる
主人に対して躊躇いなく毒を吐く


【特殊技能】

「猛追」、「挑発」、「征伐」、「替玉」
――――――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―45/45 闘力
―05/10 GP
―37/37 TP


【特徴】

糸目
微笑を絶やさない
存在感が希薄


【特殊技能】

「追撃」、「替玉」、「逃走」、「気配遮断」、「挑発」
――――――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―39/39 闘力
―05/10 GP
―27/32 TP


【特徴】

垂れ目
桃尻
後頭部に束ねた銀髪


【特殊技能】

「追撃」、「狙撃」、「征伐」、「逃走」
――――――――――――――――――――――――

【アルバの貴族 エルキナ】 女

―32/32 闘力
―04/10 GP
―46/46 TP
―100/100 ?


【特徴】

透き通った灰色の目
微妙にずれた考え
何者にも屈しない精神力


【特殊技能】

「祈り」、「統率」、「征伐」、「見切り」
――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――
【ミトラ教信者 ミリス】 男

―34/45 闘力
―04/10 GP
―20/35 TP


【特徴】

神への絶対的服従
妄信癖


【特殊技能】

「祈り」、「征伐」、「聖戦」(要:闘力半分)
――――――――――――――――――――――――

【領民 モルドー】 男

―30/35 闘力
―06/10 GP
―17/17 TP


【特徴】

癖のある髪の毛
力自慢

――――――――――――――――――――――――

【奴隷 ゴラン】 男

―34/34 闘力
―06/10 GP
―18/18 TP


【特徴】

短く刈り込まれた髪
生への執着


【特殊技能】

「再起」
――――――――――――――――――――――――

【気弱な領民 アルベルト】 男

―25/25 闘力
―07/10 GP
―13/13 TP


【特徴】

身長が高い
物覚えが良い
ノミの心臓


【特殊技能】

「企図」
――――――――――――――――――――――――



「ティオニクス様は案外【臆病】ですわね」

「む?」

「【女性を全て領地に残している】じゃありませんか」

「それは出来るだけ被害が及ばないようにと……」

「自分の身を守る術くらいは心得ています。要らぬ心配ですわ」

「……ならば言い換えましょう。信頼しているからこそ領地を任せていると」

「能力に不安があるから残した訳では無いと?」

「その通りです」


やや不満そうな顔をしているが納得してくれた。

何かしらの考えがあるからこそ、こうして意見をするのかもしれない。

 



「残りの1人はどうしますの?」

「【アルベルト】を残したい」

「どうしてアルベルトさんを?」

「彼は頭の回転が思ったよりも速い。【機転を利かせてくれそう】だ」

「脆そうですけれど」

「訓練を積んだ兵士ではありませんから」

「………」


またも何か言いたげな顔だった。

一体彼女は何を考えているのだろうか。

 



「こうなると領地から出るのは」

「【私、ドミニク、モルドー、ミリス、ウルリッヒ】の5名ですね」

「偏ってますわね……」

「何がです?」

「このパーティを職業で表すと【戦士、盗賊、戦士、戦士、盗賊】になるなと」

「いや、だから何の話ですか」

「たぶんエルキナ様は【脳筋集団に見える】と言いたいんですよ!」

「なるほど」

「私が言うのもなんですけれど、それで納得するんですか……」

「魔法がつかえる人間なんてこの世に居ないんだから当然だろう」

「そ、そうですけどぉ……」


ディアナも何か言いたげだった。

今日はこの顔をよく見るなと君は密かに思った。

 



「領主様。【装備】は十分な数がありますか?」

「【無い】」

「えっ」

「【商人から買えば予備を用意出来た】が、生憎【金欠で余裕は無い】」

「大問題じゃありませんか!?」

「そうだな」

「そうだな……じゃないですよ! どうするんですか!」

「逆に考えるんだ。【重武装ではないから機敏に動ける】と」

「逆転の発想ですわね」

「エルキナ様まで!?」

「ディアナ。こんな言葉を知ってます? 『当たらなければどうという事は無い』 と」

「当たったら殆ど終りじゃないですかやだー!」


エルキナを買う事に囚われて忘れていたが、この領地は依然貧乏だ。

まともな装備を用意できる人間は限られている。

どうして今まで忘れていたのだろうか。

 



「他に話しておく事はあったか……?」

「何日分の水と食料を持って行くか、それと非戦闘員の収容場所を決めるべきかと思います」

「往復で1週間分。場所はココ(屋敷)で良いだろう」

「時にティオニクス様。領地にどれだけ食料を貯蔵していますの?」

「1月……切り詰めれば1月半は餓えなくて済むだけはある」

「長引くとは思いませんが……それだけあれば十分ですわね」

「ディアナに聞いておきたい事があった。弓と矢じりは調達出来るのか?」

「材料が近くで取れますから、今ある分と合わせてかなり用意出来ます」

「よし。なら良い」


細かい確認は大事だ。

今なら何か言えるかもしれない。


……君は彼女達に何を聞きたい?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―(無いな。これで終わりにしよう)

②―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~3 選択肢 (2D10で数値が低いほど結果が良くなる)


では情報を開示 参考にして下さい


・【統率】持ちが居ると判定が多少有利になる (記載は無いがティオニクスも所持)

・戦況が悪くなると裏切る人間が居る (同行させると更に早い段階で)

・どっちに居ようと死ぬ時は死ぬ (闘力が低ければ低いほど可能性は高い)

・使い物にならない人間は居ない (個人によって状況に補正差がある)

・ウルリッヒを……させる…状……良…なる

・GPが1違うと戦闘経験に大きく差が出る



―【選択する際の注意点】―

■1つに付き”1名”まで変更可能 被った場合は下にずれる

■多数決がしたいなら併記する事 2票以上あればそこから再度集計

■ヒントが欲しいなら簡潔に併記してくれれば答える時”も”あります


↓1~3 で領地に残したい者を変更して下さい

レス付かないんで再度あげ

1800に更新予定

>>340がルチアとミリスの二名変更扱いになるなら、>>340と同じにして、ルチアとミリスの両方を変えれる用にする。
そうでないならエルキナを連れて行く。
ディアナ連れて行くか迷ったけど、エルキナの言うことを信じようかと。

>>343-344

領地に残る人間を増やす=欠員が出れば直ぐに穴を埋められる、攻め込む方が辛くなる
攻め込む人間を増やす=突破が容易になる、領地を守るのが辛くなる

どちらかの人数が少なくなっても良いならばどうぞ


出:ティオニクス、ドミニク、モルドー、【ミリス】、ウルリッヒ

残:【ルチア】、エルキナ、ゴラン、ディアナ、アルベルト



出:ティオニクス、【ルチア】、ドミニク、モルドー、ウルリッヒ

残:エルキナ、【ミリス】、ディアナ、ゴラン、アルベルト


更新前に再度確認
1900までに案が無ければこれで決定して進めます


前回までのあらすじ


暗躍する権力者。

恨みを持つ人間が集結する。


流れる血を嫌悪しつつも彼は動く。

使命を全うする為に彼女は動く。

領地を守る人間を決めよう。

 



君は彼女達が見せた反応をふと思い出す。

ここで終わっても良いのだろうか。


「申し訳ありません。訂正させて下さい」

「何がです」

「領地へ残す人選に間違いがありました」

「……では誰が何処に?」

「ミリスを領地に残し、ルチアを共に連れて行きます」

「どういった考えで?」

「ルチアはどんな状況でも自分を守ってくれると信じて」

「ミリスに関しては負傷が癒えきってない事を思い出しまして」

「………そうですか。そういう事なら解りました」

「助かります」

「私には聞かないんですね。領主様」

「ディアナは否定するのか?」

「そういう訳では無いんですけれど……」


かなり間を置いたが、エルキナは君の意見に賛同した。

恐らく悪い印象では無い筈だ。……と思う。

 



「これだけ決めておけば不足事態にも対処できますね!」

「それは違いますわ。ディアナ」

「?」

「【合言葉】がまだですからそれも決めておかないと」

「エルキナ様……わざわざそんな事決めなくても……」

「知らない相手が紛れ込んでいたらどうするんですの?」

「軍に居た頃でも全く無かったのに……」

「不満?」

「いえ、あの……」

「どんな合言葉にするんです?」

「【軍神マルスは我らの】」

「えっ」

「どう返すか【期待してますわよ】」

「………」


エルキナは貴族だ。

これはこちらの教養を試しているのかもしれない。

彼女が気に入る答えがあるのかはさておき、どう返したものか……。


↓1~2 問いかけにどう返すか



「……【女神アテナが倒す】」

「へぇ、なかなか面白い返しですのね。理由を聞いてもよろしくて?」

「優秀な女性陣が居るこちらをアテナに、屈強な相手方をマルスに見立てました」

「『ミネルヴァ』では無く『アテナ』とした理由は?」

「語感の良さを重視しました」

「確かにミネルヴァでは【音被り】をして美しくありませんわね。でもそれだけかしら?」

「一応他に理由があるにはありますが……」

「言って下さいまし」

「その姿はとても美しかったと伝承では残っているので――」

「知恵を使って勝利に導く姿をエルキナに重ねて見ようとしたんです」

「ほうほう……はいっ!?」


こちらを凄まじい速度で見返してきた。

彼女は動揺している様にも見える。

 



「な、ななな……」

「どうしました?」

「そんなの理由になってませんわ!」バーン

「だから言いたくなかったんです……」


エルキナは顔を赤くしながら机を叩き、声を張り上げた。


「……合言葉は【軍神マルスは我らの女神アテナが倒す】でよろしいでしょうか?」

「ま、まあ別に……構いません」カァッ

「では問われる側の対応は【女神アテナが倒す】と返す事にしましょう」

「解りました!」

「それでは解散にします。後は各々で準備を整えるように」

「私を……美し……うふふふ」ブツブツ


色々あったが大まかな流れを決める事が出来た。

もし不安な点があれば適時相談すれば良いだろう。

 


―――――
―――


戦の日が近づく毎に緊張が高まる。

あともう少しで始まると思うと、なかなか眠れない。


(抜けがあったじゃ済まされない。誰しも命が懸かってるから)

(どうすれば穏便に事を運べるかを考えないと――)

(………zzzZ……zzzZ)



―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「2点」、特徴「目の違和感」
03~10 ― TP+「1点」
11~12 ― 変動なし
13~19 ― TP+「1点」
  20   ― 闘力-「2点」、特徴「呼吸が浅い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1 成長判定


――
――――――――――
―――――――――――――――――――――



周囲はとても暗い。

灰がかった雲から雨が絶え間なく降り注いでいる。

君は自分と横の誰かが地面に倒れ伏している事に気が付く。


「これで終わりだな」

「ぁ……あ?」

「その傷ではもう碌に喋る事も出来ないだろう」

「貴方に恨みは無い。……がこれも仕事だ」

「逆らう事の出来ない私をどうか許してくれ」

「――ッ!」


剣が肉に食い込む感触。

僕の意識はそこでぷつりと途切れた。

 


―【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―37/41 闘力  〔29→37〕
―05/10 GP
―25/30 TP↑ 〔29→30〕
―50/100 ?↑ 〔40→50〕

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力  〔36→45〕
―04/10 GP
―40/41 TP   〔40→41〕

――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―04/10 GP
―38/38 TP
――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―04/10 GP↑  〔05→04〕
―34/34 TP
――――――――――――――――――――



「ああっ! 大丈夫ですか?」

「ディアナ……」

「ずっと魘されてて私どうしたらいいのか解らなくて……」

「ありがとう。問題ないよ」


ディアナは水に濡らした布巾を絞り、僕の額に浮かぶ汗を拭ってくれた。

どうやら今日も長く眠っていたようだ。


……あの夢は何だったのか。

 



【竈神ウェスタの月 1週】 (21/28)


「おはようございます。ティオニクス様」

「ああおはよう。エルキナ」

「今日は私が報告致します」

「えっ」

「なんですその反応は」

「いえ、その……」

「異論が無いようなので始めさせて頂きますわ」

「……最初に【北東の村】での情報共有。報告が終れば【直ぐ向かいます】」

「次に【陣地構築】の進捗状況ですが【来週には完成する】でしょう」

「あと……女性物の服が屋敷の外に」

「む?」

「体液か何かで汚れていたので焼却処分しておきました」

「妙な輩が居るかもしれませんから、ティオニクス様も気を付けて下さいまし」

「……解った」

 


―【現在の状況まとめ】――――――――――――――――――――――――――

・竈神ウェスタの月 1週 (21/28)


・領地の中心に「目安箱」を設置 (週初めと中間報告で妙なイベントが入ります)

・ウルリッヒは臨時収入を得て馬を失った (週初めと自由行動で選べる)

・ディアナに頼むと「奉仕」してもらえる (自由行動で選べるイベント)

・女性物の服が外で見つかった

・ルチアと結ばれた (定期的に?が回復します)


・来週まで(22ターン)に戦の準備を整える

・東と南で陣地構築中

・銀貨8枚をアエミリウスに支払う (陣地構築が済んでから入るイベント)


・領地東で黒い液体(石油)を貯留中 (石油を何かしらに使えます)

・東の櫓は南よりも景色が綺麗なので気分転換になる (やる気が回復します)


・南方にメッサーラ家の領地がある (訪問出来ます)

・↑のおおよそ反対側にアエミリウス家の領地がある (訪問出来ます)

・君が休んでいる時は皆も領地の何処かで過ごしている


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地特徴/

北―森の一帯
西―大きな川+
東―豊かな農地++ 【?】
南―荒地++++ 【?】
南東―農地


/建造物等/

北―巣穴
西―堤防
東―柵(木)、油田、景色が良い櫓
南―柵(木)、旗(太陽)、屋敷寄りに櫓、水路

北東―牧歌的な村
南東―灰を被った地面


・水源が豊富
・領民は読み書きが出来る教養を持つ
・東南からは攻め易い
・村(北東)の住人と協力関係


【?】 陣地構築中 〔22ターンに完成〕
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



苦しいと言えば苦しくなる。

人間は単純な部分があるのかもしれない。

思い込みでこうも変わるのだから。


……第21ターンの行動を聞こう。君は何をする?

―【選択肢】―――――――――――――――――――

①―領地の開墾、改善
×―人材発掘
③―自己学習
④―誰かに相談する※
⑤―近隣の領主、村長に助けを求める※
⑥―自由記述
⑦―人材派遣

※―今まで出て来た人物の名前を併記する事
――――――――――――――――――――――――
下1~2 選択肢 〔北東に向かうのはこれと別枠〕

再度あげ 1800に更新予定


ヒント

何かやらなければならない訳では無いので難しく考えない方が良い

物語のヒントをここで求めたいなら④で枠を使う方がこちらとしては楽


↓1~2 >>364


前回までのあらすじ


夢で見た屈強な身体を持つ男。

あの男と闘ってはいけないと直感する。

予定通り北東の村へ行こう。

 



北東の村への訪問


「ティオニクス様。用意は済みましたか?」

「ええ」

「同行者は私と――」チラッ

「私ですが何か」

「文面で表すと判りにくいですわね……」

「?」

「こちらの話ですから気にしないで下さいまし」

「そうですか」


北東の村への同行者は――

ルチア、エルキナ、ドミニクの3名だ。

ドミニクは待機させている馬を優しく撫ぜている。

 



村への道も半分過ぎた頃、ドミニクが休憩を提案してきた。

恐らく女性が多いので気を遣っているのだろう。


「その方はどういった人物で?」

「良くも悪くも……癖のある方ですね」

「癖?」

「はい」

「気になりますわね……」


そこまで言って彼女は立ち上がる。

村長も待っている事だろうし一気に進もう。




――――
―――――――――――



~牧歌的な村~


君達は北東の村を訪れた。

入口から奥にかけて大きな轍が出来ている。

木々の隙間から見えるアレは何だろう。


「誰も居ませんの?」

「まぁこういう村ですから」

「どういう村ですの……」

「そうですね。そういう村ですから」

「えぇ……」


エルキナは肩をガクッと落とした。

どうやら君とルチアの答えに不満があるらしい。

 



「……異様ですね」

「私以外に違和感を覚える人が居て安心しましたわ……」

「領主様。村長はあの家で待っていると思います」

「大きい家だな?」

「はい」

「よし、行こう」


君は従者に挟まれるようにして進む。

ここまで身を守ってくれる状況もそうそう無いだろう。

 



~村で一番大きな家~


「……鉄の臭い?」

「急な来訪で申し訳ありません! 何方かいらっしゃいませんかー!」

「相変わらず暗いな」

「勝手に入るのが普通になってます」

「だってあっちが来ないし……」

「村長の前で言うのは止めて下さいね。失礼なので」

「ははは、だいじょぶだいじょぶ――」


「………何が大丈夫なんだ?」


「いっ!?」

「「!」」

「………」


突然の出来事に心臓が飛び跳ねる。

覆面を被った男が暗闇からぬぅっと現れたからだ。

 



「い、居たんですね……」

「ああ。今さっき来た所だ」

「失礼ですが、貴方はどちら様で?」

「驚かせてすまなかった。俺はこの村の長だ」

「貴方が村長?」

「村長と言うより不審者ですわ」

「ちょっ」

「……お前からは嫌なにおいを感じる」

「私から? ご冗談を。いつも身綺麗にしています!」

「そういう意味ではない」

「容量を得ませんわね……」

「貴族だろう」

「ええそうです。そうでした」

「俺は貴族が大嫌いだ」

「何ですって!?」

「どうどう」

「ルチアは黙っててお願い!」


村長の言葉にエルキナは激昂した。

彼女から彼への第一印象は最悪に違いない。

 



「貴族は狡く賢しい者が多い。お前はそうじゃないのか?」

「違います! 同じにしないで頂戴!」

「神に誓うか」

「先祖伝来の守護神に誓いましょう!」

「あの、そろそろ……」ダラダラ

「……要らぬ事をしゃべり過ぎたな」

「案内しよう。ついて来い」

「ほっ」

「その前に私が案内して差し上げましょうか?」

「あぁ、もう……」

「止めておけ。お前では俺に勝てん」

「~~ッ!」ギリィ


こんな所で彼の悪い所が遺憾無く発揮されてしまうとは。

今でも冷や汗が止まらないが、後でどうなる事やら。

 



「入れ」

「ふんっ!」

「喉が渇いているなら机の水を飲んでも構わん」

「ご厚意感謝致します」


エルキナの態度とは対照的に、ドミニクは丁寧に返答した。

案内された部屋は簡素な物しか置かれていない。


「……では早速だが情報共有といこう。俺の方からは――」

「まず、あの男が起居する屋敷と行動範囲を」

「それが何の役に立ちますの?」

「聞いてから言って貰おうか」

「………」プイッ

「屋敷の構造は地下を含む。お前の領地にある屋敷以上の広さだ」

「経済力からしてそこは当然と言えますね……」

「ああ。それで行動範囲だが――」

「余程の事が無い限り屋敷から離れない事が解った」

「出不精なんですね」

「有能な人間に任せられるだけの力があるんでしょう」

「なるほど」

「お前達からは何かあるか」

「少し待って頂けますか」

「手短にしてくれ」



……君は何をこの場に提供する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「夢の続きなんですが……」 ラ「まだ見ているのか?」

②―「疲れが取れなくて」 ラ「それを俺に言う必要性があるのか?」

③―「領地に不穏な輩が潜んでいる気がします」 ラ「そうだな」

④―「そちらの人数は如何ほどでしょうか」 ラ「攻め入るのは俺を含めて6人だ」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で低い方採用。同値なら先に書いた方を)


8+4=12 ①


「夢の続きなんですが……」

「まだ見ているのか?」

「はい。それで夢が薄気味悪い内容だったんです」

「首でも貫かれたか」

「それに近しい物ではありました」

「………」

「あの」

「【お前は遠くない内に死ぬ】だろうな」

「えっ?」

「勘違いするな。回避しなければの話だ」

「【対策】のしようが無さそうなんですけれど……」

「【夢で見た奴と闘わなければいい】だけだろう」

「ああ、そういう事ですか」


村長はあっけからんと言い放った。

命が懸かっていてもこの人ならどうにか出来そうな雰囲気がある。

 



「でも、詳しく喋っても無いのにどうして解ったんです?」

「解り易い方だろう」

「そうでしょうか」

「ああ」

「領主様はすぐ表情に出ますから」

「えぇ!? いや、そんな事は無い……筈」

「嘘ですわ」

「絶対嘘ですね」

「ルチア……もしかして前からそうだったのか?」

「はい」

「指摘してくれたら良かったのに」

「見てる分には面白かったので、つい」

「つい、じゃない!」

「……続けても良いか?」

「あっはい」


……君は何をこの場に提供する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「お身体はどうですか。その……目とか」 ラ「………」

②―「疲れが取れなくて」 ラ「それを俺に言う必要性があるのか?」

③―「領地に不穏な輩が潜んでいる気がします」 ラ「そうだな」

④―「そちらの人数は如何ほどでしょうか」 ラ「攻め入るのは俺を含めて6人だ」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1~2 選択肢 (2D10で低い方採用。同値なら先に書いた方を)



「領地に不穏な輩が潜んでいる気がします」

「そうだな」

「何かご存知で?」

「此方を探りに来た奴が居た。もう処分したが」

「……処分」

「直接手を下してはいないから安心しろ」

「そういう問題では無いでしょう……」

「よく解らんな」


エルキナは訝し気なh表情を浮かべている。

村長の言う『処分』とはどのような方法で行われたのだろう。

 



「実害が出る前に潰すのが一番だぞ」

「生憎ですが我々の領地は広く、どこを探せば良いのやら……」

「【餌】を吊り下げればいい」

「餌?」

「そうだ。【相手の欲しがる物を盗り易い場所に置いておく】」

「――そうすれば簡単に姿を見せる。物盗りは皆単純だ」

「なるほど。その手がありましたか」

「何を考えてるんだ? ルチア」

「いえ、何も」

「危ない事は止めてくれよ」

「危ない事はしない。解りました」

「どうして同じ言葉を言うんだ?」

「さあ?」

「……そちらで処分した方々は複数名でしょうか?」

「ああ」

「特徴や人相を教えて頂きたいのですが……構いませんか?」

「構わん」


ドミニクは詳細を聞き出そうとしている。

話の途中に出てくる単語に気を遣うべきかもしれない。

 



「相手は2人組。片方が背の低い男で、もう片方が背の高い男だ」

「装備は短剣が2本ずつと刃渡りの長い直剣。柄に鼠の文様が彫り込まれていた」

「鼠とは悪趣味ですわね」

「お前が想像しているのは溝にでも居そうな奴なのだろうな」

「馬鹿にしていますの?」

「気に障ったのなら謝ろう」

「結構です!」

「そうか」

「2人の男は間際に何か言ってましたか?」

「『俺達に構ってないで早くした方が良いんじゃないのか?』」

「『ま、こうして俺達をやってもまだ代わりが居る。これで終わりと思うなよ』」

「『呪ってやる! お前達が死ぬまでずっと、ずっと!』」

「……なるほど。潔い方も居たようで」

「不思議なくらいにな」

「ただの賊ではありませんね……」

「あちらの差し金でしょう。そうに決まっています!」

「今回の相手とは何ら関係ない者が混じっていたらどうする」

「面倒極まりない。そんなの私は勘弁願いたいです」

「お前はそんな事を言える立場なのか?」

「ぐ、ぬぬ……」


エルキナは呻いている。

自分の立場が強くない事を突かれて、苛立っている様にも見えた。

 



「どうだ。俺の話で何か気になる事はあったか?」

「……何も」

「私奴からは特にございません」

「左に同じく」

「………」

「お前はあるのか?」

「すみません。待って頂けますか」

「またか。手短にしてくれ」


……何か聞く?それとも何も聞かないでおく?


↓1~2 自由記述

(2D10で低い方採用。 何も無ければ『無し』と書いて良い)



「鼠の文様に見覚えはありますか?」

「……………」

文様について言及する。

彼の沈黙は長く、どう答えるか悩んでいる様だ。


「あると言えばある」

「それはどこで?」

「昔の事だ。街道で襲ってきた野盗の集団が似たような物を持っていた」

「――そいつらが持っていた物は鼠ではなく獅子の文様だったがな」

「つまり、同じ集団に属しているとは限らないと?」

「そういう事だ」


相手の正体がハッキリしない事にもどかしさを覚える。

どうして面倒な物事は幾つも問題が重なるのか。

君は誰に言う訳でも無くそう思った。

 



「こちらからも幾つか聞かせて貰おう」

「どうぞどうぞ」

「控えなさいルチア。貴女が言うべき台詞ではありません」

「失礼しました」

「別に俺は気にしない。好きにしろ」

「ほら」

「調子に乗らない」

「………」

「彼等は放っておいて大丈夫ですから。どうぞ話して下さい」

「……ああ。そうさせてもらう」


布に隠れて見えないが、微妙な顔をしている気がした。

思ったよりも感情が豊かなのかもしれない。

 



「俺が聞きたい事は4つある」

「戦力、動機、意志、これからの予定」

「多いですね」

「それは今まで先送りにしてきた分もある」

「……戦力とは?」

「俺が今から言う人数を【どれだけ相手出来るか】を聞く」

「【出来ない場合】は?」

「【共に戦うと言うのを即刻撤回しろ】」

「厳しい話ですね……」

「対応出来なければこちらが困る」


命が懸かっているならば当然。

綺麗事を並べようと、足手纏いは要らないという訳だ。

決まっている部分をどう答えるか考えるべきだろう。

 



「正面から重装兵4名、側面から騎兵2名の突撃」

「断続的にでは無く一極集中で攻め入られるのを想定してくれ」

「より具体的に表すなら――」


――――――――――――――――――――――――

【重装歩兵×4】

―40/40 闘力 〔それぞれ4名分〕
―05/10 GP
―12/12 TP


【特徴】

硬い強い遅い
視野が狭い


【特殊技能】

「鉄の意志」、「鋼の意志」、「逃走」
――――――――――――――――――――――――

【軽装騎兵×2】

―32/32 闘力 〔それぞれ2名分〕
―04/10 GP
―28/28 TP


【特徴】

身軽
機敏だが脆い


【特殊技能】

「追撃」、「統率」、「逃走」
――――――――――――――――――――――――



「――こんな相手だ。前提として相手は領地の東と南から襲ってくるだろう」

「馬鹿正直に?」

「相手側は敵対する者を殲滅すれば良いからな」

「死人に口なしですか……」

「そういう事だ」

「………」

「どれだけ時間を稼げる?」

「止められないなら、お前は領地を落とされるだけで終りだが」



……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「この程度なら我々でも余裕です」

②―「正規軍を相手とか絶対勝てません」

③―「正面から相手するのは厳しいですが、防衛に努めればどうにか……」

④―「1…いや2ターンぐらい?」 ラ「お前は何を言っているんだ」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢

>>394のステータスは”1名毎”に同じステータスがあると追記修正

安価範囲なら下


⑤―自由記述


君は頭に浮かんだ答えでは無く、口を開いて出て来た言葉を選んだ。

それは意外な程にすらすらと出てくる。


「一方については、軽装騎兵を瞬時に殲滅できれば撃退は十分可能です」

「ほう」

「殲滅後は動きの鈍い重装歩兵を矢の的に。よしんば生き残っても優位の筈」

「相手は万全な装備だと解った上での返答か?」


「……もう一方は守備に専念させ、どうにか耐えて本隊と合流……ではダメでしょうか」


「俺が聞いたのは机上の空論では無く”やれるかどうか”の客観的事実だ」

「でしたら【一方は耐える以上の成果を望めます】」

「――が、【両方向から攻められた場合はかなり厳しい】かと」

「要するに『厳しいけどやれます!』って事ですね」

「茶々を入れない」

「反省してます」

「……という訳です」

「そうか。もし出来ないと言うなら口封じをさせて貰う所だったぞ」


物騒な事を言っている。

この覆面男の事だ、本当にやりかねない。

 



「次は”動機”だ」

「動悸?」

「息切れではありませんから黙っていなさい」

「はーい」

「………」

「ど、どうぞ続けて下さい」


押し黙られると怖い。

君は覆面男に続きを促した。


「どうしてお前達は俺達に手を貸す?」

「……どうして?」

「何ら利点が無いだろう。なのに何故首を突っ込む?」

「えっ」



……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「近所で放火があっても見知らぬ顔を出来ますか?」

②―「気分が悪いので、気分が良くなる方へと動いているだけです」

③―「理由なんて特にありません」

④―「だって末代まで噂とかされたら嫌ですし……」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢



君は少し考えてから答えた。


「近所で放火があっても見知らぬ顔を出来ますか?」

「少なくとも俺は出来る」

「……私はそれが出来ないんです。自分に飛び火するとしても」

「甘いですよね」

「お人好しだな」

「よく言われます」

「貶すつもりは無いが、上に立つ人間の器とは言い難い」

「………」ジーッ


エルキナが無言でこちらを見ている。

村長の言葉に反応した様に見えたが……。

 



「――が、お前に何ら悪意は無いというのが感じられた」

「!」

「故に動悸も良しとしよう」

「ありがとうございます」

「………」ジーッ


エルキナはまだこちらを見ている。

何か言いたげな顔だった。



「次は”意志”だ」

「【誰かが死んだとして、お前達は俺達に力を貸してくれるのか?】」

「…………」

「これ以上戦えないからと言って、逃げ出されるのは迷惑だ」

「こちらは要らぬ心配事を増やしたくは無い。それが解るか?」

「少しだけ考えさせてください」

「5分やる。納得できる答えを出して見せろ」


……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「例え領主である私が死すとも、必ず貴方達を支援すると約束します」

②―「勿論です」

③―「今更答えなければならない事ですか?」

④―「いいえ。領地をこの村と心中させる気はありません」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (投下より5分で判定。レスが無ければ自動で①を選択)



「例え領主である私が死すとも、必ず貴方達を支援すると約束します」

「それが答えか」

「……はい」

「お前達はそれで良いのか?」

「大体同じです」

「それが領主さまの意志であるならば」

「処世術を抜きにしても、私だって助けられる者は助けます」

「………」

「どうでしょうか?」

「【信用する】としよう」


ここまで来て信用しませんと言われたらどうなるのか。

もしそんな言葉が返って来る選択肢があるなら、選んでみたいものだ。

 



「最後に”これからの予定”を聞く」

「いついつ何をやる予定の事ですか?」

「そうだ。【重要な事を掻い摘んで言え】」

「全て?」

「【可能な限り】」

「これは難しいですわね」ボソッ

「そうでしょうか」

「ええ。だってティオニクス様は【週初めしか】聞いておりませんもの」ボソボソ

「細かい報告はしておりますが?」

「少し経てば忘れてますよ」

「なんという無能領主」

「いっくし!」

「仕方ありません。あちらの都合という物でしょう」

「……?」ズズ


後ろで何やらヒソヒソ話が聞こえる。

貶されているような、そうでないような……とても不思議な感覚だ。


↓1~2 自由記述 (今後の予定を出来るだけ簡潔に)


生存報告ついでに ヒント

今スレ
>>277 >>362

4スレ
>>48 >>213

3スレ
>>571


一部関係の無いものも含む
村長は真面目な話以外も反応します

再開は6/18 19:00 以降を予定



「……様、領主様」

「!」

「村長がお待ちしております。ご決断を」

「あ、ああ」


ドミニクは君に返事を促している。

思ったより長い時間を思考に費やしていたようだ。


「取り敢えず、来週には領内で進めていた陣地構築が完了します」

「そうか」

「あとこれは非常に申し上げにくい事なのですが……」

「メッサーラ候に【軍備を整えているのがバレている】かもしれません」

「いつ知った」

「先週です。領地に届いた書状で招待してくれと」

「……それらしい口実にかこつけて【何か仕掛けてくる】だろうな」

「やはりそう思いますか」

「ああ。【俺ならそうする】」


村長は多分に含みを持たせて言い放った。

何かとは何だろうか。



「ところで――」

「なんだ?」

「そちらの【軍備】は幾ら有って、【どれだけの規模】を相手できるのでしょうか」

「………」

「?」


村長は質問に答えようとしない。

不審に思った君はある言葉を彼に投げかけた。



「まさか、【軍備が無い】とは言いませんよね」

「フッ」

「……冗談ですよね?」


鼻で笑われた。

これは一体どういう意味を指しているのか。


「疑うなと貴様に言っても無理だろうな」

「そもそも手の内全然晒しませんし」

「貴女は黙っていなさい」

「チッ……すみませんでしたー」

「」



「まさか、【軍備が無い】とは言いませんよね」

「フッ」

「……冗談ですよね?」


鼻で笑われた。

これは一体どういう意味を指しているのか。


「疑うなと貴様に言っても無理だろうな」

「そもそも手の内全然晒しませんし」

「貴女は黙っていなさい」

「チッ……すみませんでしたー」

「ティオニクス様。この従者どうにかなりませんの?」ボソボソ

「どうにか出来たら苦労してないと思います」

「それもそうでしたわね……」


ルチアは一々茶々を入れないと死んでしまう病気なのか。

君は溜息を小さく吐いて、村長の次の言葉を待つ。



「村の【入口に轍】があっただろう」

「確かに不自然な大きさが森に向かって……」

「あれは【カタパルトとバリスタ】の物だ」

「攻城兵器ですの!?」

「ああ」

「という事は……運用できるだけの人員が居る訳ですね?」

「いや、人が居ないから【一度撃った後は捨て置く】つもりだ」

「はい?」

「【俺達は8人】で、その内1人は戦える状態では無い」

「………」

「どう考えても無謀ですね」ボソッ

「貴女と意見が合うのは不本意ですが……無謀ですわ」ボソッ

「聞こえているぞ」

「……」ダラダラ


どうしてこう、うちの女性陣はこうも遠慮が無いのか。

君の胃は締め上げられるようにキリキリと痛んだ。



「並の闘士が相手なら負ける要素は無い」

「そりゃ貴方はそうでしょうけど……」

「俺”も”だ」

「えっ」

「俺達は皆【そういった訓練】を受けて来た」

「あの」

「なんだ?」

「……もし【熊を相手する】なら何人掛かりですか?」

「対象【1に対して3】で十分だ」

「うわぁ……」


君は記憶の隅にある熊との交戦を思い出していた。

あの時は確か【6人】だったような……。



「お前達が戦えるのは解った」

「ありがとうございます」

「今から作戦の日時と詳細を話したい――」

「やっとですか」

「…が、その前に情報の整理も兼ねて再度聞こう。お前達から何か聞きたい事は無いか?」

「何かあります?」

「あるかもしれませんし、ないかもしれません」

「どちらにせよ聞ける事は今のうちに、ですわね」

「……」 (やけに説明口調だな……)



……君は何か質問をする?

しないなら⑤を選んで【質問をしない】とすれば良い。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「これって何の為にやる……」 ラ「お前は今まで何を聞いていたんだ」

②―「争いが終ったらある人に伝えたい事が……」 ラ「死にたくないなら止せ」

③―「なぜ重装兵と騎兵って解ったんですか?」 ラ「敵を知るのは戦いの初歩だ」

④―「闇市で取り扱う商品は?」 ラ「人身」 ティ「えっ」 ラ「冗談だ」

⑤―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢




「……あなた方は何者ですか?」

「今更な質問だな」

「あの女性も戦えるんですよね? ただの村人ではないでしょうし」

「どこでそんな訓練を――」

「先の言葉通りだ」

「?」

「領主様。村長は先程【闘士】と口にしておりました」

「それがどうした」

「恐らくどこかの【剣闘士養成所】に身を置いていたのかと」

「………」

「概ねそこの従者が言う通りだ」


彼はドミニクの発言に肯定した。

剣闘士という身分は、ちょっとやそっとで解放されるものではない。

こうして解放されるまでに数多くの困難があったのだろうと君は推察する。



「何か言いたそうだな」

「……いえ」

「そうか。質問が無いのならば本題に入ろう」

「お願いします」


君の沈黙は他人から見ても長い。

まるで流れている時間が違うかのようだ。



「来週【(中間報告後)】奴の領地に侵攻する」

「【待機人員以外は北の森へ】と集合させろ」

「メッサーラ候の領地は南方ですが……?」

「俺に考えがある」

「考え?」

「ああ。西に流れる【大河を船で一気に南下】する」

「あの……【落ちたら】」

「【命の保証は無い】な」

「船の【耐久力】はありますの?」

「【岩に正面から1度接触しても】支障は出ない」

「なら安心ですわね」

「………」 (凄く嫌な予感がする。まるでぶつかる前提みたいな……)

「【積載量】はどれくらいでしょうか」

「【人数分】の物資を纏めて運搬できるが、あまり【重い物は載せない方が良い】」

「攻城兵器は……」

「森に隠してあるのは防衛用だ。あれとは別に用意してある」

「そうですか。ありがとうございます」



「船で領地に入ったその後は――」

「屋敷へと直行する?」

「いや、付近にある地下道を通って行く」

「そんな道が存在するんですか?」

「ああ。あちこちに張り巡らされているようだ」

「………」 (用意周到だな……)

「流れは【船→地下道→屋敷】だ」

「【待機しているこちら】の方針は?」

「事が済むまで【ひたすら防御】に徹してもらう」

「ひたすら……」

「奴が早く根を上げれば、それだけ皆が危険に晒されなくて済む」

「つまり我々は迅速な対応が求められる」

「そういう訳だ」




「ここまでで何か聞きたい事はあるか?」

「私は特に」

「こちらも」

「ティオニクス様はどうでしょうか」


……質問をする?

君に疑問が無いなら話は先に進むだろう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「ありません」

②―「あります」 (自由記述)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢



「そうか。……では最後にもう一つだけ」

「なんです?」

「絶対に【死なないで】くれ」

「………」

「意外と言うのは失礼かしら?」

「別に。知っている者がこれ以上死んでほしくないという俺の我が儘だ」


村長の言葉を深く胸に刻み、君達は北東の村を離れる。

去る間際、黒髪の男性らしき人物が森の隙間から見えた気がした。


―エルキナに相談


君はエルキナを探している。

これからの事を相談する為に彼女を選んだ訳だ。

屋敷の中にある一室に足を運ぶと、彼女はそこに居た。


「あら。ティオニクス様、どうかなさいましたか?」

「………」

「どんなに賢き者であろうと、意志を見せなければただの木偶」

「黙っていては解りませんわよ」

「……私の相談相手になってくれますか?」

「喜んで」


彼女はにこやかな表情で頷いた。



「何から話せば良いのやら……」

「自身が困っている事や、したい事を口にすれば良いのです」

「うーむ」

「でしたらこちらが問いかけるとしましょうか」

「お願いします」


ティオニクス様は何かにお悩みの様子。

ここはそれらしい話題を振るのが無難でしょう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「今宵は満月だとか。私と一緒に月でも見ませんこと?」

②―「領主としての立場を忘れられるなら、一体どうすればよろしいのでしょうね?」

③―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」

④―「いつか壊れるなら、いっそ動かない選択肢を選ぶのはどうでしょう?」×

⑤―「価値なんてありはしないというのに、何故人は人を売るのでしょうか?」

×選んだ時点で終了
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (合計1~2つの質問で終了)


②―「領主としての立場を忘れられるなら、一体どうすればよろしいのでしょうね?」


「それは、その立場を忘れたい……という事でしょうか?」

「さぁ?」

「………」ポカーン

「忘れたい程嫌いなのかもしれませんし、ただ疲れているだけなのかもしれません」

「嫌っている……疲れている……?」

「前者であれば、世捨て人にでもなれば良いのです」

「後者であれば、原因を直接取り除けば良いのです」

「少々極端過ぎませんか。特に前者が」

「あら、そうでもありませんわよ?」


彼女は君の問いかけに、時に屁理屈じみた内容で反論してみせた。

持って生まれた口の上手さは流石と言うべきか。

こうして見ていると、残念な部分があるとは微塵も感じさせない。



「つまりその質問は、私がそれで悩んでいると思ったからしたと」

「その通りですわ」

「うーむ」

「別に悩んでいない事だったかしら?」

「すみません」


ティオニクス様は他の何かにお悩みの様子。

それらしい話題を振れたら私の株が上がるに違いありませんわ。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「今宵は満月だとか。私と一緒に月でも見ませんこと?」

②―「身分違いの恋に悲劇は付き物ですの。ティオニクス様はご存知で?」

③―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」

④―「いつか壊れるなら、いっそ動かない選択肢を選ぶのはどうでしょう?」×

⑤―「価値なんてありはしないというのに、何故人は人を売るのでしょうか?」

×選んだ時点で終了
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (合計1~2つの質問で終了)


③―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」


「闘争を望む人間が常に存在する事を示唆しているのではないかと」

「概ねその通り」

「何か引っかかる物言いですね」

「誰であろうと他を害する時があります。それはなるべくしてそうなっただけ」

「争いを起こす人間に罪は無いと?」

「飛躍しすぎです」

「ではどういう意味ですか」

「認識の不一致」

「……不一致?」

「ええ。同じ歴史を取り扱っても、学者によっては真逆の主張にもなる」

「時が流れるにつれ、解釈の仕方に差が生まれるからこそ発生する問題です」

「………」


つまりどういう意味だろう。

僕は深く考える前に思考を停止してしまった。


~自己学習~


「エルキナもやはり貴族の生まれだった」

「1人で考え込んでた時間が長い僕とは大違いだ」

「……たぶん場慣れしてるからだろうか。喋る時の振る舞いが違う」

「どうしてあれで売られる側になったのか」

「僕は不思議で堪らない」


君は書斎で一頻り呟いてから外へ向かった。

出会った相手は――


―【選択肢】―――――――――――――――――――

①―ルチア
②―ミリス
③―凄腕の剣闘士×
④―ウルリッヒ
⑤―ドミニク
⑥―アエミリウス公

×夢の続きをここで再現するとしよう。いざ尋常に……
――――――――――――――――――――――――
↓1 人物選択



――ウルリッヒだった。

彼は川に向かってぼんやりと釣り糸を垂らしている。


「………」

「成果はどうですか」

「ん」スッ

「どれどれ……おっ」


水を満たした容器を覗き込むと、大量の魚が窮屈そうに泳いでいた。

彼はいつから釣りをやっていたのだろうか。



「自分で食べるんですか?」

「せやなー燻製にしてもええし、売っぱらうのもアリやな」

「良ければ買い取りますが」

「ハハッ。面白い冗談や」

「本当ですよ?」

「タダで寄越せとは言わんのやな」

「そこまで酷い真似は出来ません」

「おぉー優しいこって」

「………」


彼は自分の立場が危うくなれば、何時でも鞍替えすると言っていた。

腹の内では何を考えているのだろう。

あまり良い事では無いと思うが、君は詮索する事にした。



「領地での生活は楽しいですか?」

「そう……やな。楽しくないと言えば嘘になるか」

「それは何故?」

「平和」

「?」

「ここは争いがあまりにも無さ過ぎるってこった」

「なるほど」

「危機感の無さそうな奴ばかりとも言えるが……」

「皆相応に持ち合わせている筈です」

「ハッ。どうだか」

「否定的ですね」

「自分が死ぬ間際になって、漸く必死になる奴はごまんといる」

「そうなってからじゃ遅いですよね」

「他人事みたいに言う立場や無いやろ」

「そうでした」

「今更とぼけたフリかいな」


彼の人生は喧騒に包まれていたのだろう。

領地に来てからずっと、居心地の悪さを感じていたのかもしれない。



「暇そうにしてるかと思ったら、次見た時は忙しそうに動き回る」

「俺から見ればアンタもそう見えるで」

「それはたぶん、準備が足りていないからでしょうね……」

「物の準備やなくて、心構えみたいなモンが足りてないんと違う?」

「そうでしょうか」

「教育もままならん内に家を継ぐってのは、まさにそうやと思うけど」

「………」

「ま、ええわ。旦那も釣りするか?」

「……そうさせてもらいます」


一拍置いての返答は了承。

君は彼の隣で竿を水面に投げ入れた。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「水質によっちゃ生きられへん魚もおる。俺等も似た部分があるわな」

②―「余計なお世話かもしれんけど、夜は静かに寝た方がええと思うで」

③―「どれかが半壊するまでやな。旦那の方に付くのは」

④―「都合良く助けてもらえる立場ってのは、どんなモンなんやろうな」

⑤―「どうして弱者が苦汁を舐めさせられるのか。旦那は解るか?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (能力上昇量は問いかけによって変化する)


⑤―「どうして弱者が苦汁を舐めさせられるのか。旦那は解るか?」


「【弱者を食い物にする人間】が居るからでは」

「それもそうやろうな」

「違うんですか?」

「俺は単純に【力が無いから】やと思うとる」

「えっ」

「無法者が蔓延るのも、一部の権力者が甘い汁を啜るのも――」

「偏に力を持たないから」

「……力」

「【女子供を見れば】そんなの一目瞭然やろ」


彼は何かを思い浮かべる様に目を細めてからそう言った。

世界は弱き者に対して残酷な程に容赦がない。

路上を何気なく通れば、追剥に遭遇して命や純潔まで奪われる。

そういった負の連鎖が起きるのも、彼が言う【力が無いから】に他ならない。



ウルリッヒとの会話は……それ以上弾む事は無かった。

彼は君と同じ空間に居る事を拒んでいるようだった。

君は水面の揺れる音を聞きながら川の傍で1人佇んで居る。


――
―――――――――


【君】は誰かの不幸を直接知る術を持たない。

父の訃報も、仲の良かった異性も、誰かが消えたその事実さえも。

意図して動かなければ何も知る事が出来ない。

それは見えざる何かの意志を感じさせるものであった。

己の無力さを痛感した君は、1つだけ願った――


↓1 能力値上昇判定 (2D10/5の数値分、TPを上昇させる)
↓2 願いの内容 (祈りは万能ではない事を知るべきだ)


【TP上昇】 (5+7)/5=2点 (端数切捨て)


―【キャラシート】―――――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―37/41 闘力
―05/10 GP
―25/32 TP↑ 〔30→32〕
―50/100 ?


【特徴】

不安に駆られる事が多く心配性
信用を得やすい
物覚えが良い
運が良い (偶数)
災いを呼ぶ者 (ダモクレスの剣)
洞察力に優れる

――――――――――――――――――――――――


君は他者の真意を読み取る力を天に願う。

再び目を開けた瞬間、君は明確な違和感を覚えた。

……世界が変わって見える。

まるで不思議な何かからの祝福を受けているかのようだ。



【中間報告】


「ご報告致します」

「ああ。始めてくれ」

「陣地構築の進捗状況ですが、これはもう完成と言って差し支えないでしょう」

「そうでなくては困る」

「ところで領主様」

「なんだ」

「来週、メッサーラ候が我が領地を訪問するのはご存知でしょうか」

「えっ」

「その様子ではやはり……」

「す、すまない」

「……解っているとは思いますが、くれぐれも対応にはお気を付けください」

「うむ」

「以上で報告を終了します」

「ありがとう。下がってくれ」

「はっ」



【自由行動】


自由に動けるとは何と素晴らしい事だろう。

この幸せを余すことなく感じるにはどうすれば良いのか。

君は少し悩み、空に向かって叫んだ。


……今週は何処で何をする?


下1 自由記述

(※主人公以外の行動指定もやろうと思えば可能)



君は東にある陣地へと赴いた。


「壁の所々に狭い穴がある……」


「ここは資材置き場か? 広めに取ってあるんだな」


「排水の悪い場所が……あまり雨は凌げそうに無いな」


「一通り見た感じでは、ちょっとやそっとじゃ壊れない筈だ」

「被害は出来るだけこの場所で食い止めたい」

「さぁ、次に行こう」


――
――――――


――――
――


南の陣地に着いた君は、先程見た陣地より立派な事に気付く。


「配備出来る人間の数は減ってる筈なのに機能的だ」


「…うん? 【避難用の通路】があるのか。変な作りだな」


「えっ!? 水の濾過設備まで併設してある……」


「やはり近くに水路があるから水捌けが良い」

「これなら長期戦でも安心出来そうだ」

「さて……屋敷に帰るとするか」


出来栄えに満足した君は、小躍りするようにその場を去った。




「………」

「なんやあれ」

「アイツ、ここで戦が起きるってホントに解っとんのか?」

「ハァ……呑気な奴やで」


―――――
―――


いよいよだ。

君の干渉によって起きる最大の出来事。

人の記憶に語り継がれるのは良い方向か、悪い方向か。


(………)

( 寝 れ な い )

(羊でも数えてれば寝れるかな……)

(羊が一匹……羊が2匹……)


『さっさと飛びなさい』ペシペシ

『ひえー! 止めて下さーい!』フルフル


(ヤメロォーーー!)

(――はっ!? 僕はいったい何を……)


火の輪くぐりをしている羊を想起したようだ。

見覚えのある人物が羊の格好をしていたような気がする……。


―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「2点」、特徴「目の違和感」
03~10 ― TP+「1点」
11~12 ― 変動なし
13~19 ― TP+「1点」
  20   ― 闘力-「3点」、特徴「心音が弱い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1 成長判定


――
――――――――――
―――――――――――――――――――――



僅かな灯りが周囲を照らす。

無機質な石材に囲まれた空間の中、君は1人ぽつんと存在していた。

……ここはどこだろう。


「……すぐ」

「?」キョロキョロ

「迷う事は……ません」

「!」

「…のまま先へ」

「だ、誰だ! 何処に居る!」

「……」シーン


問いかけは空に消え、意識は微睡む。

君の視界は暗闇に覆われた。


―【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―41/41 闘力
―05/10 GP
―33/33 TP↑ 〔32→33〕
―50/100 ?

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力
―04/10 GP
―40/41 TP

――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―04/10 GP
―38/38 TP
――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―04/10 GP
―34/34 TP
――――――――――――――――――――



「目ぇ覚めたか?」

「ウルリッヒ、貴方がどうしてここに……」

「アンタの従者に言うてくれ。俺は嫌々来ただけや」


彼は壁にもたれかかったまま、面倒な表情でこちらを見ている。

どうやら今日も長く眠っていたようだ。



【竈神ウェスタの月 2週】 (22/28)


「体調に変わりは無いでしょうか?」

「ああ。何ともない」

「では報告に入ります」

「頼む」

「陣地構築は完了。領主様の命あらば、何時でも迎撃態勢に移れます」

「そうか。まだ人員は配備してないんだな?」

「その通りでございます」

「次にアエミリウス公への支払いについてですが――」

「……あっ。そういえばそうだ」

「書状が届きまして、『状況が落ち着いてからで良い』との事です」

「よし、助かった」

「この後、メッサーラ候が領地を訪問されます」

「出来れば会いたくないんだけど……」

「再三申し上げますが、くれぐれも対応にはお気を付け下さいませ」

「わわ、解ってる!」

「報告は以上です。では、私奴はこれで……」スタスタ



―メッサーラ訪問


「ティオニクス、ティオニクスはおるか!」

「メッサーラ候。遠路よりお越し頂きありがとうございます」

「うむ。息災で何よりだ」

「……お願いできますか?」

「構いません。荷物が他にもあればお持ちしましょう」

「これとこれ、あと……これも」スッ

「全く、お前が持っておけば良いものを」

「………」ジーッ

「そちらの方、私の顔に何か?」

「いえ、その……」

「以前とは見違える様に変わったのう。顔付きが随分逞しくなった」

「――お前はそう言いたいのだろう?」

「……はい」

「お褒めに与り光栄です。さぁ、どうぞこちらへ」


君達はメッサーラ候と従者を引き連れ、東南の陣地へと案内した。


……道中に交わした会話の節々から、こちらの情勢を知ろうとしている事が解った。



領地の案内も済み、そろそろ会食の時間だ。

君は普段食している物を出すよう、給仕に伝えておいた。


「楽しみだのう! 何が出てくるのか」

「そう……ですね」

「お前はもっと嬉しそうにしたらどうだ?」

「申し訳ありません」

「まあまあ、その辺で」


メッサーラの従者は反応がやけに乏しい。

無理やり言わされているような違和感を覚えた。



「お待たせ致しました。『蒸かした芋』です」

「ほう!――ほっ? 今なんと?」

「『蒸かした芋』です」

「そ、そうか。貴公の領地は食糧事情がそこまで……」

「断じて違います」

「……」モクモク


メッサーラ候は露骨にがっかりした様子だった。

従者の方は出された物を、主人の事などお構いなしに頬張っている。

味付けは薄いが、新鮮な素材の味が楽しめる事だろう。



「ほ、ほほっ。まあこれは所謂前菜じゃろうて。次を待とうかの」

「お待たせしました」

「おお来たか! 早いではないか!」

「小麦と大麦を水で煮込み、塩で味を調えた『穀物粥』でございます」

「………何も入っていない『穀物粥』……じゃと?」スッ、タラー

「!」モックモック


メッサーラ候の表情は、最初の頃と比べて見る影もない。

一切の笑みが消えている。


それに引き換え、あの従者はどうだろう。

表情こそ大きく変わりはしないが、口に頬張る量がかなり多い。

食べ慣れ、親しんできた味だからこそのペースに違いない。



「……ティオニクスよ。何か申す事は無いか?」

「何か、ですか?」

「そうじゃ。儂に何かあるだろう」

「………」モグ


何やら不満がある様子。

メッサーラ候に理解して頂くにはどう返せばよいものか。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

①―「お口に合いませんか?」

②―「横に除けて頂ければ、給仕がお下げいたしますよ」

③―「ククッ……いや、失礼。直ぐに代わりを用意させます」

④―「私は民衆と何ら変わりない食事をします。気に入らなければ結構」

⑤―ルチア「高価な物を食べ過ぎて、口にすら出来ないとは……やはり豚」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (能力上昇量は問いかけによって変化する)



「今……なんと申した?」

「食事をします」

「その前後だ」

「民衆と何ら変わりない、気に入らなければ結構」

「貴公は――」

「はい」

「侮辱しているのか! この儂を!」

「まぁまぁ、落ち着いて下さい」


肩透かしを食らえば多少は気が動転する。

贅沢な食事が出来ると思っていたのに、小馬鹿にされればこうもなるか。



「そもそもの話、何か勘違いをされてはいませんか?」

「……なに?」

「領地で取れた【貴重な食料を】、こうして【タダ同然で分け与えている】のです」

「――感謝されこそすれ、罵倒される謂れは無いでしょう」

「儂が先代を支援した恩を忘れたか」

「昔は昔、今は今です。ご老人には解らないかもしれませんが」

「……言うに事欠いてそれを口にするとはの」

「言ったから、何です」

「反故にする気か? と問うておる」

「一方的な支援に約束などありはしませんよ」

「口の良く回る」

「賛辞の言葉と取っておきます」



「要らぬ知恵など付けず、貴公等は今まで通り儂の傀儡であれば良いのだ」

「………」

「それに約束など、どうとでもなる」

「実力行使ですか」

「どう取るかは貴公次第だ」

「ならば、最後まで抵抗いたします」

「……その言葉、後悔する事になるぞ?」

「後の世で、私が正しいと証する者がいつか現れるでしょう」

「物の通りが解らぬ若者よ。そのような奴は絶対に現れぬ」


こうして会食は、最悪の空気で終了した。

メッサーラが父に何をしていたのかは解らない。

良からぬ事に加担させられていたのか、それ以上に酷い事か。


……これから戦う事になる相手だ。

この方がいっそ清々しいと言えるかもしれない。



――メッサーラの屋敷


「やはりティオニクスは不穏分子……」

「どう……しますか」

「決まっておるだろう」

「悪い芽は今のうちに摘み取ってしまえ」

「……かしこまりました」


――ギィー、バタン。


「フフ……クハーッハッハッハ!」

「儂を敵に回すとどうなるか、身をもって知るがいい!」



【中間報告】


「領主様!」バァン

「騒々しいぞ。どうした」

「メッサーラ候から書状が!」


『同士諸兄へ』

『我々は駐留軍を用い”辺境領地”を制圧する』

『腕を揮ってくれる事を期待している』

『”貴公”は磔に吊るされるのがお似合いだ』

『スカエア・メッサーラ・リーボ』


「これは間違いなく敵意丸出しだな……」

「感想を言っている場合ではありません。直ぐに支度を」

「解っている。事前の作戦通り、【皆を配置に】付かせろ!」

「はっ!」



領地東と南に配置する人間を決めて下さい。


出:ティオニクス、ルチア、ドミニク、モルドー、ウルリッヒ

→残:エルキナ、ミリス、ディアナ、ゴラン、アルベルト


/東の陣地/

【被害状況】 □□□
【配置上限】 □□□


/南の陣地/ ※主戦場

【被害状況】 □□□□
【配置上限】 □□


/補足事項/

被害状況;■で全部を塗り潰されると壊滅
配置上限:□の数以上の人材配備は不可


↓1 残:から選出 (5人全部を指定。余らせるのも可)



「東にエルキナ、ゴラン、アルベルトを向かわせろ!」

「指揮官はエルキナ。可能な限り足止めをする!」

「南方は如何いたしますか?」

「ディアナとミリスだ!」

「かしこまりました。直ぐに伝達します」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地全域/

【被害状況】 □□□□□□□


/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■

/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 □□□□
【配置上限】 ■■


/補足事項/

被害状況;■で全部を塗り潰されると壊滅
配置上限:□の数以上の人材配備は不可
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



――東の陣地


「……俺がこっちなのはどうしてだ?」

「領内に残る平民の中では、貴方が一番マシですわ」

「褒められてるのか貶されてやがるのか」

「前者ですから安心なさい」

「あの、僕は……」

「矢避け。以上」

「酷い!」

「ふふふ、貴族流の冗談ですわ」

「貴族ってのはどいつもこいつも変わった奴ばかりだな……」

「何か?」ニコニコ

「いや、何でもねぇ」


士気はそこそこだ。

重装兵2人位ならエルキナだけでも十分だろう。



――南の陣地


「……昂る! 昂るぞ!」

「これはそっちで、それはあっち……」イソイソ

「高揚感が私を支配する! 神が私を祝福している!」

「あっ! その食料はそこに置いといて下さーい!」

「主より任されしこの場! 我が命に懸けて守り通す!」バーン

「ミリスさんも手伝ってください!」

「む、これは申し訳ない。意気込みを語らねばならぬとつい――」

「ほら早く! 敵は直ぐそこなんですから!」


士気はとても高い。

これなら騎兵を投擲だけで落とせそうだ。



――北の森


「来たか」

「そちらも揃っているようで」

「ああ」

「では行きましょうか」

「お前達は後ろ側に乗れ」

「……ところで、これも持って行くんですか?」

「そうだぞ」

「これはちょっと……」

「なんだ?」

「いえ、何でも無いです」


君達は妙にデカイ樽が載せられた船へと乗り込む。

船を縛り付けている縄を外せば一気に流される事だろう。


……村を訪問した時に居たあの男が、前方の船に乗っているのがちらりと見えた。



――東の何処か


「前方に見えるあの拠点がそうでしょうか」

「だろうな」

「今回の召集、どう見ますか?」

「大方ご機嫌取りに失敗したんだろ」

「それにしては用意周到というか……」

「爺さんの逆恨みだってか?」

「そうまでは申しません。疑わしいのは事実ですが」

「もうそろそろだ。あんま喋ってる間はねーぞ」

「……自重します」



――南の何処か


「あー、右翼に見えます騎兵はー、我が領地における実力者ー」

「そして左翼で欠伸をしております騎兵はー、期待の新人ー」

「中央に並ぶ重装兵は、平民の中でもとりわけ裕福な面々」

「後方で控えているこの私はーメッサーラ候に仕える、忠臣でーございます」

「おっさん。とっとと仕掛けて終わらせようぜ」

「だだだ、誰がおっさんか!? 失敬な!」

「こら失礼だろう。若くないとはいえ、俺達の上官なんだから」

「へいへい」

「……では気を取り直してー」

「――野郎共、進軍だオラァ!」



――東の陣地


「き、来ました! 襲撃です!」

「落ち着きなさい。数は?」

「17……いや、18ってトコか」

「は?」

「いや18――」

「~~~!」

「どうしたんだ? 貴族の嬢ちゃん」

「嘘でしょう! こんな場所を制圧するのにそれだけ使うって!? 馬鹿ですわ!」

「お、落ち着いて下さい」

「こちらは※寡兵ですのよ!? 落ち着ける訳ないじゃありませんか!」

「……呆れて言葉も出ねぇ」



※何の訓練も受けていない民衆を集めただけ。

(簡易戦闘に入ります。結果が悪ければそのまま通常戦闘へ)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 □□□□□□□□□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 レギオー(中隊歩兵陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1~3 … 被害を受ける 
4~6 … 双方の被害なし
5~9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(コンマを用いる)


判定 9、0


「あまり気乗りはしないが、これも民の為……覚悟!」

「いやー! 来ないで下さいまし!」ビュンビュン

「ぐわぁぁぁ!」ドスドスッ

「何っ!? バリスタか!」

「散会しろー! ※全滅を防げ!」

「人間って意外とやれば出来るもんだな……」ガチャッ

「うぎぎ……っぐ」ギリギリ

「次発装填! 急ぎなさい!」

「あいよ!」

「…は…っい!」ガコン


※敵軍のかなり広範囲に渡って被害を与えました。

(□→◇に変化。判定は依然変わらず)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 ■■◇◇◇◇□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 レギオー(中隊歩兵陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――



――南の陣地


「オラオラ! とっとと降参しろォ!」ノロノロ

「……あれは一体?」

「防御が厚い陣形の様ですね」

「※盾の所為で正確な数が解らぬ」

「見えてるだけでも5列はありますが……」

「見掛け倒しの可能性も無くは無い、か?」

「うーん」

「――取り敢えず、顔と脛に矢を集中させて下さい」ニコッ

「そうするとどうなる?」

「膝に矢を受けて弱体化します」

「……今さっき、脛を狙うと言った気がするんだが」



※かなり大きい長方形の盾。スクトゥム。

(簡易戦闘に入ります。結果が悪ければそのまま通常戦闘へ)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 □□□□
【配置上限】 ■■


/南の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵3)

【被害状況】 不明
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1~3 … 被害を受ける 
4~6 … 双方の被害なし
5~9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(コンマを用いる)


判定 3、6


「……むっ?」

「目標……射程圏内」ギリギリギリ

「イカン! 騎兵は今直ぐ中央に固まれ! 重装兵は盾を掲げよ!」

「一斉掃射!」バシュゥッ

「隊伍を乱すな! 穴を少しでも見せれば死ぬぞ!」

「そんな……1度も矢が当たらないなんて」


相手の指揮官は思った以上に有能なようだ。

矢の雨を踊る様に躱し、重装兵の庇護に入っている事からそれが解る。



「投槍用意!」

「はっ!」ザザッ

「準備完了! 何時でも行けます!」

「こっちも用意出来たぜ!」

「よし……構え! 撃てぇー!」

「うらぁぁぁぁ!!」ギュオン

「このような槍……避けずともッ!」バッ

「それを受けては駄目ですミリスさん!」

「なんのこれしき!」ドッ

「第二陣!」

「……くっ!」ドドッ

「第三陣!」

「ぬうぅぅぅぅ~~!」ドドドッ


投槍を盾で受けたミリスは気付く。

投げられている槍がどんどん重くなっている事に。

そして槍が抜けない。

細く作られた穂先が折れ曲がって動きを鈍くさせているようだ。



「そらそら! 何時まで耐えられるか!」

「あー、おっさん。気分が良さそうなトコでわりーけどさ」

「む? どうした」

「いやそのー、もう槍がねぇ」

「………」ポカーン

「槍が――」

「今これからって時だろうが! 数は用意したのにどうしてもう無い!?」ダンッ

「こっちに来る途中、一部をちょっと」

「【民間人】に払い下げまして」

「は?」

「酒代が足らなくてつい……」

「えっ」 「あれだけ飲んだからな……」 「通りで」 「おかしいと思った」 ザワザワ

「ハッハッハッ」

「何してくれてんだお前等!?」



※ミリスが軽傷を負いましたが、簡易判定に変化はありません。

(被害状況:現在25% ミリスの闘力2割減少)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 ■□□□
【配置上限】 ■■


/南の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵2、騎兵3)

【被害状況】 不明
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――



「木こりの平民がそこに居ると思ったら、ただの奴隷だった件」

「急に何を言ってるんですか!?」

「そんな訳……無いでしょう」

「……どうやら私の幻覚だったみたいですわ」プルプル

「頼りになるのは貴女だけなんですからしっかりして下さい!」

「え、ええ……」


エルキナは動揺している。

他人から解りやすいぐらいに動揺している。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 ■■◇◇◇◇□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 レギオー(中隊歩兵陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1~3 … 被害を受ける 
4~6 … 双方の被害なし
5~9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(アルベルトの「企図」は判定を一つ繰り上げする。全TP消費)


おっと「差配」と間違えた


「差配」……全消費、判定を問答無用で一つ繰り上げる。

「企図」……消費TP5、判定に「微~少量の修正」を加える。

※今だと「+1」の修正を2D10のそれぞれにプラスする。


安価範囲なら下とします


判定 9、8 (補正で0にはならない)


「もう一度用意なさい!」

「ぬっくくく……よいしょー!」ガシャコン

「出来ました!」

「えっ……もう? えらく早いですのね」

「こっちも出来ました」グシグシ

「てー!」バシュッ

「「うわぁぁぁ!?」」グシャァ


岩石は綺麗な放物線を描いて落ちる。

それは足の遅い重装兵に面白いぐらいぶち当たった。

押しつぶされた兵士の血液が勢い良く飛び散っている。



「ふふふ、この戦……このまま行けば私達の勝利ですわね」

「そんな事を言う奴は大体酷い目に遭う……」ボソッ

「蹂躙して差し上げますわ!」

「けして、白兵戦だと勝ち目が無いからとかではありませんのよ!」



「聞いてないですよこんなの! 相手が強すぎる!」

「辺境だからと舐めたこちらが悪い」

「ゆっくり進軍していては良い的です!」

「落ち着け。俺に考えがある」

「考え……ですか?」



「……おかしいですわ」

「どうかしたんですか?」

「相手の動きが……止まった様ですね」

「うーん、良い事だと思いますけど」

「攻める気が無いなら、普通反転する筈ですの」

「そうじゃないという事は……」

「つまり何か考えがあって止まっている?」

「その通り。嫌な予感がしますわ」


エルキナの予感は当たっていた。

彼等は気付かれぬように、陣形をゆっくりと変えていたからだ。



「解ってるな?」

「ええ」

「今のうちに息を整えておけよ」

「一点に集中させる訳ですからね。勿論です」

「……こちらの全力を見せてやる」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×1?、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 ■■■■◇◇◇□□□□□□□□□
【陣形詳細】 鋒矢の陣(突撃陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――



「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」

「落ち着きましたか?」

「誰のせいじゃ! 誰の!」

「大変申し訳ないと思ってます」

「……まぁ負ける筈も無し。このまま進むとしよう」

「了解!」

「了解致しました」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 ■□□□
【配置上限】 ■■

「狙撃」……TP半分消費、不利判定を有利判定に一つ変える。


/南の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵2、騎兵3)

【被害状況】 不明
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1~3 … 被害を受ける 
4~6 … 双方の被害なし
5~9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(ディアナの「狙撃」使用可能。使うなら併記)


判定 9、2 (南の戦闘中、「2」を「7~9」と同じ扱いにする)


「――すぅ」ギリギリギリ

「隊長! 弓を番えてる様に見えますが!」

「狼狽えるな! 直進しろ!」

「これでっ!」ビュン

「「ぐぁあああ!」」ドサッ

「なっ……」

「盾を貫いた!?」


ディアナの放った矢は、盾を構えていた重装兵の腕を抉る様に貫く。

数に任せたものとは違う正確無比な一撃に、彼等は恐怖した。



「ようやく全体が見えたか」

「ざっと見た所、倒れた者を含めて15名」

「軍隊を動員したにしては些か規模が小さい様にも見えますが……」

「少し気にしておいた方が良いかもしれませんね」

「承知した」


「ぬぅぅぅ~!」

「寡兵だと侮ってた報いでしょうか」

「ええい! うるさいわ!」

「こっちの士気もガタ落ちですよ」

「黙っとれ!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 ■□□□
【配置上限】 ■■

※狙撃により以降「2」を「7~9」と同じ扱いにする

/南の軍勢/ (重装兵×10、軽装騎兵2、騎兵3)

【被害状況】 ■■□□□□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


―今までのおさらい―


出:ティオニクス、ルチア、ドミニク、モルドー、ウルリッヒ
残:【東】エルキナ、ゴラン、アルベルト 【南】ミリス、ディアナ

出:主人公、女従者、従者、領民〈木こり〉、お尋ね者
残:【東】元貴族、元奴隷、領民 【南】聖職者、女弓兵


Q1 何する状況?

今は物語終盤で権力に物を言わせてた貴族の1人をシメに行くところ

Q2 どうすれば終る?

領地に居る軍隊の猛攻を凌いでる内に貴族を潰せば終了
もしくはこちらが圧殺されればそれでも終了

Q3 ここまで来たからにはクリアしたい

こっちもクリア(完結)したい。というかさせて。
変な選択肢選ばなければ死人は出ないからそれだけ覚えててください


―西の川―


「ところでこの船……曲がれますよね?」

「………当然だ」

「一体何ですかその間は」

「気にするな」

「気にならない方がおかしいと思います」

「安心しろ。先導する俺達から離れなければ良いんだ」

「それはつまり、不味い事が起きるということでは……?」

「さぁ行くぞ、船に乗り込め」

「わぁい」


斯くして君達は流れの急な川へと繰り出した。

その身に何が起こったか判定をしよう。ダイスを2つ振ってくれ。


―【判定表】――――――――――――――――――――――――――――――

02 ― ルチア「あっ、水が入って来ました」
12 ― ティオニクス「不味いって! 岩にぶつかるぶつかるー!」
20 ― ルチア「あっ、何か落ちましたね……まぁ良いでしょう」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 ダイスロール (コンマの数値を参照)


判定 6+2=8


「のああぁぁぁあ!!」ザッパァン

「ほげぇぇぇ!」ビタァァン

「ズズッ……静かにして頂けますか?」

「呑気に茶を啜ってる場合か! ルチア!」

「急流ですから仕方ありませんね」

「お前もだよ! ドミニクぅ!?」


激流に身を任せて同化している。

むしろ、どうかしてるから動じないのか。



前方から声が聞こえる。

怒声のようなこれは男の声だ。


「――あと少しで着く! 急停止に備えて下さい!」

「供えろってどうすりゃ……」

「どうしますか?」

「それを今聞いてるんだろ!?」

「船を止められそうな物を集めりゃ良いんじゃねぇか?」

「それです!」


僕達は船の積み荷から使えそうなものを拾い集めて来た。

この中から止められそうなものを選ぼう。


―【選択表】―――――――――――――――――――――――

①―梯子
②―ロープ
③―紐
④―錨
⑤―ルチア

――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (2D10の判定。目標値は「8~16」で変動)

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