莉緒「リア充爆発しろって、けっこう怖い言葉じゃない？」

このみ「急に何よ。」

莉緒「だってさあ、考えてみてよ。例えば手を繋いで歩いてたカップルが、目の前でいきなり破裂して、その肉片やら内臓やら血しぶきが飛び散ってごらんなさい？」

莉緒「一生モノのトラウマよ。私なら多分、二度とミートソースが食べられなくなるわね。」

このみ「またしょうもない事を考えるわね。」

風花「まあ、何度も見てればなんだかんだ慣れますけどね。でなきゃ仕事になりませんし。」

莉緒「怖っ！？やっぱナースって大変なんだ。」

風花「そういうお仕事でしたもん。けど莉緒さん、どうして急にそんな話を？」

莉緒「いや、キノコちゃんがよくそう言ってるのを聞いてたら、なんとなくそう思ったのよ。」

風花「キノコちゃん？あ、もしかして346プロの星輝子ちゃんの事ですか。え、お知り合いなんですか？」

莉緒「そ。あの子ライブだとすごいテンションだけど、普段は大人しいというか、内気なのよね。で、よくそんな事呟いてるんだけど。」

このみ「へぇー、ウチの杏奈ちゃんと似たような感じなのかしら。てかキノコちゃんって。」

莉緒「ちゃんと本人から許可は貰ったわよ、未央ちゃんがそう呼んでたから真似したんだけど。」

風花「未央ちゃんって、やっぱり同じ346の本田未央ちゃんですか？」

莉緒「以前共演した時にキノコちゃん共々仲良くなってね、連絡先交換したの。『ありがとー！ね、莉緒ねえって呼んでいい？』なんて言ってくれて。いい子よね〜。」

このみ「はー、いつの間に。莉緒ちゃんコミュ力高いわね。」

風花「ですね。莉緒さんこそリア充じゃないですか。」

莉緒「こういうのもリア充っていうの？なんか、恋人がいてラブラブみたいな人の事だと思ってたんだけど。」

このみ「ちょっと違うんじゃない。てか星輝子ちゃんは別に彼氏欲しがってはないんでしょ。」

風花「まあ、交流が広くて友達もたくさんいて、毎日楽しく過ごしてる人、みたいな感じですかね。」

莉緒「ふーん。なら未央ちゃんだけじゃなくて美嘉ちゃんや奏ちゃんなんかもリア充ってわけか。奏ちゃんあれで友達多いみたいだし。」

このみ「ん、ちょっと待ちなさい。あなたもしかして、城ヶ崎美嘉や速水奏とも知り合いなの？」

莉緒「ええ。二人ともモテるでしょ？だから、日頃どんなふうにしてるか、なんて話しかけてるうちにね。美嘉ちゃんとはファッションなんかの話をするし、奏ちゃんからはよく映画を借りたりしてるわよ。」


莉緒「お。言ってるそばから奏ちゃんからメッセだわ…何これ？二人ともなんでこんな髪型に。あ、MV撮ったのか。」

このみ「え、なになに？」

莉緒「ほらこれ。撮影中のオフショットですって。こういう髪型も似合うわよね〜。私もウィッグ付けたらモテるかしら。」

風花「すごい行動力ですね莉緒さん。私、事務所以外で仲良い人とかいませんよ。」

このみ「私も年上や同世代はともかく、10代の子にそこまで親しい仲の子はいないわね。」

莉緒「変なの、別に普通に話しかければいいだけじゃない。皆いい子達ばっかりよ？」

風花「それが簡単に出来たら苦労しませんよ。」

このみ「まさにリア充の発想ね。」

莉緒「ちょっと、アイドルがそんな引っ込み思案でどうするの。女は度胸って言うでしょ。」

莉緒「それにしても知り合いが増えるのはいいけど、なんでモテないかなぁー。」

このみ「あら、こないだオトコとデートしといてよく言うわ。」

莉緒「げ、見てたの？違うからね、あれは大学の同級生と会ってただけで。」

風花「へぇ、アイドルがわざわざ同級生と外で待ち合わせして会ってたんですか。ふーん。｣


莉緒「オフの日に呼び出されて『育ちゃんにこの歯ブラシ使ってきてもらって来てくれ』ってお願いされたんだけど、それが何か？」

風花「すみません…」

このみ｢莉緒ちゃんはもう少し友達を選んだ方がいいんじゃないの。」

莉緒「気を付けるわ。でもほんと、なんで私の周りにはあんなのしかいないのかしら。千鶴ちゃんやあずさちゃんにはほっといてもいい男が群がってくるってのに。」

このみ「愚痴らないの。ほれ、この後暇なんでしょ。飲みに行くわよ。」

風花「またですか？先週行ったばかりですけど。」

このみ「346の川島さんからのお誘いなのよ、私と莉緒ちゃんに会いたいって。断れないじゃない？」

莉緒「姐さんから？行くわ、久しぶりよね。私の悩みを分かってくれるのは川島姐さんだけだわ。」

訂正
＞＞６
✕→莉緒「オフの日に呼び出されて『育ちゃんにこの歯ブラシ使ってきてもらって来てくれ』ってお願いされたんだけど、それが何か？」

○→莉緒「オフの日に呼び出されて『育ちゃんにこの歯ブラシ使ってもらって来てくれ』ってお願いされたんだけど、それが何か？」

このみ「あんた姐さん多いわね…そうだ、風花ちゃんも一緒に行きましょうか。」

風花「え、知らない人と飲むのはちょっと。」

このみ「いいからいいから。川島さんから風花ちゃんとも会ってみたいって言われてたのよ、ちょうどよかったわ。」

莉緒「大丈夫よ、川島姐さんとってもいい人だから。瑞樹って呼ばないと拗ねちゃうけどね。」

風花「ああ、そう言えば下の名前ウチの瑞希ちゃんと同じ読みでしたっけ。」

莉緒「ええ。『765に真壁瑞希ちゃんっていたわよね？』って話しかけてもらったのがきっかけで知り合ったのよ。」

このみ「あ、今日早苗さんも来るって言ってたわ、気を付けてね。」

莉緒「おっと、それは油断出来ないわね。」

風花「片桐早苗さんでしたっけ？婦警出身のアイドルの。」

このみ「そ。元警察官だけに飲む時は超体育会系なのよ。『飲んだら吐くべし、吐いたら飲むべし』がモットーの人だからね。」

風花「ちょっと！駄目ですよ、そんな無茶な飲み方は。」

このみ「私らにはそこまで無理言ってこないから大丈夫よ。油断したらすぐ揉まれたりはするけどね。」

莉緒「そうそう、早苗姉さんお酒入ると完全にエロ親父だもんね。私も何度『身体検査』されたか。」

風花「ええっ！？嫌ですよ、そんな人と一緒に飲むなんて。」

このみ「風花ちゃんがいてくれて助かったわ、今日のターゲットは決まったわね。」

莉緒「風花ちゃんみたいな子は間違いなくタイプよ、気を付けてね。それじゃ、行きましょうか。」

風花「む、むぅーりぃー！」

おしまい。途中誤字があり大変失礼致しました。

これからも「ミリオンライブ　シアターデイズ！」をどうぞよろしくお願い致します。