【登場人物紹介】
佐藤心…26歳。166cm。パッション。通常・しゅがーはぁと。イロモノにしか見えないが、自分の信じたことを貫き通して表現する生き様に惚れるPは多い。容姿端麗、手先が起用、周囲への気配りが出来て、確固たる信念まで持つ彼女はまさしく現代の大和撫子。人を選ぶメルヘンなデザインを好むが万人ウケするセンスもしっかり理解している辺りに はスペックの高さを感じずにはいられない。
隙らしい隙がないように思えるが、初見ではアクが強すぎるのが唯一の欠点。「佐藤」ときて「心」ときてあのキャラクターである。胃もたれは避けられない。追い討ちをかけるようにスリーサイズの表記が「ぼん・きゅっ・ぼんっ♪」。体重表記も「ダイエットちゅう」。お前普通にスタイルいいだろ。
美優さんがだし汁なら、心さんはデミグラスソース。ちょっと濃いってレベルじゃない。
三船美優…26歳。165cm。だし汁。あれは駄目ですこれも駄目ですと制限を積極的に課していく日本の文化・教育によって誕生した悲劇の(元)受け身系アイドル。現在はPとの結婚を虎視眈々と企む積極的なアイドルに生まれ変わった。天然なのか、策士なのかは判断がつかないが誘い受けの色気には定評がある。あんなん手を出さずにはいられない。
容姿、性格、言動から議論の余地なく清楚系に分類されるのだが、思わせぶりな雰囲気や度々恥じらう姿、元・OLという属性が相まって隠しきれないエロスが漂っている。美波と同じ。本人に非はなく、美優さんを見る目が濁っているだけ。
得意料理は家庭料理。肉じゃがやら卵焼きやらで、さながら猛禽類のごとく胃袋を鷲掴みにしてくる。捕まったらもう逃げられない。
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(事務所)
心「どんな時も私らしくスウィーティー過ごしたいんだ~♪」フンフンフ-ン
カチャ
心「おっつスウィーティー♪ あ、おはよう。美優ちゃん」
美優「おはようございます…心さん。ふふっ、今日も元気みたいですね。鼻歌が聞こえてきましたよ」
心「おいおい。アイドルなんだから朝からでもテンションアゲアゲの気分上々でいくのは当然だろ☆ 美優ちゃんもノってこうぜ☆」
美優「Yeah」
心「欧米か」
美優「すみません。気分を上げていくという感覚がわからないもので。現状、幸せではあるのですが…」
心「ま、幸せならいいんじゃね。モチベーション高いっつーことだし☆」
美優「そうですね…やる気には満ちてます♪」ニコリ
心「いいね、いいね~♪ 美優ちゃんその笑顔、最高っ☆」
美優「ふふ、照れてしまいますね」
心「あ、ところで美優ちゃんさ。そろそろ誕生日だろ?」
美優「…誕生日…誰のですか?」
心「いや、美優ちゃんの」
美優「…」
美優「言われてみれば…そうですね」
心「間ァ。自分の誕生日忘れてんなよ☆」
美優「OLになってからは誕生日というものを強く意識することがなくなっていたので…特別な日という感覚が希薄なんですよ」
心「寂しいなー…切ないなー…年に一度だぞ? バースデーだぞ? ケーキ用意して、みんな集まって、パーっと祝う最高の日だぞ?」
美優「そうなんですか?」
心「そうなんですか、じゃないよ…まったくもう。よし決めた☆ 美優ちゃんの誕生日は、はぁとが盛大にお祝いしてやっから覚悟しとけ☆」
美優「…ありがとうございます♪ ただ、それほど大ごとにしなくても結構ですよ。心さんに覚えてもらえていただけでもすでに嬉しいのですから」
心「くぅ! 健気! けど、そんなこと言われたらますます頑張りたくなっちゃうだろ☆ つーか、美優ちゃんは『これやりたい』『これ欲しい』みたいなものはないの?」
美優「やりたいこと…」
心「好きなこと言ってみろよ☆ 昔みたいに『何でもいい』って流されるばっかじゃないんでしょ?」
美優「…そうですね。先日、みくちゃんも『誕生日はどんなワガママでも許される日なの』と言ってましたし…思い切って私もやりたいことをさらけだしてみましょうか」
心「そうだ、そうだ。ドーンとこい」
美優「では、Pさんと結」
心「待てィ!」
美優「まだ皆まで言ってませんが…」
心「『ケッコ』まで言いかかってたよね? そりゃ、滅多にない美優ちゃんのワガママは受け入れてあげたいけどはぁとの器のサイズにもは限界があるわけよ。大きすぎる欲望の前には砕け散っちゃうの☆」
美優「…大人はそうやってすぐ駄目っていいますね」プ-
心「あ、なんか子供みたいな不満が出てきたね。ずっと溜め込んでたやつか、これ?」
美優「あれも駄目…これも駄目では…子供の自主性など育つはずがありません」プ-
心「よしよし、ごめんね。後で『トイザらス』連れて行ってやるから機嫌直せよ☆」
美優「いいです…オモチャはAmazonで買いますから…」プイ-
心「時代の移り変わりを感じさせるようなことを言うなァ」
美優「大人になり、それなりの稼ぎがある今…『シルバニアファミリー』のコンプリートもクリック1つで楽勝なんですよ…ふふふ♪」ハイライトオフ
心「駄目なやさぐれ方してるゥ。仕事終わったらとりあえず飲みに行こう!」
美優「ちくしょう…私は子供の自主性を尊重する親になりますからね…」グチグチ
心「ほーら、レッスン行くぞー。頑張るぞ美優ちゃーん」ガシッ
美優「あ、まだ言いたいことが…あああ」ズリズリ
(夕方・居酒屋)
心「うん。やっぱ仕事の後はげそ天だよな~☆」ムシャ-
美優「美味しいですよね…♪」ムシャ-
心「(ほっ…やさぐれモードは過ぎたかな?)」
心「で、朝のお願い以外でやりたいこと思いついたの?」
美優「ドーナツをバケット一杯に盛って、朝までダラダラと映画を見ながらつまみたいです」
心「欧米か。つかそれ確実に太るやつだぞ」
美優「そうですね…ぜひ一度やってみたいことではあるのですが…」シュ-ン
心「まあ暴飲暴食が魅力的なのはわかるけどさ、アイドルなんだし別のものを考えような☆」
美優「また駄目ですか…まったく心さんはワガママなんですから」プ-
心「理不尽ッ」
美優「仕方ありません許してあげましょう…その代わり、げそ天もう一本頂きます」ムシャムシャ
心「あ、うん。最近、美優ちゃんもマイペースになってきたよな」
美優「自分のペースを保たなければ…他の子に呑まれてしまうんですよ…みんなキャラが濃すぎですまったくもう…」ムシャ-
心「それはぁとも該当すんの?」
美優「心さんは代表格ですよ…お友達なので呑まれはしませんけど」
心「真正面からお友達って言われるのスゲー嬉しい。はい、ビール」
美優「どうも…頂きます」グビグビ
心「いい飲みっぷりだなー」
美優「ふぅ…飲まなきゃやってられませんよ…」ヒック
心「何々? ストレス溜まってんの?」
美優「そりゃ溜まりますよ…アイドルとしてデビューさせてもらったことは感謝してますけど…手は出されませんし…脈があるのかないのかわかりませんし…他の子ばかり構ってますし…」グチグチグチ
心「名前は出してないけど誰のことを言ってるのかすぐわかるわ…」
美優「ええい…! いっそ誕生日に私をもらって欲しいですよ…! プレゼントはいらないのでプレゼントをもらってください…!」バ-ン!
心「どうどう。ほら、湯葉食えよ。湯葉☆」
美優「ひんっ…まったくこの前はわざと酔っておんぶしてもらって…私の部屋まで運ばせたのに…普通に介抱して終わりですよ…ウーロン茶飲ませて、頭に濡れタオル置いて…さよなら…? そこは野獣になってしかるべきじゃないですか…!」ヒック!
心「わざとやってたんだな」
美優「あったりまえですよ…かなり勇気を出したのに…らのに…ウーロン茶て! にゃんでやねん!」ヒ-ック!
心「おーい、みくちゃん混じってんぞー。美優ちゃん。お酒まわるの早すぎだっつの」
美優「はぁ…心さん…誕生日は2人きりで祝いましょう…心さんと一緒に過ごすのが一番ですよぉ…」ヒック
心「それでいいのかよ…」
美優「…どうせ欲しいものは手に入りませんから」ヒック
心「…」
美優「あー…オートミールが食べたいです…」ヒック
心「欧米か。つか脈絡がなさすぎんだろ」
美優「店員さん。ピザくださーい…」
心「欧米か。居酒屋にピザはないっつの」
店員「ありますよ」
心「あるんかーい☆」
美優「センキュー…♪」
心「だから欧米かァ!」
店員「ユアウェルカム」
心「ノってんじゃねえぞ、このヤロー☆」
店員「ファンです。サインください」
心「あ、うん。どっちの?」
店員「はぁとさんので! 美優さんのもください!」
心「お前大好きだ、こんにゃろめ! シャツにも描いてやるよォ!」カキカキカキ!
店員「あざーっす!」
美優「ええと…ここにサインですね…」カキカキ
心「おいおい。大丈夫か? フラフラしてんぞ?」
美優「余裕ですよ…ほら見てください…かつて部長に『毛糸』と呼ばれた字ですよ…」カキカキ
心「知らねーよ☆」
店員「あの…ところで美優さん? どうして『イモトアヤコ』の似顔絵を描いているんですか?」
美優「似顔絵…上手でしょう? 得意なんです♪」カキカキ
心「フリーダムゥ」
美優「ふふふ…♪ 『イッテQ』のサインもしちゃいます…出演したことありませんけど♪」カキカキ
心「ごめんな。この子もうただの酔っ払いなんだわ」
店員「これはこれで嬉しいっす! 意味不明っすけど!」
心「いい奴だなー…大学生か?」
店員「うっす!」
心「うんうん。また来るから美優ちゃんのサインは今度な。騒ぎになるから他の奴には黙ってろよ☆」
店員「あざすっ! 嬉しいっす!」
心「ほら。行くよ、美優ちゃん」ガシッ
美優「んん…豚骨ラーメン食べに行きましょう…」
心「はいはい。行くぞー☆」
ズリズリズリ...
心「(さて…誕生日どうすっかな…)」
(誕生日当日)
仁奈「誕生日おめでとうごぜーます! 美優おねーさん!」
みく「おめでとうにゃあ!」
楓「ふふっ、事務所の上階で誕生会…♪」
瑞樹「おめでとう。ささやかだけれど祝わせてちょうだいね」
心「感激で泣いていいぞ☆ いいんだぞ?」
早苗「はい。プレゼントは手錠でよかったかしら?」ジャラリ
菜々「よくないですよッ!? 何に使わせるつもりですかッ!?」
早苗「そりゃナニよ」
美優「皆さんありがとうございます…心が温かくなりますね…♪」ニコリ
瑞樹「あら。ところでプロデューサーくんは?」
美優「あのあんちくしょうは仕事だそうです」
瑞樹「言葉遣い」
美優「メールで『おめでとう』だけって…今度会ったら関節を執拗にヘディングしてやります…!」
心「ほーら、バースディなんだから荒れんな~☆」ヨスヨス
美優「荒れてません…」プ-
仁奈「美優おねーさん! お歌を用意したので聞いてくだせー!」
みく「この純真さに涙が出て出てくるにゃ」ホロリ
菜々「みくちゃんはまだ若いんですから。涙が出る歳でもないでしょう」ホロリ
みく「え、ナナチャンは?」
菜々「あ゛」
仁奈「ハッピバースデートゥー美優おねーさーん♪」トゥットゥル-トゥ-ル-♪
早苗「うーん。いい声♪ お酒が進むわ~♪」ヒック
楓「そうですね。私も演歌風に歌っちゃいましょうか♪」ヒック
みく「もう出来上がってるのッ!?」
早苗「楓ちゃん。やれやれー♪」
楓「ハァァァァ…ッピィバァアスディ…トゥーユゥゥゥ…ヒャッハァァァァァァッ!」
みく「それ輝子ちゃん。演歌ちゃう」
心「やりたい放題だな」
瑞樹「平常運転よ」
仁奈「仁奈も歌うでごぜーます! 美優おねーさんも一緒にでゅえっとしやがりましょう!」
美優「いいですね…じゃあ歌いましょうか♪」ヨシヨシ
菜々「美優さんはいいお母さんになりそうですね」
美優「でしょう?」ズイッ
みく「食い気味」
美優「今日はヤケです…仁奈ちゃん。全力で歌いましょう…」キラ-ン
仁奈「おー! やる気満々だー!」
美優「ええ…やる気に満ちてます」ハイライトオフ
心「『殺る気』にしか聞こえねーぞ☆」
楓「お酒まだありますか?」ヒック
早苗「足りないよ~ん♪」ヒック
みく「お水と氷しかないよ。酔っ払い」
楓「え」
早苗「え」
瑞樹「今日は美優ちゃんに介抱させられないもの。節制なさい」
楓「…ウッス」
早苗「ん~…お口が寂ちい…」
菜々「あ、ひじきの煮込み作ってきたんです。ミネラル豊富ですよ」カパッ
早苗「おお~、いいねいいね♪」
みく「渋いね」
菜々「こ、こ、こ、これが菜々の学校では流行っているんですよッ!?」
美優「くぅーれないにソーマァッタ! あーのおとーこォ♪」
心「殺人事件じゃねーか☆」
キャッキャ♪
(解散後)
美優「うぅ…喉が痛いです…」
心「大丈夫か。お酒は飲んでないんだろ?」
美優「ええ…みくちゃんも仁奈ちゃんもいましたし…」
心「ほんっといい子だよなー…よし。ところでお腹空いてる?」
美優「まあ…ご飯ならお付き合いしますよ」
心「あー、うん。はぁとは明日朝早いからもう帰んなきゃいけないんだわ☆」
美優「…寂しいです」シュ-ン
心「安心しろっつの☆ メインディッシュがあるからさ」
美優「メインディッシュ?」
心「ま、とりあえず着替えろって☆」
(しばらくして)
トコトコトコ...
美優「(ここのお店…でしょうか? 心さんは帰ってしまいましたし…少し不安です)」
美優「…」
P「あ、美優さん。こっち」
美優「!?」
P「誕生日おめでとう」パチパチ
美優「ぷ、プロデューサーさん…今日はお仕事だったのでは…?」
P「無理言って抜けてきたんだよ。時間に限りはあるけど、お祝いさせてほしいんだ」
美優「…」
美優「セッティングは…心さんですね?」
P「あれ? 『バレないようにうまくやってやんよ☆』って言ってたのに」
美優「ふふっ…バレバレですよ。隠す気もなかったんじゃないですかね♪」
P「座りなよ」
美優「そうですね…失礼します」スッ
美優「(…心さん...ありがとうございます♪)」
P「乾杯」
美優「ええ…乾杯です♪」
カチ-ン
美優「(一生忘れられない誕生日になりそう…♪)」ニコリ
(後日)
美優「心さん。誕生日はどうもありがとうございました♪」
心「気にすんなっつの☆ で、どうだったの?」
美優「楽しく食事をした後は」
心「うんうん」
美優「手錠を有効活用させていただきました♪」
心「待て☆」
美優「ふふふふ…もう2度あの日は忘れませんよ…♪」
心「何があったんだよ…」
美優「…」
美優「心さん」
心「ん?」
美優「心さんの誕生日は…盛大にお祝いさせてくださいね♪」ニコリ
心「うん。期待してるぞ☆」
終わり
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