【FGO】楽しい査問会のお時間 (19)

査問官A(私は国連から派遣された査問官A! 今回、このカルデアにおいて、国連との取り決めを著しく逸脱した行為があったということで、カルデアのマスターとやらを査問することになった! くくく……どんなに言い逃れしても無駄だ! 絶対に奴の違反行為を漏れなくあぶりだしてやるぜ!)

査問官B(俺は魔術協会から委託された査問官B! 奴がこの査問会の最中に魔術的隠蔽をしないか、魔術的に矛盾がないかを、しっかりと見張り、突っ込み、あぶりだしてやるつもりさ! まっ、所詮一般人から選ばれたという、幸運だけが取り柄の低能だろうから、そんな心配はないだろうがね!)

査問官C(僕は査問官C。この査問会の中立性を保つという名目で、ゴルドルフ・ムジークに雇われたんだけど……ぶっちゃけめんどくさい、帰りたい……カルデアの連中なんか全員入れ替えるんだし、今更突っつきまわす意味もないし……というか、ぼくの存在って、こいつら二人に情報を独占させないための見張り役と、査問は間違いなく中立でしたっていうための言い訳だし……はあ……早く寝たい……)

プシュー、ガコン

警備A「ほら、早く入れ! 少しでも怪しい動きをしたら容赦しないからな!」

???「は、はい!」

査問官A(やっと来たな! では早速罪人の顔を拝んでやるとしよう!)

査問官B(ふん……実に平々凡々な顔立ち……なんの素養もカリスマも見出せんな……所詮魔術の家系ではないのだから、この俺の身からあふれる高貴なオーラに敵わないのは無理がないけどな!)

査問官C(人類を救ったっていうわりにはフツーだなー……まあ、一般人って言ってたしこんなもんか……可哀そうに、緊張しちゃってまあ……つっても、僕は金貰った分だけ仕事するだけですがね)

査問官A「えー、それではカルデアのマスター候補生。これより査問を始めさせてもらう! まずは、貴様の名前をしゃべってもらおう!」

査問官B「言っておくが、偽名なんて名乗っても無駄であるよ? くれぐれも小細工など考えないようにな!」

査問官C「まあ、普通に言えばいいから、普通に」

???「はいっ! ぼ、ぼくの名前は……」

査問官A「ふむ! 貴様の名前は!!」




???「僕の名前は藤丸立香@セイレムお疲れ、といいます!」

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査問官A「………………」

査問官B「………………」

査問官C「………………あー……?」

藤丸立香@セイレムお疲れ「……はい」

査問官A「……おい!! 貴様ふざけているのか!? 前半はいいとして、なんだその……”@セイレムお疲れ”というのは!!!!」

藤丸立香@セイレムお疲れ「え、いや、そこも含めて僕の名前ですけど……」

査問官B「そんなわけあるかぁ!! ミドルネームにしたってもう少しまともだよ!!」

藤丸立香@セイレムお疲れ「そういわれましても……あ、わかった! すいません間違えました!」

査問官A「そうだろう、そうだろう!! そんな隠匿魔術が効くと思っていたのかね? さあ、早く貴様の名前を吐き給え!!」

藤丸立香@凸砂礼装サポ弓「今は、藤丸立香@凸砂礼装サポ弓、にしてました! すいません、イベント終わったけどまだ名前変更してなくって……」

査問官B「そういうことじゃないよ!! なんだよサポ弓って!!」

藤丸立香@凸砂礼装サポ弓「いや、こうしておくと、いちいちサポート一覧見なくても、どこに凸礼装置いているかわかりやすいんですよ! 一応、コメントで他のイベ礼装について補足もしてますので、ばっちりですよ!」

査問官C「いや、何がばっちりなのか、僕らにはさっぱりなんですけど……」

藤丸立香@凸砂礼装サポ弓「もしかして、みなさんあんまり周回とかしない人ですか? もしくは、サポート縛りとかされてらっしゃる?」

査問官A「サポート縛りってなんだよ……! 意味が分からん……!」

査問官C「あのねぇ……君、もう少し神妙にしたらどうなの……そんなふざけたこと言っても、戸籍とかの資料は僕たちの手元あるんだからすぐにバレ……る…………」ペラッ

査問官A「……ん? どうしたのだ、同士C! 奴の本名は何と書いてある!」

査問官C「その呼び方止めてもらえます? いやね、手元の資料でも藤丸立香@凸砂礼装サポ弓になってるんですよ……」

査問官AB『な、なんだってー!?』

査問官A「ええい、貸せっ!! …………くっ! 誤植でもなんでもなく、本当に藤丸立香@凸砂礼装サポ弓、が本名だとっ!? 一体どうなっているのだ!?」

査問官B「ふふふ……早速俺の出番のようだな!!」

査問官A「おお! そうだったな!! くくく、聞き給えマスター候補生君! ここにいる査問官Bは、魔術協会の中でも指折りの解呪魔法を修めているのだよ! 貴様ごときが無い知恵絞って行使した魔術など、たちどころに看破してくれるともさ!!」

藤丸立香@凸砂礼装サポ弓「すごいですね。イシスの雨要らずだ」

査問官B「はーっはっはっは!! そんなに褒めないでくれたまえ! さてさて、早速君の陳腐な隠蔽魔術を破って見せようじゃあないか!!」




~~~ややあって~~~




査問官B「あれは星4かな? いや……違うな……星4はもっとこう……バァーって動くもんな……」

査問官A「さ、査問官Bィィーーー!!?」

査問官C「まさか、まったく魔術の痕跡が見つからないとは……」

藤丸立香「うーん……なんか、よくわからないですけど、みなさんあまり名前変えるの好きじゃないみたいですし、元の名前に戻しておきますね」

査問官C「あ、資料の名前が藤丸立香になってる」

査問官B「なんで魔術の形跡がないのぉぉぉ!! んにゃあああああああ!!!」

査問官A「落ち着き給えB!! 名前なんて重要ではないのだ!! 気を取り直すのだ、Bィ!」

査問官A「とりあえず、名前はもういい! そんなことより重要なのは、貴様がやってきた行いだ!」

藤丸立香「はぁ……と言っても、僕は普通にやってきただけですが……」

査問官A「それは我らが判断することだ! まずは、貴様が召喚してきたサーヴァントを報告せよ! 虚偽の申告はするなよ?」

藤丸立香「あー、はい分かりました……まず最初に召喚したのは、アルトリア・ペンドラゴンですね」

査問官B「ペンドラゴン……ああ、かの有名のアーサー王かね! ふん! 凡俗には全く相応しくないな!」

藤丸立香「で、えーっと……次に召喚したのが、アルトリア・ペンドラゴンです」

査問官C「……ん?」

藤丸立香「で、三人目に召喚したのが、アルトリア・ペンドラゴン。次に来たのが、アルトリア。その次がアルトリアで、その次が……」

査問官B「いやいやいやいや、待て、待ちたまえ!! え? 君、今、妙なことを言っていなかったか!?」

藤丸立香「え?」

査問官A「いや”え?”ではなくてだね!! 同一の英霊を複数召喚などできるわけがないだろ!! それとも何かね? このカルデアにはアーサー王が何人もいると、そう言うのかね!?」

藤丸立香「いや、いますよ? 普通の方で4人、オルタの方が4人います」

査問官C「あら、ほんとだ。こっちの資料にも載ってますな」

査問官B「ええい、貸したまえ!! セイバーアルトリア、ランサーアルトリア、アーチャーアルトリア、セイバーアルトリアリリィ、セイバーアルトリアオルタ、ランサーアルトリアオルタ、ライダーアルトリアオルタ、ライダーアルトリアオルタ……サンタ!?」

藤丸立香「あ、すいません。実のところ言うと、男の方のアーサー王もいまして」

査問官C「いや、男の方て」

査問官B「ややこしくなるから止めろ!!」

査問官B「ええい、アーサー王はいいからほかの連中の話だ! どんな英霊を召喚した!!」

藤丸立香「あ、はい……えーっと、他の人だと、ネロ・クラウディウスとかですね」

査問官A「ホホーウ! あの暴君ネロか!! 一体どのような英霊かね?」

藤丸立香「ネロはですね、まあローマの皇帝なんですが、まず丹下桜ボイスが最高ですね」

査問官B「……うん?」

藤丸立香「あの声で”奏者~♪”と呼ばれたらたまんないですね、脳がとろけますよ」

査問官A「はい、ストップ、ストップ!! 丹下桜って誰? 誰のこと言ってるの?」

藤丸立香「知らないんですか!? 丹下桜といえば、カードキャプターさくらで有名な、あの丹下桜さんですよ!?」

査問官C「いや、知らんがな」

藤丸立香「あ、クロエ・ルメールのほうが分かりやすかったですか?」

査問官B「だから!! 俺たちは英霊の話をしてるんだぞ!? ネロのことはどこへ行った!!」

藤丸立香「え? いや、最初からずっとネロの話しかしてませんが……ああ、もしかして声よりもビジュアル重視でしたか?」

査問官A「そういうわけではない!! だが、まあ、見た目も重要な査問内容の一つであるのは確かだな!」

査問官C「写真はたしかこっちのフォルダにまとめられてますね」

査問官B「俺にも見せろ! どれどれ……」

査問官A「…………何か同じ顔が二人並んでいるが……双子の英霊か? ネロはどこだ?」

藤丸立香「その写真の赤いほうがネロですね。ちなみに青いほうがアルトリア・ペンドラゴンです」

査問官B「またアルトリアか!! 見分けがつかねえ!!」

査問官C「よく見たらこのフォルダ、名前が”セイバー顔アルバム”になってるんですが……」

査問官A「なんだよセイバー顔って!!!!」

藤丸立香「セイバー顔はセイバー顔ですよ。具体的に言うと、アルトリア一行、謎のヒロインXとそのオルタ、ネロ・クラウディウス、ジャンヌ・ダルク三姉妹、モードレッド、沖田総司ですね」

査問官B「ツッコミどころ満載すぎるよ!! 頭痛で頭が割れそうだ……!!」

藤丸立香「ついでにいいますと、ネロも、赤ネロ、嫁ネロ、水着ネロと三人いますね」

査問官B「アバーッ!!?」

査問官A「Bィィィィィィ!!」

査問官A「ええい、もうセイバー顔にはツッコまんぞ!! それよりも、さっき何やら訳の分からんことを言っていたな!!」

藤丸立香「と言いますと?」

査問官C「君、さっきジャンヌ・ダルク三姉妹って言っていたよね? 確かにジャンヌ・ダルクには兄弟がいるけど……三姉妹っていうのはどういうことかな?」

藤丸立香「ああ、すいません。うちにはジャンヌ・ダルクは三人いるんですよ。で、便宜上三姉妹と」

査問官A「またそのパターンか……」

藤丸立香「まずは、しっかりものの長女、ルーラージャンヌです。一番のお姉さんとして、妹二人を見守っていますが、猪突猛進だから時々暴走しちゃうんですよね」

査問官C「へぇ、自分相手にそんな風に振舞うってのは面白いね」

藤丸立香「そして、ツンデレ次女のアヴェンジャー、ジャンヌオルタ。悪ぶってますけど、生来の真面目さゆえに、どこか憎めない性格です」

査問官A「英霊、俗っぽすぎない?」

査問官C(……大事なところをぼかされてるような気持ち悪さがあるけど……まあいいか)

藤丸立香「で、最後が、ロジカルおませさん、三女のジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィです」

査問官B「オゴゴー!!」

査問官A「字面だけでBが血を吐いた!!」

査問官C「え? え? 君なんて言った? 早口言葉?」

藤丸立香「ですから、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィですって」

査問官C「……つまりどういうことだってばよ」

藤丸立香「ええと、ジャンヌ・ダルクのオルタがですね、クリスマスの日にリリィになっちゃったんですよ。それで、リリィとなったジャンヌ・ダルクオルタがですね、どうしてもサンタをやりたいっていうことになりまして、紆余曲折あったのちにジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィになったんです」

査問官B「胃がレンコンになっちゃううううううううう!!」ゲロボシャァ!

査問官A「もういい!! 説明しなくていいから!! とりあえずもうそれでいいから!!」

藤丸立香「はぁ……」

査問官A「というか、貴様!! 先ほどクリスマスと言っていたが……もしや、人理修復のその途上で、のんきにクリスマスなぞ楽しんでいたのか!!」

藤丸立香「そりゃあ、この業界でイベントごとは外せないでしょう。新サーヴァント追加のいい機会でもありますし」

査問官C「新サーヴァント……? まあいいや……とりあえず、どんなイベントをやってきたのか、軽く説明してもらえるかな」

藤丸立香「えーっと、毎年やっていたイベントでは、バレンタインとハロウィンとクリスマスですね」

査問官A「この馬鹿者めが!! 人類存亡の危機にあって、イベントにうつつを抜かすとは言語道断だ!! 何を考えている!!」

査問官C「あー、それですがね……どうも手元の資料を見ると、そうのんきしてたわけでもないみたいですよ?」

藤丸立香「ああ、そうですね。一応、ハロウィンは微小特異点の修正でもありましたし……何より、あのエリザベートを放置するのは、カルデア崩壊の危機もありえたので……」

査問官A「言い訳は結構!! 貴様は端的にその特異点のあらましだけを言えばいいのだ!!」

藤丸立香「そうですか? それじゃあ、かいつまんで言いますけど……んー、とりあえず、エリちゃんが毎年ハロウィンパーティーをやるということでチェイテ城に招かれてたんですけど……」

査問官C「あのエリザベートがパーティーねぇ……」

藤丸立香「それで、まあいろいろあったんですけど、最終的にチェイテ城に姫路城が乗っかりました」

査問官A「姫路城!?」

藤丸立香「正確には、チェイテ城の上に乗ったピラミッドの上に姫路城が乗っかっていました」

査問官C「ファーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

藤丸立香「ラスボスはメカエリちゃんでした」

査問官B「鐘の音が聞こえる……」ガラーンゴローン……クビヲダセィ

査問官A「もうどうなってんだよカルデアぁ……!!」

査問官C「あー……笑いすぎて腹痛い……」

査問官A「真面目にやりたまえよ、同士C!! それで、最後に残ったバレンタインでは何をやっていたのかね!?」

藤丸立香「僕の国の風習にのっとって、女の子の英霊にチョコをもらったり、男の英霊にチョコを渡してたりしました」

査問官C「楽しそうだねー」

藤丸立香「ええ! みんなからいっぱいチョコをもらったり、チョコのお返しをもらったりして、とても楽しかったです!」

査問官B「英霊からお返しの品だと!? お前、いったい何をもらった!!」

藤丸立香「えーっと、ゲオルギウス先生からはベイヤードのたてがみ、オジマンディアス王からはスフィンクス・アウラード、シェイクスピアからは155番目のソネットとか……あ、あと実銃ももらいました」

査問官A「とんでもねえ物ばっかもらってんじゃねえか!!」

査問官B「ストレスで胃が消し飛んだわ」

査問官C「英霊の感覚はおっそろしいなー……」

藤丸立香「いえいえ! 普通の物ももらってますよ! 教会式手作りクッキーとか、ドラゴンステーキとか……あ! トリスタンからは手作りのCDをもらいました!」

査問官C「え、何それ、ちょっと後で聞かせて」

査問官A「普通 の 法則 が みだれる!」

査問官B「うーん、さてはこの査問、俺の内臓が無事ではいられないな?」

査問官A「はい! バレンタインの話題は終わり!! それで、他の微小特異点についてはなにかあるか!?」

藤丸立香「うーん……色々イベントはあったけど……印象深いのはやっぱり夏場の水着イベントかなぁ」

査問官B「水着……なんだって?」

藤丸立香「そりゃあ、夏と言ったら水着イベントじゃないですか。業界のスタンダードでしょう?」

査問官C「あーあー、そこらへんはスルーするとして……具体的には何をしたの?」

査問官B「どうせ、水着の英霊とキャッキャウフフしてました、とかそんなことだろうさ……」

藤丸立香「無人島を開拓して、最終的にうり坊の高度近代文明を作り上げました」

査問官A「???????????」

査問官B「うーん、次は食道が蓮コラになったぞーぅ!」

査問官C「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

藤丸立香「それで、今年は英霊のみんながレースをして、コノートの大監獄から脱獄して、最後はグガランナをしばき倒しました」

査問官A「????????????????????????」

査問官B「おっと、血が足りなくて手が震えだしたぜ!!」

査問官C「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

査問官A「ちょっと整理させて……え? 水着関係あるそれ?」

藤丸立香「ははは、水着さえ着てれば、それすなわち水着イベントですよ! ぶっちゃけ、ぼくらは水着鯖が可愛ければなんでもいいとこありますし」

査問官A「え? 僕”ら”?」

藤丸立香「友達は10万つぎ込んで爆死したって言ってましたよ」

査問官B「コヒュー……コヒュー……(うーん、肺がないと喋りづらいなぁ)」

藤丸立香「かくいう僕も、召喚でマーボーばかり出てきてしまって……」

査問官C「召wwwwww喚wwwwwwからwwwwwwwwwwマーボーwwwwwwwwwwってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

査問官A「ええい笑いすぎだCィ!!!」

査問官A「もういい……微小特異点はもういいから……本命の特異点の話を教えてください……」

藤丸立香「本編の話ですか? いいですよ! 軽く一日はぶっ続けで語れますね!!」

査問官A「かいつまんで!!! 要点をまとめて!!! お願いだから!!!」

藤丸立香「えー……? そんな縛りじゃあ碌なこと言えませんよ……」

査問官B「コヒュヒュ、コヒュ、コッヒュヒュ(あ、うん、そのほうが俺の内臓には優しいから正直助かる)」

藤丸立香「うーん……でもあえて言うなら……一番思い出深いのは、やっぱり魔神柱たちとの戦いですかねー」

査問官A「おお、おお!! いいではないか、全ての黒幕! 人理焼却の犯人との対決!! 最終決戦の思い出かね!!」

藤丸立香「最終決戦? いいえ、採集決戦ですけど」

査問官C「え、何それは」

藤丸立香「ですから、採集ですよ、採集。魔神柱が落とす素材がとんでもなく美味しかったんですよ。それで、みんなこぞって魔神柱を狩りに行きました」

査問官C「え……狩り……魔神柱を狩り……え?」

藤丸立香「いやー、みんな勢いがすごいのなんのって。全部で1800万本いた魔神柱ですがね、三日と経たずにへし折られてしまいましたよー」

査問官A「1800万を三日以内……?」

藤丸立香「一番すごい時では、秒間44本のペースで狩られていたみたいですよ」

査問官B「コヒュッ……」チーン

査問官A「Bィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!」

査問官C「中止!! 査問官は一時中断とさせていただきます!!!!」

~~~ややあって~~~

査問官A「大丈夫かね? 体は辛くないかね?」

査問官B「体は大丈夫だけど……旧カルデアの医療スタッフがやたら怖かった……ことあるごとに消毒と切除を勧めてきた……」

査問官C「何その前時代的治療法……」

査問官A「ええい、やはりこのカルデアは害悪だな!! 我らも気を取り直して、あのマスター候補生、藤丸立香を積極的に追い詰めていくぞ!!」

プシュー、ガコン

藤丸立香「すいませーん、もう大丈夫ですか?」

査問官C「ああ、こちら側の準備は整いましたので、査問の続き……を……」

藤丸立香「そうですか! それじゃあ、また話の続きを……」

査問官A「いや、待って待って……え? いや、君誰よ?」

藤丸立香「誰って……藤丸立香ですけど……?」

査問官A「うん、OK。ちょっと待っててね、すぐに終わるから……B君?」

査問官B「ああ……嘘だ、嘘だ嘘だ! そんな……またしても痕跡がないなんて……! お願いします、査問官A! あれは、俺の眼の錯覚だと、そう言ってください!!」

査問官A「B君! 気持ちは分かるし、私も手元の資料を見てみたけれど、またしても、またしてもなのだ! 君だけが頼りなのだよ!!」

査問官B「だからって、こんなのありえない!! なんでちょっと目を離したすきに……!」






藤丸立香(♀)「んー? 一体どうしたんですか? 何か気になることでも?」

査問官B「なんで性別が変わってるんだああああ、ごふっ!!?」

査問官A「Bィィィィィィィ!!」

査問官C「それって女装ではないよね?」

藤丸立香「はい、マスタープロフィールで性別変更しました!」

査問官A「何それ……」

藤丸立香「マイルームから選べますよ。もしくはターミナルの左下から直接出すこともできます」

査問官A「貴様のマイルームは改造手術室か!?」

査問官C「仮面のライダーとか作れそうですね」

藤丸立香「たまに、性別変えないと聞けないセリフとかあるから、気が抜けないんですよね」

査問官C「聞けないセリフ……?」

藤丸立香「いわゆる差分というものですよ。マテリアルの記録から、別選択肢とか選べるんですよ」

査問官B「……それ……もはや、過去のやり直し……因果壊れる!!」

査問官C「むしろ次元昇華してるのでは?」

藤丸立香「だけど、幕間の物語だけはホント分かりづらいところにあるんですよねー」

査問官B「幕間の……物語……?」

査問官A「やめろBィ!! そいつの言葉を無理に追及してはいけないィ!!」

査問官C「あれ、これ査問会だよね?」

藤丸立香「ああ、幕間の物語というのはですね、英霊のみんなとの絆の物語……と言う名の強化だったり場繋ぎの短編だったりでして……具体的には……」

査問官A「やめろ!! それ以上言うなあああああああああああああああ!!」

藤丸立香「ゲイボルクとルールブレイカーを合体したり、ジャガ村先生と不良を更生させに行ったり、円卓の騎士と借金取りに行ったり、魔神柱でパンケーキを作ったりしてましたね」

査問官B「……ふっ……俺は止まんねぇからよ……お前らも、止まるんじゃねえぞ……」キボウノハナー

査問官A「Bィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!」

~~~次の日~~~

査問官B「昨日はひどい目にあった……」

査問官A「もう、あのマスターわけわかんねぇ……どこが一般人だよ……」

査問官C「下手に追及しようとするからそうなるんすよ……曲がりなりにも僕たちを救ってくれたんだから、もっと無難に済ませましょうや……」

査問官A「ああ……! そうだな! どうせ奴らはもうこのカルデアに関われんのだからな!」

査問官B「ハッハッハッハッハ! 俺たちは寛大な心でもって、あのマスターを許そうというのだ!!」

査問官A[決して、決して次々に飛び出す直視しがたい現実に圧倒されたからではないぞ!!」

査問官C「はいはい……そういうことにしときましょうね……それで、今日は誰を査問するので?」

査問官A「フハハ! 今日の奴はまたあのマスターと同じくらい追及し甲斐のありそうな職員だ!!」

査問官B「こいつの怪しさときたらとんでもないぞ!! なんせ、いつの間にやら解体されていたという、別セクションからの引き抜き組だ!!」

査問官C「へー、なんて名前で?」

査問官A「それはこれからのお楽しみだ! むっ! どうやら来たようだぞ!」

査問官B「覚悟しておけよ! もはや俺たちに精神的動揺によるミスは無いと思っていただこう!!」

プシュー、ガコン

???「皆々様がたお揃いで……お呼びいただき恐悦の限りでございます」

査問官A「フン!! では貴様の名前を名乗ってもらおうか!!」

???「ええ、では名乗らせていただきます―――」











殺生院キアラ「私の名前は殺生院―――殺生院キアラと申します。どうぞよろしくお願いいたしますね?」




<アァッー!!!!!
<Bィィィィィィィィィィィィィ!!



―――その夜、査問官たちは無残な姿で見つかったという……


【オワリ】

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