モバP「家に帰ると、まゆが布団に……」 (24)


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ちひろ「まゆちゃんが……」

P「そうなんですよ……おかげで寝不足続きで……別の場所で仮眠を取っても夢にまで……」

ちひろ「そのお話、少し詳しく聞かせて頂いても大丈夫ですか?」

P「はい、俺もちひろさんに相談したかったんで」

ちひろ「それで、どうやってまゆちゃんがプロデューサーさんの家に入ったかは分かっているんですか?」

P「いえ……ドアにも窓にも鍵が掛かっていましたし……」

ちひろ「どうやって……」

P「怖いんです、俺……だって、帰ったらまゆが布団に……もしかしたら、また今日も…」

ちひろ「その時のお話、聞かせて下さい。私も対策を考えますから」

P「はい……」



~回想~

P「あぁ~^、今日も馬車馬の如く働いて幸せだぁ~……お父さんビール二本開けちゃうぞー!」

P「シンデレラに魔法をかける魔法使いにも、お城に運ぶ馬にもなれるなんて最高のお仕事だぁ!」

P「ただいまマイ・スイート・アパート!」

ガチャ

P(……ん?家の様子がおかしい……俺はそれを、肌で感じ取った)

P(七月に入って夜でも暑いひが続いてるって言うのに、部屋の中からは冷たい空気が流れ出している)

P(……なにかが、おかしい)




ちひろ「プロデューサーさん……そんなに疲労が溜まっていたんですね……」

P「まぁそれは家の異常とは関係ないので大丈夫です」

ちひろ「ありますって!絶対冷房付けっぱなしで出勤しちゃってるじゃないですか!」

P「怖くて確かめられませんでした」

ちひろ「冷房代が、ですよね?」

P「……続けますよ」



P「……誰か、いるのかー……?」

P(返事はない……当然か)

P(本当に誰も居ないなら返事が無くて当たり前だし、空き巣が居るんだとしたらそれこそ律儀に返事する筈もない)

P(廊下、リビング、キッチン、風呂場と覗いたが誰も居ない)

P(もし誰かが潜んでいるなら、残るは寝室だ……)

P(怖いが……確かめない訳にもいかない)

P(大丈夫だ、俺の勘違いかもしれないし、いざとなったらこっちにはちひろさんがついてる)

P「……ふぅ……はぁ……」

P(……3……2……1……)

バタンッ!



P「……」

P「……ま……まゆ……」

P(寝室のベットの、布団)

P「……どうして……どうやって……」

P(どうしてだかは、分からないけど……)

P「なんで……」

P(何故かも、分からないけど……)

P「……俺の、布団になってるんだ……?」

P(その布団がまゆだと、俺は確信した)



ちひろ「……エナドリ、飲みませんか?今なら無料でサービスしますから……」

P「何故だかは分かりません。でも、まゆは俺の布団になってたんです」

ちひろ「プロデューサーさん、人間は布団にはなりません」

P「でも!俺は見たんです!」

ちひろ「自分の布団をですよね?」

P「あの布団は……まゆだった……」

ちひろ「別の布団だったんですか?」

P「いつも使ってる布団でしたけど……でも、まぎれもなくまゆでした」



P「なぁ、どうやって入ったんだ……?」

布団「」

P「なぁ、まゆ……答えてくれよ!」

布団「」

P「……まゆ、俺の質問に答えてくれ……無視なんて、酷いじゃないか……」

布団「」

P「……どうやって、布団になったんだ?」

布団「」

P(考えろ、俺……何故布団なんだ。まゆのプロデューサーである俺なら、きっと分かるはずだ……)

P「……まさか、俺が最近疲れてそうに見えたから、俺を休ませようと……」




P(布団、それは使う人に温もりと優しさと安らぎを与える物)

P(優しいまゆなら、最近仕事が忙しくて疲れてる俺の為に布団になっててもおかしくない)

P(だとしたら……俺のせい、なのか……?)

P「まゆ……俺の為、なのか……?」

布団「」

P「でも……アイドルがプロデューサーの家の布団に、なんて……」

布団「」

P「……車で送っていくから、帰るぞ」

布団「」

P「……明らかに疲労が溜まってる人の運転する車になんて、乗りたくない、か……」



P「なぁまゆ……泊まっていくつもりか?」

布団「」

P「……まぁ、こんな時間に追い出すのも……いや、しかし……」

P(……まずい、だんだん眠くなってきた。だめだ、まだ寝たら……)

P「まさかまゆ、それを狙って……」

布団「」

P「だ、ダメに決まってるだろ!アイドルとプロデューサーが一緒に寝るだなんて!」

布団「」

P「……だんまりか……なぁ、まゆ」

布団「」

P「俺はな、お前と一緒に……トップを目指して……」

P(ダメだ、眠気が……)



布団「」

P「……俺は、俺たちの夢を叶えるために……」

布団「」フサァ

P(……いい匂いだ……昨日柔軟剤使ったからか……)

P(いや、この香りは……まゆだ。まゆの香りだ!俺が間違えるはずが無い)

布団「」

P「……まゆ……俺は、一度だけ間違いを犯す」

P「……明日、ちゃんと謝るから……」



P「翌日起きると、布団は布団に戻ってました」

ちひろ「すみません、ちょっと何言ってるのか分からないです」

P「でもまた仕事で疲れて正確な判断が出来ない状態で帰ると、まゆが布団に……」

ちひろ「ならないです。というかもう原因はっきりしてますよね」

P「……怖いんです……もし俺がこのまま間違いを犯し続けてしまったら……」

ちひろ「間違いは起きてないですよ。いえ間違いだらけではありますが」

P「……そう言えば、最近布団じゃないまゆと会ってないな……」

ちひろ「布団じゃないまゆと言う言葉、絶対外では言わないで下さいね?」

P「あ、そうか。数日前からロケで地方行ってるんでしたね」

ちひろ「今日帰ってくる予定になってますね」

P「……会いたいな……まゆに……」

ちひろ「歪んだ会いたいの気持ちが、プロデューサーさんの思考をおかしくしてるんです」

P「まゆ……まゆ……布団……」

ちひろ「まゆちゃんは布団じゃありません。もうプロデューサーさんは仮眠室行って少し休んで下さい」

P「はい……」




ちひろ「……はぁ……」

まゆ「ただいま戻りました……Pさぁん……」

ちひろ「あ、お帰りなさい、まゆちゃん。随分と疲れてるみたいですね」

まゆ「ずっとPさんと会えてませんでしたから……でも、ふふっ」

ちひろ「どうかしたんですか?」

まゆ「疲れてホテルに帰ると、Pさんが布団に……ふふっ」

ちひろ「え、プロデューサーさんが夜這いを?!」

まゆ「布団になってまゆを迎えてくれたんです」

ちひろ「どうかしてます。さっさと二人とも寝て下さい」

フェス限杏お迎え出来ました
良いお年を
お付き合い、ありがとうございました

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