モバP「秋探しツアー?」 (22)




※前作

美城常務「君に仕事を頼みたい」
美城常務「君に仕事を頼みたい」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507043389/)


読まなくても特に問題はありません。


※前作同様黒服というオリジナルキャラクターが出てきます。





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1513261238




《紅葉舞う山の中》



ちひろ「はい!」

モバP(以下P)「いや、はいと言われましても…今12月中旬ですよ?どうやってこんな紅葉が舞ってる山を用意できたんですか」

ちひろ「詳しいことはこちらの手紙に」ガサッ

P「え、無視?」





『君に仕事を頼みたい』

『近年、どうにもタオルケットから即座に布団へ移行する季節が早くなってしまった』

『秋服や秋物という概念が無くなってしまうのは私としても寂しい気分になってしまう。つまりやるせなさを感じるのだ』

『なので秋っぽい何かを見つけて報告してほしい。手段は選ばなくてもいい…全て任せる』


『美城常務』




ちひろ「ね?」

P「(美城常務は暇なのか?)」





P「…ちなみに俺一人でこれを?アイドルの子達が来たりとか……」

ちひろ「来ないわけないでしょう。それとも私と山中デートします?今なら一時間五千円という出血サービス中ですよ!」

P「ちひろさんの貴重な時間をそんな安値で買えるなら喜んで」

ちひろ「……え?いやいや高過ぎるでしょ!Pさんどんな金銭感覚してるんですか!!」

P「(何故俺が怒られているんだ)」


ガサガサッ!

ちひろ「あ、到着したみたいですね!美城常務が手紙を複数人に出してましたので三人~六人は来ると思います!」

P「(秋っぽい子か…パッション系アイドルかな。六人もいれば華やかに……)」






晶葉「秋のロボトル会場はここか?」

千秋「秋の読書会と聞いたのだけれど」

亜季「サバゲーに適した場所でありますな!」

P「パッションが見当たらん」





ちひろ「はい、では三人と進行役のPさんでよろしくお願いしますね」

P「え、あの三人~六人…」

ちひろ「三人来てますよね?」

P「秋っぽい子…」

ちひろ「名前に『あき』が付いてますよね?」

P「え、あ……はい」

晶葉「…何かあったのか?」


《P、説明中》


晶葉「ロボトルツアーではないのか…」

P「もうすぐ過去作全てまとめたクラシックスが出るから我慢しなさい」

千秋「読書会でもないのね…」

P「図書館行け図書館」

亜季「メンツを見てサバゲーは怪しいと思っていましたが、まさか熊狩ってグルメツアーとは」

P「秋探しツアーね」



晶葉「…まあ、身体を動かすにはちょうどいいか」

千秋「そうね…アイドルたるもの臨機応変に動かないと」

亜季「運動なら任せるであります!」

P「みんなが前向きで助かるよ。ちひろさん、今度からはもっと先に…」



ヒュゥゥゥ……


P「…ちひろさんがいつの間にか消えてることは置いといて」

晶葉「置くのか」

P「秋と言ったら具体的に何だ?」

晶葉「そこからなのか…」


千秋「そうね…さっきも言ったけど“読書の秋”かしら」

亜希「“スポーツの秋”でありますな」

P「晶葉は?」

晶葉「むぅ……“食欲の秋”か」



P「…よし、じゃあ山中を走りながら朗読をしつつサンマを食べるか」

晶葉「ちょっと待て」



千秋「…Pさん、全部一気にやればいいわけじゃないわ」

亜希「最早拷問であります」

P「だろうな」

晶葉「知ってて言ったのか」

P「…だがここは山の中。読書は不向きだしスポーツをするにも適さない」

千秋「…まあ、確かに」

亜希「クッ…サバゲー装備を四式揃えていれば…!!」

晶葉「どうやって持ってくるんだそれは」

P「となると、食欲の秋しか無くなる」

千秋「そうね…山の中というロケーションなら食事する姿も絵になるし」

P「決まりだな。キノコや山菜ほじくって食べる様を常務に報告しよう」

千秋「言い方」



亜季「山菜を採るためのサバイバル…これはこれで燃えるであります!」

晶葉「しかし助手よ、素人四人が探した所で食べれる物が見つかるのか?」

P「…一理あるな」

千秋「命題の全てだと思うのだけど」


P「…奥の手を使うか」スッ

晶葉「奥の手?」


パチン!


黒スーツの女性(以下黒服)「ここに」ザッ!

P「アイドルが食べても問題ないキノコや山菜等を…肉もあればありがたい」

黒服「御意」ヒュン!


晶葉「………」

亜季「………」

千秋「………」

P「よし、暫くはガールズトークでもしてお茶を濁してくれ」

晶葉「助手、まさか流せるとでも?」

亜季「(まるで気配を感じなかった…)」ゴクリ



千秋「…Pさん、今のは?」

P「専属の片腕。困ったら呼ぶとなんとかなる」

亜季「どういう人物なのでありますか?」

P「いろんな修羅場を潜ってるとは聞いてるな」

晶葉「修羅場?」


P「数多のブラック企業を渡り歩き、近所の不倫騒ぎに巻き込まれ、甲賀と伊賀の争いを事前に治め、魔法少女へと勧誘する宇宙人を片っ端から始末し、理不尽なデスゲームを主催しそうな人間やプログラムを次々とデリートし続けてるらしい」

晶葉「後半色々おかしいな」



P「まあ、なんでもできる人だと思ってくれればいい」

千秋「なんでそんな人がPさんに付き従ってるのよ」

P「段ボールに拾ってくださいって書いてあったから…」

晶葉「イヴ以外にも段ボールに入ってるやつがいたのか」

亜季「段ボールは基本であります」

P「亜季違う、今はそっちの話じゃない」

黒服「段ボールは暖を取るのに最適ですよ」

晶葉「自然に紛れてくるのか」


P「あ、お帰り」

黒服「この奥にログハウスがありましたので、そちらに全て用意しました」

P「ありがとう」

黒服「いえ、では私はこれで」ヒュン!


晶葉「…助手、今度彼女を借りることはできないか?」

P「分かった、聞いとく」

亜季「私も御教授願いたいであります!」

千秋「(ボディーガードとして欲しい逸材ね…)」




P「…ログハウスと言うよりロッジだな」

亜季「ログハウス…ロッジ…どう違うのでありますか?」

千秋「さあ…」

晶葉「助手、この場所を勝手に借りていいのか?」

P「許可ぐらい取ってるだろ」ガチャッ



亜季「おおっ!調理台の上に様々な山菜とキノコ…肉までも!!」

P「えーと、見取り図見取り図……俺と千秋は隣室の食器棚を確認。晶葉は山菜で亜季は肉を頼む」チンチンゴソゴソ

千秋「分かったわ」

亜季「了解であります!」

晶葉「その見取り図どこから取り出した」




晶葉「……さて、結局確認を請け負ったものの…山菜やキノコと色々あるが全部食べれるのか?」

輝子「み、見たところ…食べれるやつだから大丈夫…だ」

晶葉「そうか、それなら安心だな」



晶葉「……うん?」クルッ


輝子「………フヒッ」


晶葉「…………」





亜季「おおっ!牛肉や鶏肉まで…これは腕がなるであります!」

愛海「やるなら唐揚げだね」

亜季「唐揚げでありますか…ではまず肉を」

愛海「唐揚げを美味しく作るならモミッモミー…」

亜季「確かに、肉をしっかり解して…」



亜季「……?」クルッ



愛海「………フヒッ」


亜季「…………」






亜季「………という感じで、キッチンは今よく分からないことに」

P「…分かった、後でそっち行くから亜季は愛海の見張りを頼む」

亜季「了解であります」


千秋「…Pさん、輝子は理解できるけど愛海は何故ここに?」

P「俺が聞きたいよ」

のあ「いいじゃない、食卓は賑やかなほど美味しくなるって言うわよ」

P「いやまあ、そりゃそうだけど」

のあ「千秋はもっと臨機応変に動きなさい、食器は全員分揃えたの?」

千秋「あ、ごめんなさいすぐに…」



P「………ん?」クルッ

千秋「え?」クルッ

のあ「…?」クルッ

P「お前だ、お前」




P「で、何でここに?」

のあ「人の存在に疑問を持つことはナンセンスよ、P」

P「大丈夫、そこまで広域的解釈じゃなくていいから」

千秋「(全然違和感を感じなかった…)」



『WARNING!WARNING!』

P「え、急になんの警告音?」


晶葉「大変だ助手!愛海がキノコを揉みしだいたら鶏肉と融合してグランの蒼いファンタジーに出てきそうな危ういイレギュラーに!!」

P「日本語で言ってくれ」

晶葉「半分以上日本語だ!!今は亜季がロケランを準備してるがそう長くは持たないぞ!!」

P「ロケランどこで拾った」

千秋「ちょっと待ってまさか室内で撃つつもりじゃないでしょうね?」

のあ「善は走れよ、すぐに向かいましょう」

P「災い転じて悪となすだろ」

千秋「二人とも少し黙ってなさい」






亜季「……プロデューサー殿!」

P「亜季!愛海はどこだ!」

亜季「あちらに…!」

千秋「あれは…!」





愛海オメガ《我ハメシアナリ…フハハハハ!!》





P「出るゲーム間違えてるぞ」

千秋「キノコと鶏肉をどうすればあんな姿に…」

亜季「ロケラン準備完了であります!」チャキッ

P「おう、ぶっぱなせ」

晶葉「待て!室内でそれは…!!」


バシュンッ!!

P「あ」


千秋「ちょっ」


晶葉「まっ」


輝子「フヒ?」





ドカァァァァァァァァァン!!!






ガラガラガラッ……




P「……みんな、無事か?」

千秋「…よく生きてたわね、私達」

晶葉「…奇跡だな」

亜季「一体何が…」




のあ「みんな無事なようね」ザッ!

輝子「……」ピクピク

愛海「……」ピクピク


P「(のあが2人を抱えて瓦礫の上を立ってらぁ…)」

千秋「(何をしたのか気になるけど答えてくれない気がする)」

亜季「(どれだけの鍛練を積めばあのように…!)」

晶葉「(どう見ても抱えてる輝子達が無事じゃない!)」



のあ「二人を連れて来た侘びとして家まで送ってくるわ」ヒュン!

亜季「!?」

千秋「今二人を連れて来たって…」

P「相変わらず謎が多いな」

千秋「まさかその一言でこの現状を済ませる気?」

晶葉「ログハウスが食材諸とも粉々なのだが」

P「こりゃ無理だな。諦めよう」

晶葉「決断が早い上に無責任すぎないか?」



千秋「…大丈夫よ晶葉」

晶葉「千秋?」

千秋「今回秋探しツアーの仕事を任されたのはPさん…つまり、失敗した場合の責任はPさんが取るということ」

P「え?」

晶葉「…なるほど、諦めようと言ったのも助手だしな。当たり前と言えば当たり前か」

P「い?」

亜季「手柄も失態も全て請け負うのが上官の責務でありますな」

P「ほ?」

のあ「貴方が撒いた種よ、ちゃんと自分で枯らしなさい」

P「ヒョ?」




P「……待てのあ、撒いたのはお前だ」

のあ「………」






この後、のあとPが選別した山菜をみんなで食べたけど全然足りなかったので、報告がてら常務に焼肉を奢ってもらった。






【おまけ】



美城常務「………………」



黒服「…」シュタッ!


美城常務「…何の用だ」

黒服「これを」スッ

美城常務「……………」




『全ての仕事部屋にコタツ設置義務を設ければ事務所の中で温まりながら仕事ができると思います』





美城常務「…………」ビリビリビリ

美城常務「今度の給与査定を楽しみにしておくように伝えてくれるか?」

黒服「御意」シュン!




黒服「失礼」シュタッ!

P「ん、どうした?」

黒服「美城常務から、今度の給与査定を楽しみにしておくように…と」

P「了解……ところでさっき持ってた手紙は?」

黒服「私から美城常務への提案でしたが…御気にめさなかったようです」

P「ドンマイ」





後日…給与が前より下がっていた事に驚いたPだったが、心当たりがありすぎて何も言えなかったのであった。





おわり





愛海にボイスが付きましたのでカバー曲は『チチをもげ』をすこぶる推したいです。

ところでのあさんボイスはまだでしょうか?



お付き合い、ありがとうございました!



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