艦娘たちの愉快不快短編集 (51)
※キャラ崩壊あり。
※ギャグあり、ホラーあり、感動あり。
※タイトル通り愉快になったり不快になったりします。
※基本一話完結で他の話とは何らつながりはありません。
※作者のネタが尽きたら完結します。
以上の点を踏まえた上で閲覧お願い致します。
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~おなら~
提督「おい、誰か今おならしなかったか?」
榛名「榛名は知りませんよ」
金剛「そう言っていきなり否定するところが怪しいネ」
霧島「という金剛姉さまも榛名のせいにして自分ではないと暗意に言っているのが怪しいですね」
比叡「比叡ではありませんからね!」
加賀「誰もあなたのせいになんかしてないでしょう」
赤城「そうですよ。たかがおならくらいで何ですか全く」ブブブブ
提督「……」
榛名「……」
金剛「……」
霧島「……」
加賀「赤城さん……」
赤城「何ですかあなたたち。人をそんな憐れんだ目で見て。失礼ですよ」ブブブブ
提督「赤城、そのな……お前おならしてないか?」
赤城「おなら?まさか私がおならをすると思っているのですか?提督、よくよく考えみてください。私たち艦娘ですよ?」ブブブブ
提督「そうか。そうだよな。艦娘がおならをするわけないもんな。じゃあさっきから鳴っているこの馬力のある下劣な音は何だろうな」
赤城「え?そんな音鳴ってますか?全く分かりませんが。加賀さんは聞こえますか?」ブブブブ
加賀「ええ、だってあなたの側にいるのだもの。聞こえないわけないわ…」
赤城「ん?あっもしかしてこれのことですか?」スポッ
ウィーンウィーン
提督「」
金剛「」
榛名「」
霧島「」
加賀「」
比叡「え?何?何で皆固まってるの?なになに?」
赤城「いやぁすみません。次からは提督室に入る前にちゃんとスイッチを切っておきますね。ごめんなさーい」
翌日、何者かによって赤城のバ○ブが解体されてたのはまた別の話。
~しりとり~
北上「いくよぉ大井っち。じゃあね、キツツキ」
大井「北上さん」
北上「ありゃ終わっちゃったね。じゃあもう一回いくよぉ。そうじき」
大井「北上さん」
北上「ありゃりゃまた終わっちゃったね。仕方ないもう一回いくよぉ。おかき」
大井「北上さん」
北上「ありゃー、大井っちはしりとり弱いねぇ。じゃあこれがラストだよ。めっき」
大井「北上さん」
北上「いえーい」
大井「いえーい」
木曾「おい」
北上「あれ?どうしたの木曾」
大井「いえーい」
木曾「俺まで一回も出番が回ってこなかったんだが」
北上「しょうがないよ。大井っち、しりとり弱いみたいだから」
大井「アイラブユー北上!キングオブ北上!オールハイル北上!アイルキル木曾!」
木曾「弱いとかそういう問題じゃねーだろ!だって返しが全部北上さんだもの。それしか言わねーんだもの」
大井「木曾もいえーい」
木曾「ねえ殴っていいか北上姉ちゃん。一発粋のいいの入れていい?このシスコン野郎に」
北上「まあまあ、もう一回しりとりすればいいだけの話だよ」
木曾「それだとどうせ俺の番まで回ってこねーだろ」
北上「なら順番を変えればいい。私の次に木曾、木曾の次に大井っちでいいっしょ?」
木曾「ああ、それなら」
北上「じゃあいくよ。でんどう歯ブラシ」
木曾「シリコンバレー」
大井「レーシック手術を受けて視力100%の北上さん」
北上「ありゃ終わっちゃったね。大井っちはやっぱりしりとり弱いねぇ」
大井「えへへ」
木曾「ちょっと待ってくれや馬鹿姉貴共」
北上「また不満かい木曾」
大井「クレーマー木曾」
木曾「もうさ、北上さんって言うの禁止にしないか?しりとりできなくなるし」
北上「私はいいけど。大井っちは?」
大井「まあしょうがないですね。弱者の意見を取り入れるのも強者の務めですから」キリッ
木曾「大井姉ちゃん、一回サンドバッグになってくれないか?大丈夫。痛くしないから」
北上「まあまあ、ここは平穏にいこうよ。じゃあ今から北上さんは禁止ね」
大井「はーい」
北上「うん、いい返事だ。じゃあ私からいくよ。トンガ」
木曾「がんも」
大井「猛獣」
北上「うもうぶとん」
木曾「えーと……って終わったんだが」
北上「実は私、しりとり二回以上続けてできたことないんだよね」
大井「だから私が北上さんに恥をかかせないように敢えて最後に「ん」をつけたのよ」
木曾「なるほど、それは仕方な…じゃねえよ!ふざけんなもうやってられるか!時間の無駄だぜまったく」
北上「あ、待って木曾」
木曾「何だよ」
北上「これを見て」
きつつき
そうじき
おかき
めっき
でんどうはぶらし
とんが
うもうぶとん
木曾「何だこれ。北上姉ちゃんが言ってた言葉か?」
北上「縦読みしてみて」
木曾「きそおめでとうってこれ…」
北上「今日は木曾の誕生日でしょ。だからそのためのサプライズがしたいって北上さんがね」
北上「はは、こんなことしかできないけど木曾誕生日おめでとう!」パァーン
大井「おめでとう!」パァーン
木曾「ね、姉ちゃん…」ポロポロ
北上「うわわ」
大井「まさか泣くほど喜んでくれるなんて。あらかじめ準備した甲斐がありましたね北上さん」
北上「うん。そうだね大井っち。木曾、皆が食堂で待ってるよ。行こう」
木曾「うん!」ポロポロ
木曾(北上姉ちゃん、大井姉ちゃん。俺の誕生日……今日じゃねえよぉ…)ポロポロ
~入渠~
赤城「はぁ、今日も疲れましたね加賀さん」
加賀「ええそうね」
赤城「お蔭で入渠時間十二時間ですよもぉ。加賀さんはいくつですか?」
加賀「あなたの入渠時間をまず三で割って、二引いた後にちょっと七掛ければ私の入渠時間になるわ。まあそんなものよ」
赤城「へえそうですか。思ったのですけど加賀さん、私より入渠時間多いんじゃ…」
加賀「何を言ってるの赤城さん。あなたより入渠時間が多いわけないでしょう。冗談はあなたの食欲だけにしてください」
赤城「ははそうですね…自重しときます。それよりも加賀さん聞きましたか?今日新しく空母寮に三人ほど新入りが入ってきたって」
加賀「ええ、聞きましたよ。なんでも一人はかなり身長は小さいけれどかなりの手練れ。一人は生意気だけど幸運の空母と名の付く歴戦の空母。最後は特に活躍を見せる機会はなかったけれどかなり大型の空母だそうです」
赤城「ええ。今、我が鎮守府は空母の数が他の鎮守府より足りていなかったのでこれは助かるというものです」
加賀「そうね。いったいどんな三人なのか楽しみね」
赤城「そう言えば今日三人とも初任務とか言ってましたね。もしかしたらもうそろそろ帰還してくるんじゃないですか?」
加賀「となると入渠ドッグに来る可能性は高いわね」
赤城「確かにそうですね!どうしましょう私、お化粧とか何もしてませんよ」
加賀「いや別にいらないでしょう。それにあなた化粧しなくても十分綺麗だもの…」ボソッ
赤城「え?何か言いましたか?」
加賀「な、何でもないわ」
赤城「それより本当にいったいどんな方たちなのだろう。楽しみですね」
加賀「ええ、そうね」
ガラッ
赤城「あっ噂をすれば」
加賀「……」ゴクリ
龍驤「はぁ疲れたわぁ」ペターン
瑞鶴「全く初任務からきつすぎるのよ」ペターン
大鳳「提督ももう少し人使いを考えるべきね」ペターン
赤城・加賀「「あれ?ここ男が入ってもいいんだっけ?」」
すみません酉消えてたので再びアップします。
>>11
北上「今日は木曾の誕生日でしょ。だからそのためのサプライズがしたいって北上さんがね」
北上「はは、こんなことしかできないけど木曾誕生日おめでとう!」パァーン
大井「おめでとう!」パァーン
木曾「ね、姉ちゃん…」ポロポロ
北上「うわわ」
大井「まさか泣くほど喜んでくれるなんて。あらかじめ準備した甲斐がありましたね北上さん」
北上「うん。そうだね大井っち。木曾、皆が食堂で待ってるよ。行こう」
木曾「うん!」ポロポロ
木曾(北上姉ちゃん、大井姉ちゃん。俺の誕生日……今日じゃねえよぉ…)ポロポロ
と言ってる側から消えているのでもう一度。何度もすみません…
>>11
北上「今日は木曾の誕生日でしょ。だからそのためのサプライズがしたいって北上さんがね」
北上「はは、こんなことしかできないけど木曾誕生日おめでとう!」パァーン
大井「おめでとう!」パァーン
木曾「ね、姉ちゃん…」ポロポロ
北上「うわわ」
大井「まさか泣くほど喜んでくれるなんて。あらかじめ準備した甲斐がありましたね北上さん」
北上「うん。そうだね大井っち。木曾、皆が食堂で待ってるよ。行こう」
木曾「うん!」ポロポロ
木曾(北上姉ちゃん、大井姉ちゃん。俺の誕生日……今日じゃねえよぉ…)ポロポロ
>>12
~入渠~
赤城「はぁ、今日も疲れましたね加賀さん」
加賀「ええそうね」
赤城「お蔭で入渠時間十二時間ですよもぉ。加賀さんはいくつですか?」
加賀「あなたの入渠時間をまず三で割って、二引いた後にちょっと七掛ければ私の入渠時間になるわ。まあそんなものよ」
赤城「へえそうですか。思ったのですけど加賀さん、私より入渠時間多いんじゃ…」
加賀「何を言ってるの赤城さん。あなたより入渠時間が多いわけないでしょう。冗談はあなたの食欲だけにしてください」
赤城「ははそうですね…自重しときます。それよりも加賀さん聞きましたか?今日新しく空母寮に三人ほど新入りが入ってきたって
怒涛の勢いで投下しましたが、今日はここまでです。
今日のはあくまでウォーミングアップという感じです。
大分期間が空いてしまいごめんなさい。
とりあえず生きてます。
完結させずに迷宮入りだけは嫌なので少し投下します。
~勘違い~
山城「今日からこの鎮守府に着任しました。戦艦山城です。……よろしくお願いします」
パチパチパチ
提督「はい、よろしくな山城。で、いきなりで悪いが俺の隣にいるこのちっこいのが今日から山城と相部屋になる…」
??「ちっこいはひどいなぁ。確かに僕はちっこいけどいつか提督を驚かすグラマラスボディになってみせるさ」
提督「そうか。せいぜい期待しないでおくよ」
時雨「ひどいなぁ提督は…」
山城(はぁ、目の前でいちゃいちゃ……不幸だわ)
??「山城だよね?僕の名前は時雨。よろしくね」
山城(僕?僕ってことはもしかして男の子かしら?)
山城「……よろしく」
提督「よしじゃあ時雨、山城を部屋まで案内してやってくれ」
時雨「分かったよ提督」
数分後
時雨「そう、山城は扶桑が大好きなんだね」
山城「ええ、扶桑ねえさまが居ない生活なんて考えられないわ」
時雨「そうか。僕も好きな人がいるんだ」
山城「え?誰よ?」
時雨「提督だよ」
山城「……え?」
時雨「提督が大好きなんだよ」
山城(え、嘘この子。男よね?男が男に恋をしているって言うの……)
時雨「早くケッコンしたいとも思ってるよ」
山城(ケッコン!?んなこと男同士だなんて……そんななんて破廉恥なの!?汚らわしい…汚らわしいわ!)
山城「そ、そんなのダメよ!ケッコンなんて今すぐにでも考えを改めるべきよ!」
時雨「ん?どうしてだい?」
山城「だ、だってそんなの……」
時雨「僕はね、一回だけ風呂上りの提督の裸を見たことがあってね。あれは何というか破廉恥と言うか。でもいい体つきだったんだ……」
山城「男の体によくそこまで欲情できるわね……」
時雨「何を言っているんだ。男だからこそ欲情できるんじゃないか」
山城「そ、そうなの?へ、へえそう……」
山城(ホモの世界ではこれが当たり前なのかしら?)
時雨「でも提督はとても恥ずかしがってたよ。俺の体を見ないでくれーってね」
山城「いや何で恥ずかしがるのよ。恥ずかしいことなんて何もないでしょ?」
時雨「何を言ってるんだい?僕に見られたらそれは世の男性は恥ずかしいだろうさ」
山城「そ、そうなの?」
山城(考えてみれば世の男性は草食系男子が多いと聞くし、いくら男同士であっても裸を見せ合うのは恥ずかしいってことかしら?私はねえさまに裸を見せるのは全然恥ずかしくないのだけれど。むしろみてほしいわ)ボッー
時雨「山城?おーい山城?」
山城「ハッ!な、何かしら?」ビクッ
時雨「僕の話聞いているかい?」
山城「き、聞いているわよそれで?」
時雨「それでお前はこんなところにいないでとっとと女風呂にでも入ってろって言われてね。その後は大人しく女風呂に入ったさ」
山城「なななな何を言ってるのよ!この変態!女風呂ってあなた、あなた馬鹿じゃないの!?」
時雨「どうしたのさ山城。そんな慌てちゃって」
山城「あなたは男風呂でいいのよ!大人しく男風呂に入っていればいいの!」
時雨「え?そうなのかい?でも、僕は今までずっと女風呂に入っていたけど……」
山城「嘘でしょ!?あなた今までずっと女風呂に入っていたって言うの?周りは?周りは何も言わなかったの?」
時雨「言うわけないよ。だってぼくはおん……」
山城「そんなわけないでしょ!どうなってるのよあなたの周りの艦娘は!皆痴女なの!?異性に体見られて興奮する変態なの!?」
時雨「ごめん、山城が何を言ってるのかよく分からない……」
山城「私の方こそよく分からないわよ全く……いい?これからあなたは男風呂に入るのよ?分かったわね?」
時雨「何だかよく分からないけどそうすることにするよ……」
山城「いい?絶対よ?絶対なんだから!」
時雨「うっ……ごめん少しトイレに行って来てもいいかい?」
山城「分かったわ。でも私もトイレに行きたいから私も行くわ」
時雨「うん。ごめんね」
時雨「じゃあ一緒に入ろっか」
山城「いや何を言ってるのよ。あなたは男子トイレでしょ?」
時雨「いやいや僕は女子トイレだよ」
山城「やっぱあなた変態でしょ!?何がしたいのよ!あなたは男子トイレにきまっているじゃない!女子トイレに入っていいのは女子とニューハーフとショタだけよ!」
時雨「なら僕も入れるよ」
山城「阿呆!馬鹿!アンポンタンのオタンコナス!入れないわよ!いいからあなたは男子トイレでしなさい!」
時雨「無理だよ。うう~もう漏れちゃうよ」
山城「いいから早く男子トイレ行きなさい!」
時雨「なら山城もついてきてよ」
山城「え?私?何で私があなたと一緒に行くのよ!」
時雨「は、恥ずかしい……」
山城「馬鹿なの!何で恥ずかしいのよ!」男に見られて恥ずかしいものなんかないでしょあなた!いやよ!」
時雨「うう~漏れちゃうよ」
山城「ああもう!仕方ないわね!入ったら個室に駆け込むわよいいわね!そこでまずあなたがしなさい。その後に私もするから。その時はあなた外で待ってなさいよ!見たら許さないんだから!」
時雨「うん分かった」
山城「じゃ、じゃあ入るわよ。せーの」
ダダダダダダ
提督「おお!びっくりした!お前ら何でここに居るんだ?」
時雨「……」
山城「……」
時雨「……」ジョバァジョバァ
山城「……」ジョバァジョバァ
提督「うわぁお前ら何しっこ漏らしてんだ!」
その後、提督より時雨が男でないことを知った山城は時雨に謝ったとさ。でめたしでめたし
今日はここまで。
ネタ自体はたくさんあるのですが何せリアルが忙しいのでコンスタントは無理かもです。
なので次一つか二つ話を投下していったん終わりたいと思います。
~お買い上げ~
ある日、私は鎮守府から解体通知を出された。それは鎮守府を運営していく上での費用や資源の削減のためとのことで、提督の断腸の思いにより出された通知だったらしい。
私は自らの戦績に誇りを持っていたために、勿論それには猛反対した。だが、決定を変えることはもうできず、私は強制的に解体をせざる得なかったのである。
??「そんなのおかしいよ!絶対におかしい!私は嫌だ!加賀さんがこの鎮守府を離れるなんて!」
提督「……」
加賀「……」
??「何でよ!何か言ってよ加賀さん!私と一緒に反対してよ!何で黙ったままなの!」
加賀「もういいわ。提督、私が解体されればこの鎮守府は今まで通り運営が可能なのよね?」
提督「ああ……」
加賀「分かったわ。私は大人しく提督の命令に従います」
??「なっ!加賀さんのバカ!私は絶対に取り戻すんだからね!絶対に加賀さんを迎えにいくから!」
そういえばあのとき私のために一人、提督に抗議してくれた艦娘がいた。名は瑞鶴と言ったかな。
当時、私は瑞鶴の前では平生を装ったけど、本当は胸の中は無念と後悔でいっぱいいっぱいだった。一人の時は年がらもなくおもいっきり泣いてしまった。
その後、艦娘じゃなくなった私の今後の生活を案じて、提督が仕事を斡旋してくれた。それは近くのコンビニエンスストアであった。何だか乗る気がしない私であったが、折角提督が紹介してくれたこともあって私は文句を言うことなく、その仕事に就いた。
私はそこでレジ打ちの仕事をすることになった。だが、私は艦娘として育ったために世間の常識に疎く、なかなかうまい具合に仕事をこなすことができなかった。
また、鎮守府に帰りたいとの思いが込み上げてきて、もう帰れないと思うとやはり辛かった。辛くて苦しくてそんな思いを抱えながら二年が経った……
加賀「110円の商品が一点、145円の商品が一点で合計255円になります」
客「」ジャラジャラ
加賀「1000円お預かりいたします」
客「おい待てや」
加賀「はい?」
客「1000円やない、1005円やよく見ろ」
加賀「……」
客「下や下!1000円札の下にほら、5円あるやろ!よく触ってから会計しろや!このグズ!」
加賀「……申し訳ございません」
客「申し訳ございませんあらへんがな。いつになったら使えるんやお前は!ほんまにグズやな!」バッ
加賀「あの、お釣りは?」
客「あ?はよよこせ!」
加賀「750円のお返しになります」
客「」ギュ
加賀「」ゾクッ
加賀「どうもありがとうございました」
客「もう2度とこんな店来るか!このアバズレが!」
加賀「……」
そう言いながらもあの客は何度もこの店に来る。多分私の身体を見ることが目当てなのだろう。レジ打ちをするとき客の方から異様な視線を感じるからである。あの視線が恐い。それに去り際に手を握るのも恐い。あんな汗まみれの手なんかで握られたくない。
でもこれは仕事だから。そう、仕事だから割り切らなければならない。私は鎮守府を追い出された今はもう無能なただの一般市民。耐えなければ耐えなければ……
加賀(戻りたい……鎮守府に戻りたい……)ポロポロ
??「ちょっと店員さん。泣くのはいいけど早く会計してくれない?私、待ってるんだけど」
加賀「あっすみません……今会計いたします」ズズ
そう言って私が涙を拭って顔を上げるとそこにはなんと瑞鶴が居たのである。そう、私が鎮守府を去る最後の瞬間までずっと私のために抗議してくれた艦娘。その瑞鶴が。
加賀「な、何であなたがいるの」
瑞鶴「何よ、私がここにいちゃいけないっての?」
加賀「だってあなた確か鎮守府にいたはずじゃ……」
瑞鶴「休暇よ。休暇をもらって外出してるだけ。それより早く会計をすましてくれない?私も忙しいの」
加賀「そう。……そうね」
もしかしてと思った私が居た。彼女が来たことに高翌揚している自分がいた。希望の光が見えた私が居た。でもそんなことはないのだろう。彼女が私を連れ戻しに来るなんて……
さすがにあれから時も経っているのだ。彼女だって自分のしていたことが愚かなことであることに気付いたに違いない。
彼女はただこの店に来ただけ。そう、ただそれだけ。それに今や私はもう艦娘ではないのだ。なら、彼女との関係もまたただの艦娘と一般市民に他ならない。
変な期待を抱くな。淡い希望を捨てろ。何も考えるな。そう思いながら私は彼女の持ってきた商品をスキャンしていく。
加賀「にしても……随分と買うのね」
瑞鶴「まあね、外に出るのも久しぶりだったから。外でしかあまり口にすることのできないものたくさん買ってやろうと思ってね」
加賀「そう」
瑞鶴「ほら、いつものように会計してよ。○○が一点とか言うんでしょ?」
加賀「ええ。132円の商品が一点、135円の商品が一点、115円の商品が一点……」ポロポロ
瑞鶴「また泣いてる」
加賀「あっごめんなさい……」
瑞鶴「はぁ、何だまだ未練たらたらじゃん……」ボソッ
加賀「え?」
瑞鶴「何でもないわ。ほらティッシュ」
加賀「ごめんなさい……」ズズ
瑞鶴「……」
加賀「ごめんなさい中断してしまったわね。では続きを…110円の商品が一点、128円の商品が一点、105円の商品が二点……」
瑞鶴「……」
加賀「405円の商品が……一点……ゲホッゲホッ」
瑞鶴「……」
加賀「369円の商品が……一点……155円の商品が一点……合計……1354円になります……」ポロポロ
瑞鶴「……違う」
>>45
すみません、金額1354円じゃなくて1759円でした。脳内補完お願いします。
加賀「違わないわ。間違いなく1759円よ……」
瑞鶴「私はもう一点買ったんだけど」
加賀「もう一点?」
そう言った彼女は私からハンドスキャナーを取って、私の名札にいつの間にやら張られていた値札をスキャンした。
ピッ
加賀「……どういうこと?」
瑞鶴「いくら?」
加賀「え?」
瑞鶴「いくらよそれで」
加賀「え、えっと1939円になります……って何これは」
瑞鶴「……なんか泣いてばっかだし可哀想だからあんたも買ってやるのよ」
加賀「何を……言ってるの?」
瑞鶴「今からあんたは私の所有物。だから私があなたをどうしようと私の勝手。だから私と一緒に鎮守府に来なさい。もちろん拒否権はないわ」
そう言って瑞鶴は私に手を差し伸ばす。その手には1939円ちょうどのお金が握られていた。
瑞鶴「さあ早くそのお金を受け取って私と来て。加賀さん」
加賀「あ……あ……」
瑞鶴「さあ早く」
瑞鶴の差し出された手。その手は私がこの二年間ずっと求めていたもの。私の中の希望の光。私は追いすがるように、そして抱きつくようにその手をしっかりと握って、涙を流しながらも満面の笑みでこう言った。
加賀「私が180円ってどういうこと?」ニコッ
瑞鶴「え?」
その後、大破した瑞鶴と血まみれの加賀が鎮守府に戻ってきたのはまた別の話。
今日はここまで。
いきなり地の文出てきてごめんなさい。
少し時間が空いたので投下しました。次も不定期ですが近いうちにできれば…
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