【ミリマス】P「おーい、志保―」 (112)
御覧になったことのある方はお久しぶりです。
初見の方は初めまして。
アイドルマスターミリオンライブのssになります。
書き貯め無し、更新不定期。
ネタが思いついたら書き進めていきます。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510978102
志保「はい」
P「今時間いいか?」
志保「大丈夫です。お仕事の話ですか?」
P「そうだ。真面目な話だし、場所を変えようか」
志保「分かりました」
P「そうだな、気分転換がてら喫茶店にでも行こう」
志保「仕事を放り出してもいいんですか?」
P「今日はずっと事務仕事で机とにらめっこだったんだ。これくらいは見逃してくれ」
志保「冗談です。プロデューサーさんが頑張ってくれているのは、その、知ってますから」
P「嬉しいこと言ってくれるな」
志保「っ、あくまで、客観的に見てですからっ」
P「それでも嬉しいものは嬉しいさ。ありがとな」
志保「~もうっ、打ち合わせするんですよね!早く行きましょう!」
P「お、おい、待てって。あ、音無さん。少し出てきますね」
小鳥「はい、いってらっしゃい。プロデューサーさん」
喫茶店
志保「プロデューサーさん」
P「も、もうちょっと待ってくれ」
志保「いつまで迷ってるんですか」
P「いや、フレンチトーストかホットケーキかどっちにしようかと思ってな」
志保「店員さん呼んだら決まりますよ。すいませーん」
P「ちょっ」
店員「はい、お決まりでしょうか?」
志保「この紅茶をホットで。あと…フレンチトーストください」
P「! 志保」
志保「ほ、ほら。プロデューサーさんはホットケーキを頼めばいいんじゃないですか」
P「そうだな。すいません、コーヒーのブラックをホットで。あと、ホットケーキください」
店員「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
P「志保」
志保「な、なんですか」
P「ありがとな」
志保「べ、別に。私がフレンチトースト食べたいと思っただけですから」
P「それでもだよ」
志保「まぁ、プロデューサーさんと半分こする、なんて一言も言ってませんし」
P「半分こ」
志保「っ、二等分する、なんて一言も言ってませんから!」
P「もう一回『半分こ』って言ってくれないか」
志保「プロデューサーさん?」ギロリ
P「わかった、俺が悪かった」
志保「ったく、すぐ調子に乗るんだから…」
志保「プロデューサーさん」
P「ん。あ、そろそろホットケーキと交換するか?」
志保「あ、いただきます。…じゃなくて」
P「仕事の話だろ?」
志保「…分かってるんじゃないですか」
P「それが目的だったしな」
志保「それで、お仕事はどんな内容ですか?」
P「ドラマのオファーが来てる。それも志保をご指名だ」
志保「! ドラマ、ですか」
P「あぁ。以前、少しだけ出演したドラマあったろ。そこのディレクターさんが志保を覚えていてくださってな」
志保「光栄ですね」
P「本当にな。どうする?受けるか?」
志保「もちろんです。受けさせてください」
P「即答だな」
志保「はい。せっかくいただいたお仕事ですから」
P「志保の意思は分かった。じゃあここからが本題だ」
志保「? ここからが本題、ですか?」
P「あぁ、実はなーーーー」
北沢家
志保母「志保ー」
志保「あ、えっと。なにお母さん」
志保母「どうしたの、ぼーっとしちゃって。なにか悩み事?」
志保「…うん。悩み事、かな」
志保母「お仕事のこと?」
志保「そう、だね。仕事のことで、悩むことがあって」
志保母「そうなの。お母さん、アイドルのお仕事のことは分からないけど、話を聞くことぐらいはできるわよ?」
志保「…うん、ありがとうお母さん。…実はね、ドラマの出演のオファーを受けてるの」
志保母「まぁ、凄いわね志保。それはおめでとう」
志保「ありがとう。でも、そのオファーには、条件があってね」
志保母「条件?」
志保「うん、その条件っていうのがーーーー」
喫茶店(回想)
志保『一か月間、一人暮らしをすることが条件…ですか?』
P『あぁ。志保がオファーを受けているのが、女優になるという夢を叶えるために、高校入学と同時に上京してきた女の子、っていう役柄でな』
志保『高校入学、って、私の年齢より上の役柄ですけど』
P『あぁ、まぁそこは志保の大人っぽい言動を評価してくれてのことだろう。問題はそこじゃない』
志保『役作りのために、一人暮らしを実際にしなければならない、というところですか』
P『そう。このドラマの監督さんの意向でな。リアリティが欲しいそうだ』
志保『年齢はいいんでしょうか』
P『年齢なんてものは努力しても変えられないからな』
志保『それもそうですね』
P『それで、改めて志保の意思を聞きたいと思うが、すぐには決められないだろ。明日、また聞いてもいいか?』
志保『…あの、一つ質問してもいいですか?』
P『どうした?』
志保『この話、お母さ、いえ、母には、もう通してあるんですか?』
P『いや、連絡してないよ。一般的には親御さんの許可を取るのが先のほうがいいんだが、守秘義務とかいろいろあってな』
志保『…分かりました」
再び北沢家
志保「----っていう感じなんだけど」
志保母「なるほどね」
志保「うん」
志保母「志保の考えていること、当ててあげようか」
志保「えっ?」
志保母「せっかくのオファーだし受けてみたいけど、お母さんは忙しいし、あの子の面倒も見ないといけない。一か月も家を空けて、二人は大丈夫かな。こんなところかしら?」
志保「…凄い、お母さん」
志保母「伊達に十四年間、志保の母親やってないからね」フフン
志保「…うん」
志保母「志保」
志保「! なに?」
志保母「あなたは本当にいい子で、あの子や私に気を使ってくれているけど、時には自分の気持ちを優先してくれてもいいのよ?」
志保「自分の気持ち…」
志保母「そう、うちのことはお母さんに任せておけばいいの。あなたは、どうしたいんだっけ?」
志保「…ありがとう、お母さん。私はーーーー」
事務所
志保「プロデューサーさん」
P「お。おはよう志保」
志保「おはようございます」
P「うん。その顔つきを見ると、答えは出たみたいだな」
志保「はい。ドラマのオファー、受けさせていただきたいと思います」
P「分かった。先方には連絡しておく」
志保「はい、よろしくお願いします。私はレッスンに行ってきますね」
P「あぁ。頑張りすぎるなよ」
志保「分かってます。では」
P「音無さん」
小鳥「はい?」
P「音無さんって、マンション住まいでしたよね」
小鳥「そうですね」
P「空いている部屋があるか、確認していただいてもいいですか?」
小鳥「それって、私と同じマンションに住みたいっていう遠回しの告白ですか?」
P「違いますよ。志保とのやりとり、聞いていたでしょう」
小鳥「半分冗談ですよ」フフッ
P「残りの半分は聞かないでおきますね」
小鳥「聞いてくれても構いませんけどね。それで私のマンションですか?」
P「はい。できたら、音無さんと同じマンション。欲を言えば、同じ階に空室があれば理想ですね」
小鳥「こちらで志保ちゃんの住居を指定して構わないんですか?」
P「えぇ。先方からは、未成年だし、信頼関係のある事務所の方々と相談して住居を決めたほうがいいだろう、と」
小鳥「それもそうですね」
P「音無さんのマンションに空室がなければ、このみさんに相談したいところですね」
小鳥「なるほど。生活上の不便が出た場合に、頼れる人物が近くにいたほうがいい、ということですね」
P「話が早くて助かります」
小鳥「優秀な事務員ですから」エッヘン
P「ほんとにそうですね」
小鳥「今のは百パーセント冗談なんですけど…」カァァ
P「いえいえ、ご謙遜を」
小鳥「そ、それで!条件としては、信頼できる人物が近辺に住んでる住居であれば問題ない、ということですね?」
P「はい、できたら同じ階が好ましいですね」
小鳥「分かりました。じゃあその手続きとかはこちらで進めておきますよ」
P「いいんですか?」
小鳥「はい。プロデューサーさんは他にもやることがたくさんあるでしょう?」
P「…そうですね。スイマセン、志保の住居の件はお願いしてもいいですか?」
小鳥「はい♪あと、志保ちゃんのお母さまへの説明にも私が伺いますね」
P「いや、そこまで任せるわけには…」
小鳥「女同士のほうが、話がスムーズに進むこともあるんですよ?」ニコッ
P「…それもそうですね。失礼しました。すいませんが、よろしくお願いします」
小鳥「はい♪」
小鳥(ふふっ、せっかくの機会だし、志保ちゃんにはご褒美をあげなきゃね♪)
お久しぶりです
一旦乙?
>>2
北沢志保(14)Vi/Ex
http://i.imgur.com/58MqlZw.jpg
http://i.imgur.com/8qSu9KU.jpg
音無小鳥(2X)Ex
http://i.imgur.com/hFRWAa5.jpg
http://i.imgur.com/3BkZKTj.jpg
小鳥「志保ちゃん」
志保「はい?あ、お疲れ様です、小鳥さん」
小鳥「お疲れさま。今、時間いいかしら?」
志保「はい。大丈夫です」
小鳥「志保ちゃんが一か月の間住むところが決定したわ。アパートなんだけどね」
志保「もうですか。話があってから一週間くらいしか経っていませんが」
小鳥「ドラマの他の出演者の人たちも、それぞれ役作りの期間に入り始めてるみたいようだし。早いに越したことはないからね」
志保「他の方たちも私のような条件が?」
小鳥「えぇ。入院患者の役を演じる主演の俳優さんなんて、一か月間本当にベッドの上で生活しなければならないそうよ」
志保「それは…嫌ですね」
小鳥「監督さん、すごいこだわりよね」フフッ
志保「あ、それでいつからそのアパートに引っ越せばいいんでしょうか?」
小鳥「そうだったわね。えーとね、四日後よ。生活に必要な家電とかは用意されてるところだから、洋服とか普段使いの物を持ってくだけでいいからね」
志保「分かりました」
小鳥「なにかと不便もあるだろうけど、同じ階にこの事務所の人が住んでるから、困ったらその人を頼ってね」
志保「この事務所の人?」
小鳥「えぇ。その人が誰かは、会ってのお楽しみ♪」
志保「はぁ」
志保(誰だろう…風花さんとかかな?)
小鳥「あ、あと」
志保「はい?」
小鳥「志保ちゃんの住むお部屋ね、扉を正面に見て右側には人が住んでないんだけど、左側には男性の方が住んでるみたいなの」
志保「はい」
小鳥「一応、一か月間は隣に住ませてもらうわけだから、引っ越し初日に挨拶だけはしておいてね。もちろん変装は忘れずに」
志保「分かりました」
小鳥「じゃあ、これで説明は以上かしら。なにか質問ある?」
志保「いえ、特には」
小鳥「そう?じゃあこれで話は終わりね。お疲れさま」
志保「はい。お疲れ様でした」
小鳥(……♪)
今日はここまでです。
先の展開は思い描けているため、また近いうちに投稿します。
ではまた。
P.S 画像先輩、いつもステキな画像ありがとうございます。
こんばんは。
気付いてくださっている方もいるようですが、今回のようなタイトルで、桃子に翼、あと杏奈も書いてました。
では、投稿していきます。
四日後・志保のこれから住むアパート
志保「ふぅ…荷物はこれで全部かな」
志保「あっ、そうだ。先にお隣さんに挨拶しておかなくちゃ」
志保「左隣…ここよね。帽子も被ったし、メガネもしたし…よし」ピンポーン
ガチャ
?「…はい」
志保(明らかに寝起きよね…スウェットだし、髪ボサボサだし。メガネとマスクしてるから表情はよく分からないけど」
?「…あの、なにか御用ですか?」
志保「あっ、お休み中のところすいません。短い間ではあるのですが、隣に引っ越して来ました。北沢と申します」
?「…キタザワ?」
志保「はい、北沢ですがなにか…?」
?「……志保??」
志保「あ、えーと。そうですね。ご存知みたいですが、一応アイドルをやらせていただいてます。北沢志保と申します」
?「………」
志保「あの…?」
?「……あー、なるほどな。音無さんの仕業か。まったくあの人は何を考えて…」ブツブツ
志保「あ、あの…なにか……?」
志保(なにかブツブツ言ってるし、怪しい人かも…)
志保「でっ、では、挨拶も済みましたので、これで失礼しますっ」ペコリ
?「あー、待て待て志保」
志保「ッ」
志保「すいませんが、初対面の方に下の名前で呼ばれたくはありません!…では、改めて失礼します」
?「あー、もう。まだ気づいてないのか?」
志保「…なにを言って」
?「あ、そうか。普段髪の整えてるし、マスクなんてしてないしな」
志保「……??」
?「おはよう、志保。って言ってももう昼近くになるか」スッ
志保「ぷっ」
志保「プロデューサー!!?」
P「音無さん」
小鳥『はい?』
P「謀りましたね」
小鳥『さて、なんのことでしょう♪』
P「とぼけないでください」
小鳥『失礼ですね。私はちゃーんと、プロデューサーさんが言った条件を満たしましたよ?』
P「なにを言って…」
小鳥『〈信頼できる人物が近辺に住んでる住居〉であり、かつ〈同じ階が望ましい〉、でしたよね?』
P「…その通りです」
小鳥『ほら!だから、信頼できるプロデューサーさんが住んでるアパートで、同じ階の隣の部屋に決めたんじゃないですか』
P「だからと言って」
小鳥『志保ちゃんのお母さまにも許可をいただいてますよ?』
P「なっ」
小鳥『なにか万が一の事があった時に、男手があった方がいいだろう、と』
P「……」
小鳥『なにか他に質問などはありますか?』
P「いえ…」
小鳥『そうですか♪』
P「…本当に優秀な事務員ですね、音無さん」
小鳥『今のは百パーセント褒め言葉として受け止めておきますね♪』
P「皮肉ですよ…」
小鳥『小鳥、だけにですか?プロデューサーさんは冗談がお上手ですね』
P「…音無さんには敵いませんね」
小鳥『またまたご謙遜を♪』
P「百パーセントの本音ですよ…」
小鳥『そうですか。では、そろそろ失礼しますね。志保ちゃんによろしくお伝えください。プロデューサーさんは休みを満喫してくださいねー♪』ピッ
P「はぁ……」
志保「あの、小鳥さんは、なんと」
P「本気でここに志保を住まわせる気らしい…」
志保「そ、そうですか…」
P「…」
志保「…」
P「…まぁ、玄関先で話すのもなんだし、とりあえず上がってくれ」
志保「あ、はい。お邪魔します…」
Pの部屋
志保「プロデューサーさん」
P「ん?」
志保「思ったより、部屋キレイですね」
P「まぁな。忙しくて帰って寝るだけの日とかもあるし」
志保「男の人の部屋って、もっと汚いようなイメージでした」
P「間違ってはないな。実際、俺の友達の家とか割と汚いし」
志保「そうですか」
P「あ、そこのベッドの上にでも座っててくれ」
志保「あ、はい」
P「なにか飲むか?」
志保「いえ、お構いなく」
P「いや、大切なアイドルのことなんだから構うよ。なに言ってんだ」
志保「…ありがとうございます」
P「ん。牛乳とコーヒーがあるから、カフェオレとかでもいいか?」
志保「はい、大丈夫です」
志保(大切なアイドル、か。悪い気はしないかも)
P「志保」
志保「はい」
P「そういえば、荷解きはもう終わったのか?」
志保「いえ。でも、洋服とかしか持って来てないので、そんなに手間がかかることでもないです」
P「そうか。ここ家電とかは備え付けだもんな」
志保「そうですね」
P「じゃあ、荷解きを終えたら連絡してくれ」
志保「…なんでですか?」
P「あぁ、いや。志保も今日はもうオフだったろ」
志保「はい。それがなにか」
P「時間があるなら、ここら辺を案内しようかと思ったんだが。迷惑だったか?」
志保「いえ、そんなことは…ありがとう、ございます」
P「どういたしまして」
志保「じゃあ、荷解きしてきますね」
P「わかった」
志保「カフェオレ、御馳走様でした」
P「いえいえ」
志保「お邪魔しました」
P「ん。また後でな」
バタン
志保「……」
志保「…なんかこういうの、悪くないかも」ボソッ
眠くなってきたので、また朝にでも続きを投稿します。
それでは、おやすみなさい。
志保「プロデューサーさん」
P「ん?」
志保「当たり前って言えば当たり前なんですけど」
P「うん」
志保「私服はスーツじゃないんですね」
P「当たり前だな」
志保「そういえば寝間着もスウェットでしたね」
P「寝るときにスーツを着てるやつはいないと思うぞ」
志保「それもそうですね」
P「志保は…いや、やめた」
志保「なんですか」
P「なんでもないよ」
志保「気になります」
P「忘れてくれ」
志保「……プロデューサーさんって」
P「うん」
志保「いえ、なんでもありません」
P「……」
志保「……」
P「…気になるな」
志保「ですよね」
P「いや、でもなぁ…」
志保「往生際が悪いですよ」
P「分かった、言うぞ」
志保「はい」
P「志保って、寝るときの恰好って」
志保「セクハラです近づかないでもらえますか」ススッ
P「だから言わなかったんだよ」
P「志保」
志保「なんですか、セクハラプロデューサーさん」
P「悪かったって」
志保「誠意が感じられません」
P「分かった、今度なんか絵本一冊買ってやる」
志保「買ってやる?」
P「買わせていただきます」
志保「仕方ないですね。プロデューサーさんがそこまで言うのなら、今回の件は水に流します」
P「いや、今のは志保が」
志保「なんですか?」
P「なんでもない」
志保「…ふふっ」
P「?」
志保「いえ、プロデューサーさんって、仕事のときとプライベートで随分雰囲気が変わるなって」
P「まぁ、そうかもな」
志保「打ち合わせをしてるときとかって、もっと冷静沈着って感じですけど」
P「仕事のときは効率とか結果が求められるし、どうしても理性的にはなるな」
志保「今とか、普段の様子はけっこう抜けてるとこがあったりしますね」
P「言われてみれば、仕事のときに気を張ってる分、気が緩んでるのもあるかもな」
志保「この前行った喫茶店でもーーーー」
志保(そういえば、仕事以外でプロデューサーさんと二人で出かけるのって初めてかも…)
朝に投稿できなかったため、今2つほど投稿しました。
ネタが尽きない限りは、1日1つは投稿していく予定です。
それではまた。
志保「プロデューサーさん」
P「ん?」
志保「そういえば、これどこに向かってるんですか?」
P「行ってからのお楽しみだな」
志保「それ流行ってるんですか?」
P「流行ってないと思うけど」
志保「小鳥さんも言ってましたよ」
P「音無さんはイタズラ心からだろ」
志保「プロデューサーさんは違うんですか?」
P「さぁな」
志保「なんですかそれ?」
P「まぁ、なんでも先が知れてるっていうのはつまんないだろ」
志保「それはそうかもしれませんけど…」
P「例えばさ」
志保「はい?」
P「俺が、志保の楽しみにしていた絵本の内容を事細かにネタバレしたらどうする?」
志保「そうですね。とりあえず美奈子さんにプロデューサーさんがお腹空いたと言っていた、と連絡を入れます」
P「容赦がないな」
志保「その後に、朋花さんとまつりさんに、プロデューサーさんに酷いことをされた、と泣きつきますかね」
P「想像するだけで怖いな」
志保「それだけのことをしていますから」
P「志保」
志保「なんですか?」
P「そろそろ目的地に着くぞ」
志保「ホントですか」
P「そこの角を曲がったらもう見えるぞ」
志保「意外に近いんですね」
P「ほら、見えたぞ」
志保「…へぇ、こんなところに商店街があったんですね。知りませんでした」
P「まぁ、アパートを挟んだら事務所とは逆方向にあるからな」
志保「ここが私を案内したかった場所ですか」
P「そうそう。あ、帽子とメガネ取っていいぞ」
志保「なんでですか?」
P「顔を覚えてもらったほうが得だからな」
志保「…?」
商店街
志保「プロデューサーさん」
P「ん?」
志保「どうして私をここに連れて来たかったんですか?」
P「ここの人たちが、志保の助けになってくれると思ったからな」
志保「ここの人たち…?」
「おい、Pじゃねぇか!」
P「あ、お久しぶりです」
「最近ぜんぜん顔も出さねぇで。ついに捕まったかと思ってたぜ」
P「近頃忙しくて。っていうかついに、ってなんですか」
志保「あの、プロデューサーさん。この方は…?」
「おっ、よく見たら隣に可愛い子がいるじゃねえか!なんだ、P。今日のナンパは上手くいったみてぇだな?」
P「ナンパじゃないですよ。スカウトだって何回も言ってるじゃないですか」
志保「あの…?」
P「あぁ、悪い。この人は商店街にあるお肉屋さんのご主人だ」
「おぅ、かわいこちゃん。Pのヤツになんかされたら俺に言いな。とっちめてやるよ」
志保「は、はぁ…」
「あら!Pくんじゃない!」
P「お久しぶりです、八百屋のおかみさん」
「…あら?あらあらあらあら」
P「…なんですか」
「随分と可愛い女の子を隣に連れてるのね。今日のナンパは上手くいったみたいね?」
P「だからナンパじゃないって何回いったら分かってくれるんですか」
「ねぇ、あなた名前はなんて言うの?歳はいくつ?」
志保「あ、えっと。北沢志保と言います。年齢は十四歳です」
「へぇ、志保ちゃんって言うの。…Pくん?」
P「はい?」
「あなたの趣味をとやかく言うつもりはないけど、年が下すぎない?」
P「お願いですから話を聞いてください」
商店街(回想)
P『あの』
女子高生『はい』
P『今、少しだけお時間よろしいですか?』
女子高生『はい。なんでしょう』
P『私、こういう者です』
女子高生『名刺…アイドル事務所のプロデューサーさん、ですか?』
P『はい。その名刺に書かれているとおり、アイドルが所属する事務所でプロデューサーをしている者です』
女子高生『そのプロデューサーさんが私になんの用でしょう?』
P『単刀直入にお伺いします。アイドルに興味はありませんか?』
女子高生『あ、アイドルですか?』
P『はい。あなたならきっと、アイドルとして大成すると思ったんです』
女子高生『え、えっと…』
P『今すぐに返事を欲しい、なんてことは言いません。気が向いたら、その名刺の電話番号かメールアドレスにご連絡くだ…』
『おいアンタ』
P『はい?』
『こんなとこでナンパたぁ感心しねぇな』
P『あ、いえ。ナンパしていたわけではなく』
『別にナンパすんな、とは言わねぇけどよ、この商店街の中では勘弁してくれや』
P『いえ、ですから、ナンパしていたわけではなく』
トントン
P『はい』
『とりあえず、署までご同行いただいても構いませんか』ニコッ
P『……はい』
女子高生『行っちゃった…。これ、どうしたらいいんだろう』
商店街
「なーんてこともあったっけな」
志保「プロデューサーさん、なにやってるんですか…」ジト
P「いや、スカウトも職務なんだから仕方ないだろ」
「いえ、あの時のPくんの目は獲物を狙う獣の目だったわ」
P「そんな本気っぽいトーンで言わないでくださいよ」
「ま、そんなこともあって、Pのやつはこの商店街ではちょっと顔が知れてんだよ」
志保「そうなんですね」
P「まぁ、いつもからかわれてばっかだけどな」
「で?志保ちゃんがPが担当してるアイドルってわけか」
P「そうですね」
「はぁー。ホントにPくん、アイドル事務所で働いてたのね」
P「信じてなかったんですか」
「まぁ、アイドルの子を連れて来られたら認めざるを得んわな」
P「なんでそんな嫌々なんですか…」
志保「…ふふっ」
「Pが自分のアイドルの子を連れてくるなんて初めてじゃねぇか。なんか要件でもあんじゃねぇのか?」
P「あ、はい。そうなんです。実は志保…北沢がこの近辺に住…」
「あ!もしかして!!」
P「…はい?」
「Pくんと志保ちゃんが結婚するからその報告とか!?」
志保「は、はぁ!?ぷ、ぷ、プロデューサーと結婚!?」カァァァ
ザワッ
「ついにPも一人の女に決めたか!」
「相手はあの子なの!?」
「ずいぶん可愛い子を捕まえたなぁ」
「あのナンパ師のPさんがついに結婚だって!?」
P「……」
P「とりあえずナンパ師って言ったヤツ出てこい!!!」
帰り道
P「志保」
志保「どうかしましたか、ナンパ師さん」
P「勘弁してくれ」
志保「まぁ、今日のところは見逃してあげます」
P「助かる」
志保「…今日は」
P「ん?」
志保「今日は、ありがとうございました。その、すごい、楽しかったです」
P「どういたしまして。って言っても、俺が絡まれてるだけだったけどな」
志保「いえ。プロデューサーさんが、あたふたしてる様子が新鮮で面白かったです」
P「あの人たちはすぐに悪ノリするからな…」
志保「いい人たちでしたね。色々と安くしてくれましたし」
P「それは志保が可愛いからだろ」
志保「…ありがとうございます」
志保「…さりげなくそういうこと言うんだから」ボソッ
P「事実だしな」
志保「こっ、こういう時は聞き流してくださいっ」カァァ
P「悪い悪い」
志保「まったくもう…」
アパート・それぞれの部屋の前
志保「プロデューサーさん」
P「うん?」
志保「今日は、本当にありがとうございました」
P「俺こそいい息抜きになったよ。ありがとうな」
志保「いえ、こちらこそ」
P「なにか困ったことがあったら、連絡するか訪ねて来てくれ」
志保「分かりました。それでは、失礼します」
P「あ、そうだ志保」
志保「はい?」
P「今日の恰好、志保に似合ってて可愛かったぞ。それじゃ」
バタン
志保「…やっぱりナンパ師と変わらないじゃないですか」ボソッ
志保(…顔熱っ)
一旦終了です。
一人暮らしネタって意外に広がりますね。もう少しお付き合いください。
ではまた。
こんにちは。
この作品を書いている者です。
今、パソコンの調子が優れず、少しの間投稿できないかも知れません。
志保の自室
志保「ふぅ…おかずはこんなものかな」
志保(思ったより時間かかっちゃった…)
志保「少し遅くなっちゃったけど、ご飯にしよ…」
志保「……」
志保「しまった…」
ピンポーン
ガチャ
P「志保か」
志保「…こんばんは」
P「こんばんは。どうかしたか?」
志保「…プロデューサーさんに、お願いしたいことがあります」
P「多分だけど、ご飯関係のことか」
志保「…よく分かりましたね」
P「まぁ、一人暮らしで最初に躓くことと言えば、ご飯関係か掃除洗濯くらいだし」
P「お米を炊き忘れでもしたか?」
志保「……」
P「図星みたいだな」
志保「わっ、悪いですか!?」キッ
P「悪いなんて誰も言ってないぞ」
志保「…すみません。取り乱しました」
P「いいさ。ちょうど俺もご飯を食べようと思ってたところだし、一緒に食べよう。おかずは作ってあるんだろ?」
志保「…はい」
P「じゃあ、おかずをタッパーかなにかに入れてまた来な。呼び鈴は鳴らさないでいいから」
志保「分かりました」
パソコンですが、たまたま調子が悪かっただけのようです。
これからも一日一つは投稿していきます。
よろしければもう少しお付き合いください。
では、また明日。
Pの自室・夕食後
志保「プロデューサー」
P「んー?」
志保「料理、できたんですね」
P「まぁ独り暮らしし始めて割と長いしな」
志保「いつも外食とかしてるイメージがあったので」
P「そりゃ、忙しいときは外食とかコンビニで済ませちゃうけどな」
志保「身体に良くないですからね」
P「そういうこと。さて、と。ついでだから、明日の予定の確認していいか?」
志保「あ、はい」
P「先に洗い物だけ済ませるから、テレビでもみながら寛いでてくれ」
志保「あっ、いえ、私が…」
P「まだ慣れない環境で疲れてるだろ。ゆっくりしてろって」
志保「…では、お言葉に甘えて」
P「おう」
志保(プロデューサーさんと結婚したらこんな感じなのかな……って!何考えてるの私っ)カァァァ
翌日・朝
ガチャ
P「お」
志保「あ」
P「おはよう、志保」
志保「おはようございます、プロデューサーさん」
P「奇遇だな」
志保「隣に住んでて、奇遇もなにもないと思いますけど」
P「それもそうだな」
志保「はい」
P「事務所まで一緒に行ってもいいか?」
志保「別に断る理由もないのでいいですけど」
P「ありがとな」
志保「お礼を言われるようなことでもないですけどね」
P「確かに。さ、立ち話もなんだし行くか」
志保「はい」
P「志保」
志保「はい」
P「朝ごはん、何食べた?」
志保「なんですかその質問」
P「いや、ご飯を炊き忘れてないかなって」
志保「も、もうあんなミスはしませんっ」
志保「だいたい、朝はパン派なんです」
P「奇遇だな、俺もだ」
志保「そんなことを言ってたら、プロデューサーさんは日本の半分くらいの人とは気が合いますね」
P「言われてみれば確かに」
志保「まったくもう。仕事以外では抜けてるんだから」
P「あー、でも俺も人と好みが合わないものがあるぞ」
志保「へぇ。それはなんなんですか?」
P「志保って、目玉焼きになにをかける?」
志保「塩こしょうですかね。今朝もそうでした」
P「やっぱ塩コショウは定番だよな」
志保「プロデューサーさんは定番じゃないんですか?」
P「俺、目玉焼きにはぽん酢派なんだよ」
志保「なるほど。私とは気が合いませんね」
P「美味いんだけどなぁ…」
事務所
ガチャ
P「おはようございます」
志保「おはようございます」
小鳥「おはようございます。プロデューサーさん、志保ちゃん」
小鳥「あら、今日は二人仲良く一緒に来たんですね♪」
P「音無さん…」
小鳥「はい♪」
P「……」
小鳥「♪」ニッコリ
P「いえ、なんでもないです。今日も仕事がんばりましょう」
小鳥「はい、がんばりましょう」
志保「じゃあ、私はレッスンに行ってきますね」
P「がんばりすぎるなよ」
志保「小鳥さんに言ってたことと矛盾してませんか?」
P「俺らはいいんだよ」
志保「まったく…プロデューサーさんたちもがんばり過ぎないでくださいよ」
P「前向きに検討する」
志保「それはズルい大人のセリフです」
P「ずるい大人だからな」
志保「っもう。倒れても知りませんからね」
P「そのときは看病でもしてくれ」
志保「食べ物くらいは買ってきてあげますよ」
P「そこは手作りとかじゃないのか」
志保「プロデューサーさんには市販のもので十分です」
P「残念だ」
志保「まぁ、そうならないように気を付けてくださいね」
P「志保もな」
志保「分かってますよ。では」
P「あぁ」
小鳥「プロデューサーさん」
P「はい?」
小鳥「昨日はどうでしたか?」
P「どうでした、とは?」
小鳥「志保ちゃんが引っ越してきて、なにかあったんじゃないかなぁって」
P「なにもありませんよ」
小鳥「またまた」
P「本当ですよ」
小鳥「一緒に買い物に行ったり、一緒に夜ごはんを食べたりしたんじゃないですか?」
P「…どこかから見てたんですか?」
小鳥「あ、ホントにそうなんですね」
P「……」
小鳥「♪」ニコニコ
P「…本当に、音無さんには敵いませんね」
小鳥「女性は強かですからね」
P「音無さんが敵じゃなくて心から良かったと思いますよ」
小鳥「敵、だなんて物騒な」
P「本心ですよ」
小鳥「ま、褒め言葉として受け取っておきます」
P「そうしてください」
小鳥「そうしますね」
P「さ、事務処理のほう進めてしまいましょうか。俺も外に出なきゃならないので」
小鳥「はい」
P「音無さん」
小鳥「はい」
P「そろそろいい時間ですし、キリのいいところで終わりましょうか」
小鳥「そうですね」
P「今日中には片付けておきたい案件はありますか?」
小鳥「えーと、今やってるこれだけです」
P「俺が手伝えることなら手伝いますよ」
小鳥「いいんですか?」
P「もちろん」
小鳥「じゃあ、お言葉に甘えて――」
ガチャ
志保「お疲れ様です」
P「お、志保お疲れ様」
小鳥「志保ちゃんお疲れ様」
志保「お二人ともお疲れ様です」
P「志保は今日これでもう上がりだったよな?」
志保「そうですね」
P「じゃあ、三十分ほど待っててくれないか。一緒に帰ろう」
志保「別に一人でも大丈夫ですけど」
P「もう結構暗いしな。まぁ、無理強いはしないけど」
志保「それじゃ、少し待ってますね」
P「助かる。それじゃ音無さん、ちゃっちゃと終わらせちゃいましょう」
小鳥「はいっ」
帰路
志保「プロデューサーさん」
P「なんだ?」
志保「そういえば、私が一人暮らしをしてることを事務所のメンバーに言ってないんですね」
P「まぁな」
志保「なにか理由があるんですか?」
P「志保はどう考えてる?」
志保「…スキャンダルを避けるため、ですか?」
P「分かってるじゃないか」
志保「まぁ、そんなところかなと」
P「ウチのアイドルたちが口外してしまうなんて、露ほどにも思ってないけどな」
志保「無邪気な子たちも多いですからね」
P「そういうことだ。外の現場で何気なくその話題を口にして、それがどこかにリークしないとも限らない」
志保「なるほど」
P「音無さんが素直に、このみさんとかのマンションに手続きをしてくれたら全然言っても良かったんだけどな」アハハ
志保「……」
志保「…プロデューサーさんは」
P「ん?」
志保「プロデューサーさんは、私が隣に引っ越してきて、迷惑だったりしませんか?」
志保「私のせいで、気苦労が増えたりしてませんか?」
P「……」
P「俺最近忙しくて、事務所に泊まる日とかも多かったんだよ」
志保「…はい?」
P「時間もあまりないから、ご飯もコンビニとかで済ませたりしてな」
志保「…なんの話ですか?」
P「でも。」
P「志保が昨日引っ越してきて、久しぶりに自分でご飯を作ったよ。今日もこうやって残業せずに、やるべきことだけやって帰って来てる」
志保「……」
P「ま、なにが言いたいかと言うと、志保が引っ越してきてくれた『おかげ』で健康的な生活が送れそうってことだ」
志保「っ」
P「そりゃ、驚きはしたけどな」
志保「……」
P「志保?」
志保「…回りくどい言い方ですね。気障ったらしいです」
P「酷い言われようだな」
志保「…でも、嫌いじゃない、です。少し、すっきりしました」
P「それはなにより」
志保(…よかった)
とある日
P「志保―」
志保「はい」
P「今日は遅くなるから、ご飯先に食べといてくれ」
志保「分かりました。帰ってきた頃に、おかずを持っていきましょうか?」
P「いいのか?」
志保「一人分だけ作るのは面倒ですから」
P「分かった。あまり遅くならないようにする」
志保「お願いしますね」
別の日
志保「プロデューサーさん」
P「どした?」
志保「今日は早く上がれそうですか?」
P「うーん、何件か持ち帰れば。どうかしたか?」
志保「お肉屋さんが、最近顔を出さなくなったアイツを連れて来てくれ、と」
P「肉屋の親父さんか」
志保「はい」
P「確かに最近顔を出せてなかったな」
志保「行くたびにプロデューサーさんはどうしてる、ってあそこの人たちに聞かれますよ」
P「分かった。今日なんとか早く上がる」
志保「はい。じゃあ夕方の六時頃でも」
P「了解」
小鳥「…」
また別の日
P「志保」
志保「はい」
P「今日の夕飯の献立、もう決まったか?」
志保「いえ、決めてませんけど」
P「お、じゃあ鍋なんてどうだ」
志保「お鍋ですか」
P「寒くなってきたしな」
志保「いいですよ」
P「なに鍋にしようか」
志保「それは買い物しながら決めればいいんじゃないですか」
P「それもそうだな」
小鳥「……」
またまた別の日
志保「Pさ…」
志保「…コホン。プロデューサーさん」
P「どした?」
志保「今日の天気予報、確認しましたか?」
P「いや、してないな」
志保「夕方頃から雨が降るそうですよ」
P「そうなのか」
P「…あー、洗濯物ベランダだ」
志保「もしよければ、私が取り込んでおきましょうか?」
P「いいのか?」
志保「はい。今日は午前に一本取材があるだけなので、早く帰れますし」
P「すまん、頼んでいいか?鍵渡しとく」チャリン
志保「確かに受け取りました」
P「鍵はポストにでも入れといてくれ」
志保「分かりました。美味しいデザート、期待して待ってますね」
P「…抜け目ないな」
志保「世の中はギブアンドテイクなので」フフッ
小鳥「………」
小鳥「プロデューサーさん」
P「はい」
小鳥「志保ちゃんと仲良くなり過ぎじゃないですか?」
P「否定はしません」
小鳥「否定もしないんですね…」
P「俺の自惚れでなければ、だいぶ心を開いてくれるようになりましたからね」
小鳥「もう会話が同棲してるカップルみたいでしたよ」
P「音無さんもそんな経験がおありで?」
小鳥「ノーコメントで」
P「失礼しました」
小鳥「というか、いつから志保ちゃんはプロデューサーさんのことを名前で呼ぶようになったんですか?」
P「んー、引っ越してきて一週間くらい経ったときでしたかね」
P「プライベートでもプロデューサー呼びだと、外部の人間に、芸能人だと気づかれやすいだろうって」
小鳥「志保ちゃんが?」
P「えぇ、志保が」
小鳥(すっかり心を許してるわね志保ちゃん)
P「まぁ、事務所内では今までどおりですけど」
小鳥「この前はボロが出てましたけどね」
P「確かに」ハハ
小鳥(こんな感じになったら面白いな~とは思ってたけど、実際にあの二人の空気に当てられ続けるのはつらいものがあるわね…)ピヨヨ
投稿が遅くなり申し訳ありません。
楽しみにしていてくださった方々、本当にありがとうございます。
あと、1週間ほどで完結までもっていけるよう善処致します。
では、またお会いしましょう。
「志保ちゃん」
志保「はい?あ、八百屋さん。こんにちは」
「こんにちは。今日もP君はお仕事?」
志保「はい。忙しいみたいで」
「そう…最近また見なくなっちゃって寂しいわ」
志保「またここへ顔を出すように伝えておきますね」
「そうしてくれる?」
志保「はい、もちろん」
「お願いね」
志保「はい。…それにしても」
「?」
志保「Pさん、ここの商店街の方々に本当に気に入られてますね」
「そうね」フフッ
「この商店街でPくんのことを好ましく思っていない人はいないんじゃないかしら」
志保「それって凄いことですよね」
「そうね。Pくんはなんていうか、人の懐に入るのが上手なのかも」
志保「そうかもしれません」
「思い当たる節が志保ちゃんにもあるのかしら?」
志保「…少し、ありますね」
「たまに会うだけの私たちですら好意的なんだもの。事務所のアイドルのみんなからも好かれているんじゃない?」
志保「はい…スキャンダルを心配するぐらいに」
「志保ちゃんもそうなのかしら?」フフッ
志保「あっ、いえ、私はそんなっ…」
志保(私は…どうなんだろう?)
同日・夜・風呂場
志保(Pさんは最初は頼りなかったし、1人でも大丈夫、なんて言ってしまってたけど)
志保(今は…Pさんがいないなんて考えられない)
志保(この気持ちは…恋、なのかな?)ブクブク
志保(今まで男の人を好きになったことなんてなかったから分からない…)
志保「……よしっ」
志保「…もしもし、可奈?」
可奈『あっ、志保ちゃん!こんばんはー!』
志保「こんばんは。えっと、こんな時間にゴメンね」
可奈『ぜんぜん大丈夫だよ~』
志保「ありがとう、可奈」
可奈『ううん!あ、それでなにか私に用事?』
志保「えぇ、そうなんだけど…」
可奈『…志保ちゃん?』
志保「可奈。これは可奈にだから聞きたいんだけど…」
可奈『うん!』
志保「笑わないで、真剣に聞いてくれる?」
可奈『もちろん!大切な志保ちゃんからの話だもん!」
志保「…ありがとう。えっとね…」
可奈『うん』
志保「可奈は、Pさ、プロデューサーさんのこと、どう思ってる?」
バイトに行くため、いったん中断します。
今日中というか、午前3時ごろまでには完結させる予定でいます。
あと少しだけお付き合いくださいませ。
ではまた。
可奈『プロデューサーさん?』
志保「えぇ、可奈はどう思ってるのかなって…」
可奈『大好きだよ!』
志保「えっ」
可奈『あ、もちろん志保ちゃんのことも、事務所のみんなのことも大好きだよ!』
志保「なんだ、そういうこと」ホッ
可奈『志保ちゃんは違うの?』
志保「私は…分からない」
可奈『わからないって?』
志保「プロデューサーさんのことは信頼してるし、た、大切に思っているけど、これが好きって気持ちなのかが分からないの」
可奈『う~ん』
志保「考えすぎ、なのかな」
可奈『私は志保ちゃんみたいに頭よくないから、難しいことわかんないけど』
志保「別に、頭良くなんて…」
可奈『そこまで真剣にがんばって、プロデューサーさんのことを考えられるってことは』
可奈『やっぱり志保ちゃんはプロデューサーさんのことが好きなんだと思うよ!』
可奈『だって、好きでもないもののためにがんばれないでしょ?』
志保「――――えぇ、また明日。おやすみ」
志保「ふぅ…」
志保(自分の中ではもう答えは出てたのかも)
志保「もしかしてがやっぱりに、か。歌の中の女の子みたい」フフッ
一人暮らし終了から数日後・事務所
小鳥「プロデューサーさん」
P「はい」
小鳥「志保ちゃんが実家に戻って数日経ちますけど」
P「そうですね」
小鳥「実のところ、寂しいんじゃないですか?」
P「寂しいですよ」
小鳥「…随分と正直ですね」
P「こんなところで嘘をついても仕方ありませんから」
小鳥「なるほど」
ガチャ
茜「茜ちゃん、ただいま到着―!」
麗花「ぱんぱかぱーん!」
静香「お二人は元気ですね…」
星梨花「私も少し疲れちゃいました…」
志保「今日のレッスン、ハードだったものね」
小鳥「噂をすれば、ですよ」
P「今日はクレッシェンドブルーがユニットレッスンだったか」
茜「ねぇねぇプロちゃん!茜ちゃん今日のレッスンがんばったよ!ゴホービないの!ねぇねぇ!」
P「はいはい。よくがんばったな」ナデナデ
茜「うんうん、くるしゅうない!」
星梨花「茜さんうらやましいです!私も…いいですか?」
麗花「じゃあ私もー!静香ちゃんも一緒になでなでしてもらお?」
静香「わっ、私は結構です!」
麗花「えぇ~、プロデューサーさんのなでなで、結構気持ちいいよ?普通って感じで♪」
静香「それは褒めてるんですか…?」
ワイワイ
志保「Pさん」
P「茜、もういいだろ。志保どうした?」
志保「お昼ご飯、なにか用意がありますか?」
P「いや、特に」
志保「ちょうどよかったです」スッ
P「これは…お弁当?」
志保「それ以外の何かに見えますか?」
P「見えないな」
志保「都合さえ合えば、今日一緒に食べませんか?」
P「喜んで」
茜「あれ、しほりんがプロちゃんにお弁当渡してる!」
麗花「えー!私も志保ちゃんのお弁当たべたーい!」
志保「麗花さんのぶんはありませんよ」
静香「志保って、プロデューサーのこと名前で呼んでたかしら…?」
志保「最近からね」
星梨花「なでなで…」シュン
志保「Pさん」
P「ん?」
志保「それじゃ、お昼頃にまた伺いますね」
P「分かった」
志保「あ、それともう一つ」
P「なんだ?」
志保「私Pさんのこと、ちゃんと男性として好きですから」
P「…え?」
静香「は!?」
茜「えっっ!?」
麗花「志保ちゃんダイターン♪」
小鳥「あらー…」
星梨花「なでなで…。あ、え?え?」
志保「Pさんからの告白、ずっと待ってますからね」ニコッ
これにて完結となります。
見直してみたら1スレ目を立てたのは一か月も前のことだったんですね…
大変お待たせしました。
次で10作目になります。
このSSの形式が気に入っているので、次は瑞希か星梨花か百合子か、それともいろんなアイドルを短編みたいな感じでまとめて作品にするか考え中です。
蛇足ですが。今回一人暮らしという題材を扱ったのは、以前に読んだ志保が一人暮らしをするSSが、私の予想外の展開だったため、自分が好きな展開で書き直そうと考えたためです。
では、html依頼を出してきます。
過去の拙作
グリP「もしもアイドルが妹だったら」グリP「もしもアイドルが妹だったら」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436054435/)
グリP「けもみみ!」 グリP「けもみみ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1437175995/)
グリP「胸キュンをプレゼント?」グリP「胸キュンをプレゼント?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443977876/)
グリP「赤面する朋花を見てみたい」グリP「赤面する朋花を見てみたい」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459427692/)
【ミリマス】P「おーい、杏奈ー」【ミリマス】P「おーい、杏奈ー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1459711427/)
【ミリマス】P「おーい、桃子ー」 【ミリマス】P「おーい、桃子ー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462973829/)
【ミリマス】風花「甘くて苦いチョコレート」【ミリマス】風花「甘くて苦いチョコレート」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470050136/)
【ミリマス】P「おーい、翼ー」【ミリマス】P「おーい、翼ー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493473819/)
ホラーSS読んだのかな?このシリーズ好きだから次も楽しみにしてます
情報提供感謝、乙
>>96
矢吹可奈(14) Vo/Pr
http://i.imgur.com/sgCIXVl.jpg
http://i.imgur.com/SvcVOGk.jpg
>>102
最上静香(14) Vo/Fa
http://i.imgur.com/NhOGuq5.jpg
http://i.imgur.com/BbPBaZa.jpg
野々原茜(16) Da/An
http://i.imgur.com/dpRLfWW.jpg
http://i.imgur.com/QW84uFr.jpg
北上麗花(20) Da/An
http://i.imgur.com/VtmQJ34.jpg
http://i.imgur.com/kP8kHJM.jpg
箱崎星梨花(13) Vo/An
http://i.imgur.com/OvxOq2E.jpg
http://i.imgur.com/SkJiFQj.jpg
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません