「バイク戦艦?だったらこっちは…」(5)

時は宇宙世紀、殖えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって半世紀

宇宙を漂う鉄の棺、コロニーで人は子を産み、生きて、死んでいった

地球から遠く離れたコロニーは地球独立を訴え、ジオン公国を名乗り地球連邦に宣戦を布告

一年戦争と呼ばれる長い戦争が和平によって終決してから遥かな刻が過ぎた

地球・サハラ砂漠にて

地平線の彼方から轟音と共に現れた巨大な物体があった

ロマンに溺れたバイク野郎こと、バイク戦艦の群れである

彼らは誰に迷惑をかける事なく広大な砂漠地帯を月に一度走りに来ている

今日とてストレス発散の為に最大戦速で砂漠を駆け抜けようとしていた

艦長「やはり、バイクはいい…最高速度で駆け抜けると心が洗われるようだ」

誰もが走る事に酔っていた、レーダー手が「ある物」を見付けるまでは

レーダー手「(熱源反応?)こっ、これは…!?」

レーダー手は驚き体制を崩した。それを見たブリッジクルーは爆笑した

操舵手「はっはっは!何をやってるレーダー手?サイコガンダムでも出たかのような顔してるぞ」

操舵手の物言いは的を得ていた。巨大な熱源反応があるとレーダー手が告げると艦長は前方に「ある物」を視認した

艦長「なんだガンタンクじゃないか。そんなに驚く事はない、ここいらに新しく軍の基地ができたと聞いた。アレはそこの警備隊だろ…ぅ!?」

艦長は絶句した

それは確かにガンタンクだった、しかしガンタンクでは無かった。バイク戦艦がガンタンクらしき物に接近する毎に「それ」は徐々に大きくなっていった

艦長「」

操舵手「」

レーダー手「」

クルー「」

群れの先頭を走る旗艦が減速を始め、やがて停止した

その眼前にはあり得ないほど超弩級にそびえ立つガンタンクだった。

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