トライアドプリムスと罰ゲームシリーズ第4弾。今作からTPの3人+ゲストの形で進めていきます。前作まで読んでいなくてもまったく問題ありません。基本的なくだりは「トランプで誰かが負ける」→「罰ゲームを実行」の流れになります。
またしばらく続きますがお付き合いいただけると嬉しいです。
過去作品
奈緒「罰ゲームは…『Pさんと添い寝』だぁ!?!?」
【モバマスSS】奈緒「さて、罰ゲームは…『Pさんと添い寝』だぁ!?!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1501769345/)
加蓮「罰ゲームは…『Pと新婚生活(仮)』!?」
【デレマス】加蓮「罰ゲームは…プロデューサーと新婚生活(仮)!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1502375793/)
凛「罰ゲームは…『子供(7歳児)になってPと出かける』?」
【デレマス】凛「罰ゲームは…『子供(7歳児)になってPと出かける』?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1502609293/)
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(事務所・休憩室)
凛「さて、今週もやってまいりました。『ババ抜きで負けたら罰ゲームだよ☆全員集合!』の時間です。拍手ー」
パチパチパチパチ……
加蓮「うぇーい……」
奈緒「はぁ……」
凛「こら、2人とも。もっとアゲアゲ↑↑でいかなきゃダメでしょ」
加蓮「毎週こんなことやってたら『DJオズマ』ばりのテンションをキープなんかできないっての」
奈緒「つか、なんで毎週末にやる決まりになってんだよ……」
凛「ノリで」
加蓮「なんとなく始めたことがずるずる続いちゃうってよくあるよね」
凛「行政の『座高測定』なんか典型的な例だね」
奈緒「座高測定は、昔は『意味がある』って信じられてたことだったんだけどな」
加蓮「ふーん」
凛「まあ、時間が惜しいので話はほどほどに。早速ババ抜きを始めていきましょう」
加蓮「はーい……」
奈緒「ヤダなー……」
凛「ふふっ。実はね、ローテンションな2人にサプライズがあるんだ」
加蓮「サプライズ?」
奈緒「なんだよ?」
凛「入ってきていいよ」
ガラッ!
拓海「オウ。暇してるところを凛に呼ばれてきたんだが……何するんだ?」
加蓮「!」
ガタッ!
奈緒「!」
ガタッ!
拓海「!?」
加蓮「ありがとう拓海!!」
奈緒「よく来てくれたな拓海!!」
拓海「お、オウ……なんだよ……その反応は」
加蓮・奈緒「「(やった……! これで罰ゲームを受ける確率は1/4になる……!)」」
凛「拓海。今から勝負を始めるよ」
拓海「……?」
拓海「へっ……よくわからねーが、勝負と聞いちゃ引いてられねぇな」
拓海「どんな勝負でも仏恥義理で勝ってやるぜ! かかってきなっ!」
3人「(チョロいな)」
(少しして)
凛「では、初めて参加の拓海にルールを説明します」
拓海「おお。頼むぜ」
凛「1つ。勝負の内容は『トランプのババ抜き』です」
拓海「おう」
拓海「(……案外、ぬるそうなゲームなんだな。ま、いいけどよ)」
加蓮「2つ。勝負に負けたアイドルは『罰ゲーム』を受けます」
拓海「罰ゲーム?」
奈緒「3つ。罰ゲームの内容はまだ決まっていません。こちらの『罰ゲーム箱』の中に入ったお題を1つ引き、それを実行してもらいます」
凛「4つ。お題は絶対です。引き直しは認められません」
拓海「……」
凛「以上です。何か質問があれば受け付けます」
拓海「罰ゲームって例えばどんな感じなんだ?」
加蓮「大したことないよ。犬のモノマネとか」
奈緒「大したことないな。一発芸とか」
凛「大したことないね。腕立て伏せ10回とか」
3人「「「(その他諸々はあるけど)そんな感じだよ」」」
拓海「ふーん……ホントに大したことないな」
凛「じゃ、始めてみよっか」
拓海「おう」
【過去の罰ゲーム実行例】
奈緒→ 一発芸、Pと添い寝、Pに膝枕、Pに口をつけたペットボトルを差し入れる等々
(罰ゲーム実行回数39回)
加蓮→ 犬のモノマネ、Pと新婚生活(仮)、寝ているPのうなじにキス、Pのシャツを着る等々
(罰ゲーム実行回数14回)
凛→ 腕立て伏せ10回、子供になって(7歳児)Pとデート、Pと1日中腕を組んだまま仕事、Pに肩車をしてもらう
(罰ゲーム実行回数11回)
3人「(嘘はついてないよね)」
(少しして)
ヒョイ……ポイッ
ヒョイ……ポイッ
凛「あーがり」
奈緒「よっしゃ! あたしもだ!」
加蓮「くっ……!」
拓海「はっ。最後は加蓮と一騎打ちか。負けねえぞ」
加蓮「それはこっちの台詞だよ……!」(ゴゴゴゴ)
加蓮「(負けられない……! 先週は私が罰ゲームだったし、2週連続は絶対嫌だ……!)」(ゴゴゴゴ)
拓海「(おお……すげぇ気迫じゃねぇか……さすがアイドルやってるだけあるぜ)」
拓海「(へっ、上等だ。こんなことで怯むアタシじゃねぇ。ぜってぇ勝ってやる!!)」
拓海「(行くぜ……!)」
(少しして)
加蓮「やった♪ あがりっ♪」
拓海「」
奈緒「拓海。いきなりかよ」
凛「ふふっ。残念だったね」
拓海「くそ……っ! もう一回だっ!!」
凛「いいけど罰ゲームを実行してからね」
奈緒「ほい。罰ゲーム箱」
加蓮「事務所のみんなが『1人1枚』のルールで書いて入れた罰ゲームが入ってるからね」
拓海「ちっ……わーったよ。ちゃっちゃと終わらせて……と」
ガサゴソ……ヒョイ
拓海「なになに……ん?」
【1日限定: プロデューサーの専属メイドとして働く(by. ウサミン)】
拓海「……」
奈緒「わぉ~」
加蓮「じゃ、実行よろしく~♪」
凛「フゥ~」
拓海「待てやこらっ!!!!」
凛「……?」
奈緒「どうかしたのか? 拓海?」
加蓮「いきなり大声を出したらびっくりするよ」
拓海「いや、アタシの方がびっくりしたわ! なんだよこの罰ゲームはっ!?」
拓海「つーか、凛、奈緒、加蓮! てめえら『どうしたの?』みてーなツラですっとぼけてんじゃねぇ!!」
凛「待って。拓海。まだ罰ゲームには続きがあるよ」
拓海「ああん!?」
凛「読み上げるね」
【続き】
1、実行者は1日中メイド服を着なければならない。
2、プロデューサーに対しては「ご主人様」呼びで一貫しなければならない。
3、プロデューサーの身の回りの世話(掃除、洗濯、料理、耳かき)等をしなければならない。
4、食事の前は「メイドの愛」を込めなければならない。
5、ご主人様の要求にはできる限り応えなければならない。
6、メイドとしての心構えをいついかなる時も忘れてはならない。
(P.S メイドとしての作法がわからない時はナナにお任せ☆ いつでも連絡してくださーい♪ キャハ☆)
拓海「『キャハ☆』じゃねぇよ! 菜々の野郎!!!」
スパーン!
加蓮「拓海。紙を床に叩きつけちゃダメだよ」
拓海「こ、こんな罰ゲームおかしいだろ!!」
奈緒「ん? まさか拓海。やらないつもりか?」
拓海「たりめーだろっ!! ざけんな!」
凛「……へぇ。逃げるんだ?」
拓海「う……」(グサ)
加蓮「拓海って約束も守れない人だったんだー……ふーん……」
拓海「ぐっ」(グサグサ)
奈緒「ずるいなー。元・特攻隊長さんはー」
拓海「……」(グサグサグサ)
凛「さて、じゃあ拓海は罰ゲームをやらないみたいだから今日はこの辺でお開きに……」
拓海「……るよ」
奈緒「ん?」
拓海「やるっつってんだろ! やってやんよコラァァァァ!」
加蓮「OK。じゃ、菜々ちゃんに電話するね」
Prrr……Pi!
拓海「うぇ!? ち、ちょっと待て! まだ心の準備がっ!」
加蓮「あ。菜々ちゃん? メイド志望の方、1名入りました~」
菜々『がってん承知の助!』
加蓮「じゃ、よろしくね♪」
Pi!
拓海「……」
凛「……」
ポンッ
凛「拓海。期待してるよ」
拓海「……応」
奈緒「なあ。メイド服着たら写真撮っていいか?」
拓海「ざっけんなっ!」
休憩します
あずきと忍と穂之香はいただいた
【ウサミン’s メイドカフェ】
菜々「ようこそ、拓海ちゃん! ウサミンのメイド教室へ!!」
菜々「拓海ちゃんを立派なメイドにすべく! ビシバシ鍛え上げちゃいますよー!」
拓海「……うぃーっす」
菜々「た、態度が悪いっ……!」
拓海「だってよぉ……」
菜々「いけませんよー! メイドは愛嬌とスマイルが大事なんですっ! ほら、せーの!」
菜々「キャハ☆ ラブリー17歳☆」
拓海「んなメイドなんてアタシの柄じゃねえだろっ!」
菜々「ひぃぃっ! お、お店で怒鳴るのはアウトですっ!」
拓海「……わり」
菜々「で、ですが、ナナは怯みませんっ! 拓海ちゃん! 素敵なメイドになりたいかー!」(ガッツポ)
拓海「あぁん!?」(ギロリ)
菜々「ひぃんっ! 眉間にしわを寄せるのもノゥですっ!」
菜々「メイドたるもの! 常に表情をにこやかに柔らかく!」
拓海「……にこやかに、柔らかく、ねぇ」
菜々「はいはい。せーの! 笑顔!」
拓海「……」
拓海「こ、こうか?」
ニヤァァァ……
菜々「うわ」
拓海「ドン引きすんじゃねえよ!!」
菜々「す、すみません! つい……」
菜々「さて、挨拶はほどほどに。メイド服の採寸から始めましょうか! 何はともあれ、何事もまずは形からです!」
拓海「……やっぱあのフリフリ着なきゃいけねえのか」
菜々「モっチのロンですっ!」
(メイド服試着後)
拓海「……くっ///」
菜々「わー……拓海ちゃん。メイド服似合いますねー……」
拓海「っるせぇ!!」
菜々「王道の黒髪ロングに豊満なバスト……程よくついた筋肉にピンと伸びた背筋……佇まいとビジュアルは非の打ち所がないくらいパーフェクツです……惚れ惚れしますねぇ」
拓海「……そ、そうか? へへっ。褒められんのは悪い気はしねえな」
菜々「でも中身が」
拓海「あん?」
菜々「なんでもないです」
拓海「で、この後は何すりゃいいんだ?」
菜々「まずは基本からですね。メイドとしての心構えとして、拓海ちゃんは何が1番大切だと思いますか?」
拓海「ご主人に危害を加えそうな奴を見かけたらぶっ飛ばす」
菜々「それはSPですね。あるいは考え方が『ランボー』と同じです」
拓海「ランボー?」
菜々「(いまの若い子はランボーも知らないんですかね……)」
注:【ランボー】→ベトナム戦争から帰還した最強の兵士を題材にした映画。戦争後。とある街で差別を受けたランボーが行き場のない怒りと悲しみを抱えて暴れまわるストーリー。バイクを乗り回す。ガソリンスタンドを爆破する。警官をゲリラ戦法で殲滅するなど、アクションシーンに定評がある。公開は1982年。つまり「35年前」の映画。
拓海「ちっ。わかんねーよ。菜々。1から教えてくれ。学ぶ気は一応あっからよ」
菜々「はい! まずメイドは『ご主人様の安らぎ』を第一に考えねばなりません!」
拓海「安らぎねぇ」
菜々「そうです。心からの癒し、安息、リラックス。そのためにメイドは存在するのです!」
拓海「ピンとこねえな……具体的にどーすりゃいいんだよ」
菜々「まず、さきほども言いましたが常に柔らかい笑顔です」
ニコリ……♪
菜々「こうですね♪」
拓海「おお……すげぇ優しそう。やるな。菜々」
菜々「ふふふ♪ ナナはこの『スーパーリラックス・スマイル』を生み出すのに数年かかりましたからね……!」
拓海「……お前、何年メイドやってんだよ?」
菜々「はっ!?」
菜々「や、やだナー! 菜々はJKですから、ほんのちゃっぴりですヨー! 数年というのは誇張ですっ! こ・ちょ・う!」
拓海「へーへー。どうでもいいけどよ。笑顔からなんだな」
菜々「はい。表情筋を鍛えましょう♪」
拓海「ん……こうか」
ニコッ!
菜々「おおっ……!」
菜々「すごいです! 拓海ちゃん! 出来てます!! その笑顔は可愛いです!!」
拓海「る、るせえな」
菜々「と、いうか。自然に素敵な笑顔が出来てるじゃないですか。さっきの『引き攣った悪魔のような笑顔』はなんだったんですか?」
拓海「誰が悪魔だって?」
菜々「あ、いえ」
拓海「……笑顔の練習なら散々プロデューサーの野郎にやらされてっからな。緊張さえしなきゃそれなりにできンだよ」
拓海「……ちっと、シャクだけどよ。アイドルの仕事が板についてきちってるみてーなんだ」
菜々「あら~♪」
拓海「っ……いいから! 次教えろよ!」
菜々「はいっ♪」
(しばらくして)
菜々「拓海ちゃん! メイドの間、あなたは拓海ちゃんじゃありません!! 『たくみん』というキャラクターなんです!!」
拓海「はぁ!?」
菜々「ほらほらっ! 言ってみてください! 『たくみんでーす☆』と!」
拓海「ざ、ざけんなっ!!」
菜々「一流のメイドになるためですっ!!」(カッ)
拓海「うっ」
菜々「さあっ!!」
拓海「……」
拓海「た、たくみんでーす☆ ご主人様初めまして……///」
菜々「恥じらいを持ってはいけません!!」
菜々「恥じらいを好きだというご主人様もいますが、プロのメイドは全力で可愛らしさを出し切ってこそです!!!」
拓海「ぐ……」
拓海「ちくしょうっ!!! やってやんよぉぉ!!! オラァァァァァ!!!」
拓海「たくみんでーす☆ ご主人様初めましてー☆ きゃは☆」
菜々「……おお!」
拓海「……」(ボンッ!)
カァァァッ///
菜々「あらら、顔が真っ赤になってしまいましたね」
拓海「るせぇ……///」
菜々「でも、さっきの吹っ切れた台詞はGOODでした! はなまるです♪」
菜々「では、次のステップに行きましょう!」
拓海「ま、まだあんのかよ……」
菜々「当然ですっ!」
寝ますおやすみなさい
コメントくれている方には感謝しかないのですが柚以外のフリスクのメンバーをいただいたという>>17さんにはあとでち○んこをねじ切る制裁を加えます
そして穂「之」香じゃなくて穂「乃」香です。Bが何気に86あるというピニャ好きのバレエアイドルの綾瀬穂乃香ちゃんです。隠れ巨乳です。生真面目なのにちょいちょい天然で可愛いです。穂乃香ァァァ!!!! 可愛いぞぉぉぉ!!!
https://i.imgur.com/eueMjgG.jpg
(数日後)
凛「拓海。どうなったかな」
奈緒「すごい嫌がってたからなー」
加連「ふふ。案外ノリノリでメイドやってたりして」
凛「まさか」
奈緒「ないだろ」
加連「だよねー」
凛「特攻服着てるかも」
奈緒「どんなメイドだよ」
加連「『冥土に送ってやる』的な?」
凛「座布団一枚」
奈緒「いや、怖いよ。座布団取り上げー」
加連「えー」
3人「ハハハハハ」
(カフェ)
3人「「「こんにちはー。拓海いるー?」」」
拓海「いらっしゃいませご主人様ー☆ たくみんがお出迎えでーす☆」(キャピーン)
3人「」
拓海「3名でよろしいでしょうかー☆ キャハ☆」
凛「う、うん」
奈緒「お、おう」
加連「……ひゃー」
拓海「メイド長~☆ 3人のご主人様ご案内でーす☆」
菜々「はーい☆ がってん承知の助!」
菜々「いや、寿司屋かっての☆ なんちゃって~☆」
菜々「おや、凛ちゃんに、奈緒ちゃんに、加連ちゃんじゃないですか。いらっしゃーい!」
菜々「すぐに席にご案内しますねー!」
3人「」
(案内されたテーブル)
凛「……」
奈緒「……」
加連「……」
凛「『魔改造』されてたね」
奈緒「……ああ」
加連「拓海。一切の恥じらいもなく『ご主人様』とか言ってたね」
奈緒「……ああ」
凛「『10年会わなかったいとこの激変っぷり』に近い感覚があるよ」
奈緒「もはや誰だよ。あれ」
加連「名乗ってたでしょ。『たくみん』だよ」
凛「拓海はいずこへ」
加連「神のみぞ知る」
奈緒「やばいよ。まだプロデューサーとも会ってないんだぞ」
奈緒「メインディッシュ前なのに、すでにインパクトが強すぎて『お腹いっぱい』なんだけど」
加連「胃もたれしそう」
凛「久しぶりにすごいもの見たね」
奈緒「……」
奈緒「たださ」
凛「?」
加連「?」
奈緒「可愛くね?」
凛・加連「「……」」
凛・加連「「激しく同意」」
加連「ビジュアルは元々すごいもんがあるからねー」
凛「あのバスト。サラサラ黒髪。ピシッとした体幹」
奈緒「日本人には似合わないはずのメイド服を着こなしてる」
3人「「「憧れるわー」」」
拓海「お褒めに預かり光栄ですわ。ご主人様☆」
3人「「「!?」」」
拓海「お冷でございまーす☆」
凛「あ、ありがとう」
奈緒「さ、サンキュ」
加連「似合ってるね。拓海」
拓海「……」(ピクッ)
拓海「そ、そう何度も言われると照れてしまいますわ。ご主人様☆」
凛「いや。本当に似合ってるよ」
拓海「だから……何度も言うんじゃね……ないでくださいますか☆」(ピクピク)
奈緒「いいなー。拓海みたいにメイド服が似合うようになりたいなー」
拓海「……るせぇ。いい加減にしないと張り倒しますわよ。ご主人様?」(ゴゴゴゴ)
奈緒「」
(少しして)
拓海「ったく、慣れるわけねーだろ。こんな姿」
凛「あれ? たくみんはどこ行ったの?」
加連「急に……消えた!?」
凛「私たちのアイドルたくみんが……」(シュン)
加連「あ、でも。代わりに拓海が現れたよ?」
凛「仕方ない。妥協しよっか」
加連「うん」
拓海「てめえら。マジでしばくぞ」
奈緒「拓海。これがこいつらの平常運転だ」
(少しして)
凛「まあ。それだけメイド姿が板に付いてれば罰ゲームは問題なさそうだね」
加連「そうだね。立派に勤めを果たせるよ」
奈緒「頑張ってこいよ。拓海」
拓海「ちっ。この罰ゲームが終わったらもう1回勝負すっからな」
凛「その件は現在受け付けておりません」
加連「毎週金曜日の夕方にのみ窓口で受け付けております」
凛「また機会を改めてお越しくださいませ」
拓海「役所仕事かよ」
奈緒「トランプでリベンジしたきゃ、その時間にまた来るんだな」
拓海「……ふん。望むところだ!」
凛「その前にやるべきことはやってもらうけどね」
(夜・P宅付近)
P「(ふぅ。今日も疲れたな)」
P「(明日も仕事だが、午後からだし。久しぶりに家でゆっくり休めるぞ)」
P「(ご飯作って風呂入って、今日はさっさと寝るか)」
カチャ
P「ただいーーー」
拓海「おかえりなさいませ。ご主人様☆ キャハ☆」
P「」
拓海「あれあれ? どうしたんですか? そんなキョトンとした顔しちゃって?」
P「疲れすぎたのかな。部屋を間違えたようだ」
拓海「いいえ。ここはご主人様のお部屋ですよ☆」
P「疲れすぎたのかな。幻覚が見えている」
拓海「あら、それは大変ですわね。あなたの専属メイド・たくみんが膝枕をしてたげちゃうゾ☆」
P「……白昼夢?」
凛「夢じゃないよ」(ニュッ)
加蓮「現実です」(ニュッ)
P「ナチュラルにキミたち2人もいるんだな」
奈緒「あたしもお邪魔してるぞー」(ニュッ)
P「トライアドプリムスの完成か」
凛「トライアドプリムスwithたくみん」
P「家の鍵はどうしたんだ?」
加蓮「大丈夫。まゆから借りてるだけだよ」
P「何ひとつ大丈夫じゃない気もするが納得した。まあいいだろう。このカオスな状況の説明をしてもらおうか」
拓海「了解しました。ご主人様☆」
(少しして)
奈緒「かくかくじかじか」
P「ふんふんなるほど」
凛「と、いうわけで。明日までたくみんがプロデューサーのお世話をするよ」
拓海「よろしくお願いします。ご主人様☆」
加蓮「ふふ……ふっ……」(プルプル)
拓海「……」
げしげしっ!
加蓮「痛い痛い。わき腹を小突かないで。私、病人だよ?」
拓海「治ってんだろてめぇ!」
奈緒「あ」
P「お?」
拓海「はっ!」
拓海「……な、治ってらっしゃるんでしょう☆ 加蓮様は」
P「おぉぅ……素は封印してるわけか」
凛「こういうルールだからね。拓海は理想のメイド『たくみん』なんだよ」
拓海「スーパーメイド☆たくみんでーす!」
P「理想というわりにはセンスが『70年代』臭がするけど」
奈緒「口調がどこはかとなく『ナウい』よな」
加蓮「文句は指導者に言って」
(カフェ)
菜々「くしゅん!」
(少しして)
奈緒「じゃあ、まずはプロデューサーと一緒に写真を撮ろうぜ。あたしが撮影するよ」(ワクワク)
加蓮「いーねー。プロデューサー。そこに座って」
P「疲れてるからご飯食べたいんだけど」
凛「遊び終わったらね」
P「遊ぶのはご飯の後だってお母さんに習わなかったのかい」
奈緒「時間が惜しいんだ。ほらほら、たくみんは準備もうできてるぞ」
拓海「ご主人様! たくみんと一緒にメモリアル写真を撮りましょう☆ 青春の1ページです☆」
P「えー……」
拓海「……と・り・ま・しょ・う☆」
グググ……!
P「拓海。俺の肩を『指がめり込むくらいの力』で握るのはやめてくれ。さっさと写真を撮り終えたいのはわかったからやめてくれ」
拓海「わかってもらえて光栄ですわ☆」(ニッコリ)
奈緒「じゃあ、2人とも笑顔でなー」
奈緒「はい。チーズ」
拓海「キャハ☆」
P「イェーイ」
カシャ! カシャ! カシャ!
(撮影後)
P「あざっしたー」
凛「いい写真が撮れたね」
加蓮「一生の思い出になるよ」
奈緒「ほんと可愛いなー。これ」
凛「待ち受けにする?」
奈緒「あたしはホーム画面にする」
加蓮「私は『疲れた時にみる写真フォルダ』で保管しとく」
拓海「……」
P「拓海。いい笑顔だったぞ」
ポンっ
拓海「……ありがとうございます。ご主人様。キャハ☆」
P「半分やけになってないかい?」
拓海「半分どころの話ではないですわ。ご主人様。ちくしょう」
(しばらくして)
凛「じゃ、私たちは帰るね」
奈緒「プロデューサーさん。また明日な」
加蓮「たくみんもバイバーイ♪」
拓海「凛様。奈緒様。加蓮様。行ってらっしゃいませ☆ 2度と来なくて結構ですわ☆」
P「本音が漏れている上に、話し方が『しゅがは』になってるぞ」
3人「「「お邪魔しましたー」」」
バタン!
P「ふぅ」
拓海「あら。おつかれのようですね。ご主人様☆」
P「ちょっと疲れた」
P「ていうか拓海。あのすっとこどっこいたちは帰ったし。普通に話していいぞ」
拓海「……」
拓海「いえ。ルールはルールですもの。メイドである間はきちんと勤めを果たしますわ」
P「やっぱり拓海って律儀だよね」
P「ま。そういうことなら俺も甘えさせてもらおうかな」
拓海「上等ですわ☆ 何でもおっしゃってください☆」
(少しして)
P「ごはんマダー?」
拓海「ご主人様。いましばらくお待ちください」
P「ごーはーん。ごーはーん」
拓海「るせえな……」(ピキッ)
P「」(びくっ)
拓海「あらご主人様。どうして怯えているのですか☆」(にっこり)
P「いえ別に」
拓海「完成しました。ご注文のオムライスでございます。ご主人様☆」
コトッ……
P「おお……思いのほか美味しそうだ」
拓海「菜々……いえ、メイド長・ウサミン秘伝のオムライスですよ☆」
P「年季が入ってそうだな。では、いただきます」
拓海「ごほんっ……その前にやることがあるのでお待ちを」
P「?」
スゥゥゥ……カッ!
拓海「たくみん~☆ ご主人様のために愛を込めさせてもらいまーす☆」
拓海「たくみんのLoveを注入~☆」
拓海「萌え萌えー……キュンっ☆」
キャピーン☆(エグい内股のぶりっ子ポーズ)
拓海「仕上げに~♪ 美味しくなーれっ☆」
チュッ♪(投げキッス)
P「……」
拓海「……」
P「……」
拓海「……冷めるから食えよ」
P「……おう」
カチャカチャ……もぐもぐ
P「懐かしい味がする」
拓海「それはたくみんの愛とは関係ございません☆」
(少しして)
拓海「ご主人様。だいぶ洗い物が溜まってますね」
テキパキテキパキ
拓海「よっと……。やることが多いですっ……! と」
テキパキテキパキ
P「悪いな。何から何までしてもらっちゃって」
拓海「専属メイドですから。キャハ☆」
P「いい嫁になれそう」
拓海「はぁっ!?」(ギロッ)
P「たんま。素になってる。拓海。素に戻ってる」
拓海「ててて、てめえが変なことを言うから……!!」
拓海「……っと。ご主人様が変なことを言いやがるからでございましょう☆」
P「戻りきれてない」
拓海「……い、いいからっ!! 黙って休んでてくださいませって言ってんだろ、ゴラァァァ!!!」(にっこり)
P「メイドスマイルのまま怒鳴られてると変な恐怖を感じる」
(しばらくして)
P「さて……風呂にも入ったし。もう寝るかな」
P「ふぁぁ……」
拓海「……」
P「あれ? そういや、拓海はどこで寝ーーー」
拓海「明日までの仕事なので、この家でに決まっているでしょう☆」
P「……」
拓海「……」
P「2人分のベッドないから一緒に寝るか」
拓海「は、はぁ!? ざけんなっ!! てめえは床で寝……てくださいませ☆ ご主人様☆」
P「でも、今日の俺はご主人様だ」
拓海「ぐっ」
P「もちろん。女の子の拓海を床で寝かせるつもりもない」
P「よって。選択肢はひとつ。『一緒に寝る』だ」
拓海「ま、待った!」
P「ほれほれ。メイドだったらご主人様の言うことを聞けー」
拓海「ぐっ……ここぞとばかりに。ひどいですわご主人様☆」
P「決定事項です。カモン」
(消灯後)
拓海「……」
P「……」
拓海「ご、ご主人様。密着しすぎではないでしょうか☆」
P「仕方ないだろう。狭いんだから」
拓海「……っ。やっぱりアタシは床で」
P「一度決めただろ」
拓海「……」
もそもそ……
拓海「……じゃ、もうちょい詰めろよ」
P「はいよ」
拓海「……」
P「……」
拓海「……おやすみ」
P「ああ。おやすみ。たくみん」
拓海「……殴りますわよ?」
P「えぇ……」
(次の日)
ちゅんちゅん
拓海「(ほぼ眠れなかった)」
P「いい朝だ」
拓海「(なんでこいつは爆睡してんだよ! こっちはずっと悶えてたってのによ!)」
P「ん? どした?」
拓海「なんでもありませんわ。ご主人様☆」
(事務所)
加蓮「はーい。罰ゲームしゅーりょー」
奈緒「お疲れー」
拓海「はぁ……やーっと終わりか」
凛「素敵な一日を送れたかな。たくみん?」
拓海「2度とその名前で呼ぶんじゃねぇ」
P「つれないことを言うなよたくみん」
拓海「オラァァッ!!!」
ヒュッ!!! スパァァン!!!
P「ぐぇぇぇぇ!!!!」
ぱたり
P「」
奈緒「痛烈なボディブローだったな」
凛「今のはキツいね」
加蓮「さすが拓海。でも、ちょっと酷くない?」
拓海「ふん。昨日の夜のお返しだ」
加蓮「夜何かあったの?」
拓海「な、何もねぇよ!」
凛「ふーん」
奈緒「ほー」
加蓮「へー」
拓海「っんだよ! その目は!!」
3人「「「別にー」」」
拓海「ムカつくな……キャハ☆」
拓海「……っ!! い、いまのはちげえよ!!」
凛「まだ語尾が抜け切れてないね」
(次の金曜日)
拓海「」
凛「さて。今日も拓海がリベンジに来てくれたわけですが」
奈緒「負けてしまったので」
加蓮「また引いてもらいまーす♪」
拓海「……くそっ……あそこで右を選んでりゃ」
加蓮「おや、言い訳♪」
拓海「うるせえ。さっさと箱をよこせ」
奈緒「ほらよ」
拓海「ん。引くぞ」
拓海「(ま、この前のより悪い罰ゲームにはならねえだろ)」
ガサゴソ……ひょい!
【1日限定: きらりのモノマネをしながらPちゃんのお世話をしてもらいまーす☆(by. きらり)】
凛「じゃあ」
加蓮「実行」
奈緒「よろしく」
拓海「待てやコラァァァァ!!!!」
終わり
以上です
お読みいただきありがとうございました
メイドさんって可愛いよね
おまけ
拓海「たくみんだよぉ~☆ ライブに来てくれたみんなをハッピハッピにするにぃ~☆」
拓海「喧嘩上等☆ 仏血義理で歌いきってやるにぃ☆」
拓海「にょわー☆ きゃわいい仔犬だよぉ☆」
拓海「Pちゃん☆ セクハラもいい加減にしないと血祭りにあげちゃうよ☆」
拓海「うぇへへ☆ そんなに見つめてんじゃねぇよぉ☆」
P「これはこれでありだな」
拓海「ないよぉ☆」(ギロッ)
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